JP4457618B2 - ポンプ駆動用モータの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ポンプを駆動するためのモータの回転速度を制御するポンプ駆動用モータの制御装置に関し、特に、同モータへの通電がオフ状態にあるときにおける同モータが発生する電圧と所定の閾値との比較結果に基づいて同通電を同オフ状態からオン状態へと切り換えるとともに同オン状態を所定時間継続した後に同通電を同オン状態からオフ状態へと切り換えるように同通電をオン・オフ制御することで同モータの回転速度を制御するものに関する。
従来より、この種のポンプ駆動用モータの制御装置として、例えば、下記特許文献1に開示された装置が知られている。この装置は、アンチロックブレーキシステムの作動によりリザーバに排出されたブレーキ液を汲み上げて同アンチロックブレーキシステムの液圧回路に供給するための液圧ポンプを駆動するためのモータに適用されるものである。そして、この装置は、原則的に、モータへの通電がオフ状態にあるときにおける同モータがその回転速度に応じて発生する電圧(即ち、発電機としてのモータが誘導起電力により発生する発電電圧(以下、単に「発電電圧」と云うこともある。))が所定の第1の閾値以下となったとき同通電を同オフ状態からオン状態へと切り換え、同オン状態を所定時間継続した後に同通電を同オン状態からオフ状態へと切り換えるように同通電をオン・オフ制御することで同モータの回転速度を制御するようになっている。
特表2002−506406号公報
ところで、アンチロックブレーキシステムの作動によりブレーキ液が排出されてくるリザーバがブレーキ液で満たされるとアンチロックブレーキシステムの液圧回路から同リザーバへ更なるブレーキ液を排出できなくなって同アンチロックブレーキシステムによるブレーキ液圧制御(以下、「ABS制御」と称呼する。)が破綻する。従って、リザーバがブレーキ液で満たされないように上記液圧ポンプで同リザーバからブレーキ液を汲み上げる必要がある。
ここで、液圧ポンプがリザーバからブレーキ液を汲み上げて同ブレーキ液を吐出する流量の時間的平均値(以下、「平均吐出流量」、或いは、単に「吐出流量」と云うこともある。)は、同液圧ポンプを駆動するモータの回転速度の時間的平均値(以下、「平均回転速度」、或いは、単に「回転速度」と云うこともある。)に比例する。
一方、上記システムの液圧回路内のブレーキ液圧(従って、液圧ポンプの吐出圧力、或いは、負荷)は上記液圧ポンプ(従って、モータ)の回転速度を減少せしめる力として働くから、モータの回転速度(特に、モータへの通電がオフ状態にあるときにおける回転速度)は、液圧ポンプの負荷が大きくなるほど低くなり易い。
換言すれば、液圧ポンプの負荷が大きくなるほど同液圧ポンプの吐出流量が低下し、この結果、上記ABS制御の破綻が発生し易くなる。また、液圧ポンプに大きい負荷が発生している場合、モータへの通電をオン状態からオフ状態へと切り換えた直後からモータの回転速度が著しく低下する傾向がある。
以上のことから、上記従来の装置は、モータへの通電をオン状態からオフ状態へと切り換えた時点からの所定の短時間内においてのみ、上記発電電圧と上記第1の閾値との比較を行なう代わりに同第1の閾値よりも小さい所定の第2の閾値と同発電電圧との比較を行い、同発電電圧が同第2の閾値以下となった場合、ポンプに大きい負荷が発生していると判定する。そして、この場合、上記従来の装置は、直ちにモータへの通電をオフ状態からオン状態へと切り換えるとともに同オン状態の継続時間を長めに設定するようになっている。これにより、上記大きい負荷により一時的に低下したモータの回転速度(平均回転速度)が高くなって、前記ABS制御の破綻が回避され得る。
しかしながら、モータへの通電をオン状態からオフ状態へと切り換えた時点からの所定の短時間内において発電電圧が上記第2の閾値以下とならない程度の負荷が液圧ポンプに継続的に発生するような場合であっても、同負荷に起因した同液圧ポンプの平均回転速度の継続的な低下によりリザーバに貯留されるブレーキ液が徐々に増大していき、この結果、上記ABS制御の破綻が発生し得る。このような場合、上記従来の装置では、ABS制御の破綻を回避することができないという問題がある。
従って、本発明の目的は、ポンプを駆動するためのモータの回転速度を制御するポンプ駆動用モータの制御装置において、同ポンプの負荷に起因した同ポンプの吐出流量の低下を簡易、且つ確実に検出し、同吐出流量の増大を図ることが可能なものを提供することにある。
本発明の特徴は、ポンプを駆動するためのモータへの通電がオフ状態にあるときにおける同モータが発生する電圧(即ち、上記発電電圧)と所定の閾値との比較結果に基づいて同通電を同オフ状態からオン状態へと切り換えるとともに同オン状態を所定時間継続した後に同通電を同オン状態からオフ状態へと切り換えるように同通電をオン・オフ制御することで同モータの回転速度を制御する制御手段を備えたポンプ駆動用モータの制御装置が、前記通電がオフ状態にあるときにおける前記モータが発生する電圧(発電電圧)の低下速度を表す電圧低下速度指標値として、前記オフ状態の開始後において低下していく前記電圧が前記所定の閾値より大きく且つ前記オン状態での電圧よりも小さい第1の電圧に達してから前記所定の閾値以上の電圧であって同第1の電圧よりも小さい第2の電圧に達するまでに要する時間を取得する低下速度指標値取得手段と、前記取得された電圧低下速度指標値により表される前記電圧の低下速度の増大に応じて前記モータの平均回転速度に影響を与えるパラメータを前記平均回転速度が増大するように変更する平均回転速度変更手段とを備えたことにある。
ここにおいて、前記制御手段は、前記モータへの通電がオフ状態にあるときにおける同モータが発生する電圧(即ち、上記発電電圧)が前記所定の閾値以下となったとき同通電を同オフ状態からオン状態へと切り換えるように構成されることが好適である。
記モータの平均回転速度に影響を与えるパラメータは、例えば、前記オン状態が継続する所定時間、或いは、前記所定の閾値であって、これらに限定されない。
先に述べたように、ポンプの吐出圧力(即ち、負荷)は同ポンプ(従って、モータ)の回転速度を減少せしめる力として働くから、モータへの通電がオフ状態にあって同モータが慣性に起因して回転している状態にあるときにおける同モータの回転速度の低下速度は、ポンプの負荷が大きくなるほど大きく(速く)なる。従って、モータの回転速度に比例する上記発電電圧の低下速度も、ポンプの負荷が大きくなるほど大きく(速く)なる。
本発明は、係る現象に着目してなされたものである。即ち、前記発電電圧の低下速度の増大に応じて同パラメータの変更によりモータの平均回転速度が増大され得る。この結果、ポンプの負荷の増大に伴う同ポンプの吐出流量の低下に応じて、同吐出流量の増大を簡易、且つ確実に図ることができる。モータの平均回転速度の増大は、例えば、前記パラメータとしての前記オン状態が継続する時間を長くすること、或いは、同パラメータとしての前記所定の閾値を大きくすることにより達成され得る。
この場合、前記平均回転速度変更手段は、前記取得された電圧低下速度指標値により表される前記電圧の低下速度が所定値以上になったとき前記パラメータを変更することで前記モータの平均回転速度を増大させるように構成されてもよい。
上記ポンプ駆動用モータの制御装置においては、前記低下速度指標値取得手段は、前記通電がオフ状態になる毎に前記電圧低下速度指標値を取得するように構成されていて、前記平均回転速度変更手段は、前記低下速度指標値取得手段により連続して取得される複数の前記電圧低下速度指標値により表される前記電圧の低下速度の増大に応じて前記パラメータを前記平均回転速度が増大するように変更するように構成されることが好適である。この場合、前記平均回転速度変更手段は、前記連続して取得された複数の電圧低下速度指標値により表される各電圧の低下速度が総て所定値以上になったとき前記パラメータを変更することで前記モータの平均回転速度を増大させるように構成されてもよい。
