JP2023018507A - アルミニウム基複合材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】強化材の含有率が高い場合であっても空隙部の少ない(理論密度比が高い)アルミニウム基複合材及びその簡便かつ効率的な製造方法を提供する。【解決手段】アルミニウム基材に強化材が分散したアルミニウム基複合材であって、強化材の周囲に低融点アルミニウム合金が存在し、低融点アルミニウム合金の周囲に高融点アルミニウム合金又はアルミニウムが存在し、低融点アルミニウム合金の融点が、高融点アルミニウム合金又は前記アルミニウムの融点よりも低いこと、を特徴とするアルミニウム基複合材。【選択図】なし
Description
本発明はアルミニウム基複合材及びその製造方法に関するものであり、特に強化材を多く含むと共に高密度なアルミニウム基複合材及びその簡便かつ効率的な製造方法に関するものである。
金属はプラスチックと比較して比強度、比弾性率、耐熱性及び耐摩耗性等に優れ、セラミックスと比較して靭性や塑性変形能、熱伝導性及び電気伝導性等に優れている。また、金属材には多様な製造方法を適用することができ、マトリックス材料として多方面への応用が期待されている。特に、軽金属として最も広く用いられているアルミニウム合金を基材とする複合材料は盛んに開発されており、様々なアルミニウム基複合材及びその製造方法が知られている。
アルミニウム基複合材の製造方法としては、例えば、アルミニウム合金の溶湯中に強化材を添加して鋳造する方法、強化材からなる構造体の内部にアルミニウム合金の溶湯を含侵させる方法、及び強化材の粉末とアルミニウム合金の粉末の混合物を容器に封入して加熱しながら加圧する方法等が提案されている。
また、本願発明者らも、容器に封入した混合粉末を予備加熱した後、圧延加工を施すアルミニウム基複合材料を提案している。例えば、特許文献1(特開2010-0255032号公報)においては、間に混合材が挟み込まれた一対の金属板を有し、前記混合材が金属粉末と中性子吸収機能を有するセラミック粒子とを備えた金属基複合材において、前記混合材から構成される中間層の理論密度比が98%以上であって、両金属板の厚さの合計値の、全体厚さに占める百分率が、15%以上25%以下の範囲内である事を特徴とする金属基複合材、を開示している。
また、特許文献2(特開2010-0255033号公報)においては、間に混合材が挟み込まれた一対の金属板を有し、前記混合材が金属粉末と中性子吸収機能を有するセラミック粒子とを備えた金属基複合材において、前記セラミック粒子が、B4C粒子を含み、このB4C粒子に含まれる10B面積密度が、40mg/cm2以上に設定され、前記B4C粒子により達成される中性子吸収率が90%以上であることを特徴とする金属基複合材、を開示している。
上記特許文献1及び特許文献2に記載の金属基複合材においては、互いに隣接する層同士が、強固に接合されることになり、この結果、金属基複合材の機械的強度が、飛躍的に増大することになる。また、金属基複合材表面には、破壊の基点となったり、ダイス等を摩耗させたりするセラミックス粒子が無いため、良好な圧延加工材を得ることができる。
しかしながら、アルミニウム基複合材においては、強化材と強化材の間にアルミニウムが充填されない空隙部が形成されやすく、この傾向は強化材の含有率が高くなるほど顕著になる。その結果、所望のアルミニウム基複合材の特性を得ることが困難となる。上記特許文献1及び特許文献2に記載の金属基複合材についても同様であり、例えば、強化材の含有率が40質量%以上となる場合には更なる改善が必要となる。
以上のような従来技術における問題点に鑑み、本発明の目的は、強化材の含有率が高い場合であっても空隙部の少ない(理論密度比が高い)アルミニウム基複合材及びその簡便かつ効率的な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、アルミニウム基複合材の組成、組織及び製造方法について鋭意研究を重ねた結果、強化材周囲の空間を低融点アルミニウムで充填し、当該低融点アルミニウムの周囲をより融点の高いアルミニウム合金又はアルミニウムとすること等が極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
アルミニウム基材に強化材が分散したアルミニウム基複合材であって、
前記強化材の周囲に低融点アルミニウム合金が存在し、
前記低融点アルミニウム合金の周囲に高融点アルミニウム合金又はアルミニウムが存在し、
前記低融点アルミニウム合金の融点が、前記高融点アルミニウム合金又は前記アルミニウムの融点よりも低いこと、
を特徴とするアルミニウム基複合材、を提供する。
