JP4460728B2 - 角膜細胞撮影装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は角膜細胞撮影装置に関する。さらに詳しくは、スペキュラー方式によって角膜の細胞を観察、撮影するための角膜細胞撮影装置に関する。スペキュラー方式の撮影装置とは、照明光を被検眼の光軸に対して斜めから照射し、その角膜における鏡面反射光を斜めから受光してこの像を観察、撮影するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、角膜上皮の細胞を鮮明に観察撮影する装置は知られていない。これは、非接触式の撮影装置では角膜上皮に合焦させることが困難だからである。一般的に、合焦は角膜各層からの反射光を検出して行うものである。図9に模式的に示すように上皮Uは角膜Cの表面に近接した層であり、その表面には涙液層Tが存在する。合焦用の照明光を被検眼に照射すると、涙液層Tからの反射光量がきわめて多く、その次ぎに存在する上皮Uからの反射光量は涙液層T表面のそれの約1/200程度である。したがって、涙液層T表面への合焦は容易になされるが、上皮Uの位置はその反射光量のピークがきわめて小さいことから検出することが困難である。
【0003】
かかる困難な合焦操作を必要としない過去の接触式の撮影装置では、被検眼に対物レンズたるコーンレンズを当接して撮影するため、角膜上皮の表面に形成されている層(ムチン層、液層および脂質層を含む涙液層)の像が混在したり、また、これらの層が損傷、破壊された状態で撮影されてしまう。その結果、あるがままの上皮細胞が撮影できない。
【0004】
また、非接触式の撮影装置において上皮細胞を鮮明に観察撮影できない理由としては、被検眼の表面に照射された照明光の反射光のうち、上皮細胞による反射光を涙液層Tによる反射光と分離することができないため、上皮細胞を撮影することができない。涙液層Tによる反射光と上皮細胞による反射光とを分離できない理由は以下のとおりである。
【0005】
上皮Uの層は約50ミクロンの厚さを有しており、その表面側の涙液層Tは平均して10ミクロン以下の厚さを有する。したがって、観察撮影用のスリット状照明光Lを被検眼の前眼部に対してその斜め前方から照射した場合、上皮細胞による反射光Ruと涙液層Tによる反射光Rtとがほとんどの範囲で重なり合ってしまう。スリット光の幅を小さくすると光量が不足し、また、撮影範囲の幅が小さくなってしまう。図中、符号Iで示すのは内皮であり、符号Jで示すのは角膜実質部である。
【0006】
本発明はかかる課題を解消するためになされたものであり、とくに、被検眼に対して非接触でありながら上皮の位置を効果的且つ明確に検出することによって鮮明な上皮細胞の画像を得ることができる角膜細胞撮影装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の角膜細胞撮影装置は、
照明光によって被検眼の前眼部をその斜め前方から照明するための照明光学系と、上記照明光の前眼部で反射された反射光を撮影するための撮影光学系と、合焦用照明光を被検眼にその斜め前方から照射して合焦点における反射光を受光し、角膜各層の像を識別することによって合焦位置を検出する第一合焦検出手段とを備えている。
【0008】
かかる構成によれば、角膜細胞撮影装置の観察対象部位への合焦、つまり、角膜細胞撮影装置の合焦点を観察対象部位に一致させることを、単に角膜の各層における反射光量を検出することによって行うのではない。合焦点における角膜各層の組織像をパターンとして検出することにより、角膜各層のいかなる位置に合焦しているかを検出できるものである。したがって、とくに上皮のように、反射光量のきわめて少ないにもかかわらず、反射光量のきわめて多い涙液表面に近接した部位にも、容易に合焦させることができる。
【0009】
上記合焦検出手段は、被検眼における合焦部位の像を検出する像検出センサと、該像検出センサの出力信号について解析を行う演算器とから構成されている。
【0010】
また、上記演算器、像検出センサからの出力信号について周波数解析を行うことによって合焦位置を検出するように構成されている。したがって、角膜における各層の部位を正確に認識することができるので、所望の部位に容易に合焦することができる。
