JP4459684B2 - 覗き見防止媒体及び覗き見防止ラベル - Google Patents

覗き見防止媒体及び覗き見防止ラベル Download PDF

Info

Publication number
JP4459684B2
JP4459684B2 JP2004105969A JP2004105969A JP4459684B2 JP 4459684 B2 JP4459684 B2 JP 4459684B2 JP 2004105969 A JP2004105969 A JP 2004105969A JP 2004105969 A JP2004105969 A JP 2004105969A JP 4459684 B2 JP4459684 B2 JP 4459684B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
prism
refractive index
peep prevention
angle
incident
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004105969A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005288836A (ja
Inventor
隆 青野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2004105969A priority Critical patent/JP4459684B2/ja
Publication of JP2005288836A publication Critical patent/JP2005288836A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4459684B2 publication Critical patent/JP4459684B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Credit Cards Or The Like (AREA)

Description

本発明は、印刷等又はLCD等の表示装置によって表示された所定の情報を、第三者が覗き見することを困難にする覗き見防止媒体及び覗き見防止ラベルに関するものである。
覗き見防止媒体とは、例えば、機密事項や個人情報等のように、不特定の第三者から覗き見されることを防止すべき情報が、印刷等によって表示された文書やカード等の媒体において、これらの情報の覗き見を防止可能なものをいう。
また、覗き見防止ラベルとは、覗き見されることを防止すべき情報が印刷等によって表示された文書やカード等に添付することによって、上述した覗き見防止媒体を作成し、又は、このような情報を表示する表示装置に添付し、その覗き見を防止するものをいう。
覗き見されることを防止すべき情報の例として、例えば、暗証番号、インターネットバンキングに用いられる乱数表、個人情報等があげられる。
また、上述したような表示装置の例として、例えば、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、パーソナルコンピュータのLCD等の表示画面があげられる。
従来、覗き見を防止する技術として、可視角が限定される透光性のシートである覗き見防止体を、情報表示体の表面に添付して情報を視認可能な範囲を狭くすることが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。特許文献1に記載の覗き見防止体は、透明シリコーンゴム中に、格子状に形成された着色シリコーンゴムを配置したものであり、正面視では情報を視認できるが、所定の角度以上の傾きをつけて観察した場合には、視線が着色シリコーンゴムによって遮られ、情報を視認できなくなるものである。
特開2003−131202号公報
本発明の課題は、情報の覗き見をより効果的に防止できる覗き見防止媒体及び覗き見防止ラベルを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施例に対応する符号を付して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
請求項1の発明は、覗き見から保護すべき情報を表示する情報表示層(1)と、多角形柱状に形成され、その側面のうち、第1の面(10)及び第2の面(11)を前記情報表示層(1)に対向させて設けられた複数のプリズム(7)を配列したプリズム層(2)と、前記プリズムの第1の面(10)及び第2の面(11)にそれぞれ接し、このプリズム(7)よりも低い屈折率を有する低屈折率層(8)とを有し、所定の角度から前記プリズム(7)に入射する光線がこのプリズム(7)内を通過して前記第1の面(10)に入射する入射角が、この第1の面(10)における臨界角よりも大きくなるように第1の面(10)を配置し、前記情報は、覗き見から保護すべき情報と、覗き見から保護不要な情報とを含むものであり、前記覗き見から保護不要な情報に相当する範囲において、前記プリズム(7)の第1の面(10)と、このプリズム(7)と隣接する他のプリズム(7)の第2の面(11)との間に、前記低屈折率層(8)よりも屈折率が大きい透明又は着色透明の充填材料(9)を充填したことを特徴とする覗き見防止媒体である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の覗き見防止媒体において、前記第1の面(10)で全反射し、前記プリズム内を通過して前記第2の面(11)に入射する前記光線の入射角が、この第2の面(11)における臨界角よりも大きくなるように、前記第1の面(10)及び第2の面(11)を配置したことを特徴とする覗き見防止媒体である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の覗き見防止媒体において、前記充填材料(9)の屈折率は、前記プリズム(7)の材料の屈折率に対し、±0.2以内であることを特徴とする覗き見防止媒体である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の覗き見防止媒体において、前記プリズム(7)の前記第1の面(10)と第2の面(11)とがなす角度が、80°から100°であることを特徴とする覗き見防止媒体である。
請求項5の発明は、覗き見から保護すべき情報を表示する情報表示層(1)と、多角形柱状に形成され、その側面のうち、第1の面(10’)を前記情報表示層(1)に対向させかつ第2の面(11’)を前記第1の面(10’)の背面側に設けた複数のプリズム(7’)を配列してなるプリズム層(2’)と、前記プリズム(7’)の第1の面と前記情報表示層(1)との間に設けられ、このプリズム(7’)より低い屈折率を有する低屈折率層(8’)とを有し、所定の範囲の角度から前記第2の面を介して前記プリズム(7’)に入射する光線がこのプリズム(7’)内を通過して前記第1の面(10’)に入射する入射角が、この第1の面(10’)における臨界角よりも大きくなるように前記第2の面(11’)を配置したことを特徴とする覗き見防止媒体である。
請求項7の発明は、剥離性処理が施された保護シート(14)と、多角形柱状に形成され、その側面のうち、第1の面(10)及び第2の面(11)を前記保護シート(14)に対向させて設けられた複数のプリズム(7)を配列してなるプリズム層(2)と、前記プリズム(7)の第1の面(10)及び第2の面(11)にそれぞれ接し、このプリズム(7)よりも低い屈折率を有する低屈折率層(8)とを有し、所定の範囲の角度から前記プリズム(7)に入射する光線がこのプリズム(7)内を通過して前記第1の面(10)に入射する入射角が、この第1の面(10)における臨界角よりも大きくなるように第1の面(10)を配置し、前記プリズム層(2)の一部の範囲において、前記プリズム(7)の第1の面(10)と、このプリズム(7)と隣接する他のプリズム(7)の第2の面(11)との間に、前記低屈折率層(8)よりも屈折率が大きい透明又は着色透明の充填材料(9)を充填したことを特徴とする覗き見防止ラベルである。
