JP4460024B1 - 化学繊維網および化学繊維網の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、欠損率を低減することができる化学繊維網とその化学繊維網の製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】複数の網目段Aが上下に亘って形成されており、各網目段Aは、複数の突起環304a、305aが長さ方向に沿って形成された化学繊維糸304,305からなり、上側に位置する化学繊維糸304の各突起環304aに下側に位置する化学繊維糸305aの各突起環が挿通されることにより網目を構成するように編まれている。所定の網目段Aにおいて、液溶性繊維糸501が化学繊維糸304に当接しながら併走する態様で編まれており、これにより機械針106で化学繊維糸304および液溶性繊維糸501を確実に引っ掛け易くなる。
【選択図】図4

Description

本発明は、化学繊維糸により編まれた玉網などの化学繊維網と、その化学繊維網の製造方法に関するものである。
従来、川釣りや海釣りなどにておいて釣り上げられた魚を捕らえるのに玉網を初めとして、各種網においてナイロン、アクリル、ポリエステルなどの化学繊維糸により編まれたものが使用される場合が多い。
そして、この化学繊維網の網構造として、例えば、本出願人は、複数の網目段が上下に亘って形成されたものであって、各網目段は、複数の突起環が長さ方向に沿って形成された化学繊維糸からなり、上側に位置する化学繊維糸の各突起環に、下側に位置する化学繊維糸の各突起環が挿通されることにより網目を構成するように編まれたものを提案している(特許文献1参照)。
これによれば、化学繊維網を編み機で自動的に編み易くなる上に、各網目の交差部分が紡いだ状態とならずダマが生じず、また上下左右の各方向に伸縮して網に柔軟性を持たせることができる。
特許4190022号公報
しかしながら、この化学繊維網は上述のようにナイロン、アクリル、ポリエステルなどの化学繊維糸が使用されるため、編み機で自動で編む場合に欠損が生じることが少なくないという問題があった。
すなわち、一般に編み機で自動で編む場合、化学繊維糸を繰り出したあと、専用の機械針で上側に位置する化学繊維糸の各突起環に、下側に位置する化学繊維糸の各突起環を挿通させる。このとき化学繊維糸の性質上、化学繊維糸が異なる方向に跳ねたり、また滑りやすいために、機械針で化学繊維糸をうまく引っ掛けることができなかったり、化学繊維糸を一旦引っ掛けてもすべり落ちてしまう場合がある。このため上側に位置する化学繊維糸の突起環に、下側に位置する化学繊維糸の突起環が挿通されない部分が生じて、当該部分では網目が構成されずにほどけてしまうなどして、欠損する場合があった。
特に、図10に示すように、化学繊維糸の複数の突起環が重なり、その重なった各突起環に下側に位置する突起環が挿通されることによって網目段の目数が少なくなるように編む部分では欠損が非常に生じやすいものであった。
これらの問題は、上記特許文献1に示すものだけでなく、化学繊維糸を使用した化学繊維網全般に生じ得るものである。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、欠損率を低減することができる化学繊維網とその製造方法の提供を目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、複数の網目段が上下に亘って形成された化学繊維網であって、前記各網目段は、前記各網目段は、複数の突起環が長さ方向に沿って形成された化学繊維糸からなり、上側に位置する化学繊維糸の各突起環に、下側に位置する化学繊維糸の各突起環が挿通されることにより網目を構成するように編まれており、所定の網目段において、水溶性繊維糸が前記化学繊維糸に当接しながら併走する態様で編まれており、水に浸したり、洗うなどすれば、その水溶性繊維糸のみが溶解して、水溶性繊維糸の存在が視認不可能な状態となることを特徴とする。