これによれば、ポンプに発生している負荷の程度を取得する材料である前記電圧低下速度指標値として、前記連続して取得される複数の値が使用されるから、より一層正確に同ポンプに発生している負荷の程度を取得することができ、この結果、より一層確実に、ポンプの負荷の増大に伴う同ポンプの吐出流量の低下に応じて同吐出流量の増大を図ることができる。
また、上記何れかのポンプ駆動用モータの制御装置においては、前記制御装置が適用される前記モータが駆動するポンプは、少なくともアンチロックブレーキシステムを含む車両のブレーキ液圧制御装置に適用されるとともに同ブレーキ液圧制御装置の作動によりリザーバに排出されたブレーキ液を汲み上げて同ブレーキ液圧制御装置の液圧回路に供給するための液圧ポンプであり、前記制御手段は、少なくとも前記ブレーキ液圧制御装置の作動中において前記モータの回転速度を制御するように構成されることが好適である。ここにおいて、前記制御手段は、前記ブレーキ液圧制御装置の作動開始(ABS制御の開始)と同時に前記モータの回転速度制御を開始するように構成されることが好適である。
これによれば、液圧ポンプの負荷の増大に伴う同液圧ポンプの吐出流量の低下に起因する先に述べたABS制御の破綻の発生を確実に回避することができる。また、上記平均回転速度変更手段が、前記低下速度指標値取得手段により連続して取得される複数の前記電圧低下速度指標値に基づいて前記パラメータを変更するように構成されている場合、特に、先に述べた、「液圧ポンプの負荷の継続的な増大に伴う同液圧ポンプの平均吐出流量の継続的な低下に起因するABS制御の破綻の発生」を確実に回避し得る。
以下、本発明によるポンプ駆動用モータの制御装置の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るポンプ駆動用モータの制御装置を含む車両の制御装置10を搭載した車両の概略構成を示している。この車両は、非駆動輪(従動輪)である前2輪(左前輪FL及び右前輪FR)と、駆動輪である後2輪(左後輪RL及び右後輪RR)を備えた後輪駆動(FR)方式の4輪車両である。
この車両の制御装置10は、各車輪にブレーキ液圧によるブレーキ力を発生させるためのブレーキ液圧制御装置30とを含んで構成されている。
ブレーキ液圧制御装置30は、その概略構成を表す図2に示すように、ブレーキペダルBPの操作力に応じたブレーキ液圧を発生するブレーキ液圧発生部32と、各車輪FR,FL,RR,RLにそれぞれ配置されたホイールシリンダWfr,Wfl,Wrr,Wrlに供給するブレーキ液圧をそれぞれ調整可能なFRブレーキ液圧調整部33,FLブレーキ液圧調整部34,RRブレーキ液圧調整部35,RLブレーキ液圧調整部36と、還流ブレーキ液供給部37とを含んで構成されている。
ブレーキ液圧発生部32は、ブレーキペダルBPの作動により応動するバキュームブースタVBと、同バキュームブースタVBに連結されたマスタシリンダMCとから構成されている。バキュームブースタVBは、エンジン21の吸気管21a内の空気圧力(負圧)を利用してブレーキペダルBPの操作力を所定の割合で助勢し同助勢された操作力をマスタシリンダMCに伝達するようになっている。
マスタシリンダMCは、第1ポート、及び第2ポートからなる2系統の出力ポートを有していて、リザーバRSからのブレーキ液の供給を受けて、前記助勢された操作力に応じた第1マスタシリンダ液圧を第1ポートから発生するようになっているとともに、同第1マスタシリンダ液圧と略同一の液圧である前記助勢された操作力に応じた第2マスタシリンダ液圧を第2ポートから発生するようになっている。これらマスタシリンダMC及びバキュームブースタVBの構成及び作動は周知であるので、ここではそれらの詳細な説明を省略する。このようにして、マスタシリンダMC及びバキュームブースタVBは、ブレーキペダルBPの操作力に応じた第1マスタシリンダ液圧及び第2マスタシリンダ液圧をそれぞれ発生するようになっている。
マスタシリンダMCの第1ポートは、FRブレーキ液圧調整部33の上流側及びFLブレーキ液圧調整部34の上流側の各々と接続されている。同様に、マスタシリンダMCの第2ポートは、RRブレーキ液圧調整部35の上流側及びRLブレーキ液圧調整部36の上流側の各々と接続されている。これにより、FRブレーキ液圧調整部33の上流部及びFLブレーキ液圧調整部34の上流部の各々には、第1マスタシリンダ液圧が供給されるとともに、RRブレーキ液圧調整部35の上流部及びRLブレーキ液圧調整部36の上流部の各々には、第2マスタシリンダ液圧が供給されるようになっている。
FRブレーキ液圧調整部33は、2ポート2位置切換型の常開電磁開閉弁である増圧弁PUfrと、2ポート2位置切換型の常閉電磁開閉弁である減圧弁PDfr
とから構成されており、増圧弁PUfrは、図2に示す第1の位置(非励磁状態における位置)にあるときFRブレーキ液圧調整部33の上流部とホイールシリンダWfrとを連通するとともに、第2の位置(励磁状態における位置)にあるときFRブレーキ液圧調整部33の上流部とホイールシリンダWfrとの連通を遮断するようになっている。減圧弁PDfrは、図2に示す第1の位置(非励磁状態における位置)にあるときホイールシリンダWfrとリザーバRSfとの連通を遮断するとともに、第2の位置(励磁状態における位置)にあるときホイールシリンダWfrとリザーバRSfとを連通するようになっている。
これにより、ホイールシリンダWfr内のブレーキ液圧は、増圧弁PUfr及び減圧弁PDfrが共に第1の位置にあるときホイールシリンダWfr内にFRブレーキ液圧調整部33の上流部の液圧が供給されることにより増圧され、増圧弁PUfrが第2の位置にあり且つ減圧弁PDfrが第1の位置にあるときFRブレーキ液圧調整部33の上流部の液圧に拘わらずその時点の液圧に保持されるとともに、増圧弁PUfr及び減圧弁PDfrが共に第2の位置にあるときホイールシリンダWfr内のブレーキ液がリザーバRSfに還流されることにより減圧されるようになっている。
また、増圧弁PUfrにはブレーキ液のホイールシリンダWfr側からFRブレーキ液圧調整部33の上流部への一方向の流れのみを許容するチェック弁CV1が並列に配設されており、これにより、操作されているブレーキペダルBPが開放されたときホイールシリンダWfr内のブレーキ液圧が迅速に減圧されるようになっている。
同様に、FLブレーキ液圧調整部34,RRブレーキ液圧調整部35及びRLブレーキ液圧調整部36は、それぞれ、増圧弁PUfl及び減圧弁PDfl,増圧弁PUrr及び減圧弁PDrr,増圧弁PUrl及び減圧弁PDrlから構成されており、これらの各増圧弁及び各減圧弁の位置が制御されることにより、ホイールシリンダWfl,ホイールシリンダWrr及びホイールシリンダWrl内のブレーキ液圧をそれぞれ増圧、保持、減圧できるようになっている。また、増圧弁PUfl,PUrr及びPUrlの各々にも、上記チェック弁CV1と同様の機能を達成し得るチェック弁CV2,CV3及びCV4がそれぞれ並列に配設されている。
還流ブレーキ液供給部37は、直流モータMTと、同モータMTにより同時に駆動される2つの液圧ポンプHPf,HPrを含んでいる。液圧ポンプHPfは、減圧弁PDfr,PDflから還流されてきたリザーバRSf内のブレーキ液をチェック弁CV7を介して汲み上げ、同汲み上げたブレーキ液をチェック弁CV8,CV9を介してFRブレーキ液圧調整部33及びFLブレーキ液圧調整部34の上流部に供給するようになっている。
同様に、液圧ポンプHPrは、減圧弁PDrr,PDrlから還流されてきたリザーバRSr内のブレーキ液をチェック弁CV10を介して汲み上げ、同汲み上げたブレーキ液をチェック弁CV11,CV12を介してRRブレーキ液圧調整部35及びRLブレーキ液圧調整部36の上流部に供給するようになっている。なお、液圧ポンプHPf,HPrの吐出圧の脈動を低減するため、チェック弁CV8及びCV9の間の液圧回路、及びチェック弁CV11及びCV12の間の液圧回路には、それぞれ、ダンパDMf,DMrが配設されている。また、液圧ポンプHPf,HPrの各吐出流量は各回転速度に比例するようになっている。