請求項7の発明は、請求項6に記載の覗き見防止ラベルにおいて、前記第1の面(10)で全反射し、前記プリズム(7)内を通過して前記第2の面(11)に入射する前記光線の入射角が、この第2の面(11)における臨界角よりも大きくなるように、前記第1の面(10)及び第2の面(11)を配置したことを特徴とする覗き見防止ラベルである。
請求項8の発明は、請求項6又は請求項7に記載の覗き見防止ラベルにおいて、前記充填材料(9)の屈折率は、前記プリズム(7)の材料の屈折率に対し、±0.2以内であることを特徴とする覗き見防止ラベルである。
請求項9の発明は、請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載の覗き見防止ラベルにおいて、前記プリズム(7)の前記第1の面(10)と第2の面(11)とがなす角度が、80°から100°であることを特徴とする覗き見防止ラベルである。
請求項10の発明は、剥離性処理が施された保護シート(14)と、多角形柱に形成され、その側面のうち、第1の面(10’)を前記保護シート(14)に対向させかつ第2の面(11’)を前記第1の面(10’)の背面側に設けた複数のプリズムを配列してなるプリズム層(2’)と、前記プリズム(2’)の第1の面(10’)と前記保護シート(14)との間に設けられ、このプリズム(7’)よりも低い屈折率を有する低屈折率層(8’)とを有し、所定の範囲の角度から前記第2の面(11’)を介して前記プリズム(7’)に入射する光線がこのプリズム(7’)内を通過して前記第1の面(10’)に入射する入射角が、この第1の面(10’)における臨界角よりも大きくなるように前記第2の面(11’)を配置したことを特徴とする覗き見防止ラベルである。
以上説明したように、本発明によれば、以下のような効果がある。
(1) 所定の範囲からプリズムに入射する光線が第1の面に入射する入射角が臨界角よりも大きくなるから、この光線は、プリズムの第1の面において全反射し、情報表示層に到達しない。このため、この所定の範囲の視点からは情報表示層が判読不能となるから、覗き見を防止することができる。一方、前記所定の範囲以外の視点から覗き見防止媒体を見た場合には、プリズム層は透明に見えるので、情報を容易に目視することができる効果がある。
(2) 第1の面において全反射した光線が、第2の面において全反射し、視点に戻ることによって、観察者が幻惑され情報の判読が困難となって、より効果的に覗き見を防止できる効果がある。
(3) 覗き見から保護不要な情報に相当する範囲において、プリズムの第1の面と、隣接する他のプリズムの第2の面との間に、低屈折率層よりも屈折率が大きい透明又は着色透明の充填材料を充填したから、これらの第1の面及び第2の面においては、臨界角が大きくなり、全反射が生じにくくなる。したがって、覗き見から保護不要な情報に対しては、上述した覗き見を防止する効果は生じず、必要箇所のみ覗き見を防止することができる。
本発明は、情報の覗き見を効果的に防止するという目的を、覗き見から保護すべき情報を表示するカードと、側面のうち第1の面及び第2の面をカードに対向させた複数の三角柱状プリズムを配列したプリズムシートと、三角柱状プリズムの第1の面及び第2の面にそれぞれ接する空気層とを有し、所定の範囲の角度から三角柱状プリズムに入射する光線がこの三角柱状プリズム内を通過して第1の面に入射する入射角がこの第1の面における臨界角よりも大きくなるように第1の面を配置することによって実現した。
以下、図面等を参照して、本発明の実施例をあげて、更に詳しく説明する。
図1は、本発明を適用した覗き見防止媒体の実施例1の要部斜視断面図である。
なお、本明細書において、覗き見防止媒体とは、プリズムシートを被保護情報が表示された表示体に適用した状態のものをいい、覗き見防止ラベルとはこのような媒体や、例えばLCD等の表示装置に貼着する前の状態であって、ラベルの粘着剤又は接着剤が塗布された面が、剥離性加工を施した保護紙やフィルム等のシートによって被覆されている状態のものをいうものとする。
実施例1の覗き見防止媒体は、表面に文字や写真等の画像情報が印刷等によって表示された表示体であるカード1と、このカード1の表示面上に添付されるプリズムシート2とを有して構成されている。
カード1の表示面には、覗き見を防止することが要求される被保護情報3が所定の箇所に印刷等によって表示されており、これらの情報が表示される範囲以外の範囲には、覗き見防止が要求されない保護不要情報5が印刷されている。
被保護情報3、保護不要情報5は、例えば、凸版印刷、オフセット印刷の印刷機による印刷のほか、熱転写プリンタ、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ等による印刷によって表示される。また、印刷以外の方法でもよく、手書きや、写真を添付するようにしてもよい。
また、被保護情報3は、例えば、機密事項に属する文書、氏名、名称、住所、カード番号、暗証番号、ネットバンキング用の乱数表等の文字情報の他、図面、絵柄、写真等の画像情報であってもよい。
一方、プリズム層であるプリズムシート2は、透明な材料によって形成された平坦膜状の基材フィルム6(図2参照)と、この基材フィルムのカード1側の面に沿って並列に設けられた多角形柱状プリズムの一例である複数の三角柱状プリズム7とを有する。なお、本明細書において、多角形柱状のプリズムとは、その長手方向に直交する横断面が多角形となっているプリズムをいうものとする。
図2は、被保護情報3の表示範囲上における、実施例1の覗き見防止媒体の拡大断面図である。図2に示すように、三角柱状プリズム7の横断面形状は、例えば、略直角二等辺三角形状である。そして、三角柱状プリズム7の横断面形状のうち直角二等辺三角形の底辺に相当する側面は基材フィルム6のカード1側の面に接し、他の2つの側面は、カード1の表面に対して、例えば、それぞれ約45°傾斜して対向している。
ここで、基材フィルム6の材料としては、特に制約はないが、加工性が優れていることから、高分子フィルムを用いることが好ましい。このような高分子フィルムの素材のプラスチックとしては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂等を使用することができる。また、液晶材料を使用することもできる。
この基材フィルム6は、ある程度の厚さを有するほうが加工時の取り扱いが容易になる反面、厚みが大きすぎるとカード1に印刷等された情報の視認性が低下する。そこで、基材フィルム6の厚みは、例えば、12μmから100μm程度の範囲内であることが好ましく、更には、例えば、15μmから50μm程度の範囲内であるとより好ましい。
三角柱状プリズム7は、直線状に形成されている。そして、三角柱状プリズム7は、基材フィルム6の全面にわたって複数設けられ、これらは相互に隣接するか、又は微小な間隔を有して略平行に配列されている。
三角柱状プリズム7の材料としては、特に制約はないが、加工性に優れていることから、樹脂材料を用いることが好ましく、また、プリズムとして機能する光学特性を備えるため、透明又は着色透明であり、後述する低屈折率層よりも大きい屈折率を有することが要求される。なお、プリズムシート2の製造方法については後に詳述するが、この方法を適用する場合には、三角柱状プリズム7の材料は、紫外線硬化型の電離放射線硬化性樹脂液を硬化させたものを使用することが好ましい。