アルミニウム基材に強化材が分散したアルミニウム基複合材であって、
前記強化材の周囲に低融点アルミニウム合金が存在し、
前記低融点アルミニウム合金の周囲に高融点アルミニウム合金又はアルミニウムが存在し、
前記低融点アルミニウム合金の融点が、前記高融点アルミニウム合金又は前記アルミニウムの融点よりも低いこと、
を特徴とするアルミニウム基複合材、を提供する。
本発明のアルミニウム基複合材においては、強化材と強化材の間の隙間や強化材の周囲に形成される隙間に融点の低いアルミニウム合金が流入し、これらの隙間を埋めていることから、高い密度が実現されていると共に、強化材とアルミニウム基材との密着性も良好となっている。その結果、強度や靭性等の機械的性質や、熱伝導性等の各種物性について、理想的な値を得ることができる。
本発明のアルミニウム基複合材においては、前記強化材がセラミックスであること、が好ましい。本発明の効果を損なわない限りにおいて、セラミックスの種類は特に限定されないが、例えば、B4C、BN、SiC、Si3N4、AlN及びAl2O3等の従来公知の種々のセラミックスを用いることができる。また、本発明の効果を損なわない限りにおいて、セラミックスの形状やサイズも特に限定されず、金属基複合材の強化材として従来公知の形状及びサイズとすることができる。
また、本発明のアルミニウム基複合材においては、前記低融点アルミニウム合金がAl-Si系合金であること、が好ましく、前記Al-Si系合金が共晶組成を有すること、がより好ましい。Al-Si系合金はSiの含有量によって融点と各種性質を容易に制御することができ、本発明のアルミニウム基複合材の低融点アルミニウム合金として好適に使用することができる。また、Al-Si系合金を共晶組成(Al-13質量%Si合金)とすることで、最も低い融点(577℃)とすることができる。
また、本発明のアルミニウム基複合材においては、前記低融点アルミニウム合金の含有量が5~20質量%であること、が好ましい。低融点アルミニウム合金の含有量を5質量%以上とすることで、強化材に起因する空隙を十分かつ効率的に充填することができる。また、低融点アルミニウム合金の含有量を20質量%以下とすることで、強化材に起因する空隙の充填を目的として使用するアルミニウム合金の量を低減することができ、アルミニウム基の特性を主たるアルミニウム合金によって決定することができる。
また、本発明のアルミニウム基複合材においては、前記強化材の含有量が40質量%以上であること、が好ましい。本発明のアルミニウム基複合材においては、低融点アルミニウム合金によって強化材に起因する空隙を充填することができるため、強化材の含有量が40質量%以上となった場合であっても、高密度なアルミニウム基複合材とすることができる。
更に、本発明のアルミニウム基複合材においては、理論密度比が98%以上であること、が好ましい。アルミニウム基複合材の理論密度比を98%以上とすることで、良好な強度や靭性等を付与できると共に、強化材とアルミニウム基材との複合効果を十分に発現させることができる。
また、本発明は、
強化材と、融点の異なる2種以上のアルミニウム合金の粉末と、を混合して混合粉を得るための混合工程と、
前記混合粉をアルミニウム又はアルミニウム合金からなる容器に封入して封入体を得るための封入工程と、
前記封入体を、前記混合粉に含まれる前記アルミニウム合金の融点よりも低い温度で熱間圧延して圧延材を得るための熱間圧延工程と、
前記圧延材を、融点の最も低い前記アルミニウム合金の融点よりも高く、他の前記アルミニウム合金の融点よりも低い温度に保持する加熱工程と、を有すること、
を特徴とするアルミニウム基複合材の製造方法、も提供する。
強化材と、融点の異なる2種以上のアルミニウム合金の粉末と、を混合して混合粉を得るための混合工程と、
前記混合粉をアルミニウム又はアルミニウム合金からなる容器に封入して封入体を得るための封入工程と、
前記封入体を、前記混合粉に含まれる前記アルミニウム合金の融点よりも低い温度で熱間圧延して圧延材を得るための熱間圧延工程と、
前記圧延材を、融点の最も低い前記アルミニウム合金の融点よりも高く、他の前記アルミニウム合金の融点よりも低い温度に保持する加熱工程と、を有すること、
を特徴とするアルミニウム基複合材の製造方法、も提供する。
本発明のアルミニウム基複合材の製造方法においては、融点の異なる2種以上のアルミニウム合金の粉末(低融点アルミニウム合金粉末と高融点アルミニウム合金粉末)を用い、熱間圧延によって得られた圧延材を低融点アルミニウム合金の融点よりも高く高融点アルミニウム合金の融点よりも低い温度に加熱することを最大の特徴としている。ここで、高融点アルミニウム合金粉末としては、純アルミニウムの粉末を用いることもできる。
