JP4462725B2 - プレート付き多層成形品成形用の多層成形プレス - Google Patents

プレート付き多層成形品成形用の多層成形プレス Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は粉末成形プレスに関し、特に銅板、鉄板、アルミ板、セラミック板、或いは樹脂板等のプレート上に、異種類の成形粉末を積層し、これらを一体成形してプレート付きの多層成形品を得るための多層成形プレスに関する。
【0002】
【発明の背景】
異種類の成形粉末を多層に積層して高機能で付加価値の高い成形品を得るという基本的な考え方については、例えば特開平6−293015号でもう既に知られているところである。しかしながら近時では、こうした単なる多層成形品に止まらず、多層成形品の底面に、例えば銅、鉄、アルミ等の金属材質やセラミック材質、或いはプラスチック材質のプレートを付けて、これらを一体成形したプレート付きの多層成形品が焼結電気接点や機械部品等として使用されることがある。
【0003】
こうした要請を受けて本発明者は、プレート付きの多層成形品を生産性よく自動で成形可能な粉末成形プレスがないかと考えてみたが、現時点でこうした成形を行う自動機は本発明者の知る限り皆無であった。その訳を考えてみると、こうしたプレート付きの多層成形品が現時点ではまだ開発途上の試作段階で、専用機を製造する必要性がそれほど高くなかったことが理由の一つとして上げられる。しかしながら、本発明者は、今後益々こうしたプレート付きの多層成形品が、様々な技術分野で利用される可能性が高まるであろうと考えて、自動成形可能な粉末成形プレスを実現できないかと試行錯誤した。その結果、創出されたのが本発明である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、本発明の目的は、プレート付きの多層成形品を生産性よく自動成形することを実現する多層成形プレスを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
こうした目的を達成すべく本発明は、プレートの上面に異種の成形粉末を多層にして一体成形したプレート付き多層成形品を得るための多層成形プレスであって、ツールセットにセットされたプレートと充填された成形粉末とを加圧成形するプレス装置と、プレス装置にあるツールセットのダイに対して異種類の成形粉末を供給する複数の給粉装置と、
プレートセット済みのツールセットと成形工程済みのツールセットの双方を同時に載置可能で、プレートセット済みのツールセットをプレートセット時の初期位置からプレス装置の隣接位置へ移動させる一方で、プレス装置による成形工程済みのツールセットを該隣接位置から該初期位置へ移動させる回転テーブルを備える回転テーブル装置と、プレス装置にある成形工程済みのツールセットを回転テーブル上に退避させる一方で、回転テーブルの回転により前記初期位置から前記隣接位置へ移動してきたプレートセット済みのツールセットをプレス装置内に引き込む移送装置と、を備える多層成形プレスを提供する。
【0006】
この多層成形プレスでは、回転テーブル装置と移送装置との協動によって、複数のツールセットの各々について異なる工程作業を同時進行的に分散処理することが可能で、プレート付き多層成形品を生産性よく自動成形することができる。
【0007】
即ち、回転テーブル装置は、初期位置にプレートセット済みのツールセットを、また隣接位置に成形工程済みのツールセットを同時に載置可能で、回転テーブルの回転によって双方のツールセットの位置を相互に入れ替えることができる。そして前記初期位置では、成形工程済みのツールセットから成形品を取り出したりツールセットにプレートのセットを行う一方で、前記隣接位置では移送装置がプレートセット済みのツールセットをプレス装置内に引き込み充填工程と成形工程を実行することができる。
【0008】
上記の多層成形プレスについては、給粉装置に成形粉末の計量手段を備えており、この計量手段によって計量した所定重量の成形粉末をダイ上方からダイ内に落下させて、成形粉末を充填するようになっていると好ましい。
【0009】