このような樹脂として、例えば、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマー又は単量体を、単独又は混合して用いることができる。
このようなプレポリマー、オリゴマーとしては、例えば、不飽和ジカルボン酸と多値アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート類等が挙げられる。
また、単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシメチル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル等の不飽和の置換アミノアルコールエステル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等の多官能性化合物、ビニルピロリドン又は分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオール化合物、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコール等が挙げられる。
特に、三角柱状プリズム7を、紫外線硬化型樹脂液に紫外線を照射し、硬化させて形成する場合には、上述した電離放射線硬化性樹脂である紫外線硬化型樹脂液に光重合開始剤を添加してもよく、また光増感剤を添加してもよい。
このような光重合開始剤として、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラ−ベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルメウラムモノサルファイド、チオキサントン類を用いることができる。
また、光増感剤として、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合して用いることができる。
また、後述する製造方法によって三角柱状プリズム7を形成する場合には、その材料である電離放射線硬化性樹脂液の粘度は、5000cps以下にすることが好ましく、特に1000cps以下とするとより好ましい。また、三角柱状プリズム7を着色透明にする場合には、電離放射線硬化性樹脂液の硬化を阻害しない染料を添加してもよい。
また、三角柱状プリズム7の基材フィルム6表面からの高さは、例えば、1μmから100μm程度にすることが好ましく、5μmから25μm程度にすることがより好ましい。この高さが、1μm以下では、回折現象が生じて覗き見防止効果が損なわれ、また、100μm以上であると、表示体に貼着して覗き見防止媒体としたときに厚みが大きくなりすぎるからである。
そして、三角柱状プリズム7の側面と、隣接する他の三角柱状プリズム7の側面との間は、カード1の被保護情報3に相当する範囲においては、空間部が形成され、この空間部内が三角柱状プリズム7の材料よりも屈折率が低い低屈折率層としての空気層8となっている。
一方、三角柱状プリズム7の側面と、隣接する他の三角柱状プリズム7の側面との間は、カード1の保護不要情報5に相当する範囲においては、透明又は半透明の充填材料が充填された充填樹脂層9が形成されている。図3は、被保護情報3の表示範囲と、保護不要情報5に相当する範囲との境界部における覗き見防止媒体の拡大断面図である。
ここで、充填樹脂層9の材料は、透明又は着色透明であって、少なくとも低屈折率層(実施例1の場合には空気層8)よりも屈折率が高く、好ましくは三角柱状プリズム7との屈折率の差が±0.2以内、より好ましくは±0.1以内であるとよい。特に、三角柱状プリズム7の材料と略同じ屈折率を有することが好ましい。充填樹脂層9と三角柱状プリズム7との界面における屈折が小さくなり、違和感なく透視することができるからである。
例えば、充填樹脂層の材料として、屈折率が略1.4〜1.6程度となる各種高分子樹脂を用いることができる。例えば、ポリブチルアクリレート(屈折率1.44)、ポリエチルアクリレート(屈折率1.47)、ポリメチルアクリレート(屈折率1.47)、ポリn−ブチルメタクリレート(屈折率1.48)、ポリメチルメタクリレート(屈折率1.49)、ポリ酢酸ビニル(屈折率1.47)、ポリプロピレン(屈折率1.49〜1.50)、ポリエチレン(屈折率1.5〜1.55)、ポリカーボネート(屈折率1.58)、ポリスチレン(屈折率1.59〜1.60)、ポリエチレンテレフタレート(屈折率1.64)、ポリ塩化ビニル(屈折率1.54)、ポリ塩化ビニリデン(屈折率1.60〜1.63)等を単独で、あるいは混合して、充填樹脂層9の材料として用いることができる。
このような高分子樹脂を、印刷法によって充填する場合は、顔料又は染料等の着色剤をほとんど又は全く含まないビヒクルのみからなるメジュームインキを用いて印刷することができる。また、この高分子樹脂を着色する場合は、適宜染料又は顔料を使用するとよい。印刷方法として、例えば、シルクスクリーン印刷又はグラビア印刷を用いることができる。充填は、三角柱状プリズム7の間に形成される谷部を、三角柱状プリズム7の基材フィルム6からの高さが最大となる稜線まで満たされるように、均一に充填することが好ましいが、多少空気等の異物が残留していても、本発明の効果は発揮することができる。
そして、この印刷のときに、プリズムシート2上において、樹脂を充填する範囲と、充填しない範囲とのパターンが形成される。
そして、上述したプリズムシート2を、例えば、粘着剤又は接着剤によって、カード1に貼着することによって、覗き見防止媒体が完成する。
また、プリズムシート2に、透明又は着色透明の粘着剤又は接着剤を塗布し、その塗布面に粘着剤等の乾燥、化学変化又は汚染等を防止するための保護シートを貼着することによって、覗き見防止ラベルが完成する。
このような覗き見防止ラベルを用いると、保護シートを除去し、覗き見から保護すべき情報が表示された所望の表示体に貼着することによって、覗き見防止媒体を得ることができる。なお、プリズムシート2とカード1、又はプリズムシート2と保護シートとの貼着方法については後述する。
このような粘着剤又は接着剤として、例えば、天然ゴム、再生ゴム、SBR等のエラストマー及び低分子量あるいは中程度の分子量の粘着付与剤、酸化防止剤などの混合物を溶剤で希釈し、溶液溶剤として用いることができる。
また、熱可塑性エラストマーを用いる場合は、加熱して溶融した状態でプリズムシートに塗布することができる。
さらに、光及び酸化に対する抵抗性が必要な場合は、例えば、アクリレートコポリマーやポリイソブチレン等の材料を使用することができる。
さらにまた、粘着剤又は接着剤として、ホットメルト型のヒートシール剤を用いてもよい。なお、これらを印刷法によって塗布する場合は、特に印刷適性を考慮する必要がある。
なお、これらの粘着剤又は接着剤を塗工する厚さは、例えば、1μmから50μm程度である。
次に、上述した覗き見防止媒体及び覗き見防止ラベルに用いられるプリズムシート2の製造方法及び製造装置について説明する。
この製造方法は、充填工程と、接触工程と、硬化工程と、密着工程と、剥離工程とを有して構成されている。
充填工程は、円筒状のロール凹版の表面に形成され、三角柱状プリズム7の雌型として機能する凹部に、三角柱状プリズム7の材料である電離放射線硬化性樹脂液を充填する工程である。
接触工程は、凹部に電離放射線硬化性樹脂液が充填されたロール凹版の表面に、基材フィルム6を供給し、基材フィルム6をロール凹版上に巻きつけることによって、基材フィルム6と、電離放射線硬化性樹脂液とを接触させる工程である。
