JP4519721B2 - 電気掃除機 - Google Patents

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Description

本発明は、掃除機本体に取り付けた状態で電動送風機の吸込側に連通する集塵部を備えた電気掃除機に関する。
従来、電気掃除機には、集塵袋すなわち紙パックを掃除機本体に着脱可能な紙パック式のものと、遠心分離装置すなわちサイクロン分離装置である集塵カップを掃除機本体に着脱可能なサイクロン式のものとがある。
例えば、紙パック式の電気掃除機では、サイクロン式の電気掃除機と比較して、紙パックを装着したままの状態で継続的に掃除でき、また、捕集した塵埃を紙パックとともに手軽に廃棄できるなど、メンテナンスが比較的容易であるという利点がある。
一方で、サイクロン式の電気掃除機では、紙パック式の電気掃除機と比較して、紙パックの予備などを用意しておく必要がないため、経済性が良好であり、また、掃除が終了する毎に捕集した塵埃を廃棄できるので、吸込性能を容易に維持できるという利点がある。
このように、紙パック式の電気掃除機とサイクロン式の電気掃除機とでは、それぞれに異なる利点を有している。
しかしながら、従来の電気掃除機は、紙パック式とサイクロン式とのいずれか一方の専用に構成されているため、使用者は電気掃除機を購入する段階でいずれかの方式を選択しなければならず、また、電気掃除機の製造者側では、各方式のそれぞれに対応する異なる電気掃除機を製造しなければならないという問題があった。
そこで、共通の掃除機本体をベースとして、製造段階で紙パック式とサイクロン式とを作り分けることができる電気掃除機が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−310499号(第6頁、図9)
しかしながら、上述の電気掃除機では、製造者側が紙パック式とサイクロン式とのそれぞれに対応する電気掃除機を共通の掃除機本体をベースとして製造できるものの、使用者側では、依然として紙パック式とサイクロン式とのいずれか一方のみを選択しなければならないという問題点を有している。
そして、このように紙パック式とサイクロン式とのいずれか一方のみを選択しなければならないことで、掃除状況などに適した掃除方式を選択することができず、使い勝手が良好でないという問題がある。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、使い勝手を向上した電気掃除機を提供することを目的とする。
本発明は、掃除機本体に対して着脱可能に設けられ、掃除機本体に取り付けた状態で電動送風機の吸込側に連通する集塵部が、塵埃を捕集する集塵袋と集塵容器とのいずれか一方が選択的に装着可能であるとともに、集塵容器を選択した場合に、集塵容器に捕集されない塵埃の一部を捕集するように集塵袋を取り付け可能な集塵部本体を備えているものである。
また、本発明は、集塵部が、通気性を有し空気を通過させて塵埃を空気から分離する集塵袋本体を有する集塵袋と慣性により塵埃を空気から分離する分離体とのいずれか一方が選択的に装着可能であるとともに、分離体を選択した場合に、分離体にて分離した塵埃の一部を捕集するように集塵袋を取り付け可能な集塵部本体を備えているものである。
本発明によれば、集塵部本体に集塵袋と集塵容器とのいずれか一方を選択的に装着することで、掃除状況などに応じて作業者が集塵袋と集塵容器とを使い分けることができるとともに、集塵容器を選択して集塵部本体に装着する状態では、集塵袋を、集塵容器に捕集されない塵埃の一部を捕集するように集塵部本体に取り付け可能とすることで、集塵袋を集塵容器用のフィルタとして共用でき、使い勝手が向上する。
また、本発明によれば、通気性を有し空気を通過させて塵埃を空気から分離する集塵袋本体を有する集塵袋と慣性により塵埃を空気から分離する分離体とのいずれか一方を集塵部本体に選択的に装着することで、掃除する塵埃の種類などに応じて作業者が集塵袋と分離体とを使い分けることができるとともに、分離体を選択して集塵部本体に装着する状態では、集塵袋を、分離体で分離した塵埃の一部を捕集するように集塵部本体に取り付け可能とすることで、集塵袋を分離体用のフィルタとして共用でき、使い勝手が向上する。
以下、本発明の一実施の形態の電気掃除機の構成を図1ないし図9を参照して説明する。
図8および図9において、1は掃除機本体で、この掃除機本体1は、内部に収容された電動送風機2の駆動にて生じる吸込風とともに吸い込んだ塵埃を集塵部としての集塵カップ3で分離して集塵する電気掃除機であり、被掃除面としての床面上を走行可能である。
また、掃除機本体1は、電動送風機2を収容した本体ケース4と、この本体ケース4の前側に区画形成された集塵室Rの上部に連通する開口5を回動により開閉可能とする本体蓋6とを備えている。
そして、掃除機本体1の前部には、集塵室Rに連通し外部から空気を吸引する本体吸込口7が開口されている。この本体吸込口7には、可撓性を有し湾曲可能な細長略円筒状のホース体8が連通接続されている。このホース体8の先端には、電動送風機2の動作モードなどが選択可能な手元操作部9が設けられている。この手元操作部9には、作業者が把持する手元把持部10が突設され、この手元把持部10には、電動送風機2などを複数の動作モードに設定する複数の設定ボタン11が設けられている。
また、手元操作部9の先端には、伸縮可能な細長略円筒状の延長管12が着脱可能に連通接続されている。さらに、この延長管12の先端には、例えば室内の床面の絨毯などの上に載置され、絨毯などの上の塵埃を吸い込む吸込口体としての床ブラシ13が着脱可能に連通接続されている。
