以下、本願第1発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
本願発明の実施の形態の生体情報計測装置の実施例を図1に示す。図1は生体情報計測装置を人体の耳介に装着した状態と構成を説明する図である。
図1(1)は生体情報計測装置を人体の耳介に装着した状態を示す。生体情報計測装置81には人体の耳介への装着機構(図示せず)が備わっていて、生体情報計測装置81は耳介1の一部に装着される。耳介1は、耳珠、対珠、耳輪、耳輪脚、対輪、対輪脚、耳甲介腔などを含む耳の一部である。装着機構は耳介1に装着できるものであればよく、洗濯バサミのように耳介を挟む機構のものでもよいし、人体の耳介の凹凸などの形状を利用して耳介で保持するものでもよい。粘着性のある液体及びゲル等の粘着物質を利用したものでもよい。人体との接触部にクッションを設けるなど、被検者が常時装着しても身体的、心的負担を与えない工夫が施されていればなお好ましい。以下の実施の形態においても生体情報計測装置は同様の装着機構を備えている。
図1(2)は生体情報計測装置81の構成を示す。図1(2)に示す生体情報計測装置81は、血圧計21と、血圧計21と信号線により接続された送信回路22と、を備える。血圧計21は、被検者の耳介の一部を覆って血圧を測定する。送信回路22は、被検者を特定する情報を記憶しており、血圧計21の測定した血圧及び該被検者を特定する情報を送信する。送信の方法は、無線伝送方式等によって行えばよい。
生体情報計測装置81の配置と動作について図1(2)を用いて説明する。血圧計21は一定時間ごとに被検者の耳介の血圧を測定する。送信回路22は、血圧計21が測定したときに、予め記憶している被検者を特定する情報及び血圧計21の測定した血圧を通信ネットワークを介して送信する。
血圧計21の構成例及び機能について図2を用いて説明する。図2は、血圧計21が被検者の血圧を測定する様子を説明した図である。図2において、1は耳介の一部、2は血管、21は血圧計である。耳介1の内部を血管2が通っていて、血圧計21は耳介1に接触して配置される。
図2に示す血圧計21は、カフ3と、カフ3の内部に設置される発光素子4及び受光素子7と、発光素子4と信号線により接続される駆動回路5と、受光素子7と信号線により接続される受光回路8と、駆動回路5及び受光回路8と信号線により接続される制御回路10、制御回路10と信号線により接続される出力端子11により構成される。
カフ3は、加圧又は減圧することによって耳介1の一部を圧迫する。発光素子4は、耳介1の血管2に光を照射する。発光素子4は、レーザー光線、LEDなど光を発光するものであればよい。受光素子7は、受光面に入射する光を電気信号に変換する。駆動回路5は、発光素子を駆動する。受光回路8は、受光素子7から入力された光量に対応する電位から脈波を測定して脈波信号を出力する。制御回路10は、駆動回路5及び受光回路8の動作を制御する。さらに制御回路10は、受光回路8から出力された脈波信号から血圧を算出し、算出された血圧を出力端子11へ出力する。
血圧計21の血圧測定の原理の一例を図3及び図2を用いて説明する。
図2に示す血圧計21において図示していない空気ポンプにより、カフ3に空気圧を加えて耳介1の一部を圧迫し、血管2の血流を停止させる。血管2の血流を停止させた状態からカフ3の空気圧を低下させる過程において、受光回路8により血管2の脈動に対応する脈波信号を測定する。
図3はカフ3の空気圧と血管2の血圧に対応する脈波信号波形の関係を示すグラフである。図3において、50は血圧波形、51は最高血圧、52は平均血圧、53は最低血圧、54はカフの圧力、55は脈波信号波形、56はS1点、57はS2点、58はS3点、59は脈波信号波形55の最大振幅を示す。
図3(1)は血管2の血圧波形50を示す。横軸は時間、縦軸は血圧である。血圧は、最低血圧53及び最高血圧51を一定周期で交互に繰り返す。この血圧の時間変動した鋸歯状の波形が血圧波形50となる。血圧は血圧波形50により示した鋸歯状の波形を示しながら全体的に緩やかにうねるような変化を示す。またカフの圧力54は、カフ3の空気圧を血管2の血流を止めることができる圧力から時間の経過とともに低下させている様子を示している。血管2の血流を止めることができるカフの圧力54は最高血圧51に相当する。血圧波形50は血圧測定の原理説明のために示したものであり、血管内に挿入された精密な血圧測定器により測定可能である。
図3(2)は、カフの圧力54が変動することにより図3(1)に示した血圧波形が変動した脈波信号波形55を示す。横軸は時間、縦軸は脈波信号の信号電圧である。カフの圧力54を低下させる過程において、受光回路8により測定される脈波信号波形55は変化を示す。
カフの圧力54が十分高い時は血流が停止し、脈波信号波形55はほとんど現れない。カフの圧力54が低下するにともなって、脈波信号波形55は小さな三角状の波形として出現する。この脈波信号波形55が出現する時点がS1点56とする。カフの圧力54が低下すると脈波信号波形55の振幅は増大し、S2点57において最大振幅59に達する。カフの圧力54がさらに低下すると、脈波信号波形55の振幅は緩やかに減少した後、上端部が一定値となる。脈波信号波形55の上端部が一定値になった時点から若干の時間遅れの後に、脈波信号波形55の下端部も一定値となる。この脈波信号波形55の下端部の値が一定値へ転換する時点をS3点58とする。
以上のカフ3の空気圧を低下させる過程の、S1点56に対応するカフの圧力54の値が最高血圧51であり、S2点57に対応するカフの圧力54の値が平均血圧52であり、S3点58に対応するカフの圧力54の値が最低血圧53となる。