硬化工程は、基材フィルム6と接触した電離放射線硬化性樹脂液を、電離放射線を照射することによって硬化させ、半硬化物とする工程である。
密着工程は、基材フィルム6と電離放射線硬化性樹脂液又はこれが硬化した樹脂とを、押圧することによって密着させる工程である。なお、この工程は上述した硬化工程と同時に行われる場合がある。この点については後に詳述する。
剥離工程は、基材フィルム6及びこれに密着して形成された硬化済みの電離放射線硬化性樹脂(三角柱状プリズム7)を、凹版ロールから剥離させる工程である。
次に、上述した各工程に用いられるプリズムシートの製造装置について説明するとともに、各工程についてより詳細に説明する。図4は、プリズムシート2の製造装置の構成を示す図である。図4に示すように、この製造装置は、ロール凹版101と、塗工装置102と、溶剤乾燥装置103と、押圧ロール104と、硬化装置105と、送りロール106と、送りロール107と、硬化装置108とを有して構成されている。以下、各部について詳述する。
ロール凹版101は、円柱状又は円筒状に形成され、その外周面に、三角柱状プリズム7を成型するための雌型として機能する凹部109が形成されている。凹部109は、ロール凹版101の軸方向に沿って延在するV字型断面の溝であって、ロール凹版101の外周面の全面に分布して形成されている。この凹部は、例えば、ロール凹版101の外周面に備えられた版材を、旋盤等の機械加工装置によって切削加工したり、又は電鋳法を用いて型づけしたりすることによって形成される。なお、実施例1においては、凹部109は、ロール凹版101の軸方向に沿って延在しているが、これに限らず、ロール凹版101の周方向に沿って延在するようにしてもよく、また、ロール凹版101の周方向に対して斜行するようにしてもよい。
塗工装置102は、三角柱状プリズム7の材料である電離放射線硬化性樹脂液110をロール凹版101の外周面に塗布し、凹部109内に充填する機能を有するものである。塗工装置102は、ロール凹版101の外周面に対向して設けられ、具体的には、例えば、ノズル塗工装置として構成される。ノズル塗工装置は、Tダイ状に構成され、所定方向の長方形又は線状の吐出口を備える。そして、この吐出口の長手方向は、ロール凹版101の軸方向と略平行に配置されている。この塗工装置は、ロール凹版101の表面の軸方向幅のうち、所定の幅部分かつ、ロール凹版101の周上所定の位相上の表面にのみ、電離放射線硬化性樹脂液110を吐出するようになっている。なお、この電離放射線硬化性樹脂液110の塗工厚さは、後述する密着工程において基材フィルム6をロール凹版110に押圧したときに、凹部109内に電離放射線硬化性樹脂液110が十分に充填されかつ余剰とならないように設定される。
溶剤乾燥装置103は、ロール凹版101の外周面に塗布された電離放射線硬化性樹脂液110が含有する溶剤を揮発させるための装置である。具体的には、溶剤乾燥装置103として、温風ヒータや、赤外線ヒータ等を用いることができる。この溶剤乾燥装置103を設けることによって、溶剤型の電離放射線硬化性樹脂液110を用いることができ、使用する樹脂の選択の幅を広げることができる。また、溶剤型の電離放射線硬化性樹脂液を用いると、樹脂を希釈する溶剤の量によって、樹脂液の流動性を調整することができる。なお、電離放射線硬化性樹脂液110として、無溶剤型のものを用いる場合には、この溶剤乾燥装置103は不要となる。
押圧ロール104は、円筒状又は円柱状に形成されたローラであって、その軸方向をロール凹版101と平行に配置されている。押圧ロール104は、ロール凹版101が自転したときに、押圧ロール104の表面の速度がロール凹版101の表面の速度と略同じになるように同期して回転するようになっている。そして、プリズムシート2の基材フィルム6は、図示しない供給装置から押圧ロール104に供給され、押圧ロール104の自転に従動してロール凹版101の表面に接し、その後押圧ロール104から離脱してロール凹版101の表面に沿い、その自転に従動して走行する。
硬化装置105は、基材フィルム6と接触し、ロール凹版101に随伴して走行する電離放射線硬化性樹脂液に対し、電離放射線を照射する電離放射線源を有する。
ここで、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子のうち、分子を重合又は架橋することができるエネルギー粒子を有するものをいう。この電離放射線として、例えば、紫外線又は電子線等を用いることができる。紫外線を用いる場合には、電離放射線源として、例えば、超高圧水銀灯、ブラックライトランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ等の光源を用いることができる。
なお、実施例1の場合には、硬化装置105のほかに、基材フィルム6の走行方向前方側にも、後述する別の硬化装置108が設けられている。そして、硬化工程を多段化して硬化物の歪みや、基材フィルム6のカールを防止するため、硬化装置105は、電離放射線硬化性樹脂液110を完全に硬化させず、いわゆる半硬化物110aとするに留め、硬化装置108によって完全に硬化させるようにしている。したがって、硬化装置105においては、少なくとも電離放射線硬化性樹脂液110の流動性を失わせ、かつ、基材フィルム6との密着性を生じさせる程度に硬化させれば足りる。
また、実施例1の場合には、硬化装置はロール凹版101の外部に設けられているが、ロール凹版を、例えば、石英、ガラス等の電離放射線の透過性がよい材質によって円筒状に形成した場合には、ロール凹版の内径側に硬化装置を設けてもよい。
送りロール106は、ロール凹版101と軸方向を平行させて設けられた円筒状又は円柱状のローラであり、その外周面の一部をロール凹版101に当接させて設けられている。
硬化装置105による電離放射線の照射される範囲を通過し、ロール凹版101に随伴して走行してきた基材フィルム6及び半硬化物110aは、ここでロール凹版101から剥離され、送りロール106の周上の一部に沿って走行後、後述する別の送りロール107までの間、平面状に走行する。
送りロール107は、送りロール106に対して離間しかつ軸方向を平行に配列された円筒状又は円柱状のロールである。送りロール107は、その外周面を送りロール106から離れて平面状に走行してくる基材フィルム6の、半硬化物110aが付着していない側の面に当接し、基材フィルム6の走行方向を転換させる。
硬化装置108は、上述した硬化装置105と同様な電離放射線源を備え、送りロール107の表面に沿って走行している基材フィルム6上に形成された半硬化物110aに対し、電離放射線を照射し、半硬化物110aを十分に硬化させ、三角柱状プリズム7を完成させる。なお、この硬化装置108によって半硬化物110aを硬化させる間、基材フィルムは硬化装置105を通過するときとは逆の方向にカールしている。このため、各硬化装置105、108を通過する際にそれぞれ基材フィルム6につけられる「巻き癖」が相殺され、完成品であるプリズムシート2のカールが防止される。
図5は、カード1の外観斜視図である。図5に示すように、表示層を備えた表示体であるカード1は、略矩形のプレート上に形成されている。カード1の表示層には、覗き見から防止することを要求される被保護文字情報3aと、被保護者画像情報3bとが印刷によって表示されている。そして、これらの情報以外の範囲に、保護不要情報5が表示されている。そして、プリズムシート2は、カード1の全面にわたって設けられ、その被保護文字情報3a及び被保護画像情報3b以外の範囲全体にわたって、充填樹脂層9が形成されている。
