JP4457948B2 - 粒子分散強化合金複合材の製造方法及び粒子強化合金複合材 - Google Patents

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本発明は、第1金属系母材に、この第1金属よりも活性の高い第2金属を含有させた合金に、前記第1金属の酸化物の粒子を分散させた粒子分散強化合金複合材の製造方法に関する。
安定な金属酸化物の微小粒子を分散させて強化した粒子分散強化合金複合材は、高温で安定であるので、耐熱合金として適している。特に、アルミニウム系合金複合材は、軽量であるため、広い用途が見込まれている。この粒子分散強化合金複合材では、幾つかの製造方法があるが、中でも、in−situ法と呼ばれる反応法による製造方法が多用されている。
この反応法では、金属酸化物粉末を溶融アルミニウム(母材)に添加して、高温処理することにより、金属酸化物とアルミニウム(母材)との間で酸化還元反応を起こさせて酸化アルミニウム粒子を生成(in−situ)させて、アルミニウム母材に酸化アルミニウムや第3金属酸化物を還元して得られる金属元素を含む粒子強化アルミニウム合金を製造する方法である(例えば、特許文献1参照。)。
また、アルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯にガスまたは粒子を供給しつつ、この溶湯に超音波振動を付与することにより、ガスまたは粒子の構成成分とこの溶湯の構成成分とを溶湯中でin−situ反応させて強化粒子を生成させて、アルミニウムまたはアルミニウム合金のマトリックス(母材)中に低温・短時間のin−situ反応により強化粒子を生成させるアルミニウム基複合材料の製造方法も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
更に、金属溶湯に、その成分元素の少なくとも一つよりも酸化物生成傾向が低い金属の酸化物粒子と、金属粒子とを添加する工程と、この金属溶湯を攪拌しながら金属溶湯に超音波振動を付与することにより、金属溶湯中での、酸化物生成傾向が低い金属の酸化物と成分元素とのin−situ反応により、上記の少なくとも一つの成分元素の酸化物(強化粒子)を生成させる工程とを含み、高温・長時間を必要とせず、低温・短時間のin−situ反応により強化粒子を生成させることができる金属基複合材料の製造方法も提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、粒子分散強化アルミニウム合金複合材料の機械的性質を更に向上させるために、粒径のより細かい粒子との複合が望まれており、特にナノオーダーの粒子をアルミニウム合金と複合させる技術の開発が望まれているが、この反応法では、粒径10μ以下の金属酸化物粒子を用いると、均一な混合が困難になる上に、添加される金属酸化物の種類によっては、溶融アルミニウム(母材)を、1000℃以上の高温に長時間加熱する必要があるという問題がある。従って、従来技術の製造方法では、粒径がミクロンオーダーやナノオーダーの粒子とアルミニウム合金との複合は非常に困難であるため、新たな粒子分散法の開発が望まれている。
また、溶体化処理と時効処理による機械的性質の向上等のために、マグネシウム等の第2金属を添加することが行われるが、溶融アルミニウム合金(第1金属系合金)が、マグネシウム(Mg)を含む場合には、マグネシウムはアルミニウム(Al)よりも活性が高いので、酸化アルミニウム(Al2 3 :第1金属酸化物)を生成するために添加された、酸化銅(CuO)や酸化ケイ素(SiO2 )等の第3金属酸化物(MxOy)は、マグネシウムと熱力学的に優先的反応してしまう。そのため、このマグネシウムとの酸化反応(yMg+MxOy→yMgO+xM:MxOyは金属酸化物)により、機械的性質を向上するために添加されたマグネシウムは、酸化マグネシウム(マグネシア:MgO)に変化してしまうので、合金成分としてのマグネシウムの効果が発揮できなくなるという問題がある。