これによれば水溶性繊維糸が化学繊維糸と適度に絡まることにより抑え糸的な機能を果たして、化学繊維糸の不用意な跳ねを防止する。また水溶性繊維糸と化学繊維糸の全体で見かけ上で太さと糸力のある糸を構成する。このため編み機で編む際に機械針で化学繊維糸と水溶性繊維糸を確実に引っ掛け易くなるため、化学繊維網の欠損率を低減することができ、化学繊維網を効率的に製造することが可能となる。
また、所定の網目段において、上側に位置する化学繊維糸の複数の突起環が重なり、その重なった各突起環に下側に位置する化学繊維糸の突起環が挿通されることによって網目段の目数が少なくなるように編まれるものであって、前記水溶性繊維糸が上側に位置する前記化学繊維糸に当接しながら併走する態様で編まれていてもよい。
これによれば特に欠損が生じ易い網目段の目数減少部分において、編み機で編む際に機械針で化学繊維糸と水溶性繊維糸を確実に引っ掛け易くなるため、化学繊維網の欠損率をより低減することができ、化学繊維網をより効率的に製造することが可能となる。
また、本発明に係る玉網は、柄が設けられた取付枠と、該取付枠に取り付けられる網本体とからなる玉網であって、前記網本体は請求項1または請求項2に記載の化学繊維網が使用されているを特徴とする。
これによれば化学繊維糸を使用した玉網の欠損率を低減することができ、玉網を効率的に製造することができる。
また、前記網本体は、上端部から下端部にかけて各網目段の網目の目数が同じとなるように編まれた側面部と、該側面部と連続するようにして周縁部から中心部にかけて網目段の網目の目数が所定の網目段の段数ごとに次第に小さくなるように編まれた底部とを備え、該底部の所定の網目段において、上側に位置する化学繊維糸の複数の突起環が重なり、その重なった各突起環に下側に位置する化学繊維糸の突起環が挿通されることによって網目段の網目の目数が少なくなるように編まれるものであって、前記水溶性繊維糸が上側に位置する前記化学繊維糸に当接しながら併走する態様で編まれており、水に浸したり、洗うなどすれば、その水溶性繊維糸のみが溶解して、水溶性繊維糸の存在が視認不可能な状態となるものであってもよい。
これによれば特に欠損が生じ易い底部の網目段の目数減少部分において、編み機で編む際に機械針で化学繊維糸と水溶性繊維糸を確実に引っ掛け易くなるため、化学繊維網の欠損率を低減することができ、玉網をより効率的に製造することができる。
また、本発明に係る化学繊維網の製造方法は、複数の網目段が上下に亘って形成された化学繊維網の製造方法であって、各網目段について、化学繊維糸を、複数の突起環を長さ方向に沿って形成するとともに、上側に位置する化学繊維糸の各突起環に、下側に位置する化学繊維糸の突起環を挿通させることにより網目を構成するように編んでいき、
所定の網目段において、水溶性繊維糸を、化学繊維糸に当接しながら併走する態様で編んでいき、水に浸したり、洗うなどして、その水溶性繊維糸のみを溶解させて、水溶性繊維糸の存在を視認不可能な状態にすることを特徴とする。これによれば編み機で編む際に機械針で化学繊維糸と水溶性繊維糸を確実に引っ掛け易くなるため、化学繊維網の欠損率を低減することができ、化学繊維網を効率的に製造することが可能となる。
本発明によれば、水溶性繊維糸が化学繊維糸と適度に絡まることにより抑え糸的な機能を果たして、化学繊維糸の不用意な跳ねを防止する。また水溶性繊維糸と化学繊維糸の全体で見かけ上で太さと糸力のある糸を構成する。このため編み機で編む際に機械針で化学繊維糸と水溶性繊維糸を確実に引っ掛け易くなるため、化学繊維網の欠損率を低減することができ、化学繊維網を効率的に製造することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る化学繊維網を使用した玉網の斜視図である。 図1の玉網の平面図である。 側面部の網目構造を示す拡大図である。 底面部の網目構造を示す拡大図である。 底面部の最後の網目段の始末状態を示す斜視図である。 編み機の構成を示す概略図である。 編み機の機械針を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る化学繊維網の拡大図である。 本発明の第3の実施形態に係る化学繊維網の拡大図である。 従来の化学繊維網の拡大図である。