以上、説明した構成により、ブレーキ液圧制御装置30は、全ての電磁弁が第1の位置にあるときブレーキペダルBPの操作力に応じたブレーキ液圧を各ホイールシリンダに供給できるようになっている。また、この状態において、例えば、増圧弁PUrr及び減圧弁PDrrをそれぞれ制御することにより、ホイールシリンダWrr内のブレーキ液圧のみを所定量だけ減圧することができるようになっている。即ち、ブレーキ液圧制御装置30は、各車輪のホイールシリンダ内のブレーキ液圧をそれぞれ独立してブレーキペダルBPの操作力に応じたブレーキ液圧から減圧できるようになっている。
再び、図1を参照すると、この車両の制御装置10は、対応する車輪が所定角度回転する毎にパルスを有する信号を出力する車輪速度センサ41FL,41FR,41RL,41RR(図1を参照。)と、電気式制御装置50を備えている。
電気式制御装置50は、互いにバスで接続された、CPU51、CPU51が実行するルーチン(プログラム)、テーブル(ルックアップテーブル、マップ)、定数等を予め記憶したROM52、CPU51が必要に応じてデータを一時的に格納するRAM53、電源が投入された状態でデータを格納するとともに同格納したデータを電源が遮断されている間も保持するバックアップRAM54、及びADコンバータを含むインターフェース55等からなるマイクロコンピュータである。
インターフェース55は、前記各車輪速度センサ41と接続され、CPU51に各車輪速度センサ41からの信号を供給するとともに、同CPU51の指示に応じてブレーキ液圧制御装置30の各電磁弁、及びモータMT、及び後述するパワートランジスタTrに駆動信号を送出するようになっている。
以上の構成により、ブレーキ液圧制御装置30(CPU51)は、運転者によるブレーキペダルBPの操作により特定の車輪がロック傾向にあるとき、同特定の車輪のブレーキ液圧を同ブレーキペダルBPの操作力に応じた液圧から適宜減少させる制御である前述のABS制御を実行するようになっている。ABS制御の詳細については周知であるので、ここではその詳細な説明を省略する。
(モータMTの回転速度制御の概要)
次に、上記車両の制御装置10に含まれる本発明の第1実施形態に係るポンプ駆動用モータの制御装置(以下、「本装置」と云うこともある。)による回転速度制御の概要について説明する。本装置は、前記モータMTに適用されるものであって、所定のポンプ(液圧ポンプHPf,HPr)駆動制御条件が成立している間、電気式制御装置50に内蔵された図3に示すスイッチング素子としてのパワートランジスタTrを利用してモータMTの回転速度を制御するようになっている。
より具体的に述べると、図3に示したように、パワートランジスタTrは、そのコレクタ端子が車両の電源(電圧Vcc(本例では12(V)))に接続されるとともに、そのエミッタ端子がモータMTの一方の端子に接続されている。モータMTの他方の端子はアースされている(電圧GND)。また、パワートランジスタTrのベース端子には、本装置(CPU51)の指示により生成されるモータ制御信号Vcontが印加されるようになっている。
このモータ制御信号Vcontは、図3に示したように、HighレベルとLowレベルの何れかとなるように生成され、パワートランジスタTrは、モータ制御信号VcontがHighレベルとなっているときオン状態となる一方、モータ制御信号VcontがLowレベルとなっているときオフ状態となるようになっている。換言すれば、モータMTは、モータ制御信号VcontがHighレベルとなっているとき電圧Vccが印加されて液圧ポンプHPf,HPrを駆動する状態(モータMTへの通電がオン状態)となり、モータ制御信号VcontがLowレベルとなっているとき電圧Vccが印加されない状態(モータMTへの通電がオフ状態)となる。
この結果、モータMTの2つの端子間電圧であるモータ端子間電圧VMT(図3を参照。)は、モータ制御信号VcontがHighレベルとなっているとき電圧Vcc一定になる。一方、モータ制御信号VcontがLowレベルとなっているとき、モータ端子間電圧VMTはモータMTが発生する電圧となる。このモータMTが発生する電圧は、発電機としてのモータMTが誘導起電力により発生する上記発電電圧であって、慣性に起因して回転する同モータMTの回転速度の減少に応じて小さくなり、同回転速度が「0」のとき「0」となる。
そして、図4に示すように、本装置は、モータ制御信号VcontがLowレベルとなっているとき(従って、モータMTへの通電がオフ状態にあるとき)におけるモータ端子間電圧VMT(従って、前記発電電圧)が前記所定の閾値としての電圧閾値VMTTH(本例では一定値)以下となったとき、モータ制御信号VcontをLowレベルからHighレベルに切り換え(従って、同通電を同オフ状態からオン状態へと切り換え)、同切換後の(後述のように設定される)Highレベル維持時間Thighに渡って同モータ制御信号VcontをHighレベルに維持して(従って、同切換後の所定時間に渡って同通電をオン状態に維持して)液圧ポンプHPf,HPrを駆動した後にモータ制御信号VcontをHighレベルからLowレベルに切り換えて(従って、同通電を同オン状態からオフ状態へと切り換えて)同液圧ポンプHPf,HPrの駆動を中止する。
そして、本装置は、この状態(モータ制御信号VcontがLowレベルとなっているとき)にて、慣性に起因して回転する同モータMTの回転速度の減少に応じてモータ端子間電圧VMT(従って、前記発電電圧)が前記電圧閾値VMTTH以下となったとき、再びモータ制御信号VcontをLowレベルからHighレベルに切り換える。本装置は、ABS制御の開始と同時にこのような作動を開始し(従って、ABS制御等の開始と同時に前記所定のポンプ駆動制御条件が成立開始する。)、前記所定のポンプ駆動制御条件が成立している限りにおいて同作動を繰り返すことで、モータMTへの通電をオン・オフ制御して同モータMTの回転速度を制御する。このように、モータMTの回転速度を制御する手段が制御手段に相当する。
<Highレベル維持時間の設定>
先に述べたように、液圧ポンプHPf,HPrの回転速度、特に、モータMTへの通電がオフ状態にあって同モータMTが慣性に起因して回転する場合の回転速度は、同液圧ポンプHPf,HPrの負荷(具体的には、前輪側のブレーキ液圧調整部33,34の上流部のブレーキ液圧、及び、後輪側のブレーキ液圧調整部35,36の上流部のブレーキ液圧)が大きくなるほど低くなり易い。
従って、液圧ポンプHPf,HPrの負荷が大きくなるほど、且つ、同負荷が大きい状態の継続時間が長くなるほど、同液圧ポンプHPf,HPrの平均吐出流量が低下し易くなって、リザーバRSf,RSrがブレーキ液で満たされることによる上記ABS制御の破綻が発生し易くなる。このため、ABS制御中においては、液圧ポンプHPf,HPrの負荷の程度(具体的には、負荷の大きさ、及び負荷の継続時間)を監視するとともに、同負荷の低下の程度に応じてモータMT(従って、液圧ポンプHPf,HPr)の平均回転速度を増大させる必要がある。
ここで、液圧ポンプHPf,HPrの負荷は、同液圧ポンプHPf,HPr(従って、モータMT)の回転速度を減少せしめる力(トルク)として働くから、モータMTへの通電がオフ状態にあって同モータMTが慣性に起因して回転している状態にあるときにおける同モータMTの回転速度の低下速度は、液圧ポンプHPf,HPrの負荷が大きくなるほど大きく(速く)なる。換言すれば、モータMTの回転速度に比例する上記発電電圧VMTの低下速度も、液圧ポンプHPf,HPrの負荷が大きくなるほど大きく(速く)なる。
また、上記発電電圧VMTの低下速度は、図4に示したように、時間の経過に従って減少していく上記発電電圧VMTが電圧閾値VMTTHよりも所定量αだけ大きい電圧(第1の電圧)(VMTTH+α)に達してから、同電圧閾値VMTTH(第2の電圧)に達する(即ち、モータMTへの通電がオフ状態からオン状態に変化する)までに要する時間T(電圧低下速度指標値)を計測することにより取得することができる。更には、モータMT(従って、液圧ポンプHPf,HPr)の平均回転速度を増大させるためには、前記Highレベル維持時間Thighを長くすればよい。
