JP4458500B2 - Co選択除去装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池に供給する燃料ガス中のCO濃度を低減するためのCO選択除去装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、燃料電池自動車の研究開発が活発に行われており、特に、燃料電池としては作動温度が比較的低い固体高分子型燃料電池(PEFC)が有力である。また燃料としては、補給が容易でインフラ整備の必要性が少ないメタノールが有力視されている。この場合、メタノールを水素に改質する改質器が必須となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
固体高分子型燃料電池(PEFC)は、他の燃料電池に比べて比較的低温(100℃前後)で運転される。また、PEFCのアノード触媒は、ガス中のCOによって被毒され、電池性能が大きく低下するため、PEFCに供給する燃料ガス中のCO濃度をppmオーダー(例えば数10ppm)まで低減する必要がある。
【0004】
メタノールを改質する改質器としては、例えば「メタノール改質器」(特開昭63−50302号)が開示されている。この改質器は、中空円筒形の反応管の内部に改質触媒を充填し、外部から燃焼排ガスで加熱し、内部を流れる原料ガスを改質するものである。
【0005】
しかし、特開昭63−50302号の「メタノール改質器」は、自動車用に搭載するには、(1)大型で重く、(2)起動に時間がかかり、(3)負荷変化への応答性が低く、(4)発生した水素含有ガス中のCO濃度が高く、燃料電池の電極を劣化させる、等の問題点があった。
【0006】
また、高いメタノール転化率を維持しつつCOガスの生成を低くできる手段として、例えば、「水素含有ガスの製造方法」(特開平6−256001号、特開平6−279001号)が開示されている。この方法は、メタノール、酸素、水を加熱した触媒に接触させて反応させるものであり、燃料の一部を燃焼させる部分酸化を利用している。
【0007】
しかし、特開平6−256001号及び特開平6−279001号の「水素含有ガスの製造方法」は、(5)触媒の予熱に時間がかかり、(6)CO濃度を従来のリン酸型燃料電池には適用可能な程度(約1%前後)まで下げることができるが、車載用に適した固体高分子型燃料電池(PEFC)に適用するには依然としてCO濃度が高い問題点があった。
【0008】
更に、CO濃度が極めて低い水素含有ガスを生成することができる「燃料改質装置」(特開平8−157201号)が開示されている。この装置は、図5に示すように改質器2、選択酸化部4、部分酸化部6、及び制御装置8を備え、選択酸化部4で一酸化炭素のみを酸化し、部分酸化部6で残存の一酸化炭素を酸化することで、CO濃度が極めて低い(数ppm)水素含有ガスを生成し、PEFCへの適用を可能にしている。
【0009】
しかし、特開平8−157201号の「燃料改質装置」は、触媒が反応可能な温度に予熱されるまでは、改質ガス中のCO濃度が高いため、スタック(燃料電池)に供給できない等の問題点があった。また、この装置の部分酸化部6には、COガスを選択的に酸化させる触媒が充填されるが、従来の触媒(例えばPt触媒やRu触媒)は反応温度が高い(例えば150〜200℃)ため、触媒を高温に保持した後、燃料電池に適する温度(約100℃)までガスを冷却する必要があり、(7)熱交換器を余分に必要とする問題点があった。
【0010】
また、従来の触媒は、(8)100℃以下の低温では、ほとんど活性がないため、CO濃度が低減できず、COガスによって燃料電池を被毒し電池性能を低下させる問題点があった。
【0011】
更に、近年常温から150℃前後の低温でも活性を有する触媒(例えば、Pt/Mordenite触媒)が開発されているが、この触媒は、(9)100℃以下の低温での活性は高く起動性に優れるが、高濃度のCOを除去する場合のSV値(触媒容積当たりの処理ガス量)すなわち反応速度が低く(約1/10)、そのため高負荷運転ができず大量の触媒を必要し装置が大型化する問題点があった。また、この触媒は、(10)従来の触媒の反応温度範囲(例えば150〜200℃)ではCO酸化の選択性が低下して水素のロスが多くなる問題点がある。