特開平8−176704公報 特開平10−251776公報 特許第3437740号公報
本発明は、第1金属よりも活性が高い第2金属を含んだ第1金属系合金(第1金属または第1金属合金)に、粒径がナノメーターオーダーからミクロンオーダーまでの非常に微小な第1金属酸化物粒子を分散配置して機械的に強化できる粒子強化合金複合材の製造方法を提供することにある。
上記のような目的を達成するための粒子分散強化合金複合材の製造方法は、第1金属系母材に、該第1金属よりも活性の高い第2金属を含有させた合金に、前記第1金属の酸化物の粒子を分散させた粒子分散強化合金複合材の製造方法であって、前記第1金属系母材の粉末と、前記第1金属より活性が低い単数又は複数の第3金属酸化物の粉末とを混合してプレ成形体を形成する成形工程と、該プレ成形体を加熱して第1金属の酸化物の粒子を生成させて、第1金属系合金である種材を作成する焼成工程と、該種材を前記第1金属系母材の溶融物に添加、又は、該種材と前記第1金属系母材を溶融して、撹拌混合し、前記第1金属の酸化物の粒子を分散する分散工程と分散工程とを含むことを特徴とする。
つまり、第1金属系母材(例えば、アルミニウム)に、この第1金属よりも活性の高い第2金属(例えば、マグネシウム)を含有させた合金に、第1金属の酸化物(酸化アルミニウム)の粒子を分散させた粒子分散強化合金複合材を製造する場合には、第1金属と第3金属の酸化物(例えば、酸化銅等)との粉末成形体を成形して、この成形体を高温で焼成することにより、第1金属の酸化物微粒子を生成(in−situ)させる。その後、焼成した成形体を第1金属系母材と共にマグネシウム含有アルミニウム合金に添加すると、第1金属の酸化物(酸化アルミニウム)と第2金属(マグネシウム)との反応が難しくなり、第1金属系合金中に第2金属の元素を残すことができ、合金における第2金属の元素成分の効果が確保できる。
また、焼成温度は、第1金属の種類や第3金属酸化物の種類によって異なり、分散温度は第1金属の種類や第1金属系合金の種類によって異なる。なお、ここで、第1金属系合金とは、第1金属又は第1金属合金のことをいい、例えば、第1金属がアルミニウムの場合は、第1金属系合金、即ち、アウミニウム系合金はアルミニウム又はアルミニウム合金を意味する。
上記の粒子分散強化合金複合材の製造方法において、前記第1金属がアルミニウムであり、前記第2金属がマグネシウムであることを特徴とする。この構成によれば、特に軽量のアルミニウム系合金が自動車や航空機等の材料として多用されており、また、このアルミニウム系合金において、溶体化処理と時効処理による機械的性質の向上等のために、マグネシウムを添加することが行われているので、この場合に特に大きな効果を奏することができる。
また、上記の粒子分散強化合金複合材の製造方法において、前記プレ成形体を形成する第1金属系母材が、前記第2金属を含んでいてもよいが、前記プレ成形体を形成する第1金属系母材が、前記第2金属を含まない方が好ましい。
第1金属系母材が、第2金属を含んでいても、プレ成形体を焼成する焼成工程において、第1金属系母材の量が少ないため、これに含まれている第2金属の量も少なく、この少量の第2金属が第3金属の酸化物と反応しても、十分な第1金属酸化物を生成できる。また、最終的な粒子分散強化合金複合材における第2金属の量は、分散工程におけるプレ成形体以外の第1金属系合金に含まれている第2金属の量が多いので、焼成工程で第2金属や第3金属酸化物の消費される量を考慮して、分散工程における第1金属系合金に含まれる第2金属の量を調整しておいたり、プレ成形体を形成する第3金属の酸化物の量を調整しておいたりすることで十分に対応できる。
