JP4455862B2 - Co変成触媒およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、CO変成触媒およびその製造方法に関するものである。
燃料電池は、燃料の持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変えるエネルギー変換装置である。燃料電池は、同様のエネルギー変換を行う火力発電に比べて、熱力学的な制約が低く高効率でエネルギーが得られることや、環境に対する負荷が小さいことから、実用化に向けた研究開発が盛んに行われている。
燃料電池は電解質の種類によって、固体高分子型(PEFC)、リン酸型(PAFC)、溶融炭酸塩型(MCFC)、固体電解質型(SOFC)、アルカリ型(AFC)等に分類される。これらの中でも、固体高分子型(PEFC)の燃料電池は、電解質の散逸がないこと、常温での起動が可能であること、小型化が可能であることなどから、家庭用電源や自動車用電源など様々な用途への適用が期待されている。
上記固体高分子型燃料電池の燃料源としては、天然ガス、ナフサなどの炭化水素やメタノールなどのアルコールを水蒸気改質して得られる水素富化ガスが用いられている。しかしながらこの水素富化ガスには、副生物の一つとして一酸化炭素(CO)が含まれており、COは、上記固体高分子型燃料電池の電極として用いられるPtを被毒し、発電能力を低下させる原因となる。したがって、COは、燃料電池に供給される前に、水性ガス転化反応(CO+H2O→CO2+H2)によって選択的に変成除去し、水素富化ガス中のCO含有率が1%以下となるように低減されている。
これまで、上記水性ガス転化反応には、Cu−Zn系触媒が用いられてきた。しかしながら、Cu−Zn系の触媒は耐酸化性が低く、起動停止が頻繁に行われる家庭用や車載用等小型の燃料電池に使用する場合には、活性が劣化し易いため、メンテナンスを頻繁にしなければならないといった問題があった。
また、上記Cu−Zn系触媒以外にも、たとえば、Ptあるいは、PtおよびReなどを種々の金属酸化物に担持した触媒(特許文献2)や、ジルコニア担体にPtあるいは、PtおよびReを担持させた触媒(特許文献1、非特許文献1,2,4)、ルチル型のチタニア担体にPtおよびReを担持させた触媒(非特許文献3,4)が提案されている。
特許第3215680号明細書 国際公開WO01/003828パンフレット 五十嵐哲ら、Pt−Re/ZrO2触媒上での低温水性ガスシフト反応、第86回触媒討論会 討論会A予稿集、触媒学会発行、2000、404頁 五十嵐哲ら、低温水性ガスシフト反応のためのPt−Re/ZrO2触媒のキャラクタリゼーション、第88回触媒討論会 討論会A予稿集、触媒学会発行、2001、233頁 五十嵐哲ら、低温水性ガスシフト反応のためのPt−Re/TiO2触媒の構造と機能、第90回触媒討論会 討論会B予稿集、触媒学会発行、2002、413−415頁 五十嵐哲ら、低温水性ガスシフト反応のための担持Pt系触媒のキャラクタリゼーション、第92回触媒討論会 討論会A予稿集、触媒学会発行、2003、175頁
しかしながら、上述の特許あるいは非特許文献に開示されている触媒は、いずれもPtやReなどの金属を採用するものであり、これらは高価であり、また資源的にも制限があるため、使用量を低減する必要がある。また、反応温度が高くなると、CO2からCOへの逆シフト反応やH2とCOやCO2によるメタネーションが起こる。これらの問題を低減するためには、より高い選択酸化性を持つ触媒の開発が期待されている。
本発明は上記のような事情に着目してなされたものであって、その目的は、低金属担持量であっても高効率でCOを変成し得るCO変成触媒およびその製造方法を提供することにある。
また、本発明は、低温、低H2O/CO(モル比)で優れたCO変成能を示すCO変成触媒の提供も目的とするものである。
本発明のCO変成触媒とは、アナターゼ型のチタニア担体に、Pt(白金)およびRe(レニウム)を担持させてなるところに要旨を有する。
アナターゼ型のチタニア担体に、PtおよびReを担持させたCO変成触媒は、高効率でCO変成反応を行うことができ、また、従来使用されていたCu−Zn系触媒に比べて耐酸化性に優れるものである。
上記CO変成触媒中のハロゲン含有量は0.1質量%以下であるのが好ましい。
また、上記アナターゼ型のチタニア担体単位体積あたりのPtおよびReの担持量は、それぞれ0.5〜15g/Lであるのが好ましい。
本発明のCO変成触媒の製造方法は、白金塩およびレニウム塩を含む水溶液をアナターゼ型チタニア担体に含浸させ、加熱することにより、PtおよびReを該担体に担持させるところに要旨が存在する。