以上述べたように、血圧計21のカフ3の空気圧が血管2の血流が停止する程度の高い圧力から減少する過程で、脈波信号波形55は変化して、独特な形状を示す。S1点56、S2点57、S3点58の各時点の血圧に対応する脈波信号波形55の形状を記録し、任意時点で測定した脈波信号波形55の形状から、その測定時点の血圧が最高血圧と最低血圧の間のどの位置に相当するかが測定できる。
また、脈波信号波形55は最高血圧51に対応するS1点56、平均血圧52に対応するS2点57、最低血圧53に対応するS3点58においては、特に顕著な波形の変化を示すので、これらの波形の特徴から血圧を測定することも可能である。
例えば、脈波信号波形55の振幅が最大振幅59となる平均血圧52に対応するS2点57を測定した時点で、脈波信号波形55が常に最大振幅となるようにカフの圧力54を制御すれば、連続的に平均血圧52を測定することができる。同様の原理により、最高血圧51と平均血圧52についても連続測定が可能である。
図1に示す送信回路22の機能を図4を用いて説明する。図4は、生体情報計測装置81に備わる送信回路22が通信ネットワークを介して送信する総合的な構成を説明する図である。図4において、1は耳介であり、81は生体情報計測装置であり、16は通信ネットワークであり、17は医療機関である。耳介1の一部に生体情報計測装置81が装着され、生体情報計測装置81は通信ネットワーク16と接続され、医療機関17は通信ネットワーク16を介して生体情報計測装置81と接続される。
生体情報計測装置81は前述の図1で説明した機能と同様の機能を有する。通信ネットワーク16は、生体情報計測装置81から送信された該血圧及び該個人を特定する情報を医療機関17等の専門機関へ伝送する。
生体情報計測装置81は、血圧計21で測定された血圧及び送信回路22が予め記憶している個人を特定する情報を図1で説明した送信回路22から無線発信機によって通信ネットワーク16へ送信する。通信ネットワーク16は、生体情報計測装置81から送信された血圧等の情報を無線受信機により受信し、通信ネットワーク16を介して医療機関17へ伝送する。医療機関17は、通信ネットワーク16で伝送された血圧などの情報を受信する。医療機関17で受信した血圧などの情報は、表示装置で表示されたり、記録装置に記録されたりする。
ここで、図4の例では、測定した血圧などを送信する先を医療機関としたが、健康管理センターや自宅などどこへ送信してもよい。医療機関及び自宅の両方に送信して、両方で健康管理ができるようにしてもよい。さらに複数の場所へ送信してもよい。
送信回路22からの送信方法は、無線伝送方式で送信することが好ましい。また、有線伝送方式で送信してもよい。暗号化された該情報を送信回路22から送信して、個人情報の漏洩を防止してもよい。
通信ネットワーク16は、生体情報計測装置81からの情報を受信して伝送する。電気信号により伝送するものでもよいし、光信号により伝送するものでもよい。通信ネットワーク16は、医療機関17が比較的近い距離にある場合はLANでも良い。通信ネットワーク16は、医療機関17が遠隔地にある場合は電話回線やインターネット等の公衆網を利用しても良い。専用の通信網を用いて個人情報の漏洩を防止してもよい。
なお、送信回路22は血圧計21と構造的に分離してもよい。血圧計21と送信回路22は信号線により接続される。血圧計21は耳介1に装着し、送信回路22は、例えば腕時計型として腕に装着し、あるいは衣服のポケットなどに入れて携帯すればよい。
生体情報計測装置81や送信回路22に別途用意した表示機器を接続すれば、血圧及び被検者を特定する情報を表示できる。被検者や医療関係者が被検者の直近で読み取ることもできる。
血圧計21が血圧を測定するタイミングは一定周期でもよいし、特定の時刻に設定してもよい。又、被検者が指示してもよい。就寝時等の血圧測定回数を減らして、被検者の身体的、心的負担を軽減することもできる。
以上述べたように、本願発明の実施の形態の生体情報計測装置は常時装着可能な生体情報計測装置を用いて任意の時間に自動で血圧を測定し、該生体情報計測装置に備わる血圧計で測定された情報を該生体情報計測装置から医療機関などの専門機関に送信することができる。また本生体情報計測装置は耳介に装着するので、長時間装着しても被検者に与える身体的、心的負担が少ない。これによって、該専門機関から被検者の血圧を常時監視及び管理することができる。したがって、被検者の健康を遠隔地から管理し、かつ被検者に健康上の異常事態が発生したときに迅速で適切な処置をすることが可能になる。
(実施の形態2)
本願発明の他の実施形態の生体情報計測装置について図5を用いて説明する。図5は生体情報計測装置82の構成を説明する図である。生体情報計測装置82は、血圧計21と、アラーム回路23と、送信回路22と、を備える。血圧計21の出力端子はアラーム回路23の入力端子に接続され、アラーム端子23の出力端子は送信回路22の入力端子に接続される。
血圧計21は、前述の実施の形態1において説明した血圧計21と同様の機能を有する。アラーム回路23は、血圧計21の測定した血圧から、該血圧が予め設定されている基準値を超えたときにアラーム情報を発生する。該アラーム情報は、予め設定されている基準値を超えた事実を伝える情報のみでもよい。その時点において測定した血圧を該事実を伝える情報に加えて出力してもよい。送信回路22は、予め記憶している被検者を特定する情報と、アラーム回路23が出力したアラーム情報と、を送信する。送信の方法は、前述の実施の形態1と同様に無線伝送方式等によって行えばよい。
本願発明の実施の形態の生体情報計測装置82の動作を説明する。血圧計21は、被検者の耳介の一部を覆って血圧を測定し、測定した該血圧をアラーム回路23へ出力する。アラーム回路23は、血圧計21が測定した血圧から、該血圧が予め設定されている基準値を超えたときにアラーム情報を発生し、送信回路22に出力する。送信回路22は、予め記憶している被検者を特定する情報と、アラーム回路23が出力したアラーム情報と、を送信する。