次に本発明に係る化学繊維網を魚釣りなどで使用する玉網(1)に適用した場合について説明する。
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態に係る玉網(1)について図面を参照しつつ説明する。
図1は本実施形態に係る玉網(1)の斜視図、図2は玉網(1)の平面図である。
この玉網(1)は、取付枠(2)と、該取付枠(2)に取り付けられる網本体(3)とから構成される。
前記取付枠(2)は、図1および図2に示すように、金属製または合成樹脂製等の環状に形成されており、特に鮎などの川魚用の場合には直径360mm程の大きさとなされている。また、取付枠(2)には同じ材質の柄(21)の一端部が設けられている。釣り人等が玉網(1)を使用するに際しては、魚を釣ったときに柄(21)を手で把持しながら取付枠(2)内に魚が来るようにして網本体(3)内に捕らえる。
前記網本体(3)は、図1および図2に示すように、直径360mm程、深さ230mm程の有底円筒状のナベ型に形成され、網状の側面部(31)と底面部(32)とから構成される。網本体(3)の材質は、ナイロン、アクリル、ポリエステルなどの化学繊維糸からなる。
前記網本体(3)の側面部(31)は、図1に示すように、上端部が平面視円形状に開口されるとともに、下端部が底面部(32)に連接する円筒状に形成されている。
この側面部(31)は、図3に示すように、上端部から下端部にかけて複数列の網目段(A)から構成され、各網目段(A)は周方向の目数が同じとなるように編まれている。
この側面部(31)の網目段(A)について具体的に説明すると、図3に示すように、網目段(A)は複数の突起環が長さ方向に沿って形成された一本の化学繊維糸からなる。すなわち、上側に位置する化学繊維糸(301)は周方向に沿ってジグサグに湾曲することにより複数の突起環(301a)が形成され、また下側に位置する化学繊維糸(302)も同じく周方向に沿ってジグザグに湾曲することにより複数の突起環(302a)が形成されている。そして、上側に位置する化学繊維糸(301)の各突起環(301a)に、下側に位置する化学繊維糸(302)の突起環(302a)が玉網(1)の内側から挿通されている。これにより上側に位置する化学繊維糸(301)と下側に位置する化学繊維糸(302)が連結され、このような連結構造が側面部(31)の上端部から下端部にかけて順次繰り返して編まれることにより、周方向の目数が同じ網目段(A)が上下に複数列構成されることになる。
また、各網目段(A)の上側に位置する化学繊維糸(301)と下側に位置する化学繊維糸(302)の間には、上側に位置する化学繊維糸(301)による複数の突起環(301a)と、各突起環(301a)の間に出来た複数の略矩形状の隙間(303)とが交互に周方向に沿って並ぶことになり、これら突起環(301a)と隙間(303)が細かい網目を構成している。
前記網本体(3)の底面部(32)は、図2に示すように、直径360mm程の円形状に形成され、周縁部が側面部(31)の下端部に連接するものとなされている。
なお、底面部(32)は完成時には水平方向に展設されるが、製造時には側面図と同様に垂直方向に展設されて上端部から下端部にかけて編まれるため、以下の説明においても図2の外側に位置する化学繊維糸を上側に位置する化学繊維糸といい、内側に位置する化学繊維糸を下側に位置する化学繊維糸というものとする。
この底面部(32)は、図4に示すように、周縁部から中心部にかけて複数列の網目段(A)から構成され、網目段(A)は所定の網目段数(例えば18段)ごとに網目段群(R1)〜(R5)を構成している。
この底面部(32)の網目段(A)について具体的に説明すると、図4に示すように、網目段(A)は複数の突起環が長さ方向に沿って形成された一本の化学繊維糸からなる。すなわち、上側に位置する化学繊維糸(304)は周方向に沿ってジグサグに湾曲することにより複数の突起環(304a)が形成され、また下側に位置する化学繊維糸(305)も同じく周方向に沿ってジグザグに湾曲することにより複数の突起環(305a)が形成されている。そして、上側に位置する化学繊維糸(304)の各突起環(304a)に、下側に位置する化学繊維糸(305)の突起環(305a)が玉網(1)の内側から挿通されている。これにより上側に位置する化学繊維糸(304)と下側に位置する化学繊維糸(305)が連結され、このような連結構造が底面部(32)の上端部から下端部にかけて所定の網目段数(例えば18段)になるまで順次繰り返して編まれることにより網目段群(R1)を構成している。