【0012】
本発明は上述した種々の問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、短時間で起動でき、低温から高温まで広い温度範囲でCO濃度を極めて低くでき、PEFC型燃料電池のアノード触媒を被毒するおそれが少なく、かつ容易に自動車等の車両に搭載できるように小型化ができるCO選択除去装置及び方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、水素及びCOを含む燃料ガス中のCO濃度を低減するためのCO選択除去装置であって、互いに連通した上流側反応室(12)及び下流側反応室(14)と、上流側反応室に充填され相対的に高温でCOガスを選択的に酸化させる高温触媒(16)と、上流側及び下流側の触媒を冷却する冷却手段(17)と、下流側反応室に充填され相対的に低温でCOガスを選択的に酸化させる低温触媒(18)と、高温触媒に酸化用空気を供給する空気供給ライン(20)とを備え、
前記低温触媒(18)は、40℃から150℃までの低温時に燃料電池の起動に必要な相対的に少量の燃料ガスを処理できる分量が充填されており、前記高温触媒(16)は、150℃から220℃の高温時に燃料電池の通常運転時の相対的に大量の燃料ガスを処理して、前記分量の低温触媒が処理可能なCO濃度まで低減可能な分量が充填されており、
これにより、上流側反応室内で高く下流側反応室内で低い温度分布を形成する、ことを特徴とするCO選択除去装置が提供される。
【0014】
また、本発明によれば、水素及びCOを含む燃料ガス中のCO濃度を低減するためのCO選択除去方法であって、相対的に低温でCOガスを選択的に酸化させる低温触媒を下流側に40℃から150℃までの低温時に燃料電池の起動に必要な相対的に少量の燃料ガスを処理できる分量を充填し、その上流側に相対的に高温でCOガスを選択的に酸化させる高温触媒を150℃から220℃の高温時に燃料電池の通常運転時の相対的に大量の燃料ガスを処理して、前記分量の低温触媒が処理可能なCO濃度まで低減可能な分量を充填し、更に高温触媒に酸化用空気を供給して高温触媒内の酸素濃度を高め、かつ上流側及び下流側の触媒を冷却して高温触媒内で高く低温触媒内で低い温度分布を形成する、ことを特徴とするCO選択除去方法が提供される。
【0015】
上記本発明の装置及び方法によれば、空気供給ライン(20)により上流側反応室(12)に充填された高温触媒(16)に酸化用空気を供給して高温触媒内の酸素濃度を高めて高温触媒内の温度を高めることができる。また、冷却手段(17)で上流側及び下流側の触媒を冷却するので、その結果、下流側に位置する低温触媒(18)内の温度が低くなり、全体として高温触媒内で高く低温触媒内で低い温度分布を形成することができる。
【0016】
またこの温度分布により、燃料電池の通常運転時に相対的に大量の燃料ガスを高温触媒に適した高温で処理して、低温触媒が処理可能なCO濃度まで低減することができ、かつ温度の低い下流側で低温触媒により更にCOを除去して燃料電池に適したCO濃度まで低減することができる。更に、燃料電池の起動時、触媒が十分に予熱されない場合、または、運転中過冷却により、触媒の温度が低くなった場合、この温度分布は形成されず高温触媒はほとんど機能しないが、高温触媒(16)に供給した酸化用空気(酸素)もそのまま下流側反応室(14)に供給され、かつ起動時に必要な燃料ガスは相対的に少量なので、低温に適した低温触媒により処理し燃料電池に適したCO濃度まで低減することができる。
【0017】
従って、低温から高温まで広い温度範囲でCO濃度を極めて低くでき、PEFCのアノード触媒を被毒するおそれがほとんどない。また、低温触媒に比べて反応速度が高い高温触媒を上流側に備えているので、低温触媒だけで構成した場合に比べて触媒総量を大幅に少なくでき、装置の小型化ができる。さらに触媒の蓄熱量が小さくなるので短時間で起動でき、燃料電池の急速な負荷変化に容易に追従できる。
【0018】
更に、上述した温度分布により低温触媒を出る温度をPEFCに適した温度(約100℃)に近ずけて排出できるので、外部の熱交換器が不要になる。
