以下、本発明の一実施の形態の構成を図面を参照して説明する。
図7において、1は掃除機本体で、この掃除機本体1は、内部に収容された電動送風機2の駆動にて生じる吸込風とともに吸い込んだ塵埃を集塵装置としての集塵カップ3で分離して集塵する電気掃除機であり、被掃除面としての床面上を走行可能である。
また、掃除機本体1は、電動送風機2を収容した本体ケース4と、この本体ケース4の前側に区画形成された図示しない集塵収容室の上部に連通する開口5を回動により開閉可能とする本体蓋6とを備えている。
そして、掃除機本体1の前部には、集塵収容室に連通し外部から空気を吸引する本体吸込口7が開口されている。この本体吸込口7には、可撓性を有し湾曲可能な細長略円筒状のホース体8が連通接続されている。このホース体8の先端には、電動送風機2の動作モードなどが選択可能な手元操作部9が設けられている。この手元操作部9には、作業者が把持する手元把持部10が突設され、この手元把持部10には、電動送風機2などを複数の動作モードに設定する複数の設定ボタン11が設けられている。
また、手元操作部9の先端には、伸縮可能な細長略円筒状の延長管12が着脱可能に連通接続されている。さらに、この延長管12の先端には、例えば室内の床面の絨毯などの上に載置され、絨毯などの上の塵埃を吸い込む吸込口体としての床ブラシ13が着脱可能に連通接続されている。
さらに、掃除機本体1内には、電動送風機2などに外部の商用交流電源から給電可能な電源コード14が引き出し可能に収納されている。
そして、集塵カップ3は、図1に示すように、中空な略直方体状の本体部15と、この本体部15の下部に開口形成された廃棄開口部16と、この廃棄開口部16を回動により開閉可能な蓋体17と、本体部15の内部に着脱可能に設けられ廃棄開口部16に向けて上下方向に移動可能な圧縮体18とを備えている。なお、以下集塵カップ3の上流側を前側、下流側を後側とする。
本体部15は、図1、図2、図5および図6に示すように、平面視で略横長円形状の円筒部21と、この円筒部21の上部に延設された延設部22と、これら円筒部21および延設部22の後部に設けられたプリーツフィルタ取付部23とを有している。
円筒部21は、集塵カップ3に吸い込まれた塵埃を収容するとともに圧縮体18が上下方向に沿って移動可能な空間部である塵埃収容部25を本体部15の内部に区画する部分であり、この塵埃収容部25に収容された塵埃を集塵カップ3の外部に廃棄可能な廃棄開口部16を下端部に備えるとともに、集塵カップ3の後部に連通するフィルタ取付開口26が後側面に開口形成されている。このフィルタ取付開口26は、両側部の上側が左右方向の中央部の上側よりも若干下方に位置している。そして、このフィルタ取付開口26の前面には、この塵埃収容部25を通過する空気から塵埃を捕集するフィルタ体27が取り付けられている。
このフィルタ体27は、フィルタ取付枠27aと、このフィルタ取付枠27aに取り付けられたメッシュ状のフィルタ27bとを備えている。
フィルタ取付枠27aには、フィルタ取付開口26に連通する複数の開口27cが左右方向に互いに離間されて設けられている。さらに、フィルタ取付開口26の両側部に対向する開口27cは、フィルタ取付開口26の形状に対応して、他の開口27cよりも上端が下側に位置している。
また、フィルタ27bは、開口27cの前面全体に取り付けられている。このため、このフィルタ27bは、圧縮体18が移動した際にこの圧縮体18の後部が前面に摺接する。
さらに、延設部22は、円筒部21の両側部から略水平に延設された下面部32,32と、これら下面部32,32の先端部から垂直上方に延設された垂直面部33,33と、これら垂直面部33,33間に亘って連続し上部が前方に向けて湾曲された湾曲部34と、この湾曲部34の前方から上方へと拡開するように延設された拡開部35とを有している。
各下面部32は、フィルタ取付開口26の両側部の上側が若干下方に位置する部分から集塵カップ3の左右方向の中心側へと延設されている。