図6は、図5のIDカードの拡大断面図である。また、図7は、図5のIDカードに用いられる覗き見防止ラベルの拡大断面図である。実施例1においては、基材フィルム6として、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用い、ウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂液を、上述した製造方法によって成型し、硬化させることによって、第1の面10と第2の面11とがなす角度(頂角)が90°かつ、基材フィルム上からの高さが25μmの、直角二等辺三角形状断面を有する三角柱状プリズム7を形成してプリズムシート2とした。
次に、カード1上の保護不要情報5に相当する範囲に対応する三角柱状プリズム7間の谷部(凹部)を埋めるように、シルクスクリーン印刷法を用いて、充填樹脂層9として透明なアクリル系インキ(東洋インキ株式会社製「SS8−800メジューム」)の充填を行った。
次に、プリズムシート2の支持体として機能する厚さ25μmのPETフィルム12に、粘着剤であるポリエステル系のヒートシール剤13を、厚さ5μmの層状に塗布した。そして、上述したアクリル系インキを印刷済みのプリズムシート2の、三角柱状プリズム7が形成された側の面と、ヒートシール剤13を塗布されたPETフィルム12の面とを、ラミネート加工によって貼着した。ラミネートは、ロール温度150℃、速度0.8m/minの条件で行った。更に、紙の表面にシリコーン加工による剥離処理を施した保護シートである保護紙14に粘着剤15を塗布して、図8に示すように、上述したPETフィルム12の、プリズムシート2とは反対側の面に貼着し、覗き見防止ラベルを作製した。
そして、この覗き見防止ラベルから保護紙を除去し、カード1の、個人名を含む被保護文字情報3a及び被保護画像情報3bが表示されている箇所を、プリズムシート2の充填樹脂層9がない範囲によって覆うように貼着し、覗き見防止媒体であるIDカードとした。
このIDカードを、目視によって観察すると、IDカードの正面(法線方向)及び、三角柱状プリズム7の長手方向に直交する軸を中心として視角を傾けた状態においては、IDカードの表面は鏡面のように見え、個人名を目視することはできず、これによって覗き見を防止することができた。
これに対し、IDカードの法線方向から、三角柱状プリズム7の長手方向と平行する軸を中心として視角を徐々に傾けつつ観察すると、当初は鏡面のように見えるが、ある視角を境にして個人名を視認できるようになった。
次に、上述した覗き見防止の原理について説明する。図8は、実施例1の覗き見防止媒体の三角柱状プリズム7であって、カード1側の2面の側面がそれぞれ低屈折率層としての空気層8に接しているものに対し、覗き見防止媒体の法線方向から入射した光線の軌跡を示す図である。
図8に示すように、光線がプリズムシート2の基材フィルム6側の表面から入射し、基材フィルム6及び三角柱状プリズム7内を伝播して、三角柱状プリズム7の側面のうち、カード1に対向する第1の面10に入射する入射角をθ1とする。なお、入射角とは、媒質の境界面(この場合には、三角柱状プリズム7と空気層8との界面)の法線方向と、光線の入ってくる方向とのなす角度をいう。そして、この入射角θ1が、第1の面10における臨界角θtよりも大きい場合には、光線はこの第1の面において全反射し、空気層8には入射しない。なお、臨界角θtは、低屈折率としての空気層8の屈折率をa、三角柱状プリズム7の屈折率をbとすると、θt=arcsin(a/b)として表される。
したがって、三角柱状プリズム7の材料及びその第1の面がカード1の表面に対してなす角度は、上述した全反射を生じさせることを考慮して設定される。例えば、三角柱状プリズム7を屈折率1.5の材料によって形成した場合、空気層の屈折率は1であるから、臨界角θt=41.8°となる。本実施形態の場合、例えば、覗き見防止媒体の法線方向から入射する光線の第1の面への入射角は略45°であるから、この照射光は第1の面10において全反射し、その反射光はカード1の表面と略平行に第2の面11に向かって三角柱状プリズム7内を伝播する。
そして、第1の面10において全反射した反射光の第2の面11への入射角も略45°となる。この入射角もまた上述した臨界角よりも大きいため、第2の面11においても全反射が生じ、この反射光は、覗き見防止媒体の略法線方向に反射される。
以上のように、本実施形態によれば、所定の方向から覗き見防止媒体に入射する光線は、第1の面及び第2の面においてそれぞれ全反射し、カード1の、被保護情報3の表示面に到達しないから、第三者によるカード1上の被保護情報3の覗き見を防止することができるという利点がある。
また、図8においては、入射した光線が第1の面及び第2の面においてそれぞれ全反射する場合について示したが、少なくとも第1の面において全反射が生じ、カード1側に到達しなければ、覗き見の防止を図ることができる利点がある。
一方、カード1上の保護不要情報5に相当する範囲においては、充填樹脂層9が三角柱状プリズム7の第1の面10及び第2の面11に接していることによって、上述した全反射が防止され、光線は第1の面10を透過して充填樹脂層9内を伝播し、カード1の表面に到達する。
このため、カード1に表示された被保護情報3を目視によって確認する場合、その視角が第1の面における臨界角θtよりも小さくなる角度範囲から目視すれば、上述した全反射は生じず、容易に目視することができる。また、視角が第1の面における臨界角θt以上となる角度範囲からは、被保護情報3を目視できないから、覗き見を防止することができる。
図9は、本発明の覗き見防止媒体の実施例2であるIDカードの拡大断面図である。また、図10は、実施例2の覗き見防止媒体に用いられる覗き見防止ラベルの拡大断面図である。なお、以下説明する各実施例においては、上述した実施例1と共通する箇所については同じ参照番号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
実施例2においては、三角柱状プリズム7の、基材フィルム6の表面からの最大高さを15μmとした。そして、プリズムシート2の外縁部における三角柱状プリズム7間の谷部に、実施例1の透明なアクリル系インキに代えて、透明なポリエステル系ホットメルトインキ(試作インキ)をグラビア印刷法によって充填し、これを充填樹脂層9とした。この際、ホットメルトインキのインキパンを加熱して、インキが溶融状態を保つようにした。
この充填樹脂層9に、支持体として、厚さ25μmのPETフィルム12を直接ラミネート加工によって貼着した。したがって、本実施例の場合には、実施例1におけるヒートシール剤13に相当する層は存在しない。なお、実施例2のように、充填樹脂層9の材料が粘着財又は接着剤を兼ねる場合には、その材料には、充填樹脂層として要求される屈折率及び、所望の粘着力又は接着力を具備する必要がある。
そして、図10に示すように、保護紙14に粘着剤15を塗布して、このPETフィルム12の、プリズムシート2とは反対側の面に貼着し、覗き見防止ラベルを作製した。
そして、この覗き見防止ラベルから保護紙を除去し、カード1の表面にプリズムシート2を貼着し、IDカードとした。
このIDカードを、実施例1と同様に目視したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
以上のように、実施例2によれば、充填樹脂層9に充填された接着剤又は粘着剤によってPETフィルム12とプリズムシート2とを貼着しているので、上述した実施例1に対し、構成が簡単化される利点がある。
図11は、本発明の覗き見防止媒体の実施例3であるIDカードの拡大断面図である。
図11に示すように、実施例3においては、充填樹脂層9の材料として、実施例2と同様に、粘着剤又は接着剤を用い、かつその塗工厚さを、塗工範囲における三角柱状プリズム7の間の谷部を充填し、更にその上に所定の厚さの粘着剤又は接着剤層16が形成されるようにしたことを特徴とする。
