JP4178432B2 - 記憶装置及び記憶方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は記装置及び記法に関し、例えばビデオカメラの撮像結果として得られる映像音声データをパーソナルコンピュータを用いて編集する編集システムに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の編集システムでは、ビデオカメラの撮像結果として得られる映像音声データを、パーソナルコンピュータ内のハードディスクに全て記録しておき、必要に応じて当該ハードディスクに記録された映像音声データのうちユーザが所望する映像音声部分を所望の順番で繋ぎ合わせるようにしてノンリニア編集を行うようになされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このパーソナルコンピュータにおいて、一般的に10分間の映像音声データを記録するために要求されるハードディスクの記憶容量は約2ギガバイドであり、このためビデオカメラから得られる映像音声データを全て記録するには、より一層大容量のハードディスクを内蔵することが要求される。
【0004】
また、このパーソナルコンピュータにおいて、ビデオカメラから得られる映像音声データをハードディスクに全て記録するには非常に時間がかかり、このようなバックアップに要する時間の長さに比例してノンリニア編集に要する時間も長くなるため、実用上十分でないという問題があった。
【0005】
実際にユーザかビデオカメラから得られる映像音声データのうち、編集時に必要とする映像音声部分のみをハードディスクに格納させれば良いのであるが、編集時に必要とされない映像音声部分までも全てハードディスクに格納させるため、その分だけ編集前の待ち時間が長くなるという問題があった。
【0006】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、記媒体の使用効率を格段と向上し得る記装置及び記法を提案しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、フレーム画像データを所定の圧縮率で圧縮することによって当該フレーム画像データよりも高圧縮率で圧縮された高圧縮フレーム画像データを生成する高圧縮フレーム画像データ生成手段と、フレーム画像データと高圧縮フレーム画像データとを同期させて、当該フレーム画像データと当該高圧縮フレーム画像データとに対しそれぞれ同一のタイムコードを順次付加するタイムコード付加手段と、フレーム画像データと高圧縮フレーム画像データとをタイムコードと共に記憶媒体に記憶するタイムコード記憶手段と、タイムコードを用いフレーム画像データに対して所定の編集処理を行ったことにより得られる編集処理フレーム画像データの当該タイムコードを編集処理タイムコードとして新たに付加して記憶媒体に記憶する編集処理タイムコード記憶手段とを設けるようにした。
【0008】
この結果この記装置では、高圧縮画像データに付加されたタイムコードを用いて所定の編集処理ができ、編集処理により得られる編集処理フレーム画像データの編集処理タイムコードを新たに付加して記録媒体に記憶できるため、編集処理フレーム画像データを全て記憶媒体に記憶する場合に比べ記憶媒体に記憶する記憶データ量を削減することができる。
【0012】
この結果この記録方法では、ユーザが映像データに基づく映像群の中から所望の映像部分を検索する際に、当該映像群として第1の圧縮映像データを記録媒体に記録しておくことにより、当該映像群として映像データ又は第2の圧縮映像データを記録媒体に記録しておく場合よりも、データ圧縮率が高い分だけデータ量が少ないため当該記録媒体の記録容量を減らすことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0018】
(1)ビデオカメラシステムの構成
図1において、1は全体として本発明を適用したビデオカメラシステムを示し、ビデオカメラ2及びパーソナルコンピュータ3間がケーブル4を介して互いに接続され、パーソナルコンピュータ3の制御に応じて、ビデオカメラ2の撮像結果でなる一連の映像音声をパーソナルコンピュータ3に供給し得るようになされている。
【0019】
このビデオカメラ2では、記録時、投影レンズ10を介して入射した撮像光L1をCCD(Charge Coupled Divice :電荷結合素子)11の撮像面において光電変換することにより撮像信号S1を得、これをCDS(Correlated Double Sampling:相関2重サンプリング回路)及びAGC(Auto Gain Control :自動利得制御回路)部12に送出する。
