JP4460183B2 - 表面処理方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械部品等の表面にプラズマを用いて硬化処理などの表面処理を施す表面処理方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来例の表面処理方法及び装置について、図7を参照して説明する。まず、表面処理装置の概略構成を説明すると、図7において、1は真空チャンバであり、排気系2とガス供給系3を備えている。10は機械部品等の基体であり、支持台4上に載置されている。基体10及び支持台4には電源5によって真空チャンバ1との間に高周波電力を印加される。なお、基体10にかかるセルフバイアスを大きくするためのブロッキングコンデンサ及び電力を効率的に印加するマッチングネットワークは図示を省略している。6はプラズマPとの電位差が基体10に集中するように、支持台4の周囲に取付けられた導電性のシールドで、支持台とは接触せず真空チャンバ1と同電位となるように接続されている。
【0003】
このような構成において、基体10及び支持台4を陰極、真空チャンバ1及びシールド6を陽極と呼ぶ。これは、プラズマとの接触面積の小さい基体10及び支持台4の方がプラズマPに対してより低い電位となることによる。
【0004】
次に、動作を説明する。この従来例では、基体10は摺動部に用いられる鉄系合金で出来た機械部品であり、表面処理は基体10の表面に窒素を注入して硬化することにより耐摩耗性を向上するものであり、窒化処理と呼ぶ。
【0005】
まず、ガス供給系3から窒素ガスを導入し、同時に排気系2から排気し、電源5より基体10及び支持台4に高周波電力を供給する。これにより、窒素イオンと電子からなるプラズマPが発生する。プラズマP中の窒素イオンは、基体10及び支持台4に発生したセルフバイアスにより加速され基体10に衝突する。そのエネルギーによって基体10の表面及び基体10中で合金の成分と窒素の反応が生じ、基体10の表面の硬化が生じる。
【0006】
ところで、部品の硬度が低すぎると、相手部品から切削され、高すぎると相手部品を切削するため、窒化処理において所望の硬度を実現することが要求される。そこで、従来は投入電力をコントロールすることによって硬度管理を行っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、種類の違う部品や処理量が変わる場合、部品や処理量によって基体10及び支持台4のプラズマPと接触する面積が異なるため、同じ電力を投入しても、電子密度やセルフバイアス等のプラズマPの状態が異なり、所望の硬度が得られないという問題があった。
【0008】
例えば、図7(a)では、基体10及び支持台4がプラズマPと接触する範囲は破線Aで示されているが、基体10が変わると、図7(b)の破線Bのようになり、処理量が変わると、図7(c)の破線Cのようになって、プラズマPと接触する面積が異なる。
【0009】
ここで、プラズマPと接触するとは、プラズマPと荷電粒子のやりとりを行うことを言う。高周波電力プラズマにおいては、プラズマと接触する陰極、陽極の面積によりプラズマの状態が変化するのは、陰極や陽極で発生するイオンシースが高周波電力に対してコンデンサと等価な振る舞いをすることによる。このとき理論的にはプラズマの状態は陰極と陽極の面積比で特徴づけられる。(例えば、「プラズマプロセシングの基礎」、Brian N.Chapman、p143−p148参照)。
【0010】
以上の問題に対して部品毎や処理量毎に所望の硬度に対応する電力を調べる方法が考えられるが、労力がかかるため、事実上実施不可能であった。
【0011】
また、このような問題に対して被処理物毎にプラズマの状態を調整する方法は、例えば特開平8−279399号公報や特開平10−70109号公報に開示されているが、被処理物の表面積の変化に対応する技術は開示されていない。
【0012】
