JP4457585B2 - 印刷装置、印刷制御装置、印刷方法、およびプログラム - Google Patents

印刷装置、印刷制御装置、印刷方法、およびプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、高画質の画像を印刷する技術に関し、詳しくは、印刷媒体上にドットを形成して印刷される画像の画質を改善する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷する印刷装置は、コンピュータで作成した画像やデジタルカメラで撮影した画像等の出力装置として広く使用されている。これら印刷装置では、シアン色のドット(以下、Cドット)と、マゼンタ色のドット(以下、Mドット)と、イエロ色のドット(以下、Yドット)とを適切な割合で形成することで、いわゆる減法混色の原理によってカラー画像を印刷している。
【0003】
また印刷媒体には、主に画質上の観点から、単位面積当たりに形成可能なドットの密度に上限値が設けられている。Cドット、Mドット、Yドットが高い密度で形成される領域では、ドットの合計密度が許容値を超えないように、これらドットの一部に代えて黒色のドット(以下、Kドット)を形成することが行われる。減法混色では、同時に形成されたCドット、Mドット、YドットはKドットと等価と考えることができるから、Cドット、Mドット、Yドットを等価なKドットで置き換えてやれば、ドットの密度を許容値以下に抑制して画質の悪化を回避することができる。
【0004】
ここでKドットは、Cドットや、Mドット、Yドットに比べてドットが目立ち易く、一般には画質を悪化させ易いドットと言えるが、CドットやMドットが高い密度で形成される領域は明度が低く(暗く)なっているので、Kドットを形成しても画質を悪化させるおそれはない。とは言え、同時に形成されたCドット、Mドット、Yドットを全てKドットに置き換えてしまったのでは、明度の高い(明るい)画像中にKドットを形成したことと同じとなってしまい、Kドットが目立ってしまう。このため全てをKドットに置き換えるのではなく、各ドットの形成密度の合計が許容値以下となる範囲で、Cドット、Mドット、Yドットの一部ドットをKドットに置き換えることが行われている(例えば、特許文献1)。
【0005】
また、明度の高い(明るい)領域では、CドットやMドットでさえも目立ってしまうので、CドットやMドットに代えて、淡いシアン色のドット(以下、淡Cドット)や淡いマゼンタ色のドット(以下、淡Mドット)を形成することも行われる(例えば、特許文献2)。淡い色彩の淡Cドットや淡Mドットは、CドットやMドットに比べて印刷媒体の地色に近く、ドットが目立ち難いので、明度の高い領域に形成しても画質を悪化させることがない。更に、淡Cドット、淡Mドット、Yドット(場合によっては淡Yドット)が高い密度で形成される領域では、これらドットの一部を、淡い黒色の淡Kドットで置き換えて、ドット密度を許容値以下に抑制し、画質の悪化を回避する技術も提案されている(例えば、特許文献3)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−6588号公報
【特許文献2】
特開平10−175318号公報
【特許文献3】
特開2001−277552号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、画質に対する市場の要請はますます高度なものとなっており、単にドットが目立たないことに止まらず、あらゆる観点から、より違和感を与えない高画質な画像を表現可能とする技術の開発が、強く要請されている。
【0008】
この発明は、従来の技術に対する上述した課題を解決するためになされたものであり、印刷媒体上に各種のドットを形成した画像を印刷する印刷装置において、より高画質な画像を印刷可能な技術を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の印刷装置は、次の構成を採用した。すなわち、
濃度の異なるシアンインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のシアンドットと、濃度の異なるマゼンタインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のマゼンタドットと、イエロインクを用いて形成したイエロドットと、濃度の異なる無彩色インクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類の無彩色ドットとを、印刷媒体上に形成しながら画像を印刷する印刷装置であって、
前記画像データを受け取って、前記各種のドットの形成有無を該画像データに基づいて判断するドット形成有無判断手段と、
前記判断結果に従って、前記各種のドットを前記印刷媒体上に形成するドット形成手段と
を備え、
前記ドット形成有無判断手段は、
表現する階調値の最も低いシアンドットたる淡シアンドットと、表現する階調値の最も低いマゼンタドットたる淡マゼンタドットと、イエロドットとが同時に形成され、且つ前記画像データの明度が所定値以上の明るい領域では、
該淡シアンドットを、所定比率の該淡マゼンタドットおよび該イエロドットとともに、表現する階調値の最も低い無彩色ドットたる淡灰色ドットに全て置き換えた状態で、前記各種のドットの形成有無を判断する手段であることを特徴とする。
【0010】
また、上記の印刷装置に対応する本発明の印刷方法は、
濃度の異なるシアンインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のシアンドットと、濃度の異なるマゼンタインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のマゼンタドットと、イエロインクを用いて形成したイエロドットと、濃度の異なる無彩色インクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類の無彩色ドットとを、印刷媒体上に形成しながら画像を印刷する印刷方法であって、
前記画像データを受け取って、前記各種のドットの形成有無を該画像データに基づいて判断する第1の工程と、
前記判断結果に従って、前記各種のドットを前記印刷媒体上に形成する第2の工程と
を備え、
前記第1の工程は、
表現する階調値の最も低いシアンドットたる淡シアンドットと、表現する階調値の最も低いマゼンタドットたる淡マゼンタドットと、イエロドットとが同時に形成され、且つ前記画像データの明度が所定値以上の明るい領域では、
該淡シアンドットを、所定比率の該淡マゼンタドットおよび該イエロドットとともに、表現する階調値の最も低い無彩色ドットたる淡灰色ドットに全て置き換えた状態で、前記各種のドットの形成有無を判断する工程であることを特徴とする。
【0011】
かかる本発明の印刷装置および印刷方法においては、前記淡シアンドットと前記淡マゼンタドットと前記イエロドットとが同時に形成され、且つ明度が所定値以上の明るい画像の領域では、これら淡シアンドットと淡マゼンタドットとイエロドットの中で無彩色を表現しているドットを、全て淡灰色ドットに置き換えた状態で画像を印刷する。
【0012】
詳細な理由については後述するが、こうすれば、明るい画像の領域でドットが目立たない高画質な画像を印刷することができる。また、こうして得られた画像は、光源によって色の見え方が違ったり、画像の部分部分で光沢感が違って違和感を与えることがなく、更には、印刷装置の個体差や印刷条件が違っても安定して高画質の画像を得ることができる。この結果、単にドットが目立ち難いことに止まらず、画像をより多くの観点から評価した場合でも、違和感を与えることのない高画質な画像を得ることが可能となる。
【0013】
こうした印刷装置においては、前記複数種類の無彩色ドットとして、黒色インクによる黒色ドットと、灰色インクによる灰色ドットと、淡灰色インクによる淡灰色ドットとを形成することとしても良い。
【0014】