【0020】
CDS及びAGC部12は、撮像信号S1にリセット雑音が発生する期間においてその信号レベルを所定電位でクランプすることによって雑音成分を低減すると共に、当該撮像信号S1の振幅を自動的に調整して出力を所定値に制御することによってコントラストの変動を防止する。このようにして得られた撮像信号S2は続くアナログ/ディジタル変換(A/D)部13に送出され、ディジタル撮像信号S3に変換された後、信号処理部14に送出される。
【0021】
信号処理部14は、CPU15の制御に応じて、ディジタル撮像信号S3に対してY/C分離、ガンマ補正及びホワイトバランス調整処理等を施した後、これをマトリクス処理によってビデオ信号S4に変換し、これを第1のスイッチ16を介して選択的に第1又は第2のフレームメモリ17、18に送出する。
【0022】
これら第1及び第2のフレームメモリ17、18の前後には、2個の入出力端を有する一対の第1及び第2のスイッチ16、19が設けられ、CPU15から送出される切換信号SSW1 、SSW2 に基づいて、第1及び第2のスイッチ16、19は互いに異なる位置の入出力端と接続するように連動して切り換えられる。
【0023】
CPU15は、ビデオ信号S4をフレーム単位で一方の第1又は第2のフレームメモリ17、18に書き込むと同時に他方の第2又は第1のフレームメモリ18、17から読み出す動作を交互に繰り返しながら、第2又は第1のフレームメモリ18、17から読み出されたフレーム画像データD1を第2のスイッチ回路19を介してデータ圧縮処理部20に送出すると共に、バス21を介してハードディスク装置22に送出する。
【0024】
データ圧縮処理部20では、CPU15の制御に応じて、与えられたフレーム画像データD1にMPEG(Motion Picture Experts Group)規格に基づく圧縮符号化処理を順次施すことにより画像情報が所定の圧縮率(すなわち第1の圧縮率)でデータ圧縮されたフレーム画像に変換し、これを圧縮フレーム画像データD2としてバス21を介してハードディスク装置22に送出する。
【0025】
ハードディスク装置22は、CPU15の制御に基づいて、供給されるフレーム画像データD1及び圧縮フレーム画像データD2をハードディスク22A(図2(A))にそれぞれ記録する。このときハードディスク装置22は、図2(B)に示すように、フレーム画像データD1(PA1、PA2、PA3、……)及び圧縮フレーム画像データD2(PB1、PB2、PB3、……)に同期してそれぞれハードディスク22A上のディスク位置情報を表す同一のタイムコードTC(T1、T2、T3、……)をフレーム画像ごとに順次付加しながら、フレーム画像データD1及び圧縮フレーム画像データD2並びにタイムコードTCを同時に当該ハードディスク22Aに記録する。
【0026】
この場合、ハードディスク22Aには、図2(C)に示すように、フレーム画像データD1及び圧縮フレーム画像データD2に基づく各フレーム画像PA1、PB1、PA2、PB2、PA3、PB3、……に順次アドレスAD(N、N+1、N+2、N+3、N+4、N+5、N+6、……)が割り当てられており、CPU15は、ハードディスク装置22を制御するときに順次アドレスADを指定することによりハードディスク22Aからフレーム画像データD1及び圧縮フレーム画像データD2に基づく各フレーム画像を読み出すようになされている。
【0027】
このビデオカメラ2において、再生時、CPU15は、ハードディスク装置22内のハードディスク22Aから読み出したフレーム画像データD1及び又は圧縮フレーム画像データD2をバス21を介して信号処理部23に送出する。この信号処理部23は、CPU15の制御に応じて、フレーム画像データD1及び又は圧縮フレーム画像データD2にノイズ低減処理及び周波数特性補正処理等を施した後、これらを所定方式(例えばNTSC(National Television System Committee)方式等)のコンポジット信号S5に変換する。
【0028】
続いて出力ドライバ24は、信号処理部23から得られたコンポジット信号S5をインピーダンス変換した後、ケーブル4を介してパーソナルコンピュータ3内のインタフェース回路30に送出する。因みに信号処理部23から得られたコンポジット信号S5は、必要に応じてバス21及び通信部25を介して外部接続された各種機器(図示せず)に送出される。
【0029】