【0011】
さらに、上記演算器が、角膜の信号パターンを記憶しており、上記像検出センサからの出力信号を上記記憶している信号パターンと比較することによって合焦位置を検出するように構成されてなる角膜細胞撮影装置にあっても、角膜における各層の部位を正確に認識することができるので、所望の部位に容易に合焦することができる。
【0012】
本発明の他の角膜細胞撮影装置は、
照明光によって被検眼の前眼部をその斜め前方から照明するための照明光学系と、上記照明光の前眼部で反射された反射光を撮影するための撮影光学系と、合焦用照明光を被検眼にその斜め前方から照射して合焦点における反射光を受光することによって合焦位置を検出する第二合焦検出手段とを備えており、該第二合焦検出手段が、合焦点を被検眼に向かって被検眼からの反射光量の第一のピーク位置を超えて所定距離前進させたうえで後退させることにより、観察必要部位を検出するように構成されている。
【0013】
かかる構成によれば、たとえば、角膜細胞撮影装置の合焦点を涙液層を通過させて所定距離前進させた後、逆戻りさせることによって観察撮影が必要な部位の反射光のピークを検出することが容易となる。なぜなら、涙液層は反射光量がきわめて多く、表面が平坦ではない部分である。そして、このような部分における反射光量の第一ピークに続いて、この第一ピークに近接した観察部位の反射光量のピークを検出するのは困難だからである。
【0014】
以上の角膜細胞撮影装置において、合焦用照明光を被検眼に照射するための合焦用光源に加えて、合焦用照明光量を増大するための補助光源を備え、この補助光源が、合焦検出手段によって被検眼からの反射光量の最初のピークである第一ピークが検出された直後に発光を開始するように構成された角膜細胞撮影装置にあっては、反射光量がきわめて少ない角膜上皮からの反射光のピークをも容易に検出することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
添付図面に示される実施形態に基づいて本発明の角膜細胞撮影装置を説明する。
【0016】
図1は本発明の角膜細胞撮影装置の一実施形態を示す斜視図である。図2は図1の角膜細胞撮影装置の平面図である。図3は図1の角膜細胞撮影装置の背面図(装置の後方から被検眼側を向いて見た図)である。図4は図1の角膜細胞撮影装置におけるスリット板の一例を示す背面図(スリット板の後方から被検眼側を向いて見た図)である。図5は図1の角膜細胞撮影装置における観察視野用のマスクの一例を示す背面図(マスクの後方から被検眼側を向いて見た図)である。
【0017】
図1〜3に示す角膜細胞撮影装置1は、とくに角膜の上皮細胞の鮮明な像を観察、撮影するための工夫がされた装置である。この角膜細胞撮影装置1は、被検眼Eに向かって前進後退するZ方向、並びにZ方向に垂直で且つ互いに垂直なX方向およびY方向に移動させうる機枠(図示しない)上に配設された撮影系2を有している。
【0018】
この撮影系2は、被検眼Eの前眼部をその斜め前方からスリット光によって照明するための照明光学系4と、被検眼Eの前眼部表面で反射された上記スリット光を撮影するための撮影光学系5と、被検眼Eの前眼部に向けて撮影光軸位置合わせ(アライメント)のためのアライメント指標光を正面から照射し、且つその角膜反射光を撮像するためのアライメント光学系6と、撮影光学系5の合焦点を被撮影部位たる角膜内皮に一致させるための合焦光学系7と、照明光学系4の光軸と撮影光学系5の光軸とに交差する回転式のスリット板9とを備えている。
【0019】
照明光学系4は角膜撮影用照明光源としてのストロボ放電管(キセノン管)8を有している。ストロボ放電管8からの可視光を上記スリット板9に形成されたスリット19を通過し、このスリット光が照明レンズ10によって被検眼Eの角膜に収束させられる。本実施形態では照明光学系4の光路にその途中から後述の合焦光学系の光路を同一にするため、光路途中にコールドミラー11が介装されている。このコールドミラー11は可視光である照明光は反射し、赤外光である後述の合焦検出用光を透過するものである。そして、図1中に符号27で示すのは、角膜細胞の像を連続的に観察するために、連続的に照明光を発光する連続観察用ランプである。