成形粉末の充填方法としては、例えば、落とし込み充填、吸い込み充填等が一般的であるが、これらは何れも内部に成形粉末が供給されたフィーダを、ダイプレート上を直線的且つ摺動的に進退動させてダイ内に成形粉末を供給する充填機構で、こうした充填動作を繰り返すうちに成形粉末がフィーダの外に漏れてダイプレート上に堆積してしまうという不具合がある。従って、これをそのまま本発明の多層成形プレスに用いると、ダイプレート上に異種類の成形粉末が漏れ出て混合してしまい、これがダイ内に充填されて意図する多層成形品を得られないおそれがある。この点、所定重量の成形粉末をダイ上方からダイ内に落下させて充填する本発明によれば、異種類の成形粉末が混合状態で多層成形されることはなく、各成形粉末の使用量も成形品ごとに一定にできるから、高品質の成形品を得ることができ、成形粉末の無駄を少なくすることもできる。
【0010】
また、以上の多層成形プレスについては、回転テーブル装置が、初期位置にある成形工程済みのツールセットに対して、上面にプレートセット凹部を有する下部プレートの上面から上端部が突出可能な一方のノックロッド及び該ツールセットの上パンチを有する上部プレートとダイプレートに上下動を与える他方のノックロッドを備えている。そして、少なくとも成形品の高さ寸法よりも高い位置へ下部プレートから一方のノックロッドの上端部を突出させる過程と、該他方のノックロッドによってダイプレートを下降させて、該一方のノックロッドの上端部に当接させて停止させる過程と、該他方のノックロッドによって上部プレートを下降させて、ダイ内に係止している成形品を上パンチによって押し出してダイプレートから成形品を離脱させる過程と、を実行する。
【0011】
例えば、ツールセットの下部プレート上面を受け面としてダイ内に充填した成形粉末を加圧すると、成形品がダイの内壁に与える側圧によってダイ内に係止してダイプレートを持ち上げても上パンチと上部プレートの自重では離脱しないような場合がある。そのため、ダイ内に係止している成形品をダイから離脱させる必要がある。この多層成形プレスによれば、プレス装置で行う成形工程に使用する上パンチを、回転テーブル装置で行う抜き出し工程でダイプレートから成形品を離脱させるために兼用することが可能で、成形品脱離用の他の機械要素が不要である。この場合、上部プレートには、上パンチのダイ下方への突出量を制限するためのストッパを、その底面から下向き突設するのが好ましい。これによれば、ダイから離脱して下部プレート上にある成形品を、上パンチによって押し潰して破壊してしまうことを防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本例の多層成形プレスは、装置構成が複雑であるため、各図では理解を容易にすべく一部図示を省略している箇所がある。
【0013】
図1に示すのは、本例のプレート付き多層成形品成形用の多層成形プレス1の全体構成を示す平面図である。この多層成形プレス1は、中央にあるプレス装置2を中心として、その右側に回転テーブル装置3、手前側に銅粉を供給する給粉装置4、奥側にカーボン粉を供給する給粉装置4を備えている。そして、プレス装置2の左側には移送装置5を備えている。以上の各装置は、一台の多層成形プレス1としてシステム化されていて、回転テーブル装置3の右端にある操作ボックス6で全体の動作制御を集中管理できるようになっている。そして、この多層成形プレス1は、同時に4つの成形品を製造できるように構成されている。
【0014】
プレス装置2の構成
【0015】
図2は、図1のSA−SA方向から見た多層成形プレス1の正面図を示している。プレス装置2は、従来からある一般的な粉末成形プレスと同様の構成で、駆動源となる油圧シリンダ21によって上部ラム22が上下方向で駆動されて、ツールセット7にセットされた銅プレートの上に銅粉とカーボン粉とを二層で一体成形する。ツールセット7の下側にあるベッド23の下方には、第1ノックロッド24を上昇・下降駆動させる油圧シリンダ25が備わっている。なお、図2では、第1ノックロッド24を上昇させた状態を示してあり、また第1ノックロッド24は2本しか示していないが図中奥側にある2本の第1ノックロッド24は隠れて見えないように状態となっている。また、26は油圧シリンダ25を支える支持柱である。
【0016】
給粉装置4の構成
【0017】