また、本発明のアルミニウム基複合材の製造方法においては、熱間圧延工程で得られる圧延材の空隙に存在する空気と低融点アルミニウム合金に起因する溶融アルミニウムとを反応させ、酸化物又は窒化物を形成させることで緻密化を促進していることも特徴の一つである。緻密化促進の機構は必ずしも明らかになっていないが、特に、窒素と溶融アルミニウムとの反応による窒化アルミニウムの形成が緻密化に寄与していると考えられる。
本発明のアルミニウム基複合材の製造方法においては、融点の最も低い前記アルミニウム合金をAl-Si系合金とすること、が好ましい。また、Al-Si系合金は共晶組成とすることがより好ましい。Al-Si系合金はSiの含有量によって融点と各種性質を容易に制御することができ、本発明のアルミニウム基複合材の低融点アルミニウム合金として好適に使用することができる。また、Al-Si系合金を共晶組成(Al-13質量%Si合金)とすることで、最も低い融点(577℃)とすることができる。
また、本発明のアルミニウム基複合材の製造方法においては、前記強化材の含有量を40質量%以上とすること、が好ましい。本発明のアルミニウム基複合材の製造方法においては、低融点アルミニウム合金によって強化材に起因する空隙を充填することができるため、強化材の含有量を40質量%以上とした場合であっても、高密度なアルミニウム基複合材を得ることができる。
本発明によれば、強化材の含有率が高い場合であっても空隙部の少ない(理論密度比が高い)アルミニウム基複合材及びその簡便かつ効率的な製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明のアルミニウム基複合材及びその製造方法についての代表的な実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合がある。また、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、表された各構成要素の寸法やそれらの比は実際のものとは異なる場合もある。
1.アルミニウム基複合材
本発明のアルミニウム基複合材の組織を模式的に図1に示す。図1には強化材周辺の状況を模式的に示している。
本発明のアルミニウム基複合材の組織を模式的に図1に示す。図1には強化材周辺の状況を模式的に示している。
強化材2の周囲や強化材2と強化材2の間には空隙が形成されやすいが、本発明のアルミニウム基複合材においては、当該空隙が低融点アルミニウム合金4で充填されている。また、低融点アルミニウム合金4の周囲には、高融点アルミニウム合金6が存在する。高融点アルミニウム合金6は純アルミニウムでもよい。
ここで、強化材2の周囲や強化材2と強化材2の間は全てが低融点アルミニウム合金4である必要はない。例えば、低融点アルミニウム合金4にAl-Si系合金を用いた場合、SEM-EDSやEPMAを用いた元素マッピングにおいて、強化材2の周囲や強化材2と強化材2の間にSiが集中的に分布していればよい。
低融点アルミニウム合金4は高融点アルミニウム合金6よりも低い融点を有している。低融点アルミニウム合金4と高融点アルミニウム合金6の融点差は、本発明の効果を損なわない限りにおいて特に限定されないが、低融点アルミニウム合金4の融点をより低くすることで、アルミニウム基複合材の緻密化がより容易となる。
低融点アルミニウム合金4と高融点アルミニウム合金6は、低融点アルミニウム合金4の融点が高融点アルミニウム合金6の融点よりも低ければよく、それぞれ従来公知の種々のアルミニウム合金を用いることができる。例えば、純アルミニウム(JIS 1050、1070等)や、Al-Cu系合金(JIS 2017等)、Al-Si系合金(JIS 4032等)、Al-Mg-Si系合金(JIS 6061等)、Al-Zn-Mg系合金(JIS 7075等)、Al-Mn系合金等、種々のタイプのアルミニウム合金を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
低融点アルミニウム合金4は、Al-Si系合金とすることが好ましく、Al-Si系合金を共晶組成とすることがより好ましい。Al-Si系合金はSiの含有量によって融点と各種性質を容易に制御することができ、Al-Si系合金を共晶組成(Al-13質量%Si合金)とすることで、最も低い融点(577℃)とすることができる。
低融点アルミニウム合金4と高融点アルミニウム6の含有量については、アルミニウム基複合材に求める特性や強化材2の種類、形状、大きさ及び量等によって適宜調整すればよいが、低融点アルミニウム合金4の含有量が5~20質量%とすることが好ましい。低融点アルミニウム合金4の含有量を5質量%以上とすることで、強化材2に起因する空隙を十分かつ効率的に充填することができる。また、低融点アルミニウム合金4の含有量を20質量%以下とすることで、強化材2に起因する空隙の充填を目的として使用するアルミニウム合金の量を低減することができ、アルミニウム基の特性を主たるアルミニウム合金(高融点アルミニウム合金6)によって決定することができる。