【0020】
撮影光学系5は角膜細胞を撮影するためのテレビカメラ12を有している。被検眼Eの角膜で反射された上記スリット光は撮影レンズ13、ミラー14および結像レンズ15を通ったうえで上記テレビカメラ12に導かれる。本実施形態では撮影光学系5の光路がその途中まで後述の合焦光学系7の光路と同一にされている。この目的で光路を分岐するためのコールドミラー16が介装されている。このコールドミラー16は可視光である照明光を反射し、赤外光である合焦検出用光を透過するものである。
【0021】
アライメント光学系6は、アライメント指標光の光源としての発光ダイオード17およびテレビカメラ18を有している。この発光ダイオード17からの近赤外光がハーフミラー22を介して被検眼Eの前眼部にその正面から照射される。さらに、上記アライメント指標光の被検眼Eの角膜における反射像たる輝点(プルキンエ像)は、上記ハーフミラー22を透過してテレビカメラ18に送られる。このプルキンエ像に基づいて上記機枠をXY方向に移動させることによって撮影光軸を角膜頂点に一致させる。
【0022】
上記スリット板9は、モータ20によって回転させられ、回転中心3から同一半径の円周上に複数個のスリット19が形成されたものである(図4参照)。本実施形態では、一のスリット(以下、第一スリットと呼ぶ)19aを通過した照明光は、被検眼Eの前眼部で反射され、スリット板9の回転中心3を挟んで第一スリット19aに対して180゜方向に位置する他のスリット(以下、第二スリットと呼ぶ)19bを透過してテレビカメラ12に至るように、照明光学系4と撮影光学系5とが配置されている。また、スリット板9の回転によって第一スリット19aが移動するのに伴ってスリット照明光は被検眼Eの前眼部上を移動する。そして、前眼部におけるスリット反射光も同様に移動するが、この移動するスリット反射光の移動方向及び移動速度に一致して第二スリット19bが移動している。このように同期して移動するスリット19a、19bをそれぞれ照明光と反射光とが通過しうるように、リレーレンズ25やミラー14を含めた照明光学系4および撮影光学系5の各光学機器の配置がなされている。また、両スリット19a、19bは同一幅に形成されているのが好ましい。
【0023】
かかる構成により、スリット光によって被検眼Eの角膜を走査することになる。したがって、きわめて狭い範囲を照明するスリット光であっても広い範囲の角膜細胞を観察、撮影することができる。図4に示すようにスリット板9にスリット19を等間隔に形成した範囲を回転中心3について点対称に形成しておくことにより、きわめて短時間に上記走査が繰り返される。したがって、角膜細胞を動画として観察することも可能である。このスリットはとくに等間隔に形成しなくてもよく、また、全周にわたって形成する必要もない。しかし、複数個のスリット域を点対称に形成しておくことにより、きわめて狭い範囲を照明するスリット光であっても繰り返し走査することができる。その結果、照明光量の少ないことによる問題を解消することができる。また、スリット板9の回転方向は一方向のみでもよく、また、所定ストロークで往復回転させてもよい。
【0024】
以上の結果、角膜表面の薄い涙液層(約10ミクロン以下)の表面における反射光と、角膜上皮における反射光を完全に分離し得るほどに狭い幅のスリット照明光を用いることが可能となる。すなわち、スリット板9上のスリット19は0.05〜0.2ミリメートル程度の幅に形成しておき、このスリット19を通過したスリット照明光をレンズ系によって角膜上で約10ミクロンの幅のスリット照明光となるように縮小する。この反射光をまた撮影光学系5のレンズ系によって拡大するのである。
【0025】
図5に示すように、スリット板9における撮影光学系5の光軸を中心として観察視野28aが開口されたマスク28がスリット板9に近接して配設されている。観察視野28aの大きさはとくに限定されないが、像のぶれを防ぐためには、観察視野28aの幅をスリット板9におけるスリット19の形成間隔とほぼ一致させ、一時に一つの反射スリット光Rのみ通過し得るようにすればよい。