しかしながら、プレ成形体を形成する第1金属系母材が第2金属を含まない方が、焼成工程において、第3金属の酸化物が第1金属系合金以外と反応しないので、効率的に第1金属酸化物を焼成し易く、また、第2金属の酸化物も生成しないので、より好ましい。
更に、上記の粒子分散強化合金複合材の製造方法において、前記第3金属が、ケイ素(Si),チタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),マンガン(Mn),鉄(Fe),ニッケル(Ni),銅(Cu),亜鉛(Zn),モリブデン(Mo),タンタル(Ta),タングステン(W)の内の少なくとも一つであることを特徴とする。第1金属より活性の低い、これら第3金属の酸化物を用いることで、第1金属の酸化物を生成できる。
また、上記の粒子分散強化合金複合材の製造方法では、前記第3金属が前記第1金属系合金の合金化元素として前記第1金属系合金に含有していてもよく、この第3金属の合金化元素としての効果により、より機械的に優れた粒子分散強化合金複合材を製造することができる。
以上説明したように、本発明に係る粒子分散強化合金複合材の製造方法及び粒子強化合金複合材によれば、第1金属より活性の高い第2金属を含んだ第1金属系合金に、粒径がナノオーダーからミクロンオーダーまでの非常に微小な第1金属酸化物の粒子を分散配置して機械的に強化できる。特に、第1金属系合金における強度、耐磨耗性、高温特性を改善でき、高強度軽量化部材として自動車産業などで使用できる。
以下、本発明に係る実施の形態の粒子分散強化合金複合材の製造方法について、第1金属がアルミニウムで、第2金属がマグネシウムである場合を例にして説明する。なお、本発明は、この実施例に限定されず、他の金属の組合せ、例えば、アルミニウム(Al)とチタン(Ti)、アルミニウム(Al)と銅(Cu)等であってもよい。
本発明では、図1に示すように、粒子分散強化合金複合材の製造工程S10は、プレ成形体を成形する成形工程S11、プレ成形体を加熱して酸化アルミニウムを生成する焼成工程S12、生成した酸化アルミニウムをアルミニウム系合金に分散する分散工程S13とからなる。
成形工程では、アルミニウム(第1金属)以外の酸化銅等の金属酸化物(第3金属酸化物)の粉末とアルミニウム系合金(第1金属系母材)の粉末(アルミニウムの粉末又はアルミニウム合金の粉末)を混合し、この混合粉末をプレス成形などで成形してプレ成形体を作製する。この成形のための加圧は、実験ではプレス圧力を0.2MPa〜300MPa(2気圧〜3000気圧)で行ったが、プレ成形体を、粉末の混合体のハンドリングができる程度に固形化すればよく、特に大きな加圧を必要としない。また、プレ成形体を形成するアルミニウム系合金がマグネシウムを含んでいてもよいが、含まない方が好ましい。
また、この金属酸化物の金属としては、アルミニウム(Al)以外の銅(Cu),ケイ素(Si),バナジウム(V),マンガン(Mn),モリブデン(Mo),タンタル(Ta),タングステン(W),ニッケル(Ni),亜鉛(Zn),チタン(Ti),クロム(Cr),鉄(Fe)の内の少なくとも一つの単数又は複数の金属が使用される。言い換えれば、金属酸化物としては、酸化銅(CuO,Cu2 O,CuO2 ),酸化ケイ素(SiO2 ),酸化バナジウム(V2 5 ),酸化マンガン(MnO2 ),酸化モリブデン(MoO3 ),酸化タンタル(Ta2 5 ),酸化タングステン(WO3 ),酸化ニッケル(NiO),亜鉛(ZnO),酸化チタン(TiO2 ),酸化クロム(Cr2 3 ),酸化鉄(Fe2 3 )等が使用される。