また、アルミニウム基複合材に高温強度が要求される場合には、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、銅(Co)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)、ストロンチウム(Sr)等の少なくとも1種を、原料粉末に添加することができる。また、室温強度が要求される場合にはケイ素(Si)、鉄(Fe)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)等の少なくとも1種を、原料粉末に添加することができる。何れの場合でも、各元素7重量%以下、2種類以上の混合の場合には合計量で15質量%以下の割合で、添加することができる。
原料として用いるアルミニウム合金粉末(低融点アルミニウム合金4及び高融点アルミニウム合金6)の平均粒径は特に限定されるものではないが、上限値は一般には200μm以下、好ましくは100μm以下、より好ましくは30μm以下の粉末を用いることができる。平均粒径の下限値は製造可能であれば特に限定されるものではないが、通常は0.5μm以上、好ましくは10μm以上である。特に、アルミニウム合金粉末の粒度分布を100μm以下とし、強化材2の平均粒度を40μm以下とすることが出来る。この場合、強化材2の粒子が均一に分散し、強化材2の希薄な部分が非常に少なくなり、アルミニウム基複合材の特性の安定化に効果がある。
アルミニウム合金粉末の平均粒径は、強化材2の平均粒径との差が大きいと圧延加工の際に割れが生じやすいので、平均粒径の差を小さくすることが好ましい。平均粒径が大きくなりすぎると、平均粒径を大きくできない強化材2との均一混合が困難となる。これに対して、平均粒径が小さすぎると、微細アルミニウム合金粉末同士で凝集が起こり易くなり、強化材2との均一混合が非常に困難になる。また、アルミニウム合金粒子の平均粒径をかかる好適範囲内の平均粒径とすることにより、一層優れた加工性、成形性、機械的特性を得ることもできる。
アルミニウム合金粉末の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定法を用いて測定することができる。また、粉末形状も限定されるものではない。例えば、アルミニウム合金粉末は、涙滴状、真球状、回転楕円体状、フレーク状又は不定形状等いずれの形状であっても差し支えない。
強化材2としては、セラミックスを用いることが好ましく、例えば、B4C、BN、SiC、Si3N4、AlN及びAl2O3等の従来公知の種々のセラミックスを用いることができる。また、ホウ素系セラミックス粒子を用いた場合は、アルミニウム基複合材を中性子吸収材としても使用できる。その場合、ホウ素系セラミックスとしては、例えばB4C、TiB2、B2O3、FeB、FeB2等を挙げることができる。これらホウ素系セラミックスは、これらを単独で又は混合物として使用することができる。特に、中性子を良く吸収するBの同位体である10Bを多く含む炭化ホウ素B4Cを使用することが好ましい。
また、強化材2の含有量は40質量%以上とすることが好ましい。本発明のアルミニウム基複合材においては、低融点アルミニウム合金4によって強化材2に起因する空隙を充填することができるため、強化材2の含有量が40質量%以上となった場合であっても、高密度なアルミニウム基複合材とすることができる。
また、アルミニウム基複合材の理論密度比は98%以上であることが好ましい。アルミニウム基複合材の理論密度比を98%以上とすることで、良好な強度や靭性等を付与できると共に、強化材とアルミニウム基材との複合効果を十分に発現させることができる。
2.アルミニウム基複合材の製造方法
本発明のアルミニウム基複合材の製造方法は、上記本発明のアルミニウム基複合材の効果的な製造方法を提供するものである。本発明のアルミニウム基複合材の製造方法は、原料粉末を混合する混合工程と、混合粉を容器に封入する封入工程と、圧延材を得るための熱間圧延工程と、緻密化を促進する加熱工程とを有している。以下、本発明のアルミニウム基複合材の製造方法に特徴的な工程について説明する。
本発明のアルミニウム基複合材の製造方法は、上記本発明のアルミニウム基複合材の効果的な製造方法を提供するものである。本発明のアルミニウム基複合材の製造方法は、原料粉末を混合する混合工程と、混合粉を容器に封入する封入工程と、圧延材を得るための熱間圧延工程と、緻密化を促進する加熱工程とを有している。以下、本発明のアルミニウム基複合材の製造方法に特徴的な工程について説明する。