図3で示す給粉装置4は、図2中で右側の給粉装置4の構成を示してあるが、プレス装置2の左側にある給粉装置4も同じ装置構成で、供給する成形粉末が銅粉であるかカーボン粉であるかで異なるだけである。各給粉装置4には、図3及び図4で示すように、ホッパ41と、粉末計量ユニット42と、フィーダ駆動部43とを備えている。各ホッパ41内にある銅粉とカーボン粉は、ホッパ41から下方へ伸長する供給筒41aを通じて、断面U字形状の粉末受け42bに落とされる。この粉末受け42bの下方にあるリニアフィーダ42aは、粉末受け42bで受けている銅粉等を図3の矢示方向Aへ徐々に微動させる振動を粉末受け42bに対して与えるように作動する。すると、銅粉等は、矢示方向Bのようにして粉末受け42bの左端部から少しずつ計量皿42cに落下していく。計量皿42cに落下する銅粉等は、その上方にあるロードセル42dによって計量される。ここで所定重量計量されると、先端に掃き出しゴム42eを有する掃き出しアーム42fが図4の矢示方向cへ駆動され、計量皿42c上にある銅粉等がシュート42gへ掃き出される。シュート42g内を落下する銅粉等は、図5で示すフィーダ駆動部43に供給される。なお、図3で二点鎖線で示す42hは、サブポット43da,43dbに残存している成形粉末を集塵する集粉孔で、その上端は図示せぬ集粉ユニットに接続されている。
【0018】
フィーダ駆動部43の構成
【0019】
フィーダ駆動部43の構成について図5〜図7を参照しつつ説明する。同図で示すフィーダ駆動部43は、図2中でプレス装置2の左側のものを示しているが、右側のものも装置構成は同じである。フィーダ駆動部43は、固定ベース43aの上側に移送ベース43bを、その下側に移送ベース43bを矢示方向Dで進退動させる駆動部43cを備えている。移送ベース43bの先端側には、サブポット43da,43dbを備えるサブポットベース43eを備えており、このサブポットベース43eの下側にはエアシリンダ43fによって矢示方向Dで進退動されるシャッタプレート43gが備わっている。このシャッタプレート43gには通孔43ga,43gbが形成されていて、エアシリンダ43fによってシャッタプレート43gが図5で示す閉位置から図示せぬ開位置まで前進すると、通孔43gaとサブポット43daが、また通孔43gbとサブポット43dbの開孔がそれぞれ合致して、成形粉末がサブポット43da,43db内から下方に落下するようになっている。
【0020】
移送ベース43bの基端側には、左右一対のサイドプレート43hが連結されていて、その下端は移送プレート43iに連結されている。移送プレート43iには、その中央に、固定ベース43aの裏面に取り付けた移送モータ43jの出力が伝達されるボールネジ43kと螺合するナットブラケット43mが取り付けてある。そして、その左右には、固定ベース43aの裏面にスペーサ43nを介して取り付けてあるシャフト43pのガイドを受けるリニアブッシュ43qが固定されている。なお、図5及び図6で上向きに開口している43rは集粉孔で、その反対側端部は図示せぬ集粉ユニットに接続されていて、給粉後にサブポット43da,43db内に残っている成形粉末を吸引・除去するようになっている。
【0021】
以上のような構成のフィーダ駆動部43によれば、移送モータ43jを駆動させると、ボールネジ43kが回転してナットブラケット43mが矢示方向Dへ進退動し、この進退動に伴ってナットブラケット43mを固定してある移送プレート43i、サイドプレート43h、及び移送ベース43bが、図5の二点鎖線で示す位置まで前進し、そこから後退するようになっている。
【0022】
回転テーブル装置3の構成
【0023】
回転テーブル装置3は、図1と図8で示すように、回転軸部31aを中心に回転可能な円形のテーブル31を備えており、このテーブル31は、その底面に接触する駆動ローラとこれを駆動するオイルモータとを備える駆動ユニット32によって駆動される。テーブル31は、図1で示すように、操作ボックス6の面前の初期位置と、プレス装置2の面前の隣接位置とで停止するように回転制御される。テーブル31の下側には、第2ノックロッド33及び第3ノックロッド34と、第2ノックロッド33を上下動させる駆動シリンダ35と、第3ノックロッド34を上下動させる駆動シリンダ36が備わっている。37a,37bは、それぞれ駆動シリンダ35,36を支える支持柱である。なお、38は成形工程を済ませたツールセット7に残っている粉塵を吸引・除去するための集塵ユニットである。
