JP4458829B2 - 人体洗浄装置 - Google Patents
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Description
洗浄水を予め貯湯タンク内で温め、貯留しておく貯湯式の人体洗浄装置では、常に洗浄水を保温しておかないといけないため、装置の非使用時にも電力を消費してしまうのに対して、この装置のように、装置使用時にのみ洗浄水を瞬間的に加熱する瞬間式の人体洗浄装置では、装置使用待機時の洗浄水保温の必要がないため、貯湯式に比べて消費電力が少なくて済むという利点がある。
また洗浄水を予め貯留する必要がないため装置全体が小型化できる利点がある。
ここで、シーズヒータは貯湯式熱交換器などの自然対流による熱交換器として用いられる場合が多く、表面電力密度を上げようとすると、ヒータ表面温度が上昇し、沸騰音発生やヒータ線寿命の低下などの問題が発生する。そのため表面電力密度は10W/cm2程度で使用されるのが一般的である。
一方、瞬間式の熱交換器に用いられるヒータは、洗浄水を瞬間的に加熱する必要があるため、貯湯式のヒータに比べて瞬間消費電力を高くしなければならず、一般的な表面電力密度10W/cm2程度のシーズヒータを瞬間式熱交換器に適用しようとすると、ヒータを長くしなければならない。
シーズヒータを用いた瞬間式熱交換器としてヒータをコイル状としたもの(特許文献2)やヒータ全長を略製品全幅程度にしたものが提案されているが(特許文献1)このような従来の技術では一般的な表面電力密度10W/cm2程度のシーズヒータを用いているため瞬間消費電力を高くすることによる体積の増加によって応答性の低下が発生したり、近年の商品の小型化要請から考えてまだ十分なものではない。
これにより、給水部よりノズル近傍に熱交換器を配置したことで隣接した装置間の接続流路が短くできるとともに収納効率が高くなりコンパクトになる。そして、本体ケースに給水部の固定ボスを専用に配置する必要がなくなり装置全体の小型化が可能となる。
本発明における実施の形態による人体洗浄装置の水路図を図1に示す。ここで図1は、洗浄水の供給系を示す概略構成図である。
図1において、洗浄水を供給する給水配管11には、上流側から順に、圧力調整弁12、電磁弁13、熱交換器14が接続されている。また熱交換器14の上流側には、熱交換器14に供給される洗浄水の温度を検知する冷水サーミスタ23が設けられている。熱交換器14の出口部には、バキュームブレーカ33が接続されており、バキュームブレーカ33の下流は安全弁15において二方に分岐し、一方は余剰の水を便器内に直接排出するための捨水配管16へ、他方は流路切替兼流量調整弁18が接続されている。流路切替兼流量調整弁18の下流は二方に分岐し、一方は捨水路19へ、他方はアキュームレータ29を介して脈動発生装置17に接続されている。脈動発生装置17の下流には、流路切替弁20を介して洗浄水を人体へ噴出する洗浄ノズル21へ接続されている。なおこの例では、流路切替弁20は洗浄ノズル21と一体的に構成されている。
図2、図3は本発明における実施の形態1による人体洗浄装置の平面図である。図4は本発明における実施の形態1による人体洗浄装置の正面図である。
この人体洗浄装置は、本体ケース120に、熱交換器42、入水口110、給水の停止水を行なう開閉弁等を有する給水部121、ノズル21、乾燥手段122、脱臭手段123等を取付け固定したものである。また、本体ケース120は、図示せぬケース蓋によって覆われ、そのケース蓋には便座および便蓋が開閉自在に設けられている。なお、便座および便蓋と本体(すなわち本体ケース)は略同じ横幅を有するものであり、袖操作部を有さずにリモコン装置で動作指令を行なうものである。
本発明における実施の形態では直管形状のシーズヒータ(図6参照)の全長は装置全幅の略半分の長さの約210mmで外径はφ8となっており、表面電力密度は約30W/cm2となっている。なお、シーズヒータの外径をφ10として同全長寸法とすれば表面電力密度を25W/cm2とすることも可能である。この直管状シーズヒータを備えた熱交換器本体42は本体ケース120内部の背面側下方に配置されている。製品全幅が一番広い本体ケース120の背面側下方に熱交換器本体42を配置することで直管状のシーズヒータの全長を製品略半分にしても、装置の中央位置に設けられるノズル21近傍から給水部側半分に収納することが可能となる。したがって熱交換器本体42の小型化のために必要以上にヒータ表面電力密度を高くする必要が無い。
また熱交換器本体42は入水側を下向きに5°の傾斜をもって配置しているため、シーズヒータ41の表面から発生した気泡は流路下流へと流れやすく、気泡が滞留することでシーズヒータ41表面の局所的な温度上昇を防ぐ構造となっている。
熱交換器本体42の入水口側上部には洗浄水の供給を制御する開閉手段を有した給水部121を配置して熱交換器本体42の出水口側上部にはノズル21を配置している。給水部121とノズル21は熱交換器本体42を構成するケースに固定され、給水部121とノズル21を固定した熱交換器本体42は本体ケース120に固定されている。ここで熱交換器本体42はノズル21の下部に配置された構造であるが、図2のように多少給水部側と反対方向にはみ出しても問題はない。