そして、焼成工程では、プレ成形体を700℃〜1100℃の高温で加熱して、酸化アルミニウム(アルミナ)粒子を生成し、酸化アルミニウム粒子の含有量が高い種材を作製する。この種材は、酸化アルミニウム微粒子分散アルミニウム系合金である。この焼成工程は、アルゴンや窒素等の不活性ガス雰囲気、言い換えれば、無酸素雰囲気で行われる。
つまり、この第1金属と金属酸化物が添加・混合されたプレ成形体(ペレット)から種材を作製する焼成工程では、高温で(2yAl+3MxOy→yAl2 3 +3xM:Mはアルミニウム以外の金属)の反応を生じさせて、その場で粒径ナノメーターから数ミクロンまでの酸化アルミニウム粒子をin−situ反応により生成させ、酸化アルミニウム粒子の含有量が高い種材を作成する。
この加熱温度は第1金属とこれに添加・混合される金属酸化物の種類によって異なるが、加熱温度が高ければ高い程、第1金属酸化物粒子が生成し易くなり、加熱温度が低くなると、反応時間が長くなる。
また、例え、アルミニウム系母材のマグネシウムが酸化銅等の金属酸化物と反応しても、プレ成形体を焼成する焼成工程において、アルミニウム系母材の量が少ないため、これに含まれているマグネシウムも少なく、この少量のマグネシウムが酸化銅等の金属酸化物と反応しても、十分な酸化アルミニウムを生成できる。また、最終的な粒子分散強化合金複合材におけるマグネシウムの量は、分散工程におけるプレ成形体以外のアルミニウム系合金に含まれているマグネシウムの量が多いので、焼成工程でマグネシウムや酸化銅等の金属酸化物の消費される量を考慮して、分散工程におけるアルミニウム系合金に含まれるマグネシウムの量を調整しておいたり、プレ成形体を形成する酸化銅等の金属酸化物の量を調整しておいたりすることで十分に対応できる。
しかしながら、プレ成形体を形成するアルミニウム系母材がマグネシウムを含まない方が、焼成工程において、酸化銅等の金属酸化物がアルミニウム系合金以外と反応しないので、効率的に酸化アルミニウムを焼成し易く、また、マグネシウムの酸化物も生成しないので、より好ましい。
次の分散工程では、この酸化アルミニウム粒子の含有量が高い種材を、アルミニウム系合金の溶融物に添加し、大気中で700℃〜850℃の高温で撹拌混合することにより、酸化アルミニウムが溶融しているアルミニウム系合金中に分散され、酸化アルミニウム微粒子アルミニウム合金複合材料が得られる。なお、種材をアルミニウム系合金の溶融物に添加する代わりに、種材とアルミニウム系合金を溶融して撹拌混合してもよい。
なお、アルミニウム系合金がマグネシウムを含む場合は、マグネシウムを含むアルミニウム合金の溶融物に添加し撹拌混合することにより、又は、種材とマグネシウムを含むアルミニウム系合金を溶融して撹拌混合することにより、マグネシウムを含む酸化アルミニウム微粒子アルミニウム合金複合材料が得られる。この分散工程における分散温度は焼成工程における焼成温度よりも低く設定されるので、酸化アルミニウムとマグネシウムとが反応して酸化マグネシウムが生成されることは殆ど無い。
そして、これらの工程により、簡単に粒径ナノメーターから数μまでの酸化アルミニウム粒子で強化したアルミニウム系合金複合材料を得ることができる。また、焼成工程におけるアルミニウムと金属酸化物の反応で、還元された金属元素(第3金属)や生成した金属間化合物は、アルミニウム系合金の合金化に寄与するので、この金属元素及び金属間化合物によるアルミニウム系合金の高強度化が図られる。