また、各垂直面部33は、下端部が各下面部32にそれぞれ連続するとともに、上端部が湾曲部34に連続している。そして、これら下面部32と垂直面部33とにより、蓋体17を開閉可能にするとともに圧縮体18を上下方向に移動可能にする機構部41の一部を収容する収容部42が本体部15の両側部にそれぞれ区画形成され、これら収容部42の外側が、本体部15の両側部にそれぞれ着脱可能に取り付けられた収容部カバー43により覆われている。
ここで、機構部41は、図5および図6に示すように、蓋体17を開閉可能にする蓋体開閉部45と、圧縮体18を上下方向に移動可能にする圧縮体移動部46とを有している。
蓋体開閉部45は、上端部が本体部15の上部の一側に突出した開閉ボタン部51と、この開閉ボタン部51の下部に連結された開閉板52とを備えている。
開閉ボタン部51は、本体部15の上部一側に露出し作業者が押して操作する被押圧部51aと、この被押圧部51aから下方に延設されて収容部42に収容され、開閉板52の上端部に回動可能に連結された連結部51bとを有している。
また、開閉板52は、上下方向に長手状の板体であり、上端部が後方に延設されて連結部51bに連結され、上下方向の中間部に、円筒部21の外側の両側部から突設された円柱状の軸支部53が挿通されて回動可能に軸支される挿通孔52aが穿設され、かつ、下端部の後側に、蓋体17の一側部に係合可能な係合部52bが切り欠き形成されている。
一方、圧縮体移動部46は、図1、図5および図6に示すように、開閉ボタン部51の前方に位置し上下方向に移動可能なレバー55と、このレバー55の上下動を伝達するギア部56と、このギア部56により伝達されたレバー55の上下動に伴い廃棄開口部16に向けて上下方向に移動する移動手段としてのシャフト57a,57bとを有している。
レバー55は、図1、図5および図6に示すように、湾曲部34の両側部間に亘って形成されたハンドル58とともに作業者が把持することで上下方向に移動するものであり、作業者が把持する横長の把持上部55aと、この把持上部55aの両端部から下方にそれぞれ延設されギア部56に係合する把持ギア部55bとを備えている。
把持上部55aは、レバー55の上下方向の移動ストロークとなる所定の間隙を介してハンドル58の上部に離間されて対向している。また、この把持上部55aは、集塵カップ3を掃除機本体1の集塵収容部に取り付けた状態で、本体蓋6から上方に突設された図7に示すボタン59の下部に当接している。このボタン59は、掃除機本体1の外部からレバー55を操作可能とするものである。
また、各把持ギア部55bは、図1、図5および図6に示すように、後側にギアを有するラック状に形成され、収容部42に収容されている。さらに、これら把持ギア部55bは、下端部が各下面部32の上側に固定されレバー55を上方に付勢する弾性部材としてのばね61にそれぞれ挿通されている。
また、各ギア部56は、把持ギア部55bに歯合する第1ギア56aと、この第1ギア56aと同軸状に設けられシャフト57a,57bに歯合する第2ギア56bとを有している。
各第1ギア56aは、略円筒状に設けられ、各垂直面部33の外側面から本体部15の側方に向けて突設されたギア軸支部62が中心部に挿通されて回動可能に軸支されている。さらに、これら第1ギア56aは、前側の外周部が把持ギア部55bに歯合している。
そして、各第2ギア56bは、第1ギア56aおよび把持ギア部55bよりも本体部15の幅方向の中心側に位置しており、第1ギア56aよりも径大に形成され、第1ギア56aの回動に伴って回動するものである。さらに、これら第2ギア56bは、前側の外周部がシャフト57a,57bに歯合している。
また、シャフト57a,57bは、上部の後側に、第2ギア56bに歯合するシャフトギア部63がそれぞれ設けられている。さらに、シャフト57a,57bは、下部が略円柱状に形成され、各下面部32に穿設された挿通孔65に挿通されて塵埃収容部25へと突出している。そして、シャフト57a,57bの下端部の外周部には、これらシャフト57a,57bを挿通孔65に対して抜け止めするフランジ部66が設けられている。
そして、収容部カバー43は、軸支部53とギア軸支部62とにそれぞれねじ止めされている。