無彩色ドットの種類を増やせば画質の向上を期すことができるが、その一方で、印刷装置の複雑化や大型化と言った弊害を引き起こす。経験上、無彩色ドットの種類は、3種類程度とすれば、装置の複雑化や大型化と言った問題を生じさせることなく、効率よく画質を向上させることが可能となるので好ましい。
【0015】
また、こうした印刷装置では、画像データの明度がL*値で55よりも大きな領域では、無彩色を表現している淡シアンドット、淡マゼンタドット、およびイエロドットを、全て淡灰色ドットに全て置き換えた状態で、画像を印刷することとしても良い。
【0016】
あるいは、人間の肌の色彩である肌色の領域では、無彩色を表現している淡シアンドット、淡マゼンタドット、およびイエロドットを、全て淡灰色ドットに置き換えた状態で、画像を印刷することとしても良い。
【0017】
詳細には後述するが、これらの領域で、無彩色を表現している淡シアンドット、淡マゼンタドット、およびイエロドットを、全て淡灰色ドットに全て置き換えて印刷した場合に、画質を効果的に改善することが可能である。
【0018】
また、こうした印刷装置では、予め、画像データと各種インクについてのインク量データとを対応付けた変換テーブルを記憶しておき、かかる変換テーブルを参照して画像データをインク量データに変換し、得られたインク量データに基づいて、各種ドットの形成有無を判断することとしてもよい。
【0019】
このような方法を用いた場合、画像データに応じて適切なインク量データを対応付けて変換テーブルに記憶しておけば、明るい領域で、無彩色を表現している淡シアンドット、淡マゼンタドット、およびイエロドットが、全て淡灰色ドットに全て置き換えられた画像を簡便に印刷することが可能となるので好ましい。
【0020】
また、濃度の異なるシアンインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のシアンドットと、濃度の異なるマゼンタインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のマゼンタドットと、イエロインクを用いて形成したイエロドットと、濃度の異なる無彩色インクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類の無彩色ドットとを、印刷媒体上に形成しながら画像を印刷する印刷部の動作を、コンピュータなどの制御装置を用いて制御してやれば、実質的に上述した本発明の印刷装置として機能させることも可能である。このことから、本発明は次のような印刷制御装置として把握することも可能である。すなわち、本発明の印刷制御装置は、
濃度の異なるシアンインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のシアンドットと、濃度の異なるマゼンタインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のマゼンタドットと、イエロインクを用いて形成したイエロドットと、濃度の異なる無彩色インクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類の無彩色ドットとを、印刷媒体上に形成しながら画像を印刷する印刷部に、該各種ドットの形成を制御するための制御データを出力する印刷制御装置であって、
前記画像データを受け取って、前記各種のドットの形成有無を該画像データに基づいて判断するドット形成有無判断手段と、
前記判断結果を前記制御データとして前記印刷部に出力する制御データ出力手段と
を備え、
前記ドット形成有無判断手段は、
表現する階調値の最も低いシアンドットたる淡シアンドットと、表現する階調値の最も低いマゼンタドットたる淡マゼンタドットと、イエロドットとが同時に形成され、且つ前記画像データの明度が所定値以上の明るい領域では、
該淡シアンドットを、所定比率の該淡マゼンタドットおよび該イエロドットとともに、表現する階調値の最も低い無彩色ドットたる淡灰色ドットに全て置き換えた状態で、前記各種のドットの形成有無を判断する手段であることを特徴とする。
【0021】
また、上記の印刷制御装置に対応する本発明の印刷制御方法は、
濃度の異なるシアンインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のシアンドットと、濃度の異なるマゼンタインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のマゼンタドットと、イエロインクを用いて形成したイエロドットと、濃度の異なる黒色インクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類の無彩色ドットとを、印刷媒体上に形成しながら画像を印刷する印刷部に、該各種ドットの形成を制御するための制御データを出力して、該画像の印刷を制御する印刷制御方法であって、
前記画像データを受け取って、前記各種のドットの形成有無を該画像データに基づいて判断する工程Aと、
前記判断結果を前記制御データとして前記印刷部に出力する工程Bと
を備え、
前記工程Aは、
表現する階調値の最も低いシアンドットたる淡シアンドットと、表現する階調値の最も低いマゼンタドットたる淡マゼンタドットと、イエロドットとが同時に形成され、且つ前記画像データの明度が所定値以上の明るい領域では、
該淡シアンドットを、所定比率の該淡マゼンタドットおよび該イエロドットとともに、表現する階調値の最も低い無彩色ドットたる淡灰色ドットに全て置き換えた状態で、前記各種のドットの形成有無を判断する工程であることを特徴とする。
【0022】
こうした印刷制御装置を用いて印刷部を制御してやれば、明るい画像の領域で、ドットが目立ち難いことに加えて、光源によって色の見え方が違ったり、画像の部分部分で光沢感に差が生じて違和感を与えることが無く、更に、印刷装置の個体差や印刷条件が違っても、安定して高画質の画像を得ることができる。このように、画像を多面的に評価して全体的な画質を大きく向上させることが可能となるので好適である。
【0023】
更に本発明は、上述した画像表示方法あるいは画像処理方法を実現するためのプログラムをコンピュータに読み込ませ、コンピュータを用いて実現することも可能である。従って、本発明は次のようなプログラム、あるいは該プログラムを記録した記録媒体としての態様も含んでいる。すなわち、上述した印刷方法に対応する本発明のプログラムは、
濃度の異なるシアンインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のシアンドットと、濃度の異なるマゼンタインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のマゼンタドットと、イエロインクを用いて形成したイエロドットと、濃度の異なる黒色インクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類の無彩色ドットとを、印刷媒体上に形成しながら画像を印刷する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
前記画像データを受け取って、前記各種のドットの形成有無を該画像データに基づいて判断する第1の機能と、
前記判断結果に従って、前記各種のドットを前記印刷媒体上に形成する第2の機能と
を備え、
前記第1の機能は、
表現する階調値の最も低いシアンドットたる淡シアンドットと、表現する階調値の最も低いマゼンタドットたる淡マゼンタドットと、イエロドットとが同時に形成され、且つ前記画像データの明度が所定値以上の明るい領域では、
該淡シアンドットを、所定比率の該淡マゼンタドットおよび該イエロドットとともに、表現する階調値の最も低い無彩色ドットたる淡灰色ドットに全て置き換えた状態で、前記各種のドットの形成有無を判断する機能であることを特徴とする。
【0024】
また、上述した印刷制御方法に対応する本発明のプログラムは、
