JP4460069B2 - シングルモード光ファイバの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光伝送に用いられる石英系シングルモード光ファイバの製造方法および製造装置に関する。
近年、石英系ガラスからなる光ファイバを用いた光伝送における伝送容量を増大させる技術の検討が盛んに行われている。
光伝送における伝送容量を増大させるためには、光伝送を行う光ファイバが使用波長においてシングルモード伝送可能であることが必要とされる。その理由は、複数のモードが光ファイバ内を伝搬すると、伝搬モードごとの群速度の差によりモード分散が不可避的に発生するため、信号波形の劣化を招くからである。
そこで、波長1.3μm付近にゼロ分散波長を有するシングルモード光ファイバ(SMF)が使用され始めた。この光ファイバは、波長1.3μm付近にゼロ分散波長を有するため、この波長付近において伝送距離が100kmを超え、かつ伝送容量が数百Mbpsの光伝送が可能となった。
一方、光ファイバの伝送損失は波長1.55μm付近で最も小さくなるため、この波長を用いた光伝送を行うことが望まれ、波長1.55μm付近にゼロ分散波長を有する分散シフト光ファイバ(DSF)が開発された。この光ファイバにより、波長1.55μm付近において伝送容量が数Gbpsの光伝送が可能となった。また、この波長帯はエルビウム添加光ファイバ増幅器の利得帯域でもあるため、伝送容量の増大とともに伝送距離の飛躍的な増大がもたらされた。
また、近年ではさらに伝送容量を増大させるための技術として波長分割多量(WDM)光伝送についての研究開発が盛んに行われている。そして、WDM光伝送に好適に用いられる光ファイバについても多くの検討がなされている。
光ファイバをWDM光伝送に使用する場合には、使用波長帯にゼロ分散波長が存在しないことが四光波混合を防ぐ観点から要求される。また、一般に、WDM光伝送システムを実現するためには、中継点および光受信装置において修復不可能な波形歪みが起こらないことが必要とされるが、このためには光伝送路による非線形現象を抑制し、かつ累積分散を小さくすることが効果的であるとされている。更に、各光信号の波長間で分散格差があると、波長ごとに波形歪み量が異なる原因となるので、光伝送路における分散勾配は極力小さくする必要がある。
このような要求に応える光ファイバとして、使用波長帯にゼロ分散をもたない分散シフト光ファイバ(NZDSF)が開発された。このNZDSFは、四光波混合がほとんど起こらず、また非線形性も十分低いため、導入が急ピッチで進められ、広く普及されるに至っている。
また、WDM光伝送システムにおいて、2種類以上の光ファイバを組み合わせて全体の分散値および分散勾配がほぼゼロになるようにした光伝送路が採用されることが多くなっている。この用途に用いられる光ファイバとして、分散補償光ファイバ(DCF)や分散スロープ補償光ファイバ(DSCF)などが知られている。
更に、最近ではラマン増幅を用いたWDM光伝送システムの検討も行われており、波長1.3μm付近および波長1.55μm付近以外の波長領域をWDM光伝送に利用しようとする検討も行われている。
上述の光伝送の障害となる現象として、光ファイバ中の構造欠陥と水素分子とが結合することにより生ずる光ファイバの伝送損失の増加現象がある。この伝送損失の増加は、波長1.24μm付近、波長1.38μm付近、波長1.52μm付近およびその長波長側などに生ずる吸収ピークによるものであることが知られている。
以下、この現象について説明する。一般に、光ファイバには酸素過剰、もしくは酸素欠損に伴う常磁性欠陥が存在する。そのうち非架橋酸素欠陥(Non Bridging Oxygen Hole Center:以下、NBOHCとする)、および過酸化ラジカル(Per-Oxy Radical:以下、PORとする)は、光ファイバの伝送特性、とりわけ伝送損失の長期安定性に大きく影響するといわれている。
ここで、NBOHCとは、図1(a)に示すように、Si原子に結合している酸素原子4つのうちの1つが他の原子との結合に寄与しない不対電子を1つ有する常磁性欠陥種のことである。また、PORとは、図1(b)に示すように、Si原子に結合している酸素原子4つのうちの1つが他の酸素原子と結合し、他の酸素原子が他の原子との結合に寄与しない不対電子を1つ有する常磁性欠陥種のことである。
特に、水素が光ファイバ内に拡散する状態が生ずると、拡散した水素分子がこれらの常磁性欠陥と結合して、光ファイバの伝送帯域波長内に吸収を持つ原子結合を生じ、伝送損失が増加する。
また、特に、ラマン増幅システムを用いる場合、励起光は増幅光より100nm程度短い波長となる。例えば、エルビウム添加ファイバ(EDF)による信号光増幅システムでは利得帯にならない1500nm付近のいわゆるS−band帯をラマンシステムで増幅利用しようとした場合、励起光の波長は1400nmとなる。これが1385nm〜1410nmのいわゆるOH吸収にかかってしまうため、OH吸収損失が大きい場合、励起光が減衰してしまって所望のラマン利得が得られないという問題が生じる。
さらに、水素分子がファイバ内に拡散した場合、前述のNBOHCがモードフィールド径の領域(MFD領域)内に多量に存在すると、これと水素分子が反応してOH基を生成するため、経時的なOH吸収損失の増加が生じ、システムの信頼性を大きく損ねる結果となる。このOH吸収損失の増加量については、現状では規格化されてはいないが、およそ0.05dB/km以下が目標値とされている。
上述の伝送損失増加現象を抑制するため、耐水素性を考慮した光ファイバの一例が米国特許第6,131,415号に記載されており、ここには、波長1385nmにおける伝送損失を低下させるために、水素イオンの濃度を低減することで、波長1200〜1600nmの全波長領域における光伝送が可能となることが開示されている。
また、耐水素性を考慮した光ファイバの他の一例が米国特許第5,838,866号および第6,128,928号に記載されており、コアに隣接する内部クラッドに、その屈折率を実質的に上昇させない程度のゲルマニウムを添加することで耐水素性が得られることが開示されている。
しかし、これら米国特許公報に記載された技術はいずれも、光ファイバ内のNBOHCあるいはPOR等の常磁性欠陥の密度等については全く言及していないため、光ファイバ中の常磁性欠陥の密度等の許容限度については依然として不明なままである。
また、線引方法の工夫によって、光ファイバの初期損失を減少させたり、機械的強度を保つことを示す先行文献として、例えば特開2001−192228号公報、及び特開2001−114526号公報がある。