なお、この実施の形態の変形例として、図5では、熱交換器本体42の前方には脈動発生装置17が配置されているが、脈動発生装置17はノズル21と乾燥装置122の間の空間に配置してもよい。
(1)熱交換器本体42の上部に給水部121とノズル21を配置・固定することで本体ケース120に給水部121とノズル21の固定ボスを専用に配置する必要がなくなり装置全体の小型化が可能となる。
(2)熱交換器本体41がノズル21下部の空いた空間に入り込むことにより限られた狭い空間を有効活用することができる。
(3)給水部121とノズル21を熱交換器本体42に固定することで各隣接した装置が近傍に配置でき接続配管を短く構成することができる。
ノズル21を挟んで給水部121と反対側には乾燥装置122と脱臭装置123が洗浄水の流路と分離配置されいる。このように乾燥装置122と脱臭装置123を流路と分離配置することで万一流路に漏水が発生した場合や流路に結露が発生した場合に乾燥装置122等のヒータなどに水が被水することを防止できる。
図6は、本発明における実施の形態による熱交換器の断面図である。
熱交換器本体42には、直管形状の熱交換流路59が設けられており、支持部材56a,bにて、熱交換流路59と同軸にシーズヒータ41が支持されている。またシーズヒータ41の軸方向の位置決めは、固定部材54a,bにて行っている。熱交換流路59とシーズヒータ41の気密性は、Oリング53にて保たれており、Oリング53はバックアップリング60にて位置決めされている。シーズヒータ41の外形はφ8、熱交換流路59の内径はφ13であり、流路のクリアランスは2.5mmとなっている。熱交換流路59の一端には入水部55が設けられており、ここから加熱するための洗浄水が給水される。熱交換流路59の上流側端近傍には、シーズヒータ41と同軸に整流板58が配置されており、熱交換流路59内の流速分布均一化を図っている。そうすることにより、シーズヒータ41周囲を流れる洗浄水がヒータ表面から受ける熱量を均一にすることができ、シーズヒータ41表面の温度分布が均一となり、局所的な温度上昇による大きな気泡の発生やヒータ発熱線の断線、耐久性の劣化、洗浄水の温度ムラなどを防止することが可能となる。整流板58の構造は、図8に示すように、シーズヒータ41が貫通するための穴が中心に開いており、その周囲に複数の絞り部81が均等に円周配置された構成となっている。ヒータ周囲を流れる洗浄水流速が均一でない場合は、この複数の絞り部81で高い流速成分をより大きく減速させることによって、熱交換流路59内の流速分布の均一化を図ることができる。
入水口55から供給され、整流板58によって整流された洗浄水は、熱交換流路59内を流れながらシーズヒータ41によって加熱される。その際、加熱されることにより洗浄水中に溶存している空気が飽和状態に達すると、ヒータ表面に気泡として析出、付着し、その大きさはだんだん成長していく。ヒータ表面での気泡の離脱性が悪ければ悪いほど、ヒータ表面で気泡が大きく成長し、ヒータ表面では洗浄水への熱伝達率が悪化して局部的に表面温度が上昇する。そしてヒータ内部に封入された発熱線の温度が急激に上昇し劣化断線が発生する。
そこで、本発明における実施の形態ではヒータ表面に親水化処理を施すことによって、気泡の離脱性を向上させ、洗浄水への熱伝達低下によるヒータ表面の局部的な温度上昇の防止を図ることとした。
シース管71の表面をシリカ系材料皮膜74にて被覆し、シース管の材質であるステンレス材に比べ、ヒータ表面での水の濡れ性を向上させている。濡れ性が向上し、ヒータ表面での水の接触角が小さくなることで、気泡のヒータ表面への接触面積が小さく、即ち気泡とヒータ表面の間に洗浄水が回り込みやすくなり、気泡の離脱性が向上する。それによって気泡が大きく成長する前に、ヒータ表面から気泡を離脱させることができ、洗浄水への熱伝達低下による局部的なヒータ表面温度上昇を防止することが可能となる。
31 … 整流手段
41 … シーズヒータ
42 … 熱交換器
120 … 本体ケース
121 … 給水部
122 … 乾燥手段
123 … 脱臭手段
Claims (4)
- 洗浄水の供給を制御する開閉手段を有した給水部と、
前記給水部に接続されて洗浄水を供給される給水口と、
洗浄水の管路と、
前記管路内に配設される直管状のシーズヒータとを備えて流水状態の洗浄水を瞬間的に加熱してなる熱交換器と、
前記熱交換器から供給された洗浄水により人体局部を洗浄するノズルと、
前記給水部と熱交換器とノズルの基部を収納する本体ケースと、
を備えた本体と、
前記本体に設けられた便座とを有する人体洗浄装置において、
前記本体ケース内の熱交換器を前記ノズル近傍より給水部側に配置し、
前記熱交換器の上部には前記給水部が配置されており、
前記給水部が前記熱交換器に固定されていることを特徴とする人体洗浄装置。 - 前記熱交換器は、
洗浄水を前記熱交換器の上方から前記熱交換器の内部に導く入水部を具備することを特徴とする請求項1記載の人体洗浄装置。 - 前記ノズルを前記熱交換器の上部に配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の人体洗浄装置。
- 前記熱交換器の入水側を水平方向に対して所定の角度だけ下方に傾斜配置したこと特徴と
する請求項1〜3のいずれかに記載の人体洗浄装置。
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