以上のことから、本装置は、上記所定のポンプ駆動制御条件が成立している限りにおいて、モータMTへの通電がオフ状態からオン状態に変化する毎に上記時間Tを計測する。そして、本装置は、モータMTへの通電がオフ状態からオン状態に変化する毎に、通常、前記Highレベル維持時間Thighを所定の基本時間Tbaseに設定するとともに、上記時間Tが所定の基準時間Tth以下となる状態が所定の判定基準回数Nth(本例では、3回)以上継続している場合に限り、液圧ポンプHPf,HPrの負荷の程度が大きいと判定して、次回のHighレベル維持時間Thighを前記基本時間Tbaseに追加時間Taddを加えた時間(Tbase+Tadd)に設定する。
ここで、追加時間Taddは、計測された時間Tの最新値が短いほど長い時間に設定される。これは、時間Tが短いほど(従って、発電電圧VMTの低下速度が大きいほど)液圧ポンプHPf,HPrの負荷が大きくて上記ABS制御の破綻が生じ易いから、よりモータMTの平均回転速度を増大させる必要があることに基づく。
図5は、運転者のブレーキペダルBPの操作により特定の車輪がロックし、時刻t1においてABS制御が開始された場合(従って、時刻t1以降において前記所定のポンプ駆動制御条件が成立した場合)における、前記モータ端子間電圧VMT、前記モータ制御信号Vcontの変化の一例を示したタイムチャートである。このタイムチャートにおいては、図4の時間Tに相当する時間T3,T5,T7,T9のうち、時間T3,T5,T7が上記基準時間Tth以下となっていて、時間T9が同基準時間Tthより長くなっている場合の例を示している。
図5に示したように、時刻t1以前においては、モータ制御信号VcontがLowレベルに維持されている((b)を参照。)とともに液圧ポンプHPf,HPrが停止していてモータ端子間電圧VMTは0(V)になっている((a)を参照。)。この状態にて時刻t1になると、本装置は、モータ端子間電圧VMT(=0(V))が電圧閾値VMTTH以下となっているから、時刻t1にてモータ制御信号VcontをLowレベルからHighレベルに切り換えるとともに、時刻t1からHighレベル維持時間Thighの初期値(通常値。即ち、前記基本時間Tbase)が経過するまで(時刻t1〜t2において)同モータ制御信号VcontをHighレベルに維持する。これにより、時刻t1〜t2において、モータ端子間電圧VMTが電圧Vcc一定に維持されるとともに、モータMT(従って、液圧ポンプHPf,HPr)が駆動される。
時刻t2になると、本装置は、モータ制御信号VcontをHighレベルからLowレベルに切り換えてモータMT(従って、液圧ポンプHPf,HPr)の駆動を中止する。この結果、時刻t2以降、液圧ポンプHPf,HPrの吐出側に残存しているブレーキ液圧等に基づいてモータMTに作用する同モータMTの回転速度を減少せしめる力(トルク)の影響により、モータMTの回転速度は徐々に減少するとともにモータ端子間電圧VMT(従って、前記発電電圧VMT)も徐々に低下する。そして、本装置は、発電電圧VMTが電圧閾値VMTTH以下となる時刻t3において同発電電圧VMTの低下速度を表す時間T3を取得するとともに、モータ制御信号VcontをLowレベルからHighレベルに切り換える。
本装置は、かかる時刻t1〜t3の作動と同様の作動を更に2回繰り返す(時刻t3〜t5、及び時刻t5〜t7を参照)。即ち、本装置は、Highレベル維持時間Thighを前記基本時間Tbaseに設定して時刻t3〜t4、及び時刻t5〜t6においてモータ制御信号VcontをHighレベルに維持するとともに、発電電圧VMTが電圧閾値VMTTH以下となる時刻t5,t7において、同発電電圧VMTの低下速度を表す時間T5,T7を順次取得するとともにモータ制御信号VcontをLowレベルからHighレベルに切り換える。
ここで、時刻t7になると、上記の仮定により、上記時間T3,T5,T7が総て上記基準時間Tth以下となっていて、上記時間Tが所定の基準時間Tth以下となる状態が所定の判定基準回数Nth(本例では、3回)以上継続していることになる。従って、本装置は、時刻t7において、液圧ポンプHPf,HPrの負荷の程度が大きいと判定して、次回のHighレベル維持時間Thighを前記基本時間Tbaseに追加時間Taddを加えた時間(Tbase+Tadd)に設定する(時刻t7〜t8)。この追加時間Taddは、計測された時間Tの最新値である時間T7に応じて設定される。これにより、Highレベル維持時間Thighが長くなってモータMTの平均回転速度が増大せしめられる。
次に発電電圧VMTが電圧閾値VMTTH以下となる時刻t9になると、本装置は、同発電電圧VMTの低下速度を表す時間T9を取得する。ここで、上記の仮定により、上記時間T9が上記基準時間Tthよりも長くなっているから、本装置は、液圧ポンプHPf,HPrの負荷の程度が大きい状態が解消したと判定して、再び、次回のHighレベル維持時間Thighを前記基本時間Tbaseに設定する(時刻t9〜t10)。
このように、本装置は、通常、Highレベル維持時間Thighを基本時間Tbaseに設定するとともに、連続して取得された複数の(本例では、3つの)前記時間T(図4を参照)により表される各発電電圧VMTの低下速度が総て所定値以上になった場合に限り、次の同Highレベル維持時間Thighを同基本時間Tbaseに追加時間Taddを加えた時間(Tbase+Tadd)に設定する。以上がモータMTの回転速度制御の概要である。
(実際の作動)
次に、以上のように構成された本発明の第1実施形態に係るポンプ駆動用モータの制御装置を含んだ車両の制御装置10の実際の作動について、電気式制御装置50のCPU51が実行するルーチンをフローチャートにより示した図6〜図9を参照しながら説明する。なお、各種変数等の末尾に付された「**」は、同各種変数等が各車輪FR等のいずれに関するものであるかを示すために同各種変数等の末尾に付される「fl」,「fr」等の包括表記であって、例えば、車輪速度Vw**は、左前輪車輪速度Vwfl,
右前輪車輪速度Vwfr, 左後輪車輪速度Vwrl, 右後輪車輪速度Vwrrを包括的に示している。
CPU51は、図6に示した車輪速度Vw等の計算を行うルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行している。従って、所定のタイミングになると、CPU51はステップ600から処理を開始し、ステップ605に進んで車輪**の車輪速度(車輪**の外周の速度)Vw**をそれぞれ算出する。具体的には、CPU51は車輪速度センサ41**が出力する信号が有するパルスの時間間隔に基づいて車輪速度Vw**をそれぞれ算出する。
次いで、CPU51はステップ610に進み、前記車輪速度Vw**のうちの最大値を推定車体速度Vsoとして算出する。なお、車輪速度Vw**の平均値を推定車体速度Vsoとして算出してもよい。次に、CPU51はステップ615に進み、ステップ610にて算出した推定車体速度Vsoの値と、ステップ605にて算出した車輪速度Vw**の値と、ステップ615内に記載した式とに基づいて車輪**の実際のスリップ率Sa**をそれぞれ算出する。
次いで、CPU51はステップ620に進み、下記(1)式に従って前記車輪速度**の時間微分値としての車輪**の車輪加速度DVw**をそれぞれ算出した後、ステップ695に進んで本ルーチンを一旦終了する。以降も、CPU51は本ルーチンを繰り返し実行する。下記(1)式において、Vw1**は前回の本ルーチン実行時におけるステップ605にて算出された車輪速度Vw**であり、Δtは前記所定時間(CPU51の演算周期)である。
DVw**=(Vw**-Vw1**)/Δt ・・・(1)
