JP2003104707A - 燃料改質装置とその停止方法 - Google Patents

燃料改質装置とその停止方法

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JP2003104707A
JP2003104707A JP2001310876A JP2001310876A JP2003104707A JP 2003104707 A JP2003104707 A JP 2003104707A JP 2001310876 A JP2001310876 A JP 2001310876A JP 2001310876 A JP2001310876 A JP 2001310876A JP 2003104707 A JP2003104707 A JP 2003104707A
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fuel
catalyst
reforming
reformer
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JP2001310876A
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Hidetoshi Takimoto
英敏 瀧本
Minoru Mizusawa
実 水澤
Yasuhiko Fukuchi
泰彦 福地
Hikari Okada
光 岡田
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Honda Motor Co Ltd
IHI Corp
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Honda Motor Co Ltd
IHI Corp
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01BBOILING; BOILING APPARATUS ; EVAPORATION; EVAPORATION APPARATUS
    • B01B1/00Boiling; Boiling apparatus for physical or chemical purposes ; Evaporation in general
    • B01B1/005Evaporation for physical or chemical purposes; Evaporation apparatus therefor, e.g. evaporation of liquids for gas phase reactions

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特別な機器やユーティリィティを必要とせ
ず、運転停止後に装置内に残留する燃料ガスおよび改質
ガスを安全に掃気して処理することができ、かつ改質触
媒及び燃料電池の被毒を防止でき、車載に適したコンパ
クト化が容易である燃料改質装置とその停止方法を提供
する。 【解決手段】 水蒸気を含む燃料ガスを部分酸化させそ
の発熱で燃料ガスを水素を含む改質ガスに改質する燃焼
・改質触媒15が充填された部分酸化改質器14に、運
転停止後に、燃料ガスの供給を停止したまま空気を間欠
的に供給し、これにより触媒の過熱を抑制しながら部分
酸化改質器内の残留ガスを掃気する。また三方弁6を触
媒燃焼器側に切り換え、ガス圧力調整器17で掃気され
る残留ガスの圧力を調整し、これにより触媒燃焼器の異
常燃焼を制限する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料を水素を含む
改質ガスに改質して発電する燃料電池システムにおい
て、運転停止後に装置内に残留する燃料ガスおよび改質
ガスを安全に掃気して処理するための燃料改質装置とそ