実施例1の酸化アルミニウム粒子強化アルミニウム合金複合材料を次のようにして作製した。アルミニウム粉末、酸化銅(CuO,Cu2 O)の粉末、酸化ケイ素(シリカ:SiO2 )の粉末を58wt%,12wt%,30wt%の割合で混合し、ペレット状に成形した後、800℃で4時間加熱した。この結果で得られた材料を切断し、切断面を観察した結果、粒径ナノメーターからミクロンオーダーまでの酸化アルミニウム粒子がアルミニウムマトリクス(母材)に分散していることが確認できた。また、酸化アルミニウム粒子の含有量は38wt%であった。この高体積粒子含有複合材料と通常のアルミニウム合金(AC4C)を一緒に熔解炉に入れて、750℃で熔解して撹拌した後、金属の型に鋳込み、鋳造試験片を作製した。なお、このAC4Cは鋳物4種Cで、Al−Si−Mg系のアルミニウム合金鋳物であることを示す。
この鋳造試験片を切断し、切断面を観察した結果、図2に示すように、アルミニウム合金10から粒径ナノメーターオーダーからミクロンオーダーまでの酸化アルミニウム粒子11が確認された。また、酸化アルミニウム粒子の含有量は5.5wt%であった。そして、表1に示すように、この実施例1では酸化アルミニウム粒子強化アルミニウム合金複合材料の引っ張り強度は330MPaで、アルミニウム合金(AC4C)よりも約10%高くなった。
Figure 0004457948
次に、実施例2の酸化アルミニウム粒子強化アルミニウム合金複合材料を次のようにして作製した。アルミニウム粉末、酸化銅(CuO,Cu2 O)の粉末、酸化ケイ素(シリカ:SiO2 )の粉末、酸化ニッケル(NiO)の粉末を58wt%,12wt%,24wt%,6wt%の割合で混合し、ペレット状に成形した後、850℃で4時間加熱した。この結果で得られた材料を切断し、切断面を観察した結果、粒径ナノメーターからミクロンオーダーまでの酸化アルミニウム粒子がアルミニウムマトリクス(母材)に分散していることが確認できた。また、酸化アルミニウム粒子の含有量は34wt%であった。この高体積粒子含有複合材料と通常のアルミニウム合金(AC8A)を一緒に熔解炉に入れて、750℃で熔解して撹拌した後、金属の型に鋳込み、鋳造試験片を作製した。なお、このAC8Aは鋳物8種Aで、Al−Si−Cu−Ni−Mg系のアルミニウム合金鋳物であることを示す。
この鋳造試験片を切断し、切断面を観察した結果、アルミニウム合金から粒径ナノメーターオーダーからミクロンオーダーまでの酸化アルミニウム粒子が確認された。また、酸化アルミニウム粒子の含有量は5wt%であった。そして、表1に示すように、この実施例2では酸化アルミニウム粒子強化アルミニウム合金複合材料の引っ張り強度は355MPaで、アルミニウム合金(AC8A)よりも約12%高くなった。
更に、実施例3の酸化アルミニウム粒子強化アルミニウム合金複合材料を次のようにして作製した。マグネシウムを1.5wt%含むアルミニウム合金粉末、酸化銅(CuO,Cu2 O)の粉末、酸化ケイ素(シリカ:SiO2 )の粉末を58wt%,12wt%,30wt%の割合で混合し、ペレット状に成形した後、800℃で4時間加熱した。この結果で得られた材料を切断し、切断面を観察した結果、粒径ナノメーターからミクロンオーダーまでの酸化アルミニウム粒子がアルミニウムマトリクス(母材)に分散していることが確認できた。また、酸化アルミニウム粒子の含有量は33wt%であった。この高体積粒子含有複合材料と通常のアルミニウム合金(AC4C)を一緒に熔解炉に入れて、750℃で熔解して撹拌した後、金属の型に鋳込み、鋳造試験片を作製した。
この鋳造試験片を切断し、切断面を観察した結果、アルミニウム合金から粒径ナノメーターオーダーからミクロンオーダーまでの酸化アルミニウム粒子が確認された。また、酸化アルミニウム粒子の含有量は5wt%であった。そして、表1に示すように、この実施例2では酸化アルミニウム粒子強化アルミニウム合金複合材料の引っ張り強度は315MPaで、アルミニウム合金(AC4C)よりも約5%高くなった。
[比較例1]
上記の実施例1、2、3と比較するために、次の比較例1、2を作製した。