さらに、掃除機本体1内には、電動送風機2などに外部の商用交流電源から給電可能な電源コード14が引き出し可能に収納されている。
そして、集塵カップ3は、図1ないし図3に示すように、中空な集塵部本体15と、この集塵部本体15内に選択的に装着可能な集塵体としての集塵袋16および集塵容器としての分離体17と、集塵部本体15の後部に着脱可能に取り付けられるフィルタ体18とを備えている。なお、以下、集塵カップ3の上流側を前側、下流側を後側とする。
集塵部本体15は、上流側に位置する本体上流部21と、この本体上流部21に対して回動可能に設けられた本体下流部22とを有している。
本体上流部21は、前側に位置する四角形状の前板部25と、この前板部25の両側部に設けられた一対の上流側板部26,26と、これら前板部25および上流側板部26,26の上端部間に連続する上流上板部27と、これら前板部25および上流側板部26,26の下端部間に連続する上流下板部28とを備え、これら板部26,26,27,28の後端部が略面一となって本体上流部21の後端部に上流側連通開口29が区画されている。
前板部25には、中央部に丸孔状の吸込口31が開口形成されている。また、この前板部25の左右方向中央部の上部には、集塵袋16と分離体17とのそれぞれを集塵部本体15の本体上流部21内に着脱可能に保持するクランプ部32が設けられている。
吸込口31は、集塵カップ3を図8に示す集塵室Rに取り付けた状態で本体吸込口7に連通接続されて図9に示す電動送風機2の駆動により空気とともに塵埃が吸い込まれる開口であり、前板部25の後面における吸込口31の周囲には、集塵袋16と分離体17とのそれぞれに対して吸込口31を気密に接続するためのパッキン34が設けられている。
クランプ部32は、前板部25の左右方向中央部の上部に穿設された図示しない横長の取付孔の両側部に設けられたクランプ部側板37,37と、取付孔の下方にてクランプ部側板37,37の下端部間に連結されたクランプ部底板38とにより区画された空間部41に、後端部が取付孔に挿入されたクランプ体としてのクランプボタン42が取り付けられている。
クランプ部側板37,37には、後部寄りすなわち前板部25側の上端部近傍に、クランプボタン42を上下方向に回動可能に軸支する軸支穴44(一方のみ図示)が穿設されている。
空間部41は、上側および前側が開放されており、この開放された上側から、クランプボタン42の前部上側が露出している。
クランプボタン42は、空間部41内に位置し作業者が押し操作する被操作部46を前部に備え、この被操作部46の後部には、取付孔に挿入されて本体上流部21内に位置した挿入部47と、この挿入部47の後端部から下方前側へと突設された係合爪部48とが一体に設けられている。
被操作部46は、上部および前部が空間部41から露出し、両側部に回動軸A1(一方のみ図示)が突設され、これら回動軸A1がクランプ部側板37,37の軸支穴44に挿入されて回動可能に軸支されている。そして、これら回動軸A1には、図示しないトーションばねが設けられ、これらトーションばねは、クランプボタン42の被操作部46側を上方向へ、すなわち挿入部47側を下方向へと付勢するものである。
挿入部47は、前板部25の後面に取り付けられた角筒状の保持部材49に挿通されて保持されて、本体上流部21内にて上流上板部27の下面から離間されている。
係合爪部48は、集塵部本体15内に取り付けられた集塵袋16あるいは分離体17に係合され、トーションばねの付勢力によりこれら集塵袋16あるいは分離体17を集塵部本体15内に保持するものである。
上流上板部27の上面の左右方向中央部の後部には、本体上流部21と本体下流部22とを互いに係合する際の爪部となる係合部50が上方向に突設されている。また、この上流上板部27の上面の係合部50の若干前方の両側には、軸支部51,51が上方向に突設され、これら軸支部51,51には、集塵カップ3の把持用のU字状の把持ハンドル52の両端部が前後方向に回動可能に軸支されている。
上流下板部28の前端部には、集塵袋16の下端部を嵌合可能な嵌合凹部54が設けられている。また、上流下板部28の後端部には、本体上流部21に対して本体下流部22を回動可能に軸支する一対のヒンジ部55,55が設けられている。
嵌合凹部54は、上流下板部28から下方に突設され、両側部が上流側板部26,26よりも左右方向内側に位置しているとともに、前側が前板部25と略面一となっている。そして、この嵌合凹部54は、図8に示すように集塵カップ3を集塵室Rに取り付ける際の位置決め部ともなるものである。
図1ないし図3に戻って、ヒンジ部55,55は、集塵カップ3の左右方向に互いに対称な位置にそれぞれ設けられている。
上流側連通開口29は、本体上流部21内と本体下流部22内とを連通する正面視四角形状の開口である。
一方、本体下流部22は、一対の下流側板部57,57と、これら下流側板部57,57の上端部に連続する下流上板部58と、これら下流側板部57,57の下端部に連続する下流下板部59とにより、前端部および後端部が略面一となり、前端部に上流側連通開口29と連通接続される下流側連通開口61を区画するとともに後端部にフィルタ体18が着脱される排気口62を区画する角筒状に形成され、本体上流部21よりも上側に大きくなっている。
下流側板部57の後端部の上側寄りの位置には、フィルタ体18の後端部側が露出する切欠部64がそれぞれ四角形状に切り欠き形成されている。