次に、ASB制御の開始・終了判定を行う際の作動について説明する。CPU51は図7に示したルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行している。従って、所定のタイミングになると、CPU51はステップ700から処理を開始し、ステップ705に進んで、ABS制御実行中フラグABSの値が「0」となっているか否かを判定する。ここで、ABS制御実行中フラグABSは、その値が「1」のとき前述のABS制御が実行中であることを示し、その値が「0」のとき同ABS制御が停止中であることを示す。
いま、ABS制御が停止中であって、且つ、後述するABS制御開始条件が成立していないものとして説明を続けると、ABS制御実行中フラグABSの値が「0」になっているから、CPU51はステップ705にて「Yes」と判定してステップ710に進み、ABS制御開始条件が成立しているか否かを判定する。ABS制御開始条件は、例えば、先のステップ620にて算出されている(少なくとも一つの)特定の車輪の最新の車輪加速度DVwの絶対値(車輪減速度|DVw|)が所定の減速度基準値DVwref(正の値)よりも大きく、且つ、先のステップ615にて算出されている同特定の車輪の最新の実際のスリップ率Saが所定のスリップ率基準値Sref(正の値)よりも大きいときに成立する。
現段階では、前述のごとくABS制御開始条件が成立していないから、CPU51はステップ710にて「No」と判定し、ステップ795に直ちに進んで本ルーチンを一旦終了する。以降、CPU51は、ABS制御開始条件が成立するまでの間、ステップ700〜710、795の処理を前記所定時間の経過毎に繰り返し実行する。
次に、この状態からABS制御開始条件が成立したものとして説明を続けると、CPU51はステップ710に進んだとき「Yes」と判定してステップ715に進み、前記特定の車輪に対応する車輪**に対してABS制御を開始し、続くステップ720にてABS制御実行中フラグABSの値を「1」に設定した後、ステップ795に進んで本ルーチンを一旦終了する。
この結果、ABS制御実行中フラグABSの値が「1」になっているから、CPU51はステップ705に進んだとき「No」と判定してステップ725に進むようになり、同ステップ725にて所定のABS制御終了条件が成立しているか否かを判定する。現段階では、ABS制御が開始された直後であるからABS制御終了条件は成立していない。従って、CPU51はステップ725にて「No」と判定してステップ795に直ちに進んで本ルーチンを一旦終了する。
以降、CPU51は、ABS制御終了条件が成立するまでの間、ステップ700、705、725、795の処理を前記所定時間の経過毎に繰り返し実行する。換言すれば、ABS制御実行中において、ABS制御実行中フラグABSの値が「1」に維持される。
一方、この状態からABS制御終了条件が成立したものとして説明を続けると、CPU51はステップ725に進んだとき「Yes」と判定してステップ730に進み、全ての車輪**に対するABS制御を終了し、続くステップ735にてABS制御実行中フラグABSの値を「0」に設定した後、ステップ795に進んで本ルーチンを一旦終了する。
この結果、ABS制御実行中フラグABSの値が「0」になっているから、CPU51はステップ705に進んだとき「Yes」と判定してステップ710に進み、前記ABS制御開始条件が成立しているか否かを再びモニタするようになる。そして、ABS制御開始条件が再び成立するまでの間、CPU51はステップ700〜710、795の処理を再び繰り返す。換言すれば、ABS制御停止中においては、ABS制御実行中フラグABSの値が「0」に維持される。
次に、モータ制御信号Vcontを生成する際の作動について説明する。CPU51は図8に示したルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行している。従って、所定のタイミングになると、CPU51はステップ800から処理を開始し、ステップ805に進んで、ポンプ駆動制御条件が成立しているか否かを判定する。
このポンプ駆動制御条件は、例えば、ABS制御が開始された時点以降、同ABS制御が終了されてから所定の時間が経過した時点までの間に渡って成立する。換言すれば、ABS制御実行中フラグABSの値が「0」から「1」に変化した時点以降、ABS制御実行中フラグABSの値が「1」から「0」に変化してから前記所定の時間が経過した時点までの間に渡って成立する。
いま、ポンプ駆動制御条件が成立していて、且つ、モータ制御信号VcontがLowレベルに設定されていて、且つ、前記モータ端子間電圧VMTが前記電圧閾値VMTTH(一定値)以下となっているもの(例えば、図5において、時刻t1を参照。)として説明を続けると、CPU51はステップ805にて「Yes」と判定してステップ810に進み、ハイレベルフラグHIGHの値が「0」であるか否かを判定する。ここで、ハイレベルフラグHIGHは、その値が「1」のときモータ制御信号VcontがHighレベルに設定されていることを示し、その値が「0」のときモータ制御信号VcontがLowレベルに設定されていることを示す。
現段階では、モータ制御信号VcontがLowレベルに設定されているから、CPU51はステップ810にて「Yes」と判定してステップ815に進み、モータ端子間電圧VMTが前記電圧閾値VMTTH以下となっているか否かを判定し、VMTがVMTTH以下となっていることから同ステップ815でも「Yes」と判定してステップ820に進む。CPU51はステップ820に進むと、ハイレベルフラグHIGHの値を「1」に設定し、続くステップ825にてカウンタ値Nhighの値を「0」にクリアする。ここで、カウンタ値Nhighは、ハイレベルフラグHIGHの値が「0」から「1」に変化した時点(即ち、モータ制御信号VcontがLowレベルからHighレベルへと変化した時点)からの経過時間を表す。
次に、CPU51はステップ830に進んで、ハイレベルフラグHIGHの値が「1」になっているか否かを判定する。現段階では先のステップ820の処理によりハイレベルフラグHIGHの値が「1」になっている。従って、CPU51はステップ830にて「Yes」と判定してステップ835に進み、モータ制御信号VcontをHighレベルに設定してパワートランジスタTrのベース端子(図3を参照。)に供給する。これにより、モータMT(従って、液圧ポンプHPf,HPr)が駆動開始される。
以降、ハイレベルフラグHIGHの値が「1」になっているから、ポンプ駆動制御条件が成立している限りにおいて、CPU51はステップ805にて「Yes」と判定した後ステップ810にて「No」と判定してステップ840に進むようになり、同ステップ840にてその時点でのカウンタ値Nhigh(現段階では「0」である。)を「1」だけ増大した値を新たなカウンタ値Nhighとして設定する。
次に、CPU51は、ステップ845に進み、カウンタ値Nhighが先のHighレベル維持時間Thighに相当する後述のルーチンにて設定されている最新のHighレベル維持基準値Nhighref以上になっているか否か(従って、モータ制御信号VcontがLowレベルからHighレベルへと変化した時点から同Highレベル維持時間Thighが経過したか否か)を判定する。
現段階は、モータ制御信号VcontがLowレベルからHighレベルへと変化した直後であるから、CPU51はステップ845にて「No」と判定してステップ830に直ちに進み、ハイレベルフラグHIGHの値が「1」になっていることから同ステップ830にて「Yes」と判定して前述のステップ835の処理を再び行う。以降、ステップ840の繰り返し実行によりカウンタ値NhighがHighレベル維持基準値Nhighrefに到達するまでの間(従って、前記Highレベル維持時間Thighが経過するまでの間)、CPU51はステップ800〜810、840、845、830、835の処理を前記所定時間の経過毎に繰り返し実行する。これにより、Highレベルに設定されたモータ制御信号VcontがパワートランジスタTrに供給され続け(例えば、図5において、時刻t1〜t2を参照。)、この結果、モータMT(従って、液圧ポンプHPf,HPr)が駆動され続ける。
