JP4459533B2 - 同期電動機の駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、同期電動機の駆動装置において、特に、高圧同期電動機を電力変換器により駆動制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の同期機(同期電動機)の駆動装置は、周波数変換器から昇圧変圧器を介して同期機に電力を供給するもので、始動時に昇圧変圧器を介さずに同期機に始動電力を供給する始動回路を備えている。この始動回路による同期機の始動後、主回路に切り換えるにあたって、まず、電機子電流を零にさせる。次に、始動回路内の負荷開閉器をオフすると共に、界磁電流を低減し、同期機の端子電圧を零にする。次に同期機と昇圧変圧器とを接続して、界磁電流を再び流す。このとき、界磁電流は励磁突入電流としての電機子電流が所定の設定値を越えないように制御される。この後、昇圧変圧器と周波数変換器とを接続し、電機子電流が減衰されて零になったことを確認して、周波数変換器を作動させて電機子電流を立ち上げ、同期機を所望の回転速度まで増速させるように制御する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭58−190288号公報(第2−第4頁、第4,第5図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の同期電動機の駆動装置は、以上のように構成され、主回路の昇圧変圧器の初期充電を行う際、同期電動機を発電機として昇圧変圧器の初期充電を行うため、同期電動機から昇圧変圧器への過電流を抑制させる制御が必要となり、界磁電流の制御が複雑になる。また、始動回路から主回路に切り換えるにあたって、始動回路を流れる電機子電流を零にし、界磁電流を低減し、同期電動機の端子電圧を零にする。界磁電流は時定数が大きく、低減させるのに時間を要するものであり、その間、同期電動機はフリーラン減衰しているので、同期機の負荷の種類によっては、その減衰する回転数が大きくなる。さらに、界磁電流を低減し、同期電動機の端子電圧を零にした後に昇圧変圧器の初期充電を複雑な制御をしつつ行っているため、始動回路からの切り換え開始から昇圧変圧器の初期充電完了までの時間を短縮するのは困難であった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解消するために成されたものであって同期電動機の始動から主回路への切り換えに要する時間を短縮し、スムーズに定格運転に移行できると共に、切り換え時の制御を容易にして安価で信頼性の高い同期電動機の駆動装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る同期電動機の駆動装置は、電力変換器からの交流電力を昇圧変圧器を介して同期電動機に供給する主回路と、始動時に上記昇圧変圧器をバイパスして上記同期電動機に上記電力変換器からの交流電力を供給するバイパス回路と、上記同期電動機の励磁系とを備えた装置構成であって、上記電力変換器を、直流電力を交流電力に変換する電圧形自励式インバータで構成し、上記バイパス回路により上記同期電動機に始動電力を供給した後、上記主回路において上記昇圧変圧器と上記同期電動機との間を遮断した状態で上記電力変換器からの交流電力により上記昇圧変圧器の初期励磁を行い、該初期励磁の後、該昇圧変圧器と上記同期電動機との間を導通させて、上記主回路により上記同期電動機への電力供給を行い、該同期電動機への主回路による電力供給開始以前に、上記バイパス回路を遮断するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1に基づいて説明する。
図1に示すように、同期電動機の駆動装置は、降圧用の人力変圧器2を介して主回路用商用交流電源1と接続される電力変換装置3からの交流電力を、昇圧変圧器4を介して同期電動機5に供給する。電力変換装置3は、交流電力を直流電力に変換するコンバータ6と、変換された直流電力を平滑する平滑用コンデンサ7と、平滑コンデンサからの直流電力を交流電力に変換するPWM制御方式のインバータ8とで構成される。また、インバータ8からの交流電力を昇圧変圧器4を介して同期電動機5に供給する主回路9と別に、昇圧変圧器4をバイパスさせるバイパス回路10を備える。さらに、界磁用商用交流電源11および励磁装置12を備えて、同期電動機5の界磁巻線13に界磁電流を供給する。なお、14は同期電動機5の速度検出のために電機子の位置を検出する分配器、15、17および18は遮断機、16は断路器、19〜21は電流検出器、30は同期電動機5の駆動装置内の電力変換器3、励磁装置12および断路器16、遮断機17、18を制御する制御回路30である。
【0008】
また、制御回路30は、外部からの運転指令信号でオンとなる運転開始接点32、断路器16および遮断機17、18の開閉を制御する切り換え操作回路33、分配器14の受信回路34、同期電動機5の速度を検出する速度検出器35、速度制御器36、インバータ8の出力電流である同期電動機5の電機子電流を制御する電流制御器37、インバータ8内の半導体スイッチング素子にゲートパルス信号を発生するPWM回路38、コンバータ6の制御回路39および励磁装置12を制御する界磁電流制御器40で構成される。
【0009】
次に、動作について説明する。
主回路用商用交流電源1からの交流電力を人力変圧器2で降圧し、コンバータ6にて直流電力に変換する。このコンバータ6は、入力電流検出用の電流検出器19からの検出電流を入力として制御回路39から出力される制御信号により制御される。
コンバータ6により変換された直流電力は平滑コンデンサ7にて平滑され、インバータ8により交流電力に変換される。同期電動機5はインバータ8から交流電力が供給され、また、界磁巻線13に励磁装置12から界磁電流が供給される。
【0010】
インバータ8および励磁装置12の制御について以下に示す。
速度検出器35は、分配器14の受信回路34からの電機子の位置を示す位相信号に基づいて速度帰還値を演算し、速度制御器36は、外部の速度基準指令値発生器31からの速度指令値と速度検出器35からの速度帰還値とを入力として、速度帰還値が速度指令値に一致するように電機子電流指令値を出力する。電流制御器37は、電流検出器20で検出されるインバータ8の出力電流帰還値と、速度制御器36からの電機子電流指令値と、分配器14の受信回路34からの位相信号と、速度検出器35からの速度帰還値とを入力として、インバータ8への出力電圧指令と、励磁装置12への界磁電流指令値とを演算して出力する。PWM回路38は、電流制御器37からの出力電圧指令に応じてインバータ8内の半導体スイッチング素子にゲートパルス信号を出力してインバータ8を駆動制御する。界磁電流制御器40は、電流制御器37からの界磁電流指令値と、電流検出器21で検出される界磁電流帰還値とを入力として、界磁電流帰還値が界磁電流指令値に一致するようにゲート信号を出力して励磁装置12を制御し、界磁用商用交流電源11から同期電動機5の界磁巻線13に界磁電流を供給する。
【0011】
次に、同期電動機5における起動から定格運転に至るまでの駆動制御について説明する。
同期電動機5を起動する際、制御回路30において、外部からの信号(図示せず)で運転開始接点32がオンすると、図示しない回路にて連動して切り換え操作回路33に指令信号が入り、その指令信号に基づき、切り換え操作回路33は制御信号を出力して、断路器16および遮断機17をオフし、遮断機18をオンする。これにより主回路9は遮断され、昇圧変圧器4をバイパスさせるバイパス回路10を介して同期電動機5にインバータ8から電力を供給し、同期電動機5を始動させる。また、励磁装置12は、界磁用商用交流電源11から同期電動機5の界磁巻線13に界磁電流を供給する。
始動後、速度検出器35からの速度帰還値が所定速度に達すると、電流制御器37は、インバータ8の出力電流である電機子電流を零に絞り込む。その後、切り換え操作回路33により、遮断機18をオフしてバイパス回路10を遮断し、、断路器16をオンする。このとき、主回路9内の遮断機17はオフ状態を継続しており、即ち、昇圧変圧器4は同期電動機5と遮断された状態でインバータ8と接続される。なお、遮断機18のオフ動作は、電機子電流の絞り込みから電機子電流が零になるのに要する所定時間を予め設定しておき、該所定時間経過後に行う。
【0012】
続いて、主回路9においてインバータ8からの交流電力により昇圧変圧器4の初期励磁を、昇圧変圧器4が同期電動機5と遮断された状態で行う。電流制御器37は同期電動機5の回転数に比例する出力電圧指令を出力し、PWM回路38は電流制御器37からの出力電圧指令に応じてゲートパルス信号を出力してインバータ8を駆動し、インバータ8からの交流電力により昇圧変圧器4は初期励磁される。
次に、昇圧変圧器4の初期励磁開始から所定の時間経過後に、切り換え操作回路33により遮断機17をオンし、主回路9において、インバータ8からの交流電力を昇圧変圧器4を介して同期電動機5に供給し、同期電動機4の速度を所望の速度まで上昇させ、定格運転に至る。
【0013】
この実施の形態1では、昇圧変圧器4と同期電動機5との間を遮断した状態で、昇圧変圧器4の初期励磁をインバータ8からの出力で行う。このため、同期電動機5から昇圧変圧器4への過電流を抑制させる制御が必要なく、バイパス回路10を介した同期電動機4の始動から、主回路9の一部を介した昇圧変圧器4の初期励磁への切り換え時に、界磁電流を低減させる必要もない。これにより、同期電動機4のバイパス回路10を介した始動から、主回路9による駆動への切り換えに要する時間を短縮し、切り換え時に減衰する回転数を低減でき、安定してスムーズに定格運転に移行できる。
また、界磁電流の複雑な制御が必要なく、昇圧変圧器4の初期励磁の制御をインバータ8を制御することのみで行えるため、制御回路30が簡素化でき、同期電動機5を容易で信頼性良く駆動制御できる駆動装置を得ることができる。
【0014】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、昇圧変圧器4の初期励磁を、遮断機18をオフしてバイパス回路10を遮断した後に行ったが、遮断機18のオフ以前に昇圧変圧器4の初期励磁を開始しても良い。このように、同期電動機5への始動電力の供給中に、昇圧変圧器4の初期励磁を開始することで、同期電動機4のバイパス回路10を介した始動から、主回路9による駆動への切り換えに要する時間がさらに短縮できる。このため、切り換え時に減衰する回転数をさらに低減できて、安定してスムーズに定格運転に移行できる。なお、昇圧変圧器4の初期励磁が完了すると、遮断機17をオンしてインバータ8からの交流電力を昇圧変圧器4を介して同期電動機5に供給するが、この遮断機17のオンは、遮断機18のオフによるバイパス回路10の遮断後に行う。
また、図2に示すように、制御回路30a内にタイマ41を備えて、運転開始接点32がオン後にタイマ41により所定の時間経過を検出して、切り換え操作回路33aを動作させ、断路器16をオンして昇圧変圧器4の初期励磁を開始しても良い。このとき、断路器16をオンして昇圧変圧器4の初期励磁を開始するのは、遮断機18がオン状態でもよく、昇圧変圧器4の初期励磁開始時点を容易に設定でき、主回路9による駆動への切り換えに要する時間が短縮でき、安定してスムーズに定格運転に移行できる。
【0015】
実施の形態3.
なお、上記実施の形態1では、遮断機18のオフ動作によるバイパス回路10の遮断は、電機子電流の絞り込みから電機子電流が零になるのに要する所定時間を予め設定して行ったが、この実施の形態3では、電機子電流が確実に零になったことを確認して遮断機18をオフさせる。
図3に示すように、制御回路30b内の電流制御器37では、電流検出器20で検出されるインバータ8の出力電流帰還値を速度制御器36からの電機子電流指令値と一致するように制御するが、この出力電流帰還値を切り換え操作回路33bに入力し、電機子電流である出力電流帰還値が零になったことを検出して遮断機18をオフする。これにより、電機子電流を確実に零にして遮断機18をオフすることができ、遮断機18が低周波の電流を遮断して接点寿命を短くすることが防止でき、信頼性が向上する。また、遮断機18を断路器にすることも可能となり安価で信頼性の高い装置構成が得られる。
【0016】
実施の形態4.