本発明の目的は、耐水素特性に優れ、長期信頼性の高い光ファイバの製造方法および製造装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、石英系ガラスよりなる中心コアとクラッドを有するガラス部分を含み、前記ガラス部分にはGeおよびFからなる群から選ばれた少なくとも1種が添加され、前記ガラス部分の外径が約125μmであるシングルモード光ファイバの製造方法において、光ファイバ母材を加熱して溶融させる工程、前記溶融した光ファイバ母材から光ファイバを線引きする工程、および前記溶融した光ファイバ母材の、母材径の90%の径から5%の径になるまでのメニスカス部分から、前記線引きされた光ファイバの1200℃になる部分まで連続的に、1000〜3000℃/秒の冷却速度で冷却する工程を具備することを特徴とするシングルモード光ファイバの製造方法を提供する。
本発明の第2の態様は、第1のヒータを備える、光ファイバ母材を加熱する加熱炉と、前記加熱炉内で溶融した前記光ファイバ母材から光ファイバを線引きする機構とを具備し、前記加熱炉の下部に密接して、下記不等式を満たすような長さLを有する下部筒が設けられ、線引きされる光ファイバ母材の、光ファイバ母材が線引炉内で溶融し母材径の90%の径から5%の径になるまでのメニスカス部分の長さが、母材径(mm)×5以上の長さを有するように、前記下部筒中で光ファイバは連続的に冷却されることを特徴とする光ファイバの製造装置を提供する。
(mm)>光ファイバの線速(m/min)X光ファイバの線速(m/min)/300
本発明の第1の態様は、メニスカス部分から、線引きされた光ファイバの1200℃になる部分まで連続的に、1000〜3000℃/秒の冷却速度で冷却する工程を具備することを特徴とする。
このように、メニスカス以降を連続して所定の温度まで所定の冷却速度で冷却することにより、光ファイバの耐水素性を向上させることが出来る。
本発明の第1の態様に係るシングルモード光ファイバの製造方法において、光ファイバ母材は、火炎加水分解法で得られた石英系ガラススートであり、このスートは実質的に酸素を含まない条件で焼結されていることが望ましい。
本発明の第2の態様は、加熱炉の下部に密接して、光ファイバの線速と所定の関係を満たすような長さLを有する下部筒が設けられ、線引きされる光ファイバ母材の、光ファイバ母材が線引炉内で溶融しのメニスカス部分の長さが、母材径(mm)×5以上の長さを有するように、下部筒中で光ファイバは連続的に冷却されることを特徴とする。
このような装置構成を採用することにより、第1の態様に係る冷却工程を実現することが可能である。
第2の態様発明に係るシングルモード光ファイバの製造装置において、下部筒内に、加熱炉内から引き出された光ファイバを加熱する第2のヒーターが配置されており、第2のヒーターの長さLは、下記不等式を満たすことが望ましい。
(mm)>光ファイバ母材の径(mm)×光ファイバの線速(m/min)/200
また、第1のヒーターの上端部から加熱炉上部までの距離Lが、下記不等式を満たし、第1のヒーター上端部から加熱炉上部までの距離Lが、下記不等式を満たすことが望ましい。
(mm)>光ファイバ母材の径(mm)×光ファイバの線速(m/min)/200
(mm)>光ファイバ母材の径(mm)×光ファイバの線速(m/min)/200
なお、本発明において、シングルモード光ファイバとは、前述のSMF、DSF、NZDSF、DCFなどを含む、使用波長帯でシングルモード動作可能な光ファイバを意味する。
第1の参考例は、石英系ガラスよりなり、中心コアとクラッドを有するガラス部分を含むシングルモード光ファイバにおいて、前記ガラス部分の非架橋酸素欠陥の密度が、電子スピン共鳴法により測定されるスピン密度の値として1.0×1014spins/g以下であることを特徴とするシングルモード光ファイバを提供する。
第2の参考例は、石英系ガラスよりなり、中心コアとクラッドを有するガラス部分を含むシングルモード光ファイバにおいて、前記ガラス部分にはGeおよびFからなる群から選ばれた少なくとも1種が添加され、前記ガラス部分の外径が約125μmであり、前記ガラス部分のモードフィールド径を有するMFD領域に含まれる非架橋酸素欠陥の密度は、その外側の前記クラッド部分に含まれる非架橋酸素欠陥の密度より低いことを特徴とするシングルモード光ファイバを提供する。
第3の参考例は、石英系ガラスよりなり、中心コアとクラッドを有するガラス部分を含むシングルモード光ファイバにおいて、前記ガラス部分にはGeおよびFからなる群から選ばれた少なくとも1種が添加され、前記ガラス部分の外径が約125μmであり、前記ガラス部分のモードフィールド径を有するMFD領域の中心部分に透過光を入射し、そのレーリー散乱光とラマン散乱光のずれを測定することによって得られる、ガラスの3員環構造を示す欠陥線と4員環構造を示す欠陥線との比率から求めた仮想温度が1200℃以下であることを特徴とするシングルモード光ファイバを提供する。
第1の参考例は、ガラス部分の非架橋酸素欠陥(NBOHC)の密度が、電子スピン共鳴法により測定されるスピン密度の値として1.0×1014spins/g以下であることを特徴とする。スピン密度の下限は特に限定されないが、通常は1.0×1011spins/g程度である。
NEOHCの密度が1.0×1014spins/gを超えると、光ファイバに水素分子を拡散、含浸させた際に、波長1.52μm付近に伝送損失が増加してしまう。
第1の参考例に係るシングルモード光ファイバにおいて、ガラス部分の常磁性欠陥Si(D)−E’の密度が、電子スピン共鳴法により測定されるスピン密度の値として1.0×1012spins/g以上であることが望ましい。Si(D)−E’の密度をこのように規定することにより、波長1.38μm付近の伝送損失増加を更に防ぐことができる。
本例では、上述のように、光ファイバ内に残留するNBOHCあるいはSi(D)−E’の常磁性欠陥の密度を、電子スピン共鳴法(Electron-Spin-Resonance:以下、ESR法とする)により測定されたスピン密度の値で規定している。
ここでSi(D)−E’とは、図1(c)に示すように、Si原子に酸素原子が2つ、重水素原子(D)が1つそれぞれ結合し、Si原子が他の原子との結合に寄与しない不対電子を1つ有する常磁性欠陥種のことである。
第1の参考例に係るシングルモード光ファイバにおいて、カソードルミネッセンス法によるガラス部分の断面内における波長650nm付近の発光強度は、中心コアの外周部およびその外側近傍の環状領域においてもっとも強く、中心コアの外側方向になだらかに減少するように分布している構成とすることが出来る。このように、発光強度の分布を規定することで、水素を含む原子結合の影響による波長1.52μm付近の伝送損失の増加を防ぐことができる。