(1)混合工程
強化材と、融点の異なる2種以上のアルミニウム合金(低融点アルミニウム合金4及び高融点アルミニウム合金6)の粉末と、を混合して混合粉を得るための工程である。強化材及び融点の異なる2種類以上のアルミニウム合金粉末の詳細は、上記の本発明のアルミニウム基複合材の場合と同様である。
強化材と、融点の異なる2種以上のアルミニウム合金(低融点アルミニウム合金4及び高融点アルミニウム合金6)の粉末と、を混合して混合粉を得るための工程である。強化材及び融点の異なる2種類以上のアルミニウム合金粉末の詳細は、上記の本発明のアルミニウム基複合材の場合と同様である。
アルミニウム合金粉末の製造方法は何等限定されないものである。例えば、アルミニウム合金粉末は、公知の金属粉末の製造方法に従って製造することができる。その製造方法としては、例えば、アトマイズ法、メルトスピニング法、回転円盤法、回転電極法、その他の急冷凝固法等が挙げられる。ここで、工業的生産の観点からは、アトマイズ法が好ましく、特に、溶湯をアトマイズすることにより粉末を製造するガスアトマイズ法が好ましい。
なお、アトマイズ法においては、上記溶湯を通常700~1200℃に加熱してアトマイズすることが好ましい。何故なら、この温度範囲に設定することにより、より効果的なアトマイズを実施することができるからである。またアトマイズ時の噴霧媒・雰囲気は、空気、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素、水等あるいはそれらの混合ガスであってもよいが、噴霧媒は、経済的観点から、空気、窒素ガス又はアルゴンガスによるのが好ましい。
原料として用いるアルミニウム合金粉末は低融点アルミニウム合金4及び高融点アルミニウム合金6の粉末以外にも、一種又は複数種を混合してもよい。強化材2については一種のみでもよいし、複数種、例えばB4C及びAl2O3を混合してもよい。アルミニウム合金粉末と強化材2との混合の方法は、公知の方法でよく、例えばVブレンダー、クロスロータリーミキサー等の各種ミキサー、振動ミル、遊星ミル等を使用し、所定の時間(例えば10分~10時間程度)混合すればよい。また、混合は、乾式又は湿式の何れであってもよい。また、混合の際に解砕の目的で、アルミナやSUSボール等のメディアを適宜加えてもよい。
強化材2の平均粒径は任意であるが、1~30μmとすることが好ましい。アルミニウム合金粉末の平均粒径に関連して説明したように、これら二種の粉末間の粒径差は、要求される仕様により適宜選択することができる。例えば、強化材2の平均粒径は、5μm以上20μm以下とすることがより好ましい。ここで、強化材2の平均粒径が20μmより大きいと、切断時に鋸歯が直ぐに摩耗してしまう問題がある。また、強化材2の平均粒径が5μmより小さいと、これら微細粉末同士で凝集が起こり易くなり、アルミニウム合金粉末との均一混合が非常に困難になるおそれがある。
強化材2の平均粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定法を用いて測定することができる。強化材2の粉末形状は限定されず、例えば、涙滴状、真級状、回転楕円体状、フレーク状、不定形状等のいずれであってもよい。
(2)封入工程
混合工程で得られた混合粉をアルミニウム又はアルミニウム合金からなる容器に封入し、圧延を施すための封入体を得る工程である。本工程においては、上述した混合工程で製造された混合粉を充填する中空扁平状の金属製ケースが準備される。
混合工程で得られた混合粉をアルミニウム又はアルミニウム合金からなる容器に封入し、圧延を施すための封入体を得る工程である。本工程においては、上述した混合工程で製造された混合粉を充填する中空扁平状の金属製ケースが準備される。
金属製ケース内への混合粉の充填に関しては、混合粉を均一に投入する必要がある。この際、均一投入作業と同時並行的に金属製ケースにタッピング、即ち、機械的詰め込み作業を実施し、粉体としての充填密度を上げることが好ましい。このタッピングにより、混合粉の理論充填率を35%から65%の範囲となるようにすることが好ましい。
金属製ケースに混合粉を充填した後、真空炉で減圧して脱ガスを実施もよい。また、脱ガス後に、溶接等の方法で金属製ケースを密封することで、圧延を施す封入体を得ることができる。
(3)熱間圧延工程
封入工程で得られた封入体に対して熱間圧延を施し、圧延材を得るための工程である。本工程の最大の特徴は、混合粉に含まれるアルミニウム合金の融点よりも低い温度(即ち、低融点アルミニウム合金4の融点よりも低い温度)で熱間圧延を施すことである。