また、湾曲部34は、各垂直面部33の上端部から本体部15の中心側に延設された縮径部34aと、これら縮径部34aの間に連続的に形成され両側部が縮径部34aに円弧状に連続するとともに上側が凸弧状に湾曲した嵌合凹部34bとを備え、蓋体17の後部上側の形状に沿って形成されている。さらに、この湾曲部34と拡開部35との間の部分には、本体部15の内側に向けて上部パッキン68が設けられている。この上部パッキン68は、圧縮体18が最上部に位置した状態で圧縮体18の上部に嵌合して気密性を確保するものである。
そして、拡開部35は、湾曲部34の上部から前方へと上方に拡開するように設けられ、前端部が本体部15の前端部の円筒部21の上部となっているとともに、この前端部に四角形状の開口部71が開口形成されている。また、拡開部35の両側部には、図示しない連通開口部がそれぞれ開口形成され、これら連通開口部は、収容部42よりも本体部15の左右方向の内側に区画形成されプリーツフィルタ取付部23へと連通する連通流路72に連通している。
開口部71には、この開口部71を閉塞する正面視四角形状の閉塞部材73が、四隅をねじ74によりそれぞれ固定されて取り付けられている。さらに、この閉塞部材73の中央部には、集塵カップ3を掃除機本体1に取り付けた状態で本体吸込口7の下流側に連通する正面視円形状の吸込開口部75が穿設されている。
一方、プリーツフィルタ取付部23は、後部フィルタ体77が着脱可能に取り付けられる部分であり、拡開部35の上側の後部から略水平に延設された平面部81と、この平面部81の後端部に連続する壁部82と、この壁部82の後端部および円筒部21のフィルタ取付開口26の下端部の後部に亘って連続し後方に略水平に延設されたフィルタ受部83とを備えている。
平面部81は、ハンドル58の下部に離間されて対向しており、このハンドル58の下部との間に、レバー55を把持する際に作業者が手を挿入する挿入空間部85が形成されている。
また、壁部82は、後部フィルタ体77の前部の一部を受けるもので、本体部15の外方に向けて突設されている。
さらに、フィルタ受部83は、集塵カップ3を掃除機本体1の集塵収容部に取り付けた状態で電動送風機2の吸込側に連通する後部開口86の外周縁部を区画するものであり、正面視四角形状に設けられている。
後部フィルタ体77は、プリーツフィルタ77aと、このプリーツフィルタ77aを保持してプリーツフィルタ取付部23に着脱可能に取り付ける取付枠77bと、プリーツフィルタ77aの下流側面に取り付けられた塵落とし機構部77cとを備えている。
プリーツフィルタ77aは、正面視で略四角形状に形成され、左右方向に亘って前後方向に交互に湾曲されたプリーツ状となっている。
また、取付枠77bは、プリーツフィルタ77aの外周縁を囲むもので、フィルタ受部83の内面に当接する部分に、フィルタパッキン87が取り付けられるパッキン取付凹部88が全周に亘って形成されている。さらに、取付枠77bの上部には、後部フィルタ体77をプリーツフィルタ取付部23から取り外す際に作業者が摘む摘み部89が突設されている。
そして、塵落とし機構部77cは、プリーツフィルタ77aで捕集した塵埃を叩き落とすものであり、取付枠77bの両側部に亘って摺動可能に設けられている。
一方、蓋体17は、図1および図2に示すように、廃棄開口部16を開閉可能に閉塞する横長円形状の蓋体本体91と、この蓋体本体91から突設され円筒部21の後端部側の下部に当接する当接部92とを備えている。
蓋体本体91は、本体部15の円筒部21の一側部の外側に突設された一対のヒンジ受部94に回動可能に軸支された一対の被軸支部91aが左右方向の一側部に突設されている。また、この蓋体本体91の左右方向の他側部には、蓋体17を閉じた状態で蓋体開閉部45の開閉板52の係合部52bに係合される係合凸部91bが上方に向けて突設されている。さらに、蓋体本体91の中央部、すなわち蓋体17を閉じた状態で塵埃収容部25に臨む中央部には、下方に向けて凹状に窪んだ窪み部91cが形成され、かつ、この窪み部91cの外周部全体に、蓋体17を閉じた状態で廃棄開口部16に対して気密性を保持する蓋体パッキン95が取り付けられる凹溝部91dが設けられている。