濃度の異なるシアンインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のシアンドットと、濃度の異なるマゼンタインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のマゼンタドットと、イエロインクを用いて形成したイエロドットと、濃度の異なる黒色インクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類の無彩色ドットとを、印刷媒体上に形成しながら画像を印刷する印刷部に、該各種ドットの形成を制御するための制御データを出力して、該画像の印刷を制御する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
前記画像データを受け取って、前記各種のドットの形成有無を該画像データに基づいて判断する機能Aと、
前記判断結果を前記制御データとして前記印刷部に出力する機能Bと
を備え、
前記機能Aは、
表現する階調値の最も低いシアンドットたる淡シアンドットと、表現する階調値の最も低いマゼンタドットたる淡マゼンタドットと、イエロドットとが同時に形成され、且つ前記画像データの明度が所定値以上の明るい領域では、
該淡シアンドットを、所定比率の該淡マゼンタドットおよび該イエロドットとともに、表現する階調値の最も低い無彩色ドットたる淡灰色ドットに全て置き換えた状態で、前記各種のドットの形成有無を判断する機能であることを特徴とする。
【0025】
加えて、本発明は、こうした各種のプログラムがコンピュータに読み取り可能に記録された記録媒体として把握することも可能である。
【0026】
こうしたプログラム、あるいは記録媒体に記録されているプログラムをコンピュータに読み込ませ、該コンピュータを用いて上述の各種機能を実現すれば、高画質の画像を印刷することが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の作用・効果をより明確に説明するために、本発明の実施の形態を、次のような順序に従って以下に説明する。
A.装置構成:
B.画像処理:
C.本実施例における下色除去処理:
D.画質の改善効果:
【0028】
A.装置構成:
図1は、本発明に関わる印刷装置および画像処理装置からなる印刷システムの構成を示す説明図である。図示するように、この印刷システムは、コンピュータ80にプリンタ20が接続された構成となっており、コンピュータ80に所定のプログラムがロードされて実行されると、コンピュータ80とプリンタ20とが全体として一体の印刷システムとして機能する。印刷しようとする画像は、コンピュータ80上で各種のアプリケーションプログラム91によって作成された画像が使用される。また、コンピュータ80に接続されたスキャナ21を用いて取り込んだ画像や、あるいはデジタルカメラ(DSC)28で撮影した画像をメモリカード27を経由して取り込んで使用することも可能である。これらの画像のデータORGは、コンピュータ80内のCPU81によって、プリンタが印刷可能な画像データに変換され、印刷データFNLとしてプリンタに出力される。プリンタ20が、この印刷データFNLに従って、印刷用紙上にインクドットの形成を制御すると、最終的に、印刷用紙上に画像が印刷されることになる。
【0029】
コンピュータ80は、各種の演算処理を実行するCPU81や、データを一時的に記憶するRAM83、各種のプログラムを記憶しておくROM82,ハードディスク26等から構成されている。また、モデム24を経由してSIO88を公衆電話回線PNTに接続すれば、外部のネットワーク上にあるサーバSVから必要なデータやプログラムをハードディスク26にダウンロードすることが可能となる。
【0030】
プリンタ20は、濃度の異なる無彩色インクを含んだ複数種類のインクを備え、これらインクによるドットを印刷媒体上に形成することで、カラー画像あるいはモノクロ画像を印刷するプリンタである。
【0031】
また、本実施例のプリンタ20は、ピエゾ素子によって駆動されるヘッドを備えており、ヘッドからインク滴を吐出することによって印刷媒体上にインクドットを形成する。もちろん、ピエゾ素子を利用してインク滴を吐出する方式に限らず、他の方式によりインク滴を吐出するヘッドを備えたプリンタを用いるものとしてもよい。例えば、インク通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生する泡(バブル)によってインク滴を吐出する方式のプリンタに適用するものとしてもよい。また、インク滴を吐出する代わりに、熱転写などの現象を利用して、印刷用紙上にインクドットを形成する方式のプリンタであっても構わない。
【0032】
図2は、本実施例の画像処理装置の機能を実現するための、コンピュータ80のソフトウェアの構成を概念的に示すブロック図である。コンピュータ80においては、すべてのアプリケーションプログラム91はオペレーティングシステムの下で動作する。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ90やプリンタドライバ92が組み込まれていて、各アプリケーションプログラム91から出力される画像データは、ビデオドライバ90で所定の信号変換が行われた後、モニタ23で表示される。
【0033】
また、アプリケーションプログラム91が印刷命令を発すると、コンピュータ80のプリンタドライバ92は、アプリケーションプログラム91から画像データORGを受け取って所定の画像処理を行い、プリンタが印刷可能な印刷データFNLに変換した後、変換した印刷データFNLをプリンタ20に出力する。画像処理の内容については後述する。
【0034】
図3は、本実施例のプリンタ20の概略構成を示す説明図である。本実施例のプリンタ20は、図示するように、キャリッジ40に搭載された印字ヘッド41を駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、このキャリッジ40をキャリッジモータ30によってプラテン36の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモータ35によって印刷用紙Pを搬送する機構と、制御回路60とから構成されている。
【0035】
キャリッジ40をプラテン36の軸方向に往復動させる機構は、プラテン36の軸と並行に架設されたキャリッジ40を摺動可能に保持する摺動軸33と、キャリッジモータ30との間に無端の駆動ベルト31を張設するプーリ32と、キャリッジ40の原点位置を検出する位置検出センサ34等から構成されている。
【0036】
印刷用紙Pを搬送する機構は、プラテン36と、プラテン36を回転させる紙送りモータ35と、図示しない給紙補助ローラと、紙送りモータ35の回転をプラテン36および給紙補助ローラに伝えるギヤトレイン(図示省略)等から構成されている。印刷用紙Pは、プラテン36と給紙補助ローラの間に挟み込まれるようにセットされ、プラテン36の回転角度に応じて所定量だけ送られる。
【0037】
制御回路60は、CPUとROMとRAM等から構成されている。制御回路60は、キャリッジモータ30と紙送りモータ35の動作を制御することによってキャリッジ40の主走査と副走査とを制御するとともに、コンピュータ80から供給される印刷データFNLに基づいて、各ノズルでのインク滴の吐出を制御している。この結果、印刷用紙上の適切な位置にインクドットが形成される。
【0038】
キャリッジ40には、複数の無彩色インクを搭載するインクカートリッジ43と、有彩色インクを搭載するインクカートリッジ42とが装着されている。無彩色インクを搭載するインクカートリッジ43には、黒色インクと、黒色インクよりも明度の高い(濃度の薄い)灰色インクと、灰色インクよりも明度の高い(濃度の薄い)淡灰色インクとが搭載されている。尚、以下では、黒色インクをKインク、灰色インクをLKインク、淡灰色インクをLLKインクと、それぞれ略称することがあるものとする。また、有彩色インクを搭載するインクカートリッジ42には、シアンインクと淡シアンインクとマゼンタインクと淡マゼンタインクとイエロインクとが搭載されている。尚、以下では、シアンインクをCインク、淡シアンインクをLCインク、マゼンタインクをMインク、淡マゼンタインクをLMインク、イエロインクをYインクと、それぞれ略称することがあるものとする。また、各種インクを搭載する組み合わせはこれに限られものではなく、例えば、これら全てのインクを1つのカートリッジに収納しても構わない。