【0024】
図1において、この回転テーブル装置3の右側にある操作ボックス6には、各種の多層成形プレス1の全体の動作制御を行うための操作ボタン等が設けられていて、この多層成形プレス1を操作する作業者は、この操作ボックス6で多層成形プレス1を操作したり、その前でツールセット7にプレートをセットしたり、ツールセット7から成形品を取り出したり、ツールセット7の集塵作業等を行う。
【0025】
移送装置5の構成
【0026】
移送装置5は、隣接位置にあるツールセット7(図1及び図8で二点鎖線で示すツールセット7)をプレス装置2内の所定位置へ引き込み、所定の成形工程を終えたプレス装置2内にあるツールセット7(図1及び図8で実線で示すツールセット7)を円テーブル31上に押し戻す働きをする。即ち、移送装置5は、ツールセット7を載置する2つの移送プレート51を備えていて、この移送プレート51はプレス装置2と円テーブル31に設けられた回転ローラを備えるガイドレール52に案内されながら円テーブル31とプレス装置2との間を往来可能となっている。そして、この移送プレート51の往来は、移送アーム53によって行われる。
【0027】
具体的には、円テーブル31の回転によって移送プレート51が初期位置から隣接位置へ移動すると、図9及び図10で示すように、移送プレート51に取り付けてある3つのカムフォロー51aが移送アーム53の先端部にある把持部53aの係合溝53bの中に入り込んで係合するようになっている。そして、この係合状態で移送モータ54が移送アーム53を進退動駆動することで、ツールセット7がプレス装置2と円テーブル31を往来することができる。この移送アーム53の往来の停止制御は、移送アーム53の膨出部53cと、移送装置5のリミットスイッチ55a,55bによって行う。即ち、図1の状態では、実線で示す膨出部53cがリミットスイッチ55aを図中左側に傾けており、これによって移送アーム53の後退動作が停止するようになっている。そしてこの状態から移送アーム53が前進すると、膨出部53cが点線で示す位置でリミットスイッチ55bを図中右側に傾け、これによって移送アーム53の前進動作が停止する。なお、各リミットスイッチ55a,55bの隣にあるのは低速化スイッチである。
【0028】
ツールセット7の構成
【0029】
ツールセット7は、例えば図11で示すように、下部プレート71と、ダイプレート72と、上部プレート73を備えている。下部プレート71には、例えば図9と図11(a)(b)で示すように、プレス装置2に備える第1ノックロッド24及び回転テーブル装置3に備える第3ノックロッド34に対する逃げ孔71aと、第2ノックロッド33に対する逃げ孔71bとがそれぞれ4つずつ貫通形成されている。また、その上面には銅板を位置決めする4つのセット凹部71cが形成されると共に、第1ガイドロッド71dが4本立設されている。
【0030】
ダイプレート72には、第1ガイドロッド71dを挿通するための4つの逃げ孔72aと、成形粉末を充填させるキャビティ72bが貫通形成されている。なお、キャビティ72b内には図示せぬ成形品形状に応じたダイがセットされている。ダイプレート72の上面に立設してあるのは第2ガイドロッド72cで、上部プレート73との相対的な上下動をガイドするものである。第2ガイドロッド72cの上端部には、上部プレート73から第2ガイドロッド72cが抜けるのを防止するための抜け止めキャップ72dが取り付けられている。
【0031】
上部プレート73には、第1及び第2ガイドロッド71d,72cを挿通するための4つの逃げ孔73a,73bがそれぞれ貫通形成されると共に、その底面には4本の上パンチ73cと4つのストッパ73dが設けてある。
【0032】
多層成形プレス1の動作
【0033】