【0019】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記高温触媒(16)は、150℃以上の高温で活性の高いPt触媒又はRu触媒であり、前記低温触媒(18)は常温から150℃前後までの低温で活性の高いPt/Mordenite触媒である。
【0020】
高温触媒(16)として、Pt触媒又はRu触媒を用いることにより、約150℃以上の温度範囲で高い反応速度でCO除去ができる。また、低温触媒(18)として、Pt/Mordenite触媒を用いることにより、常温〜150℃前後の低温範囲でもCO除去ができる。
【0021】
前記低温触媒(18)は、常温から約150℃前後までの低温時に燃料電池の起動に必要な相対的に少量の燃料ガスを処理できる分量が充填されており、前記高温触媒(16)は、約150℃以上の高温時に燃料電池の通常運転時の相対的に大量の燃料ガスを処理して、前記分量の低温触媒が処理可能なCO濃度まで低減可能な分量が充填されていることが好ましい。
【0022】
この構成により、常温から約150℃前後までの低温時には、高温触媒がほとんど機能しなくても、低温触媒(18)により燃料電池の起動に必要な相対的に少量の燃料ガスを処理できる。また、約150℃以上の高温時には高温触媒(16)により、燃料電池の通常運転時の相対的に大量の燃料ガスを処理して、前記分量の低温触媒が処理可能なCO濃度まで低減できるので、残るCOガスを低温触媒で処理することにより、触媒総量を少なくできる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付して使用する。
【0024】
図1は、本発明のCO選択除去装置を備えた自動車用発電装置のシステム構成図である。この図に示すように、自動車用発電装置は、CO選択除去装置を内蔵する燃料処理装置の他、固体高分子型燃料電池(PEFC)、コンプレッサ、蒸発器、メタノールと水用のポンプ、及び燃焼器からなる。蒸発器は、例えば間接式の熱交換器であり、ポンプで供給されたメタノール及び水を燃焼器からの燃焼排ガスで加熱して水蒸気を含む原料ガスを発生させる。燃料処理装置は、発生した原料ガスとコンプレッサ(例えばリショルムコンプレッサ)からの空気により、原料ガスを水素を含む改質ガスに改質し、このガスをCO選択除去装置に供給してCO濃度を低減して燃料電池に供給する。燃料電池(PEFC)は、供給された改質ガスと空気により電気化学的に発電する。更に燃料電池の排ガス(改質ガスと空気)は、燃焼器に供給され、可燃成分が燃焼して高温の燃焼排ガスを発生し、上述した蒸発器に供給される。従って、この自動車用発電装置により、メタノールを燃料として電気自動車用の駆動用電動機に電気を供給することができる。
【0025】
図2(A)は、本発明のCO選択除去装置の構成図であり、図2(B)はその温度分布である。本発明のCO選択除去装置10は、水素及びCOを含む燃料ガス中のCO濃度を低減するための装置であり、この図に示すように、互いに連通した上流側反応室12及び下流側反応室14と空気供給ライン20とを備える。空気供給ライン20は、例えば多数の吹出し穴を有する空気供給管20aを有し、(A)のように上流側反応室12の上流側に、或いは上流側反応室12内にほぼ均等に空気を分散して供給するようになっている。CO選択除去装置10は図1の燃料処理装置内の改質器の下流側に設置されており、改質器から供給される改質ガス中のCOガスを選択的に酸化させて除去する。
【0026】
上流側反応室12には相対的に高温でCOガスを選択的に酸化させる高温触媒16が充填され、下流側反応室14には相対的に低温でCOガスを選択的に酸化させる低温触媒18が充填されている。
【0027】
高温触媒16は、150℃以上で活性を有し反応速度の高い酸化・改質触媒、例えばPt触媒又はRu触媒であるのがよい。また低温触媒18は、常温から150℃前後までの低温でも活性を有する酸化・改質触媒、例えばPt/Mordenite触媒であるのがよい。
【0028】
図3は、高温触媒の特性図である。この図において、横軸は触媒温度、縦軸はCO転化率、すなわちCO除去率である。この図に示すように、高温触媒(この例では、Ru触媒)は、SV値(触媒容積当たりの処理ガス量)が大きく(約20000H-1)、反応速度が高いが、反応温度が高い(この例では約150〜220℃)ため、触媒を高温に保持した後、燃料電池に適する温度(約100℃)までガスを冷却する必要がある。また、100℃以下の低温では、ほとんど活性がない(CO除去率が数%)ため、CO濃度が十分低減できない。