【0026】
以上のとおり、本角膜細胞撮影装置1によれば、上皮からの反射光を角膜の他の層からの反射光と効果的に分離することができ、鮮明な上皮細胞の像を得ることができる。しかし、観察、撮影すべき上皮細胞にうまく角膜細胞撮影装置1の合焦点を一致させることが必要となる。本角膜細胞撮影装置1はかかる合焦機能を自動的に奏する構成を有している。以下、合焦光学系7を説明する。
【0027】
合焦光学系7は合焦用ランプ21と像検出センサ23を備えている。この合焦用ランプ21は赤外光を発光する。合焦用ランプ21からスリット24を通過した合焦検出用光は照明光学系4の光軸4aに沿って被検眼Eに至り、前眼部で反射され、撮影光学系5の光軸5aに沿って合焦用スリット33を通り、像検出センサ23に至って受光される。像検出センサ23には像検出センサ23からの検出信号を画像処理(空間周波数領域の解析)する演算器30が接続されている。図1中に符号29で示すのは被検眼Eに固視させることによって被検眼の向きを一定に保つための固視標光源である。符号32は後述する補助光源(キセノンストロボ管)である。
【0028】
上記像検出センサ23と演算器30とが第一合焦検出手段に該当する。
【0029】
照明光学系4の光軸4aと撮影光学系5の光軸5aとの交点(上記合焦点)が被検眼Eの撮影部位にあるときに、像検出センサ23が合焦検出用光の反射光を検知する。また、そのときにスリット19a、19bをそれぞれ照明光と反射光とが通過する。すなわち、撮影光学系5の焦点は上記合焦点に設定されており、両スリット19a、19bは合焦点について相互に共役位置にある。そして、撮影系2を図1、図2中のZ方向に移動させることによって合焦点を被検眼Eの撮影部位に位置合わせする。この位置合わせを合焦と呼ぶ。
【0030】
上記像検出センサ23としてはラインセンサまたはエリアセンサが用いられる。ラインセンサまたはエリアセンサを用いることにより、合焦点が一致した角膜の部位(観察部位)の反射光量だけでなく、その観察部位の組織の特徴が把握できる。図6(a)に示すように、ラインセンサ23aを合焦用スリット33の長手方向に合わせて配置する。図6(a)は一例として、角膜上皮Uの細胞の像を呈するスリット反射光を示している。ラインセンサ23aは被検眼の角膜からの反射光を光のコントラストによって細胞膜などの部分をあるピッチで受光する。そして、出力信号を演算器30に送る。演算器30はこの出力信号の周波数解析を行う。すなわち、ラインセンサの出力信号(ラインセンサの1ラインに相当)に存在する光量ピークの個数やピッチを算出する。個数が多くピッチが小さいと小さい細胞であることが判る。逆に、個数が少なくピッチが大きいと大きい細胞であることが判る。このようにして、合焦点が角膜中のいずれの層に一致しているかを判断することができる。
【0031】
また、この演算器30には角膜の各層、たとえば内皮、上皮、実質部などの細胞の一般的空間周波数が記憶されている。そして、上記演算器30はラインセンサ23aからの出力信号の形状を、記憶している典型的な空間周波数領域とを比較する。すなわち、出力信号(ラインセンサの1ラインに相当)における光量ピークの間隔、形状、高さ等から決まる形状と、内皮、上皮、実質部などの典型的な形状とを比較する。全体的にほぼ等ピッチでピークが存在すれば層状に並んだ細胞であることが判り、内皮や上皮であることが判る。等ピッチではない場合には細胞が層状ではないため、実質部であることが判る。
【0032】
図6(b)には、像検出センサ23としてエリアセンサ23bを用いた場合を示している。像センサ23が受光すべき角膜反射光はスリット光であるため、広い受光面を有するエリアセンサ23bを用いれば、反射光を容易に捉えることができるので便利である。また、画像から得られる出力信号を、上記の他の公知の信号処理法を用いて検出することもできる。
【0033】
以上のごとくして第一合焦検出手段は合焦点が角膜中のいずれの層に一致しているかを判断する。そして、その表示を行う。
【0034】
この構成によれば、従来困難であった角膜上皮にも装置を合焦させることができる。