第1の参考例に係るシングルモード光ファイバにおいて、中心コアにゲルマニウムを添加することが出来る。また、ガラス部分の中心コアに隣接する環状領域にフッ素を添加することが出来る。更に、クラッドの塩素濃度を中心コアの塩素濃度より大きくすることが出来る。
このように、中心コアにゲルマニウムが添加され、中心コアに隣接する環状領域にフッ素が添加され、またはクラッドの塩素濃度を中心コアの塩素濃度より大きくされていることは、光ファイバの伝送損失を増加させる構造欠陥を減少させる観点で望ましい。
以上説明した第1の参考例に係るシングルモード光ファイバは、ガラス部分に重水素を拡散させて、NBOHCのスピン密度を減少させ、それによって過酸化ラジカルのスピン密度を増加させることにより製造することが可能である。
このように、耐水素処理として重水素を拡散することにより、NBOHCのスピン密度を減少させ、過酸化ラジカルのスピン密度を増加させることにより、水素の拡散により伝送損失が増加することのないシングルモード光ファイバを得ることが可能である。
第2の参考例は、ガラス部分のMFD領域に含まれるNBOHCの密度は、その外側のクラッド部分に含まれるNBOHCの密度より低いことを特徴とする。
このように、光が伝搬する領域のNBOHCの密度を低くすることにより、光ファイバの耐水素特性を向上させることが出来る。
第2の参考例に係るシングルモード光ファイバにおいて、ガラス部分の中心から半径25μmの領域に含まれるNBOHCの密度が、電子スピン共鳴法により測定されるスピン密度の値として1×1013spins/g以下であることが望ましい。スピン密度の下限は特に限定されないが、通常は1.0×1011spins/g程度である。
NEOHCの密度が1.0×1013spins/gを超えると、光ファイバに水素分子を拡散、含浸させた際に、波長1.52μm付近に伝送損失が増加してしまう。
第2の参考例に係るシングルモード光ファイバにおいて、クラッド部分の塩素濃度が1000ppm以上であることが望ましい。クラッド部分の塩素濃度の上限は特に限定されないが、通常は10000ppm程度である。
第2の参考例に係るシングルモード光ファイバにおいて、ガラス部分に含まれる常磁性欠陥Si−E’の密度が電子スピン共鳴法により測定されるスピン密度の値として5×1013spins/g以上であることが望ましい。このスピン密度の上限は特に限定されないが、通常は1×1015spins/g程度である。
これらのように、クラッド部分の塩素濃度およびガラス部分に含まれる常磁性欠陥Si−E’の密度を規定することにより、水素暴露前の1.38μmOH吸収損失を低くし、水素暴露による1.38μmOH吸収損失増加量を小さくすることが可能である。
第2の参考例に係るシングルモード光ファイバにおいて、室温で1気圧の水素ガスに暴露した後のガラス部分に拡散した水素分子によって生じる損失増加以外の損失増加が、1.38μm〜1.42μm波長において0.1dB/km以下であることが望ましい。
第3の参考例は、ガラス部分のMFD領域の中心部分に透過光を入射し、そのレーリー散乱光とラマン散乱光のずれを測定することによって得られる、ガラスの3員環構造を示す欠陥線と4員環構造を示す欠陥線との比率から求めた仮想温度が1200℃以下であることを特徴とする。仮想温度の下限は、特に限定されないが、1000℃程度である。
このように、仮想温度を1200℃以下とすることにより、水素暴露による1.38μmOH吸収損失増加量を低くすることができる。
第3の参考例に係るシングルモード光ファイバにおいて、室温で1気圧の水素ガスに暴露した後の前記ガラス部分に拡散した水素分子によって生じる損失増加以外の損失増加が、1.38μm〜1.42μm波長において0.05dB/km以下であることが望ましい。
本発明によれば、水素含有雰囲気中に長時間保持しても伝送損失が増加することのない、耐水素性を有するシングルモード光ファイバを得ることが可能である。
以下、発明を実施するための最良の形態について説明する。
図2は、第1の例に係るシングルモード光ファイバの屈折率分布構造の種々の例を示す説明図である。所望の屈折率分布は、石英に種々の元素を添加することにより得られるが、純石英よりも屈折率をあげる場合はGeを、下げる場合はFを添加することが出来る。なお、これらを同時に添加して所望の屈折率分布を得ることも出来る。
図2(a)に示す屈折率分布構造では、中心コア11の屈折率がクラッド12の屈折率より高くなっている。そして、この屈折率分布構造を有する光ファイバは、Geドープした石英からなる中心コア11と純石英からなるクラッド12とからなり、塩素濃度が中心コア11よりクラッド12の方が相対的に高くされており、中心コア11の塩素濃度は700〜1300ppm、それより外側のクラッド12の塩素濃度は1500〜3000ppmである。
図2(b)に示す屈折率分布構造では、中心コア21の屈折率はクラッド23の屈折率より高く、環状領域22の屈折率はクラッド23の屈折率より低くなっている。そして、この屈折率分布構造を有する光ファイバは、Geドープした石英からなる中心コア21と、微量のFドープした石英からなる環状領域22と、純石英からなるクラッド23とからなり、塩素濃度が中心コア21より環状領域22、クラッド23の方が相対的に高く、中心コア21の塩素濃度は700〜1300ppm、それより外側の環状領域22、あるいはクラッド23の塩素濃度は1500〜3000ppmである。
図2(c)に示す屈折率分布構造では、中心コア31の屈折率および第2の環状領域33の屈折率はクラッド34の屈折率より高く、第1の環状領域32の屈折率はクラッド34の屈折率より低くなっている。そして、この屈折率分布構造を有する光ファイバは、Geドープした石英からなる中心コア31と、Fドープした石英からなる第1の環状領域32と、Geドープした石英からなる第2の環状領域33と、純石英からなるクラッド34とからなる。
なお、図2(c)において、第1の環状領域32の屈折率はクラッド34の屈折率より低くなっているが、必ずしもその必要はなく、図3(a)に示すように、第1の環状領域32の屈折率がクラッド34の屈折率とほぼ等しいものであってもよい。
図2(d)に示す屈折率分布構造では、中心コア41とクラッド45との間に第1の環状領域42、第2の環状領域43および第3の環状領域44を有し、中心コア41の屈折率および第2の環状領域43の屈折率はクラッド45の屈折率より高く、第1の環状領域42の屈折率および第3の環状領域44の屈折率はクラッド45の屈折率より低くなっている。