前記アナターゼ型チタニア担体としては、500℃〜800℃で焼成されたものを用いることが推奨される。
本発明のCO変成触媒は、耐酸化性に優れ、また金属(Pt,Re)の担持量が少なくても高いCO変成能を示すので、従来のCO変成触媒に比べて金属の使用量を低減でき、コスト的にも有利である。
また、本発明のCO変成触媒は、高い空間速度(GHSV)であっても十分にCO変成反応を進行させることができるので、燃料電池用の燃料ガス改質システムの更なる小型化が期待できる。
本発明のCO変成触媒は、アナターゼ型のチタニア担体に、PtおよびReを担持させてなるところに最大の特徴を有するものである。
一般に、チタニアの結晶構造としては、アナターゼ型(a),ルチル型(b),ブルッカイト型(c)の3種が知られており、これらはそれぞれ図1に示されるような構造を有している。図1からも明らかなように、これらは異なる結晶構造を有しており、もちろんそれぞれの特性も異なっている。
本発明では、上述のようなチタニアの中でも、特にアナターゼ型のチタニアを担体として用いる。ルチル型のチタニアもCO変成触媒として一定の効果を発揮するが、CO変成触媒の担体としてアナターゼ型のチタニアを採用した場合には、ルチル型のチタニアに比べて高効率でCOを変成させることができる。尚、本発明の担体は、アナターゼ型のチタニアのみからなるものが好ましい態様であるが、本発明の効果を損なわない程度であれば、ルチル型やブルッカイト型などの結晶構造が担体の一部に存在していてもよい。
本発明のCO変成触媒に使用するアナターゼ型チタニア担体は、BET比表面積が10〜200m2/gであるのが好ましい。
本発明のCO変成触媒は、上記アナターゼ型チタニアに必須成分としてPtおよびReを担持させてなるものである。Pt−Re触媒は、Ptを単独で使用した場合に比べて高活性であり、高寿命である。このようにPt−Re触媒が高効率でCO変成反応を行うことができるのは、Reを併用することにより、触媒担体上におけるPtの高分散状態が安定に維持されるためであると考えられる。
上記Ptは高価であり、資源的にも制限があるので、担持量はできるだけ低減することが好ましい。好ましくは、アナターゼ型チタニア担体の単位体積あたりのPt担持量が15g/L以下、より好ましくは10g/L以下、さらに好ましくは5g/L以下であり、0.5g/L以上であるのが好ましく、より好ましくは1.0g/L以上、さらに好ましくは1.5g/L以上である。Pt担持量が上記範囲を超えると、コストが上昇し、一方上記範囲に満たない場合には、CO変成効果が得られ難くなる傾向があるからである。
なお、上記Ptの担持量をアナターゼ型チタニア担体100質量部あたりの量で表すと、Ptは1.5質量部以下であるのが好ましく,より好ましくは1.0質量部以下,さらに好ましくは0.5質量部以下であり、0.05質量部以上であるのが好ましく,より好ましくは0.1質量部以上,さらに好ましくは0.15質量部以上である。
上記Reのアナターゼ型チタニア担体の単位体積あたりの担持量は15g/L以下であるのが好ましく、より好ましくは10g/L以下、さらに好ましくは5g/L以下であり、0.5g/L以上であるのが好ましく、より好ましくは1.0g/L以上、さらに好ましくは1.5g/L以上である。ReもPt同様高価であるため、担持量が上記範囲を超えるとコストが上昇し、一方上記範囲に満たない場合にはRe添加による効果が得られ難くなる傾向にあるからである。
上記Reのアナターゼ型チタニア担体100質量部あたりの担持量は0.05質量部以上であるのが好ましく、より好ましくは0.1質量部以上,さらに好ましくは0.15質量部以上であり、1.5質量部以下であるのが好ましく,より好ましくは1.0質量部以下,さらに好ましくは0.5質量部以下とするのが推奨される。
本発明のCO変成触媒に含有される上記PtおよびReの合計量は、担体100質量部に対して0.1質量部以上、2.0質量部以下であるのが好ましい。より好ましくは0.2質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは1.5質量部以下、さらに好ましくは1質量部以下である。上述のように、Pt,Reはいずれも高価であるため、上記範囲を超えて使用するのはコストを上昇させるため好ましくない。一方上記範囲に満たない場合には、CO変成効率が低下する場合があるからである。なお、上記Ptに対するReの比率は限定されないが、Pt:Reが1:1(質量比)であるのが好ましい。
さらに、本発明のCO変成触媒には、上記のPt,Re以外にも、Ru,Rh,Pd,Irなど、他の金属を担持させてもよい。これら他の金属は、Ptの触媒作用を促進し、安定化させる効果があるからである。尚、これら他の金属を使用する場合には、担体に対する担持量を0.05質量%以上、0.5質量%以下とするのが好ましい。