また、当接部92には、蓋体17を閉じた状態で円筒部21の後部側の下部に気密に当接する当接パッキン96が取り付けられている。
さらに、圧縮体18は、シャフト57a,57bに係合された状態でシャフト57a,57bとともに塵埃収容部25内で上下方向に移動可能、かつ、図1に示すように、本体部15の他側部に位置したシャフト57bから他側部が外れることによりこの他側部側が自由端となるように蓋体17の回動方向と同方向に回動可能となっている。そして、この圧縮体18は、塵埃収容部25に収容された塵埃を廃棄開口部16側に圧縮する圧縮部101と、電動送風機2により空気とともに吸い込まれた塵埃を分離して塵埃収容部25に収容させる略円筒状の分離部102とを一体的に備え、図1の想像線に示すように、本体部15に対して着脱可能となっている。
圧縮部101は、円筒部21の内周形状に略沿って平面視で略横長円形状に形成された圧縮本体103と、この圧縮本体103から上方に立ち上がって形成された垂直対向面部104と、これら垂直対向面部104の間に設けられた水平対向面部105と、この水平対向面部105の中央部に穿設され分離部102の下流側に連通する連通口106と、この連通口106の上側の周縁部から水平対向面部105に連続して形成された湾曲面部107とを有している。
圧縮本体103の一側部には、図3に示すように、凹弧状の切欠部111が切り欠き形成されているとともに、略円柱状のガイド凸部112が側方に突設されている。また、圧縮本体103の他側部には、図4に示すように、圧縮体18と蓋体17との間に位置する突出部114が突設されているとともに、ガイド凸部115が側方に突設されている。さらに、圧縮本体103の後部には、圧縮体18の移動に伴いフィルタ27bの前面に摺接する摺接部116が設けられている。
切欠部111には、図3に示すように、本体部15の一側部に位置したシャフト57aの先端部に着脱可能に係合する係合軸117と、シャフト57aの先端部に対して蓋体17を位置合わせする位置合わせ凸部118とが設けられている。
係合軸117は、例えば金属などの部材で切欠部111の一側部の両端部に前後方向に亘って設けられており、シャフト57aのフランジ部66よりも先端部に一側部から切り込み形成された溝部121に本体部15の一側部側から係合することで、圧縮体18をシャフト57aに対して蓋体17と同方向に回動可能とするものである。
また、位置合わせ凸部118は、切欠部111の湾曲した部分から一側部すなわち係合軸117側へと突設されており、圧縮体18を上側へと回動させた状態で、シャフト57aのフランジ部66よりも先端部にて左右方向の中心側にシャフト57aの軸方向に沿って設けられた一対のガイド体122間に嵌合することで、圧縮体18をシャフト57aに対して位置決めするものである。
さらに、ガイド凸部112は、フィルタ取付枠27aの一側部に設けられたガイド溝部124に嵌合することで、圧縮体18の一側部を上下方向にガイドするものである。なお、ガイド溝部124は、シャフト57aの移動方向である上下方向に沿って直線状に形成され、下端部が開口されている。
また、突出部114は、図4に示すように、略円筒状に形成され、蓋体17に対向する下側に突設されており、蓋体17を閉じた状態で圧縮体18が下方に移動した際に蓋体17に当接することで圧縮体18が回動することを防止するものである。すなわち、圧縮体18は、蓋体17により廃棄開口部16を開放した状態でのみ回動可能となっている。
さらに、蓋体17の上側となる突出部114の上部には、シャフト57bの先端部に設けられた第1係脱体としての磁石126との間で蓋体17を係脱可能にする第2係脱体としての磁石127が設けられ、これら磁石126,127により、係脱部128が構成されている。
そして、これら磁石126,127は、互いに吸着可能であるとともに、互いに吸着した状態で、シャフト57a,57bとともに圧縮体18を廃棄開口部16に向けて移動可能とするとともに、蓋体17を開けた状態で圧縮体18を移動させた際に、円筒部21の一側部の内周面に突設された凸部129にシャフト57bのフランジ部66が当接して乗り越える際の衝撃にて、吸着状態が外れて圧縮体18が回動可能となるものである。