下流上板部58の左右方向中央部の前端部両側には、一対の軸支突部66,66(図8に示す)が上方向に突設され、これら軸支突部66,66には、本体上流部21と本体下流部22とを係合する係合体としての係合ボタン67が回動可能に軸支されている。また、下流上板部58の左右方向中央部の後端部には、排気口62に取り付けられたフィルタ体18を係合する係合突部68が後方に向けて突設されている。
軸支突部66,66は、集塵カップ3の左右方向に互いに対称な位置にそれぞれ設けられている。
係合ボタン67は、略横長板状に形成されている。また、この係合ボタン67は、作業者が押し操作する押し操作部71を後部に備え、この押し操作部71の前部には、本体下流部22の前端部に沿って下方へと屈曲された屈曲部72と、この屈曲部72から前方へと突設された係合突出部73とが一体に設けられている。
押し操作部71は、両側部に操作部回動軸A2(一方のみ図示)が突設され、これら操作部回動軸A2が軸支突部66に挿入されて回動可能に軸支されている。そして、これら操作部回動軸A2には、図示しない回動軸トーションばねが設けられ、これら回動軸トーションばねは、係合ボタン67の押し操作部71を上方向へ、すなわち屈曲部72および係合突出部73側を下方向へと付勢するものである。このため、押し操作部71は、上側に最大に回動した状態で下流上板部58に対して後側が若干上側に浮いた状態となっている。
係合突出部73は、本体上流部21の上流上板部27の係合部50に係合するもので、この係合部50が係合する図示しない係合凹部が下端部に設けられている。
係合突部68は、下流上板部58から上方に突出し、かつ、先端部が後方に屈曲して、この先端部が下流上板部58の後端部よりも後側に突出している。
下流下板部59の前端部には、本体上流部21の一対のヒンジ部55,55に回動可能に軸支されるヒンジ部75,75が設けられている。
これらヒンジ部75,75は、集塵カップ3の左右方向に互いに対称な位置にそれぞれ設けられ、ヒンジ部55,55に対して集塵カップ3の幅方向中央側からそれぞれ係合されている。
下流側連通開口61は、各板部57,57,58,59のそれぞれの前端部から内部側へとフランジ状に突出したフランジ部77により周囲を区画されている。そして、この下流側連通開口61の内縁部には、開口パッキン78が全周に亘って取り付けられている。この開口パッキン78は、本体上流部21と本体下流部22とを互いに係止した状態で上流側連通開口29の周縁部を区画する各板部26,26,27,28の後端部に圧接され、上流側連通開口29と下流側連通開口61とを気密に接続するものである。
排気口62は、吸込口31から吸い込まれ集塵カップ3内で塵埃を捕集された空気が、集塵カップ3の外部へと排気される開口であり、この集塵カップ3の外部へと排気された空気は、図8に示すように、集塵室Rの後部に格子状に設けられた格子リブ部81に保持された集塵室フィルタ82を介して、図9に示す電動送風機2へと吸い込まれるように構成されている。
集塵袋16は、図1および図2に示すように、集塵部本体15に装着した際にクランプボタン42により保持される口板84と、この口板84と一体的に設けられた通気性を有する袋状の集塵袋本体85とを備え、この集塵袋本体85に空気を通過させて塵埃を空気から分離して捕集するものである。
口板84は、例えばボール紙などの厚紙により正方形状に形成され、中央部に丸孔状の吸込開口87が穿設されている。そして、この口板84は、集塵袋16を集塵部本体15に装着した状態で前板部25のパッキン34が吸込開口87の周囲に圧接されることで、吸込口31と吸込開口87とが気密に接続されるように構成されている。
集塵袋本体85は、複数の通気性素材を積層したシートを折り畳んで袋状に形成され、口板84の吸込開口87が内部に連通するように口板84の後部に取り付けられている。そして、この集塵袋本体85の折り畳みに際しては、例えば口板84側から後側へと、上下両端部を上下方向にそれぞれ折り畳む折りひだ部85aと、左右両側部を左右方向にそれぞれ折り畳む折りひだ部85bと、前記折りひだ部85aとを順次形成するように折り畳むことで、集塵袋本体85が蛇腹構造に構成されている。
この結果、集塵袋16は、図4(a)に示す折り畳み状態では、口板84に集塵袋本体85が接近してコンパクトになり、図4(b)に示すように膨らんだ状態では、前後方向に伸びて充分な集塵量を確保するように構成されている。
また、分離体17は、図1、図3、図5および図6に示すように、集塵部本体15に装着した際にクランプボタン42により保持される被保持部91と、この被保持部91の後部に一体に設けられた集塵本体部92とを有し、慣性により塵埃を空気から分離して捕集するとともに、フィルタ体18との間に補助分離体としてのフィルタ枠F、整流体としてのインデューサIおよび集塵袋16を介在することでサイクロン分離に使用されるサイクロン内容器である。
被保持部91は、例えば合成樹脂などにより前後方向に厚み方向を有し集塵袋16の口板84よりも小さい四角形板状に形成され、中央部に丸孔状の連通開口94が穿設されている。また、この被保持部91の連通開口94の周囲には、上部、一側部および下部に亘って連続する肉取り部95が凹状に形成されている。さらに、この被保持部91は、分離体17を集塵部本体15に装着した状態で前板部25のパッキン34が連通開口94の周囲に圧接されることで、吸込口31と連通開口94とが気密に接続されるように構成されている。そして、被保持部91の上部には、クランプボタン42の係合爪部48に係合保持される被保持突部96が左右方向の中央部に突設されている。