そして、実施例3の覗き見防止媒体に用いられる覗き見防止ラベルは、図示はしないが、粘着剤又は接着剤層16の表面に保護紙を貼着して構成されている。また、実施例3のIDカードは、図10に示すように、粘着剤又は接着剤層16の表面に、直接カード1を貼着して構成されている。したがって、実施例3に使用する粘着剤又は接着剤は、充填樹脂層の材料に要求される屈折率を具備し、かつ塗布後所定の時間にわたって粘着性又は接着性を維持するものが要求される。
以上のように、実施例3によれば、実施例1と同様の効果を奏することに加え、支持体としてのPETフィルム12及び、カード1とPETフィルム12とを貼着するための粘着剤又は接着剤が不要となるので、構成がより簡単化される利点がある。
図12は、本発明の覗き見防止媒体の実施例4であるIDカードの拡大断面図である。図12に示すように、本実施例は、実施例1と同様にして充填樹脂層9を形成済みのプリズムシート2を準備し、粘着剤又は接着剤層17をプリズムシート2の三角柱状プリズム7側の面の全面にわたって設けたことを特徴とする。この場合、例えば、保護紙14側に粘着剤又は接着剤を塗布してからプリズムシート2に貼着してもよいし、また、プリズムシート2側に粘着剤又は接着剤を塗布してから、保護紙14に貼着してもよい。これによって、本実施例の覗き見防止ラベルが形成される。そして、上述した各実施例と同様に、保護紙14を除去し、粘着剤又は接着剤層17をカード1の表面に貼着することによって、本実施例のIDカードが形成される。本実施例においても、実施例1と同様の効果を奏することができる。
図13は、本発明を適用した覗き見防止媒体の実施例5の拡大斜視断面図である。実施例5は、プリズムシート2’の三角柱状プリズム7’が形成された側の面を、観察者側に向けて配置するとともに、プリズムシート2の背面側の基材フィルム6とカード1との間に、空気層8’を設けている。
なお、実施例5では、空気層8’は、覗き見防止が必要とされる範囲以外の領域でプリズムシート2’とカード1との間に塗布される粘着剤15の厚みによって形成されているが、空気層8’を形成する方法は、これに限らず、例えばプリズムシート2’とカード1との間に、スペーサとして機能する微細な粒状物等を分布させるようにしてもよい。
なお、三角柱状プリズム7’の横断面形状は、略二等辺直角三角形状であり、その斜辺に相当する側面が基材フィルム6に貼付され、カード1に対向している。この面を、以下第1の面10’と称して説明する。また、第1の面以外の側面のうち1面を、以下第2の面11’と称して説明する。
また、実施例5においても、カード1に代えて、剥離性の保護シートを粘着剤15に貼付することによって、覗き見防止シートを得ることができる。
図14は、実施例5による覗き見防止効果の原理を示す図である。
図14(a)は、実施例5の覗き見防止媒体を正面から見た状態を示す図である。観察者の視線に相当する光線は、第2の面11’から三角柱状プリズム7’内に入射するときに、空気と三角柱状プリズム7’の材料との屈折率の違いに起因して屈折し、進行方向が変化する。その後、光線は、三角柱状プリズム7’から基材フィルム6に入り、基材フィルム6と空気層8との界面に到達するが、この界面に対する光線の入射角θ1では、ここで全反射を生ずることがないから、光線は空気層8に入射し、カード1の表面に到達する。そして、光線の一部は、カード1の表面で反射し、略同一の経路を通って観察者の視点に戻るから、観察者は、カード1の表面の情報を目視することができる。
一方、図14(b)は、実施例5の覗き見防止媒体を、傾いた位置から見た状態を示す図である。ここで、視点は、図14(a)の状態に対して、三角柱状プリズム7’の配列方向に沿った横方向に約45°ずらされている。
この場合、観察者の視線に相当する光線は、第2の面11’に対して略垂直に三角柱状プリズム7’に入光する。そして、この光線は、三角柱状プリズム7’及び基材フィルム6内を略直線状に伝播した後、基材フィルム6と空気層8との界面に到達する。そして、この場合には、光線の入射角θ2は、臨界角よりも大きくなり、この界面で全反射を生ずる。したがって、光線はカード1の表面には到達せず、この視点の位置からは、カード1の表面の情報を目視することができず、覗き見が防止される。
(変形例)
なお、上述した実施例は、カードに印刷等された情報の覗き見を防止するものであるが、覗き見を防止すべき情報を表示するものは印刷媒体等に限定されず、例えば携帯電話機、携帯情報端末、コンピュータ等の表示画面であってもよく、この場合にも情報表示の表面側に覗き見防止ラベルを貼付することによって、覗き見を防止することができる。
また、上述した各実施例では、三角柱状プリズム7の断面形状は略二等辺三角形であるが、これに限らず、他の形状であってもよい。例えば、単なる二等辺三角形や、直角三角形、これらいずれにも該当しない三角形であっても、所定の入射角からの光線を全反射する条件さえ満たしていれば、本発明の効果を奏することができる。
例えば、図15に示すように、三角柱状プリズムの断面形状を二等辺ではない直角三角形状とし、その斜辺が基材フィルムに接するようにしてもよい。この場合、全反射を生じる光線の入射角の範囲は上述した実施例から変化する。しかし、全反射を生じる方向からの覗き見に対しては、その防止が図られる。また、三角形以外の断面形状を有する多角形柱状プリズムを用いてもよい。また、上述した各実施例においては、三角柱状プリズム7は直線状に形成されているが、湾曲した形状であってもよい。
また、上述した実施例においては、低屈折率層を空気層としたが、空気以外の気体や、液体、個体の材料であっても、透明性を有しかつその屈折率が、プリズムの材料に対し、上述した全反射を生じさせる条件を満たす程度に低いものであれば、低屈折率層として用いることができる。また、低屈折率層内を真空としてもよい。
本発明による覗き見防止媒体の実施例1の拡大斜視断面図である。 図1の覗き見防止媒体の、被保護情報の表示範囲上における拡大断面図であ る。 図1の覗き見防止媒体の、被保護情報の表示範囲と保護不要情報の表示範囲の境界部における拡大断面図である。 実施例1のプリズムシートの製造装置の構成を示す図である。 実施例1のIDカードの外観斜視図である。 実施例1のIDカードの拡大断面図である。 実施例1のIDカードに用いられる覗き見防止ラベルの拡大断面図である。 実施例1の覗き見防止の原理を示す図である。 本発明による覗き見防止媒体の実施例2であるIDカードの拡大断面図である。 図9のIDカードに用いられる覗き見防止ラベルの拡大断面図である。 本発明による覗き見防止媒体の実施例3であるIDカードの拡大断面図である。 本発明による覗き見防止媒体の実施例4であるIDカードの拡大断面図である。 本発明による覗き見防止媒体の実施例5であるIDカードの拡大断面図である。 実施例5の覗き見防止の原理を示す図である。 本発明による覗き見防止媒体の他の実施例であって、三角柱状プリズムの断面形状を二等辺ではない直角三角形状としたものの拡大断面図である。
符号の説明
1 カード
2 プリズムシート
3 被保護情報
3a 被保護文字情報
3b 被保護者写真情報
5 保護不要情報
6 基材フィルム
7 三角柱状プリズム
8 空気層
9 充填樹脂層
10 第1の面
11 第2の面
12 PETフィルム
13 ヒートシール剤
14 保護紙
15 粘着剤
16 粘着剤又は接着剤層
101 ロール凹版
102 塗工装置
103 溶剤乾燥装置
104 押圧ロール
105 硬化装置
106 送りロール
107 送りロール
108 硬化装置
109 凹部
110 電離放射線硬化性樹脂液
110a 半硬化物