の停止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、燃料電池自動車の研究開発が活発
に行われており、特に、燃料電池としては作動温度が比
較的低い(100℃前後)固体高分子型燃料電池(PE
FC)が有力である。また燃料としては、補給が容易で
インフラ整備の必要性が少ないメタノールが有力視され
ている。この場合、メタノールを水素に改質する改質器
が必須となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】メタノールを改質する
改質器としては、例えば「メタノール改質器」(特開昭
63−50302号)が開示されている。この改質器
は、中空円筒形の反応管の内部に改質触媒を充填し、外
部から燃焼排ガスで加熱し、内部を流れる燃料ガスを改
質するものである。
【0004】しかし、特開昭63−50302号の「メ
タノール改質器」は、自動車用に搭載するには、(1)
大型で重く、(2)起動に時間がかかり、(3)負荷変
化への応答性が低く、(4)発生した水素含有ガス中の
CO濃度が高く、燃料電池の電極を劣化させる、等の問
題点があった。
【0005】また、高いメタノール転化率を維持しつつ
COガスの生成を低くできる手段として、例えば、「水
素含有ガスの製造方法」(特開平6−256001号、
特開平6−279001号)が開示されている。この方
法は、メタノール、酸素、水を加熱した触媒に接触させ
て反応させるものであり、燃料の一部を燃焼させる部分
酸化を利用している。
【0006】しかし、特開平6−256001号及び特
開平6−279001号の「水素含有ガスの製造方法」
は、(5)触媒の予熱に時間がかかり、(6)CO濃度
を従来のリン酸型燃料電池には適用可能な程度(約1%
前後)まで下げることができるが、車載用に適した固体
高分子型燃料電池(PEFC)に適用するには依然とし
てCO濃度が高い問題点があった。
【0007】更に、CO濃度が極めて低い水素含有ガス
を生成することができる「燃料改質装置」(特開平8−
157201号)が開示されている。この装置は、図6
に示すように改質器Re、選択酸化部SOX、部分酸化
部POX、及び制御装置Cを備え、選択酸化部SOXで
一酸化炭素のみを酸化し、部分酸化部POXで残存の一
酸化炭素を酸化することで、CO濃度が極めて低い(数
ppm)水素含有ガスを生成し、PEFCへの適用を可
能にしている。
【0008】しかし、特開平8−157201号の「燃
料改質装置」は、改質器が特開昭63−50302号と
同様の間接加熱型であるため、起動に時間がかかり、負
荷変化への応答性が低い問題点があった。
【0009】また、上述した従来の燃料改質装置では、
運転停止後に装置内に改質前の燃料ガスおよび改質後の
改質ガスが残留する。これらの残留ガスをそのまま放置
すると、燃料ガス(メタノールと水の混合ガス)が未改
質のまま結露して触媒を濡らし、触媒性能を劣化させた
り、触媒層内に残留した未改質の燃料ガスが、始動時に
十分に改質されることなく燃料電池に供給されて燃料電
池の被毒を促進してしまう等の問題点があった。
【0010】この問題点を解決するため、従来は、不活
性ガス(例えば、窒素ガス)を燃料の供給ラインに流す
ことで掃気を行い、残留ガスを専用の排気出口から装置
外に設けた燃焼器に排出し燃焼させることが考えられて
いる。
【0011】しかし、この場合、掃気のために大量の不
活性ガスが不可欠であり、その貯蔵設備または製造設備
が必要となり、大型化して車載が困難となる問題点があ
った。
【0012】本発明は上述した種々の問題点を解決する
ために創案されたものである。すなわち、本発明の主目
的は、特別な機器やユーティリィティを必要とせず、運
転停止後に装置内に残留する燃料ガスおよび改質ガスを
安全に掃気して処理することができ、かつ改質触媒及び
燃料電池の被毒を防止でき、車載に適したコンパクト化
が容易である燃料改質装置とその停止方法を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、燃料を