血圧計21は、アラーム回路23及び送信回路22と構造的に分離してもよい。アラーム回路23及び送信回路22を分離して信号線により接続すれば、耳介の装着物の重量が減るため被検者への負担を軽減することができる。
生体情報計測装置82や送信回路22に別途用意した表示機器を接続すれば、血圧及び被検者を特定する情報を表示できる。被検者や医療関係者が被検者の直近で読み取ることもできる。
生体情報計測装置82の送信回路22が送信するアラーム情報と被検者を特定する情報は、前述の実施の形態1の場合と同様に、通信ネットワークを介して医療機関等に送信され、そこで表示されたり、記録されたりするとともに、緊急の処置の必要性を知らせる緊急信号を発生することもできる。
以上述べたように、本願発明の実施の形態の生体情報計測装置は常時装着可能な生体情報計測装置を用いて任意の時間に自動で血圧を測定し、該生体情報計測装置に備わる血圧計で測定されたアラーム情報を該生体情報計測装置から医療機関などの専門機関に送信することができる。これによって、血圧が異常な値になったときに、専門機関へ被検者の異常を迅速に通知することができる。したがって、被検者の健康を遠隔地から管理し、かつ被検者に健康上の異常事態が発生したときに迅速で適切な処置をすることが可能になる。
(実施の形態3)
本願発明の他の実施形態の生体情報計測装置について図6を用いて説明する。図6は生体情報計測装置83の構成を説明する図である。生体情報計測装置83は、血圧計21と、送信回路22と、生体情報測定計24と、を備える。生体情報計測装置83は、生体情報計測装置81に生体情報測定計24が新たに加わっている。血圧計21及び生体情報測定計24の出力端子は送信回路22の入力端子に接続される。
血圧計21は、前述の実施の形態1において説明した血圧計21と同様の機能を有する。生体情報測定計24は、脈拍、血流、加速度及び体位のうち少なくとも1の生体情報を測定し、測定した生体情報を出力する。送信回路22は、予め記憶している被検者を特定する情報と、血圧計21の測定した血圧と、生体情報測定計24が測定した生体情報と、を送信する。送信の方法は、前述の実施の形態1と同様に無線伝送方式等によって行えばよい。
ここで、脈拍は、例えば音響的に生体内の血管の脈動による鼓動から測定しても良い。血流は、例えば生体内へレーザー光線などを照射して、照射光が生体内の血管の中の血球により散乱され、ドップラー効果を受け、散乱光の周波数が変化する現象を利用して測定しても良い。加速度は、例えばマイクロマシンによる加速度センサーによって測定しても良い。体位は、例えば加速度センサーにより測定部位の水平と垂直方向の移動量を測定し、さらに錘や水準器による傾斜計により、測定部位の傾斜角を測定し、これらの測定値から被検者が直立状態、着座状態、あるいは寝ている状態などの体位を測定しても良い。
生体情報計測装置83は、生体情報計測計24が脈拍、血流、加速度及び体位のうち少なくとも1の生体情報を測定して送信回路22に出力する。送信回路22は、予め記憶している被検者を特定する情報と、血圧計21の測定した血圧と、生体情報測定計24が測定した生体情報と、を送信する。
生体情報計測装置83の送信回路22が送信する血圧などの情報は、前述の実施の形態1の場合と同様に、通信ネットワークを介して医療機関等に送信され、そこで表示されたり、記録されたりする。
生体情報測定計24及び送信回路22は、血圧計21と構造的に分離してもよい。生体情報測定計24及び送信回路22と、血圧計21とはそれぞれ信号線で接続される。生体情報測定計24及び送信回路22を血圧計21と分離することにより、耳介の装着物の重量が減るため被検者への負担を軽減することができる。さらに生体情報測定計24を送信回路22及びアラーム回路23と分離してもよい。
生体情報測定装置83に備わる生体情報測定計24は1つに限らない。測定する内容に応じて複数設けてもよい。生体情報測定計24の測定する内容に応じて生体情報測定計24を独立させて、それぞれを測定に適した箇所に装着してもよい。また、測定内容は、脈拍、血流、加速度及び体位に限らない。
以上述べたように、常時装着可能な生体情報計測装置を用いて任意の時間に自動で血圧及び脈拍等の生態情報を測定し、該生体情報計測装置に備わる血圧計及び生体情報測定計で測定された情報を該生体情報計測装置から医療機関などの専門機関に送信することができる。これによって、該専門機関から被検者の血圧及び脈拍等の生体情報を常時監視及び管理することができる。したがって、被検者の健康を遠隔地から管理し、かつ被検者に健康上の異常事態が発生したときに迅速で適切な処置をすることが可能になる。
(実施の形態4)
本願発明の他の実施形態の生体情報計測装置について図7を用いて説明する。図7は生体情報計測装置84の構成を説明する図である。生体情報計測装置84は、血圧計21と、アラーム回路23と、送信回路22と、生体情報測定計24と、を備える。生体情報計測装置84は、生体情報計測装置82に生体情報測定計24が新たに加わった構成となっている。生体情報測定計24の出力端子はアラーム回路23の入力端子に接続される。
血圧計21は、前述の実施の形態1において説明した血圧計21と同様の機能を有する。生体情報計測計24は、前述の実施の形態3において説明した生体情報計測計24と同様の機能を有する。アラーム回路23は、血圧計21の測定する血圧、及び生体情報測定計24の測定する脈拍、血流、加速度及び体位のうち少なくとも1の生体情報のそれぞれが予め設定されている基準値を超えたときにアラーム情報を発生し、アラーム情報を送信回路22へ送信する。送信回路22は、予め記憶している被検者を特定する情報と、アラーム回路23が出力したアラーム情報と、を送信する。送信の方法は、前述の実施の形態1と同様に無線伝送方式等によって行えばよい。