連通開口94は、吸込口31よりも大きく形成されている。また、この連通開口94は、被保持部91の後側に突出するように分離筒部97が取り付けられている。この分離筒部97は、吸込口31から吸い込んだ塵埃を、慣性により粗塵と細塵とに分離する部分であり、前側から後側へと縮径されるように形成され、複数の通気口98が周方向にそれぞれ離間されて穿設されている。また、分離筒部97の下流端である後部には、整流部99が一体に設けられている。
各通気口98には、メッシュ状の細塵フィルタ101がそれぞれ取り付けられている。これら細塵フィルタ101は、分離筒部97に吸い込まれ通気口98を通過する吸込風に含まれる細塵を捕集するものである。
整流部99は、分離筒部97を通過した吸込風を整流するものであり、正面視で逆コ字状に形成されて一側方および後方に開口し、後端部が集塵本体部92の後端部と略面一となるように形成されている。
集塵本体部92は、被保持部91の後部に一体に設けられた集塵前板部102と、この集塵前板部102の両側部から後方へと穿設された集塵側板部103,104と、これら集塵側板部103,104の上端部間に連続する集塵上板部105と、集塵側板部103,104の下端部間に連続する集塵下板部106とを有し、各板部103,104,105,106の後端部が略面一に形成されている。
また、この集塵本体部92内には、集塵上板部105の後端部に略四角形状に切り欠き形成された切欠孔107の一側縁部に沿って、第1区画板部111が集塵下板部106に亘って連続することで、集塵前板部102、集塵側板部103、集塵上板部105および集塵下板部106との間で第1集塵空間部112が区画されているとともに、切欠孔107の他側縁部に沿って、第2区画板部113が集塵下板部106に亘って連続することで、集塵前板部102、集塵側板部104、集塵上板部105および集塵下板部106との間で第2集塵空間部114が区画され、かつ、この第2区画板部113が第1区画板部111へと連続することで、集塵前板部102および両区画板部111,113の間で分離空間部115が区画されている。
さらに、この集塵本体部92には、分離空間部115内の上部にて、切欠孔107の前縁部から下方へと、両区画板部111,113間に亘って通路区画板部117が延設され、この通路区画板部117の下端部が前方へ屈曲されて集塵前板部102に連続することで、分離筒部97の上方に、各集塵空間部112,114間を連通する通路部118が区画されている。また、この集塵本体部92は、本体上流部21の各板部26,26,27,28の内側面からそれぞれ突設されたリブ119により、各板部103,104,105,106の外側が保持されることで、集塵部本体15の本体上流部21に分離体17を装着した状態で、分離筒部97がパッキン34に圧接されるとともに集塵本体部92の後端部が本体上流部21の後端部と略面一となるように、本体上流部21内に位置決めされるとともに、上下左右方向に位置規制される。
集塵前板部102には、丸孔状の図示しない貫通孔が中央部に穿設されて、この貫通孔に分離筒部97が挿通されて、被保持部91の後面に一体に取り付けられている。
集塵側板部103,104は、それぞれ後側から集塵前板部102との連続部へ向けて左右方向の中心側に湾曲するように形成されている。
切欠孔107は、集塵上板部105の左右方向の中心域に形成され、一側部が前後方向に略直線状に形成され、前縁部が左右方向に略直線状に形成されるとともに、他側部が、前側から後側へと左右方向の中心側に傾斜するように、分離筒部97の縮径傾斜に沿って傾斜状に形成されている。
第1区画板部111は、集塵上板部105から下方向へと略垂直に形成され、上下方向の略中央部の後端部に、第1集塵空間部112と分離空間部115とを連通する四角形状の連通切欠孔121が切り欠き形成されている。この連通切欠孔121は、整流部99の側部開口と気密に接続されている。したがって、分離筒部97を通過した吸込風は、整流部99を介して連通切欠孔121から第1集塵空間部112へと流入するように構成されている。すなわち、第1集塵空間部112は、分離筒部97にて分離された粗塵が吸込風とともに流入し、この粗塵の一部を内部に収容可能となっている。
第2区画板部113は、集塵上板部105から下方向へと略垂直に形成された垂直部123と、この垂直部123の下部から水平方向に屈曲されて第1区画板部111へと連続する水平部124と、この水平部124の下部から集塵下板部106へと突設された突出連続部125とを備えている。
垂直部123は、集塵前板部102に対して垂直に設けられた前側垂直部123aと、この前側垂直部123aの後部および切欠孔107の下部に連続する後側垂直部123bとを有している。
前側垂直部123aの上部には、通路部118に連通する角孔状の通気孔126が穿設されている。
後側垂直部123bは、前側垂直部123aに対して、下流側である後側へと拡開状に設けられ、後端部が集塵本体部92の後端部と略面一となっている。
水平部124は、分離空間部115の下部を区画するもので、分離筒部97の下方に位置し、連通切欠孔121の下部にて第1区画板部111に連続している。また、この水平部124の後端部は、集塵本体部92の後端部と略面一となっている。
突出連続部125は、集塵前板部102側から後端部側へと、分離筒部97の縮径形状に対応して拡開されるように傾斜している。また、この突出連続部125の後端部は、集塵本体部92の後端部と略面一となっている。
すなわち、第2集塵空間部114は、上流側である前側から下流側である後側へと拡開状に形成され、通路部118を介して通過する第1集塵空間部112側からの吸込風により、粗塵の残りの部分を内部に収容可能となっている。