Claims (10)

  1. 覗き見から保護すべき情報を表示する情報表示層と、
    多角形柱状に形成され、その側面のうち、第1の面及び第2の面を前記情報表示層に対向させて設けられた複数のプリズムを配列したプリズム層と、
    前記プリズムの第1の面及び第2の面にそれぞれ接し、このプリズムよりも低い屈折率を有する低屈折率層とを有し、
    所定の範囲の角度から前記プリズムに入射する光線がこのプリズム内を通過して前記第1の面に入射する入射角が、この第1の面における臨界角よりも大きくなるように第1の面を配置し
    前記情報は、覗き見から保護すべき情報と、覗き見から保護不要な情報とを含むものであり、
    前記覗き見から保護不要な情報に相当する範囲において、前記プリズムの第1の面と、このプリズムと隣接する他のプリズムの第2の面との間に、前記低屈折率層よりも屈折率が大きい透明又は着色透明の充填材料を充填したこと
    を特徴とする覗き見防止媒体。
  2. 請求項1に記載の覗き見防止媒体において、
    前記第1の面で全反射し、前記プリズム内を通過して前記第2の面に入射する前記光線の入射角が、この第2の面における臨界角よりも大きくなるように、前記第1の面及び第2の面を配置したこと
    を特徴とする覗き見防止媒体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の覗き見防止媒体において、
    前記充填材料の屈折率は、前記プリズムの材料の屈折率に対し、±0.2以内であること
    を特徴とする覗き見防止媒体。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の覗き見防止媒体において、
    前記プリズムの前記第1の面と第2の面とがなす角度が、80°から100°であること
    を特徴とする覗き見防止媒体。
  5. 覗き見から保護すべき情報を表示する情報表示層と、
    多角形柱状に形成され、その側面のうち、第1の面を前記情報表示層に対向させかつ第2の面を前記第1の面の背面側に設けた複数のプリズムを配列してなるプリズム層と、
    前記プリズムの第1の面と前記情報表示層との間に設けられ、このプリズムよりも低い屈折率を有する低屈折率層とを有し、
    所定の範囲の角度から前記第2の面を介して前記プリズムに入射する光線がこのプリズム内を通過して前記第1の面に入射する入射角が、この第1の面における臨界角よりも大きくなるように前記第2の面を配置したこと
    を特徴とする覗き見防止媒体。
  6. 剥離性処理が施された保護シートと、
    多角形柱状に形成され、その側面のうち、第1の面及び第2の面を前記保護シートに対向させて設けられた複数のプリズムを配列してなるプリズム層と、
    前記プリズムの第1の面及び第2の面にそれぞれ接し、このプリズムよりも低い屈折率を有する低屈折率層とを有し、
    所定の範囲の角度から前記プリズムに入射する光線がこのプリズム内を通過して前記第1の面に入射する入射角が、この第1の面における臨界角よりも大きくなるように第1の面を配置し
    前記プリズム層の一部の範囲において、前記プリズムの第1の面と、このプリズムと隣接する他のプリズムの第2の面との間に、前記低屈折率層よりも屈折率が大きい透明又は着色透明の充填材料を充填したこと
    を特徴とする覗き見防止ラベル。
  7. 請求項6に記載の覗き見防止ラベルにおいて、
    前記第1の面で全反射し、前記プリズム内を通過して前記第2の面に入射する前記光線の入射角が、この第2の面における臨界角よりも大きくなるように、前記第1の面及び第2の面を配置したこと
    を特徴とする覗き見防止ラベル。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の覗き見防止ラベルにおいて、
    前記充填材料の屈折率は、前記プリズムの材料の屈折率に対し、±0.2以内であること
    を特徴とする覗き見防止ラベル。
  9. 請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載の覗き見防止ラベルにおいて、
    前記プリズムの前記第1の面と第2の面とがなす角度が、80°から100°であること
    を特徴とする覗き見防止ラベル。
  10. 剥離性処理が施された保護シートと、
    多角形柱状に形成され、その側面のうち、第1の面を前記保護シートに対向させかつ第2の面を前記第1の面の背面側に設けた複数のプリズムを配列してなるプリズム層と、
    前記プリズムの第1の面と前記保護シートとの間に設けられ、このプリズムよりも低い屈折率を有する低屈折率層とを有し、
    所定の範囲の角度から前記第2の面を介して前記プリズムに入射する光線がこのプリズム内を通過して前記第1の面に入射する入射角が、この第1の面における臨界角よりも大きくなるように前記第2の面を配置したこと
    を特徴とする覗き見防止ラベル。
JP2004105969A 2004-03-31 2004-03-31 覗き見防止媒体及び覗き見防止ラベル Expired - Fee Related JP4459684B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004105969A JP4459684B2 (ja) 2004-03-31 2004-03-31 覗き見防止媒体及び覗き見防止ラベル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004105969A JP4459684B2 (ja) 2004-03-31 2004-03-31 覗き見防止媒体及び覗き見防止ラベル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005288836A JP2005288836A (ja) 2005-10-20
JP4459684B2 true JP4459684B2 (ja) 2010-04-28