ここで、アラーム回路23がアラーム情報を発生する条件は、血圧あるいは脈拍、血流、加速度及び体位のうち少なくとも1の生体情報、のいずれかが予め設定されている基準値を超えたとき、と設定する場合もあり、また、これらの任意の組み合わせが同時に予め設定されている基準値を超えたとき、と設定する場合もあり、さらに、血圧および脈拍、血流、加速度及び体位の少なくとも1の生体情報の各測定値に対して複数の基準値を設定して、これらの組み合わせに対して複数の条件を設定する場合もある。
アラーム回路23がアラーム情報を発生する条件の例を以下に示す。例えば、最低血圧に対して第1基準値を100mmHg、第2基準値を130mmHgと設定し、脈拍の基準値を90拍/分と設定し、血流の基準値を60ml/秒と設定し、加速度の第1基準値を1.6G、第2基準値を0.5Gと設定し、体位の基準値を直立と設定した場合のアラーム情報を発生する条件の例を以下に示す。
最低血圧が第1基準値100mmHgを超え、かつ加速度が第1基準値1.6G以下の場合は、それほど激しい運動をしていないのにもかかわらず血圧が上昇しているのでアラーム情報を発生する。一方、最低血圧が100mmHgを超え、かつ加速度が1.6Gを超えている場合は、血圧の上昇は激しい運動によるものと判断し、アラーム情報を発生しない。さらに、加速度が1.6Gを超え、かつ最小血圧が第2基準値130mmHgを超えている場合、運動の激しさ如何にかかわらずアラーム情報を発生する。
最低血圧が第1基準値100mmHgを超え、かつ脈拍が基準値90拍/分以下の場合は、それほど激しい運動や興奮していないのにもかかわらず血圧が上昇しているのでアラーム情報を発生する。一方、最低血圧が第1基準値100mmHgを超え、かつ脈拍も基準値90拍/分を超えている場合は、血圧の上昇は激しい運動や興奮によるものと判断し、アラーム情報を発生しない。また、脈拍が基準値90拍/分を超え、かつ最低血圧が第2基準値130mmHgを越えている場合、運動や興奮の激しさ如何にかかわらずアラーム情報を発生する。
最低血圧が第1基準値100mmHgを超え、かつ血流が基準値60ml/秒以下の場合は、血流が少ないにもかかわらず血圧が上昇するという血栓や動脈硬化に起因する可能性がある緊急事態と判断し、アラーム情報を発生する。一方、最低血圧が第1基準値100mmHgを超え、かつ血流が基準値60ml/秒を超えている場合は、血圧の上昇は運動や興奮等による血流の上昇に起因するものと判断し、アラーム情報を発生しない。また、血流が基準値60ml/秒を超え、かつ最低血圧が第2基準値130mmHgを越えている場合、運動や興奮の激しさ如何にかかわらずアラーム情報を発生する。
最低血圧が第1基準値100mmHgを超え、かつ体位が直立でなく、加速度が第2基準値0.5G以下の場合は、横たわっている等の安楽な状態にもかかわらず血圧が上昇しているので、アラーム情報を発生する。また、最低血圧が第1基準値100mmHgを超え、かつ体位が直立でない状態から直立の状態に変化した直後である場合は、血圧の上昇は起立性高血圧よる可能性があると判断し、アラーム情報を発生する。また、体位が直立で、かつ最低血圧が第2基準値130mmHgを越えている場合、体位の如何にかかわらず緊急事態と判断し、アラーム情報を発生する。
本願発明の実施の形態の生体情報計測装置の動作を説明する。血圧計21は、被検者の耳介1の一部を覆って血圧を測定し、測定した該血圧をアラーム回路23へ出力する。生体情報測定計24は脈拍、血流、加速度及び体位のうち少なくとも1の生体情報を測定し、アラーム回路23へ出力する。アラーム回路23は、これらの情報から、前述のアラーム情報を発生する条件に合った場合、アラーム情報を発生し、送信回路22へ出力する。送信回路22は、予め記憶している被検者を特定する情報と、アラーム回路23が出力したアラーム情報と、を送信する。
生体情報測定計24、アラーム回路23及び送信回路22は、血圧計21と構造的に分離してもよい。生体情報測定計24及び送信回路22と、血圧計21とはそれぞれ信号線で接続される。生体情報測定計24、アラーム回路23及び送信回路22を血圧計21と分離することにより、耳介の装着物の重量が減るため被検者への負担を軽減することができる。さらに生体情報測定計24を送信回路22及びアラーム回路23と分離してもよい。
生体情報測定装置84に備わる情報測定計24は1つに限らない。測定する内容に応じて複数設けてもよい。生体情報測定計24の測定する内容に応じて生体情報測定計24を独立させて、それぞれを測定に適した箇所に装着してもよい。また、測定内容は、脈拍、血流、加速度及び体位に限らない。
生体情報計測装置84の送信回路22が送信するアラーム情報と被検者を特定する情報は、前述の実施の形態1の場合と同様に、通信ネットワークを介して医療機関等送信され、そこで表示されたり、記録されたりすると共に、緊急の処置の必要性を知らせる緊急信号発生する。
以上述べたように、本願発明の実施の形態の生体情報計測装置は常時装着可能な生体情報計測装置を用いて任意の時間に自動で血圧及び脈拍等の生態情報を測定し、該生体情報計測装置に備わる血圧計及び生体情報測定計で測定されたアラーム情報を該生体情報計測装置から医療機関などの専門機関に送信することができる。これによって、血圧又は脈拍等の生体情報が異常な値になったときに、専門機関へ被検者の異常を迅速に通知することができる。したがって、被検者の健康を遠隔地から管理し、かつ被検者に健康上の異常事態が発生したときに迅速で適切な処置をすることが可能になる。
(実施の形態5)
本願発明の他の実施形態の生体情報計測装置について図8を用いて説明する。図8は生体情報計測装置85の構成を説明する図である。生体情報計測装置85は、生体情報計測装置84に位置検出回路85が追加された構成となっている。実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3及び実施の形態4のいずれの場合も同様の回路と機能を追加することができるが、本実施例では実施の形態4の場合について以下に説明する。