なおビデオカメラ2においては、操作部26がバス21を介してCPU15と接続されており、これによりユーザが操作部を介してCPU15に各種コマンドを与え得るようになされている。
【0030】
このパーソナルコンピュータ3において、内部のインタフェース回路30はバス31を介してCPU32と接続されており、当該CPU32にはユーザが操作部33を用いて各種コマンドを与え得るようになされている。
【0031】
パーソナルコンピュータ3において、CPU32は、操作部33を介してユーザからコマンドが与えられると、RAM34に記憶されているワーキングプログラムを読み出すことにより動作処理を開始し、当該コマンドに応じた編集プログラムデータD3をROM35から読み出してバス31を介してCPU32に供給するようになされている。
【0032】
CPU32は、編集プログラムデータD3を受けると、読出信号S6をバス31及びインタフェース回路30を順次介してビデオカメラ2内の出力ドライバ24、信号処理部23及びバス21を経てビデオカメラ2内のCPU15に送出する。
【0033】
このビデオカメラ2内のCPU15は、読出信号S6を受けると、ハードディスク装置22を制御して、ハードディスク22Aから圧縮フレーム画像データD2を読み出した後、バス21、信号処理部23及び出力ドライバ24を順次介してパーソナルコンピュータ3内のインタフェース回路30に送出する。
【0034】
これによりパーソナルコンピュータ3内のCPU32は、ビデオカメラ2から得られた圧縮フレーム画像データD2を一旦全てハードディスク装置36内のハードディスク36Aに記録するようにしてバックアップをとる。
【0035】
続いてCPU32は、ハードディスク装置36内のハードディスク36Aから読み出した圧縮フレーム画像データD2を読み出した後、バス31を介して表示部37に送出する。
【0036】
この表示部37には、内部にデコード処理部(図示せず)が設けられ、CPU32の制御に応じて、圧縮フレーム画像データD2にMPEG規格に基づく復号化処理を順次施すことにより画像情報が伸長されたフレーム画像に変換した後、当該フレーム画像群を表示画面上に表示するようになされている。
【0037】
実際にこのパーソナルコンピュータ3においては、編集時、ユーザによる操作部32の操作に応じて、CPU32は、ハードディスク装置36内のハードディスク36Aに記録されている圧縮フレーム画像データD2に基づくフレーム画像を順次読み出した後、バスを介して表示部37の表示画面上に順次表示する。
【0038】
この表示部37の表示画面に表示される一連のフレーム画像群の中から、ユーザが操作部33を用いて各シーン内で所望の映像部分でなるフレーム画像群を指定するためのリスト(以下、これを編集リストと呼ぶ)が入力されると、当該編集リストに基づく各フレーム画像群のイン点及びアウト点を順次各シーンごとに指定すると、CPU32は、当該各シーンに応じた編集リストに基づく各フレーム画像群のイン点及びアウト点のフレーム画像に付加されたタイムコードを読み出す。
【0039】
このパーソナルコンピュータ3内のCPU32は、読出信号S7をバス31及びインタフェース回路30を順次介してビデオカメラ2内の出力ドライバ24、信号処理部23及びバス21を経てビデオカメラ2内のCPU15に送出する。
【0040】
このビデオカメラ2内のCPU15は、読出信号S7を受けると、ハードディスク装置22を制御して、ハードディスク22Aからフレーム画像データD1を読み出した後、バス21、信号処理部23及び出力ドライバ24を順次介してパーソナルコンピュータ3内のインタフェース回路30に送出する。
【0041】
従ってパーソナルコンピュータ3において、CPU32は、ビデオカメラ2内のハードディスク22Aから読み出されたフレーム画像データD1が供給されると、当該フレーム画像データD1に基づく一連のフレーム画像群の中から、上述した編集リストに基づく各フレーム画像群のイン点及びアウト点のフレーム画像に付加されたタイムコードと同一のタイムコードが付加されたフレーム画像群を順次抽出して、ハードディスク装置36内のハードディスク36Aに記録する。
【0042】
続いてCPU32は、ハードディスク装置36内のハードディスク36Aからフレーム画像データD1を読み出した後、バス31を介して当該フレーム画像データD1に基づく各シーンごとのフレーム画像群を所望の順番で繋ぎ合わせるようにしてノンリニア編集を行うと共に、必要に応じて特殊効果処理部38を制御することにより種々の特殊効果処理(フェードイン、フェードアウト、ディゾルブ、スーパー及びワイプ等)を施す。