さて、以上の構成とした多層成形プレス1について、次にその動作を説明する。多層成形プレス1では、2つのツールセット7を同時に使用して、銅板の上に銅粉とカーボン粉を積層してから加圧して2層成形する。まず、円テーブル31上にある1つの移送プレート51に、銅板をセットしていないツールセット7を載置する。そして、図1の二点鎖線で示すように移送アーム53を前進させておいてから、円テーブル31を180度回転させて他方の移送プレート51に他方のツールセット7を載置する。この状態にしてから、図11(a)の銅板セット工程を実行する。即ち、回転テーブル装置3に備える第3ノックロッド34を上昇させて、下部プレート71の逃げ孔71aを通じてから上部プレート73を図示の位置にくるまで押し上げておく。そして、その押し上げ状態を維持して、作業者が銅板を4つのセット凹部71cそれぞれにセットする。
【0034】
この工程が終わると、回転テーブル31が180度回転して、初期位置にある銅板セット済みのツールセット7が隣接位置へ、隣接位置にある銅板未セットのツールセット7が初期位置へ入れ替えられる。この入れ替え後、初期位置にある銅板未セットのツールセット7については、上述のように第3ノックロッド34によって上部プレート73が押し上げられて、作業者が銅板をセット凹部71cにセットする作業を行う。一方、銅板をセットしたツールセット7は、図9及び図10で示すように、円テーブル31の回転によって移送プレート51のカムフォロー51aが移送アーム53の把持部53aの係合溝53bに入り込んで係合状態となる。すると移送アーム53が後退駆動されて、ツールセット7がプレス装置2内に引き込まれる。
【0035】
こうしてツールセット7がプレス装置2の所定位置へ引き込まれると、図11(b)の充填工程と、図11(c)の成形工程を順に実行する。充填工程では、先ずプレス装置2の第1ノックロッド24が上昇してツールセット7の逃げ孔71aを通じ、上部プレート73を図示の高さ位置まで上昇させる。そして、銅粉供給用の給粉装置4に続けて、カーボン粉供給用の給粉装置4が作動する。
【0036】
即ち、銅粉の給粉装置4では、上述のようにして粉末計量ユニット42で正確に計量された所定重量の銅粉が、シュート42gを落下してフィーダ駆動部43のサブポット43da内に供給される。次に、サブポット43db内にも銅粉を供給すべく、フィーダ駆動部43の移送ベース43bが前進して、図5で二点鎖線で示すシュート42gの真下にサブポット43dbを位置決めさせると、正確に計量された所定重量の銅粉が、シュート42gの下端からサブポット43db内に供給される。そして、移送ベース43bがさらに前進して、図11(b)で示すツールセット7の上パンチ73cとダイプレート72の間にサブポットベース43eを進入させる。サブポットベース43eが所定位置に位置決めされると、エアシリンダ43fがシャッタプレート43gをスライドさせる。すると、シャッタプレート43gが閉状態から開状態となって、サブポット43da,43db内の銅粉が通孔43ga,43gbを通じてダイキャビティ72bに落下する。こうして銅粉の供給を終えると、移送ベース43bが後退してから、第1ノックロッド24が下降して上パンチ73cでダイキャビティ72b内の銅粉がならされる。そして、ならしを終えると、第1ノックロッド24が上昇して上部プレート73を押し上げて、今度はカーボン粉が上述の銅粉の充填要領と同様にして充填される。この状態が図11(b)で示してある。そして、カーボン粉が充填されると、こんどはカーボン粉のならしを行わずに図11(c)の成形工程が実行される。
【0037】
ここで、銅粉又はカーボン粉を充填した後の移送ベース43bの退避動作を説明しておく。上述のように、本例の多層成形プレス1では、銅粉とカーボン粉が混合せずに、正確に上下の層として成形されるように、所定量正確に計量した成形粉末を異なる給粉装置で重量充填することを基本としている。従って、サブポット43da,43dbから銅粉等をダイキャビティ72bへ充填した後に、サブポット43da,43dbの内壁に成形粉末が残存していると、所定量正確に計量することが無意味となる。そこで、本例の多層成形プレス1では、移送ベース43bが退避する際に、サブポット43da,43dbに残存している銅粉等を、次のように吸引して除去するようにしている。
【0038】