また、特開昭58−141379号公報には。金属のダミー電極を流れる電流をモニタリングする方法が開示されているが、被処理物の種類が変われば、それに応じたダミー電極を付け替えなければ正確に制御ができなかったり、被処理物の数がかわった時でも、支持台の面積が無視できないような実際上の処理では、ダミー電極が被処理物の状態を正確にモニタリングできないという問題があり、上記問題の解決方法としては十分でなかった。
【0013】
本発明は、上記従来の問題に鑑み、機械部品等の表面にプラズマを用いて表面処理を行うに際し、処理部品の種類や数が変わっても安定した表面処理を行える表面処理方法及び装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の表面処理方法は、真空チャンバ内にガスを供給しつつ排気して所定の圧力に調整し、真空チャンバ内の支持台上に基体を載置し、支持台と真空チャンバ間に高周波電力を印加して真空チャンバ内にプラズマを生成し、プラズマ中の荷電粒子によって基体の表面を改質する表面処理方法であって、支持台の一部を真空チャンバと同電位につながれた導電性の可動シールドにて覆うとともに、基体の種類や処理量が変化しても、基体及び支持台のプラズマと接触する部分の表面積が一定になるように可動シールドの位置をコントロールして処理することを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、支持台の一部を真空チャンバと同電位につながれた導電性の可動シールドにて覆うとともに、基体の種類や処理量が変化しても基体及び支持台のプラズマと接触する部分の表面積が一定になるように可動シールドの位置をコントロールして処理、表面積を連続的に調整して表面積を一定にするので安定した表面処理をより精度良く行うことができる。
【0016】
また、支持台と同電位またはフローティングに切替え可能な切替え部を適宜に切り換えることにより、基体の種類や処理量が変化しても、基体と支持台及びそれと同電位の切替え部のプラズマと接触する部分の表面積が一定になるようにして処理すると、表面積を段階的ながら調整して表面積を一定にするので安定した表面処理を精度良く行うことができ、かつ真空チャンバ内に可動部がないので、ダスト発生を抑制できて有利である。
【0017】
また、真空チャンバの一部分を、真空チャンバの高周波電力が印加される部分と同電位の状態とフローティング状態との間で適宜に切り換え、基体の種類や処理量が変化しても、基体と支持台のプラズマと接触する部分の表面積と、真空チャンバの高周波電力が印加されかつプラズマと接触する部分の表面積との比が一定となるようにして処理すると、真空チャンバ内に可動部がないので、ダスト発生を抑制でき、また基体の近傍の部品点数が少なく、メンテナンス性に優れている。
【0018】
また、真空チャンバの一部分に設けた電位のフローティング部分と真空チャンバの高周波電力が印加される部分との間で絶縁板を移動させ、基体の種類や処理量が変化しても、基体と支持台のプラズマと接触する部分の表面積と、真空チャンバの高周波電力が印加されかつプラズマと接触する部分の表面積との比が一定となるようにして処理すると、表面積を連続的に調整できるので精度良く処理でき、また基体の近傍の部品点数が少なく、メンテナンス性に優れている。
【0019】
また、本発明の表面処理方法は、真空チャンバ内に窒素ガスを供給しつつ排気して所定の圧力に調整し、真空チャンバ内の支持台上に基体を載置し、支持台と真空チャンバ間に高周波電力を印加して真空チャンバ内にプラズマを生成し、プラズマ中の荷電粒子によって基体の表面を硬化する窒化処理方法であって、基体の種類や処理量が変化しても支持台にかかる電圧Vとプラズマ密度dの積が一定となるように、ガス圧力または印加高周波電力または基体及び支持台のプラズマと接触している部分の表面積または真空チャンバの高周波電力が印加されかつプラズマと接触する部分の表面積をコントロールして処理するものであり、窒化処理に際してV×dは硬度上昇の制御に対して最適なパラメータであることから、非常に安定した窒化処理を行うことができる。
【0020】