【0043】
この後CPU32は、ノンリニア編集された各シーンごとのフレーム画像群を編集画像データD4としてハードディスク装置36内のハードディスク36Aに記録する。
【0044】
(2)編集処理手順RT1
ここでパーソナルコンピュータ3内のCPU32は、上述したノンリニア編集を図3に示す編集処理手順RT1に従って実行する。実際上、CPU32は、ユーザの操作によって編集モードが選択されると、ステップSP0から当該編集処理手順RT1に入り、続くステップSP1において、ビデオカメラ2から供給されるコンポジット信号S5に基づく圧縮フレーム画像データD2をハードディスク装置36内のハードディスク36Aに一旦全て記録してバックアップをとっておく。
【0045】
ここでユーザによって編集モードが指定されると、CPUは、ステップSP2に進んで、ハードディスクから圧縮フレーム画像データD2に基づく一連のフレーム画像群のみを選択的に読み出して、データ伸長した後に表示部の表示画面上に表示する。
【0046】
続いてステップSP3において、CPU32は、図4(A)に示すように、ユーザによって表示部37の表示画面上に表示された一連のフレーム画像群(シーンSC1〜SC5)の中から編集リストに基づく所望する映像部分P1 〜P3 (すなわちシーンSC1、SC3、SC4内における所望範囲に相当する映像部分)のイン点IN1 〜IN3 及びアウト点OUT1 〜OUT3 が全て指定されたか否かを判断し、肯定結果が得られた場合のみ、当該指定された各映像部分P1 〜P3 のイン点IN1 〜IN3 及びアウト点OUT1 〜OUT3 に付加されたタイムコードを読み取った後、ステップSP4に進む。
【0047】
このステップSP4において、CPU32は、ビデオカメラ2内のハードディスク22Aから読み出されたフレーム画像データD1に基づく一連のフレーム画像群の中から、図4(B)に示すように、編集リストに基づく各シーンSC1〜SC5内の所望の映像部分P1 〜P3 のイン点及びアウト点に付加されたタイムコードと同一のタイムコードが付加されたフレーム画像群を順次抽出してハードディスク装置36内のハードディスク36Aに記録する。
【0048】
続いてステップSP5に進んで、CPU32は、図4(C)に示すように、ハードディスク装置36内のハードディスク36Aから読み出した各映像部分P1 〜P3 に応じたフレーム画像群を、ユーザの操作に応じて所望の順番に繋ぎ合わせると共に所望の特殊効果処理(例えば映像部分P1 内におけるテロップ表示W1 、及び映像部分P2 内のフェードアウトW2 )を施してノンリニア編集を実行した後、ステップSP6に進んで当該編集処理手順RT1を終了する。
【0049】
(3)本実施の形態による動作及び効果
以上の構成において、ビデオカメラシステム1では、ビデオカメラ2による撮像結果としてのビデオ信号S4を互いにデータ圧縮率が異なるフレーム画像データD1及び当該ビデオ信号S4に変換すると共に同一のタイムコードを付した後、それぞれハードディスク22Aに記録しておく。
【0050】
続いてパーソナルコンピュータ3では、ビデオカメラ2内のハードディスク22Aから読み出された圧縮フレーム画像データD2を一旦全てハードディスク36Aに記録しておき、編集時に、当該ハードディスク36Aから圧縮フレーム画像データD2に基づく一連のフレーム画像群のみを選択的に読み出して、データ伸長した後に表示部37の表示画面上に表示する。
【0051】
この状態においてユーザは、表示部37の表示画面上を目視確認しながら、一連のフレーム画像群として表示される各シーン内の所望の映像部分のイン点及びアウト点を編集リストとして順次指定することにより、当該指定された各映像部分のイン点及びアウト点に付加されたタイムコードと同一のタイムコードが付加されたフレーム画像群を、ビデオカメラ2内のハードディスク22Aから読み出されたフレーム画像データD1に基づく一連のフレーム画像群の中から順次抽出してパーソナルコンピュータ3内のハードディスク36Aに記録する。
【0052】
続いてハードディスク36Aから読み出された各シーンSC1〜SC5内の所望の映像部分に応じたフレーム画像データD1に基づくフレーム画像群をユーザが所望する順番で繋ぎ合わせるようにしてノンリニア編集を実行する。
【0053】
このようにパーソナルコンピュータ3において、ユーザが表示部37の表示画面上を目視確認しながら、編集リストに基づく各シーン内の所望の映像部分に応じたフレーム画像群を検索する際に、ビデオカメラ2の撮像結果として圧縮フレーム画像データD2をハードディスク36Aに記録しておくようにしたことにより、フレーム画像データD1を記録しておく場合よりも、データ圧縮された分だけデータ量が少ないため、当該ハードディスクの記録容量を減らすことができる。