Family

ID=35322337

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004105969A Expired - Fee Related JP4459684B2 (ja) 2004-03-31 2004-03-31 覗き見防止媒体及び覗き見防止ラベル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4459684B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107515439A (zh) * 2017-09-28 2017-12-26 京东方科技集团股份有限公司 导光组件、背光源和显示装置

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5271588B2 (ja) * 2008-04-14 2013-08-21 東洋紡株式会社 表示画面用光学フィルター
WO2014103343A1 (ja) * 2012-12-27 2014-07-03 日東電工株式会社 プライバシーフィルタ
JP2014238511A (ja) * 2013-06-07 2014-12-18 大日本印刷株式会社 光制御部材
JP6311224B2 (ja) * 2013-06-07 2018-04-18 大日本印刷株式会社 光制御部材
WO2015072420A1 (ja) * 2013-11-13 2015-05-21 シャープ株式会社 採光フィルム
JP6382511B2 (ja) * 2013-12-26 2018-08-29 京セラ株式会社 電子機器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107515439A (zh) * 2017-09-28 2017-12-26 京东方科技集团股份有限公司 导光组件、背光源和显示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005288836A (ja) 2005-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU650082B2 (en) Plano-convex base sheet for retroreflective articles and method for making same
JP2022093467A (ja) 低減された厚さを有する必要に応じて転写可能な光学システム
JP6750188B2 (ja) マスターフィルム付きナノ構造フィルム及びその製造方法
JP4391103B2 (ja) 真偽判定体と真偽判定体用ラベル
TWI406014B (zh) 複合光學膜
EP1631847A1 (en) Microstructured optical film and production process thereof
US20090142486A1 (en) Retroreflective sheeting with security and/or decorative image
JP2013537640A (ja) 外部からの光学劣化効果への耐性を向上させた光学システム
JP6350653B2 (ja) 画像表示装置用両面粘着シートの製造方法
US20060132945A1 (en) Microstructured optical film and production process thereof
KR20170065544A (ko) 보안 렌즈 층
JP4459684B2 (ja) 覗き見防止媒体及び覗き見防止ラベル
WO2008047855A1 (fr) Élément de source lumineuse de surface et son procédé de fabrication
JP2004178546A (ja) 真偽判定体
WO2016010088A1 (ja) 樹脂製シート、および、冊子
JP2013195579A (ja) 積層体およびその製造方法、透明基材、表示装置、入力装置ならびに電子機器
JP2006119258A (ja) 真偽判定体及び真偽判定用ラベル
JP4463575B2 (ja) 複写防止媒体及び複写防止媒体用ラベル
JP7318666B2 (ja) 表示体、および、ラベル付き印刷物
KR101798759B1 (ko) 곡면부를 가진 휴대기기에 부착되는 보호시트 모듈, 이를 이용한 보호시트 제조방법 및 그에 의해 제조된 보호시트
JP2006030636A (ja) 真偽判定体及び真偽判定方法
JP4170774B2 (ja) 真偽判定体用転写箔
JP2004223726A (ja) 真偽判定体
KR102573813B1 (ko) 출광 부재 및 이를 포함하는 라이트 유닛
TWM296993U (en) Anti-scraping condenser sheet

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061117

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100209

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130219

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130219

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees