JP4459322B2 - 撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は撮像装置に係り、特には、ビデオカメラやデジタルスチルカメラでの信号処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の撮像装置としては、例えば、特開平6−339106号公報で開示された電子スチル・カメラがあり、電子スチル・カメラである撮像装置は図9で示すような構成を有するものとなっている。すなわち、図9における110は撮影レンズ、112は絞り、114は機械シャッタ、116は撮像素子、116aは赤外カットフィルタ、116bは光学ローパス・フィルタ、116cはカラー・フィルタ、118は感度補正用アンプ、120はニー補正回路、122はA/D変換器、124はセレクタ、126はランダム・アクセス・メモリ(RAM)、127はメモリ制御回路、128はディジタル信号処理回路(DSP)、130はRAM、132はD/A変換器、134はローパス・フィルタ(LPF)、136は加算器、138はアンプ、142はバンドパス・フィルタ(BPF)、148はマイクロ・コンピュータ(MPU)、150は操作パネル、152はリードオンリー・メモリ(ROM)、154はメモリカード、156はインターフェース(I/F)である。
【0003】
そのため、この撮像装置においては、撮像素子116から出力されてきたアナログ信号がA/D変換器122でもって10ビットのディジタルデータに変換されており、変換されたディジタルデータはセレクタ124を介したうえでRAM126に入力して格納される。また、セレクタ124を介して入力するディジタルデータは、DSP128でもって輝度信号及び色差信号(YCデータ)に変換された後、再びセレクタ124を介してRAM126でもって格納されることになる。さらに、RAM126に格納されたYCデータは、D/A変換器132によってアナログ信号に変換されたうえで出力される。
【0004】
ところで、この際におけるメモリ126の割当て状態は、図10で示すようになっている。すなわち、メモリ126は16ビット語長である2つのメモリM1とM2とからなり、一方のメモリM1を深さ方向で2分したうえ、第1フィールド及び第2フィールドの輝度データは同一アドレスで異なる深さ位置に格納される。つまり、例えば、第2フィールドをビットD0〜D7に格納し、かつ、第1フィールドをビットD8〜D15に格納することが行われる。これに対し、他方のメモリM2では、撮像素子116による撮影画像データが下位10ビットのD0〜D9に格納されることになり、上位6ビットのD10〜D15には標準形態の色差信号がCr,Cb,Cr,……というような点順次で格納される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の撮像装置では、m×nの画像データを格納するのに際してn×m×16ビットのメモリを2個も要することになり、大量のメモリ容量を必要とすることが避けられないという不都合が生じていた。
【0006】
本発明はこのような不都合に鑑みて創案されたものであり、メモリ容量の削減を図ることができ、小型であると同時に低コストである撮像装置の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る撮像装置は、撮像素子からの出力をアナログ−デジタル変換(A/D変換)して撮像データを出力するA/D変換手段と、前記撮像データを輝度信号及び色差信号(YCデータ)に変換するYC信号処理手段と、を少なくとも含む複数の処理手段と、前記各処理手段に共通に設けられたメモリ手段と、前記各処理手段と前記メモリ手段との間のアクセスを制御する制御手段とを具備しており、前記制御手段は、前記メモリ手段から前記撮像データを読み出し、前記YC信号処理手段から出力されるYCデータを、撮像データが格納されているワード数と等しいワード数でもって、前記メモリ手段の前記読み出した撮像データの格納領域に上書きして格納する。この構成であれば、YCデータを撮像データに上書きして書き込むことを行うので、必要なメモリ容量を従来の半分以下とすることが可能になる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に係る撮像装置は、撮像素子からの出力をアナログ−デジタル変換(A/D変換)して撮像データを出力するA/D変換手段と、前記撮像データを輝度信号及び色差信号(YCデータ)に変換するYC信号処理手段と、を少なくとも含む複数の処理手段と、前記各処理手段に共通に設けられたメモリ手段と、前記各処理手段と前記メモリ手段との間のアクセスを制御する制御手段とを具備しており、前記制御手段は、前記メモリ手段から前記撮像データを読み出し、前記YC信号処理手段から出力されるYCデータを、撮像データが格納されているワード数と等しいワード数でもって、前記メモリ手段の前記読み出した撮像データの格納領域に上書きして格納する。
【0009】
本発明の請求項2に係る撮像装置は、撮像素子からの出力をアナログ−デジタル変換(A/D変換)して撮像データを出力するA/D変換手段と、前記撮像データを輝度信号及び色差信号(YCデータ)に変換するYC信号処理手段と、を少なくとも含む複数の処理手段と、前記各処理手段に共通に設けられたメモリ手段と、前記各処理手段と前記メモリ手段との間のアクセスを制御する制御手段とを具備しており、前記A/D変換手段は、1つの画素についてpビットの撮像データを出力し、前記制御手段は、複数の画素の前記pビットの撮像データをそれぞれ8ビットとp−8ビットとに分割し、一の前記画素の8ビットまたはp−8ビットの撮像データと、他の前記画素の8ビットまたはp−8ビットの撮像データとを、前記メモリ手段の1ワードに格納し、前記制御手段は、前記メモリ手段から前記撮像データを読み出し、前記YC信号処理手段から出力されるYCデータを前記メモリ手段の前記読み出した撮像データの格納領域に上書きして格納する。本発明の請求項3に係る撮像装置は請求項1または2に記載したものであり、YCデータを圧縮処理して圧縮符号を出力する圧縮手段を前記処理手段としてさらに含み、前記制御手段は、前記圧縮手段から出力される圧縮符号をYCデータの先頭アドレス近傍からYCデータに上書きして格納する。
【0010】
本発明の請求項4に係る撮像装置は請求項1または2に記載したものであり、記録媒体に記録された圧縮符号を再生する再生手段と、前記再生した圧縮符号を伸長してYCデータを出力する伸長手段とを前記処理手段としてさらに含む。
【0011】
本発明の請求項5に係る撮像装置は請求項4に記載したものであって、前記制御手段は、前記伸長手段から出力されるYCデータを前記メモリ手段に書き込み、前記再生手段から出力される圧縮符号をYCデータの最後尾アドレス近傍の格納領域においてYCデータに重ねて格納する。
【0012】
本発明の請求項6に係る撮像装置は請求項1または2に記載したものであり、YCデータに基づいて表示データを生成する表示生成手段を前記処理手段としてさらに含む。
【0013】
本発明の請求項7に係る撮像装置は請求項6に記載したものであり、前記制御手段は、前記表示生成手段から出力される表示データをYCデータの先頭アドレス近傍からYCデータに上書きして格納する。
【0014】
本発明の請求項8に係る撮像装置は請求項1または2に記載したものであり、前記YC処理手段は、動画処理時には、前記A/D変換手段で出力される撮像データを前記メモリ手段を介さずに入力してYCデータを生成する一方、静止画処理時には、前記A/D変換手段で出力される撮像データを前記メモリ手段から入力してYCデータを生成する。
【0015】
本発明の請求項9に係る撮像装置は請求項1または2に記載したものであり、YCデータを圧縮処理して圧縮符号を出力する圧縮手段を前記処理手段としてさらに含み、内部バッファを備え、前記制御手段は、前記圧縮手段で出力される圧縮符号を前記内部バッファを介して前記メモリ手段に書き込むよう制御可能であり、前記内部バッファが一杯になったか否かに応じて、前記圧縮手段と前記メモリ手段との間のアクセスを制御する。
【0016】
本発明の請求項10に係る撮像装置は請求項1または2に記載したものであり、圧縮符号を伸長してYCデータを出力する伸長手段を前記処理手段としてさらに含み、内部バッファを備え、前記制御手段は、前記伸長手段で出力されるYCデータを前記内部バッファを介して前記メモリ手段に書き込むよう制御可能であり、前記内部バッファが一杯になったか否かに応じて、前記伸長手段と前記メモリ手段との間のアクセスを制御する。
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係る撮像装置の構成を示すブロック図、図2はメモリ手段における撮像データのアドレス割当て状態を示す説明図、図3はメモリ手段におけるYCデータのアドレス割当て状態を示す説明図であり、図4はメモリ手段からの撮像データの読み出し動作とYCデータの書き込み動作との関係を示すタイミングチャートである。また、図5はメモリ手段の圧縮動作時におけるJPEG符号のアドレス割当て状態を示す説明図であり、図6はメモリ手段の伸長動作時におけるJPEG符号及び表示データのアドレス割当て状態を示す説明図である。
【0019】
本実施の形態に係る撮像装置は、図1で示すような構成を有しており、図1中の1は撮影レンズ、2は絞り、3は撮像素子(CCD)、4はアナログ信号処理回路(CDS/AGC)、5はA/D変換器、6はメモリ手段(DRAM)、7は撮像ライト・メモリ制御回路、8はメモリ制御切替手段、9は撮像リード・メモリ制御回路、10はYC信号処理回路、11はYCライト・メモリ制御回路、12はJPEG画像メモリ制御回路、13はJPEG圧伸回路、14はJPEG符号メモリ制御回路、15はズーム・リード・メモリ制御回路、16はズーム回路、17はズーム・ライト・メモリ制御回路、18は表示リード・メモリ制御回路、19はOSD回路、20はビデオエンコーダ、21はマイクロコンピュータ(MPU)、22は不揮発性の記録媒体であるメモリカードを示している。
【0020】
そして、撮影レンズ1と光量を調節する絞り2とによっては被写体の光学像をCCD3上に結像する光学系が構成されており、CCD3は結像した光学像を電気信号に変換するものである一方、アナログ信号処理回路4は、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling)や自動ゲイン調整(Automatic Gain Control)などから構成されている。また、A/D変換器5はCCD3から出力されてきたアナログ信号をディジタル信号に変換して撮像データを出力するもの、DRAM6は撮像データなどを一時的に記憶するもの、撮像ライト・メモリ制御回路7は撮像データをDRAM6に書き込むためのメモリ制御を行うものであり、メモリ制御切替手段8は撮像ライト・メモリ制御回路7など複数のメモリ制御回路から出力される制御信号を選択してDRAM6に供給するものである。
【0021】
さらに、撮像リード・メモリ制御回路9はDRAM6から撮像データを読み出してYC信号処理回路10に供給するもの、YC信号処理回路10は撮像データを輝度信号及び色差信号(YCデータ)に変換したうえで出力するもの、YCライト・メモリ制御回路11はYCデータをDRAM6に書き込むものであり、JPEG画像メモリ制御回路12は、圧縮動作時にはDRAM6からYCデータを読み出し、かつ、伸長動作時にはDRAM6に対してYCデータを書き込むことになっている。そして、JPEG圧伸回路13は、圧縮動作時にはYCデータの入力に対してJPEG符号を出力し、伸長動作時にはJPEG符号の入力に対してYCデータを出力するものであり、JPEG符号メモリ制御回路14は、圧縮動作時にはDRAM6にJPEG符号を書き込み、伸長動作時にはDRAM6からJPEG符号を読み出すものである一方、ズーム・リード・メモリ制御回路15はDRAM6からYCデータを読み出してズーム回路16に供給するものである。
【0022】
さらにまた、ズーム回路16は表示データ生成や画角調整のためにYCデータを拡大処理または縮小処理するもの、ズーム・ライト・メモリ制御回路17はズーム回路16が出力するYCデータをメモリ手段6に書き込むもの、表示リード・メモリ制御回路18は表示データをDRAM6から読み出すものであり、OSD回路19は、On Screen Displayのため、表示データに対して文字などのデータを重ねて出力するものである。そして、ビデオエンコーダ20は、入力されたYCデータをNTSCやPALなどのような放送方式に合わせてクロマ変調などしたうえでビデオ信号を出力するものであり、MPU21は、圧縮動作時にはDRAM6からJPEG符号を読み出してメモリカード22に書き込み、また、伸長動作時にはメモリカード22からJPEG符号を読み出してDRAM6に書き込むものである一方、メモリカード22はJPEG符号を記録するものとなっている。
【0023】
つぎに、本実施の形態に係る撮像装置の動作を、図2ないし図6に基づいて説明する。まず、撮影レンズ1及び絞り2を介して結像した被写体の光学像はCCD3で光電変換されることになり、アナログ信号処理回路4で処理されたアナログ信号はA/D変換器5によってp(=8+r)ビットの撮像データ、例えば、10ビットのディジタルデータに変換される。そして、この際におけるDRAM6でのアドレス割当て状態は、図2で示すようになる。すなわち、このDRAM6は1ワードが16ビット幅で構成されたものであり、垂直のmラインと水平のn画素とで表される撮像データを、m個のローアドレスとn×0.75個のコラムアドレスとからなる格納領域でもって格納している。
【0024】
つまり、図2中のSi,j[a:b]は、jライン目(0≦j<m)の第i番目(0≦i<n)の画素の撮像データのbビット目からaビット目まで(b−a+1)ビットのデータを示しており、0ライン目の最初の4画素の撮像データであるS0,0[9:0]、S1,0[9:0]、S2,0[9:0]、S3,0[9:0]のそれぞれはMSB側の8ビットとLSB側の2ビット(rビット)とに分割されたうえ、S0,0[9:0]の上位8ビットとS1,0[9:0]の上位8ビットSが同じワードの16ビットとして格納され、S2,0[9:0]の上位8ビットとS3,0[9:0]の上位8ビットとが同じワードの16ビットとして格納される一方、これら4画素それぞれの下位2ビットであるS0,0[1:0]、S1,0[1:0]、S2,0[1:0]、S3,0[1:0]の合計して8ビットは次のアドレスの同一ワードに対して格納される。以下同様に、4画素を3ワードに格納するアドレス割当てを実行することにより、n×m画素の10ビットの撮像データが、n×m×0.75の幅16ビットの1ワードに対して格納される。
【0025】
そこで、撮像リード・メモリ制御回路9はDRAM6から撮像データを読み出したうえでYC信号処理回路10へと供給することになり、このYC信号処理回路10は、入力してきた撮像データから輝度信号及び色差信号を生成し、輝度8ビット及び色差8ビットからなるYCデータを出力する。一方、YCライト・メモリ制御回路11は、図3で示すようなアドレス割当て状態となるようにしながらDRAM6に対してYCデータを書き込むことになる。すなわち、図3はDRAM6におけるYCデータのアドレス割当て状態を示しており、図3中のYi,j[7:0]はjライン目(0≦j<m)の第i番目(0≦i<n)の画素の8ビットの輝度信号を、Cbi,j[7:0]はjライン目の第i番目の画素の8ビットの(B−Y)色差信号を示し、Cri,j[7:0]はjライン目の第i番目の画素の8ビットの(R−Y)色差信号を示している。
【0026】
そのため、DRAM6に書き込まれるYCデータはY:Cb:Cr=4:1:1の形式に従っており、4画素の輝度信号Y0,0[7:0]、Y1,0[7:0]、Y2,0[7:0]、Y3,0[7:0]の各々に対しては、(RーY)と(BーY)との各1画素の色差信号Cb0,0[7:0]及びCr0,0[7:0]が格納される。以下同様にして4画素の輝度信号及び色差信号をDRAM6の3ワードに割当てることにより、n×m画素の4:1:1の輝度信号及び色差信号がn×m×0.75のワードに対して格納される。
【0027】
ところで、図4のタイミングチャートは、メモリ制御切替手段8、撮像リード・メモリ制御回路9及びYCライト・メモリ制御手段11によるDRAM6から撮像データの読み出し動作とYCデータの書き込み動作との関係を示しており、本実施の形態に係る撮像装置では、MCLKの16クロックの期間で6ワードの撮像データが読み出されることになり、次のMCLKの16クロックの期間で6ワードのYCデータが書き込まれる。そして、6ワードの撮像データは8画素の撮像データに相当し、かつ、6ワードのYCデータは8画素のYCデータに相当するから、MCLKの32クロックの間には8画素の撮像データの読み出しと8画素のYCデータの書き込みとが実行されていることになり、このような動作が繰り返される結果、撮像データをDRAM6から読み出してYC信号処理回路10へと供給し、このYC信号処理回路10から出力されたYCデータがDRAM6に対して書き込まれたことになる。
【0028】
以上説明したように、図2及び図3で示されるアドレス割当て状態と図4で示されるタイミングチャートとに従って撮像ライト・メモリ制御回路7が撮像データをDRAM6に格納し、かつ、YCライト・メモリ制御回路12がYCデータをDRAM6に格納することにより、撮像データとYCデータとはDRAM6の容量が等しい格納領域に格納される。すなわち、YCデータが得られた後においては撮像データが不要になり、また、YC信号処理回路10には撮像データが読み出されてからYCデータが書き込まれるまでの遅延時間があるため、撮像データとYCデータとをDRAM6における同一の格納領域に対して格納することが可能であり、ここでは、n×m×0.75×16ビットの格納領域に対して撮像データとYCデータとの両方が格納されたことになる。したがって、従来の撮像装置にあっては、図10で示したように、n×m×2×16ビットの格納領域を必要としていたのに比べると、半分以下のメモリ容量でもって同等の機能を実現できたことになる。
【0029】
さらに、図5はDRAM6の圧縮動作時におけるJPEG符号のアドレス割当て状態を示しており、圧縮動作時においては、JPEG画像メモリ制御回路12がDRAM6からYCデータを読み出してJPEG圧伸回路13に供給し、このJPEG圧伸回路13がJPEG符号を出力するため、JPEG符号メモリ制御回路14がJPEG符号をDRAM6に書き込むことが実行される。なお、撮像装置が表示手段を具備しておらず、圧縮動作後のYCデータが不要となる際は、JPEG符号をYCデータの先頭近傍のアドレスから書き込んでもよい。ところで、JPEG符号のデータ量はYCデータの容量より少ないことと、JPEG圧伸回路13にはYCデータの読み出しからJPEG符号の書き込みまでの遅延時間があることから、JPEG符号をYCデータの先頭から書き込んでも圧縮動作に必要なYCデータが破壊されることは起こり得ないこととなる。
【0030】
一方、撮像装置が表示手段を具備しており、圧縮動作後にもYCデータが必要となる際には、JPEG符号をYCデータとは別の格納領域に書き込む必要があるため、DRAM6がn×m×0.75ワード以外にもJPEG符号の格納領域を有していなければならないが、n×mに比較して少ない格納領域で済むことは勿論である。すなわち、例えば、640×480画素の撮像データとYCデータとを格納する際には、640×480×0.75=225キロワード=450Kバイトの格納領域が必要となるが、非常に高画質の圧縮を実行する場合であってもJPEG符号としては150Kバイトもあれば十分であるため、撮像データ及びYCデータのそれぞれに対して各別の格納領域を確保する場合でもDRAM6はn×m×16ビットの容量を有してさえいれば十分であり、従来の撮像装置ではn×m×2×16ビットの格納領域が必要であったことに比較すると、メモリ容量は半分でよいこととなる。
【0031】
さらに、DRAM6に書き込まれたJPEG符号はMPU21によって読み出されたうえ、ファイル形式に変換してメモリカード22へと書き込まれるが、再生及び伸長動作においてはMPU21がメモリカード22からファイルを読み出し、JPEG符号を取り出したうえでDRAM6に書き込むことが実行される。そして、DRAM6の伸長動作時におけるJPEG符号及び表示データのアドレス割当て状態は、図6で示しているようになる。すなわち、MPU21は、ファイルサイズなどからJPEG符号量を求めたうえ、YCデータの最後尾アドレス近傍の圧縮符号を格納するのに十分な格納領域に対してJPEG符号を格納することになり、JPEG符号メモリ制御回路14は、DRAM6からJPEG符号を読み出したうえでJPEG圧伸回路13へと供給する。
【0032】
すると、JPEG圧伸回路13は、伸長動作時には伸長画像をYCデータとして出力することになり、JPEG画像メモリ制御回路12は、図6及び図3で示したアドレス割当て状態に従ってYCデータをDRAM6へと書き込むこととなる。なお、この際においては、JPEG符号が書き込まれていたのと同じアドレスに対してYCデータを書き込むことが実行されるが、JPEG符号の方が伸長画像データよりもデータ量が少なく、JPEG符号が伸長画像データの最後尾近傍に格納されており、しかも、JPEG圧伸回路13にはJPEG符号が読み出されてから伸長画像が書き込まれるまでの遅延時間があるため、伸長動作に必要なJPEG符号が破壊されることはない。
【0033】
そして、伸長動作が終了すると、ズーム回路16によって表示データを生成することが実行されるが、例えば、1280×960画素などというように伸長された画像がNTSCやPALなどのビデオ信号とは異なるライン数で構成されている場合などは、ズーム回路16の拡大処理及び縮小処理によってビデオ信号に合致した表示データが生成される。また、このときのズーム・リード・メモリ制御回路15はDRAM6からYCデータを読み出したうえでズーム回路16へと供給することになり、ズーム回路16から拡大処理及び縮小処理したうえで出力されてくるYCデータをズーム・ライト・メモリ制御回路17がDRAM6へと書き込むことになる。
【0034】
ところで、ズーム回路16が縮小処理を実行している場合には、図6で示すように、表示データをYCデータが格納された格納領域の先頭アドレス近傍から書き込めばよく、このようにすれば、YCデータよりも表示データの方が少ないことと、ズーム回路16にはYCデータが読み出されてから表示データが書き込まれるまでの遅延時間があるから、表示データの生成に必要なYCデータを破壊せずに読み出すことが可能となる。また、伸長されたYCデータの方が表示データよりも少なく、ズーム回路16が拡大処理を実行している場合には、伸長されたYCデータをYCデータが格納された格納領域の最後尾のアドレス近傍に対して配置することにより、表示データの生成に必要なYCデータの破壊を防ぐことができる。
【0035】
以上説明したように、本実施の形態に係る構成とされた撮像装置であれば、撮像データ、YCデータ、JPEG符号、表示データのそれぞれを同一のアドレスに格納することにより、n×m画素の画像データの撮影/圧縮/伸長動作のために必要となるメモリ量を、n×m×16ビットまでに抑え得ることとなる。したがって、従来の撮像装置にあっては、図10で示しているように、n×m×2×16ビットのメモリ量が必要だったにも拘わらず、本実施の形態に係る撮像装置では、半分のメモリ量で同等の機能を容易に実現できていることになる。
【0036】
(実施の形態2)
図7は実施の形態2に係る撮像装置の構成を示すブロック図であり、この実施の形態2に係る撮像装置が実施の形態1に係る撮像装置と異なる点は、CCD3よりも前側の絞り2寄り位置に機械シャッタ30を設置している点と、YC信号処理回路32の入力段側にセレクタ31を追加している点と、YC信号処理回路32がカメラ制御信号を出力する点とにある。なお、本実施の形態に係る撮像装置の基本的な構成は実施の形態1に係る撮像装置と異ならないので、図7において図1と互いに同一となる手段については同一符号を付し、ここでの詳しい説明は省略する。
【0037】
本実施の形態に係る撮像装置が備えるCCD3は、順次走査による全画素の読み出しに対応しておらず、CCD3からの出力信号を動画として表示する動作、つまり、撮像装置における画角確認のための動画表示モードでは、2ラインが混合された信号を出力する一方、機械シャッタ30が押されたときの記録動作(静止画記録モード)には、飛び越し走査順で全画素が独立した信号を出力することになっている。そして、セレクタ31は、YC信号処理回路32に対して動画表示モードではA/D変換器5から出力された撮像データを供給し、静止画記録モードでは撮像リード・メモリ制御回路9から出力された撮像データを供給するものであり、YC信号処理回路32は、動画表示モード時に入力してきた撮像データを輝度信号と色差信号とに変換したうえ、ALC(自動露光制御)に必要な輝度データやAWB(自動白バランス制御)に必要な色差データ、あるいは、AF(自動合焦制御)に必要な輝度信号の高周波データをカメラ制御信号としてMPU21に対して出力するものとなっている。
【0038】
すなわち、DRAM6へと書き込まれたうえで読み出された撮像データの方がCCD3から出力されてくる撮像データよりも1フィールド時間だけ遅延するため、静止画記録モードでは遅延した撮像データがYC信号処理回路32へと供給されており、遅延した撮像データが入力するYC信号処理回路32から出力されるALC、AWB、AFなどのカメラ制御信号には遅れ時間が発生する結果としてMPU21によるカメラ制御の応答が遅くなる。そこで、静止画記録モードにおいては、高画質信号処理のため、YC信号処理回路32に対して順次走査の順で撮像データを入力することとし、A/D変換器5から出力される飛び越し走査順で全画素が独立した撮像データを撮像リード・メモリ制御回路9によって順次走査の順に変換したうえでYC信号処理回路32に対して供給することが実行される。
【0039】
これに対し、動画表示モードでは、A/D変換器5から出力される撮像データをそのままYC信号処理回路32へと供給し、CCD3の動作に対して遅延の少ないカメラ制御信号をYC信号処理回路32からMPU21へと供給することにより、応答の速いカメラ制御が実現されている。したがって、本実施の形態に係る撮像装置であれば、YC信号処理回路32へと供給される撮像データをセレクタ31によって動作表示モードと静止画記録モードとで切り替えることにより、動作表示モードでは応答の速いカメラ制御を実現しながら、静止画記録モードでは高画質の信号処理を実現することが可能になる。
【0040】
(実施の形態3)
図8は実施の形態3に係る撮像装置の構成を示すブロック図であり、この実施の形態3に係る撮像装置が実施の形態2に係る撮像装置と異なる点は、JPEG画像メモリ制御回路40が画像バッファフル信号、つまり、内部バッファがYCデータで一杯になったことを示す信号を出力するものである点と、JPEG符号メモリ制御回路41が符号バッファフル信号、つまり、内部バッファが圧縮符号で一杯になったことを示す信号を出力するものである点とにある。なお、図8においてはメモリ制御切替手段に符号42を付しており、他の図7と互いに同一となる手段については同一符号を付している。
【0041】
本実施の形態に係る撮像装置が備えるJPEG画像メモリ制御回路40は、6ワード=12バイトの内部バッファを有しており、伸長動作時に内部バッファが一杯になると、画像バッファフル信号をアクティブに設定するものであり、JPEG符号メモリ制御回路41は、6ワード=12バイトの内部バッファを有し、圧縮動作時に内部バッファが一杯になると、符号バッファフル信号をアクティブに設定するものとなっている。そして、本実施の形態に係る撮像装置では、画像バッファフル信号及び符号バッファフル信号を利用しているため、実施の形態1及び実施の形態2よりも圧縮動作時及び伸長動作時における画像データの読み書き速度を上げて所要時間の短縮を図ることが可能となる。
【0042】
以下、その動作原理を説明するが、実施の形態1及び実施の形態2では、図4に基づき、撮像リード・メモリ制御手段9とYCライト・メモリ制御手段11との制御信号をメモリ制御切替手段8によって切り替えてDRAM6に供給することによって撮像データの読み出しとYCデータの書き込みとの切り替えを実行しており、圧縮動作時には画像データの読み出し及びJPEG符号の書き込みを、また、伸長動作時にはJPEG符号の読み出し及び画像データの書き込みを交互に繰り返してJPEG符号の圧縮及び伸長を行うことを説明している。
【0043】
これに対し、本実施の形態では、圧縮動作時におけるJPEG符号メモリ制御回路41の符号バッファフル信号がアクティブになれば、メモリ制御切替手段42がJPEG符号メモリ制御回路41から出力される制御線を選択したうえでDRAM6に供給し、このJPEG符号メモリ制御回路41が6ワードである内部バッファに格納されたJPEG符号を出力することによってJPEG符号の書き込み動作が行われる。しかしながら、この際におけるJPEG符号の量は、YCデータよりも少ないため、YCデータの読み出し動作が何度か繰り返された後にJPEG符号の書き込みが行われることになり、その結果、YCデータの読み出しとJPEG符号の書き込みとを交互に行う実施の形態1及び実施の形態2に係る撮像装置に比較すると、実施の形態3に係る撮像装置の方が圧縮動作におけるYCデータの読み出しを速く実行し得ることとなり、JPEG圧縮の所要時間が短縮されることになる。
【0044】
また、伸長動作においては、JPEG画像メモリ制御回路40からの画像バッファフル信号がアクティブになれば、メモリ制御切替手段42がJPEG画像メモリ制御回路40から出力される制御線をDRAM6に対して供給することになり、JPEG画像メモリ制御回路40が6ワードである内部バッファに格納されたYCデータを出力することに伴う書き込みが行われる。ところが、この際におけるYCデータの量は、JPEG符号よりも多いため、YCデータの書き込み動作が何度か繰り返された後でJPEG符号の読み出しが行われる。したがって、実施の形態3に係る撮像装置では、実施の形態1及び実施の形態2よりも伸長動作時におけるYCデータの書き込みを速く実行することが可能となり、JPEG伸長の所要時間を短縮し得ることとなる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る撮像装置によれば、必要とするメモリ容量の大幅な削減を図ることが可能となり、小型であると同時に低コストである撮像装置を提供することができるという効果が得られる。また、応答の速いカメラ制御と高画質信号処理を両立させることができるばかりか、圧縮動作及び伸張動作の所要時間を短縮することができるという効果も確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】メモリ手段における撮像データのアドレス割当て状態を示す説明図である。
【図3】メモリ手段におけるYCデータのアドレス割当て状態を示す説明図である。
【図4】メモリ手段からの撮像データの読み出し動作とYCデータの書き込み動作との関係を示すタイミングチャートである。
【図5】メモリ手段の圧縮動作時におけるJPEG符号のアドレス割当て状態を示す説明図である。
【図6】メモリ手段の伸長動作時におけるJPEG符号及び表示データのアドレス割当て状態を示す説明図である。
【図7】実施の形態2に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態3に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図9】従来の形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図10】メモリ手段における割当て状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 撮影レンズ
2 絞り
3 CCD(撮像素子)
4 アナログ信号処理回路
5 A/D変換器(A/D変換手段)
6 DRAM(メモリ手段)
7 撮像ライト・メモリ制御回路(メモリ制御手段)
8 メモリ制御切替手段
9 撮像リード・メモリ制御回路(メモリ制御手段)
10 YC信号処理回路(YC信号処理手段)
11 YCライト・メモリ制御回路(メモリ制御手段)
12 JPEG画像メモリ制御回路(メモリ制御手段)
13 JPEG圧伸回路(圧縮手段)
14 JPEG符号メモリ制御回路(メモリ制御手段)
15 ズーム・リード・メモリ制御回路(メモリ制御手段)
16 ズーム回路
17 ズーム・ライト・メモリ制御回路(メモリ制御手段)
18 表示リード・メモリ制御回路(メモリ制御手段)
19 OSD回路
20 ビデオエンコーダ
21 MPU(記録手段)
22 メモリカード(記録媒体)
30 機械シャッタ
31 セレクタ
32 YC信号処理回路(YC信号処理手段)
40 JPEG画像メモリ制御回路(メモリ制御手段)
41 JPEG符号メモリ制御回路(メモリ制御手段)
42 メモリ制御切替手段
Claims (10)
- 撮像素子からの出力をアナログ−デジタル変換(A/D変換)して撮像データを出力するA/D変換手段と、前記撮像データを輝度信号及び色差信号(YCデータ)に変換するYC信号処理手段と、を少なくとも含む複数の処理手段と、
前記各処理手段に共通に設けられたメモリ手段と、
前記各処理手段と前記メモリ手段との間のアクセスを制御する制御手段とを具備しており、
前記制御手段は、前記メモリ手段から前記撮像データを読み出し、前記YC信号処理手段から出力されるYCデータを、撮像データが格納されているワード数と等しいワード数でもって、前記メモリ手段の前記読み出した撮像データの格納領域に上書きして格納することを特徴とする撮像装置。 - 撮像素子からの出力をアナログ−デジタル変換(A/D変換)して撮像データを出力するA/D変換手段と、前記撮像データを輝度信号及び色差信号(YCデータ)に変換するYC信号処理手段と、を少なくとも含む複数の処理手段と、
前記各処理手段に共通に設けられたメモリ手段と、
前記各処理手段と前記メモリ手段との間のアクセスを制御する制御手段とを具備しており、
前記A/D変換手段は、1つの画素についてpビットの撮像データを出力し、
前記制御手段は、複数の画素の前記pビットの撮像データをそれぞれ8ビットとp−8ビットとに分割し、一の前記画素の8ビットまたはp−8ビットの撮像データと、他の前記画素の8ビットまたはp−8ビットの撮像データとを、前記メモリ手段の1ワードに格納し、
前記制御手段は、前記メモリ手段から前記撮像データを読み出し、前記YC信号処理手段から出力されるYCデータを前記メモリ手段の前記読み出した撮像データの格納領域に上書きして格納することを特徴とする撮像装置。 - YCデータを圧縮処理して圧縮符号を出力する圧縮手段を前記処理手段としてさらに含み、
前記制御手段は、前記圧縮手段から出力される圧縮符号をYCデータの先頭アドレス近傍からYCデータに上書きして格納することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。 - 記録媒体に記録された圧縮符号を再生する再生手段と、前記再生した圧縮符号を伸長してYCデータを出力する伸長手段とを前記処理手段としてさらに含む、
請求項1または2に記載の撮像装置。 - 前記制御手段は、前記伸長手段から出力されるYCデータを前記メモリ手段に書き込み、前記再生手段から出力される圧縮符号をYCデータの最後尾アドレス近傍の格納領域においてYCデータに重ねて格納することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
- YCデータに基づいて表示データを生成する表示生成手段を前記処理手段としてさらに含む、
請求項1または2に記載の撮像装置。 - 前記制御手段は、前記表示生成手段から出力される表示データをYCデータの先頭アドレス近傍からYCデータに上書きして格納することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
- 前記YC処理手段は、
動画処理時には、前記A/D変換手段で出力される撮像データを前記メモリ手段を介さずに入力してYCデータを生成する一方、
静止画処理時には、前記A/D変換手段で出力される撮像データを前記メモリ手段から入力してYCデータを生成することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。 - YCデータを圧縮処理して圧縮符号を出力する圧縮手段を前記処理手段としてさらに含み、
内部バッファを備え、
前記制御手段は、前記圧縮手段で出力される圧縮符号を前記内部バッファを介して前記メモリ手段に書き込むよう制御可能であり、前記内部バッファが一杯になったか否かに応じて、前記圧縮手段と前記メモリ手段との間のアクセスを制御することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。 - 圧縮符号を伸長してYCデータを出力する伸長手段を前記処理手段としてさらに含み、
内部バッファを備え、
前記制御手段は、前記伸長手段で出力されるYCデータを前記内部バッファを介して前記メモリ手段に書き込むよう制御可能であり、前記内部バッファが一杯になったか否かに応じて、前記伸長手段と前記メモリ手段との間のアクセスを制御することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
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