【0054】
さらにパーソナルコンピュータ3では、ユーザが編集リストに基づく各シーン内の所望の映像部分に応じたフレーム画像群を、ビデオカメラ2から供給されるフレーム画像データD1に基づく一連のフレーム画像群の中から抽出してハードディスク36Aに記録するようにしたことにより、ビデオカメラ2の撮像結果を全て記録する場合よりも短時間でハードディスク36Aに記録することができると同時にハードディスク36Aの記録領域をユーザが必要とする最小限に抑えることができ、さらには圧縮フレーム画像データD2に基づく圧縮フレーム画像よりもデータ圧縮されていない分だけ高い画質のフレーム画像を得ることができ、かくしてハードディスク36Aの記録領域を格段と効率良く使用し得ると共に高画質の映像を得ることができる。
【0055】
以上の構成によれば、このビデオカメラシステム1では、ビデオカメラ2において、撮像結果として得られるビデオ信号S4を互いにデータ圧縮率が異なるフレーム画像データD1及び圧縮フレーム画像データD2に変換すると共に同一のタイムコードを付してハードディスク22Aに記録しておき、編集時にユーザが編集リストに基づく各シーン内の所望の映像部分を指定するための表示用の一連のフレーム画像を比較的データ圧縮率の高い圧縮フレーム画像データD2から得ると共に、実際に編集後にハードディスク36Aに記録しておくバックアップ用のフレーム画像群を比較的データ圧縮率の低いフレーム画像データD1から得るようにしたことにより、パーソナルコンピュータ3内のハードディスク36Aに記録する一連のフレーム画像群を全てフレーム画像データD1から得る場合よりも、ハードディスク36Aの使用効率を格段と向上することができる。
【0056】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、記録手段(又は第1の記録手段)としてのデータ圧縮処理部20及びハードディスク装置22を用いて、ビデオカメラ2の撮像結果でなるビデオ信号(映像データ)S4を第1の圧縮率でデータ圧縮して圧縮フレーム画像データ(第1の圧縮映像データ)D2に生成する一方、当該ビデオ信号S4を非圧縮のままフレーム画像データ(第2の圧縮映像データ)D1とするようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ビデオ信号S4を第1の圧縮率でデータ圧縮された圧縮フレーム画像データ(第1の圧縮映像データ)D2よりも低い第2の圧縮率でデータ圧縮して第2の圧縮映像データを生成するようにしても良い。
【0057】
この場合、ビデオカメラ2内において、第2の圧縮映像データを生成するデータ圧縮処理部(図示せず)をバス21に接続して新たに設けるようにしても良く、またデータ圧縮処理部20において第1及び第2の圧縮率でそれぞれビデオ信号(映像データ)S4をデータ圧縮して第1及び第2の圧縮映像データを生成するようにしても良い。
【0058】
さらにこの場合、記録手段(又は第1の記録手段)におけるデータ圧縮方法としては、MPEG規格に基づく圧縮符号化処理を施すようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、画質をほとんど低減させずにデータ量を落とすことができれば、ビット数の間引き(例えば8ビットのところを6ビットで書く)による圧縮処理、インタレース(飛び越し走査)方式によるフィールド単位ごと(偶数フィールド、奇数フィールド)の圧縮処理、インタリーブ方式(細切れになった情報を振り分ける際にその順序を意図的に変えて振り分ける方式)による圧縮処理、フレーム間の相関を用いた圧縮処理、動き補償方式による圧縮処理、Y/C信号による記録に基づく圧縮処理等の種々の圧縮処理方法を広く適用するようにしても良い。
【0059】
さらに上述の実施の形態においては、ビデオカメラ2の撮像結果でなるビデオ信号(映像データ)S4に基づく一連のフレーム画像群をフレーム単位で第1又は第2のフレームメモリ17、18に交互に書き込むようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図5(A)及び(B)に示すように、ビデオカメラ2の撮像結果でなるビデオ信号(映像データ)S4に基づく一連のフレーム画像群F1、F2、F3、……を、1フレーム画像につき2回(すなわち偶数フィールド画像又は奇数フィールド画像につき1回)のデータ圧縮処理を行って時間軸方向に多重化するようにしても良い。