上記担持金属は、担体表面に存在していてもよく、担体全体に均一に分布していてもよい。
本発明のCO変成触媒は、上述のPt,Reなどを担持させた担体中におけるハロゲン含有量が0.1質量%以下に抑制されたものであるのが好ましい。触媒中のハロゲンは、周辺機器や配管系の金属部材を腐食させる場合があり、また、CO変成率を低下させたり、副生成物の生成を増加させるおそれがある。したがって、担体中に含まれるハロゲン量(特にCl)は、できる限り低減しておくことが推奨される。より好ましくは、0.05質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以下である。もちろん0%であるのが最も好ましい。
尚、CO変成触媒中のハロゲン含有量は、高温燃焼イオンクロマトグラフ法や、蛍光X線元素分析装置、ICP発光分析装置等を用いる分析法により定量することができる。また、担体中のハロゲン量を低減するための洗浄処理(後述する)に用いた洗浄液に含まれるハロゲン量をイオンクロマトグラフィーにより分析してもよい。
本発明のCO変成触媒の形状は、特に限定されず、粒状,円柱状,球状,ペレット状,ハニカム状など種々の形態の採用が可能である。また、CO変成触媒の大きさは、後述する反応器への充填性等に応じて適宜決定すればよいが、粒径が1〜5mm程度であるのが好ましく、より好ましくは2〜4mmである。
次に、本発明のCO変成触媒を製造する方法について説明する。
本発明のCO変成触媒の製法としては特に限定されるものではないが、例えば、アナターゼ型チタニア担体を製造し、該担体にPtおよびReを担持させる方法が挙げられる。前記アナターゼ型チタニア担体の製造方法としては、アナターゼ型の結晶構造が保たれるものであれば特に限定されず、市販のアナターゼ型チタニア粉末を焼成する方法、Tiを含む塩あるいは化合物の水溶液や、Tiを含む鉱物から、チタニア粉末を調製し、これを乾燥・焼成する方法が採用できる。Tiを含む塩や化合物の水溶液からチタニア粉末を調製する方法としては、例えば、加水分解による析出法、中和による沈殿法、熱加水分解法などがある。
前記Tiを含む塩や化合物としては、Ti(O-iPr)4などのチタンアルコキシド、TiCl4,Ti(SO42,TiOSO4などのチタンを含む塩などが挙げられる。これらの原料は、上述の製法に応じて好ましいものを適宜選択して用いればよい。
Tiを含む鉱物(イルメナイトやルチル鉱など)を原料としてアナターゼ型のチタニア粉末を調製する方法としては、硫酸法や塩素法が挙げられる。例えば硫酸法を採用する場合には、次のようにしてアナターゼ型チタニア粉末を調製することができる。まず、イルメナイト(チタン鉱物)を細かく粉砕、乾燥し、濃硫酸に溶解させ、イルメナイト鉱中に含まれる鉄分を硫酸鉄 (FeSO4)として分離する。次いで、得られた溶液を加水分解して、チタンをメタチタン酸(TiO(OH)2)として沈殿させる。その後、得られたメタチタン酸を高温のロータリーキルンなどで焙焼すればアナターゼ型のチタニア粉末が得られる。
得られたアナターゼ型チタニア粉末を適当な形状・サイズに成型した後、焼成を行う。成型法としては、従来公知の成型法がいずれも使用可能であり、例えば、アナターゼ型チタニア粉末に水を噴霧して造粒成型する方法、押し出し成型や圧縮成型などの方法が挙げられる。また、成型の際にはバインダーなどを使用しても良い。バインダーは、特に限定されず、担体調製時に通常用いられるものであれば、有機物、無機物のいずれも使用可能であり、例えば、ステアリン酸、オレイン酸などの有機バインダー、ベントナイトなどの無機バインダーを挙げることができる。
上記焼成処理は空気気流中、500℃以上、800℃以下で行うのが好ましい。より好ましくは600℃以上、700℃以下である。焼成温度が上記下限に満たない場合には、担体としての機械的強度が得られ難いからである。一方、上限を超える場合には、チタニアの結晶構造が、アナターゼ型からルチル型に転移し易くなる傾向がある。また、高温での焼成は粒子の表面積を減少させる傾向にあるため、上記Pt,Reを担体上に高分散させて反応効率を向上させる観点からは、上記範囲内で焼成処理を行うのが好ましい。