また、本発明の表面処理装置は、排気系とガス供給系を備えた真空チャンバと、真空チャンバ内で基体を載置する支持台と、真空チャンバと支持台との間に高周波電力を印加する電源とを備え、真空チャンバ内にプラズマを生成してプラズマ中の荷電粒子によって基体の表面を改質する表面処理装置において、支持台の一部を覆いかつ真空チャンバと同電位に接続された導電性のシールドの一部として、支持台の覆う範囲を可変する可動シールドを設けるととともに、基体の種類や処理量に応じて可動シールドを移動するシールド移動手段を設けたものであり、上記のように基体の種類や処理量が変化してもプラズマの状態が一定で、安定した表面処理を行うことができ、所望の表面処理状態を安定的に得ることができ、さらに表面積を連続的に調整して表面積を一定にできるのでより精度良く安定した表面処理を行うことができる。
【0021】
また、支持台と同電位の状態または電位的にフローティング状態に切替え可能な切替部を支持台の周囲に設けるとともに、基体の種類や処理量に応じて切替部の電位状態を切り替える切替手段を設けると、表面積を段階的ながら調整して表面積を一定にするので安定した表面処理を精度良く行うことができ、かつ真空チャンバ内に可動部がないので、ダスト発生を抑制できて有利である。
【0022】
また、真空チャンバに高周波電力が印加される主体部と電位的にフローティング状態にできるフローティング部を設けるとともに、基体の種類や処理量に応じてフローティング部を主体部と同電位の状態または電位的にフローティング状態に切り替える切替回路を設けると、真空チャンバ内に可動部がないので、ダスト発生を抑制でき、また基体の近傍の部品点数が少なく、メンテナンス性に優れている。
【0023】
また、真空チャンバに高周波電力が印加される主体部と電位的にフローティング状態にできるフローティング部を設け、かつ主体部の内面に対向した位置とフローティング部内面に対向した位置との間で移動可能な可動絶縁体を設け、基体の種類や処理量に応じて可動絶縁体を移動させるようにすると、表面積を連続的に調整できるので精度良く処理でき、また基体の近傍の部品点数が少なく、メンテナンス性に優れている。
【0024】
また、排気系と窒素ガス供給系を備えた真空チャンバと、真空チャンバ内で基体を載置する支持台と、真空チャンバと支持台との間に高周波電力を印加する電源とを備え、真空チャンバ内にプラズマを生成してプラズマ中の荷電粒子によって基体の表面を窒化する表面処理装置において、支持台にかかる電圧を測定する電圧測定手段と、プラズマ密度を測定するプラズマ密度測定手段と、基体の種類や処理量が変化しても電圧とプラズマ密度の積が一定となるように、ガス圧力または印加高周波電力または基体及び支持台のプラズマと接触している部分の表面積または真空チャンバの高周波電力が印加されかつプラズマと接触する部分の表面積をコントロールする手段を設けると、上記の窒化処理方法を実施して非常に安定した窒化処理を行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の表面処理方法及び装置の第1の実施形態について、図1を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、図7を参照して説明した従来例と同一の構成要素については、同一参照番号を付して説明を省略し、相違点のみを説明する。
【0026】
本実施形態の表面処理装置においては、シールド6の一部が可動シールド11に構成され、その位置調整を行うシールド移動手段12が設けられている。また、可動シールド11の移動によって新たな陽極面が露出するのを防ぐために絶縁物13が配設されている。
【0027】
次に、従来例と同じく窒素プラズマによる硬化処理を例にとって動作を説明する。まず、ガス供給系3から窒素ガスを導入し同時に排気系2から排気する。次に、基体10である処理部品の種類や数に応じてシールド移動手段12により可動シールド11を移動する。その移動距離は、基体10及び支持台4(以下、陰極と呼ぶ)のプラズマPの接触している部分の表面積が一定になるように調整する。
【0028】