【0029】
図4は、低温触媒の特性図である。この図において、横軸は触媒温度、縦軸はCO転化率、すなわちCO除去率である。この図に示すように、低温触媒(この例では、Pt/Mordenite触媒)は、常温から150℃前後の低温でも活性を有するが、SV値(触媒容積当たりの処理ガス量)が小さく(約2000H-1)、反応速度が低い(約1/10)。また、この触媒は、高温触媒の反応温度範囲(例えば150〜200℃)では逆に性能が低下する。
【0030】
図1において、低温触媒18は、常温から約150℃前後までの低温時に燃料電池の起動に必要な相対的に少量の燃料ガス(すなわち改質ガス)を処理できる分量が充填されている。また高温触媒16は、約150℃以上220℃以下の高温時に燃料電池の通常運転時の相対的に大量の燃料ガスを処理して、前述した分量の低温触媒が処理可能なCO濃度まで低減可能な分量が充填されている。
【0031】
この構成により、常温から約150℃前後までの低温時には、高温触媒がほとんど機能しなくても、低温触媒18により燃料電池の起動に必要な相対的に少量の燃料ガスを処理できる。また、約150℃以上220℃以下の高温時には高温触媒16により、燃料電池の通常運転時の相対的に大量の燃料ガスを処理して、前記分量の低温触媒が処理可能なCO濃度まで低減できるので、残るCOガスを低温触媒で処理することにより、触媒総量を少なくできる。
【0032】
さらに図2(A)(B)に示すように、空気供給ライン20は、高温触媒16に酸化用空気を供給し、低温触媒18から高温触媒16側に流れる冷却水ライン17により、上流側及び下流側の触媒を冷却し、上流側反応室12内で高く(約150℃)、下流側反応室14内で低い(約100℃)温度分布を形成するようになっている。
【0033】
上述したCO選択除去装置10を用い、本発明の方法によれば、(A)常温から約150℃前後までの低温時に、低温触媒18により燃料電池の起動に必要な相対的に少量の燃料ガスを処理し、(B)約150℃以上220℃以下の高温時に、高温触媒16により、燃料電池の通常運転時の相対的に大量の燃料ガスを処理して、低温触媒18が処理可能なCO濃度まで低減し、かつ(C)低温触媒16により燃料電池に適したCO濃度まで低減する。
【0034】
上述した本発明の装置及び方法によれば、空気供給ライン20により上流側反応室12に充填された高温触媒16に酸化用空気を供給して高温触媒内の酸素濃度を高めて高温触媒内の温度を高めることができる。また、上流側及び下流側の触媒を冷却して、下流側に位置する低温触媒18内の温度が低くなり、全体として高温触媒内で高く低温触媒内で低い温度分布を形成することができる。
【0035】
またこの温度分布により、燃料電池の通常運転時に相対的に大量の燃料ガスを高温触媒に適した高温で処理して、低温触媒が処理可能なCO濃度まで低減することができ、かつ温度の低い下流側で低温触媒により更にCOを除去して燃料電池に適したCO濃度まで低減することができる。更に、燃料電池の起動時には、この温度分布は形成されず高温触媒はほとんど機能しないが、高温触媒16に供給した酸化用空気(酸素)もそのまま下流側反応室14に供給され、かつ起動時に必要な燃料ガスは相対的に少量なので、低温に適した低温触媒により処理し燃料電池に適したCO濃度まで低減することができる。
【0036】
従って、低温から高温まで広い温度範囲でCO濃度を極めて低くでき、PEFCのアノード触媒を被毒するおそれがほとんどない。また、低温触媒に比べて反応速度が高い高温触媒を上流側に備えているので、低温触媒だけで構成した場合に比べて触媒総量を大幅に少なくでき、これにより、装置が小型化できる。さらに触媒が予熱される間もCO濃度を低くできるので、起動直後から改質ガスをスタック(燃料電池)に供給できる。
【0037】
更に、上述した温度分布により低温触媒を出る温度をPEFCに適した温度(約100℃)に近ずけて排出できるので、外部の熱交換器が不要になり、かつ熱ロスを低減することができる。
【0038】