上述のようにして調製したアナターゼ型チタニア担体に、PtおよびReを担持させる。上記PtおよびReのアナターゼ型チタニア担体への担持は、含浸法、共沈法、競争吸着法、イオン交換法など従来公知の方法を採用することができる。例えば、含浸法によってPtおよびReを担持させる場合には、Ptを含む塩の水溶液を担体に含浸させた後、Reを含む塩の水溶液を含浸させる方法;Reを含む塩の水溶液を担体に含浸させた後、Ptを含む塩の水溶液を含浸させる方法;Ptを含む塩およびReを含む塩の水溶液を担体に含浸させる方法、あるいは、PtまたはReを含む塩の水溶液を担体に噴霧して担持させる方法などが採用できるが、これらの方法の中でも、Reを含む塩の水溶液を担体に含浸させた後に、Ptを含む塩の水溶液を含浸させる方法が好ましい。なお、担体の内部にまで活性成分(PtおよびRe)を含浸させるためには、予め細孔内を脱気しておくことや、競争吸着法を採用することも有効である。
本発明のCO変成触媒の製造には、Ptを含む錯塩を使用することが好ましい。上記錯塩の中でも、ハロゲンを含まないアンミン錯塩、ニトロ錯塩、ニトロアンミン錯塩、エチレンジアミン錯塩などが特に好ましく、具体的には、ジニトロジアンミン白金(II)、ヘキサアンミン白金(IV)水酸塩、テトラアンミン白金(II)水酸塩などが挙げられる。
なお、Ptを含む塩としてハロゲンを含むものを使用する場合には、アナターゼ型チタニア担体にPt成分を含浸させた後、該担体中に含まれるハロゲン量を低減させるのが好ましい。担体中のハロゲンは、上記担体を乾燥させた後、水や適当な水洗液で洗浄処理を行うことにより、あるいは250〜600℃の温度で加熱処理を行うことにより、低減することができる。しかしながら、これらの処理によっても担体中のハロゲンを完全に取り除くのは困難であるため、ハロゲンを含まない出発原料を採用することが望ましい。
本発明のCO変成触媒に担持させるReを含む塩としては、ハロゲンを含有しない化合物を採用するのが好ましい。このようなReを含む塩としては、例えば、過レニウム(VII)酸アンモニウム、酸化レニウム(VII)などが挙げられる。
本発明のCO変成触媒は、上述の白金塩およびレニウム塩を含む水溶液をアナターゼ型チタニア担体に含浸させ、加熱することによりPtおよびReを該担体に担持させて得られたものであるのが好ましい。すなわち、上記Pt,Reを含浸させたアナターゼ型チタニア担体を乾燥させた後、塩の熱分解、還元処理(活性化)などを行うことも好ましい態様である。上記熱処理は、300℃〜600℃で、10〜60分間行うのが好ましい。また、本発明のCO変成触媒は使用前に、水素気流下、300℃〜600℃で10〜60分間程度還元処理を行うのがよい。このような処理を行うことで、担体中の残存塩類などの不純物が分解還元除去されるため、より高効率でCOを転化し得る触媒とすることができるからである。
本発明のCO変成触媒は、下記式(1)で示す反応(水性ガス転化反応)によって、CO2とH2に変換する際に使用されるものであることが好ましい。
(式1)
CO + H2O → CO2 + H2 (1)
したがって、本発明のCO変成触媒はCOを含有するガスであれば種々のガスに適用可能であるが、特に、燃料電池に供給される改質ガスに好適に適用できる。
上記燃料電池に供給される改質ガスは、主に天然ガスやメタノールなどを水蒸気と反応させて得られるものであり、該改質ガス中には、主成分であるH2と共にCOおよびCO2が含まれている。例えば改質ガスの原料に都市ガス(天然ガス、CH4:88モル%、C26:6モル%、C38:3モル%、C410:3モル%)を用いた場合には、改質ガス中には約10モル%のCOが存在している。本発明の触媒を使用すれば、改質ガス中のH2量を減じることなく、高効率でCO含有量を低下させることができる。尚、都市ガスを原料に用いる場合には、該都市ガスに付臭剤として含まれる硫黄分を予め除去しておくのが好ましい。
燃料電池に供給される改質ガスは、通常、上記(1)の反応の後に、さらにCO量を低減させるためのCO選択酸化工程へと送られる。この工程では、CO変成反応により得られるガス中に存在するCOの1〜3倍量のO2が供給されるため、COの酸化と共に、H2も酸化されてしまう。しかしながら、本発明のCO変成触媒は高いCO変成率を有するため、上記生成ガス中のCO含有量を低減し、CO選択酸化工程において消費されるH2量を低減できるため、水素生成効率を向上させることができる。
尚、本発明のCO変成触媒は、上記天然ガスなどを原料とした場合のみならず、石炭やコークス炉ガスを原料とした改質ガス中のCOを低減するのにも好適に用いることができる。
上記変成反応を行う反応装置としては、常圧固定床流通式反応器、流動床反応器などが使用可能である。これらの反応器への触媒の充填量は、特に限定されず、反応装置のサイズや処理対象である改質ガスの供給量などに応じて適宜決定すればよい。
反応管へ改質ガス(CO含有ガス)を導入する際の空間速度(GHSV)は、500h-1以上、10000h-1以下(乾燥ガス基準、以下同じ)とするのが好ましい。空間速度が上記範囲を超えるとCO転化率が低下する傾向にあり、一方上記範囲に満たない場合は実用的でない。