上記実施の形態3では、インバータ8の出力電流を検出する電流検出器20を主回路9とバイパス回路10との分岐点よりインバータ8側に配したが、この実施の形態4では、図4に示すように、第1、第2の電流検出器20a、20bを設け、第1の電流検出器20aをバイパス回路10内に、第2の電流検出器20bを主回路9内のバイパス回路10との分岐点以降に配設する。制御回路30cでは、第1の電流検出器20aによりバイパス回路10を流れる同期電動機5の電機子電流を検出し、電機子電流の絞り込みから電機子電流が確実に零になったことを確認して遮断機18をオフさせる。
また、第2の電流検出器20bでは、昇圧変圧器4の初期励磁の際には励磁電流を検出し、その後の同期電動機の駆動の際には電機子電流を検出する。このため、上記実施の形態2で示したような、遮断機18のオフ以前に昇圧変圧器4の初期励磁を開始した場合にも、同期電動機5への始動電力の供給と、昇圧変圧器4の初期励磁とを並行して制御することができる。
【0017】
実施の形態5.
上記実施の形態1〜4では、昇圧変圧器4の初期励磁開始から所定の時間経過後に遮断機17をオンしていたが、この実施の形態5では、昇圧変圧器4の高圧側電圧と同期電動機5の端子電圧がほぼ等しい状態で遮断機17をオンする。
図5に示すように、昇圧変圧器4の高圧側の電圧を検出する高圧側電圧検出器43と、同期電動機5の端子電圧を検出する端子電圧検出器44とを設け、昇圧変圧器4の高圧側電圧が同期電動機5の端子電圧とほぼ等しい状態になると、切り換え操作回路33dにより遮断機17をオンする。このため、遮断機17のオン時に過電流が流れるのを防止でき、信頼性の高い安定した同期電動機の駆動装置が得られる。
【0018】
実施の形態6.
上記実施の形態5では、昇圧変圧器4の高圧側電圧検出用の電圧検出器43を設けたが、昇圧変圧器4の高圧側電圧を演算で求めても良い。
図6に示すように、昇圧変圧器4の高圧側には電圧検出器を設けず、制御回路30eにおいて、電流制御器37の出力である出力電圧指令を切り換え操作回路33eに入力する。切り換え操作回路33eでは、上記出力電圧指令を昇圧変圧器4の入力電圧として昇圧変圧器33の出力電圧(高圧側電圧)を演算し、該演算された電圧が、同期電動機5の端子電圧とほぼ等しい状態になると、遮断機17をオンする。
このため、上記実施の形態5と同様に、遮断機17のオン時に過電流が流れるのを防止でき、また昇圧変圧器4の高圧側には電圧検出器が不要になるため、安価な装置構成で、信頼性の高い安定した同期電動機の駆動装置が得られる。
【0019】
実施の形態7.
なお、上記実施の形態5、6では、分配器14の受信回路34から、電機子の位置を検出していたが、この実施の形態では、図7に示すように、同期電動機5の端子電圧検出器44の出力を分配器14の受信回路34に入力して利用する。即ち、主回路9にて昇圧変圧器4を介して同期電動機5を駆動する際、分配器14の受信回路34では、分配器14の信号から端子電圧検出器44の電圧帰還値に切り替えて電機子の位置検出を行う。これにより、同期電動機5の高速回転に対しても検出時間の遅れが少なくなり安定した同期電動機の駆動装置が得られる。
【0020】
実施の形態8.
上記実施の形態1では、バイパス回路10による同期電動機5の始動後、速度検出器35からの速度帰還値が所定速度に達すると、電機子電流を零に絞り込んだ。この実施の形態8では、図8に示すように、切り換え操作回路33cにおける遮断機18のオフ操作回路の指令信号を電流制御器37に入力する。この遮断機18のオフ操作回路は遮断機18をオフするためのリレー回路であり、このオフ操作回路への指令信号を電流制御器37に入力することで、電機子電流の零への絞り込みを開始する。この後、電機子電流が零になると、高速に遮断機18をオフできる。これにより、同期電動機5が所定速度に達してから遮断機18のオフ動作のタイミングまでの時間がほぼ均一となり、安定した同期電動機の駆動装置が得られる。
【0021】
実施の形態9.