また、各網目段(A)の上側に位置する化学繊維糸(304)と下側に位置する化学繊維糸(305)の間には、上側に位置する化学繊維糸(304)による複数の突起環(304a)と、各突起環(304a)の間に出来た複数の略矩形状の隙間(306)とが交互に周方向に沿って並ぶことになり、これら突起環(304a)と隙間(306)が細かい網目を構成している。なお、網目段群(R1)の各網目段(A)の周方向の目数は同じである。
そして、網目段群(R1)の下側には各網目段(A)の目数が少ない網目段群(R2)が構成されている。この網目段群(R2)も、上述と同様にして上側に位置する化学繊維糸(304)の突起環(304a)に、下側に位置する化学繊維糸(305)の突起環(305a)が玉網(1)の内側から挿通され、所定の網目段数(例えば18段)になるまで繰り返し編まれている。
網目段群(R1)と網目段群(R2)の境界部分においては、周方向の所定箇所(K)ごとに網目段群(R1)の上側に位置する化学繊維糸(304)の所定の2つの突起環(304a)が重なり、その重なった2つの突起環(304a)に網目段群(R2)の下側に位置する化学繊維糸(305)の突起環(305a)が玉網(1)の内側から挿通されている。これにより網目群(R1)から網目群(R2)にかけて網目段(A)の網目数が少なくなるように連続して編まれることになる。
このとき上側に位置する化学繊維糸(304)の重さなった2つの突起環(304a)に、下側に位置する化学繊維糸(305)の突起環(305a)が挿通するに際して、図示略の編み機に備え付けの図7に示す専用の機械針(106)により引っ掛けて挿通するが、化学繊維糸の性質上、化学繊維糸が異なる方向に跳ねたり、また滑りやすいために、機械針(106)で化学繊維糸をうまく引っ掛けることができない場合がある。このため、図10に示すように、上側に位置する化学繊維糸(304)の重なった2つの突起環(304a)に、下側に位置する化学繊維糸(305)の突起環(305a)が挿通されない部分が生じて、当該部分では網目が構成されずにほどけてしまうなどして、欠損する場合があった。
そこで、本発明では、当該網目段(A)において、一本の液溶性繊維糸(501)が上側に位置する化学繊維糸(304)に当接しながら併走する態様で編まれている。すなわち、上側に位置する化学繊維糸(304)と液溶性繊維糸(501)とは、同じ軌道を描くようにしてジグザグに湾曲しながら突起環(304a)および突起環(501a)が形成されるとともに、それら突起環(304a)および突起環(501a)に下側に位置する化学繊維糸(305)の突起環(305a)が挿通されている。なお、化学繊維糸(304)と液溶性繊維糸(501)は必ずしも長さ方向全箇所において密着状態に当接している必要はなく、所定箇所で若干離れている場合もある。
これによると、液溶性繊維糸(501)が化学繊維糸(304)と適度に絡まることにより抑え糸的な機能を果たして、化学繊維糸(304)の不用意な跳ねを防止する。また液溶性繊維糸(501)と化学繊維糸(304)の全体で見かけ上で太さと糸力のある糸を構成する。このため編み機で編む際に機械針(106)で化学繊維糸(304)と液溶性繊維糸(501)を確実に引っ掛け易くなるため、玉網(1)の欠損率を低減することができ、玉網(1)を効率的に製造することが可能となる。
ちなみに、現状では、液溶性繊維糸(501)を使用しない従来の玉網(1)の場合、玉網(1)の欠損率は3〜4割であるのに対して、液溶性繊維糸(501)を使用した本発明の玉網(1)の場合、玉網(1)の欠損率は1割以下に低減することができる。このため玉網(1)の製造効率が著しく向上し、製造コストを低減する効果がある。