蒸発させる蒸発器(12)と、水蒸気を含む燃料ガスを
部分酸化させその発熱で前記燃料ガスを水素を含む改質
ガスに改質する燃焼・改質触媒(15)が充填された部
分酸化改質器(14)と、蒸発器の上流側にパージ用空
気を供給するパージ空気供給ライン(19)と、部分酸
化改質器に空気を供給する改質空気供給ライン(20)
と、前記各空気供給ラインの空気流量を制御する流量制
御器(22)とを備え、運転停止後に、前記燃料ガスの
供給を停止したままパージ空気供給ラインから空気を間
欠的に供給し、これにより前記触媒の過熱を抑制しなが
ら前記部分酸化改質器内の残留ガスを掃気する、ことを
特徴とする燃料改質装置が提供される。
【0014】また、本発明によれば、水蒸気を含む燃料
ガスを部分酸化させその発熱で燃料ガスを水素を含む改
質ガスに改質する燃焼・改質触媒(15)が充填された
部分酸化改質器(14)に、運転停止後に、前記燃料ガ
スの供給を停止したまま空気を間欠的に供給し、これに
より前記触媒の過熱を抑制しながら前記部分酸化改質器
内の残留ガスを掃気する、ことを特徴とする燃料改質装
置の停止方法が提供される。
【0015】上記本発明の方法及び装置によれば、運転
停止後に、前記燃料ガスの供給を停止したまま空気で残
留ガスを掃気するので、特別な機器やユーティリィティ
を必要とせず、車載に適したコンパクト化が容易であ
る。また、空気を間欠的に供給して、燃焼・改質触媒
(15)の過熱を抑制するので、残留ガスの酸化により
発生する炭酸ガスにより、残留ガス中の未燃成分を減少
させながら、残留ガスを安全に掃気することができる。
【0016】本発明の好ましい実施形態によれば、前記
燃焼・改質触媒(15)は、単一又は直列に配置された
複数の触媒層からなり、かつ各触媒層は、上流側に配置
され下流側に配置されたものよりも耐熱温度の高い第1
触媒と、下流側に配置され上流側に配置されたものより
改質性能の高い第2触媒とからなる。この構成により、
上流側に配置された第1触媒により触媒層の許容耐熱温
度を高め、下流側に配置された第2触媒によりCO発生
量を抑制しながら、触媒層全体の劣化を防止することが
できる。
【0017】また、燃料電池(9)に供給する改質ガス
の圧力を一定に保持するガス圧力調整器(17)と、前
記蒸発器(12)に燃焼排ガスを供給する触媒燃焼器
(18)と、ガス圧力調整器(17)を出たガスを燃料
電池と触媒燃焼器に選択的に切り換えて供給する三方弁
(6)とを備え、前記三方弁(6)を触媒燃焼器側に切
り換え、前記ガス圧力調整器(17)で掃気される残留
ガスの圧力を調整し、これにより前記触媒燃焼器の異常
燃焼を制限する。この構成により、残留ガスの燃料電池
への供給をなくして燃料電池の被毒を防止でき、かつ触
媒燃焼器への残留ガスの供給流量を抑えてその異常燃焼
を制限することができる。
【0018】前記燃焼・改質触媒(15)の温度を常に
監視し、触媒層温度が所定温度以下の時に、所定流量の
空気を所定時間、間欠的に供給し、これを繰り返して残
留ガスを掃気する、ことが好ましい。この方法により、
燃焼・改質触媒(15)の温度を常に許容温度以下に抑
えながら、掃気を確実に行うことができる。
【0019】また、前記燃焼・改質触媒(15)の温度
を監視せずに、触媒層温度が所定温度以下になる時を予
め見込んで、所定流量の空気を所定時間、間欠的に供給
し、これを所定回数繰り返して残留ガスを掃気してもよ
い。この方法により、温度検出器を使用せずに、簡単な
制御で掃気ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。なお、各図において共通す
る部分には同一の符号を付して使用し、重複した説明を
省略する。
【0021】図1は、本発明の燃料改質装置のシステム
構成図である。この図において、1は水タンク、2はメ
タノールタンク、2aはメタノールインジェクタ、3は
混合器、3aは燃料インジェクタである。メタノールイ