なお、凸部129は、シャフト57bの移動範囲内の下端部近傍に設けられている。また、この凸部129の突出量は、磁石126,127の強度などに応じて設定する。
ガイド凸部115は、フィルタ取付枠27aの他側部に設けられたガイド溝部130に嵌合することで、圧縮体18の他側部を上下方向にガイドするものである。なお、ガイド溝部130は、上下方向に沿って直線状に形成され、下端部が開口されている。
さらに、摺接部116は、図1に示すように、圧縮本体103の後部に沿って設けられ、圧縮体18が最上部に位置した状態でフィルタ27bの上部に位置し、かつ、圧縮体18の下方への移動に伴いフィルタ27bの上流側面の上下方向全体に亘って摺接可能となっている。
そして、各垂直対向面部104は、図1に示すように、圧縮体18が最上部に位置した状態で各垂直面部33に対応する位置に、圧縮本体103から上側に立ち上がるように突設されている。
また、水平対向面部105は、各垂直対向面部104の間に亘って設けられ、圧縮体18が最上部に位置した状態で湾曲部34の縮径部34aに対向している。
さらに、連通口106は、図1に示すように、圧縮体18の上下を連通するものであり、湾曲面部107の内周面を介して分離部102の下流側に連通している。すなわち、塵埃収容部25は、連通口106を介して分離部102の下流側に連通している。
そして、湾曲面部107は、圧縮体18が最上部に位置した状態でこの嵌合凹部34bに嵌合する部分であり、連通口106の上側の外周縁部から、湾曲部34の嵌合凹部34bに沿って側面視で下方に屈曲するように形成されている。また、この湾曲面部107は、先端部が分離部102の下流側に連続し、この分離部102との連続部の外周面に、上部パッキン68が嵌合する凹溝部131が形成されている。
一方、分離部102は、図1および図2に示すように、連通口106の上流側に下流側が連通した略円筒状の分離部本体133と、この分離部本体133の外周面に穿設された複数の分離開口134と、これら分離開口134に取り付けられたメッシュ状の分離フィルタ135とを備え、圧縮体18の廃棄開口部16と反対側に設けられている。
分離部本体133は、拡開部35の形状に略沿って前方に向けて上方に拡径されている。言い換えると、分離部本体133は、上流側から下流側へと縮径されている。さらに、この分離部本体133は、圧縮体18が最上部に位置した状態で吸込開口部75の下流側に前端部が連通する。
また、分離開口134は、本体部15の拡開部35に開口形成された連通開口部を介して連通流路72に連通するもので、それぞれ四角形状に形成され、分離部本体133の周方向に互いに離間されている。
さらに、分離フィルタ135は、分離開口134を通過する空気から塵埃を捕集するものであり、分離開口134のそれぞれを覆うように設けられている。
次に、上記一実施の形態による掃除動作を説明する。
まず、掃除機本体1の本体蓋6を開けて集塵収容室を露出させ、開口5から集塵カップ3を集塵収容室に取り付けた後、本体蓋6を閉じる。
さらに、本体吸込口7にホース体8、延長管12および床ブラシ13を順次連通接続し、電源コード14を掃除機本体1から引き出して図示しないコンセントに接続し、手元把持部10を把持して所定の設定ボタン11を押して電動送風機2を所定の動作モードで駆動させる。
そして、作業者は、床ブラシ13を床面上で前後に走行させて床面の塵埃を床ブラシ13の先端部から空気とともに吸い込む。
この吸い込まれた空気は、吸込風となり、床ブラシ13、延長管12、ホース体8および本体吸込口7を経由して集塵収容室に流入する。
そして、この吸込風は、吸込開口部75から集塵カップ3内に吸い込まれ、比較的重量が大きい粗塵は、この吸込風とともに分離部本体133を直進して連通口106から塵埃収容部25内へと捕集されるとともに、比較的重量が小さい細塵は、吸込風が分離フィルタ135を通過する際にこの分離フィルタ135に捕集される。
粗塵とともに塵埃収容部25に流入した吸込風は、フィルタ27bを通過する際に細塵がさらに捕集されるとともに、後部フィルタ体77のプリーツフィルタ77aを通過する際に微細塵がさらに捕集され、電動送風機2に吸い込まれる。