なお、各集塵空間部112,114は、それぞれフィルタ枠Fを分離体17とフィルタ体18との間に介在した状態で後端部がフィルタ枠Fにより閉塞されることで、閉塞された空間部となる。
分離空間部115は、分離筒部97が内部に位置する部分であり、この分離筒部97の通気口98を介して分離筒部97内と連通している。したがって、分離空間部115には、細塵フィルタ101にて細塵を捕集された吸込風が流入するように構成されている。
通路区画板部117は、断面視で略L字状に形成され、第1区画板部111の上部前側に穿設された角孔状の図示しない第1通気孔と、第2区画板部113に穿設された第2通気孔126との間を連通する通路部118を区画している。
したがって、通路部118は、両端部が集塵側板部103,104のそれぞれ湾曲形状に連続するように形成されている。このため、集塵本体部92内には、第1集塵空間部112、通路部118および第2集塵空間部114に亘って、吸込風が旋回可能な筒状の空間部が形成されている。
リブ119は、それぞれ前後方向に沿って各板部26,26,27,28に一対ずつ設けられている。
フィルタ枠Fは、本体下流部22の内縁形状に沿って四角形板状に形成され、フィルタ枠Fを分離体17とフィルタ体18との間に介在して集塵部本体15内に取り付けた状態で本体下流部22のフランジ部77の後面に周囲が当接するように構成されている。また、このフィルタ枠Fは、各連通開口29,61の内縁部に沿う外形を有する前側板部131が前部に一体に設けられているとともに、第1集塵空間部112の後部に対向する第1開口部132と、第2集塵空間部114の後部に対向する第2開口部133と、分離空間部115の後部に対向する分離開口部134とが穿設されている。
前側板部131は、フィルタ枠Fを分離体17とフィルタ体18との間に介在して集塵部本体15内に取り付けた状態で開口パッキン78の内縁部に外縁部が気密に嵌合する部分であり、フィルタ枠Fに対して同方向に厚みを有する段差板状に突設されている。また、この前側板部131の前部には、第1開口部132の周囲に第1パッキン136が取り付けられているとともに、第2開口部133の周囲に第2パッキン137が取り付けられている。
第1開口部132は、整流部99により整流された吸込風の一部が第1集塵空間部112内からフィルタ体18へと通過する縦長角孔状の開口であり、フィルタ枠Fを分離体17とフィルタ体18との間に介在して集塵部本体15内に取り付けた状態で連通切欠孔121の下流側の近傍に位置している。そして、この第1開口部132には、通過する吸込風に含まれる細塵を捕集するメッシュ状の第1メッシュフィルタ141が取り付けられている。
第2開口部133は、第2集塵空間部114に流入した吸込風が第2集塵空間部114内からフィルタ体18へと通過する開口であり、第2集塵空間部114を区画する集塵上板部105、集塵側板部103、集塵下板部106、および、第2区画板部113に沿って正面視でL字状に形成されている。そして、この第2開口部133には、通過する吸込風に含まれる細塵を捕集するメッシュ状の第2メッシュフィルタ142が取り付けられている。
分離開口部134は、分離空間部115に流入した吸込風がフィルタ体18へと通過する角孔状の開口であり、フィルタ枠Fを分離体17とフィルタ体18との間に介在して集塵部本体15内に取り付けた状態で分離筒部97の上方に位置している。
第1パッキン136は、フィルタ枠Fを分離体17とフィルタ体18との間に介在して集塵部本体15内に取り付けた状態で整流部99、集塵上板部105の一側部、集塵側板部103、集塵下板部106の一側部、および、第1区画板部111のそれぞれの後端部に圧接されるように形成されている。このため、第1パッキン136は、これら各部の形状に沿って正面視で横凸字状に形成されている。
第2パッキン137は、フィルタ枠Fを分離体17とフィルタ体18との間に介在して集塵部本体15内に取り付けた状態で集塵上板部105の他側部、集塵側板部103、集塵下板部106の他側部、および、第2区画板部113の後側垂直部123bと水平部124と突出連続部125との、それぞれの後端部に圧接されるように形成されている。このため、第2パッキン137は、これら各部の形状に沿って、すなわち第2開口部133の形状に沿って、正面視でL字状に形成されている。
インデューサIは、フィルタ枠Fの各開口部132,133,134を通過した吸込風を集塵袋16の吸込開口87へと整流するもので、図1および図7に示すように、フィルタ枠Fと略等しい大きさの四角形板状に形成され、中央部が前側から後側へと凹状に窪んで形成され、この窪んだ中央部に丸孔状の整流孔143が穿設されている。また、このインデューサIの後面には、整流孔143の周縁部にインデューサパッキン144が取り付けられているとともに、外周縁部に沿って、集塵袋16をこのインデューサIに取り付けるための取付枠部145が設けられている。
整流孔143は、集塵袋16を取付枠部145に取り付けた状態で吸込開口87に接続される開口であり、この吸込開口87と略等しい大きさに形成されている。
インデューサパッキン144は、集塵袋16を取付枠部145に取り付けた状態で口板84の前面に後端部が圧接されて、整流孔143と吸込開口87とを気密に接続するものである。
取付枠部145は、インデューサIの上縁部に沿って左右方向に延設された上枠部145aと、この上枠部145aの一側端からインデューサIの一側縁部に沿って下方へと延設された側枠部145bと、この側枠部145bの下端からインデューサIの下縁部に沿って上枠部145aと平行に延設された下枠部145cとにより、正面視で他側部が開口された逆コ字状に形成され、これら各枠部145a,145b,145cの内側に、集塵袋16の口板84を嵌合する溝部Dが連続して形成されている。