位置検出回路25は、例えばジャイロスコープあるいはPHSを応用した位置検出機能を備えており、被検者の位置を測定して、被検者の位置情報を送信回路22へ送信する。
送信回路22は、前述の実施の形態1、前述の実施の形態2、前述の実施の形態3及び前述の実施の形態4と同様に、血圧及び被検者を特定する情報、あるいはアラーム情報及び被検者を特定する情報を送信する場合に、それら情報と同時に位置検出回路25から入力された被検者の位置情報も送信する。以上述べた以外の生体情報計測装置85の機能は、前述の実施の形態1、前述の実施の形態2、前述の実施の形態3及び前述の実施の形態4において説明した各生体情報計測装置の機能と同様である。
本願発明の実施の形態の生体情報計測装置の動作には、前述の実施の形態1、前述の実施の形態2、前述の実施の形態3及び前述の実施の形態4において説明した各生体情報計測装置が、血圧又はアラーム情報と、被検者を特定する情報と、を送信する場合に、同時に被検者の位置情報を送信する動作が付加される。上記以外の動作は、前述の実施の形態1、前述の実施の形態2、前述の実施の形態3及び前述の実施の形態4において説明した各生体情報計測装置の動作と同様である。
以上述べたように、本願発明の実施の形態の生体情報計測装置は、常時装着可能な生体情報計測装置を用いて任意の時間に自動で血圧及び又は脈拍等の生態情報を測定し、該生体情報計測装置に備わる血圧計等で測定された結果を該生体情報計測装置から医療機関などの専門機関に被検者の位置情報とともに送信することができる。これによって、血圧又は脈拍等の生体情報が異常な値になったときに、専門機関は被検者の救助を迅速に行うことができる。したがって、被検者の健康を遠隔地から管理し、かつ被検者に健康上の異常事態が発生したときに迅速で適切な処置をすることが可能になる。
また、図8に示した生体情報計測装置85において、送信回路22は、位置検出回路25が検出した位置情報を基に送信先を選定し、血圧又はアラーム情報、かつ被検者を特定する情報及び該位置情報を通信ネットワークを介して送信してもよい。
例えば、図8に示した生体情報計測装置85において、送信回路22は予め複数の送信先の位置情報を記憶し、位置検出回路25が検出した位置情報を基に被検者の位置から最短距離の送信先を選定し、血圧又はアラーム情報、かつ被検者を特定する情報及び該位置情報を通信ネットワークを介して選定した送信先に送信してもよい。
送信回路22は予め複数の送信先として医療機関などの専門機関の位置情報を記憶し、送信回路22が血圧又はアラーム情報、被検者を特定する情報及び位置情報を通信ネットワークを介して送信する際に、被検者の該位置情報を基に送信回路22に記憶されている医療機関などの専門機関から選定して送信する。送信回路22が記憶する専門機関は被検者の疾病の救急医療機関であることが好ましい。送信回路22が記憶する専門機関は病院であってもよいし、消防署であってもよい。送信回路22が選定する送信先は、被検者の位置から最短距離の専門機関としてもよい。また複数箇所に同時に送信してもよい。
以上述べたように、本願発明の実施の形態の生体情報計測装置は脈拍、血流、加速度及び体位などの生体情報から判断したアラーム情報、被検者を特定する情報及び被検者の位置情報を、被検者の位置情報を元に適切な送信先を選定して通信ネットワークを介して送信する。すなわち、常時装着可能な生体情報計測装置を用いて任意の時間に自動で血圧及び又は脈拍等の生態情報を測定し、該生体情報計測装置に備わる血圧計等で測定された結果を該生体情報計測装置から被検者の位置情報とともに適切な専門機関へ送信することができる。これによって、血圧又は脈拍等の生体情報が異常な値になったときに、専門機関は被検者の救助を迅速に行うことができる。したがって、被検者の健康を遠隔地から管理し、かつ被検者に健康上の異常事態が発生したときに迅速で適切な処置をすることが可能になる。
また、図8に示した生体情報計測装置85において、位置検出回路25はGPSを利用して位置を検出してもよい。
GPSを利用して位置を検出することにより、当該生体情報計測装置はGPSから検出した位置情報を送信することができる。これにより、被検者はGPSの利用できる場所であればどこからでも、前記血圧又は前記アラーム情報、前記被検者を特定する情報と共に、被検者の位置情報を医療機関などの専門機関へ通知することができる。これによって、血圧又は脈拍等の生体情報が異常な値になったときに、専門機関は被検者の救助を迅速に行うことができる。したがって、被検者の健康を遠隔地から管理し、かつ被検者に健康上の異常事態が発生したときに迅速で適切な処置をすることが可能になる。
(実施の形態6)
本願発明の実施形態の健康管理システムについて図9を用いて説明する。図9は健康管理システム91の構成を説明する図である。
図9において、21は血圧計であり、22は送信回路である。生体情報計測装置81は、血圧計21及び送信回路22により構成される。16は通信ネットワークであり、41は生体情報受信回路であり、42は生体情報記録回路である。生体情報収集装置71は、生体情報受信回路41及び生体情報記録回路42により構成される。
生体情報計測装置は、前述の実施の形態1において説明した図1に示す生体情報計測装置と同様の機能を有する。通信ネットワーク16は、前述の実施の形態1において説明した図4に示す通信ネットワーク16と同様に配置され、かつ同様の機能を有する。
生体情報受信回路41の出力端子は生体情報記録回路42の入力端子に接続される。生体情報受信回路41は、生体情報計測装置81が送信した血圧及び被検者を特定する情報を、通信ネットワーク16を介して受信する。生体情報記録回路42は、生体情報受信回路41で受信した血圧等の情報を記録する。