封入工程で得られた封入体に対して熱間圧延を施し、圧延材を得るための工程である。本工程の最大の特徴は、混合粉に含まれるアルミニウム合金の融点よりも低い温度(即ち、低融点アルミニウム合金4の融点よりも低い温度)で熱間圧延を施すことである。
圧延の前処理として、封入体を予熱する。当該予熱は、加熱炉において、300℃~600℃の範囲の大気中の雰囲気で2時間以上放置することが好ましい。ここで、予熱雰囲気としては、大気中で行うことに限定されることなく、アルゴン等の不活性ガス中で行うことが好ましく、5Pa以下の真空雰囲気中で行うことがより好ましい。
圧延対象となる混合粉は、粉体のままであり、何ら固化する状況となっていない。即ち、圧延加工に供せられる前に、形状維持の目的で予備成形、具体的には、プレス加工や通電加圧焼結作業等を施していない。封入体内においては、上述のタッピングにより充填率が上げられているものの、それは、固化する程度のものではなく、粉体としての状況が維持されたものである。
また、圧延工程に供せられるに際して、粉体としての混合粉は、その上下をアルミニウム材で挟み込まれた状況となっている。具体的には、混合粉の上面は、金属製ケースの天板部により全面的に、且つ、緊密に覆われているものであり、混合粉の下面は、金属製ケースの底板部により全面的に、且つ、緊密に覆われているものである。このようにして、封入体は、混合粉を金属製ケース内に充填して密封した状態で、混合粉を上下からアルミニウム板で挟み込んだ3層クラッド構造を有している。
予熱された封入体は、圧延加工を施され、目的とする形状に成形される。板状クラッド材を作製する場合は、冷間圧延のみでアルミニウム板材やアルミニウム容器との所定のクラッド率を有するクラッド板材を得ることも可能である。熱間塑性加工で一つの加工を行ってもよいし、複数の加工を組み合わせてもよい。また熱間塑性加工後、冷間塑性加工を行ってもよい。冷間塑性加工を行う場合は、加工前に300~600℃(好ましくは400~500℃)で焼鈍を行うと加工が容易である。
封入体はアルミニウム板によってクラッドされているので、その表面には塑性加工の際に破壊の基点となったり、ダイス等を摩耗させたりする強化材2は存在しない。そのため、圧延加工性が良好であり、強度や表面性状の優れたアルミニウム基複合材を得ることができる。また、得られた熱間塑性加工材は、表面が金属でクラッドされ、表面の金属と内部の混合粉との密着性もよいことから、表面を金属材にクラッドされていないアルミニウム基複合材より、耐食性、耐衝撃性、熱伝導性に優れる。ここで、表面の金属材が不要な場合は切削等で取り除けばよい。
好適な他の実施形態では、圧延加工を施す前に、封入体の表面を金属製の保護板、例えばSUS又はCu製の薄板で覆うことも有効である。これにより、塑性加工時に生じる恐れのある前後方向の割れや亀裂等を未然に防止することができる。
更に詳細には、圧延工程は、より具体的には、圧下率10~70%の範囲で10~14パスを繰り返し実施する熱間圧延を行うことが好ましい。また、熱間圧延における圧延温度は略500℃に設定することが好ましい。
また、熱間圧延で所望の最終厚さに仕上げてもよく、熱間圧延の後、200℃~300℃の範囲で温間圧延を行ってもよい。更に、温間圧延の後、200℃以下の温度で第2回の温間圧延を実施してもよい。
圧延工程の終了後、300℃~600℃の範囲で所定時間の熱処理工程、即ち、焼鈍工程を実施することが好ましい。当該焼鈍工程の後、冷却工程を実施して、所望の平坦度に矯正工程を実施して、両側縁、先端縁、後端縁を、夫々切り落とすことで、所定の製品形状とすることがある。
(4)加熱工程
本発明のアルミニウム基複合材の製造方法において最も重要な工程であり、熱間圧延工程で得られた圧延材を、融点の最も低いアルミニウム合金(低融点アルミニウム合金4)の融点よりも高く、他のアルミニウム合金(高融点アルミニウム合金6)の融点よりも低い温度に保持し、緻密化を促進するための工程である。
本発明のアルミニウム基複合材の製造方法において最も重要な工程であり、熱間圧延工程で得られた圧延材を、融点の最も低いアルミニウム合金(低融点アルミニウム合金4)の融点よりも高く、他のアルミニウム合金(高融点アルミニウム合金6)の融点よりも低い温度に保持し、緻密化を促進するための工程である。
圧延材における強化材2の周囲や強化材2と強化材2の間には空隙が存在することが多いが、低融点アルミニウム合金4の融点よりも高く、高融点アルミニウム合金6の融点よりも低い温度に保持することで、低融点アルミニウム合金4が溶融し、空隙に充填されることで緻密化が促進される。
低融点アルミニウム合金4の融点よりも高く、高融点アルミニウム合金6の融点よりも低い温度に保持する時間は、空隙へのアルミニウム合金の充填状況や理論密度比の変化等に応じて適宜設定すればよいが、10~360分とすることが好ましく、30~120分とすることがより好ましい。