【0039】
キャリッジ40にインクカートリッジ42,43を装着すると、カートリッジ内の各インクは図示しない導入管を通じて、各色毎のインク吐出用ヘッド44ないし51に供給される。各ヘッドに供給されたインクは、制御回路60の制御の下でインク吐出用ヘッド44ないし51から吐出される。
【0040】
図4は、インク吐出用ヘッド44ないし51におけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明図である。図示するように、本実施例のプリンタ20においては、インク吐出用ヘッドの底面に、Y,M,LM,C,LC,LLK,LK,Kの各色のインクを吐出する8組のノズル列が形成されており、1組のノズル列あたり48個のノズルNzが、一定のノズルピッチkで配列されている。
【0041】
図5は、本実施例のプリンタ20に搭載されている各種インクについての明度の計測結果を示した説明図である。横軸にとったドット密度とは、印刷用紙上の単位面積当たりに形成されるドットの密度を示しており、ドット密度0%はドットが全く形成されていない状態を表し、ドット密度100%はすべての画素にドットが形成されている状態を表している。また、縦軸は、L*で表した明度の測定値であり、印刷用紙の地色はL*=95となっている。図5に示すように、本実施例では、LLKインクは、Cインク,Mインクよりは明度が高く、Yインクよりは明度の低いインクとなっている。また、LLKインクは、LCインクやLMインクよりも明度が低くなっているが、LCインクやLMインクと同等、あるいはこれらインクよりも若干明度の高いインクを用いることも可能である。
【0042】
以上のようなハードウェア構成を有する本実施例のプリンタ20は、キャリッジモータ30を駆動することによって、各色のインク吐出用ヘッド44ないし51を印刷用紙Pに対して主走査方向に移動させ、また紙送りモータ35を駆動することによって、印刷用紙Pを副走査方向に移動させる。制御回路60の制御の下、キャリッジ40の主走査および副走査を繰り返しながら、適切なタイミングでノズルを駆動してインク滴を吐出することによって、プリンタ20は印刷用紙上に画像を印刷している。
【0043】
B.画像処理:
図6は、本実施例の画像処理装置としてのコンピュータ80が、画像データに所定の画像処理を加えることによって、印刷データに変換する処理の流れを示すフローチャートである。かかる処理は、コンピュータ80のオペレーティングシステムがプリンタドライバ92を起動することによって開始される。以下、図6に従って、本実施例の画像処理について簡単に説明する。
【0044】
プリンタドライバ92は、画像処理ルーチンを開始すると、先ず初めに、変換すべき画像データの読み込みを開始する(ステップS100)。ここで読み込まれるデータは、RGBカラー画像データ、すなわちR,G,Bの各色毎に、階調値0から階調値255の256階調幅を有する画像データである。
【0045】
次いで、取り込んだ画像データの解像度を、プリンタ20が印刷するための解像度に変換する(ステップS102)。画像データの解像度が印刷解像度よりも低い場合は、線形補間を行うことで隣接画像データ間に新たなデータを生成し、逆に印刷解像度よりも高い場合は、一定の割合でデータを間引くことによって画像データの解像度を印刷解像度に変換する。
【0046】
こうして解像度を変換したら、色変換処理を開始する(ステップS104)。色変換処理とは、先に読み込んだRGB画像データを、プリンタに備えられている各色のインクについての階調データに変換する処理である。色変換処理は、色変換テーブルと呼ばれる3次元の数表を参照することによって、迅速に行うことができる。
【0047】
ここで、色変換処理中で参照される色変換テーブルについて説明する。図7は、色変換処理のために参照される色変換テーブルを概念的に示した説明図である。RGB画像データは、直交3軸をR軸、G軸、B軸とする色立体内の座標値として表すことができる。換言すれば、色立体を細分して格子点を生成すると、各格子点は、それぞれの座標値に対応するRGB画像データを表していると考えることができる。色変換テーブルは、このような各格子点が表す画像データを色変換した時に得られる画像データを、それぞれの格子点に対応づけて記憶した3次元の数表と考えることができる。
【0048】
図7に示した色変換テーブルの各格子点には、プリンタ20に搭載されている各色のインク、すなわち、Cインク、LCインク、Mインク、LMインク、Yインク、Kインク、LKインク、LLKインクの各インクについて、それぞれのインク量に相当するデータが記憶されている。画像処理ルーチンの中で色変換処理に際しては、変換しようとするRGB画像データが表す色空間内の座標点を求め、周囲の格子点に記憶されているインク量のデータを、色変換テーブルを参照することによって取得する。こうして読み出したインク量のデータから補間演算を行うことによって、座標点についてのインク量のデータを算出する。こうして座標点のインク量データを算出すれば、RGB画像データを迅速に色変換することができる。
【0049】
尚、本実施例のプリンタ20は、ドットの目立ち難いLCインクおよびLMインクに加えて、無彩色のインクについてもLKインクおよびLLKインクを搭載しており、高い画質で画像を印刷することが可能である。こうしたLKインク、LLKインクを搭載したこと効果に加えて、より一層の高画質化を図るため、本実施例の画像処理中で参照する色変換テーブルは、画像の明度が高い(明るい)領域で、特殊な下色除去処理が施されたテーブルとなっている。本実施例の色変換テーブルに施されている下色除去処理については後述する。
【0050】
以上のように、色変換テーブルを参照してRGB画像データを色変換したら、続いて、階調数変換処理を開始する(図6のステップS106)。階調数変換処理とは次のような処理である。色変換処理によって得られた階調データは、階調値0から255の256階調を有するデータであるが、実際に印刷する場合には、印刷用紙上にドットを「形成する」か「形成しない」かのいずれかの状態しか取り得ない。そこで、256階調を有する階調データを、ドットの形成有無に対応する2階調のデータに変換する必要がある。このように階調数変換処理とは、256階調の画像データを、ドットの形成有無を示す2階調のデータに変換する処理である。階調数変換処理を行う手法としては種々の方法が知られているが、本実施例では、誤差拡散法と呼ばれる手法を用いて階調数変換処理を行う。もちろん、他の周知の方法を用いても構わない。
【0051】
階調数変換処理に続いて、インターレース処理を行う(ステップS108)。インターレース処理とは、ドット形成の有無を表す形式に変換された画像データを、印字ヘッドが実際にドットを形成する順番を考慮しながら、プリンタ20に転送すべき順序に並べ替える処理である。プリンタドライバは、インターレース処理を行って最終的に得られた画像データを、印刷データとしてプリンタ20に出力する(ステップS110)。プリンタ20は、印刷データに従って、各種のインクドットを印刷用紙上に形成する。その結果、画像データに対応した画像が印刷用紙上に印刷されることになる。
【0052】
C.本実施例における下色除去処理:
上述したように、本実施例のプリンタ20は、無彩色のインクとして、KインクおよびLKインクに加えて、LLKインクの3種類のインクを搭載することにより、高い画質で印刷することを可能としている。こうしたLLKインクを使用することによる効果に加えて、より一層の高画質化を図るために、特異な下色除去処理を行っている。以下では、本実施例のプリンタ20で採用している下色除去処理の特異性を明確に説明するために、先ず通常の下色除去処理について説明し、これと対比して本実施例の下色除去処理について説明する。そして最後に、本実施例の下色除去処理を行うことによって得られる画質の改善効果について説明する。