上記実施の形態1〜8では、コンバータ6、平滑用コンデンサ7およびPWM制御方式のインバータ8で構成される1台の電力変換装置3を用いたが、この実施の形態9では、図9に示すように、コンバータ6a、6b、平滑用コンデンサ7a、7bおよびPWM制御方式のインバータ8a、8bから成る電力変換器を複数台(この場合2台)並列接続して電力変換装置3を構成する。
この同期電動機の駆動装置は、降圧用の人力変圧器2aを介して主回路用商用交流電源1と接続される電力変換装置3からの交流電力を、昇圧変圧器4aを介して同期電動機5に供給する。また、インバータ8a、8bからの交流電力を昇圧変圧器4aを介して同期電動機5に供給する主回路9と別に、昇圧変圧器4aをバイパスさせるバイパス回路10を備える。また、電力変換器を2台並列に接続したために、入力側の電流検出器19a、19b、出力側の電流検出器20c、20dおよび昇圧変圧器4aのインバータ8a、8b側の断路器16a、16bもそれぞれ2台設け、多巻線変圧器で構成される人力変圧器2a、昇圧変圧器4aおよび結合リアクトル22で組み合わせた。
また、制御回路300内の切り換え操作回路330は断路器16a、16bおよび遮断機17、18の開閉を制御し、電流制御器370は2台のインバータ8a、8bの出力電流を制御する。その他の構成は、この場合、上記実施の形態4と同様である。
このように、インバータ8a、8bを並列接続して電力変換装置3を構成したため、大容量化が容易に達成でき、安価で大容量の駆動装置が得られる。
【0022】
実施の形態10.
なお、上記実施の形態9において、2台の電力変換器の内、1台のみをバイパス回路10を用いた同期電動機5の始動に用いても良い。
図10に示すように、各インバータ8a、8bの出力側にそれぞれ昇圧変圧器4c、4dを備え、1つのインバータ8bからの交流電力を、同期電動機5の始動時に昇圧変圧器4dをバイパスするバイパス回路10を介して同期電動機5に供給する。
同期電動機5の起動容量(起動トルク)が、例えば同期電動機5の定格容量の1/2以下であれば、始動時に2台の電力変換器を用いる必要はない。この実施の形態では、同期電動機5の始動時に電流制御器37に内蔵する指令電流値リミッタを低減し、始動時は、2台の電力変換器の内1台のみ用いる。これにより、駆動装置の効率的な運転が可能になると共に、結合リアクトルが省略でき、大容量の駆動装置がさらに容易な装置構成で得られる。
【0023】
【発明の効果】
この発明に係る同期電動機の駆動装置は、電力変換器からの交流電力を昇圧変圧器を介して同期電動機に供給する主回路と、始動時に上記昇圧変圧器をバイパスして上記同期電動機に交流電力を供給するバイパス回路と、上記同期電動機の励磁系とを備えた装置構成であって、上記電力変換器を、直流電力を交流電力に変換する電圧形自励式インバータで構成し、上記バイパス回路により上記同期電動機に始動電力を供給した後、上記主回路において上記昇圧変圧器と上記同期電動機との間を遮断した状態で上記電力変換器からの交流電力により上記昇圧変圧器の初期励磁を行うものであるため、同期電動機から昇圧変圧器への過電流を抑制させる制御が必要なく、バイパス回路を介した同期電動機の始動から、主回路による駆動への切り換えに要する時間を短縮し、切り換え時に減衰する回転数を低減でき、安定してスムーズに定格運転に移行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による同期電動機の駆動装置の構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態2による同期電動機の駆動装置の構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態3による同期電動機の駆動装置の構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態4による同期電動機の駆動装置の構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態5による同期電動機の駆動装置の構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態6による同期電動機の駆動装置の構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態7による同期電動機の駆動装置の構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態8による同期電動機の駆動装置の構成図である。