熱間圧延工程で得られる圧延材の空隙に存在する空気と低融点アルミニウム合金4に起因する溶融アルミニウムとを反応させ、酸化物又は窒化物を形成させることで緻密化を促進していることも大きな特徴である。緻密化促進の機構は必ずしも明らかになっていないが、特に、窒素と溶融アルミニウムとの反応による窒化アルミニウムの形成が緻密化に寄与していると考えられる。
なお、窒素は軽元素であり、SEM-EDXやEPMAの測定感度では、最終的に得られるアルミニウム基複合材において検出することは困難である。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それら設計変更は全て本発明の技術的範囲に含まれる。
≪実施例≫
アルミニウム合金の粉末として、平均粒径30μmのAl-13質量%Si粉末と平均粒径10μmの純アルミニウム粉末を用い、強化材として平均粒径30μmのB4C粉末を用いた。Al-13質量%Siの融点は577℃、純アルミニウムの融点は660℃である。また、各粉末の混合比が表1の実施例1~実施例7の値となるようにB4C粉末、Al-13質量%Si粉末及び純アルミニウム粉末を混合し、混合粉を得た(混合工程)。混合の条件は、Vブレンダーを用い3時間保持した。
アルミニウム合金の粉末として、平均粒径30μmのAl-13質量%Si粉末と平均粒径10μmの純アルミニウム粉末を用い、強化材として平均粒径30μmのB4C粉末を用いた。Al-13質量%Siの融点は577℃、純アルミニウムの融点は660℃である。また、各粉末の混合比が表1の実施例1~実施例7の値となるようにB4C粉末、Al-13質量%Si粉末及び純アルミニウム粉末を混合し、混合粉を得た(混合工程)。混合の条件は、Vブレンダーを用い3時間保持した。
次に、得られた各混合粉を金属製ケースに充填し、タッピングを行い、封入体を得た(封入工程)。
次に、流気式加熱炉を用い、得られた各封入体に対して500℃で10時間の予備加熱を行い、板厚64mmから2.5mmまで熱間圧延し、再度、流気式加熱炉を用い450℃で1時間の焼鈍処理を行い、圧延体を得た(熱間圧延工程)。
次に、得られた各圧延体を590℃で60分保持し、本発明の実施例であるアルミニウム基複合材を得た(加熱工程)。
≪比較例≫
各粉末の混合比が表1の比較例1及び比較例2の値となるようにし、加熱工程を施さなかったこと以外は実施例と同様にして、アルミニウム基複合材を得た。
各粉末の混合比が表1の比較例1及び比較例2の値となるようにし、加熱工程を施さなかったこと以外は実施例と同様にして、アルミニウム基複合材を得た。
[評価]
(1)理論密度比
アルキメデス法によって密度を測定し、計算から得た理論密度を除算した値を各アルミニウム基複合材の理論密度比として求めた。また、実施例4~実施例7については、加熱工程前における圧延体の理論密度比も測定し、加熱工程による緻密化の促進について評価した。B4C粉末の含有量が40質量%(実施例1~実施例3及び比較例1)の場合の結果を図2、B4C粉末の含有量が50質量%(実施例4~実施例7及び比較例2)の場合の結果を図3、にそれぞれ示す。
(1)理論密度比
アルキメデス法によって密度を測定し、計算から得た理論密度を除算した値を各アルミニウム基複合材の理論密度比として求めた。また、実施例4~実施例7については、加熱工程前における圧延体の理論密度比も測定し、加熱工程による緻密化の促進について評価した。B4C粉末の含有量が40質量%(実施例1~実施例3及び比較例1)の場合の結果を図2、B4C粉末の含有量が50質量%(実施例4~実施例7及び比較例2)の場合の結果を図3、にそれぞれ示す。
図2において、Al-13質量%Si粉末の添加によって理論密度比が増加しており、添加量が10質量%以上でその効果が顕著であり、10質量%の場合は理論密度比が98%以上となっている。
また、図3においても、10質量%以上のAl-13質量%Si粉末の添加によって顕著な理論密度比の増加が認められる。一方で、加熱工程を施さない場合はAl-13質量%Si粉末の添加量の増加に伴って理論密度比が低下している。当該結果より、適量のAl-13質量%Si粉末を添加し、加熱工程を施すことで、強化材が大量に含まれる場合であっても効果的な理論密度比の増加が可能であることが分かる。
(2)組織観察(光学顕微鏡観察及びSEM-EDS測定)
実施例3における加熱工程前の圧延体の断面の光学顕微鏡写真及を図4に示す。また、当該圧延体断面のSEM-EDS測定結果(Siのマッピング結果)を図5に示す。SEM-EDS測定にはカールツァイス製のULTRAplusを用いた。B4C粒子の周辺及びB4C粒子とB4C粒子の間に空隙が存在し、Si(最も明るい灰色の領域)は偏在することなく、ランダムに分布していることが分かる。