この溝部Dは、上枠部145aおよび下枠部145cの他端側に連通している。したがって、集塵袋16は、取付枠部145の開放された他側端から口板84の上下端部を溝部Dに嵌合させて、インデューサIの後面に沿うように一側方向すなわち側枠部145b側へと摺動すなわちスライドさせることで、インデューサIに固定される。
フィルタ体18は、排気口62の内形形状に沿う外形を有する四角形枠状のフィルタ保持枠146と、このフィルタ保持枠146の後部に保持される微細塵フィルタ147とを備えている。
フィルタ保持枠146は、後端部の全周に、当接フランジ部148が突設されている。この当接フランジ部148は、フィルタ体18を排気口62に取り付けた際にこの排気口62の周縁部である本体下流部22の後端部に当接してフィルタ体18を排気口62に対して位置決めするものである。さらに、このフィルタ保持枠146の上部には、フィルタ体18を集塵部本体15から取り外す際に摘む取手部149が突設され、この取手部149には、集塵部本体15の本体下流部22の係合突部68が挿入されて係止される係止孔150が穿設されている。
そして、フィルタ保持枠146には、格子状の格子リブ151が前端部に面状に形成され、これら格子リブ151により微細塵フィルタ147をフィルタ保持枠146に保持している。
次に、上記一実施の形態の動作を説明する。
まず、掃除を開始する前に、作業者は、集塵袋16と分離体17とのいずれを集塵カップ3に装着するかを決定する。例えば、継続的に塵埃を掃除する場合、あるいは体積が比較的小さく重量が比較的大きい砂塵などを掃除する場合には、集塵袋16を選択して装着し、集塵袋16の予備がない場合、あるいは体積が比較的大きく重量が比較的小さい綿埃などを掃除する場合には、分離体17を選択して装着する。
集塵袋16を選択して装着する場合には、係合ボタン67の押し操作部71を押し操作して係合突出部73と係合部50との係合を外し、図2に示すように本体上流部21と本体下流部22とを開き、集塵袋16の口板84側を前側として本体上流部21の上流側連通開口29から挿入し、口板84の下端部を嵌合凹部54に嵌合させた状態で、クランプボタン42の被操作部46を押し操作して係合爪部48を上流上板部27側へと移動させ、口板84の下端部を中心として口板84の上端部を前板部25の後面側へと回動させた後、クランプボタン42の押し操作を解除すると、トーションばねの付勢力により復帰したクランプボタン42の係合爪部48が口板84の上端部に係合し、集塵袋16が本体上流部21内に保持される。また、フィルタ体18を排気口62から本体下流部22に取り付ける。
一方、分離体17を選択して装着する場合には、上記集塵袋16を装着する動作と同様に操作して図3に示すように本体上流部21と本体下流部22とを開き、クランプボタン42の被操作部46を押し操作して係合爪部48を上流上板部27側へと移動させた状態で分離体17の被保持部91側を前側として本体上流部21の上流側連通開口29から挿入すると、各リブ119により分離体17がガイドされて被保持部91が前板部25の後面に圧接され、クランプボタン42の押し操作を解除すると、トーションばねの付勢力により復帰したクランプボタン42の係合爪部48が被保持部91の被保持突部96に係合し、分離体17が本体上流部21内に保持される。また、集塵袋16をインデューサIの取付枠部145に対してこの取付枠部145の開口端側から摺動させて取り付け、フィルタ枠Fと、インデューサIおよび集塵袋16とをそれぞれフィルタ体18とともに排気口62から本体下流部22に取り付ける。
この状態で、ヒンジ部55,55,75,75を中心として本体下流部22を本体上流部21側へと回動させて押し込むことで、係合部50と係合ボタン67の係合突出部73とが係合し、本体上流部21と本体下流部22とが互いに係止される。
さらに、図8に示すように、集塵袋16、あるいは分離体17を装着した集塵カップ3を、本体蓋6を開けた集塵室Rへと開口5から挿入して取り付け、本体蓋6を閉じる。
次いで、図9に示すように、掃除機本体1の本体吸込口7に、ホース体8、延長管12および床ブラシ13を順次連通接続し、電源コード14を掃除機本体1から引き出して図示しないコンセントに接続し、作業者が手元把持部10を把持して所定の設定ボタン11を操作し、電動送風機2を所望の動作モードで動作させる。
そして、作業者は、床ブラシ13を床面に接地させて前後に走行させ、床面上の塵埃を空気とともに吸い込んで掃除する。
塵埃とともに床ブラシ13から吸い込まれた空気は、吸込風となり、この吸込風は、延長管12、ホース体8および本体吸込口7を順次通過した後、集塵室R内の集塵カップ3の吸込口31から集塵カップ3内へと吸い込まれる。
集塵カップ3に集塵袋16を装着している場合には、吸込風が吸込開口87から吸い込まれて集塵袋本体85を通過する際に、吸込風に含まれる塵埃が集塵袋本体85に捕集され、この塵埃が捕集された吸込風は、微細塵フィルタ147を通過する際に微細塵が捕集されて、排気口62から集塵カップ3の外部へと排気される。
一方、集塵カップ3に分離体17を装着している場合には、吸込風が分離筒部97を通過する際に、比較的重量が大きい粗塵は、この吸込風とともに分離筒部97を直進して整流部99を介して連通切欠孔121から第1集塵空間部112側へと通過するとともに、比較的重量が小さい細塵は、吸込風が細塵フィルタ101を通過する際にこの細塵フィルタ101に捕集される。