ンジェクタ2aは、例えば流量調節弁又は液体ポンプで
あり、起動時にメタノールタンク2からメタノールを触
媒燃焼器18に噴射してこれを燃焼させるようになって
いる。また、水タンク1内の水とメタノールタンク2内
のメタノールを混合器3内で混合し、燃料インジェクタ
3aで流量制御して蒸発器12内に水とメタノールの混
合液(水メタ燃料)を噴射する。燃料インジェクタ3a
は例えば流量調節弁、或いは液体ポンプである。
【0022】更に、蒸発器12は、例えば間接式の熱交
換器であり、燃料インジェクタ3aから供給された水メ
タ燃料(水とメタノールの混合液)を触媒燃焼器18か
らの燃焼排ガスで加熱・蒸発させ、水蒸気を含む燃料ガ
スを発生させるようになっている。
【0023】なお、以下、燃料が水メタ燃料(水とメタ
ノールの混合液)であり、燃料ガスがこれを蒸発させた
ものである場合について詳述する。しかし、本発明はこ
れに限定されず、その他の液体燃料及び気体燃料にも同
様に適用することができる。
【0024】図1において、4は混合器、5は熱交換
器、6は三方弁であり、混合器4で空気と燃料ガスを混
合して改質器14(部分酸化改質器)に供給し、改質器
14を出た高温の改質ガスを熱交換器5でCO除去器1
6に適した温度まで冷却し、三方弁6で燃料電池9(P
EFC)と触媒燃焼器18にCO除去器16を出たガス
を選択的に切り換えるようになっている。なお、三方弁
6に替えて2つの二方弁(開閉弁)を用いてもよい。更
に、この図において、17は、燃料電池9に供給する改
質ガスの圧力を一定に保持するガス圧力調整器である。
【0025】部分酸化改質器14には、水蒸気を含む燃
料ガスを部分酸化させその発熱で燃料ガスを水素を含む
改質ガスに改質する燃焼・改質触媒15が充填されてい
る。燃焼・改質触媒15は、銅−亜鉛系の改質触媒であ
るのがよい。また、この燃焼・改質触媒15は、単一又
は直列に配置された複数の触媒層からなり、かつ各触媒
層は、図4(A)に示すように、上流側に配置され耐熱
温度の高い第1触媒と、下流側に配置され改質性能の高
い第2触媒とからなる。
【0026】第1触媒と第2触媒の比率は、触媒層の上
流側で発生する高温部分が第1触媒の耐熱温度(例えば
350℃)を超えることがなく、また、下流側の触媒最
高温度が第2触媒の耐熱温度(例えば300℃)を超え
ないように設定する。これにより通常の運転時におい
て、上流側の広い範囲で発熱して触媒温度を高め、その
下流側において大量の前記燃料ガスを改質ガスに改質す
ることができる。また、触媒の加熱を防止するので触媒
寿命が延び、かつ第2触媒はCOの発生率が低いので、
全体としてCOの発生を抑制することができる。
【0027】上述した構成の燃料改質装置により、通常
の運転時には、混合器4で空気と燃料ガスを混合して部
分酸化改質器14に供給し、改質器14で燃料ガスを水
素を含む改質ガスに改質し、改質器14を出た高温の改
質ガスを熱交換器5でCO除去器16に適した温度まで
冷却し、CO除去器16でCO濃度を低減し、ガス圧力
調整器17で改質ガスの圧力を一定に保持して燃料電池
9(PEFC)に供給し、燃料電池9において、供給さ
れた改質ガスと空気により電気化学的に発電する。更に
燃料電池の排ガス(改質ガスと空気)は、触媒燃焼器1
8に供給され、可燃成分が燃焼して高温の燃焼排ガスを
発生し、上述した蒸発器に供給される。従って、この燃
料改質装置と燃料電池により、メタノールを燃料として
電気自動車用の駆動用電動機に電気を供給することがで
きる。
【0028】図1において、本発明の燃料改質装置は、
更に、蒸発器12の上流側にパージ用空気を供給するパ
ージ空気供給ライン19と、部分酸化改質器14に空気
を供給する改質空気供給ライン20と、各空気供給ライ
ン19、20の空気流量を制御する流量制御器22とを
備える。パージ空気供給ライン19には、パージ空気イ
ンジェクタ19aが設けられ、改質空気供給ライン20
には、改質空気インジェクタ20aが設けられている。