実施例3における加熱工程前の圧延体の断面の光学顕微鏡写真及を図4に示す。また、当該圧延体断面のSEM-EDS測定結果(Siのマッピング結果)を図5に示す。SEM-EDS測定にはカールツァイス製のULTRAplusを用いた。B4C粒子の周辺及びB4C粒子とB4C粒子の間に空隙が存在し、Si(最も明るい灰色の領域)は偏在することなく、ランダムに分布していることが分かる。
実施例3として得られたアルミニウム基複合材の断面におけるSEM-EDS測定結果(Siのマッピング結果)を図6に示す。SiはB4C粒子の周辺及びB4C粒子とB4C粒子の間に集中して分布しており、Si(最も明るい灰色の領域)が空隙に充填されることで密度が上昇していることが確認できる。
(3)空隙中のガス分析
図7に示す測定装置を用いて、実施例3における加工熱処理前の圧延体の空隙に存在する気体の成分を分析した。得られた結果を図8に示す。窒素に起因する明瞭なピークが得られており、空隙内の気体は窒素が主成分であることが分かる。
図7に示す測定装置を用いて、実施例3における加工熱処理前の圧延体の空隙に存在する気体の成分を分析した。得られた結果を図8に示す。窒素に起因する明瞭なピークが得られており、空隙内の気体は窒素が主成分であることが分かる。
(4)アルミニウム基複合材のAlN含有量の評価
実施例3において、加熱工程の後に採取したアルミニウム基複合材をアルカリ分解し、水蒸気蒸留した後に吸光光度法を用いて分析を行ったところ、190μgのNH3が検出された。2Al+N2→2AlN及びAlN+3H2O→Al(OH)3+NH3から、172mg/kgのAlNが生成したことになり、当該結果は、空隙中の窒素と溶融アルミニウムとの反応でAlNが生成することを示している。
実施例3において、加熱工程の後に採取したアルミニウム基複合材をアルカリ分解し、水蒸気蒸留した後に吸光光度法を用いて分析を行ったところ、190μgのNH3が検出された。2Al+N2→2AlN及びAlN+3H2O→Al(OH)3+NH3から、172mg/kgのAlNが生成したことになり、当該結果は、空隙中の窒素と溶融アルミニウムとの反応でAlNが生成することを示している。
2・・・強化材、
4・・・低融点アルミニウム合金、
6・・・高融点アルミニウム合金。
4・・・低融点アルミニウム合金、
6・・・高融点アルミニウム合金。
Claims (10)
- アルミニウム基材に強化材が分散したアルミニウム基複合材であって、
前記強化材の周囲に低融点アルミニウム合金が存在し、
前記低融点アルミニウム合金の周囲に高融点アルミニウム合金又はアルミニウムが存在し、
前記低融点アルミニウム合金の融点が、前記高融点アルミニウム合金又は前記アルミニウムの融点よりも低いこと、
を特徴とするアルミニウム基複合材。 - 前記強化材がセラミックスであること、
を特徴とする請求項1に記載のアルミニウム基複合材。 - 前記低融点アルミニウム合金がAl-Si系合金であること、
を特徴とする請求項1又は2に記載のアルミニウム基複合材。 - 前記Al-Si系合金が共晶組成を有すること、
を特徴とする請求項3に記載のアルミニウム基複合材。 - 前記低融点アルミニウム合金の含有量が5~20質量%であること、
を特徴とする請求項1~4のうちのいずれかに記載のアルミニウム基複合材。 - 前記強化材の含有量が40質量%以上であること、
を特徴とする請求項1~5のうちのいずれかに記載のアルミニウム基複合材。 - 理論密度比が98%以上であること、
を特徴とする請求項1~6のうちのいずれかに記載のアルミニウム基複合材。 - 強化材と、融点の異なる2種以上のアルミニウム合金の粉末と、を混合して混合粉を得るための混合工程と、
前記混合粉をアルミニウム又はアルミニウム合金からなる容器に封入して封入体を得るための封入工程と、
前記封入体を、前記混合粉に含まれる前記アルミニウム合金の融点よりも低い温度で熱間圧延して圧延材を得るための熱間圧延工程と、
前記圧延材を、融点の最も低い前記アルミニウム合金の融点よりも高く、他の前記アルミニウム合金の融点よりも低い温度に保持する加熱工程と、を有すること、
を特徴とするアルミニウム基複合材の製造方法。 - 融点の最も低い前記アルミニウム合金をAl-Si系合金とすること、
を特徴とする請求項8に記載のアルミニウム基複合材の製造方法。 - 前記強化材の含有量を40質量%以上とすること、
を特徴とする請求項8又は9に記載のアルミニウム基複合材の製造方法。
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