以上述べたように、本願発明の実施の形態の健康管理システムは血圧を任意の時間に測定して、その測定値及び被検者を特定する情報を医療機関に記録し、出力できるので、本発明によれば、被検者の健康状態を常時観察し、長期的なデータに基づく健康管理が可能となる。
本願発明の実施の形態の健康管理システムの動作を説明する。生体情報計測装置81は、前述の実施の形態1において説明した生体情報計測装置81と同様の動作により、血圧及び被検者を特定する情報を通信ネットワーク16を介して送信する。生体情報受信回路41は、通信ネットワーク16を介して血圧及び被検者を特定する情報を受信し、生体情報記録回路42へ出力する。
ここで、生体情報収集装置71は、例えば前述の実施の形態1において説明した、医療機関17などの専門機関に設置される。図4の例では、生体情報計測装置からの情報を受信する場所は医療機関としたが、健康管理センターなどどこに設置してもよい。専門機関でない自宅に設置しても良い。さらに生体情報収集装置を複数箇所に設置してもよい。専門機関及び自宅の両方に送信すれば、被検者自身でも健康管理ができるようになる。
以上述べたように、常時装着可能な生体情報計測装置を用いて任意の時間に自動で血圧を測定し、該生体情報計測装置に備わる血圧計で測定された情報を該生体情報計測装置から生体情報収集装置に送信することができる。これによって、該生体情報収集装置の配備されている医療機関などの専門機関から被検者の血圧を常時監視及び管理することができる。したがって、被検者の健康を遠隔地から管理し、かつ被検者に健康上の異常事態が発生したときに長期的な記録に基づいて迅速で適切な処置をすることが可能になる。
(実施の形態7)
本願発明の他の実施形態の健康管理システムについて図10を用いて説明する。図10は健康管理システム92の構成を説明する図である。
図10において、21は血圧計であり、23はアラーム回路であり、22は送信回路である。生体情報計測装置82は、血圧計21、アラーム回路23及び送信回路22により構成される。16は通信ネットワークであり、41は生体情報受信回路であり、62はアラーム情報出力回路であり、63は検索回路である。生体情報収集装置72は、生体情報受信回路41、検索回路63及びアラーム情報出力回路62により構成される。
生体情報計測装置82は、前述の実施の形態2において説明した図5に示す生体情報計測装置82と同様の機能を有する。通信ネットワーク16は、前述の実施の形態1において説明した図4に示す通信ネットワーク16と同様に配置され、かつ同様の機能を有する。
生体情報受信回路41の出力端子は2つあり、1つの出力端子はアラーム情報出力回路62の入力端子に接続され、1つの出力端子は検索回路63の入力端子に接続される。生体情報受信回路41は、生体情報計測装置82が送信したアラーム情報及び被検者を特定する情報を、通信ネットワーク16を介して受信する。検索回路63は、生体情報受信回路41で受信された被検者を特定する情報から検索回路63内に記録されている被検者の個人データを検索して出力する。アラーム情報出力回路62は、生体情報受信回路41で受信されたアラーム情報及び被検者を特定する情報を出力する。
本願発明の実施の形態の健康管理システムの動作を説明する。生体情報計測装置82は、前述の実施の形態2において説明した生体情報計測装置82と同様の動作により、アラーム情報及び被検者を特定する情報を、通信ネットワーク16を介して送信する。生体情報受信回路41は、通信ネットワーク16を介してアラーム情報と被検者を特定する情報を受信し、検索回路63及びアラーム情報出力回路62へ出力する。検索回路63はこのアラーム情報と被検者を特定する情報を受信し、生体情報受信回路41の受信した被検者を特定する情報から検索回路63に記録されている被検者の個人データを検索して出力する。アラーム情報出力回路62は、生体情報受信回路41で受信されたアラーム情報及び被検者を特定する情報を出力する。
ここで、生体情報収集装置72は、例えば前述の実施の形態1において説明した、医療機関17などの専門機関に設置される。図4の例では、生体情報計測装置からの情報を受信する場所は医療機関としたが、健康管理センターなどどこに設置してもよい。専門機関でない自宅に設置しても良い。さらに生体情報収集装置を複数箇所に設置してもよい。専門機関及び自宅の両方に送信すれば、被検者自身でも健康管理ができるようになる。
以上述べたように、本願発明の実施の形態の健康管理システムは、常時装着可能な血圧計を用いて自動で血圧を随時測定し、当該生体情報計測装置が測定した値が異常な値になったときに、迅速に該被検者に関するアラーム情報及び被検者を特定する情報を生体情報収集装置に送信できる。したがって、被検者の健康を遠隔地から管理し、かつ被検者に健康上の異常事態が発生したときに長期的な記録に基づいて迅速で適切な処置をすることが可能になる。
(実施の形態8)
本願発明の他の実施形態の健康管理システムについて図11を用いて説明する。図11は健康管理システム93の構成を説明する図である。健康管理システム93は、生体情報計測装置83及び生体情報収集装置73によって構成される。
図11において、21は血圧計であり、24は生体情報測定計であり、22は送信回路である。生体情報計測装置83は、血圧計21、生体情報測定計24及び送信回路22により構成される。16は通信ネットワークであり、41は生体情報受信回路であり、42は生体情報記録回路である。生体情報収集装置73は、生体情報受信回路41及び生体情報記録回路42により構成される。
生体情報計測装置83は、前述の実施の形態3において説明した図6に示す生体情報計測装置83と同様の機能を有する。通信ネットワーク16は、前述の実施の形態1において説明した図4に示す通信ネットワーク16と同様に配置され、かつ同様の機能を有する。