空気インジェクタ19a,20aは、流量を可変調節で
きる流量調節弁であり、それぞれ個別に流量制御ができ
るようになっている。
【0029】図2は、本発明による燃料改質装置の停止
方法の説明図である。この図において、横軸は運転停止
後の時間、縦軸はパージ空気量、触媒温度及びその上限
温度である。また、図3は、本発明による燃料改質装置
の停止の制御フロー図である。装置内の残留ガスを完全
に除去するためには、装置の容量以上の掃気用ガスを供
給する必要があり、従来の方法では、掃気用ガスとして
必要量の空気を一度に流すと酸素過剰供給となり改質触
媒が異常発熱を起こすおそれがあった。本発明では、図
2に示すように、パージ用空気を少量づつ数回に分けて
供給することで、改質触媒の酸化による発熱を小さく抑
えることができる。
【0030】すなわち、図3に示すように、運転停止信
号により、改質燃料を遮断し(S1)、次いで燃焼・改
質触媒15の温度を熱電対等で常に監視しながら、触媒
温度を所定温度(ハージ可能温度:例えば例えば170
℃)と比較し(S2)、この温度を超えている間はその
まま待機し、この温度以下になってパージ空気を間欠供
給する(S3)。この間欠供給は、所定流量の空気を所
定時間供給し、これをパージ空気総量が装置容積を超え
るまで、繰り返し(S4)、パージを終了する。上述し
た方法により、燃焼・改質触媒15の温度を常に許容温
度以下に抑えながら、掃気を確実に行うことができる。
【0031】また、燃焼・改質触媒15の温度を熱電対
等で監視せずに、触媒層温度が所定温度以下になる時を
予め見込んで、所定流量の空気を所定時間、間欠的に供
給し、これを所定回数繰り返して残留ガスを掃気しても
よい。この方法により、温度検出器を使用せずに、簡単
な制御で掃気ができる。
【0032】上述した燃焼・改質触媒15は、銅−亜鉛
系の改質触媒であり、その酸化反応は、次の式(1)
(2)であらわすことができる。
【0033】 Cu+0.5O2→CuO+Q1...(1) Zn+0.5O2→ZnO+Q2...(2)
【0034】式(1)(2)における発熱量Q1、Q1
はそれぞれ約155kJ/mol,約348kJ/mo
lであり、水素の酸化熱(約240kJ/mol)に匹
敵する発熱が得られる。従って、パージ空気を連続的に
供給した場合には、改質触媒全体が酸化するまで発熱が
継続し、触媒が過熱されるおそれがある。これに対し
て、本発明の方法では、図2に示すように、パージ用空
気を少量づつ数回に分けて供給するので、残留ガスの酸
化により発生する炭酸ガスにより、残留ガス中の未燃成
分を減少させながら、残留ガスを安全に掃気することが
できる。
【0035】図4は、本発明による触媒層(A)とその
温度分布(B)の模式図である。図4(A)に示すよう
に、触媒層は、複数種類の触媒で構成し、上流側に第1
触媒を配置することで触媒層全体の劣化を防止する。第
1触媒は耐熱温度が高いがCO発生量も多く、これに対
して第2触媒は耐熱温度は若干低いがCO発生量が少な
い。従って、これらを組み合わせることで、図4(B)
に示すように、上流側の第1触媒内で最高温度を発生さ
せ、下流側の第2触媒内の温度を低く抑えることができ
る。従って、第1触媒により触媒層の許容耐熱温度を高
め、第2触媒によりCO発生量を抑制しながら、触媒層
全体の劣化を防止することができる。すなわち、パージ
空気中の酸素は、触媒層の上流側でほとんどが消費され
るため後流段の触媒層では酸化発熱は発生せず上流から
の昇温されたガスによって暖められるに留まる。
【0036】また、改質燃料を遮断した後は、図1にお
いて、三方弁6を触媒燃焼器18側に切り換え、ガス圧
力調整器17で掃気される残留ガスの圧力を調整し、こ
れにより触媒燃焼器の異常燃焼を制限する。環境および
安全面から、未改質の燃料ガスおよび改質ガスの残留分
を大気中に放出することができないため、本発明では、
蒸発器が持つ触媒燃焼器18を使って燃やして排気する