なお、図2(d)において、第1の環状領域42の屈折率はクラッド45の屈折率より低くなっているが、必ずしもその必要はなく、図3(b)に示すように、第1の環状領域42の屈折率がクラッド45の屈折率とほぼ等しいものであってもよい。
なお、上述の図1において、シングルモード光ファイバの外径は125μm±3μmの範囲内にある。また、中心コア11、21の外径は7.5〜9.5μm、中心コア31、41の外径は3〜5μmである。また、環状領域22の外径は中心コア21の外径の3〜6倍である。また、環状領域32の外径は中心コア31の外径の1.5〜3.5倍、環状領域33の外径は環状領域32の外径の1.2〜2.5倍である。さらに、環状領域42の外径は中心コア41の外径の1.5〜3.5倍、環状領域43の外径は環状領域42の外径の1.2〜2.5倍、環状領域44の外径は環状領域43の外径の1.05〜2倍である。
図2および図3に示す屈折率分布構造を有するシングルモード光ファイバにおいて、いわゆるMFDは、要求されるファイバ特性によって様々であるが、通常は4〜12μm程度の範囲に入る。通常、光の伝搬する範囲はMFDの2〜3倍の範囲となるのが普通であるから、伝送特性、特に伝送損失に影響を与える範囲は、ガラス部分の直径が約125μmの通常の光ファイバにおいて、直径50μm程度以下と考えられる。
次に、上記図2(a)〜(c)に示される屈折率分布構造を有するシングルモード光ファイバの試料について、常温での水素雰囲気暴露による水素ロスの増加とOHロスの増加の有無を調べるとともに、ESR測定を行った。
その結果を下記表1に示す。なお、表1において、スピン濃度が空欄になっているところは、スピン密度が1012のオーダー以下であり、ESRの信号の検出レベル以下であることを示している。
Figure 0004460069
上記表1において、試料SM1〜SM6は、図2(a)に示す屈折率分布構造を有する光ファイバ、試料SM7およびSM8は、図2(b)に示す屈折率分布構造を有する光ファイバ、試料NZ1およびNZ1Dは、図2(c)に示す屈折率分布構造を有する光ファイバである。
また、表1において、耐水素性処理とは重水素雰囲気中で一定時間保持して光ファイバに重水素分子を拡散させる処理のことであり、「○」は処理済、「×」は未処理であることを示す。
また、表1において、1.52μm吸収増とは、Si−H結合に起因する伝送損失の増加、いわゆる「水素ロス増」のことであり、常温で一定時間水素雰囲気に露出した際に損失増加が認められたものを「有」、認められなかったものを「無」としている。
また、表1において、1.38μm吸収増とは、Si−OH結合に起因する伝送損失増加、いわゆる「OHロス増」のことであり、常温で一定時間水素雰囲気に暴露した際に損失増加が認められたものを「有」、認められなかったものを「無」としている。
表1中の各試料SMFについてのESRの測定結果は以下のとおりである。
試料「SM1」では、水素ロス増、OHロス増が共に認められ、NBOHC欠陥のスピン密度が1.1×1014(spins/g)であり、1014のオーダーに達している。
試料「SM1D」は試料「SM1」と同一の光ファイバに耐水素性処理を施したものである。試料「SM1D」では、水素ロス増、OHロス増は共に認められず、NBOHC欠陥のESR信号は検出されず、POR欠陥のスピン濃度が4.9×1013(spins/g)となっている。さらに試料「SM1D」では重水素が結合した常磁性欠陥種「Si(D)−E’」の信号が検出された。
試料「SM2」とそれに耐水素処理を施した試料「SM2D」は、試料「SM1」および試料「SM1D」と同様の結果を示した。即ち、試料「SM2」では、水素ロス増、OHロス増が共に認められ、NBOHC欠陥のスピン密度は1.2×1014(spins/g)になっている。また、試料「SM2D」では、水素ロス増、OHロス増は共に認められず、POR欠陥のスピン密度が2.3×1013(spins/g)になっており、「Si(D)−E’」の信号が検出された。
試料「SM3」〜「SM6」は、水素ロス増は認められなかったが、OHロス増が認められた光ファイバである。これらはNBOHC欠陥のスピン密度が1013のオーダーである。またPOR欠陥の信号は検出されなかった。
試料「SM7」、「SM8」は、水素ロス増もOHロス増も認められなかった光ファイバであり、NBOHC欠陥の信号もPOR欠陥の信号も検出されなかった。
上述のESRの測定結果を整理すると、NBOHC欠陥のスピン密度が1014のオーダーに達すると、水素ロス増およびOHロス増が認められることがわかる。
また、NBOHC欠陥のスピン濃度が1013のオーダーの場合には、水素ロス増は認められないが、OHロス増は認められることがわかる。
さらに、NBOHC欠陥のスピン密度が検出できない大きさ(1012のオーダー以下)の場合には、水素ロス増もOHロス増も認められなくなることがわかる。
また、重水素分子の拡散による耐水素性処理により耐水素特性が向上すること自体は公知であるが、当該処理を施して実際に耐水素性を有する光ファイバからは、「Si(D)−E’」欠陥の信号が検出された。
次に、表1中のNZDSFについての測定結果について説明する。
試料「NZ1」はAeff=75μmであり、1.55μm帯で数ps/nm/km程度の負の分散値を持つ光ファイバであって、NBOHC欠陥のスピン密度が3.4×1013(spins/g)と1013のオーダーであり、水素ロス増は認められないが、OHロス増は認められることがわかり、耐水素特性において前記SMFの場合(試料「SM3」〜「SM6」)と一致している。
耐水素性処理を施した試料「NZ1D」では、NBOHC欠陥のESR信号は検出されず、POR欠陥のスピン密度が2.7×1013(spins/g)となって、水素ロス増、OHロス増は共に認められなかった。さらに試料「NZ1D」でも前述の試料「SM1D」と同様、重水素が結合した常磁性欠陥種「Si(D)−E’」の信号が検出された。
次に、カソードルミネッセンス法による光ファイバ断面内の波長650nm付近の発光強度分布について説明する。
カソードルミネッセンス法とは、電子線を対象物に当てた際に放出される紫外線、可視光、あるいは近赤外線の波長と強度から、含まれる欠陥種およびその密度、あるいは応力などを分析する手法である。波長650nm付近の発光はNBOHCによることがわかっており、当該技術を用いて光ファイバ断面内のNBOHC分布を調べた。その結果を図4に示す。
図4から、以下のことがいえる。
(1)図2(a)に示す屈折率分布構造を有する光ファイバの一例である試料「SM1」の発光強度分布を図4(a)に示す。