CO変成反応時、CO含有ガス中に含まれるCOに対するH2Oの比、H2O/CO(モル比)はできるだけ低くするのが好ましく、具体的には6以下であり,より好ましくは4以下、2以上であり,より好ましくは2.5以上である。上記H2Oは水蒸気の状態でCO含有ガスと混合させる。従って、特に、水素発生装置が一体化された固体高分子型燃料電池に用いる場合、該固体高分子型燃料電池の作動温度は低温であるため、電池本体部分(セル部)で発生する熱を利用し難く、H2O/COが上述の範囲を超える場合には、CO含有ガス変成用の水蒸気発生装置を設ける必要があり、装置のコンパクト化や燃料電池としての発電効率を低下させる原因となる。一方、上記範囲に満たない場合には、H2O量が少ないためCO変成反応が進行せず、COの除去が不十分となる傾向があるからである。
水性ガス転化反応は発熱反応であるため、温度上昇にしたがって逆反応が起こり易くなり、処理量が低減する傾向がある。したがって、反応温度(触媒層温度)はできるだけ低温で行うのが好ましい。具体的には100℃以上であるのが好ましく、より好ましくは150℃以上であり、500℃以下であるのが好ましく、より好ましくは300℃以下である。
上述の過程により得られるガスは、CO含有率が十分に低減されているため、固体高分子型燃料電池以外の水素を燃料とする他の燃料電池にも好適に使用できる。
本発明のCO変成触媒は、耐酸化性に優れ、低H2O/CO比での反応が可能であるため、車載用や家庭用など小型の燃料電池システムに備えられる水素発生器に好適に用いることができる。また、低い金属担持量であっても高いCO変成率を示すため、コスト的にも有利なものである。
本発明のCO変成触媒を適用する燃料電池システムは、特に限定されるものではなく、例えば、燃料電池本体と、炭化水素系燃料をH2に改質する改質装置を構成要素に含むものであればよい。
前記燃料電池本体は、H2を原料として化学反応により電気エネルギーを取り出すものである。前記燃料電池本体は、H2を原料として使用するものであればよいが、特に、イオン交換膜(固体高分子電解質)を電解質とし、電極としてカーボンにPt系貴金属触媒を担持したガス拡散電極を用い、該電極を上記イオン交換膜の両面に備えた固体高分子型の燃料電池(PEFC)であるのが好ましい。
上記改質装置は、水蒸気改質反応によって天然ガスなどの化石燃料を水蒸気と反応させることで水素リッチな改質ガスへと改質する水蒸気改質反応を行う改質部と、該水蒸気改質反応で得られた改質ガス中に含まれるCO量をCO変成反応によって低減させるCO変成部と、さらにCO濃度を低減させるCO選択酸化部を構成要素に有している。本発明のCO変成触媒は、上記CO変成部に備えられるものである。
本発明のCO変成触媒を適用する燃料電池システムは、上述のような改質装置を備えた構成であるため、十分にCO含有量を低減させた後に、燃料電池本体に供給することができる。また、上記CO変成部に備えられた本発明のCO変成触媒は、低温、且つ、低H2O/CO比において高効率で水性ガス転化反応を進行させることができるため、後の工程であるCO選択酸化反応における負荷を低減させることができる。また、燃料電池システムとしてのエネルギー効率も高く、さらに燃料電池システム自体の小型化を図ることも可能であり、特に家庭用や車搭載用の燃料電池システムとして好適である。
以下、実験例によって本発明をさらに詳述するが、下記実験例は本発明を制限するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することはすべて本発明の技術的範囲に含まれる。
[CO変成除去性能の評価]
触媒1mlを常圧固定床流通式反応器の反応管に充填し、200ml/minのN2で希釈した20ml/minのH2気流中で、触媒層温度が450℃になるまで2.5時間かけて昇温し、同温度で30分間保持して、予め還元処理した。ついで、触媒層を所定温度に調整した後、CO含有ガス(導入ガス)中のCOに対する水蒸気の割合H2O/CO(モル比)が3となるように水蒸気を混合したCO含有ガスを空間速度(GHSV)3000h-1で反応管に供給し、CO変成反応を行った。触媒層の温度が略一定となった状態で、反応管出口から排出される生成ガスの組成を、熱伝導度検出器付きのガスクロマトグラフィー(島津製作所社製)で分析し、CO変成率を求めた。なお、このとき用いたCO含有ガス組成は、H2:78モル%,CO:10モル%,CO2:12モル%である。
(式2)
なお、式中、[CO]0は原料ガス中のCOモル濃度を示し、[CO]は生成ガス中のCOモル濃度を示す。[CO2]0および[CO2]も同様である。