ことで対応している。これにより新たな設備が不要とな
る。なお、残留ガスを一度に燃焼器へ送り込むと異常燃
焼(爆発)するおそれがあるため、改質ガスの圧力制御
弁を使い所定の速度で圧力開放することで、残留ガスの
流速を抑え、異常燃焼を防止している。
【0037】
【実施例】図5は本発明の実施例を示す試験結果であ
る。図において、横軸は運転停止からの時間、縦軸は触
媒入口(太線)と触媒出口(細線)の温度である。
【0038】この例において、触媒出口温度が170℃
においてパージを開始し、噴射量120NL/minで
3秒噴射し、5秒間停止し、これを5回繰り返して行っ
た。その結果、触媒入口(太線)と触媒出口(細線)の
温度はこのパージ空気の噴射により若干上昇するが、触
媒の許容温度以下(300℃以下)に留まっていること
がわかる。また、このパージ空気量の総量は、装置容積
を超えているので、装置内部の残留ガスの掃気が実質的
に完了していることがわかる。また、この結果、燃料改
質装置の運転停止後の掃気を約5分前後でできることが
確認された。
【0039】上述したように、本発明の方法及び装置に
よれば、運転停止後に、前記燃料ガスの供給を停止した
まま空気で残留ガスを掃気するので、特別な機器やユー
ティリィティを必要とせず、車載に適したコンパクト化
が容易である。また、空気を間欠的に供給して、燃焼・
改質触媒15の過熱を抑制するので、残留ガスの酸化に
より発生する炭酸ガスにより、残留ガス中の未燃成分を
減少させながら、残留ガスを安全に掃気することができ
る。更に、残留ガスの燃料電池への供給をなくして燃料
電池の被毒を防止でき、かつ触媒燃焼器への残留ガスの
供給流量を抑えてその異常燃焼を制限することができ
る。
【0040】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更でき
ることは勿論である。
【0041】
【発明の効果】上述したように、本発明は、以下の特徴
を有する。 (1)停止するために不活性ガスを使用しないため、不
活性ガスの貯蔵設備または製造装置および掃気ガスの燃
焼装置を不要とすることができる。 (2)残留ガスを完全に掃気し、蒸発器用の触媒燃焼器
を使い安全に焼却することができる。すなわち、掃気用
の空気によって、改質触媒を完全酸化させることなく、
残留ガスを完全に掃気できる。 (3)掃気用空気の流量を調節することで、改質触媒が
酸化する時に発生する酸化熱による温度上昇を抑制する
ことができる。 (4)従って、再起動が容易にできる。
【0042】従って、本発明の燃料改質装置とその停止
方法は、特別な機器やユーティリィティを必要とせず、
運転停止後に装置内に残留する燃料ガスおよび改質ガス
を安全に掃気して処理することができ、かつ改質触媒及
び燃料電池の被毒を防止でき、車載に適したコンパクト
化が容易である、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料改質装置のシステム構成図であ
る。
【図2】本発明による燃料改質装置の停止方法の説明図
である。
【図3】本発明による燃料改質装置の停止方法の制御フ
ロー図である。
【図4】本発明による触媒層とその温度分布の模式図で
ある。
【図5】本発明の実施例を示す特性図である。
【図6】従来の燃料電池用燃料処理装置の構成図であ
る。
【符号の説明】 1 水タンク、2 メタノールタンク、2a メタノー
ルインジェクタ、3 混合器、3a 燃料インジェク
タ、4 混合器、5 熱交換器、6 三方弁、9 燃料
電池(PEFC)、12 蒸発器、14 部分酸化改質
器、15 燃焼・改質触媒、16 CO除去器、17
ガス圧力調整器、18 触媒燃焼器、19 パージ空気
供給ライン、19a パージ空気インジェクタ、20
改質空気供給ライン、20a 改質空気インジェクタ、
22 流量制御器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年10月11日(2001.10.