例えば、図1(a)の状態で高周波電力と硬化度(硬度の上昇値)の相関が調べられているとする。図1(b)のように処理数を減らしたときは可動シールド11をずらせてプラズマと接触する陰極の表面積を補う。すなわち、図1(a)において、陰極のプラズマと接する部分の面積をS1、図1(b)において可動シールド11を動かさなかったとき陰極がプラズマと接する部分の面積をS2、可動シールド11を動かすことにより新たにプラズマと接することとなった陰極面積をS3として、それらの間にS3=S1−S2の関係が成り立つように可動シールド11を移動させる。可動シールド11の移動距離は、基体10の大きさに関する情報から容易に計算される。
【0029】
この状態で電源5より基体10及び支持台4に電力を供給すると、窒素イオンと電子からなるプラズマPが発生する。プラズマP中の窒素イオンは基体10及び支持台4に発生したセルフバイアスにより加速され、基体10に衝突する。そのエネルギーによって基体10の表面及び基体10の中で合金の成分と窒素の反応が生じ、基体10の表面の硬化が生じる。
【0030】
以上の方法によれば、処理部品である基体10の種類や数が変わっても、陰極がプラズマPに接触する面積が一定なので、プラズマの状態は一定で、安定した表面処理を行うことができる。すなわち、同じ電力で同じ硬度の処理を行うことができる。
【0031】
なお、シールド6や可動シールド11として誘電体を使うと、プラズマPを特徴づける量として、陰極と陽極のプラズマ接触面積の他に、シールドを介した陰極とプラズマの接触を考慮しなければならず、上記のようなシンプルな関係は成り立たず、実用的でない。
【0032】
(第2の実施形態)
次に、本発明の表面処理方法及び装置の第2の実施形態について、図2を参照して説明する。
【0033】
図2において、支持台4の周囲に、支持台4と同電位またはフローティングに切替え可能な切替部14と、その切替スイッチ15を設けている。
【0034】
図2(a)の切替部14が電位的にフローティングの状態で電力と硬度の相関が調べられているとき、処理量が図2(b)に示すように変わったとすると、切替部14を支持台4と同電位となるように切替スイッチ15を切り替えることで面積S3を補う。
【0035】
このような構成においても、第1の実施形態と同様に陰極がプラズマPに接触する面積が一定なので、プラズマPの状態は一定で、安定した表面処理を行うことができる。
【0036】
第1の実施形態は連続的にプラズマPと接触する陰極の面積を変えることができるという点で有利であり、第2の実施形態は真空チャンバ1内に可動部分がなく、ダストの発生抑制の点で有利である。
【0037】
(第3の実施形態)
次に、本発明の表面処理方法及び装置の第3の実施形態について、図3を参照して説明する。
【0038】
図3において、真空チャンバ1を、接地されて電源5に接続された支持台4との間で高周波電力が印加される主体部16と、主体部16に対して絶縁部材17を介して電位的にフローティングするフローティング部18にて構成するとともに、主体部16とフローティング部18を接続した状態とフローティングさせた状態で切り替える切替回路19が設けられている。シールド6は真空チャンバ1の主体部16と接続されている。
【0039】
次に、動作を説明する。まず、ガス供給系3から窒素ガスを導入し同時に排気系2から排気する。次に、処理部品である基体10の種類や数に応じて切替回路19によりフローティング部18の電位を主体部16と同電位又はフローティングに切り替える。この切替えは、主体部16と同電位の部分を陽極として、陰極のプラズマと接触している表面積と陽極のプラズマと接触している部分の表面積との比が一定となるように行う。
【0040】
例えば、図3(a)の状態で高周波電力と硬化度(硬度の上昇値)の相関が調べられているとする。図3(b)のように処理数を減らしたときは切替回路19を開にして、陽極のプラズマPと接触する表面積を減少させる。すなわち、図3(a)において、陰極のプラズマPと接触する部分の面積をS4、陽極がプラズマPと接触する表面積をS5、図3(b)において、陰極のプラズマPと接触する部分の面積をS6、切替回路19を開としたときの陽極のプラズマPと接触する表面積をS7として、これらの間にS4/S5=S6/S7の関係が成り立つようにする。どれだけの部分を陽極とするかは部品の大きさに関する情報から容易に計算される。