【0060】
要は、フレーム画像データ(映像データ)D1及び圧縮フレーム画像データ(第1の圧縮映像データ)D2、又は圧縮フレーム画像データ(第1の圧縮映像データ)D2及び第2の圧縮映像データを、共に同一のタイムコード(第1のタイムコード)を付加してハードディスク(記録媒体又は第1の記録媒体)22Aに記録することができれば、ビデオカメラ2の撮像結果でなるビデオ信号(映像データ)S4を種々の単位でデータ圧縮するようにしても良い。
【0061】
さらに上述の実施の形態においては、第1の記録手段を構成するハードディスク装置22及びデータ圧縮処理部20は、CPU15の制御のもとで、互いにデータ圧縮率が異なるフレーム画像データ(映像データ)D1及び圧縮フレーム画像データ(第1の圧縮映像データ)D2を共に同一のタイムコード(第1のタイムコード)を付加してハードディスク(記録媒体又は第1の記録媒体)22Aに記録するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、まず撮影時に非圧縮のフレーム画像データ(映像データ)D1を対応するタイムコード(第1のタイムコード)を付加してハードディスク22Aに記録しておき、この後、編集時にデータ圧縮処理部20から得られるデータ圧縮率の高い圧縮フレーム画像データ(第1の圧縮映像データ)D2を同一のタイムコード(第1のタイムコード)を付加してハードディスク22Aに記録するようにしても良い。この場合、フレーム画像データD1及び圧縮フレーム画像データD2を同時にハードディスク22Aに記録する場合よりも、回路規模を縮小して第1の記録手段を構成することができる。
【0062】
また互いにデータ圧縮率が異なる圧縮フレーム画像データ(第1の圧縮映像データ)D2及び第2の圧縮映像データ(図示せず)を共に同一のタイムコード(第2のタイムコード)を付加してハードディスク(記録媒体又は第1の記録媒体)22Aに記録する場合についても、まず撮影時にデータ圧縮率の低い第2の圧縮映像データを対応するタイムコード(第2のタイムコード)を付加してハードディスク22Aに記録しておき、この後、編集時にデータ圧縮処理部20から得られるデータ圧縮率の高い圧縮フレーム画像データ(第1の圧縮映像データ)D2を同一のタイムコード(第2のタイムコード)を付加してハードディスク22Aに記録するようにしても上述と同様の効果を得ることができる。
【0063】
さらに上述の実施の形態においては、ハードディスク(第1の記録媒体)22Aから圧縮フレーム画像データ(第1の圧縮映像データ)D2を読み出す読出手段として、ビデオカメラ2内のCPU15を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、読出手段としてはこの他種々の構成のものを広く適用することができる。
【0064】
さらに上述の実施の形態においては、編集装置を、ビデオカメラ2及びパーソナルコンピュータ3からなるビデオカメラシステム1に適用し、当該ビデオカメラ2内に第1の記録手段及び読出手段を設けると共に、パーソナルコンピュータ3内に表示手段としの表示部37、入力手段としての操作部33及び第2の記録手段としてのCPU32及びハードディスク装置36を設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これら全ての手段をビデオカメラ2内部に設けるようにしても良い。
【0065】
さらに上述の実施の形態においては、パーソナルコンピュータ3内に設けられた第2の記録手段としてのCPU32及びハードディスク装置36は、特殊効果処理部(編集手段)38において編集されたフレーム画像データ(映像データ)D1又は第2の圧縮映像データ(図示せず)に同期してタイムコード(第3のタイムコード)を付加した後、当該フレーム画像データ(映像データ)D1又は第2の圧縮映像データをタイムコード(第3のタイムコード)と共にハードディスク(第2の記録媒体)36Aに記録するようにしても良い。
【0066】
この場合、例えば上述した図4(A)〜(C)に示すように、表示部37の表示画面上に表示された一連のフレーム画像群(シーンSC1〜SC5)の中から編集リストとして所望する映像部分P1 〜P3 (すなわちシーンSC1、SC3、SC4内における所望範囲に相当する映像部分)が指定された後、所望の順番に繋ぎ合わせると共に所望の特殊効果処理(映像部分P1 内におけるテロップ表示W1 、及び映像部分P2 内のフェードアウトW2 )を施してノンリニア編集を実行した場合、図7(A)及び(B)に示すように、編集後は不要となる映像部分X1 〜X8 、編集前と編集後とでタイムコード(第1又は第2のタイムコード)が同一の映像部分Y1 〜Y4 、及び編集前と編集後とでタイムコード(第1又は第2のタイムコード)が異なる映像部分Z1 、Z2 に分類される。