[CO変成触媒中のCl含有量の測定]
高温燃焼イオンクロマトグラフ法(イオンクロマトグラフ、Dionex社製)により、CO変成触媒中に含有されるCl量の測定を行った。
[アナターゼ型チタニア担体の調製]
アナターゼ型チタニア粉末(第一稀元素化学工業社製、試作品)をミキサーで攪拌しながら蒸留水を噴霧して造粒成型し(担体粒子径2〜3mm)、50℃で乾燥させた。得られた粒状物を焼成炉で、400ml/minの空気気流中、焼成温度が600℃になるまで1.5時間かけて昇温し、同温度で1時間保持する焼成処理を行い、アナターゼ型チタニア担体(充填密度999g/L)を得た。
触媒1
得られたアナターゼ型チタニア担体(充填密度999g/L)に、該担体1Lに対するReの担持量が3.44gとなるように、過レニウム(VII)酸アンモニウム水溶液を含浸させ、約60℃で10時間以上乾燥させた。この乾燥物を焼成炉で、400ml/minの空気気流中、焼成温度が430℃になるまで、1.5時間かけて昇温し、同温度で30分間保持する焼成処理を行った。その後、温度が60℃以下になるまで放冷した後、400ml/minのN2で希釈した20ml/minのH2気流中で、還元温度が450℃になるまで2.5時間かけて昇温し、同温度で30分間保持して還元処理を行った。
ついで、アナターゼ型チタニア担体1Lに対するPtの担持量が3.44gとなるように、テトラアンミン白金(II)水酸塩溶液を含浸させ、上記Reの場合と同様にして乾燥、焼成および還元処理を行い、CO変成触媒を得た。このときの担体の調製条件、PtおよびReの担持量などを表1に示す。なお、この触媒1に含まれるCl含有量を高温燃焼イオンクロマトグラフ法により測定したが、触媒1からClは検出されなかった。
触媒2
アナターゼ型チタニア担体1Lに対するReおよびPtの担持量を0.86gとしたこと以外は、上記触媒1と同様の方法で触媒を調製した。このときの担体の調製条件、PtおよびReの担持量などを表1に示す。
触媒3
アナターゼ型チタニア担体1Lに対するReおよびPtの担持量を1.72gとしたこと以外は上記触媒1と同様の方法で触媒を調製した。このときの担体の調製条件、PtおよびReの担持量などを表1に示す。
触媒4
アナターゼ型チタニア担体1Lに対するReおよびPtの担持量を6.87gとしたこと以外は上記触媒1と同様の方法で触媒を調製した。このときの担体の調製条件、PtおよびReの担持量などを表1に示す。
触媒5
アナターゼ型チタニアの焼成温度を500℃とした以外は、上記触媒1と同様にして、触媒5を調製した。このときの担体の調製条件、PtおよびReの担持量などを表1に示す。
触媒6
アナターゼ型チタニアの焼成温度を700℃とした以外は、上記触媒1と同様にして、触媒6を調製した。このときの担体の調製条件、PtおよびReの担持量などを表1に示す。
触媒7
アナターゼ型チタニアの焼成温度を800℃とした以外は、上記触媒1と同様にして、触媒7を調製した。このときの担体の調製条件、PtおよびReの担持量などを表1に示す。
触媒8
チタニア担体の焼成温度を900℃として、ルチル型チタニア担体を調製したこと以外は、上記触媒1と同様にして、PtおよびReを担持させた触媒8を調製した。なお、ルチル型チタニア担体(充填密度:1843g/L)1Lに対するReおよびPtの担持量は3.44gであった。担体の調製条件、PtおよびReの担持量などを表1に示す。
触媒9
担持金属としてReを用いなかったこと以外は、上記触媒1と同様にして、Ptのみを担持させた触媒9を調製した。このときの担体調製条件、およびPtの担持量などを表1に示す。
触媒10
Ptの出発原料として、ヘキサクロロ白金(IV)酸(6水和物)を用いた以外は上記触媒1と同様にして触媒10を調製した。アナターゼ型チタニア担体1Lに対するReおよびPtの担持量は3.44gであった。担体の調製条件、PtおよびReの担持量などを表1に示す。なお、この触媒10のCl含有量は0.14質量%であった。
触媒11
ルチル型チタニア粉末(触媒学会参照触媒、JRC−TIO−3)を手動式圧縮成型機で、約40MPaの圧力で60秒間圧縮し、得られた固形物を粉砕して(粒径0.5〜1mm)、ルチル型チタニアからなる担体(充填密度1281g/L)を調製した。
得られたルチル型チタニア担体1Lに対するPt、Reそれぞれの担持量が3.44gとなるように、上記触媒1と同様にしてPtおよびReを担持させた触媒を調製した。担体の調製条件、PtおよびReの担持量などを表1に示す。
触媒12