【0041】
この状態で電源5より基体10及び支持台4に電力を供給すると、窒素イオンと電子からなるプラズマPが発生する。プラズマP中の窒素イオンは基体10及び支持台4に発生したセルフバイアスにより加速され、基体10に衝突する。そのエネルギーによって基体10の表面及び基体10の中で合金の成分と窒素の反応が生じ、基体10の表面の硬化が生じる。
【0042】
以上の方法によれば、処理部品の種類や数が変わっても、陰極がプラズマPに接触する面積と陽極がプラズマPに接触する面積の比が一定なので、プラズマの状態は一定で、安定した表面処理を行うことができる。
【0043】
(第4の実施形態)
次に、本発明の表面処理方法及び装置の第4の実施形態について、図4を参照して説明する。
【0044】
図4において、真空チャンバ1を、接地されて電源5に接続された支持台4との間で高周波電力が印加される主体部16と、主体部16に対して絶縁部材17を介して電位的にフローティングするフローティング部18にて構成するとともに、主体部16の内面に対向する位置とフローティング部18の内面に対向する位置との間で移動可能な可動絶縁板20が配設されている。シールド6は真空チャンバ1の主体部16と接続されている。
【0045】
図4(a)の状態で高周波電力と硬化度(硬度の上昇値)の相関が調べられている時、処理量が図3(b)のように変わったときは、可動絶縁板20の位置をコントロールすることで陽極の面積を変化させ、基体10及び支持台4のプラズマPと接触する部分の表面積と真空チャンバ1の主体部16のプラズマPと接触している部分の表面積の比が一定となるようにする。
【0046】
この構成においても、第3の実施形態と同様に陰極がプラズマPに接触する面積と陽極がプラズマPに接触する面積の比が一定なので、プラズマPの状態は一定で、安定した表面処理を行うことができる。本実施形態は連続的にプラズマPと接触する陽極の面積を変えることができるという点で有利であり、第3の実施形態は真空チャンバ1内に可動部分がないので、ダストの発生抑制の点で有利である。
【0047】
また、第1、第2の実施形態と比較してみると、第1の実施形態では処理内容に応じて陰極、陽極の面積比とともに面積自体が変わらないので、第3、第4の実施形態よりも精度良く処理できる。一方、第3、第4の実施形態は基体10の近傍の部品点数が少なく、ダストの問題やメンテナンス性の点で第1、第2の実施形態より有利である。
【0048】
(第5の実施形態)
次に、本発明の表面処理方法及び装置の第5の実施形態について、図5、図6を参照して説明する。本実施形態は、特に窒化処理において安定した処理を行うものである。
【0049】
図5において、図1の第1の実施形態に比べて、支持台4にかかる電圧Vを測定する電圧測定手段21と、プラズマ密度を測定するプラズマ密度測定手段22が設けられている。なお、以下の説明では、基本構成が第1の実施形態の場合について説明するが、第2〜第4の実施形態の基本構成の場合にも同様に適用できる。
【0050】
次に、動作を説明する。まず、ガス供給系3から窒素ガスを導入し同時に排気系2から排気する。次に、電源5より基体10及び支持台4に電力を供給すると、窒素イオンと電子からなるプラズマPが発生する。
【0051】
ここで、次の2つのステップを行う。第1ステップで、電圧測定手段21によって支持台4にかかる電圧Vを測定し、プラズマ密度測定手段22によってプラズマPの密度dを測定する。次に、第2ステップで、測定された結果を元にV×dが所望の硬度を得る値になるように、ガス圧力または電力またはプラズマと接触している陰極の面積またはプラズマと接触している陽極の面積を調整する。ここで、所望の硬度を得るV×dの値は予め調べておく。面積を変更調整する具体的な手段は、図示例では可動シールド11をシールド移動手段12にて移動して行う。
【0052】
プラズマ中の窒素イオンは基体10及び支持台4に発生したセルフバイアスにより加速され基体10に衝突する。そのエネルギーによって基体10の表面及び基体10の中で合金の成分と窒素の反応が生じ、基体10の表面の硬化が生じる。ここで、窒素の反応は窒素イオンのエネルギーと窒素イオンのフラックスに比例し、窒素イオンのエネルギーは電極電圧Vに比例し、フラックスはプラズマ密度dに比例するので、V×dで制御すれば、精度のよい窒化処理ができる。