この状態から前記所定時間Thighが経過したもの(例えば、図5において、時刻t2を参照。)とすると、CPU51はステップ845に進んだとき「Yes」と判定してステップ850に進むようになり、同ステップ850にてハイレベルフラグHIGHの値を「0」に設定してからステップ830に進む。
この結果、CPU51はステップ830にて「No」と判定してステップ855に進み、モータ制御信号VcontをLowレベルに設定してパワートランジスタTrのベース端子に供給する。これにより、モータMT(従って、液圧ポンプHPf,HPr)の駆動が終了する。以降、ハイレベルフラグHIGHの値が「0」になっているから、ポンプ駆動制御条件が成立している限りにおいて、CPU51はステップ805、810にて「Yes」と判定した後、ステップ815にてモータ端子間電圧VMTが前記電圧閾値VMTTH以下となっているか否かを再びモニタするようになる。
そして、モータMTの回転速度が時間の経過に従って減少していき、これに伴いモータ端子間電圧VMTが前記最新の電圧閾値VMTTH以下となると(例えば、図5において、時刻t3を参照。)、CPU51はステップ815にて再び「Yes」と判定してステップ820〜835の処理を実行することで、Highレベルのモータ制御信号Vcontを再びパワートランジスタTrのベース端子に供給する。これにより、モータMT(従って、液圧ポンプHPf,HPr)が再び駆動開始される。
CPU51はこのような処理を前記所定時間の経過毎に繰り返し実行していく。そして、前記ポンプ駆動制御条件が成立しなくなると(例えば、前記ABS制御が終了されてから前記所定の時間が経過すると)、CPU51はステップ805に進んだとき「No」と判定してステップ860に進むようになり、同ステップ860にてハイレベルフラグHIGHの値を「0」に設定し、その後、ステップ830、855の処理を実行することでLowレベルのモータ制御信号VcontをパワートランジスタTrのベース端子に供給する。
以降、再び前記ポンプ駆動制御条件が成立するまで(例えば、再びABS制御が開始されるまで)の間、CPU51はステップ800、805、860、830、855の処理を繰り返し実行し、この結果、モータ制御信号VcontがLowレベルに維持されて、モータMT(従って、液圧ポンプHPf,HPr)の駆動が停止状態に維持される。
次に、Highレベル維持時間(具体的には、上記図8のステップ845にて使用されるHighレベル維持基準値Nhighref)を設定する際の作動について説明する。CPU51は図9に示したルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行している。従って、所定のタイミングになると、CPU51はステップ900から処理を開始し、ステップ905に進んで、前述のポンプ駆動制御条件(同制御条件成立直後(例えば、図5における時刻t1を参照。)を除く)が成立しているか否かを判定し、「No」と判定するときはステップ910に進んでカウンタ値Ngradを「0」にクリアするとともに、続くステップ915にてHighレベル維持基準値Nhighrefを前記基本時間Tbaseに相当する基本値Nbaseに設定した後、ステップ995に進んで本ルーチンを一旦終了する。ここで、カウンタ値Ngradは、上記時間T(図4を参照)が前記基準時間Tth以下となる条件が連続して成立している回数を表す。
いま、ポンプ駆動制御条件が成立していて、且つ、ハイレベルフラグHIGHの値が「1」から「0」に変更された直後である(例えば、図5において、時刻t2,t4等を参照)ものとして説明を続けると、CPU51はステップ905に進んだとき「Yes」と判定してステップ920に進み、ハイレベルフラグHIGHの値が「0」であるか否かを判定するとともに、「Yes」と判定する場合、続くステップ925にて同ハイレベルフラグHIGHの値が「1」から「0」に変化したか否かを判定する。
現時点は、ハイレベルフラグHIGHの値が「1」から「0」に変更された直後であるから、CPU51はステップ920、925にて共に「Yes」と判定してステップ930に進んで、カウンタ値Gを「0」にクリアする。ここで、カウンタ値Gは、上記時間T(図4を参照)を計測するためのカウンタである。
次いで、CPU51はステップ935に進み、モータ端子間電圧(即ち、発電電圧)VMTが電圧閾値VMTTHに前記所定量αを加えた値(VMTTH+α)よりも小さいか否かを判定する。現時点は、モータ制御信号VcontがHighレベルからLowレベルに切り換えられた直後であるから、発電電圧VMTは値(VMTTH+α)よりも大きい。従って、CPU51はステップ935にて「No」と判定してステップ995に直ちに進んで本ルーチンを一旦終了する。
以降、CPU51は、時間の経過に伴って減少していく発電電圧VMTが値(VMTTH+α)よりも小さくなるまでの間、ステップ900、905、920、925、935、995の処理を繰り返し実行する。そして、発電電圧VMTが値(VMTTH+α)よりも小さくなると、CPU51はステップ935に進んだとき「Yes」と判定してステップ940に進むようになり、同ステップ940にてカウンタ値G(現時点では「0」)をインクリメントした後、ステップ995に進んで本ルーチンを一旦終了する。
以降、ハイレベルフラグHIGHの値が「0」に維持されている限りにおいて(従って、発電電圧VMTが電圧閾値VMTTHに到達するまでの間)、CPU51はステップ900、905、920、925、935、940、995の処理を繰り返し実行する。これにより、時間の経過に伴ってステップ940の繰り返し実行によりカウンタ値Gが「1」ずつ増大されていく。
そして、ハイレベルフラグHIGHの値が「0」から「1」に変更されると(従って、発電電圧VMTが電圧閾値VMTTHに到達すると(例えば、図5において、時刻t3、t5等を参照))、CPU51はステップ920に進んだとき「No」と判定してステップ945に進むようになり、同ステップ945にて「Yes」と判定してステップ950に進んで、現時点において上記時間T(図4を参照)を表す値となっているカウンタ値Gが上記基準時間Tthに相当する基準値Gth以下となっているか否か(従って、上記時間Tが基準時間Tth以下となっているか否か)を判定する。
CPU51はステップ950の判定において、「No」と判定する場合、先のステップ910、915の処理を実行する。これにより、カウンタ値Ngradが「0」にクリアされる。また、図8のステップ845の判定において使用されるHighレベル維持基準値Nhighrefが前記基本時間Tbaseに相当する基本値Nbaseに設定され、この結果、図8のルーチンの実行によりHighレベル維持時間Thighが同基本時間Tbaseに設定される(例えば、図5において、時刻t9を参照)。
一方、CPU51はステップ950において、「Yes」と判定する場合、CPU51はステップ955に進み、カウンタ値Ngradをインクリメントするとともに、続くステップ960にて同カウンタ値Ngradが前記判定基準回数Nth以上であるか否か(即ち、上記時間T(図4を参照)が前記基準時間Tth以下となる条件が連続して判定基準回数Nth回以上成立しているか否か)を判定する。
CPU51はステップ960の判定において、「No」と判定する場合(即ち、計測した時間Tが前記基準時間Tth以下となる条件は今回の演算では成立しているが、同条件が連続して成立している回数が上記判定基準回数Nth未満である場合)、現時点でのカウンタ値Ngradを維持したままステップ915に進んでHighレベル維持基準値Nhighrefを前記基本値Nbaseに設定する。この結果、上記「ステップ950にて「No」と判定する場合」と同様、図8のルーチンの実行によりHighレベル維持時間Thighが同基本時間Tbaseに設定される(例えば、図5において、時刻t3,t5等を参照)。
一方、CPU51はステップ960の判定において、「Yes」と判定する場合、即ち、上記時間T(図4を参照)が前記基準時間Tth以下となる条件が連続して判定基準回数Nth回以上成立している場合、ステップ965に進み、現時点でのカウンタ値Gとステップ965内に記載のテーブルとに基づいて前記追加時間Taddに相当する追加値Naddを決定する。これにより、上記時間Tが短いほど追加値Nadd(従って、追加時間Tadd)が大きい値に設定される。
そして、CPU51はステップ970に進み、Highレベル維持基準値Nhighrefを前記基本値Nbaseに前記追加値Naddを加えた値(Nbase+Nadd)に設定した後、ステップ995に進んで本ルーチンを一旦終了する。これにより、図8のステップ845の判定において使用されるHighレベル維持基準値Nhighrefが前記値(Tbase+Tadd)に相当する(Nbase+Nadd)に設定され、この結果、図8のルーチンの実行によりHighレベル維持時間Thighが時間(Tbase+Tadd)に設定される(例えば、図5において、時刻t7を参照)。
以降、CPU51は、ハイレベルフラグHIGHの値が「1」から「0」に再び変更されるまでの間(即ち、前記Highレベル維持時間Thighが経過するまでの間)、ステップ900、905、920、945、995の処理を繰り返し実行する。一方、ハイレベルフラグHIGHの値が「1」から「0」に再び変更されると(例えば、図5において、時刻t2,t4を参照)、CPU51はステップ920に進んだとき、再び「Yes」と判定するようになって、先に説明した一連の処理を再び実行する。
このようにして、ハイレベルフラグHIGHの値が「0」から「1」に変更される毎に(従って、発電電圧VMTが電圧閾値VMTTHに到達する毎に)、今回計測した時間T(並びに、前回・前々回計測した時間T)に基づいて次のHighレベル維持時間Thighが順次決定されていく。
以上、説明したように、本発明の第1実施形態に係るポンプ駆動用モータの制御装置によれば、上記所定のポンプ駆動制御条件が成立している限りにおいて、モータMTへの通電がオフ状態からオン状態に変化する毎(モータ制御信号VcontがLowレベルからHighレベルに変化する毎)に、発電電圧VMTの低下速度を表す上記時間T(図4を参照)を計測する。そして、この装置は、通常、Highレベル維持時間Thighを基本時間Tbaseに設定する。一方、上記時間Tが前記基準時間Tth以下となる状態が前記判定基準回数Nth(本例では、3回)以上継続している間は、液圧ポンプHPf,HPrの負荷の程度が大きいと判定して、同Highレベル維持時間Thighを前記基本時間Tbaseに所定の追加時間Taddを加えた時間(Tbase+Tadd)に設定し、モータMTの平均回転速度を増大させる。
これにより、液圧ポンプHPf,HPrに継続的に負荷が発生して同液圧ポンプHPf,HPrの平均回転速度が継続的に低下することにより、リザーバRSf,RSrに貯留されるブレーキ液が徐々に増大していき、同リザーバRSf,RSrがブレーキ液で満たされることで上記ABS制御の破綻が発生することが確実に回避された。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るポンプ駆動用モータの制御装置について説明する。この装置は、液圧ポンプHPf,HPrの負荷の程度が大きいと判定した場合(即ち、上記時間Tが前記基準時間Tth以下となる状態が前記判定基準回数Nth(3回)以上継続している場合)、上記Highレベル維持時間Thighを長くする代わりに電圧閾値VMTTHを大きくすることでモータMTの平均回転速度を増大させる点においてのみ、第1実施形態と異なっている。従って、以下、係る相違点についてのみ説明する。
(モータMTの回転速度制御の概要)
この装置は、第1実施形態と同様、上記所定のポンプ駆動制御条件が成立している限りにおいて、モータMTへの通電がオフ状態からオン状態に変化する毎に上記時間T(図4を参照)を計測する。そして、この装置は、モータMTへの通電がオフ状態からオン状態に変化する毎に、通常、前記電圧閾値VMTTHを所定の基本電圧Vbaseに設定するとともに、上記時間Tが所定の基準時間Tth以下となる状態が所定の判定基準回数Nth(本例では、3回)以上継続している場合に限り、液圧ポンプHPf,HPrの負荷の程度が大きいと判定して、次回の電圧閾値VMTTHを前記基本電圧Vbaseに追加電圧Vaddを加えた電圧(Vbase+Vadd)に設定する。Highレベル維持時間Thighは、常に前記基本時間Tbaseに設定される。
ここで、追加電圧Vaddは、計測された時間Tの最新値が短いほど大きい値に設定される。これは、時間Tが短いほど(従って、発電電圧VMTの低下速度が大きいほど)液圧ポンプHPf,HPrの負荷が大きくて上記ABS制御の破綻が生じ易いから、よりモータMTの平均回転速度を増大させる必要があることに基づく。
図10は、図5と同様、運転者のブレーキペダルBPの操作により特定の車輪がロックし、時刻t1においてABS制御が開始された場合(従って、時刻t1以降において前記所定のポンプ駆動制御条件が成立した場合)における、前記モータ端子間電圧VMT、前記モータ制御信号Vcontの変化の一例を示したタイムチャートである。このタイムチャートにおいては、図4の時間Tに相当する時間T3,T5,T7,T9,T11,T13,T15のうち、時間T3,T5,T7,T9,T11が上記基準時間Tth以下となっていて、時間T13,T15が同基準時間Tthより長くなっている場合の例を示している。
この例においては、先ず、モータMTへの通電がオフ状態からオン状態に変化する時刻t3,t5において、電圧閾値VMTTHは前記基本電圧Vbaseに維持される。そして、次にモータMTへの通電がオフ状態からオン状態に変化する時刻t7になると、図5に示した例と同様、上記の仮定により、上記時間T3,T5,T7が総て上記基準時間Tth以下となっていて、上記時間Tが所定の基準時間Tth以下となる状態が所定の判定基準回数Nth(本例も、3回)以上継続していることになる。従って、この装置は、時刻t7において、液圧ポンプHPf,HPrの負荷の程度が大きいと判定して、電圧閾値VMTTHを前記基本電圧Vbaseに追加電圧Vaddを加えた電圧(Vbase+Vadd)に変更する。この追加電圧Vaddは、計測された時間Tの最新値である時間T7に応じて設定される。これにより、時刻t7以降、少なくとも次にモータMTへの通電がオフ状態からオン状態に変化する時刻t9までの間、電圧閾値VMTTHが電圧(Vbase+Vadd)に維持される。
また、上記の仮定により、モータMTへの通電がオフ状態からオン状態に変化する時刻t9,t11においても、計測された上記時間T9,T11が上記基準時間Tth以下となっていて、上記時間Tが所定の基準時間Tth以下となる状態が所定の判定基準回数Nth(3回)以上継続していることになる。従って、この装置は、時刻t9,t11においても、電圧閾値VMTTHを前記基本電圧Vbaseに追加電圧Vaddを加えた電圧(Vbase+Vadd)に設定する。即ち、電圧閾値VMTTHは、時刻t7〜t13において電圧(Vbase+Vadd)に設定されることになる。これにより、モータMTの平均回転速度が増大せしめられる。
一方、上記の仮定により、次にモータMTへの通電がオフ状態からオン状態に変化する時刻t13(及び、時刻t15)においては、計測された上記時間T13が上記基準時間Tthよりも長くなっている。従って、本装置は、液圧ポンプHPf,HPrの負荷の程度が大きい状態が解消したと判定して、時刻t13以降において、再び、電圧閾値VMTTHを前記基本電圧Vbaseに設定する。