そして、液溶性繊維糸(501)は所定の液体により溶解され得るため、完成した玉網(1)を所定の液体に浸したり、洗うなどすれば、その液溶性繊維糸(501)のみが溶解して、液溶性繊維糸(501)の存在が視認不可能な状態となり、従来の玉網(1)と外観上変わらない商品価値を維持することができる。なお、液溶性繊維糸(501)の溶解は一般には商品出荷段階前に行われるが、購入者が使用する際に行われるものとしてもよい。
この液溶性繊維糸(501)としては、水溶性繊維糸を使用した場合、最も基本的な液体である水により溶解するため、玉網(1)をより効率的に製造することが可能となる。この水溶性繊維糸の材質としては、例えばアイセロ化学社のPVA(ポリビニールアルコール)を主成分にした水溶性プラスチックフィルム「ソルブロン(登録商標)」などが挙げられる。
なお、説明の便宜上、図4等に示す液溶性繊維糸(501)は黒色を付しているが、実際には無色透明な場合が多い。
また、底面部(32)の中心部には網目段群(R5)が位置し、該網目段群(R5)の最後の網目段(A)は8個の突起環(305a)が存在している。この最後の網目段(A)の突起環(305a)は、図5に示すように糸(307)が通されたあと、該糸(307)が引っ張られることにより各突起環(305a)が中心部に収束して始末されている。
このように網目段群(R1)〜(R8)が連続して編まれることにより、網目段(A)の目数が所定の網目段数(例えば18段)ごとに次第に少なくなる状態となり、円形状の底面部(32)を綺麗に仕上げることができる。
次に上記玉網(1)の製造方法について説明する。
まず、第1工程として、網本体(3)の側面部(31)について、上端部から下端部にかけて各網目段(A)の目数が同じになるように編んでいく。
具体的には、図6に示すように、第1キャリア(101)が巻糸体(103)から化学繊維糸の供給を受けて、網本体(3)の側面部(31)の左右方向に交互に移動しながら化学繊維糸を繰り出していく。
例えば、化学繊維糸(301)は第1キャリア(101)の行き工程(図6の右方向)において繰り出されたもので、化学繊維糸(302)は第1キャリア(101)の戻り工程(図6の左方向)において繰り出されたものである。繰り出された化学繊維糸(301)(302)は、図7に示す専用の機械針(106)により上述のように突起環(301a)(302a)を形成されながら互いに挿通されて編まれていく。
この機械針(106)は、図7に示すように、先端部に逆J字状の引掛部(106a)と、引掛部(106a)の隙間を開閉する開閉部(106b)とが設けられるとともに、基端部は図示略の編み機に上下移動可能に連結されており、これが水平方向に沿って複数配置されている。
例えば、下側に位置する化学繊維網(302)を編むに際しては、機械針(106)が上方に移動すると機械的に開閉部(106b)が開いて、その引掛部(106a)の隙間から化学繊維糸(302)を引っ掛けたあと、再び下方に移動すると機械的に開閉部(106b)が閉じて、化学繊維糸(302)が逃げることを防止しながら、化学繊維糸(302)を下方に引っ張ることにより突起環(302a)を形成しつつ、その突起環(302a)を上側に位置する化学繊維糸(301)の突起環(301a)に挿通させて編んでいく。
第1工程が完了したあとは第2工程として、網本体(3)の底面部(32)について、側面部(31)と連続するようにして周縁部から中心部にかけて網目段(A)の目数が所定の網目段数(例えば18段)ごとに次第に少なくなるように編んでいく。
具体的には、側面部(31)の場合と同様にして、図6に示すように、第1キャリア(101)が巻糸体(103)から化学繊維糸の供給を受けて、網本体(3)の底面部(32)の左右方向に交互に移動しながら化学繊維糸を繰り出していく。
化学繊維糸(304)は第1キャリア(101)の行き工程(図6の右方向)において繰り出されたもので、化学繊維糸(305)は第1キャリア(101)の戻り工程(図6の左方向)において繰り出されたものである。繰り出された化学繊維糸(304)(305)は、図7に示す専用の機械針(106)により上述のように突起環(304a)(305a)を形成されながら互いに挿通されて編まれていく。