生体情報受信回路41の出力端子は生体情報記録回路42の入力端子に接続される。生体情報受信回路41は、生体情報計測装置83が送信した血圧、脈拍等の生体情報及び被検者を特定する情報を、通信ネットワーク16を介して受信する。生体情報記録回路42は、生体情報受信回路41で受信した血圧及び脈拍等の生体情報を記録する。
本願発明の実施の形態の健康管理システムの動作を説明する。生体情報計測装置83は、前述の実施の形態3において説明した生体情報計測装置83と同様の動作により、血圧、脈拍等の生体情報及び被検者を特定する情報を、通信ネットワーク16を介して送信する。生体情報受信回路41は、通信ネットワーク16を介して生体情報計測装置83から送信された血圧、脈拍等の生体情報及び被検者を特定する情報を受信し、生体情報記録回路42へ出力する。
ここで、生体情報収集装置73は、例えば前述の実施の形態1において説明した、医療機関17などの専門機関に設置される。図4の例では、生体情報計測装置からの情報を受信する場所は医療機関としたが、健康管理センターなどどこに設置してもよい。専門機関でない自宅に設置しても良い。さらに生体情報収集装置を複数箇所に設置してもよい。専門機関及び自宅の両方に送信すれば、被検者自身でも健康管理ができるようになる。
以上述べたように、本願発明の実施の形態の健康管理システムは、常時装着可能な生体情報計測装置を用いて任意の時間に自動で血圧及び脈拍等の生態情報を測定し、該生体情報計測装置に備わる血圧計及び生体情報測定計で測定された情報を該生体情報計測装置から生体情報収集装置に送信することができる。これによって、該生体情報収集装置を配備する医療機関などの専門機関から被検者の血圧及び脈拍等の生体情報を常時監視及び管理することができる。したがって、被検者の健康を遠隔地から管理し、かつ被検者に健康上の異常事態が発生したときに長期的な記録に基づいて迅速で適切な処置をすることが可能になる。
(実施の形態9)
本願発明の他の実施形態の健康管理システムについて図12を用いて説明する。図12は健康管理システム94の構成を説明する図である。健康管理システム94は、生体情報計測装置84と、生体情報収集装置74と、を備える。
図12において、21は血圧計であり、23はアラーム回路であり、24は生体情報測定計であり、22は送信回路である。生体情報計測装置84は、血圧計21、アラーム回路23、生体情報測定計24及び送信回路22により構成される。16は通信ネットワークであり、41は生体情報受信回路であり、62はアラーム情報出力回路であり、63は検索回路である。生体情報収集装置74は、生体情報受信回路41、検索回路63及びアラーム情報出力回路62により構成される。
生体情報計測装置84は、前述の実施の形態4において説明した図7に示す生体情報計測装置84と同様の機能を有する。通信ネットワーク16は、前述の実施の形態1において説明した図4に示す通信ネットワーク16と同様に配置され、かつ同様の機能を有する。
生体情報受信回路41の出力端子は2つあり、1つの出力端子はアラーム情報出力回路63の入力端子に接続され、1つの出力端子は検索回路63の入力端子に接続される。生体情報受信回路41は、生体情報計測装置84が送信したアラーム情報及び被検者を特定する情報を、通信ネットワーク16を介して受信する。検索回路63は、生体情報受信回路41で受信された被検者を特定する情報から検索回路63内に記録されている被検者の個人データを検索して出力する。アラーム情報出力回路62は、生体情報受信回路41で受信されたアラーム情報及び被検者を特定する情報を出力する。
本願発明の実施の形態の健康管理システムの動作を説明する。生体情報計測装置84は、前述の実施の形態2において説明した生体情報計測装置82と同様の動作により、アラーム情報及び被検者を特定する情報を、通信ネットワーク16を介して送信する。生体情報受信回路41は、通信ネットワーク16を介してアラーム情報と被検者を特定する情報を受信し、検索回路63及びアラーム情報出力回路62へ出力する。検索回路63はこのアラーム情報と被検者を特定する情報を受信し、被検者を特定する情報から検索回路63内に記録されている被検者の個人データを検索して出力する。アラーム情報出力回路62は、生体情報受信回路41で受信されたアラーム情報及び被検者を特定する情報を出力する。
ここで、生体情報収集装置74は、例えば前述の実施の形態1において説明した、医療機関17などの専門機関に設置される。図4の例では、生体情報計測装置からの情報を受信する場所は医療機関としたが、健康管理センターなどどこに設置してもよい。専門機関でない自宅に設置しても良い。さらに生体情報収集装置を複数箇所に設置してもよい。専門機関及び自宅の両方に送信すれば、被検者自身でも健康管理ができるようになる。
以上述べたように、本願発明の実施の形態の健康管理システムは、常時装着可能な生体情報計測装置を用いて任意の時間に自動で血圧及び脈拍等の生態情報を測定し、該生体情報計測装置に備わる血圧計及び生体情報測定計で測定されたアラーム情報を該生体情報計測装置から生体情報収集装置へ送信することができる。これによって、血圧又は脈拍等の生体情報が異常な値になったときに、該生体情報収集装置の配備されている専門機関へ被検者の異常を迅速に通知することができる。さらに、アラーム情報を受信した生体情報収集装置を配備する専門機関は異常の発生した被検者に関する個人データを自動で入手することができる。したがって、被検者の健康を遠隔地から管理し、かつ被検者に健康上の異常事態が発生したときに長期的な記録に基づいて迅速で適切な処置をすることが可能になる。
(実施の形態10)