一方、分離フィルタ135を通過した吸気風は、連通開口部を介して連通流路72に流入し、この連通流路72からプリーツフィルタ77aを通過して微細塵がさらに捕集され、電動送風機2に吸い込まれる。
この後、吸込風は、電動送風機2を通過して排気風となり、図示しない排気口から掃除機本体1の外部へと排気される。
また、掃除中に塵埃収容部25がいっぱいとなったり、フィルタ27bが目詰まりしたりした場合には、作業者がボタン59を押すことで図5および図6に示すようにレバー55が下方に押されて下方に移動し、このレバー55の下方への移動に伴い把持ギア部55bが下方へと移動し、この把持ギア部55bに歯合した第1ギア56aが下方に回動し、この第1ギア56aとともに第2ギア56bが回動し、この第2ギア56bとシャフトギア部63との歯合により、シャフト57a,57bが下方に向けて移動することで、圧縮体18が塵埃収容部25内で廃棄開口部16に向けて下方へと移動し、塵埃収容部25内に収容された塵埃が圧縮部101の圧縮本体103の下部と蓋体17とによって圧縮されるとともに、この圧縮体18の移動の際にフィルタ27bに捕集された塵埃が摺接部116により掻き落とされることで、電動送風機2による吸込力が復帰する。
そして、掃除が終了した際には、設定ボタン11を操作して電動送風機2を停止させ、この状態で本体蓋6を開けて集塵カップ3を集塵収容部から取り出し、ごみ箱などの上で開閉ボタン部51の被押圧部51aを下方に押すと、連結部51bが下方に移動することで開閉板52の下側が軸支部53を中心として前方上側に回動し、係合部52bと蓋体17の係合凸部91bとの係合が外れて蓋体17が自重により開き、捕集された塵埃が集塵カップ3の外部に廃棄開口部16から廃棄される。
また、集塵カップ3内を掃除する際には、蓋体17を開けた状態で、作業者が指先を挿入空間部85に挿入してハンドル58とともにレバー55を把持すると、圧縮体18がガイド溝部124,130とガイド凸部112,115との係合によりガイドされつつシャフト57a,57bとともに廃棄開口部16に向けて移動し、シャフト57bのフランジ部66が凸部129に当接してこの凸部129を乗り越える際の衝撃により、係脱部128の磁石126,127が外れて、この係脱部128側が自由端となるように圧縮体18が係合軸117を中心として蓋体17と同方向に回動して廃棄開口部16から本体部15の外部へと突出する。
さらに、作業者が圧縮体18を把持して本体部15の一側方に移動させて係合軸117と溝部121との係合を外すことで、圧縮体18が本体部15から取り外される。
そして、作業者は、圧縮体18の圧縮部101の上側に入り込んだ塵埃を除去するとともに、分離フィルタ135に捕集された塵埃を除去する。
また、作業者は、塵落とし機構部77cを左右に摺動させてプリーツフィルタ77aで捕集した塵埃を叩き落とす。
この後、作業者は圧縮体18の係合軸117を溝部121に係合させ、蓋体17を閉じるように回動させると、圧縮体18の突出部114が蓋体17に当接して圧縮体18も蓋体17とともに回動する。
この状態で、作業者が再びハンドル58とともにレバー55を把持することで、フランジ部66が凸部129を乗り越えたシャフト57bの磁石126に圧縮体18の磁石127が吸着され、かつ、圧縮体18の位置合わせ凸部118がシャフト57aのガイド体122間に係合して位置合わせされる。
そして、蓋体17の係合凸部91bを係合部52bに係合させ、再度掃除機本体1に取り付けて使用する。
上述したように、上記一実施の形態では、分離フィルタ135を圧縮体18に設け、圧縮体18を本体部15に対して着脱可能とし、かつ、分離フィルタ135とともに廃棄開口部16からそれぞれ取り出し可能な構成とした。
このため、圧縮体18を移動させて塵埃収容部25に収容された塵埃を圧縮する際に、圧縮体18の外周部と円筒部21の内周部との隙間などから圧縮体18の上側に移動してしまった塵埃を除去できるとともに分離フィルタ135を掃除できる。