ZrO2粉末(第一稀元素化学工業社製)をミキサーで攪拌しながら蒸留水を噴霧して造粒成型し(担体粒子径2〜3mm)、50℃で乾燥させた。得られた粒状物を焼成炉で、400ml/minの空気気流中、焼成温度が700℃になるまで1.5時間かけて昇温し、同温度で1時間保持する焼成処理を行いZrO2からなる担体(充填密度1029g/L)を調製した。
得られたZrO2担体に、Ptの出発原料として、ヘキサクロロ白金(IV)酸(6水和物)を用いたこと以外は上記触媒1と同様の方法でPtおよびReを担持させ、触媒12を調製した。ZrO2担体1Lに対するPtおよびReの担持量はそれぞれ3.44gであった。担体の調製条件、PtおよびReの担持量などを表1に示す。
触媒13
CeO2の顆粒(キシダ化学社製)を担体として用い、担体の焼成処理を行わなかったこと、および、Ptの出発原料として、ヘキサクロロ白金(IV)酸(6水和物)を用いたこと以外は上記触媒1と同様にして、触媒13を調製した。担体(充填密度2151g/L)1Lに対するPtおよびReの担持量はそれぞれ3.44gであった。この触媒に用いた担体の調製条件、PtおよびReの担持量などを表1に示す。
触媒14
Al23(住友化学工業社製)を担体として用い、担体の焼成処理を行わなかったこと、および、Ptの出発原料として、ヘキサクロロ白金(IV)酸(6水和物)を用いたこと以外は、上記触媒1と同様にして触媒14を調製した。この触媒の担体(充填密度540g/L)1Lに対するPtおよびReの担持量は3.44gであった。この触媒に用いた担体の調製条件、PtおよびReの担持量などを表1に示す。
[実験例1 結晶構造または担体種によるCO変成率の比較]
触媒1,5〜8,11〜14を用いて、CO変成除去性能の評価試験を行った。尚、このとき用いたCO含有ガスの組成は、H2:78モル%,CO:10モル%,CO2:12モル%であった。結果を表2及び図3に示す。また、触媒1,5〜8,11について粉末X線回折装置(理学電気社製)を用いて測定を行った。図2にX線回折スペクトルを示す。
図2より、500℃、600℃および700℃で担体の焼成を行った触媒5、触媒1および触媒6の担体はアナターゼ型チタニアの結晶構造を有していることが確認できる。これに対して、900℃で焼成を行った触媒8には、ルチル型のチタニアを担体に用いた触媒11と同様のピークが確認でき、担体の焼成処理によって結晶構造がアナターゼ型からルチル型へと転移したことがわかる。また、800℃で焼成を行った触媒7は、アナターゼ型とルチル型の結晶構造が混在した状態であることが確認できる(CO変成率:62.5%、触媒層温度:239℃)。
図3より、担体がアナターゼ型の結晶構造を保持している場合には、焼成温度に関係なく同程度のCO変成率を有していることがわかる。これに対して、焼成温度の上昇によって、担体の一部にルチル型チタニアを含む構造となった触媒7や、担体の結晶構造がルチル型チタニアに転移した触媒8のCO変成率から、担体中にルチル型構造が増加するのに従って、CO変成率が低下することがわかる。
また、表2より、Zr,Ce,Alの酸化物を担体とした触媒12〜14に比べて、アナターゼ型チタニアを担体とした触媒1,5,6は高いCO変成率を示していることがわかる(例えば触媒1,CO変成率91.8%)。
[実験例2 Re併用による効果の比較]
上記触媒1および触媒9を用いて、CO変成除去性能評価試験を行った。触媒層温度を変化させて、反応が安定した状態で生成ガスの分析を行い、CO変成率を求めた。結果を図4に示す。
図4より、Ptを単独で担持させた触媒9に比べて、Ptと共にReを担持させた触媒1は高いCO変成能を示している。また、触媒1ではCO変成反応は低温領域から高効率で進行していることがわかる。
[実験例3 Clの有無による効果の比較]
上記触媒1と触媒10を用いて、CO変成除去性能の評価試験を行った。種々の触媒層温度で、反応が安定した状態で生成ガスの分析をし、CO変成率を求めた。結果を図5に示す。なお、高温燃焼イオンクロマトグラフ法により測定した、触媒1,10中のCl含有量は、触媒1:未検出、触媒10:0.14質量%であった。
図5より、Pt前駆体としてテトラアンミン白金(II)水酸塩を使用した触媒1(Cl含有量:未検出)は、Clを含むヘキサクロロ白金(IV)酸(6水和物)を使用した触媒10(Cl含有量:0.14質量%)に比べて高いCO変成率を示していることが確認できる。また、本発明の要件を満たすCO変成触媒は、低い触媒層温度(200〜250℃)であっても高効率でCOを変成し得ることが分かる。
[実験例4 金属担持量の違いによる効果の比較]
上記触媒1〜4を用いてCO変成除去性能の評価試験を行い、Pt,Reの担持量によるCO変成率を比較した。