即ち、移送ベース43bがツールセット7から退避する際には、シャッタプレート43gを開状態としたままで後退させていき、図3で示すように、先ず基端側のサブポット43dbを、粉末計量ユニット42の集粉孔42hとフィーダ駆動部43の集粉孔43rとの間に位置決めさせて停止させる。ここでサブポット43db内に残存する銅粉等を上下で吸引して除去するようにする。そして、移送ベース43bを再び後退させて、今度は先端側のサブポット43daを、集粉孔42hと集粉孔43rの間に位置決めさせて、残存する銅粉等を上下で吸引して完全に除去するようにする。この一連の集粉作業を終えて移送ベース43bが完全に後退すると、シャッタプレート43gを閉じて、上述の要領でサブポット43da,43dbへ順に銅粉等を供給する作業が行われる。
【0039】
さて次は、成形工程を実行する。先ず、図11(c)で示すように、第1ノックロッド24を下降させて、上パンチ73cをダイキャビティ72c内に挿入させておく。そしてこの状態から、プレス装置2の油圧シリンダ21によって駆動される上部ラム22によって上部プレート73の上面を加圧して(図示略)、上パンチ73cで銅粉とカーボン粉を加圧する。こうして銅板と銅粉とカーボン粉が加圧されると、これらが一体成形された多層成形品が形成される。
【0040】
こうして成形工程を終えると、今度は移送アーム53が前進駆動されて、ツールセット7を円テーブル31の隣接位置へ移送する。移送が終わると円テーブル31が180度回転駆動されて、隣接位置にある成形工程済みのツールセット7が初期位置に、また銅板セット済みのツールセット7が隣接位置に入れ替えられる。そして、隣接位置のツールセット7は、上述のように移送装置5の作動によってプレス装置2内に移送されてから、上述した充填工程と成形工程が実行されることになる。一方、回転テーブル装置3の初期位置にある成形工程済みのツールセット7については、成形品のノックアウト工程が行われる。
【0041】
このノックアウト工程では、先ず図12(a)で示す下抜き工程を実行する。即ち、回転テーブル装置3の第3ノックロッド34を上昇させることで上部プレート73とダイプレート72を持ち上げると、成形品Pがキャビティ72bの内壁に与える側圧によってキャビティ72b内に係止するため、上パンチ73cの加圧力によってセット凹部71cに密着している成形品Pが引き離される。
【0042】
この下抜き工程を実行すれば、図12(a)で示すように、成形品Pの銅板を人手を要することなく効率的にセット凹部71cから引き離すことが可能であるが、ここで一つの問題が生じる。それは、図12(a)で示すように、成形工程の加圧によってキャビティ72bの内壁に密着している比較的もろい成形品Pを、如何にしてダイプレート72から破壊せずに脱離させるか、という問題である。本例の多層成形プレス1では、これを解決するために、回転テーブル装置3に第2ノックロッド33を設けると共に上部プレート73にストッパ73dを備えるようにし、これらと成形工程で用いた上パンチ73cをここでも活用して成形品Pを脱離させる上抜き工程を実行する。
【0043】
具体的には、図12(b)で示すように、下部プレート71の上面から成形品Pの高さ寸法よりも若干突出する程度に上端部が位置するように第2ノックロッド33を上昇させておく。そして、第3ノックロッド34を下降させていくと、まず第2ノックロッド33の上端がダイプレート72の底面と接触してダイプレート72の下降が停止する。さらに第3ノックロッド34を下降させると、上部プレート73が下降を続けることで上パンチ73cがキャビティ72b内に突入して成形品Pを下方へ押し出す。そしてこのとき、上部プレート73の下降はストッパ73dがダイプレート72に当接して停止するので、上パンチ73cがダイプレート72を貫通して押し出した成形品Pの上から接触して壊してしまうようなことはない。こうして図12(c)で示すように、ダイプレート72から成形品Pが脱離されることになる。
【0044】
成形品Pの脱離後はその取り出し工程を実行する。そのためには、図12(d)で示すように、第3ノックロッド34を上昇させて上部プレート73とダイプレート72を所定の高さ位置に止めておき、作業者が成形品Pを取り出す。そして、必要に応じて集塵ユニット38でツールセット7に残存している成形粉末等を除去してから、次の銅板を下部プレート71のセット凹部71bにセットし、以上説明したような動作に従って銅板付きの多層成形品を自動成形することができることになる。