例えば、下側に位置する化学繊維網(305)を編むに際しては、機械針(106)が上方に移動すると機械的に開閉部(106b)が開いて、その引掛部(106a)の隙間から化学繊維糸(305)を引っ掛けたあと、再び下方に移動すると機械的に開閉部(106b)が閉じて、化学繊維糸(305)が逃げることを防止しながら、化学繊維糸(305)を下方に引っ張ることにより突起環(305a)を形成しつつ、その突起環(305a)を上側に位置する化学繊維糸(304)の突起環(304a)に挿通させて編んでいく。
また、各網目段群(R1)〜(R5)の境界部分において網目段の目数が連続して少なくなるようにするため、図4のK部分に示すように、網目段群(Rn)(n=1、2,3,4,5、以下同様)の上側に位置する化学繊維糸(304)の所定の2つの突起環(304a)を重ねたあと、その重ねた突起環(304a)に次の網目段群(Rn+1)の下側に位置する糸(305)の突起環(305a)を玉網(1)の内側から挿通させて編んでいく。
このとき各網目段群(R1)〜(R5)の境界部分では、一本の液溶性繊維糸(501)を、上側に位置する化学繊維糸(304)に当接しながら併走する態様で編むようにする。
具体的には、各網目段群(R1)〜(R5)の境界部分にさしかかったとき、図6に示すように、第2キャリア(102)が第1キャリア(101)とともに併走して右方向に移動しながら液溶性繊維糸(501)を繰り出していく。
この繰り出された液溶性繊維糸(501)は、第1キャリア(101)から繰り出された化学繊維糸(304)と適度に絡まることにより抑え糸的な機能を果たして、化学繊維糸(304)の不用意な跳ねを防止する。また液溶性繊維糸(501)と化学繊維糸(304)の全体で見かけ上で太さと糸力のある糸を構成する。
そして、図7に示す専用の機械針(106)により、上側に位置する化学繊維糸(304)と液溶性繊維糸(501)とを同時に引っ掛けて、同じ軌道を描くようにしてジグザグに湾曲した突起環(304a)および突起環(501a)が形成するとともに、それら突起環(304a)および突起環(501a)をさらに上側に位置する化学繊維糸の突起環に挿通させて編んでいく。
なお、第1キャリア(101)が左方向に移動しながら次の網目段(A)のための下側に位置する化学繊維糸(305)を繰り出して、上述と同様にして専用の機械針(106)により化学繊維糸(305)のみを引っ掛けて、ジグザグに湾曲した突起環(305a)を形成するとともに、それを上側の突起環(304a)および突起環(501a)に挿通させて編んでいく。
なお、第2キャリア(102)は第1キャリア(101)とともに併走して左方向に移動して元の位置に戻り、次の各網目段群(R2)〜(R5)の境界部分にさしかかるまで待機する。
第2工程が完了したあとは第3工程として、底面部(32)の中心部に位置する最後の8個の網目段(A)を始末する。このとき図5に示すように、最後の網目段(A)の突起環(305a)に糸(307)が通したあと、該糸(307)を引っ張ることにより各突起環(305a)を中心部に収束させて始末する。
第3工程が完了したあとは第4工程として、網本体を所定の型に嵌めた状態で熱を加えることにより所定の形状に整える。通常、編み上がった網本体(3)はその状態でも使用できるものではあるが、ナベ型の形状をさらに明確にするために第4工程を実施するのが好ましい。特に熱を加えると短時間で確実にナベ型に整えることができるため、鍋本体(3)の素材としては耐熱性のあるものが好ましい。
第4工程が完了したあとは第5工程として、網本体(3)を取付枠(2)に取り付ける。網本体(3)を取付枠(2)に取り付ける方法は特に限定されるものではなく、種々の取付方法を使用してよい。
<実施形態2>
本発明の第2の実施形態に係る玉網(1)について図面を参照しつつ説明する。
図8は本実施形態に係る玉網(1)の拡大図である。