図4(a)からわかるように、試料「SM1」の発光は中心コア11とクラッド12との境界部分(モードフィールド周辺部分)がもっとも強く、中心コア11の外側では急激に強度が弱くなる。また、中心コア11中心付近の発光強度は中心コア11の外周部分に比べて弱く、クラッド13の発光強度はさらに弱い。
また、発光強度が最大となる部分の光ファイバ中心からの距離(半径)をR、その外側で発光強度が最大強度の20%となる部分の距離をrとすると、外径が7.5〜9.5μmの中心コア11に対して、3μm<R<4.5μm、5μm<r<6μmになり、光ファイバの中心からRを超えると、発光強度は急激に低下する。
この光ファイバは、上述のようにNBOHCがモードフィールド周辺部分に集中しており、また、NBOHCが、上記表1からわかるように、ESRによる測定で検出され、耐水素性に問題がある。
(2)図2(b)に示す屈折率分布構造を有する光ファイバの一例である試料「SM7」の発光強度分布を図4(b)に示す。
図4(b)からわかるように、試料「SM7」の発光は環状領域22および環状領域22とクラッド23との境界部分(MFD周辺部分)がもっとも強く、環状領域22の外側では、図4(a)に比較して緩やかに強度が弱くなる。また、中心コア21の中心付近の発光はMFD周辺部分に比べて弱く、クラッド23の発光強度はさらに弱い。
また、発光強度が最大となる部分の光ファイバ中心からの距離(半径)をR、その外側で発光強度が最大強度の20%となる部分の距離をrとすると、前記の大きさの内外径を有する環状領域22に対して、4μm<R<6μm、9μm<r<15μmになり、光ファイバの中心からRを超えると、発光強度は緩やかに低下する。
この光ファイバでは、上述のようにNBOHCがモードフィールド周辺部分に集中せず、その外側に分散しており、また、NBOHCが、表1からわかるように、ESRによる測定で検出されず、耐水素性にも問題は生じない。
(3)図2(c)に示す屈折率分布構造を有する光ファイバの一例である試料「NZ1」の発光強度分布を図4(c)に示す。
図4(c)からわかるように、「NZ1」の発光は、Fが添加されている環状領域32(MFD内で屈折率の低い部分)で強く、Geが添加されている中心コア31および環状領域33(MFD内で屈折率の高い部分)で弱くなっている。また、FもGeも添加されていないクラッド34は発光強度がもっとも弱い。この結果は、耐水素性処理を行った試料「NZ1D」においても同様である。
ところで、耐水素性処理を行った試料「SM1D」と試料「SM2D」では、ESRではBNOCHは検出されないが、カソードルミネッセンス法ではNBOCHの発光が観察される。
このように、耐水素性処理によりESRではNBOCHが検出されなくなった光ファイバでも、カソードルミネッセンス法ではNBOCHの発光が観察される。
その理由は、以下のように観察される。即ち、
(a)ESRの感度よりカソードルミネッセンス法の感度の方が高い。
(b)光ファイバ断面内の残留応力のある部分やガラス構造の弱い部分(ESRでは検出不可能)を反映している。
なお、図4に示すカソードルミネッセンス法による発光強度分布の測定結果は、あくまでも光ファイバ断面における発光強度分布の相対比較を表すものであり、光ファイバ相互の発光強度分布の絶対比較の指標とはならない。実際のNBOHCのスピン密度の比較は、ESRによる測定結果から得られた数値を使って行う。
上記ESR法の測定結果およびカソードルミネッセンス法による発光強度分布の観察結果から、以下の結論が得られる。すなわち、
(1)耐水素性の問題点として「水素ロス増」と「OHロス増」がある。NBOHCの密度が、ESR法によって得られたスピン密度の値として1.0×1014(spins/g)を超える場合、水素ロス増やOHロス増が生ずる。したがって、水素ロス増やOHロス増が生じない光ファイバを得るためには、少なくともNBOHCのスピン密度が1.0×1014(spins/g)以下でなければならない。
(2)NBOCHのスピン密度が1.0×1014(spins/g)以下の場合は、水素ロス増は生じないが、OHロス増が生ずることがある。一方、NBOHCのスピン密度が1012(spins/g)オーダー以下の場合は、水素ロス増もOHロス増も生じない。すなわち、NBOHCのスピン密度が1012(spins/g)オーダー以下であることが、水素ロス増やOHロス増が生じない光ファイバとして望ましい条件となる。
(3)耐水素性処理を施した光ファイバは、NBOHCが検出されなくなり、代わってPORおよびSi(D)−E’が検出されるようになる。ただし、この場合は水素ロス増もOHロス増も発生しない。この条件も水素ロス増やOHロス増が生じない光ファイバとして望ましい。
(4)カソードルミネッセンス法によって、光ファイバ断面内のNBOHC分布を観察することが可能である。例えば、図2(a)に示す屈折率分布構造を有するGeドープSMFでは、NBOHCに起因する650nm波長付近の発光強度は、中心コア11とクラッド12の境界面付近が集中してもっとも強く、以下中心コア11、クラッド12の順で弱くなる。
(5)また、例えば図2(b)に示す屈折率分布構造を有するような、Geドープコアの周辺に微量のFがドープされているようなSMFでは、NBOHCに起因する650nm波長付近の発光強度は、中心コア21の外側のFドープ領域である環状領域22でもっとも強く、中心コア21の外側方向になだらかに減少し、以下Geドープ部分である中心コア21、クラッド23の順に弱くなる。言い換えると、この光ファイバは、図2(a)に示す屈折率分布構造を有する光ファイバに比して、NBOHCが集中せず、モードフィールド周辺部およびその外側に分散している。
図2(b)に示される屈折率分布形状は、図2(a)に示される屈折率分布形状と比較して耐水素特性に対して優れている。
(6)さらに、例えば図2(c)に示すように、Geドープされた中心コア31の外周にFドープされた第1の環状領域32を設け、さらにその外周にGeドープされた第2の環状領域33を設けた屈折率分布構造を有するシングルモード光ファイバでは、650nm付近の発光強度は環状領域32、環状領域33、クラッド34の順となる。なお、図2(d)に示されるような屈折率分布構造を有する光ファイバについても、同様の現象が発生する。
したがって、良好な耐水素特性を持つシングルモード光ファイバの条件として、上記結論の(1)は必須であり、(2)〜(3)は望ましい条件となる。また、(4)〜(6)は上記(1)〜(3)を裏付けるための条件として重要なものである。
次に、第2の例に係るシングルモード光ファイバについて説明する。
既に述べたように、光ファイバの耐水素特性の改善に関しては、耐水素性の劣化にガラスが持つ構造欠陥、特に酸素に起因する構造欠陥が大きく関与していることが従来から言われている。このうち、ESR法で検出される常磁性欠陥として、図1(a)に示す構造の欠陥(非架橋酸素欠陥:NBOHC)がよく知られている。