【0035】
一方、上記第一合焦検出手段に代えて、以下の第二合焦検出手段を設けてもよい。図1および図2には便宜のため、第一合焦検出手段および第二合焦検出手段を共に示している。しかし、いずれか一方の合焦検出手段のみを備えてもよい。第二合焦検出手段は像検出センサ23および演算器30に代えて、単に反射光量のみを検出する受光素子、たとえばPSD31を備えている。そして、PSD31を作動させながら撮影系2を図1、図2中のZ方向に被検眼に向かって前進させる。この場合、PSD31は図7に示すような反射光を検出する。図7は撮影系2の移動始点を0として横軸に前進距離をとり、縦軸には検出された反射光量をとっている。撮影系2を前進させたときにまず被検眼の涙液表面からの大光量の反射光を検出する。これを第一ピークP1と呼ぶ。ついでPSD31は涙液表面に近接した上皮細胞からの反射光を受光する(第二ピークP2と呼ぶ)る。さらに前進させると第三のピークP3である内皮細胞からの反射光を受光する。もちろん、PSD31はこれらのピーク同士の間においても受光している。ここで、上皮細胞からの反射光量は涙液表面からの反射光量の約1/200であるため第二ピークP2の識別は困難である。
【0036】
そこで、撮影系2を前進させる過程で第一ピークP1の立ち上がり時点F1を検出し、その時点F1から所定距離Z1だけ前進してF2に至った後、PSD31の作動を継続して撮影系2を後退させる。後退過程において初めて検出する反射光量ピーク(第二ピークP2となる)の立ち上がり時点F3から所定距離Z2後退した位置が上皮細胞位置(第二ピークP2)であると判断できる。こうすることにより上皮細胞位置を検出する。なお、Z方向の進退距離はエンコーダなどの移動距離検出手段を配設することによって設定および検出を行う。たとえば、上記所定距離Z1は眼球のサンプリングなどによって、F2が角膜の実質部の中間部分となるように設定する。また、所定距離Z2については、第二ピークP2の後ろからの立ち上がり点F3から上皮細胞位置(第二ピークP2)までの寸法は被検眼によって異なることがあるため、眼球のサンプリングなどによって初期設定しておき、上皮細胞位置が確定できないときは設定値を変更しながら操作を繰り返すだけで上皮細胞位置に合焦させることができる。
【0037】
かかる第二合焦検出手段によっても従来困難であった角膜上皮に装置を合焦させることができる。
【0038】
図1および図2に示すように、合焦光学系7には合焦用ランプ21とともに前述の補助光源32が併設されている。この補助光源32は、涙液層の表面に較べて反射光量が大幅に低下する角膜の各層の位置を検出するために照明光量を増大するためのものである。すなわち、合焦用ランプ21から赤外光を発光させながら撮影系2を前進させ、涙液層の表面からの反射光を検出した直後から補助光源32をも連続発光させながら前進を維持する。この補助光源32のストロボ発光により、図8に示すように上皮における反射光Ruの光量が増大し(図8中、破線で示す)、この反射光量ピークP2を検出しやすくなる。なお、補助光源32の発光は、撮影系2の前進時において涙液層表面の反射光量のピークP1を検出した直後から開始する。たとえば図8に示す時点F4から発光を開始するのである。図8も撮影系2の移動始点を0として横軸に前進距離をとり、縦軸には検出された反射光量をとっている。
【0039】
上記補助光源機構は、前述の第一合焦検出手段に対してはもとより、第二合焦検出手段にも併設することができる。第二合焦検出手段に併設する場合、補助光源32の発光は前述と同様に撮影系2の前進過程において涙液層表面の反射光量のピークP1を検出した直後(図8におけるF4)から開始すればよい。もちろん、撮影系2が後退を開始するF2点(図7)から発光を開始してもよい。そして、上皮における反射光のピーク(図7の第二ピークP2)の後ろからの立ち上がり(図7の点F2)および少なくとも上皮反射光を検出するまで補助光源32がストロボ発光を継続する。この補助光源32の発光により、上皮における反射光のピーク(第二ピークP2)を容易に検出することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明の角膜細胞撮影装置によれば、角膜各層における従来検出が困難であった層の位置、とくに角膜の上皮の位置を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の角膜細胞撮影装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の角膜細胞撮影装置の平面図である。