【0053】
図8は、通常行われている下色除去処理の概要を示す説明図である。例えば、白色から次第に黒色に変化する画像を考え、最も白い部分(すなわち、印刷用紙の地色の部分)の明度がL*=95であり、最も黒い部分の明度がL*=5であるとする。無彩色のインクを全く使用しなくても、CドットとMドットとYドットをほぼ同密度で形成してやれば、減法混色の原理によって無彩色を表現することができるので、白黒の画像を印刷することができる。このように、Cドット、Mドット、およびYドットを用いて表現された無彩色は、「コンポジットブラック」と呼ばれることがある。画像を暗く(L*を小さく)するためには、これらドットの形成比率を一定に保ったまま、ドットの形成密度を次第に大きくしてやればよい。逆に、画像を明るく(L*を大きく)するためには、ドットの形成密度を小さくしてやればよい。
【0054】
また、LCドットおよびLMドットを形成可能な場合は、明るい(L*が大きな)領域ではCドットに代えてLCドットを、Mドットに代えてLMドットを形成してやる。LCドットやLMドットは、CドットやMドットよりもドットが目立ち難いので、CドットやMドットに代えてLCドットやLMドットを形成してやれば、ドットの目立たない高画質な画像を印刷することができる。
【0055】
以上の説明から明らかなように、Cドット,LCドット,Mドット,LMドット,Yドットのみを用いて(すなわち、後述する下色除去を全く行わずに)画像を印刷する場合は、これら各ドットを次のように形成することになる。先ず、最も明るい領域(ここでは、L*=95)ではいずれのドットも形成しない。そして、画像の明度がL*=95から次第に小さくなるにつれて、LCドット、LMドット、およびYドットの形成密度を次第に増加させていく。尚、図8では、図示が煩雑となることを避けるため、Yドットについては表示を省略している。LCドットおよびLMドットのドット密度が100%に達したら、それ以上はドットの形成密度を増やすことはできないので、LCドットおよびLMドットを少しずつCドットおよびMドットに置き換えていく。ここでドット密度100%とは、前述したように、全ての画素にドットが形成された状態を指している。
【0056】
LCドットおよびLMドットをCドットおよびMドットに置き換えるとともに、Yドットの形成密度を次第に増加させれば、画像の明度が次第に低く(L*が小さく)なっていく。途中で、LCドットとLMドットを全て置き換えてしまっても、引き続きCドット、Mドット、Yドットを増加させていく。こうして、ドットの形成密度を増加させるに従って、画像の明度は低くなっていき、ついには、Cドット、Mドット、Yドットのドット密度が100%に達した時点で明度がL*=5、すなわち最も暗い画像となる。
【0057】
ここで、前述したように印刷用紙には、画質上の観点から許容可能なドット密度の上限値が存在している。Cドット、MドットおよびYドットの形成密度をあまりに増加させると、各ドットをまとめたドット密度が許容値を超えてしまう。ここでは、LCドットおよびLMドットが、図8中に太い破線で示したドット密度を同時に越えると、各ドットの形成密度の合計値が許容値を超えるものとする。このように、各ドットの形成密度の合計値が許容値を超えると画質を悪化させるので、これを回避するべく下色除去と呼ばれる処理が行われる。下色除去処理とは、Cドット、Mドット、Yドットが同時に形成されて無彩色を表現している部分(すなわち、コンポジットブラックの部分)を、これと等価なKドットに置き換える処理である。例えば、コンポジットブラックが、等量ずつのCドット、Mドット、Yドットによって表現されているものとした場合、これらをKドットに置き換えてやれば、ドットの形成密度を約1/3に減少させることが可能となる。
【0058】
同様のことは、LCドット、LMドット、Yドットを用いてコンポジットブラックを表現している部分についても成り立つ。すなわち、LCドットおよびLMドットの形成密度をあまりに増加させると、各ドットを合計したドット密度が許容値を越えてしまう。そこで、ドット密度が許容値を超える前に、LCドットおよびLMドットをCドットおよびMドットに置き換えるか、あるいは下色除去を行って、コンポジットブラックの部分(すなわち、LCドット、LMドット、およびYドットが形成されている部分)をLKドットに置き換えてやる。
【0059】
図9は、LCドットおよびLMドットが高い密度で形成されている領域で、下色除去処理を行うことにより、これらドットに代えてLKドットを形成している様子を概念的に示した説明図である。図9(a)は、下色除去処理を行う前の各ドットの形成密度を概念的に示しており、図9(b)は、下色除去処理を行った後の各ドットの形成密度を概念的に示したものである。このように、通常の下色除去処理では、ドットが高い密度で形成されている領域で、コンポジットブラックを表現しているLCドット(あるいはCドット)、LMドット(あるいはMドット)、およびYドット(場合によってはLYドット)を、無彩色のドット(ここではLKドット)で置き換えることによって、各ドットの形成密度の合計値を許容値以下に抑制する処理を行う。
【0060】
また、通常の下色除去処理では、Cドット,Mドット,およびYドット(あるいはLCドット,LMドット,およびYドット)の形成密度の合計値がそれほど高くはない領域で、コンポジットブラックを全て無彩色のドットに置き換えてしまうことは無い。これは、コンポジットブラックを全て無彩色のドットに置き換えたとすると、各ドットを合計した形成密度が小さくなるので、バンディングと呼ばれる色ムラが発生し易くなり、画質に悪影響を与えるおそれがあるためである。
【0061】
これに対して、本実施例のプリンタ20で採用した下色除去処理では、明度がL*=55より大きな領域(更に特徴的には、L*=65より大きな領域)で、コンポジットブラックを表現しているドットを全てLLKドットに置き換えている。図10は、本実施例で行われる下色除去処理の様子を例示する説明図である。図示されているように、明度が大きな値となる領域では、LCドット、LMドット、Yドットの形成密度は比較的小さく、各ドットの密度を合計しても許容値を超えることはないので、本来であれば下色除去処理は不要な領域である。本実施例では、このような領域でも下色除去を行う点で、通常の処理とは大きく異なっている。
【0062】
また、前述したように、通常の下色除去処理では、バンディングが発生して画質に悪影響を与えることを避けるために、コンポジットブラックを表現しているドットを全て無彩色のドットに置き換えることは行わない。これに対して本実施例では、明るい領域でも、コンポジットブラックを表現しているドットを全てLLKドットに置き換えてしまう点で、通常の処理とは大きく異なっている。
【0063】
尚、以下では、コンポジットブラックを表現するドットの中、無彩色のドットに置き換えられた割合を下色除去率(UCR率)で表すことにする。UCR率100%とは、コンポジットブラックを表現しているドットが全て無彩色のドットに置き換えられたことを示している。また、UCR率50%とは、コンポジットブラックを表現するドットの半分が無彩色のドットに置き換えられたことを示しているものとする。
【0064】
図11は、本実施例で採用されている下色除去処理の概要を示した説明図である。図11(a)は、白色から黒色へと次第に明度が小さくなる画像を印刷するときのLLKドットの形成密度が変化する様子を概念的に示した説明図であり、また、図11(b)は、そのときのUCR率の変化を概念的に示した説明図である。尚、図示が煩雑となることを避けるために、図11(a)においても図8と同様に、Yドットについては表示を省略している。図示されているように、本実施例のプリンタ20では、L*=55以上(より特徴的にはL*=65以上)の明るい領域では、UCR率が100%となっており、LCドットやLMドットは全てLLKドットに置き換えられている。
【0065】