【0045】
【発明の効果】
本発明の多層成形プレスによれば、複数のツールセットを同時に使用して、これらをプレス装置と回転テーブル装置との間で移送装置によって入れ替えて可能で、成形工程とその前後の工程をプレス装置と回転テーブル装置にある各ツールセットで分散処理することができるため、プレート付きの多層成形品を生産性よく自動成形することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による多層成形プレスを示す概略平面図。
【図2】図1の多層成形プレスをSA−SA線方向から見た概略正面図。
【図3】図2の給粉装置を示す図。
【図4】図2で示す給粉装置の左側面図。
【図5】図2の給粉装置を構成するフィーダ駆動部を示す正面図。
【図6】図5のフィーダ駆動部の平面図。
【図7】図5のフィーダ駆動部の左側面図。
【図8】図1の多層成形プレスをSB−SB線方向から見た図。
【図9】移送アームの把持部と移送プレートの係合状態を示す拡大図。
【図10】移送アームの把持部の係合溝と移送プレートのカムフォローの係合状態を示す部分断面拡大図。
【図11】分図(a)は円テーブルの初期位置で行われる銅板セット工程図、分図(b)はプレス装置で行う成形粉末の充填工程図、分図(c)はプレス装置で行う成形工程図。
【図12】分図(a)〜(d)は円テーブルの初期位置で行われる成形品のノックアウト工程を示す図。
【符号の説明】
1 多層成形プレス
2 プレス装置
3 回転テーブル装置
31 円テーブル(回転テーブル)
33 第2ノックロッド(一方のノックロッド)
34 第3ノックロッド(他方のノックロッド)
4 給粉装置
42 粉末計量ユニット(計量手段)
5 移送装置
6 操作ボックス
7 ツールセット
71 下部プレート
71b セット凹部(プレートセット凹部)
72 ダイプレート
73 上部プレート
73c 上パンチ

Claims (3)

  1. プレートの上面に異種の成形粉末を多層にして一体成形したプレート付き多層成形品を得るための多層成形プレスであって、
    ツールセットにセットされたプレートと充填された成形粉末とを加圧成形するプレス装置と、
    プレス装置にあるツールセットのダイに対して異種類の成形粉末を供給する複数の給粉装置と、
    プレートセット済みのツールセットと成形工程済みのツールセットの双方を同時に載置可能で、プレートセット済みのツールセットをプレートセット時の初期位置からプレス装置の隣接位置へ移動させる一方で、プレス装置による成形工程済みのツールセットを該隣接位置から該初期位置へ移動させる回転テーブルを備える回転テーブル装置と、
    プレス装置にある成形工程済みのツールセットを回転テーブル上に退避させる一方で、回転テーブルの回転により前記初期位置から前記隣接位置へ移動してきたプレートセット済みのツールセットをプレス装置内に引き込む移送装置と、を備える多層成形プレス。
  2. 給粉装置に成形粉末の計量手段を備えており、この計量手段によって計量した所定重量の成形粉末をダイ上方からダイ内に落下させて、成形粉末を充填するようになっている請求項1に記載の多層成形プレス。
  3. 回転テーブル装置は、初期位置にある成形工程済みのツールセットに対して、上面にプレートセット凹部を有する下部プレートの上面から上端部が突出可能な一方のノックロッド及び該ツールセットの上パンチを有する上部プレートとダイプレートに上下動を与える他方のノックロッドを備えており、少なくとも成形品の高さ寸法よりも高い位置へ下部プレートから一方のノックロッドの上端部を突出させる過程と、
    該他方のノックロッドによってダイプレートを下降させて、該一方のノックロッドの上端部に当接させて停止させる過程と、
    該他方のノックロッドによって上部プレートを下降させて、ダイ内に係止している成形品を上パンチによって押し出してダイプレートから成形品を離脱させる過程と、を実行するようになっている請求項1又は請求項2に記載の多層成形プレス。
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