しかも、圧縮体18と分離部102とを掃除する際に、これらを一度に取り出せるので、容易に手入れできる。さらに、圧縮体18と分離部102とを廃棄開口部16から取り出せるので、分離フィルタ135を掃除可能とするための開閉可能な蓋部を本体部15の前部に別途設ける必要がなく、集塵カップ3の構成を簡略化できる。
そして、このように分離フィルタ135を掃除できることで、分離フィルタ135の目詰まりを確実に防止でき、集塵カップ3による集塵性能の低下を確実に防止できる。
また、圧縮体18の係脱部128がシャフト57bから外れることによりこの係脱部128側が自由端となるように圧縮体18が回動可能となることで、この回動により圧縮体18の上側が廃棄開口部16から露出するため、圧縮体18を回動させることで圧縮体18の上側に移動してしまった塵埃を容易に除去でき、本体部15の内部を容易に手入れできる。
さらに、蓋体17が廃棄開口部16を開放して本体部15に収容した塵埃を廃棄開口部16から廃棄するときにのみ圧縮体18が回動するので、集塵カップ3を掃除機本体1の集塵収容室に取り付けて使用している状態で、圧縮体18が回動することを確実に防止できるとともに圧縮体18の上側に塵埃が入りにくく、かつ、蓋体17を開けて塵埃収容部25に収容された塵埃を廃棄する際に圧縮体18を回動させてこの圧縮体18の上側に移動した塵埃を同時に廃棄できる。
そして、圧縮体18の移動に伴い摺接部116がフィルタ27bの塵埃を掻き落とすことで、フィルタ27bを別個に掃除する必要がなく、使い勝手が良好になるとともに、フィルタ27bに作業者が触れる必要がないので、衛生性を確保できる。
また、蓋体17による廃棄開口部16の閉塞動作に連動して係脱部128がシャフト57bに係合されることで、作業者が圧縮体18に直接触れることなく圧縮体18を元の状態に戻すことができ、衛生性を確保できるとともに、蓋体17を閉じた際に係脱部128がシャフト57bに係合されない状態で使用されることを確実に防止できる。
さらに、蓋体17と圧縮体18とが同方向に回動することで、蓋体と圧縮体とを互いに逆方向に回動させる場合と比較して、蓋体17と圧縮体18との操作性を向上できるとともに、圧縮体18の下部に突出部114を突設するだけで蓋体17の閉塞動作に伴い圧縮体18を容易に元の状態に戻すことができる。
そして、圧縮体18の両側部にガイド凸部112,115を突設し、これらガイド凸部112,115をガイド溝部124,130にそれぞれ嵌合させて圧縮体18を上下方向にガイドすることにより、圧縮体18を上下方向に確実に移動させることができる。
また、係脱部128を係合させるように圧縮体18を回動させた際に、シャフト57aのガイド体122間に嵌合して圧縮体18を位置合わせする位置合わせ凸部118を設けることで、圧縮体18を回動させた際の位置ずれを確実に防止できる。
さらに、係脱部128を磁石126,127により構成し、シャフト57bのフランジ部66が凸部129を乗り越える際の衝撃でこれら磁石126,127が外れるようにすることで、係脱部128の構成を簡略化できるとともに、磁石126,127の強度を変化させることで、係脱部128の係合の強度を容易に設定できる。
なお、上記一実施の形態において、圧縮体18を本体部15から取り外さずに廃棄開口部16から取り出し可能とする構成としても、上記一実施の形態と同様の作用効果を奏することが可能になる。
また、圧縮体18を回動させずに、下方への移動時に廃棄開口部16よりも本体部15の外部へと分離部102とともに突出可能とする構成にすることも可能である。この場合でも、圧縮体18の移動時にこの圧縮体18の上側に移動した塵埃を、圧縮体18を廃棄開口部16の外部へと突出させることで除去できると同時に分離部102の分離フィルタ135をも掃除でき、本体部15を容易に手入れできる。
さらに、蓋体開閉部45および圧縮体移動部46などの構成、本体部15、蓋体17および圧縮体18の細部の形状などは、上記構成に限定されるものではない。
そして、電気掃除機としては、キャニスタ型に限らず、例えば自走式の電気掃除機などでもよく、また、例えば床ブラシ13が掃除機本体1の下面に直接形成されたアップライト型、あるいはハンディ型などであっても対応させて用いることができる。