11)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、燃料を
蒸発させる蒸発器(12)と、水蒸気を含む燃料ガスを
部分酸化させその発熱で前記燃料ガスを水素を含む改質
ガスに改質する燃焼・改質触媒(15)が充填された部
分酸化改質器(14)と、前記蒸発器の上流側にパージ
用空気を供給するパージ空気供給ライン(19)と、
部分酸化改質器に空気を供給する改質空気供給ライン
(20)と、前記各空気供給ラインの空気流量を制御す
る流量制御器(22)とを備え、運転停止後に、前記燃
料ガスの供給を停止したまま前記パージ空気供給ライン
から空気を間欠的に供給し、これにより前記触媒の過熱
を抑制しながら前記部分酸化改質器内の残留ガスを掃気
する、ことを特徴とする燃料改質装置が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // H01M 8/10 H01M 8/10 (72)発明者 水澤 実 東京都江東区豊洲3丁目2番16号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 (72)発明者 福地 泰彦 東京都江東区豊洲3丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 (72)発明者 岡田 光 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 4G040 EA02 EA06 EA07 EB03 EB12 EB18 EB31 EB42 EB43 5H026 AA06 5H027 AA06 BA01 BA09 BA16 KK41 KK42 MM01 MM09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料を蒸発させる蒸発器(12)と、水
    蒸気を含む燃料ガスを部分酸化させその発熱で前記燃料
    ガスを水素を含む改質ガスに改質する燃焼・改質触媒
    (15)が充填された部分酸化改質器(14)と、蒸発
    器の上流側にパージ用空気を供給するパージ空気供給ラ
    イン(19)と、部分酸化改質器に空気を供給する改質
    空気供給ライン(20)と、前記各空気供給ラインの空
    気流量を制御する流量制御器(22)とを備え、 運転停止後に、前記燃料ガスの供給を停止したままパー
    ジ空気供給ラインから空気を間欠的に供給し、これによ
    り前記触媒の過熱を抑制しながら前記部分酸化改質器内
    の残留ガスを掃気する、ことを特徴とする燃料改質装
    置。
  2. 【請求項2】 前記燃焼・改質触媒(15)は、単一又
    は直列に配置された複数の触媒層からなり、かつ各触媒
    層は、上流側に配置され下流側に配置されたものよりも
    耐熱温度の高い第1触媒と、下流側に配置され上流側に
    配置されたものより改質性能の高い第2触媒とからな
    る、ことを特徴とする請求項1に記載の燃料改質装置。
  3. 【請求項3】 燃料電池(9)に供給する改質ガスの圧
    力を一定に保持するガス圧力調整器(17)と、前記蒸
    発器(12)に燃焼排ガスを供給する触媒燃焼器(1
    8)と、ガス圧力調整器(17)を出たガスを燃料電池
    と触媒燃焼器に選択的に切り換えて供給する三方弁
    (6)とを備え、 前記三方弁(6)を触媒燃焼器側に切り換え、前記ガス
    圧力調整器(17)で掃気される残留ガスの圧力を調整
    し、これにより前記触媒燃焼器の異常燃焼を制限する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料改質装置。
  4. 【請求項4】 水蒸気を含む燃料ガスを部分酸化させそ
    の発熱で前記燃料ガスを水素を含む改質ガスに改質する
    燃焼・改質触媒(15)が充填された部分酸化改質器
    (14)に、運転停止後に、前記燃料ガスの供給を停止
    したまま空気を間欠的に供給し、これにより前記触媒の
    過熱を抑制しながら前記部分酸化改質器内の残留ガスを
    掃気する、ことを特徴とする燃料改質装置の停止方法。
  5. 【請求項5】 前記燃焼・改質触媒(15)の温度を常
    に監視し、触媒層温度が所定温度以下の時に、所定流量
    の空気を所定時間、間欠的に供給し、これを繰り返して
    残留ガスを掃気する、ことを特徴とする請求項4に記載
    の燃料改質装置の停止方法。
  6. 【請求項6】 前記燃焼・改質触媒(15)の温度を監
    視せずに、触媒層温度が所定温度以下になる時を予め見
    込んで、所定流量の空気を所定時間、間欠的に供給し、
    これを所定回数繰り返して残留ガスを掃気する、ことを
    特徴とする請求項4に記載の燃料改質装置の停止方法。
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