NBOHCがファイバ中に存在している場合、拡散によってガラス中に水素分子が進入してくると
≡ Si - O ・ + ・ H → ≡ Si - O - H
という反応が起こり、OH基が生成され、その結果、1.38μm波長のOH吸収損失の増加が起こる。
MFD内、もしくはその近傍の光が伝搬する部分にNBOHCが大量に存在すると、耐水素特性は劣化すると考えられる。本発明者らは、様々な光ファイバにおいて、ガラスの外径が約125μmの状態と、そのファイバをHFによって直径約50μmまでエッチングした状態とについて、それぞれESR法により、含有しているNBOHCのスピン密度を測定した。
エッチング後の外径を約50μmとしたのは、光導波部分の欠陥状態を解明したい(クラッドの影響を除去したデータを採りたい)という理由の他に、ESR測定時のサンプルハンドリングの点で、その程度の細さが限界であるという理由による。
本発明者らはまた、これらの試料を常温1気圧下で水素雰囲気に暴露させ、ファイバ内に十分に水素分子を拡散させた時の1.52μm波長、あるいは1.38〜1.42μm波長の水素による吸収損失増加量との関連を調査した。ここでは、図2(a)に示す屈折率分布を有する光ファイバ(いわゆる一般的なシングルモード光ファイバ)についての測定結果を示す。
下記表2に、ESR測定結果、および水素による伝送損失の挙動を示した。
Figure 0004460069
上記表2において、試料No.に「E」と付いているもの(例えばSM9E)は、HFエッチングを行った外径約50μmの試料を示しており、「E」の付いていないものはエッチング前の外径約125μmの試料である。また、1.38μm吸収増加の単位は、「dB/km」である。
1.52μm吸収は、水素分子と過酸化ラジカル(≡Si−O−O・)の結合によるものと言われているが、他にも原因が考えられ、今のところ定説はない。上記表2では、水素暴露前の損失値と暴露後の損失値を比較して、この波長に吸収ピークが認められたものを「有」、認められなかったものを「無」として表した。
1.38μm吸収は、前述の通り、ファイバ内に拡散した水素分子とNBOHCとが反応して生じたOH基によるものであり、水素暴露前と暴露後の損失値の増加量として示した。なお、NBOHCスピン密度が「ND」となっているのは、測定を行ったESR装置、および測定条件において検出下限(1×1012spins/g)以下であったことを示している。
それぞれの試料の製造方法は以下の通りである。
試料SM9:VAD法で製造したコアにクラッドを別工程で合成し、付与した。コア部分の多孔質体を透明化する工程で、雰囲気ガス中に酸素を1%存在させ、強制的に酸素過剰なガラスとした。
母材外径は80mm、線引速度は1000m/min、線引炉温は最高温度で2050℃、後述する図9に示す線引装置で線引きした。このときの除冷部分の長さは1500mm、メニスカス長は350mmであった。
試料SM10:試料SM9と同一工程で製造した。ただし、線引速度は500m/min.、線引炉温は最高温度で1950℃とした。メニスカス長は350mmであった。
試料SM11:試料SM9と同一工程でファイバを製造した。ただし、コアを透明化する時に酸素は存在させなかった。
試料SM12:試料SM10と同一工程でファイバを製造した。ただし、コアを透明化する時に酸素は存在させなかった。
試料SM13:試料SM12と同一工程で母材を製造した。線引速度は500m/min.、線引炉温は最高温度で1950℃としたが、炉内ガスの流れを調整して、メニスカス長を420mmと長くした。
以上の結果をまとめると、以下の通りとなる。
(1)コア多孔質体の透明化を酸素雰囲気下で行うと、水素暴露により1.52μm吸収が生ずるが、酸素の無い雰囲気でコア多孔質体の透明化を行った場合には、水素暴露により1.52μm吸収は生じない。
これは、従来から言われてきた酸素過剰ガラスに1.52μm吸収が生じ易いということと一致する。従って、酸素過剰な状態にならないようにガラスを製造すれば、1.52μm吸収を防止できるものと考えられる。
以下、1.52μm吸収については触れずに、波長1.38μmのOH吸収に絞って説明する。
(2)HFエッチングでMFD近傍のNBOHC密度を測定した結果と、波長1.38μmのOH吸収増加量との関係を整理すると、図5に示すグラフの通りとなる。
図5において、菱形マークは酸素過剰ガラスから作成した試料(SM9、SM10)、正方形マークは無酸素条件で製造したガラスから作成した試料(SM11〜SM13)についてのデータである。図5のグラフから、NBOHC密度と水素暴露による伝送損失増との関係は、上記試料群間で差があり、酸素過剰ガラスから作成した試料の方が無酸素条件で製造したガラスから作成した試料よりも、同一NBOHC密度の場合に、より大きな伝送損失増を起こすことが判る。これは、過酸化ラジカルと水素が反応してOH基が生成されているためと考えられる。
以下、試料SM11〜SM13について説明する。
従来から、線引時の冷却条件によって、光ファイバ中に残留する構造欠陥量が左右されることが知られており、一般に冷却速度が遅いほうが欠陥残留量は少ない。試料SM11〜SM13は、以下の理由から冷却条件を変えて製造したものと考えることが出来る。
すなわち、試料SM11と試料SM12とでは線引き速度は試料SM11の方が早いが、メニスカス長を同一としたため、試料SM11の方が試料SM12よりも冷却速度が早いことになる。同様に、試料SM12と試料SM13とでは、線引き速度は同じだがメニスカス長が試料SM12の方が短いため、試料SM12の方が試料SM13よりも冷却速度は早い。
試料SM11〜SM13の冷却速度をそれぞれC3,C4,C5とし、NBOHC含有量をN3,N4,N5とし、1.38μmのOH吸収増加量をα3,α4,α5とすると、
C3>C4>C5 , N3>N4>N5 , α3>α4>α5
という関係があることが判った。
そこで、本発明者らは、このNBOHC欠陥濃度と1.38μmのOH吸収増加量との関係をさらに定量化して臨界条件を明らかにすることと、それを制約する線引き装置の条件を明らかにすることを検討した。
その結果、以下の条件(1)が必要であることが判明した。
(1)少なくともGe、またはF、あるいはその両者が添加された石英系ガラスからなるシングルモード光ファイバにおいて、そのガラス部分は少なくとも中心コアおよびクラッドを含んでおり、該ガラス部分の外径が約125μmであって、MFD部分とその外側のクラッド部分が含有する非架橋酸素欠陥の密度を比較した場合、MFD部分の方がクラッド部分より低いこと。