【0053】
図6に、高速度鋼に20mTorrで10分間窒化処理したときの各高周波電力における硬度上昇とVとdとV×dの関係を示す。V×dが硬度上昇の制御に対して最適なパラメータであることが分かる。
【0054】
【発明の効果】
本発明の表面処理方法及び装置によれば、以上のように処理部品の種類や数が変わってもプラズマの状態を一定に保てるので、安定した表面処理を行うことができる。
【0055】
また、窒化処理において、本質的なパラメータを直接制御するので、非常に安定した表面処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の表面処理装置の各動作状態を示す縦断概略構成図である。
【図2】本発明の第2の実施形態の表面処理装置の各動作状態を示す縦断概略構成図である。
【図3】本発明の第3の実施形態の表面処理装置の各動作状態を示す縦断概略構成図である。
【図4】本発明の第4の実施形態の表面処理装置の各動作状態を示す縦断概略構成図である。
【図5】本発明の第5の実施形態の表面処理装置の縦断概略構成図である。
【図6】同実施形態における印加高周波電力に対する電圧とプラスマ密度と(電圧×プラズマ密度)と硬度上昇の関係を示すグラフである。
【図7】従来例の表面処理装置における各使用状態を示す縦断概略構成図である。
【符号の説明】
1 真空チャンバ
2 排気系
3 ガス供給系
4 支持台
5 電源
6 シールド
10 基体
11 可動シールド
12 シールド移動手段
14 切替部
16 主体部
18 フローティング部
19 切替回路
20 可動絶縁板
21 電圧測定手段
22 プラズマ密度測定手段

Claims (10)

  1. 真空チャンバ内にガスを供給しつつ排気して所定の圧力に調整し、真空チャンバ内の支持台上に基体を載置し、支持台と真空チャンバ間に高周波電力を印加して真空チャンバ内にプラズマを生成し、プラズマ中の荷電粒子によって基体の表面を改質する表面処理方法であって、支持台の一部を真空チャンバと同電位につながれた導電性の可動シールドにて覆うとともに、基体の種類や処理量が変化しても、基体及び支持台のプラズマと接触する部分の表面積が一定になるように可動シールドの位置をコントロールして処理することを特徴とする表面処理方法。
  2. 真空チャンバ内にガスを供給しつつ排気して所定の圧力に調整し、真空チャンバ内の支持台上に基体を載置し、支持台と真空チャンバ間に高周波電力を印加して真空チャンバ内にプラズマを生成し、プラズマ中の荷電粒子によって基体の表面を改質する表面処理方法であって、支持台と同電位またはフローティングに切替え可能な切替え部を適宜に切り換えることにより、基体の種類や処理量が変化しても、基体と支持台及びそれと同電位の切替え部のプラズマと接触する部分の表面積が一定になるようにして処理することを特徴とする表面処理方法。
  3. 真空チャンバ内にガスを供給しつつ排気して所定の圧力に調整し、真空チャンバ内の支持台上に基体を載置し、支持台と真空チャンバ間に高周波電力を印加して真空チャンバ内にプラズマを生成し、プラズマ中の荷電粒子によって基体の表面を改質する表面処理方法であって、真空チャンバの一部分を、真空チャンバの高周波電力が印加される部分と同電位の状態とフローティング状態との間で適宜に切り換え、基体の種類や処理量が変化しても、基体と支持台のプラズマと接触する部分の表面積と、真空チャンバの高周波電力が印加されかつプラズマと接触する部分の表面積との比が一定となるようにして処理することを特徴とする表面処理方法。
  4. 真空チャンバ内にガスを供給しつつ排気して所定の圧力に調整し、真空チャンバ内の支持台上に基体を載置し、支持台と真空チャンバ間に高周波電力を印加して真空チャンバ内にプラズマを生成し、プラズマ中の荷電粒子によって基体の表面を改質する表面処理方法であって、真空チャンバの一部分に設けた電位のフローティング部分と真空チャンバの高周波電力が印加される部分との間で絶縁板を移動させ、基体の種類や処理量が変化しても、基体と支持台のプラズマと接触する部分の表面積と、真空チャンバの高周波電力が印加されかつプラズマと接触する部分の表面積との比が一定となるようにして処理することを特徴とする表面処理方法。