比較例1の酸化アルミニウム粒子強化アルミニウム合金複合材料を次のようにして作製した。アルミニウム合金粉末、酸化銅(CuO,Cu2 O)の粉末、酸化ケイ素(シリカ:SiO2 )の粉末を58wt%,12wt%,30wt%の割合で混合し、ペレット状に成形した後、この成形体と通常のアルミニウム合金AC4Cを一緒に熔解炉に入れて、750℃で熔解して30分撹拌した後、金属の型に鋳込み、鋳造試験片を作製した。
この鋳造試験片を切断し、切断面を観察した結果、アルミニウム合金から粒径ナノメーターオーダーからミクロンオーダーまでの酸化アルミニウム粒子が確認された。また、酸化アルミニウム粒子の含有量は0.3wt%であった。そして、表1に示すように、この実施例2では酸化アルミニウム粒子強化アルミニウム合金複合材料の引っ張り強度は290MPaで、アルミニウム合金(AC4C)よりも低くなった。
[比較例2]
比較例2の酸化アルミニウム粒子強化アルミニウム合金複合材料を次のようにして作製した。750℃で溶融したアルミニウム合金AC8Cに、酸化銅(CuO,Cu2 O)の粉末、酸化ケイ素(シリカ:SiO2 )、酸化ニッケル(NiO)を94.1wt%,1.7wt%,3.4wt%,0.8wt%の割合で混合し、4時間撹拌した後、金属の型に鋳込み、鋳造試験片を作製した。
この鋳造試験片を切断し、切断面を観察した結果、アルミニウム合金から微量の酸化アルミニウム粒子の生成が確認された。また、酸化アルミニウム粒子の含有量は2wt%であった。そして、表1に示すように、この実施例2では酸化アルミニウム粒子強化アルミニウム合金複合材料の引っ張り強度は310MPaであった。、アルミニウム合金(AC4C)よりも低くなった。
本発明の実施の形態の粒子強化合金複合材の製造方法のフローを示す図である。 実施例1の酸化アルミニウム粒子強化アルミニウム合金複合材料の断面の電子顕微鏡写真である。
符号の説明
10 アルミニウム合金
11 酸化アルミニウム粒子
S10 粒子強化合金複合材の製造方法
S11 成形工程
S12 焼成工程
S13 分散工程

Claims (5)

  1. 第1金属系母材に、該第1金属よりも活性の高い第2金属を含有させた合金に、前記第1金属の酸化物の粒子を分散させた粒子分散強化合金複合材の製造方法であって、
    前記第1金属系母材の粉末と、前記第1金属より活性が低い単数又は複数の第3金属酸化物の粉末とを混合してプレ成形体を形成する成形工程と、
    該プレ成形体を加熱して前記第1金属の酸化物の粒子を生成させて、前記第1金属系合金である種材を作成する焼成工程と、
    該種材を前記第1金属系母材の溶融物に添加して、又は、該種材と前記第1金属系母材を溶融して、撹拌混合し、前記第1金属の酸化物の粒子を分散する分散工程とを含むことを特徴とする粒子分散強化合金複合材の製造方法。
  2. 前記第1金属がアルミニウムであり、前記第2金属がマグネシウムであることを特徴とする請求項1記載の粒子分散強化合金複合材の製造方法。
  3. 前記プレ成形体を形成する第1金属系母材が、前記第2金属を含まないことを特徴とする請求項1又は2記載の粒子分散強化合金複合材の製造方法。
  4. 前記第3金属が、ケイ素,チタン,バナジウム,クロム,マンガン,鉄,ニッケル,銅,亜鉛,モリブデン,タンタル,タングステンの内の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の粒子分散強化合金複合材の製造方法。
  5. 前記第3金属が前記第1金属系合金の合金化元素として前記第1金属系合金に含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒子分散強化合金複合材の製造方法。
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