また、更に、以下の条件(2)を満たすことが望ましいことが判明した。
(2)ガラス部分の中心部分(半径25μmの領域)が含有する非架橋酸素欠陥の密度が、電子スピン共鳴法により測定されるスピン密度の値として1×1013sipins/g以下であること。
本発明者らの検討結果によると、上記条件を満たしている光ファイバでは、常温1気圧の水素暴露による1.38μmのOH吸収増加量は、0.1dB/km以下となった。
次に、線引き中の物質拡散によってガラス内を移動する元素と、それによって生じる常磁性欠陥について検討した結果について説明する。
線引き前のガラス母材はOH基を含有しないことが望ましい。これを実現するために、合成ガラスの製造工程では塩素で多孔質体を処理することが一般的に行われている。従って、OH基含有量の少ない合成石英ガラスには一般的に塩素が多く含まれている。塩素はガラス中では酸素を置換した形でSiと結合していると考えられるが、この結合は線引き中の加熱や応力によって容易に切断され、E’センター(Si−E’:図1(c))と呼ばれる常磁性欠陥が生成することが知られている。
本発明者らは、線引き後に残留するSi−E’およびNBOHCのスピン密度と、線引き前のガラスが含有している塩素濃度とに関連性があるかどうかを検討した。
前述の試料SM13と同一のコア母材に塩素濃度を3つのレベルに変化させたクラッドを合成し、試料SM13と同一条件で線引きしてファイバ化し、水素暴露前の1.38μmOH吸収損失と水素暴露によるOH損失増加量とを調べた。その結果を下記表3に示す。
ここで、クラッド塩素濃度の単位は「ppm」である。
Figure 0004460069
上記表3をグラフにしてたのが図6、図7である。
図6から、クラッドの塩素濃度が高いとファイバ内に残留しているSi−E’が多く、水素暴露前の1.38μmOH吸収損失は小さいことが判る。図7からは、水素暴露によるOH吸収増加量は3500ppmと1000ppmでは明確な差異は見られず、クラッドの塩素濃度がこの範囲にある場合、OH吸収増加量には影響がないことが判る。
ただし、200ppmまで低下させた試料では、水素暴露によるOH吸収増加量がかなり大きくなることが判る。これは、NBOHCの測定結果から説明することができる。
即ち、クラッド部分の塩素含有量が少ないとガラスの粘度が高くなり、コア部分との粘度整合性が低くなってしまうため、線引き後に欠陥が残留しやすくなっていると考えられる。あるいは塩素分子がラジカルを埋める可能性が低くなるというメカニズムがあるためとも考えられる。
また、MFD内とクラッドのSi−E’密度を比較すると、MFD内の方がクラッドよりもSi−E’密度が多いという結果となった。これは、塩素濃度が1000ppm以上の結果と逆になっている。
これらの事実から、水素暴露前の1.38μmOH吸収損失を十分低く(0.35dB/km以下)し、かつ水素暴露によるOH吸収増加量を小さく(0.05dB/km以下)するには、クラッド部分が含有する塩素濃度は1000ppm以上であり、および/またはファイバ内に残留しているSi−E’が5×1013spins/g以上であることが望ましいことがわかる。
次に、第3の例について説明する。
光ファイバに残留する構造欠陥量は、線引き工程で引き出された後の冷却経過に強く依存する。ガラス母材が擬似流体としてファイバに引き出され急冷固化する時、ガラス構造は流動性が無くなった時点の状態を維持している。これはいわば固化した時点の液体構造を維持していると考えられるが、この固化した温度を「仮想温度」と呼ぶ。この「仮想温度」とレーリー散乱係数Aとには、下記の関係があることが知られている。
A = ( 8π3 / 3 ) n5 ・ P2 ・ kTf ・ KT
式中、n:屈折率
p:光弾性定数
k:ポルツマン定数
Tf:仮想温度
KT:等湿圧縮率(体積弾性率の逆数)
J.C.Mikkelsen,Jr. and F. L. Galeener, Journal of Non-Crystalline Solids 37(1980)71.84およびA.E.Geissberger and F. L. Galeener, Physical review B, vol.28, Number 6(1983)によれば、仮想温度Tfは、レーリー散乱光とラマン散乱光のずれ(ラマンシフト)を測定することによってガラス構造欠陥を分析する方法(ラマン分光法)において、ガラスの3員環、4員環構造を示す欠陥線(D1、D2線)の比率から求めることができる。実際には、MFD中心部分の透過光、もしくは散乱して戻ってくる散乱光を用いて、ラマンシフトを測定することにより求められる。
この方法で、前記試料のうち試料SM11〜SM13についてラマンシフトスペクトルを測定し、Tfを計算した。その結果を下記表4に示す。
Figure 0004460069
Tfと水素暴露後の1.38μmOH吸収増加量との関係を図8のグラフに示す。
図8から、MFD中心部分のTfが1200℃以下であれば、水素暴露による1.38μmOH吸収増加量を0.05dB/km以下に抑制できることが判る。
以下、上述した石英系SMFを製造するために使用した線引き装置について説明する。
上述したように、本発明者らは、石英系SMFにおいて1.38μmOH吸収損失に関連した耐水素性、長期信頼性を向上させることを目的に、種々検討を行ってきたが、特に、線引き工程のファイバ冷却プロセスに重点をおいて検討を進めてきた。冷却プロセスがファイバに残留する構造欠陥に大きく影響することは、従来から定性的には判っていたが、その定量化は十分にはなされていなかった。
本発明者らは、線引き装置の加熱炉部分を様々な形態に改造しつつ、ファイバ特性そのものを劣化させない範囲の線引き条件を基に、さらに耐水素性を向上させることを可能とする要件の抽出と、そのパラメータの最適化について検討した。
その結果、石英系ガラス母材が溶融して細められた(メニスカス)部分から連続的に冷却され、その冷却速度は、ファイバの表面温度が1200℃となるところまで、1000〜3000℃/秒の範囲であることが、耐水素性向上のためのポイントであることがわかった。更に、石英系ガラススート母材の焼結条件も重要であることがわかった。
従来の方法および装置では、光ファイバ母材の線引きの際に、メニスカス部分から連続的に冷却されてはいない。
本発明者らはまた、石英系SMFの製造における現実的な線引き速度(300〜1500m/min.)および母材外径(35〜120mm)において、線引き条件として、線引きされる光ファイバ母材の引き落とし部分(メニスカス)の長さが、母材径(mm)×5倍以上の長さを有することで、所望の冷却プロセスが実現できることを見出した。ここでメニスカス部分とは、光ファイバ母材が線引炉内で溶融し、母材径の90%の径から5%の径になるまでの長さと定義する。