【0067】
ここで編集前と編集後とでタイムコード(第1又は第2のタイムコード)が異なる映像部分Z1 、Z2 に同期して新たなタイムコード(第3のタイムコード)を付加しておき、かつ編集前と編集後とでタイムコード(第1又は第2のタイムコード)が同一の映像部分Y1 〜Y4 はそのままタイムコード(第1又は第2のタイムコード)を用いることにより、編集後に新たな編集画像データD4をハードディスク(第2の記録媒体)36Aに記録しても、映像部分Z1 、Z2 以外の映像部分X1 〜X8 及びY1 〜Y4 は元のタイムコード(第1又は第2のタイムコード)で指定すれば良いため、編集後の編集画像データD4を全てハードディスク(第2の記録媒体)36Aに記録しなくて済む分だけ、当該ハードディスク(第2の記録媒体)36Aの記録容量を効率良く使用することができる。
【0068】
この結果、上述のようなノンリニア編集を何段階(世代)行っても、編集前と編集後とでタイムコード(第1又は第2のタイムコード)が異なる映像部分のみに段階(世代)ごとに新たなタイムコード(第3のタイムコード)を付加することにより、編集処理を行った段階(世代)ごとに応じたタイムコードを指定するだけで、当該編集前と編集後とでタイムコード(第1又は第2のタイムコード)が異なる映像部分を短時間で効率良くハードディスク(第2の記録媒体)36Aに記録し、読み出し又は消去することができる。
【0069】
さらに上述の実施の形態においては、ハードディスク(第2の記録媒体)36Aからフレーム画像データ(映像データ)D1又は第2の圧縮映像データ(図示せず)に基づく各映像を読み出した後、入力手段としての操作部33によって編集リストに基づく指定された順番で順次繋ぎ合わせるようにしてノンリニア編集する編集手段を、パーソナルコンピュータ3内のCPU32及び特殊効果処理部38から構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、編集手段としてこの他種々の構成のものを適用しても良い。
【0070】
さらに上述の実施の形態においては、記録媒体又は第1の記録媒体及び第2の記録媒体としてハードディスク22A、36Aを適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ランダムアクセスが可能であり、かつ記録容量が実用上十分であれば、この他種々の記録媒体に広く適用しても良い。
【0071】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、記装置において、フレーム画像データを所定の圧縮率で圧縮することによって当該フレーム画像データよりも高圧縮率で圧縮された高圧縮フレーム画像データを生成する高圧縮フレーム画像データ生成手段と、フレーム画像データと高圧縮フレーム画像データとを同期させて、当該フレーム画像データと当該高圧縮フレーム画像データとに対しそれぞれ同一のタイムコードを順次付加するタイムコード付加手段と、フレーム画像データと高圧縮フレーム画像データとをタイムコードと共に記憶媒体に記憶するタイムコード記憶手段と、タイムコードを用いフレーム画像データに対して所定の編集処理を行ったことにより得られる編集処理フレーム画像データの当該タイムコードを編集処理タイムコードとして新たに付加して記憶媒体に記憶する編集処理タイムコード記憶手段とを設けたことにより、高圧縮画像データに付加されたタイムコードを用いて所定の編集処理ができ、当該編集処理により得られる編集処理フレーム画像データの編集処理タイムコードを新たに付加して記録媒体に記憶できるため、編集処理フレーム画像データを全て記憶媒体に記憶する場合に比べ、編集処理タイムコードのみを記憶媒体に記憶するため記憶データ量を大幅に削減することができ、かくして記媒体の使用効率を格段に向上し得る記装置を実現できる。
【0072】