上記CO変成除去性能試験は、常圧固定床流通式反応器の反応管に充填したCO変成触媒を、450ml/minのN2で希釈した50ml/minのH2気流中で、触媒層温度が450℃となるまで2.5時間かけて昇温し、同温度で30分間保持して、予め還元処理を施した後、以下の条件にしたがって行った。結果を図6に示す。
<反応条件>
触媒量 :10ml
2O/CO(モル比):3
GHSV :1000h-1
CO含有ガス組成 H2:78モル%,CO:10モル%,CO2:12モル%
図6より、触媒1〜4を用いた場合には、いずれも触媒層温度が低いうちから高いCO変成率を示していることが分かる。また、金属担持量の増加にしたがって、CO変成率が向上することが分かる。
[実験例5 GHSVによるCO変成率の比較]
触媒1を用いて、以下の条件に従ってCO変成除去性能評価を行った。結果を図7に示す。尚、図7には触媒1のCO変成率と共に上記実験例4(触媒1、GHSV:1000h-1)の結果を併せて示す。
<反応条件>
触媒量:10ml
2O/CO(モル比):3
GHSV :500h-1
CO含有ガス組成 H2:78モル%,CO:10モル%,CO2:12モル%
図7より、本発明の触媒は、実際の燃料電池システムの作動条件に近い、GHSV500h-1および1000h-1(実験例4,触媒1)において、極めて高い活性を示していることがわかる。特に、GHSV500h-1の条件下では、触媒層温度が160℃であっても、高い効率でCOを変成し得ることが確認できる。
[実験例6 耐久性試験]
触媒1を用いて、以下の方法でCO変成除去効率の経時変化を調べ、本発明の触媒の耐久性を評価した。
触媒1:3mlを常圧固定床流通式反応器の反応管に充填し、450ml/minのN2で希釈した50ml/minのH2気流中で、触媒層温度が450℃になるまで2.5時間かけて昇温し、同温度で30分間保持して還元処理を行った。ついで、H2O/CO(モル比)が3となるように水蒸気を混合したCO含有ガス(組成 H2:78モル%,CO:10モル%,CO2:12モル%)をGHSV1000h-1で反応管に供給し、触媒層温度を約200℃に保持した状態で100時間に亘ってCO変成反応を行った。一定時間毎に、触媒層出口から排出される生成ガスをガスクロマトグラフィーで分析してCO変成率の経時変化を調べ、触媒の耐久性を評価した。結果を図8に示す。
図8より、本試験時間内においてはCO変成率の低下は認められず、本発明の触媒が耐久性にも優れることが分かる。
尚、上記いずれの実験例においても、本発明の要件を満たすCO変成触媒を使用した場合には、生成ガス中にCO変成反応時の副反応生成物であるCH4の発生は認められず、CO変成反応の反応選択率はいずれも100%であった。
チタニアの結晶構造を示す図である。 触媒1,5〜8,11のチタニア担体の結晶構造を示すX線回折スペクトルである。 実験例1の結果を示すグラフである。 実験例2の結果を示すグラフである。 実験例3の結果を示すグラフである。 実験例4の結果を示すグラフである。 実験例5の結果を示すグラフである。 実験例6の結果を示すグラフである。

Claims (6)

  1. 下記式(1)で示される水性ガス転化反応に使用されるCO変成触媒であって、
    CO + H 2 O → CO 2 + H 2 (1)
    アナターゼ型のチタニア担体に、PtおよびReを担持させてなり、
    前記アナターゼ型のチタニア担体100質量部あたりのPt担持量が0.05質量部〜1.5質量部であり、前記Re担持量が0.05質量部〜1.5質量部であることを特徴とするCO変成触媒。
  2. 前記CO変成触媒中のハロゲン含有量が0.1質量%以下である請求項1に記載のCO変成触媒。
  3. 前記アナターゼ型のチタニア担体100質量部あたりのPt担持量が0.05質量部〜0.34質量部である請求項1または2に記載のCO変成触媒。
  4. 前記アナターゼ型のチタニア担体100質量部あたりのRe担持量が0.05質量部0.69質量部である請求項1〜3のいずれかに記載のCO変成触媒。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のCO変成触媒を製造する方法であって、
    白金塩およびレニウム塩を含む水溶液をアナターゼ型チタニア担体に含浸させ、加熱することにより、前記アナターゼ型のチタニア担体100質量部あたりPt0.05質量部〜1.5質量部およびRe0.05質量部〜1.5質量部担持させることを特徴とするCO変成触媒の製造方法。
  6. 前記アナターゼ型チタニア担体として、アナターゼ型チタニアが500℃〜800℃で焼成されたものを用いるものである請求項5に記載のCO変成触媒の製造方法。
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