粗塵とともに第1集塵空間部112に流入した吸込風は、一部が第1開口部132を通過する際に第1メッシュフィルタ141により細塵を捕集されてフィルタ体18へと通過し、他部が第1集塵空間部112の集塵側板部103の湾曲形状に沿って通路部118を介して第2集塵空間部114へと旋回する。このとき、粗塵の一部は、第1集塵空間部112内にてサイクロン分離されて、この第1集塵空間部112に捕集される。
この第2集塵空間部114に流入した吸込風は、残留した粗塵が第2集塵空間部114内にてサイクロン分離されて第2集塵空間部114内に捕集されるとともに、第2開口部133をインデューサIへと通過し、この通過の際に第2メッシュフィルタ142により残留した細塵が捕集される。
一方、細塵フィルタ101を通過した吸気風は、分離空間部115および分離開口部134を介してインデューサIへと通過する。
各開口部132,133,134を介してインデューサIへと通過した吸込風は、このインデューサIにより整流されて整流孔143から吸込開口87へと吸い込まれて集塵袋本体85により分離筒部97で分離した細塵が捕集され、この集塵袋本体85を通過した吸込風は、フィルタ体18の微細塵フィルタ147を通過する際に微細塵が捕集されて、排気口62から集塵カップ3の外部へと排気される。
そして、集塵カップ3から排気された空気は、集塵室フィルタ82を通過して電動送風機2へと吸い込まれて排気風となり、図示しない排気孔から掃除機本体1の外部へと排気される。
また、集塵袋16を装着した集塵カップ3では、集塵袋16が一杯になると、電気掃除機を停止した後、本体蓋6を開けて集塵カップ3を集塵室Rから取り出し、ごみ箱などの上方で、把持ハンドル52を把持した状態で係合ボタン67を操作して本体下流部22を本体上流部21に対して開き、さらに、本体上流部21の上流下板部28とクランプボタン42とを挟むように把持することで、クランプボタン42の係合爪部48が上流上板部27側へと回動して集塵袋16の口板84との係合が外れ、集塵袋16が自重によりごみ箱などへと落下して廃棄される。
一方、分離体17を装着した集塵カップ3では、分離体17の各集塵空間部112,114内が一杯になったり、各フィルタ101,141,142が目詰まりしたりすると、上記集塵袋16を装着した集塵カップ3と同様に本体下流部22を本体上流部21に対して開くことで、フィルタ枠Fが本体下流部22側に一体に保持されて各集塵空間部112,114の後側が開き、これら集塵空間部112,114内に収容された塵埃をごみ箱などへと廃棄可能となるとともに、フィルタ枠FおよびインデューサIを取り外し、このインデューサIの取付枠部145の開口端側に集塵袋16を摺動させてこのインデューサIから集塵袋16を取り外すことで、この集塵袋16を廃棄可能となる。
また、分離体17は、上記集塵袋16を装着した集塵カップ3と同様にクランプボタン42を操作することで本体上流部21から取り外し、ティッシュペーパなどで各細塵フィルタ101にて捕集した細塵を除去するとともに、フィルタ枠Fの各メッシュフィルタ141,142もティッシュペーパなどで掃除する。
さらに、微細塵フィルタ147が目詰まりした場合などには、取手部149を摘んでごみ箱の上などで本体下流部22からフィルタ体18を取り外し、微細塵フィルタ147を水洗いなどにより逆洗して、この微細塵フィルタ147にて捕集した微細塵を除去する。
上述したように、上記一実施の形態では、共通の集塵部本体15に、集塵袋16と分離体17とのいずれか一方を選択的に装着可能とする構成、すなわち集塵袋16と分離体17とをコンパチブルに集塵部本体15に収納可能なものとした。
このため、作業者は、例えば電気掃除機のメンテナンスを容易としたい場合などには、集塵部本体15に集塵袋16を装着して使用し、集塵袋の予備がない場合、あるいは、ペットの抜け毛などの掃除のように集塵袋16では直ぐに一杯になってしまう塵埃を掃除する場合などには、集塵部本体15に分離体17およびフィルタ枠Fを装着して使用するなど、掃除状況および使用環境などに応じて作業者が集塵袋16と分離体17とを使い分けることができ、掃除性を向上できる。
また、空気からの塵埃の分離方法に着目すると、通気性を有し空気を通過させて塵埃を空気から分離する集塵袋本体85を備えた集塵袋16と、慣性により塵埃を空気から分離する分離体17とのいずれか一方を、共通の集塵部本体15に選択的に装着可能とすることで、例えば体積が比較的小さく重量が比較的大きい砂塵などを掃除する場合には集塵袋16を装着し、体積が比較的大きく重量が比較的小さい綿埃などを掃除する場合には、分離体17を装着するなど、掃除対象となる塵埃の種類に応じても作業者が集塵袋16と分離体17とを使い分けでき、掃除性を向上できる。
さらに、上記電気掃除機の製造者側でも、電気掃除機の内部構成などを一切変えることなく、分離体17とフィルタ枠Fとを別個に製造するだけで紙パック式とサイクロン式との双方に容易に対応できる。
そして、分離体17を選択して集塵部本体15に装着する状態では、集塵袋16を微細塵捕集用として集塵部本体15に取り付けできるので、集塵袋16を分離体17用のフィルタとしても共用でき、分離体17用のフィルタが別個に必要とならず、使い勝手が向上する。
また、分離体17を集塵部本体15に装着する際には、吸込風を整流するインデューサIを集塵袋16の前部に配設することで、分離体17で分離された微細塵を、より効率よく集塵袋16内へと導くことができる。
さらに、インデューサIは、後面に取付枠部145を設け、集塵袋16を溝部Dに沿ってスライドさせて取り付け可能とすることで、取り付けが容易になる。
しかも、集塵袋16を取付枠部145に取り付ける際の取り付け方向は、吸込風の流れ方向である前後方向に交差する方向なので、吸込風から受ける力により集塵袋16が集塵部本体15内で動いてしまうことがない。