  5. 真空チャンバ内に窒素ガスを供給しつつ排気して所定の圧力に調整し、真空チャンバ内の支持台上に基体を載置し、支持台と真空チャンバ間に高周波電力を印加して真空チャンバ内にプラズマを生成し、プラズマ中の荷電粒子によって基体の表面を硬化する窒化処理方法であって、基体の種類や処理量が変化しても支持台にかかる電圧Vとプラズマ密度dの積が一定となるように、ガス圧力または印加高周波電力または基体及び支持台のプラズマと接触している部分の表面積または真空チャンバの高周波電力が印加されかつプラズマと接触する部分の表面積をコントロールして処理することを特徴とする表面処理方法。
  6. 排気系とガス供給系を備えた真空チャンバと、真空チャンバ内で基体を載置する支持台と、真空チャンバと支持台との間に高周波電力を印加する電源とを備え、真空チャンバ内にプラズマを生成してプラズマ中の荷電粒子によって基体の表面を改質する表面処理装置において、支持台の一部を覆いかつ真空チャンバと同電位に接続された導電性のシールドの一部として、支持台の覆う範囲を可変する可動シールドを設けるととともに、基体の種類や処理量に応じて可動シールドを移動するシールド移動手段を設けたことを特徴とする表面処理装置。
  7. 排気系とガス供給系を備えた真空チャンバと、真空チャンバ内で基体を載置する支持台と、真空チャンバと支持台との間に高周波電力を印加する電源とを備え、真空チャンバ内にプラズマを生成してプラズマ中の荷電粒子によって基体の表面を改質する表面処理装置において、支持台と同電位の状態または電位的にフローティング状態に切替え可能な切替部を支持台の周囲に設けるとともに、基体の種類や処理量に応じて切替部の電位状態を切り替える切替手段を設けたことを特徴とする表面処理装置。
  8. 排気系とガス供給系を備えた真空チャンバと、真空チャンバ内で基体を載置する支持台と、真空チャンバと支持台との間に高周波電力を印加する電源とを備え、真空チャンバ内にプラズマを生成してプラズマ中の荷電粒子によって基体の表面を改質する表面処理装置において、真空チャンバに高周波電力が印加される主体部と電位的にフローティング状態にできるフローティング部を設けるとともに、基体の種類や処理量に応じてフローティング部を主体部と同電位の状態または電位的にフローティング状態に切り替える切替回路を設けたことを特徴とする表面処理装置。
  9. 排気系とガス供給系を備えた真空チャンバと、真空チャンバ内で基体を載置する支持台と、真空チャンバと支持台との間に高周波電力を印加する電源とを備え、真空チャンバ内にプラズマを生成してプラズマ中の荷電粒子によって基体の表面を改質する表面処理装置において、真空チャンバに高周波電力が印加される主体部と電位的にフローティング状態にできるフローティング部を設け、かつ主体部の内面に対向した位置とフローティング部内面に対向した位置との間で移動可能な可動絶縁体を設け、基体の種類や処理量に応じて可動絶縁体を移動させるようにしたことを特徴とする表面処理装置。
  10. 排気系と窒素ガス供給系を備えた真空チャンバと、真空チャンバ内で基体を載置する支持台と、真空チャンバと支持台との間に高周波電力を印加する電源とを備え、真空チャンバ内にプラズマを生成してプラズマ中の荷電粒子によって基体の表面を窒化する表面処理装置において、支持台にかかる電圧を測定する電圧測定手段と、プラズマ密度を測定するプラズマ密度測定手段と、基体の種類や処理量が変化しても電圧とプラズマ密度の積が一定となるように、ガス圧力または印加高周波電力または基体及び支持台のプラズマと接触している部分の表面積または真空チャンバの高周波電力が印加されかつプラズマと接触する部分の表面積をコントロールする手段を設けたことを特徴とする表面処理装置。
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