また本発明のCO選択除去装置及び方法により、広い温度範囲でのCO除去が可能となるばかりか、さらに低い温度の冷却媒体による冷却が可能となる付加的な効果がある。例えば、水冷の場合、冷却媒体温度は100℃以下になるが、従来のように高温型の触媒のみを用いた場合、例えば部分負荷時に、冷却されすぎて、反応温度が触媒の低温活性下限の100℃以下まで冷却され、COを十分に除去できないことがある。このため、従来は100℃以上の油による冷却を実施する必要があったが、本発明では、低温型の触媒が機能するので、部分負荷で冷え過ぎる問題もなく、取り扱いやすく、除熱効率が高い「水」による冷却が可能となる。
【0039】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更できることは勿論である。
【0040】
【発明の効果】
上述したように、本発明のCO選択除去装置及び方法は、短時間で起動でき、低温から高温まで広い温度範囲でCO濃度を極めて低くでき、PEFC型燃料電池のアノード触媒を被毒するおそれが少なく、かつ容易に自動車等の車両に搭載できるように小型化ができる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のCO選択除去装置を備えた自動車用発電装置のシステム構成図である。
【図2】本発明のCO選択除去装置の構成図とその温度分布である。
【図3】高温触媒の特性図である。
【図4】低温触媒の特性図である。
【図5】従来の燃料電池用燃料処理装置の構成図である。
【符号の説明】
2 改質器、4 選択酸化部、6 部分酸化部、8 制御装置、
10 CO選択除去装置、12 上流側反応室、14 下流側反応室、
16 高温触媒、17 冷却水ライン、18 低温触媒、20 空気供給ライン
Claims (4)
- 水素及びCOを含む燃料ガス中のCO濃度を低減するためのCO選択除去装置であって、互いに連通した上流側反応室(12)及び下流側反応室(14)と、上流側反応室に充填され相対的に高温でCOガスを選択的に酸化させる高温触媒(16)と、上流側及び下流側の触媒を冷却する冷却手段(17)と、下流側反応室に充填され相対的に低温でCOガスを選択的に酸化させる低温触媒(18)と、高温触媒に酸化用空気を供給する空気供給ライン(20)とを備え、
前記低温触媒(18)は、40℃から150℃までの低温時に燃料電池の起動に必要な相対的に少量の燃料ガスを処理できる分量が充填されており、前記高温触媒(16)は、150℃から220℃の高温時に燃料電池の通常運転時の相対的に大量の燃料ガスを処理して、前記分量の低温触媒が処理可能なCO濃度まで低減可能な分量が充填されており、
これにより、上流側反応室内で高く下流側反応室内で低い温度分布を形成する、ことを特徴とするCO選択除去装置。 - 前記高温触媒(16)は、150℃以上の高温で活性の高いPt触媒又はRu触媒であり、前記低温触媒(18)は常温から150℃前後までの低温で活性の高いPt/Mordenite触媒である、ことを特徴とする請求項1に記載のCO選択除去装置。
- 水素及びCOを含む燃料ガス中のCO濃度を低減するためのCO選択除去方法であって、相対的に低温でCOガスを選択的に酸化させる低温触媒を下流側に40℃から150℃までの低温時に燃料電池の起動に必要な相対的に少量の燃料ガスを処理できる分量を充填し、その上流側に相対的に高温でCOガスを選択的に酸化させる高温触媒を150℃から220℃の高温時に燃料電池の通常運転時の相対的に大量の燃料ガスを処理して、前記分量の低温触媒が処理可能なCO濃度まで低減可能な分量を充填し、更に高温触媒に酸化用空気を供給して高温触媒内の酸素濃度を高め、かつ上流側及び下流側の触媒を冷却して高温触媒内で高く低温触媒内で低い温度分布を形成する、ことを特徴とするCO選択除去方法。
- (A)常温から約150℃前後までの低温時に、前記低温触媒により燃料電池の起動に必要な相対的に少量の燃料ガスを処理し、(B)約150℃以上の高温時に、前記高温触媒により、燃料電池の通常運転時の相対的に大量の燃料ガスを処理して、低温触媒が処理可能なCO濃度まで低減し、かつ(C)前記低温触媒により燃料電池に適したCO濃度まで低減する、ことを特徴とする請求項3に記載のCO選択除去方法。
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