このように、本装置は、通常、電圧閾値VMTTHを基本電圧Vbaseに設定するとともに、連続して取得された複数の(本例では、3つの)前記時間T(図4を参照)により表される各発電電圧VMTの低下速度が総て所定値以上になった場合に限り、同電圧閾値VMTTHを同基本電圧Vbaseに追加電圧Vaddを加えた電圧(Vbase+Vadd)に設定する。以上がモータMTの回転速度制御の概要である。
(第2実施形態の実際の作動)
次に、第2実施形態に係るポンプ駆動用モータの制御装置の実際の作動について説明する。この装置のCPU51は、第1実施形態のCPU51が実行する図6〜図9に示したルーチンのうち、図6〜図8に示したルーチンをそのまま実行するとともに、図9に示したルーチンに代えて図11にフローチャートにより示したルーチンを実行する。以下、第2実施形態に特有の図11に示したルーチンについてのみ説明する。
CPU51は、電圧閾値VMTTH(図8のステップ815にて使用される値)を設定するための図11に示したルーチンを所定時間の経過毎に繰り返し実行している。この図11に示したルーチンは、先に説明した図9に示したルーチンと類似していて、図11のルーチンにおいて、図9のルーチンのステップと同一のステップには同一のステップ数が付されている。
また、図11のステップ1105、1110、1115は、図9のステップ915、965、970にそれぞれ対応するステップである。これにより、発電電圧VMTが電圧閾値VMTTHに達してハイレベルフラグHIGHの値が「0」から「1」に変更される毎に(即ち、ステップ945にて「Yes」と判定される毎に)、今回計測した時間T(並びに、前回・前々回計測した時間T)に基づいて電圧閾値VMTTHが順次決定・変更されていく。
本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記各実施形態においては、電圧低下速度指標値として、時間の経過に従って減少していく上記発電電圧VMTが電圧閾値VMTTHよりも所定量αだけ大きい電圧(第1の電圧)(VMTTH+α)に達してから、同電圧閾値VMTTH(第2の電圧)に達する(即ち、モータMTへの通電がオフ状態からオン状態に変化する)までに要する時間Tを使用しているが、同電圧低下速度指標値として、モータMTへの通電がオフ状態にある期間内(同通電がオン状態からオフ状態へ変化した時点から同通電がオフ状態からオン状態へと変化する時点までの期間内)の所定の期間における発電電圧VMTの変化量を使用してもよい。
また、液圧ポンプHPf,HPrの負荷の程度が大きいと判定した場合(即ち、上記時間Tが前記基準時間Tth以下となる状態が前記判定基準回数Nth(3回)以上継続している場合)、上記第1実施形態においては上記Highレベル維持時間Thighを長くするように構成され(電圧閾値VMTTHは常に一定。)、上記第2実施形態においては上記電圧閾値VMTTHを大きくするように構成されている(Highレベル維持時間Thighは常に一定。)が、液圧ポンプHPf,HPrの負荷の程度が大きいと判定した場合、上記Highレベル維持時間Thighを長くし、且つ、上記電圧閾値VMTTHを大きくするように構成してもよい。
本発明の第1実施形態に係るポンプ駆動用モータの制御装置を含む車両の制御装置を搭載した車両の概略構成図である。 図1に示したブレーキ液圧制御装置の概略構成図である。 図2に示したモータMTを駆動制御するための駆動回路の概略構成図である。 発電電圧の低下速度を取得する方法を説明するための図である。 図1に示したCPUによるABS制御実行中(モータMT駆動制御中)における図3に示したモータ端子間電圧、モータ制御信号の変化の一例を示したタイムチャートである。 図1に示したCPUが実行する車輪速度等を算出するためのルーチンを示したフローチャートである。 図1に示したCPUが実行するABS制御の開始・終了判定を行うためのルーチンを示したフローチャートである。 図1に示したCPUが実行するモータ制御信号の生成を行うためのルーチンを示したフローチャートである。 図1に示したCPUが実行するHighレベル維持時間を設定するためのルーチンを示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係るポンプ駆動用モータの制御装置のCPUによるABS制御実行中(モータMT駆動制御中)における図3に示したモータ端子間電圧、モータ制御信号の変化の一例を示したタイムチャートである。 本発明の第2実施形態に係るポンプ駆動用モータの制御装置のCPUが実行する電圧閾値を設定するためのルーチンを示したフローチャートである。
符号の説明
10…車両の制御装置、30…ブレーキ液圧制御装置、41**…車輪速度センサ、50…電気式制御装置、51…CPU、MT…モータ、HPf,HPr…液圧ポンプ、RSf,RSr…リザーバ

Claims (5)

  1. ポンプを駆動するためのモータへの通電がオフ状態にあるときにおける同モータが発生する電圧と所定の閾値との比較結果に基づいて同通電を同オフ状態からオン状態へと切り換えるとともに同オン状態を所定時間継続した後に同通電を同オン状態からオフ状態へと切り換えるように同通電をオン・オフ制御することで同モータの回転速度を制御する制御手段を備えたポンプ駆動用モータの制御装置であって、
    前記通電がオフ状態にあるときにおける前記モータが発生する電圧の低下速度を表す電圧低下速度指標値として、前記オフ状態の開始後において低下していく前記電圧が前記所定の閾値より大きく且つ前記オン状態での電圧よりも小さい第1の電圧に達してから前記所定の閾値以上の電圧であって同第1の電圧よりも小さい第2の電圧に達するまでに要する時間を取得する低下速度指標値取得手段と、
    前記取得された電圧低下速度指標値により表される前記電圧の低下速度の増大に応じて前記モータの平均回転速度に影響を与えるパラメータを前記平均回転速度が増大するように変更する平均回転速度変更手段と、
    を備えたポンプ駆動用モータの制御装置。
  2. 請求項1に記載のポンプ駆動用モータの制御装置において、
    前記制御装置が適用される前記モータが駆動するポンプは、少なくともアンチロックブレーキシステムを含む車両のブレーキ液圧制御装置に適用されるとともに同ブレーキ液圧制御装置の作動によりリザーバに排出されたブレーキ液を汲み上げて同ブレーキ液圧制御装置の液圧回路に供給するための液圧ポンプであり、
    前記制御手段は、少なくとも前記ブレーキ液圧制御装置の作動中において前記モータの回転速度を制御するように構成されたポンプ駆動用モータの制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のポンプ駆動用モータの制御装置において、
    前記低下速度指標値取得手段は、前記通電がオフ状態になる毎に前記電圧低下速度指標値を取得するように構成されていて、
    前記平均回転速度変更手段は、
    前記低下速度指標値取得手段により連続して取得される複数の前記電圧低下速度指標値により表される前記電圧の低下速度の増大に応じて前記パラメータを前記平均回転速度が増大するように変更するように構成されたポンプ駆動用モータの制御装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のポンプ駆動用モータの制御装置において、
    前記平均回転速度変更手段は、
    前記電圧低下速度指標値により表される前記電圧の低下速度の増大に応じて、前記パラメータとしての前記オン状態が継続する前記所定時間を長くするように構成されたポンプ駆動用モータの制御装置。
  5. 請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のポンプ駆動用モータの制御装置において、
    前記平均回転速度変更手段は、
    前記電圧低下速度指標値により表される前記電圧の低下速度の増大に応じて、前記パラメータとしての前記所定の閾値を大きくするように構成されたポンプ駆動用モータの制御装置。
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