【図3】図1の角膜細胞撮影装置の背面図である。
【図4】図1の角膜細胞撮影装置におけるスリット板の一例を示す背面図である。
【図5】図1の角膜細胞撮影装置における観察視野用のマスクの一例を示す背面図である。
【図6】図6(a)は図1の角膜細胞撮影装置における第一合焦検出手段の一例を示す説明図あり、図6(b)は第一合焦検出手段の他の例を示す説明図あり、いずれもたとえば上皮細胞の平面図と共に示している。
【図7】図1の角膜細胞撮影装置における第二合焦検出手段による反射光検出状況を示すグラフである。
【図8】図1の角膜細胞撮影装置における合焦検出手段による反射光検出状況を示す他のグラフである。
【図9】被検眼の角膜の断面を示す断面図である。
【符号の説明】
1 角膜細胞撮影装置
2 撮影系
3 (スリット板の)回転中心
4 照明光学系
5 撮影光学系
6 アライメント光学系
7 合焦光学系
8 ストロボ放電管
9 スリット板
10 照明レンズ
11 ハーフミラー
12 テレビカメラ
13 撮影レンズ
14 ミラー
15 結像レンズ
16 コールドミラー
17 発光ダイオード
18 テレビカメラ
19 スリット
19a 第一スリット
19b 第二スリット
20 モータ
21 合焦用ランプ
22 ハーフミラー
23 像検出センサ
23a ラインセンサ
23b エリアセンサ
24 (合焦用ランプ用)スリット
25 リレーレンズ
27 連続観察用ランプ
28 マスク
28a 観察視野
29 固視標光源
30 演算器
31 PSD
32 (合焦用)補助光源
33 合焦用スリット
C 角膜
E 被検眼
I 内皮
R 反射光
T 涙液層
U 上皮

Claims (4)

  1. 照明光によって被検眼の前眼部をその斜め前方から照明するための照明光学系と、
    上記照明光の前眼部で反射された反射光を撮影するための撮影光学系と、
    合焦用照明光を被検眼にその斜め前方から照射して合焦点における反射光を受光し、角膜各層の像を識別することによって合焦位置を検出する第一合焦検出手段とを備えており、
    上記第一合焦検出手段が、被検眼における合焦部位の像を検出する像検出センサと、該像検出センサの出力信号について解析を行う演算器とを有しており、
    上記演算器が、像検出センサからの出力信号の周波数解析を行うことによって合焦位置を検出するように構成されてなる角膜細胞撮影装置。
  2. 上記演算器が、角膜の信号パターンを記憶しており、上記像検出センサからの出力信号を上記記憶している信号パターンと比較することによって合焦位置を検出するように構成されてなる請求項記載の角膜細胞撮影装置。
  3. 照明光によって被検眼の前眼部をその斜め前方から照明するための照明光学系と、
    上記照明光の前眼部で反射された反射光を撮影するための撮影光学系と、
    合焦用照明光を被検眼にその斜め前方から照射して合焦点における反射光を受光することによって合焦位置を検出する第二合焦検出手段とを備えており、
    該第二合焦検出手段が、合焦点を被検眼に向かって被検眼からの反射光量の第一のピーク位置を超えて所定距離前進させたうえで後退させることにより、観察必要部位を検出するように構成されてなる角膜細胞撮影装置。
  4. 上記合焦用照明光を被検眼に照射するための合焦用光源に加えて、合焦用照明光量を増大するための補助光源を備えており、
    該補助光源が、合焦検出手段によって被検眼からの反射光量の最初のピークである第一ピークが検出された直後に発光を開始するように構成されてなる請求項1または記載の角膜細胞撮影装置。
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