尚、L*=5近傍の領域では、ほとんど全てのCドット、Mドット、YドットがKドットに置き換えられる。このようにKドットが高い密度で形成される領域では、コンポジットブラックを全てKドットに置き換えた場合でも、Kドットが比較的高い密度で形成されるのでバンディングが発生し難くなっており、画質を悪化させることはない。すなわち、L*=5の近傍では、図11(b)に破線で示したように、UCR率を100%とすることも可能である。
【0066】
以上に説明したように、本実施例のプリンタ20では、明度が高い領域でコンポジットブラックを表現しているドットを全てLLKドットに置き換えるという特異な下色除去処理を採用することで、明るい画像領域で、印刷画質を大きく向上させることが可能となっている。以下では、これら画質の改善効果について説明する。
【0067】
D.画質の改善効果:
以下では、いわゆる肌色の画像を印刷した場合を例にとって、本実施例の下色除去処理によって得られる画質の改善効果について説明する。ここで、肌色の画像を例に用いて説明するのは、次の2つの点を考慮したためである。先ず第1に、肌色部分の画質は、画像全体の画質の印象を大きく作用する傾向が強いためである。例えば、記念写真など人物が写った写真を見る時を思い浮かべれば明らかなように、最も注意深く見るのは人物の顔の部分であって、背景や衣装など顔以外の部分は、それほど注意深くは観察しないのが通常である。このことから、顔の肌の部分は、画像全体の画質の印象を大きく左右していると言うことができるからである。
【0068】
2番目の理由は、肌色部分の画像には、本実施例で採用した下色除去の効果が、比較的顕著に表れるためである。前述したように、本実施例で採用した下色除去処理では、明るい領域の画像でコンポジットブラックを表現しているドットを、全て無彩色のドットに置き換えることで画質の向上を図っているが、あまりに明るい画像では、そもそもコンポジットブラックを表現しているドットが少ないので、本実施例の下色除去処理による画質の改善効果が、粒状性の改善以外にはそれほど顕著に表れない傾向にある。この点、肌色の画像は、明るい画像でありながらコンポジットブラックを表現しているドットも比較的多いので、本実施例の下色除去による効果が顕著に表れるためである。これらの点を考慮して、以下では、肌色の画像を印刷した場合を例に用いて、本実施例の下色除去処理によって得られる画質改善効果について説明する。
【0069】
尚、肌色とは言うまでも無く人間の肌の色のことであるが、一口に肌色と言っても、人種による違いや、光の当たり方による違いなどの影響で、実際の色彩は種々に変化している。本実施例では、肌の色はCIE1976L*a*b*均等色空間で表した場合、L*が55〜85、a*は5〜25、b*も5〜25の範囲に分布している傾向にあり、特にL*が65〜70の範囲に集中して分布している。図12は、測色によって得られた肌色の分布範囲を概念的に示した説明図である。本実施例では、図12に示した範囲を中心として11点の肌色を選択し、これら代表点の画像について画質の評価を行った。
【0070】
図13は、本実施例のプリンタ20が、肌色画像を印刷するために行う下色除去処理を概念的に示した説明図である。図13(a)は、下色除去を行っていない場合を示し、図13(b)は本実施例の下色除去を行った場合を示している。肌色画像を印刷する場合は、図13(a)に示すように、LMドットやYドットに比べて少量のLCドットを形成する。ドット密度が最も低いLCドットは、全てコンポジットブラックを表現していることになる。各ドットの形成密度がこの程度であれば、画質上の要請から許容されるドット密度の上限値には未だ余裕があるが、本実施例の下色除去処理ではこのような場合でも、コンポジットブラックを表現しているドットを全てLLKドットに置き換えてしまう。この結果、図13(b)に示したように、LCドットが全てLLKドットに置き換えられ、これに合わせてLMドットおよびYドットの形成密度も減少している。本実施例では11点の肌色を選択し、これらの肌色について、図13(a)に示すように下色除去処理を行わない評価画像と、図13(b)に示すように下色除去処理を行った評価画像とを印刷して、粒状性の評価と、光源による色の安定性(光源依存性)の評価とを行った。
【0071】
図14は、11種類の評価画像について粒状性の評価を行った結果を示した説明図である。粒状性は、図14(a)に示した粒状性指標値GFを用いて評価している。ここで、uは空間周波数、WS(u)は画像のウィンナースペクトル、VTF(u)は空間周波数に対する視覚の感度特性、Lは観察距離である。また、(L*+16/116)0.8は、指標値を人間の視覚の特性に合わせ込むための係数である。
【0072】
ここで、図14(a)式の意味するところについて簡単に説明しておく。WS(u)は画像の周期性を表していると考えることができる。例えば、大きな黒丸の図形が繰り返し周期的に印刷されている画像を考えると、その画像のWS(u)には、黒丸の直径に相当する空間周波数u1 と、黒丸が繰り返される周期に相当する空間周波数u2 とに大きなピークが現れる。逆には、空間周波数u1 とu2 とにWS(u)スペクトルのピークが現れれば、その画像には、それぞれの空間周波数に対応するような2つの周期的な構造が含まれていると考えることができる。
【0073】
また、人間の視覚は、空間周波数に応じて感度が異なっており、もっとも感度の高い空間周波数up が存在していることが分かっている。つまり、その空間周波数up に近いほど人間の感度は高くなり、逆に空間周波数up から離れるほど感度が低下する特性を持っている。従って、黒丸が繰り返し形成された画像では、黒丸の直径に起因する空間周波数u1 あるいは黒丸の周期に起因する空間周波数u2 のいずれかが、空間周波数up に近くなるほど、黒丸が目立ち易くなっていく。逆に、これら空間周波数u1 およびu2 が、空間周波数up から遠くなるほど、黒丸が目立ち難くなっていく。また、黒丸の黒さも、当然、目立ちやすさに影響を与える。すなわち、同じ大きさの黒丸であれば、LKインクやLLKインクなどの薄いインクで形成された薄い色の黒丸よりも、Kインクのような濃いインクで形成された濃い色の黒丸の方が、目立ち易いと言える。こうした黒丸の黒さの影響は、WS(u)の大きさとして反映される。
【0074】
図14(a)の評価式は、このような人間の視覚の特性を踏まえて粒状性を数値化したものである。すなわち、画像の周期性を表すWS(u)に、人間の視覚による重みをつけて、空間周波数で積分することにより、ドットの目立ち易さ(画像の粒状性)を粒状性指標GFとして数値化したものである。
【0075】
図14(b)は、選択した11点の肌色について、下色除去処理を行わずに印刷した場合(図13(a)を参照のこと)と、本実施例の下色除去処理を行って印刷した場合(図13(b)を参照のこと)とで、粒状性指標GFを比較した結果を示した説明図である。図中の破線は、下色除去処理を行わずに印刷した11点の評価画像の粒状性指標値GFを示している。また、図中の実線は、本実施例の下色除去処理を行って印刷した場合の粒状性指標値GFを示している。従来から行われている下色除去処理は、前述したように肌色のような明るい画像では下色除去処理は行わないから、破線で示した結果が得られることになる。図14(b)に示されているように、コンポジットブラックの部分を完全に下色除去して印刷すると、どのような肌色についても粒状性が改善していることが確認できる。
【0076】
ここで、本実施例のLLKドットは、図5に示したようにLCドットやLMドットよりも暗いドットである。従って、通常であればLCドットやLMドットよりもLLKドットの方が目立ち易いはずであり、LCドットやLMドットをLLKドットに置き換えた場合、それだけドットが目立って画質を悪化させるはずである。にも関わらず、図14に示したような逆の結果が得られた理由は、現時点では、ドットの色彩の影響が出たものと考えている。つまり、肌色のような明るい画像では、ドットの明るさだけでなく色彩もドットの目立ち易さに強く影響していると考えている。そして、明るさが大きく違わない限りは、有彩色であるLCドットやLMドットよりも、無彩色であるLLKドットの方が目立ち難くなっており、このため、明るいLCドットやLMドットを形成するよりも、暗いLLKドットを形成した方が粒状性が改善されるという逆の結果が得られたものと考えられる。
【0077】
また、本実施例の下色除去処理を行うと、光源による色の安定性(光源依存性)も大きく改善することが可能である。図15は、11種類の肌色について、異なる光源を用いたときの色の見え方の違いを計測して比較した結果を示す説明図である。色の見え方の違いは、次式により算出した色差dEを用いて評価している。
dE={(dL*)2+(da*)2+(db*)20.5
ここで、dL*は、同じ画像を2つの異なる光源での測色したときのL*の差を示している。同様に、da*は、異なる光源で測色したときのa*の差を示し、db*は、b*の測色値の差を示している。光源によって色の見え方が違うほどdEの値は大きくなる。換言すれば、dEが小さければ、光源によって色の見え方が変わらず、色彩を安定して表現していると言うことができる。
【0078】
図15(a)は、光源として、光源Aを用いた場合と光源D50を用いた場合とで、測色値から色差dEを算出した結果を示している。また、図15(b)は、光源D50を用いた場合と光源F11を用いた場合とで、測色値から色差dEを算出した結果を示している。いずれの図においても、本実施例の下色除去処理を行って印刷した肌色画像についての結果を実線で示し、下色除去処理を行わずに印刷した肌色画像についての結果を破線で示している。図15に示した算出結果から明らかなように、本実施例の下色除去処理を行った場合は、光源に依存することなく安定した肌色が得られることが分かる。このように、光源に対する色の安定性が改善される理由については、必ずしも明確になっているわけではない。しかし現在のところ次のように考えている。本実施例の下色除去処理では、コンポジットブラックを全て無彩色インクに置き換えてしまうので、有彩色インクの使用量だけでなく、有彩色インクの種類も確実に減少し、代わりに、分光反射率が比較的平坦なLLKインクが使用されている。このことが、光源によって色の見え方が違ってしまうことを抑制しているのではないかと考えられる。
【0079】
更に、本実施例の下色除去処理を行った場合、「色の安定性」や「光沢均一性」も改善することが可能である。ここで言う「色の安定性」とは、プリンタの個体差や印刷条件などによらず安定した色彩を表現し得る特性を言う。また、「光沢均一性」とは、画像中の部分部分によって光沢の程度が変わらない特性を言う。
【0080】
初めに色の安定性について説明する。前述したようにプリンタ20は、インク滴を吐出してドットを形成することによって画像を印刷している。吐出するインク滴の大きさにバラツキが生じると、色彩を安定して表現することが困難となる。例えば、Cドット、Mドット、Yドットを形成してコンポジットブラックを表現している領域で、Cインクのインク滴が大きめになると、完全な無彩色ではなく青みが勝った色彩となり、Mインクのインク滴が大きめになった場合は、赤みが勝った色彩となってしまう。インク滴を吐出するノズルのバラツキによって、あるいはノズル温度や、粘度などのインクの物性の違いによって、吐出するインク滴の大きさにバラツキが生じると、これが色彩の違いを引き起こす。色の安定性がよいとは、こうした要因の影響を受けることなく、安定した色彩を表現可能なことを言う。
【0081】
本実施例の下色除去処理を行うことにより、「色の安定性」を改善可能な理由は次のようなものである。Cドット、Mドット、LCドット、LMドット、Yドットなどの、有彩色のドットを高密度で形成する場合は、インク滴の大きさが僅かに変わっただけでインクの使用量が大きく変動し、その結果、表現される色彩も変わってしまう。これに対して、本実施例の下色除去処理を行った場合は、図13を用いて説明したように、有彩色インクの使用量が減少するので、インク滴の大きさにバラツキが生じてもインク量が大きく変動することはない。もちろん、下色除去を行えば無彩色インクの使用量は増加するが、無彩色インクは例え使用量がばらついたとしても、画像の明度が変動するだけで、表現している色が変わることは無い。このため、本実施例の下色除去処理を行えば、肌色のような明るい画像部分での色の安定性が改善されるのである。
【0082】
また、本実施例の下色除去処理を行えば、「光沢均一性」も改善することが可能である。これは次のような理由によるものである。Cドット、Mドット、LCドット、LMドット、Yドットのような有彩色インクのドットは、通常、ドット密度が高い領域と低い領域とで、光沢感に違いが生じ易い傾向がある。これに対して、LLKドットのような無彩色インクのドットは、ドット密度の違いによって光沢感に大きな違いが生じることが比較的少ないと言える。このため、下色除去を完全に行うことにより、LLKドットの割合をできるだけ増やしてやれば、ドット密度の違いによって光沢感に差が生じることを抑制することが可能となり、その結果として、光沢均一性を改善することが可能となるのである。
【0083】
以上、詳細に説明したように、本実施例のプリンタ20では、明るい画像の領域で、コンポジットブラックを表現しているドットを全てLLKドットに置き換えるという特異な下色除去処理を行っている。こうすることにより、粒状性や、光源依存性を改善し、更に画像の部分部分で光沢感が違って違和感を与えることなく高画質な画像を印刷することが可能となる。加えて、色の安定性も改善され、プリンタの個体差や印刷条件の違いによらず、同じ色彩を安定して表現することも可能となる。
【0084】
以上では実施例を用いて詳しく説明したが、本発明は、上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。例えば、上述の機能を実現するソフトウェアプログラム(アプリケーションプログラム)を、通信回線を介してコンピュータシステムのメインメモリまたは外部記憶装置に供給し実行するものであってもよい。もちろん、CD−ROMやフレキシブルディスクに記憶されたソフトウェアプログラムを読み込んで実行するものであっても構わない。
【0085】
また、以上の実施例では、インク滴を吐出して画像を印刷するプリンタに本発明を適用した場合について説明したが、本発明の適用範囲はインク滴を吐出するものに限らず、ドットを形成して画像を印刷する方式の全てのプリンタにも、好適に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関わる印刷装置および画像処理装置からなる印刷システムの構成を示す説明図である。
【図2】 本実施例の画像処理装置の機能を実現するためのコンピュータのソフトウェア構成を概念的に示すブロック図である。
【図3】 本実施例のプリンタの概略構成を示す説明図である。
【図4】 インク吐出用ヘッドにおけるインクジェットノズルの配列を示す説明図である。
【図5】 本実施例のプリンタに搭載されている各種インクについての明度の計測結果を示した説明図である。
【図6】 本実施例の画像処理装置としてのコンピュータが画像データに所定の画像処理を加えることによって印刷データに変換する処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】 色変換処理のために参照される色変換テーブルを概念的に示した説明図である。
【図8】 通常行われている下色除去処理の概要を示す説明図である。
【図9】 LCドットおよびLMドットが高い密度で形成されている領域で下色除去処理を行うことによりこれらドットに代えてLLKドットを形成している様子を概念的に示した説明図である。
【図10】 本実施例で行われる下色除去処理の様子を例示する説明図である。
【図11】 本実施例で採用されている下色除去処理の概要を示した説明図である。
【図12】 測色によって得られた肌色の分布範囲を概念的に示した説明図である。
【図13】 本実施例のプリンタが肌色画像を印刷するために行う下色除去処理を概念的に示した説明図である。
【図14】 11種類の肌色画像について、粒状性の評価を行った結果を示した説明図である。
【図15】 11種類の肌色画像について、異なる光源を用いたことによる色の見え方の違いを計測して比較した結果を示す説明図である。
【符号の説明】
20…プリンタ
21…スキャナ
23…モニタ
24…モデム
26…ハードディスク
27…メモリカード
30…キャリッジモータ
31…駆動ベルト
32…プーリ
33…摺動軸
34…位置検出センサ
35…モータ
36…プラテン
40…キャリッジ
41…印字ヘッド
42…インクカートリッジ
43…インクカートリッジ
44…インク吐出用ヘッド
60…制御回路
80…コンピュータ
90…ビデオドライバ
91…アプリケーションプログラム
92…プリンタドライバ

Claims (6)

  1. 濃度の異なるシアンインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のシアンドットと、濃度の異なるマゼンタインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のマゼンタドットと、イエロインクを用いて形成したイエロドットと、濃度の異なる無彩色インクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類の無彩色ドットとを、印刷媒体上に形成しながら画像を印刷する印刷装置であって、
    前記画像データを受け取って、前記各種のドットの形成有無を該画像データに基づいて判断するドット形成有無判断手段と、
    前記判断結果に従って、前記各種のドットを前記印刷媒体上に形成するドット形成手段と
    を備え、
    前記ドット形成有無判断手段は、
    表現する階調値の最も低いシアンドットたる淡シアンドットと、表現する階調値の最も低いマゼンタドットたる淡マゼンタドットと、イエロドットとが同時に形成され、且つ前記画像データの明度がL*値で55よりも大きな領域では、
    該淡シアンドットを、所定比率の該淡マゼンタドットおよび該イエロドットとともに、表現する階調値の最も低い無彩色ドットたる淡灰色ドットに全て置き換えた状態で、前記各種のドットの形成有無を判断する手段であることを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記ドット形成有無判断手段は、CIE1976L*a*b*均等色空間において、L*が55〜85、a*は5〜25、b*も5〜25の範囲に分布している肌色の領域では、前記淡シアンドットを、所定比率の前記淡マゼンタドットおよび前記イエロドットとともに、前記淡灰色ドットに全て置き換えた状態で、前記各種ドットの形成有無を判断する手段である印刷装置。
  3. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記ドット形成有無判断手段は、
    前記画像データと、前記各種インクの使用量に相当するデータたるインク量データとを対応付けて記憶した変換テーブルと、
    前記変換テーブルを参照しながら前記画像データを変換することにより、前記各種インクについての前記インク量データを生成するインク量データ生成手段と
    を備えるとともに、
    前記生成されたインク量データに基づいて、前記各種ドットの形成有無を判断する手段である印刷装置。
  4. 濃度の異なるシアンインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のシアンドットと、濃度の異なるマゼンタインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のマゼンタドットと、イエロインクを用いて形成したイエロドットと、濃度の異なる無彩色インクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類の無彩色ドットとを、印刷媒体上に形成しながら画像を印刷する印刷部に、該各種ドットの形成を制御するための制御データを出力する印刷制御装置であって、
    前記画像データを受け取って、前記各種のドットの形成有無を該画像データに基づいて判断するドット形成有無判断手段と、
    前記判断結果を前記制御データとして前記印刷部に出力する制御データ出力手段と
    を備え、
    前記ドット形成有無判断手段は、
    表現する階調値の最も低いシアンドットたる淡シアンドットと、表現する階調値の最も低いマゼンタドットたる淡マゼンタドットと、イエロドットとが同時に形成され、且つ前記画像データの明度がL*値で55よりも大きな領域では、
    該淡シアンドットを、所定比率の該淡マゼンタドットおよび該イエロドットとともに、表現する階調値の最も低い無彩色ドットたる淡灰色ドットに全て置き換えた状態で、前記各種のドットの形成有無を判断する手段であることを特徴とする印刷制御装置。
  5. 濃度の異なるシアンインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のシアンドットと、濃度の異なるマゼンタインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のマゼンタドットと、イエロインクを用いて形成したイエロドットと、濃度の異なる無彩色インクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類の無彩色ドットとを、印刷媒体上に形成しながら画像を印刷する印刷方法であって、
    前記画像データを受け取って、前記各種のドットの形成有無を該画像データに基づいて判断する第1の工程と、
    前記判断結果に従って、前記各種のドットを前記印刷媒体上に形成する第2の工程と
    を備え、
    前記第1の工程は、
    表現する階調値の最も低いシアンドットたる淡シアンドットと、表現する階調値の最も低いマゼンタドットたる淡マゼンタドットと、イエロドットとが同時に形成され、且つ前記画像データの明度がL*値で55よりも大きな領域では、
    該淡シアンドットを、所定比率の該淡マゼンタドットおよび該イエロドットとともに、表現する階調値の最も低い無彩色ドットたる淡灰色ドットに全て置き換えた状態で、前記各種のドットの形成有無を判断する工程であることを特徴とする印刷方法。
  6. 濃度の異なるシアンインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のシアンドットと、濃度の異なるマゼンタインクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類のマゼンタドットと、イエロインクを用いて形成したイエロドットと、濃度の異なる黒色インクを用いて形成することで表現する階調値を異ならせた複数種類の無彩色ドットとを、印刷媒体上に形成しながら画像を印刷する印刷部に、該各種ドットの形成を制御するための制御データを出力して、該画像の印刷を制御する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
    前記画像データを受け取って、前記各種のドットの形成有無を該画像データに基づいて判断する機能Aと、
    前記判断結果を前記制御データとして前記印刷部に出力する機能Bと
    を備え、
    前記機能Aは、
    表現する階調値の最も低いシアンドットたる淡シアンドットと、表現する階調値の最も低いマゼンタドットたる淡マゼンタドットと、イエロドットとが同時に形成され、且つ前記画像データの明度がL*値で55よりも大きな領域では、
    該淡シアンドットを、所定比率の該淡マゼンタドットおよび該イエロドットとともに、表現する階調値の最も低い無彩色ドットたる淡灰色ドットに全て置き換えた状態で、前記各種のドットの形成有無を判断する機能であることを特徴とするプログラム。
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