【図9】 この発明の実施の形態9による同期電動機の駆動装置の構成図である。
【図10】 この発明の実施の形態10による同期電動機の駆動装置の構成図である。
【符号の説明】
3 電力変換装置、4,4a,4c,4d 昇圧変圧器、5 同期電動機、
8,8a,8b インバータ、9 主回路、10 バイパス回路、
12 励磁装置、13 界磁巻線、16,16a,16b 断路器、
17,18 遮断機、20,20c,20d 電流検出器、
20a,20b 第1、第2の電流検出器、
30,30a〜30e,300,300a 制御回路、
33,33a〜33e,330,330a 切り換え操作回路、
37,370 電流制御回路、38 PWM回路、41 タイマ、
43 高圧側電圧検出器、44 端子電圧検出器。

Claims (8)

  1. 電力変換器からの交流電力を昇圧変圧器を介して同期電動機に供給する主回路と、始動時に上記昇圧変圧器をバイパスして上記同期電動機に上記電力変換器からの交流電力を供給するバイパス回路と、上記同期電動機の励磁系とを備えた同期電動機の駆動装置において、
    上記電力変換器を、直流電力を交流電力に変換する電圧形自励式インバータで構成し、
    上記バイパス回路により上記同期電動機に始動電力を供給した後、上記主回路において上記昇圧変圧器と上記同期電動機との間を遮断した状態で上記電力変換器からの交流電力により上記昇圧変圧器の初期励磁を行い、
    該初期励磁の後、該昇圧変圧器と上記同期電動機との間を導通させて、上記主回路により上記同期電動機への電力供給を行い、
    該同期電動機への主回路による電力供給開始以前に、上記バイパス回路を遮断することを特徴とする同期電動機の駆動装置。
  2. 上記昇圧変圧器の初期励磁開始後に、上記バイパス回路を遮断することを特徴とする請求項記載の同期電動機の駆動装置。
  3. 上記バイパス回路による上記同期電動機への始動電力の供給開始からの時間を計測するタイマを備え、該タイマにて所定の時間経過を検出して上記昇圧変圧器の初期励磁を開始することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の同期電動機の駆動装置。
  4. 上記電力変換器の交流出力側に電流検出器を配して、該検出電流が電流指令に一致するように上記電力変換器の出力電圧指令を出力する電流制御手段を備え、上記電流検出器の検出電流から、上記バイパス回路を流れる上記同期電動機の電機子電流が零であることを検知して上記バイパス回路を遮断することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の同期電動機の駆動装置。
  5. 上記出力電流検出器として第1、第2の電流検出器を有して、該第1の電流検出器を上記バイパス回路内に、該第2の電流検出器を上記主回路内の上記バイパス回路との分岐点以降に配し、上記第1の電流検出器により上記バイパス回路を流れる上記同期電動機の電機子電流を検出することを特徴とする請求項記載の同期電動機の駆動装置。
  6. 上記同期電動機の端子電圧を検出する端子電圧検出器と、上記昇圧変圧器の高圧側電圧を検出する高圧側電圧検出器とを備え、上記昇圧変圧器の初期励磁により上記端子電圧検出器と上記高圧側電圧検出器との各検出電圧がほぼ等しくなったとき、上記昇圧変圧器と上記同期電動機との間を導通させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の同期電動機の駆動装置。
  7. 上記同期電動機の端子電圧を検出する端子電圧検出器と、上記電力変換器の出力電圧指令から上記昇圧変圧器の高圧側電圧を演算する手段とを備え、上記昇圧変圧器の初期励磁により、上記端子電圧検出器の検出電圧と上記演算手段による上記昇圧変圧器の高圧側電圧とがほぼ等しくなったとき、上記昇圧変圧器と上記同期電動機との間を導通させることを特徴とする請求項4または5記載の同期電動機の駆動装置。
  8. 複数個の上記電圧形自励式インバータを並列接続して上記電力変換器を構成し、上記バイパス回路による上記同期電動機への始動電力供給には、上記複数個の電圧形自励式インバータの中の1個を用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の同期電動機の駆動装置。
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