本願発明の他の実施形態の健康管理システムについて図13を用いて説明する。図13は健康管理システム95の構成を説明する図である。健康管理システム95は、生体情報計測装置85と、生体情報収集装置75と、を備える。本実施形態の健康管理システムは、実施の形態6、実施の形態7、実施の形態8又は実施の形態9のいずれの場合も同様の回路と機能を追加することができるが、本実施例では実施の形態9の場合について以下に説明する。
図13において、21は血圧計であり、23はアラーム回路であり、24は生体情報測定計であり、25は位置検出回路であり、22は送信回路である。生体情報計測装置85は、血圧計21、アラーム回路23、生体情報測定計24、位置検出回路25及び送信回路22により構成される。16は通信ネットワークであり、41は生体情報受信回路であり、62はアラーム情報出力回路であり、65は位置情報出力回路であり、63は検索回路である。生体情報収集装置75は、生体情報受信回路41、検索回路63、位置情報出力回路65及びアラーム情報出力回路62により構成される。
生体情報計測装置85は、実施の形態9で説明した生体情報計測装置84に位置検出回路25が追加された構成となっている。また生体情報収集装置75は、実施の形態9で説明した生体情報収集装置74に位置情報出力回路65が追加された構成となっている。
位置検出回路25は、例えばジャイロスコープあるいはPHSを応用した位置検出機能を備えており、被検者の位置を測定して、被検者の位置情報を送信回路22へ出力する。位置情報出力回路65は、生体情報受信回路41からの位置情報を出力する。以上述べた以外の健康管理システム95に備わる機能は、前述の実施の形態9において説明した図12に示すものと同様である。
本願発明の健康管理システム95の動作を説明する。本願発明の健康管理システム95を構成する生体情報計測装置85は、前述の実施の形態9において説明した生体情報計測装置84と同様の動作に加えて、被検者の位置情報を通信ネットワーク16を介して送信する。生体情報収集装置75は、前述の実施の形態9において説明した生体情報収集装置74の動作に加えて、生体情報受信回路41が送信されてくる被検者の位置情報を受信し、位置情報出力回路65へ出力する。
ここで、生体情報収集装置75は、例えば前述の実施の形態1において説明した、医療機関17などの専門機関に設置される。図4の例では、生体情報計測装置からの情報を受信する場所は医療機関としたが、健康管理センターなどどこに設置してもよい。専門機関でない自宅に設置しても良い。さらに生体情報収集装置を複数箇所に設置してもよい。専門機関及び自宅の両方に送信すれば、被検者自身でも健康管理ができるようになる。
以上述べたように、本願発明の実施の形態の生体情報計測装置は、常時装着可能な生体情報計測装置を用いて任意の時間に自動で血圧及び又は脈拍等の生態情報を測定し、該生体情報計測装置に備わる血圧計等で測定された結果を該生体情報計測装置から生体情報収集装置に被検者の位置情報とともに送信することができる。これによって、血圧又は脈拍等の生体情報が異常な値になったときに、専門機関は被検者の救助を迅速に行うことができる。したがって、被検者の健康を遠隔地から管理し、かつ被検者に健康上の異常事態が発生したときに長期的な記録に基づいて迅速で適切な処置をすることが可能になる。
また、図13に示した健康管理システム95において、送信回路22は、位置検出回路25が検出した位置情報を基に送信先を選定し、血圧又はアラーム情報、被検者を特定する情報及び該位置情報を通信ネットワークを介して送信してもよい。
例えば、図13に示した生体情報計測装置85において、送信回路22は予め複数の送信先の位置情報を記憶し、位置検出回路25が検出した位置情報を基に被検者の位置から最短距離の送信先を選定し、血圧又はアラーム情報、かつ被検者を特定する情報及び該位置情報を通信ネットワークを介して選定した送信先に送信してもよい。
送信回路22は予め複数の送信先として医療機関などの専門機関の位置情報を記憶し、送信回路22が血圧又はアラーム情報、被検者を特定する情報及び位置情報を通信ネットワークを介して送信する際に、被検者の該位置情報を基に送信回路22に記憶されている医療機関などの専門機関から選定して送信する。送信回路22が記憶する専門機関は被検者の疾病の救急医療機関であることが好ましい。送信回路22が記憶する専門機関は病院であってもよいし、消防署であってもよい。送信回路22が選定する送信先は、被検者の位置から最短距離の専門機関としてもよい。また複数箇所に同時に送信してもよい。
以上述べたように、本願発明の実施の形態の生体情報計測装置は脈拍、血流、加速度及び体位などの生体情報から判断したアラーム情報、被検者を特定する情報及び被検者の位置情報を、被検者の位置情報を元に適切な送信先を選定して通信ネットワーク介して送信する。すなわち、常時装着可能な生体情報計測装置を用いて任意の時間に自動で血圧及び又は脈拍等の生態情報を測定し、該生体情報計測装置に備わる血圧計等で測定された結果を該生体情報計測装置から生体情報収集装置へ送信することができる。これによって、血圧又は脈拍等の生体情報が異常な値になったときに、該生体情報収集装置の配備されている専門機関は被検者の救助を迅速に行うことができる。したがって、被検者の健康を遠隔地から管理し、かつ被検者に健康上の異常事態が発生したときに迅速で適切な処置をすることが可能になる。
また、図13に示した健康管理システム95において、位置検出回路25はGPSを利用して位置を検出してもよい。
GPSを利用して位置を検出することにより、被検者はGPSの利用できる場所であればどこからでも、前記血圧及び又は前記生体情報、前記被検者を特定する情報と共に、被検者の位置情報を医療機関などの専門機関へ通知することができる。したがって、被検者の健康を遠隔地から管理し、かつ被検者に健康上の異常事態が発生したときに迅速で適切な処置をすることが可能になる。