本実施形態では、上下2段の網目段(A)について、液溶性繊維糸(501)を化学繊維糸(304)に当接しながら併走する態様で編んでいる。これは図6に示すように、第2キャリア(102)の行き工程(図6の右方向)と戻り工程(図6の左方向)の両工程において液溶性繊維糸(501)を繰り出したためである。一般に糸編みにおいては行き工程と戻り工程で1セットである場合があることから液溶性繊維糸(501)もそのようにしたものである。
<実施形態3>
本発明の第3の実施形態に係る玉網(1)について図面を参照しつつ説明する。
図9は本実施形態に係る玉網(1)の拡大図である。
本実施形態では、玉網(1)の側面部(31)のように網目の目数が同じ網目段において、液溶性繊維糸(501)を化学繊維糸(301)に当接しながら併走する態様で編んでいる。特に実施形態1のように網目の目数が少なくなる網目段群(Rn)の境界付近が最も欠損が生じやすいが、その他の部分でも欠損が生じやすい場合にはこのように液溶性繊維糸(501)を使用したものである。
なお、以上いずれの実施形態についても玉網(1)の場合について説明したが、その他の構造の化学繊維網に適用してもよい。
また、1箇所又は2箇所の網目段について液溶性繊維糸(501)を使用したが、複数箇所または全箇所に使用してもよい。
1…玉網
2…取付枠
21…柄
3…網本体
31…側面部
32…底面部
301…上側糸
302…下側糸
301a、302a…突起環
303…隙間
304…外側糸
305…内側糸
304a、305a…突起環
306…隙間
501…液溶性繊維糸、501a…突起環
A…網目段
R1〜R5(Rn)…網目段群

Claims (5)

  1. 複数の網目段が上下に亘って形成された化学繊維網であって、
    前記各網目段は、前記各網目段は、複数の突起環が長さ方向に沿って形成された化学繊維糸からなり、上側に位置する化学繊維糸の各突起環に、下側に位置する化学繊維糸の各突起環が挿通されることにより網目を構成するように編まれており、
    所定の網目段において、水溶性繊維糸が前記化学繊維糸に当接しながら併走する態様で編まれており、水に浸したり、洗うなどすれば、その水溶性繊維糸のみが溶解して、水溶性繊維糸の存在が視認不可能な状態となることを特徴とする化学繊維網。
  2. 所定の網目段において、上側に位置する化学繊維糸の複数の突起環が重なり、その重なった各突起環に下側に位置する化学繊維糸の突起環が挿通されることによって網目段の目数が少なくなるように編まれるものであって、前記水溶性繊維糸が上側に位置する前記化学繊維糸に当接しながら併走する態様で編まれている請求項1に記載の化学繊維網。
  3. 柄が設けられた取付枠と、該取付枠に取り付けられる網本体とからなる玉網であって、前記網本体は請求項1または請求項2に記載の化学繊維網が使用されていることを特徴とする玉網。
  4. 前記網本体は、上端部から下端部にかけて各網目段の網目の目数が同じとなるように編まれた側面部と、該側面部と連続するようにして周縁部から中心部にかけて網目段の網目の目数が所定の網目段の段数ごとに次第に小さくなるように編まれた底部とを備え、
    該底部の所定の網目段において、上側に位置する化学繊維糸の複数の突起環が重なり、その重なった各突起環に下側に位置する化学繊維糸の突起環が挿通されることによって網目段の網目の目数が少なくなるように編まれるものであって、前記水溶性繊維糸が上側に位置する前記化学繊維糸に当接しながら併走する態様で編まれており、水に浸したり、洗うなどすれば、その水溶性繊維糸のみが溶解して、水溶性繊維糸の存在が視認不可能な状態となる請求項3に記載の玉網。
  5. 複数の網目段が上下に亘って形成された化学繊維網の製造方法であって、
    各網目段について、化学繊維糸を、複数の突起環を長さ方向に沿って形成するとともに、上側に位置する化学繊維糸の各突起環に、下側に位置する化学繊維糸の突起環を挿通させることにより網目を構成するように編んでいき、
    所定の網目段において、水溶性繊維糸を、化学繊維糸に当接しながら併走する態様で編んでいき、水に浸したり、洗うなどして、その水溶性繊維糸のみを溶解させて、水溶性繊維糸の存在を視認不可能な状態にすることを特徴とする化学繊維網の製造方法。
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