そして、取付枠部145に溝部Dを設けるだけの比較的簡単な構成で集塵袋16をインデューサIに取り付けできるので、インデューサIの製造が容易になる。
また、集塵袋16の集塵袋本体85を、折りひだ部85a,85b,85aを設けた蛇腹構造としたことにより、折り畳んだ状態ではコンパクトでありながら、集塵袋本体85の表面積を確保でき、集塵袋16の集塵量を増加させることが可能になる。
しかも、折り畳んだ状態でコンパクトになることで、集塵部本体15に分離体17を装着する際のフィルタとして集塵袋16を装着する場合に、集塵カップ3内に必要以上のスペースが必要となることがなく、集塵カップ3が必要以上に大型化することを防止できる。
さらに、集塵袋16と分離体17とは、共通のクランプボタン42で集塵部本体15に対して着脱できるので、集塵袋16の着脱と分離体17の着脱とのそれぞれの動作が同一となるので、集塵カップ3の取り扱いが容易になるとともに、集塵袋16と分離体17とで別個の着脱構造を設ける場合と比較して、集塵カップ3の構成を簡略化でき、かつ、部品点数を削減できるなど、製造コストをも抑制できる。
そして、集塵袋16を選択して集塵部本体15に取り付けた場合に、この集塵袋16を廃棄する際、あるいは、分離体17を選択して集塵部本体15に取り付けた場合に、各集塵空間部112,114内に捕集された塵埃を廃棄する際、および、本体下流部22に取り付けた集塵袋16を廃棄する際には、作業者が集塵袋16および分離体17に直接手を触れる必要がないので、衛生的となる。
また、細塵および微細塵などを捕集する各種フィルタ101,141,142,147を備えた分離体17、フィルタ枠Fおよびフィルタ体18をそれぞれ集塵部本体15に対して着脱可能とすることで、これらフィルタ101,141,142,147の目詰まりなどを容易に解消でき、メンテナンス性が向上する。
さらに、集塵袋16は、下端部を嵌合凹部54に嵌合させることで、集塵部本体15に対して容易に取り付けできるとともに、この嵌合凹部54への嵌合とクランプボタン42による係止とで上下両端部で集塵部本体15内に保持されているため、空気とともに塵埃を吸い込んだ際に、吸込口31と吸込開口87との間に隙間が生じることを確実に防止できる。
そして、分離体17は、リブ119により位置決めおよび位置規制されるので、集塵部本体15内でがたついたり、吸込口31と連通開口94との間に隙間が生じたりすることを確実に防止できる。
このため、上記一実施の形態では、集塵袋16と分離体17とのいずれを集塵部本体15に取り付けた場合でも、吸込効率が低下することを確実に防止できる。
なお、上記一実施の形態において、集塵部本体15、分離体17、フィルタ枠FおよびインデューサIなどは、吸い込んだ塵埃を粗塵と細塵とに分離できる構成であれば、上記構成に限定されるものではなく、例えばサイクロン式以外の分離方法のものとすることもできる。
また、集塵袋16は、充分な集塵量を確保できれば、蛇腹構造のものでなくてもよい。
さらに、電気掃除機としては、キャニスタ型に限らず、例えば自走式の電気掃除機などでもよく、また、例えば床ブラシ13が掃除機本体1の下面に直接形成されたアップライト型、あるいはハンディ型などであっても対応させて用いることができる。
本発明の一実施の形態の電気掃除機の集塵部を示す分解斜視図である。 同上集塵袋を取り付けた集塵部の開放状態を背面側から示す斜視図である。 同上分離体を取り付けた集塵部の開放状態を背面側から示す斜視図である。 (a)は同上集塵袋が折り畳まれた状態を示す斜視図、(b)は同上集塵袋が膨らんだ状態を示す斜視図である。 同上分離体を示す斜視図である。 同上集塵部本体に取り付けた分離体を示す斜視図である。 同上分離体を集塵部本体に取り付ける際の集塵袋の取り付けを背面側から示す斜視図である。 同上集塵袋を取り付けた集塵部と分離体を取り付けた集塵部との掃除機本体への選択的な装着を示す斜視図である。 同上電気掃除機を示す斜視図である。
符号の説明
1 掃除機本体
2 電動送風機
3 集塵部としての集塵カップ
15 集塵部本体
16 集塵袋
17 集塵容器としての分離体
85 集塵袋本体

Claims (3)

  1. 電動送風機を収容した掃除機本体と、
    前記掃除機本体に対して着脱可能に設けられ、前記掃除機本体に取り付けた状態で前記電動送風機の吸込側に連通する集塵部とを具備し、
    前記集塵部は、塵埃を捕集する集塵袋と集塵容器とのいずれか一方が選択的に装着可能であるとともに、前記集塵容器を選択した場合に、前記集塵容器に捕集されない塵埃の一部を捕集するように前記集塵袋を取り付け可能な集塵部本体を備えている
    ことを特徴とした電気掃除機。
  2. 電動送風機を収容した掃除機本体と、
    前記掃除機本体に対して着脱可能に設けられ、前記掃除機本体に取り付けた状態で前記電動送風機の吸込側に連通する集塵部とを具備し、
    前記集塵部は、通気性を有し空気を通過させて塵埃を空気から分離する集塵袋本体を有する集塵袋と慣性により塵埃を空気から分離する分離体とのいずれか一方が選択的に装着可能であるとともに、前記分離体を選択した場合に、前記分離体にて分離した塵埃の一部を捕集するように前記集塵袋を取り付け可能な集塵部本体を備えている
    ことを特徴とした電気掃除機。
  3. 集塵袋は、蛇腹構造に形成されている
    ことを特徴とした請求項1または2記載の電気掃除機。
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