上記線線引き条件を達成する線引き装置の概要を図9に示す。この線引き装置では、ガラス母材51が加熱炉52内に導入され、そこで線引きが行われる。加熱炉52内には母材加熱用ヒーター53が配置されている。図中、参照符号54はメニスカス部分を、57は巻取り装置をそれぞれ示している。
図9に示す線引き装置では、上記線線引き条件を実現する手段として、線引き加熱炉52の下部に、引き出された光ファイバ55を連続的に冷却する下部筒56が設けられている。この下部筒56の側部より、図10に示すように、Ar+Heガスが、流量5リットル/分で流されている。供給されたAr+Heガスは、一旦下部筒の外側を下方に流れ、光ファイバに接触する領域では下部筒の下部から加熱炉に向かって流れ、更に加熱炉内に流入して加熱炉上部から排出される。
このようにして、図9および10に示す装置によると、約1200℃まで、母材のメニスカス部分から所定の径を有する光ファイバ55の部分までが連続的に冷却される。
このような徐冷条件は、下部筒56の長さ(光ファイバ55の徐冷部分の長さ)Lを下記の関係を満たすようにすることで実現できることが判った。
(mm)>光ファイバの線速(m/min)X光ファイバの線速(m/min)/300
除冷条件は、引き出された光ファイバ55の表面温度が、例えば1700℃から1200℃に連続的に冷却される時の冷却率が1000〜3000℃/秒となる条件に相当する。
あるいは、下部筒56内に、引き出された光ファイバ55を加熱するヒーターを設け、加熱炉52とヒーターとの間にガスを流し込むガス導入口を設けず、さらにヒーターの長さLが下記の関係を満たすようにすることで、所望の徐冷条件を実現できることも判った。
(mm)>光ファイバ母材の径(mm)×光ファイバの線速(m/min)/200
更に、線引装置に関して、光ファイバ母材51を加熱する加熱炉52のヒーター53の上端部から加熱炉52上部までの距離Lが、下記の関係を見たし、ヒーター53下端部から加熱炉52下部までの距離Lが下記の関係を見たすことで、より保温効果が上がり、所望のメニスカス形状が得やすいことも判った。
(mm)>光ファイバ母材の径(mm)×光ファイバの線速(m/min)/200
(mm)>光ファイバ母材の径(mm)×光ファイバの線速(m/min)/200
(a)、(b)および(c)はそれぞれ、光ファイバの常磁性欠陥であるNBOHC、PORおよびSi(D)−E’の説明図。 シングルモード光ファイバの屈折率分布構造の種々の例を示す説明図。 シングルモード光ファイバの屈折率分布構造の種々の例を示す説明図。 (a)、(b)および(c)はそれぞれ、試料SM1、SM7およびNZ1のカソードルミネッセンス法による光ファイバ断面内の波長650nm付近の発光強度分布を示す説明図。 MFD近傍のNBOHC密度を測定した結果と、1.38μmのOH吸収増加量との関係を示す特性図。 クラッド塩素濃度と、水素暴露前の1.38μmOH吸収損失との関係を示す特性図。 クラッド塩素濃度と、水素暴露によるOH損失増加量との関係を示す特性図。 Tfと水素暴露後の1.38μmOH吸収増加量との関係を示す特性図。 本発明の一実施形態に係る線引装置を示す模式図。 図9に示す線引装置下部のガスの流し方を示す模式図。
符号の説明
11,21,31,41・・・中心コア
12,23,34,45・・・クラッド
22・・・環状領域
32,42・・・第1の環状領域
33,43・・・第2の環状領域
44・・・第3の環状領域
51・・・ガラス母材
52・・・加熱炉
53・・・母材加熱用ヒーター
54・・・メニスカス
55・・・光ファイバ
56・・・下部筒
57・・・巻取り装置。

Claims (6)

  1. 石英系ガラスよりなる中心コアとクラッドを有するガラス部分を含み、前記中心コアにはGeが添加され、前記ガラス部分の外径が約125μmであるシングルモード光ファイバの製造方法において、
    光ファイバ母材を加熱して溶融させる工程、
    前記溶融した光ファイバ母材から光ファイバを線引きする工程、および
    前記溶融した光ファイバ母材の、母材径の90%の径から5%の径になるまでのメニスカス部分から、前記線引きされた光ファイバの1200℃になる部分まで連続的に、1000〜3000℃/秒の冷却速度で冷却する工程
    を具備し、且つ
    前記光ファイバ母材は、少なくとも前記中心コアを含む、火炎加水分解法で得られた石英系ガラススートを実質的に酸素を含まない条件で焼結して得たガラス部分を含むことを特徴とするシングルモード光ファイバの製造方法。
  2. 前記メニスカス部分の長さが、母材径(mm)×5以上の長さを有することを特徴とする請求項1に記載のシングルモード光ファイバの製造方法。
  3. 第1のヒーターを備える、前記光ファイバ母材を加熱する加熱炉と、前記加熱炉の下部に密接して、下記不等式を満たすような長さLを有する下部筒が設けられた光ファイバ製造装置を用い、L と前記線引きする工程における光ファイバの線速が、下記不等式を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のシングルモード光ファイバの製造方法
    (mm)>光ファイバの線速(m/min)X光ファイバの線速(m/min)/300
  4. 前記下部筒内に、前記加熱炉内から引き出された光ファイバを加熱する第2のヒーターが配置されており、前記第2のヒーターの長さLは、下記不等式を満たすことを特徴とする請求項3に記載のシングルモード光ファイバの製造方法
    (mm)>光ファイバ母材の径(mm)×光ファイバの線速(m/min)/200
  5. 前記第1のヒーターの上端部から前記加熱炉上部までの距離Lが、下記不等式を満たし、前記第1のヒーター下端部から前記加熱炉下部までの距離Lが、下記不等式を満たすことを特徴とする請求項3または4に記載のシングルモード光ファイバの製造方法
    (mm)>光ファイバ母材の径(mm)×光ファイバの線速(m/min)/200
    (mm)>光ファイバ母材の径(mm)×光ファイバの線速(m/min)/200
  6. 前記下部筒内の光ファイバに接触する雰囲気ガスは、前記下部筒の下部から前記加熱炉に向かって流れ、更に加熱炉内に流入して加熱炉上部から排出されることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のシングルモード光ファイバの製造方法。
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