また本発明によれば、記方法において、フレーム画像データを所定の圧縮率で圧縮することによって当該フレーム画像データよりも高圧縮率で圧縮された高圧縮フレーム画像データを生成する高圧縮フレーム画像データ生成ステップと、フレーム画像データと高圧縮フレーム画像データとを同期させて、当該フレーム画像データと当該高圧縮フレーム画像データとに対しそれぞれ同一のタイムコードを順次付加するタイムコード付加ステップと、フレーム画像データと高圧縮フレーム画像データとをタイムコードと共に記憶媒体に記憶するタイムコード記憶ステップと、タイムコードを用いフレーム画像データに対して所定の編集処理を行ったことにより得られる編集処理フレーム画像データの当該タイムコードを編集処理タイムコードとして新たに付加して記憶媒体に記憶するようにしたことにより、高圧縮画像データに付加されたタイムコードを用いて所定の編集処理ができ、当該編集処理により得られる編集処理フレーム画像データの編集処理タイムコードを新たに付加して記録媒体に記憶できるため、編集処理フレーム画像データを全て記憶媒体に記憶する場合に比べ、編集処理タイムコードのみを記憶媒体に記憶するため記憶データ量を大幅に削減することができ、かくして記媒体の使用効率を格段に向上し得る記方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態によるビデオカメラシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】ハードディスク上の記録状態の説明に供する略線図である。
【図3】編集処理手順の説明に供するフローチャートである。
【図4】各シーン内のおける所望の映像部分の指定の説明に供する略線図である。
【図5】他の実施の形態によるデータ圧縮処理の説明に供する略線図である。
【図6】他の実施の形態によるデータ圧縮処理の説明に供する略線図である。
【図7】他の実施の形態による編集処理の説明に供する略線図である。
【符号の説明】
1……ビデオカメラシステム、2……ビデオカメラ、3……パーソナルコンピュータ、14、23……信号処理部、15、32……CPU、16……第1のスイッチ回路、17……第1のフレームメモリ、18……第2のフレームメモリ、19……第2のスイッチ回路、20……データ圧縮処理部、22、36……ハードディスク装置、22A、36A……ハードディスク、26、33……操作部、37……表示部、38……特殊効果処理部、RT1……編集処理手順。

Claims (3)

  1. フレーム画像データを所定の圧縮率で圧縮することによって当該フレーム画像データよりも高圧縮率で圧縮された高圧縮フレーム画像データを生成する高圧縮フレーム画像データ生成手段と、
    上記フレーム画像データと上記高圧縮フレーム画像データとを同期させて、当該フレーム画像データと当該高圧縮フレーム画像データとに対しそれぞれ同一のタイムコードを順次付加するタイムコード付加手段と、
    上記フレーム画像データと上記高圧縮フレーム画像データとを上記タイムコードと共に記憶媒体に記憶するタイムコード記憶手段と、
    上記タイムコードを用い上記フレーム画像データに対して所定の編集処理を行ったことにより得られる編集処理フレーム画像データの当該タイムコードを編集処理タイムコードとして新たに付加して上記記憶媒体に記憶する編集処理タイムコード記憶手段と
    を具える記憶装置。
  2. 上記編集処理タイムコードを、上記編集処理された後の上記フレーム画像データが当該編集処理される前の当該フレーム画像データと同じ場合、当該編集処理された後の当該フレーム画像データが当該編集処理される前の当該フレーム画像データと異なる場合、上記編集処理された後の上記フレーム画像データが当該編集処理される前の上記フレーム画像データに対して不要となる場合とに分類し、新たな編集処理分類タイムコードとして上記記憶媒体に記憶する
    求項1に記載の記装置。
  3. フレーム画像データを所定の圧縮率で圧縮することによって当該フレーム画像データよりも高圧縮率で圧縮された高圧縮フレーム画像データを生成する高圧縮フレーム画像データ生成ステップと、
    上記フレーム画像データと上記高圧縮フレーム画像データとを同期させて、当該フレーム画像データと当該高圧縮フレーム画像データとに対しそれぞれ同一のタイムコードを順次付加するタイムコード付加ステップと、
    上記フレーム画像データと上記高圧縮フレーム画像データとを上記タイムコードと共に記憶媒体に記憶するタイムコード記憶ステップと、
    上記タイムコードを用い上記フレーム画像データに対して所定の編集処理を行ったことにより得られる編集処理フレーム画像データの当該タイムコードを編集処理タイムコードとして新たに付加して上記記憶媒体に記憶する編集処理タイムコード記憶ステップと
    を具える記憶方法。
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