JP4455176B2 - 電力ケーブルの接続部構造 - Google Patents
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Description
また、接続した3箇所の接続端子12、17の部分にそれぞれ絶縁筒18を被せる必要があり、煩雑であり作業性が悪い。また、分岐接続部構造全体としてコンパクトにならず、また、三相の配電線路の3本の幹線電力ケーブルの分岐接続部を収容する分岐枡(ハンドホール)等の分岐接続部収容設備において、並べて配置した場合に、広いスペースを占める。
接続すべき両側の電力ケーブルが、大径円筒部側を対向させた前記一対の絶縁カバー半体のケーブル挿入口からそれぞれ挿通され、両側の電力ケーブルの各導体にそれぞれ圧縮接続した羽子板圧縮端子どうしを端子締結用ボルト・ナットで締め付けてなる電気的接続部が前記高剛性円筒体内に隙間のある態様で収容され、
前記高剛性円筒体は各羽子板圧縮端子の圧縮部基端側部分が露出する態様で電気的接続部を囲むものであり、
前記一対の絶縁カバー半体の前記径差嵌合式の大径円筒部の先端側部分が、その端面が互いに向き合うように前記高剛性円筒体の外周に被せられるとともに高剛性円筒体に被さっていない部分は各羽子板圧縮端子の圧縮部基端側部分に対して隙間が保たれており、
前記一対の絶縁カバー半体の、互いに向き合っている前記端面部近傍の上に前記常温収縮式又は熱収縮式の円筒状カバーが被せられたことを特徴とする。
請求項3は、請求項1の電力ケーブルの接続部構造が2本の電力ケーブルと2本の電力ケーブルとのX分岐接続を行なう場合のものであって、一方および他方の絶縁カバー半体がいずれも、2つのケーブル挿入口を持つことを特徴とする。
請求項4は、請求項1の電力ケーブルの接続部構造が1本の電力ケーブルと1本の電力ケーブルとの接続を行なう場合のものであって、一方および他方の絶縁カバー半体がいずれも、1つのケーブル挿入口を持つことを特徴とする。
請求項6は、請求項1又は5における高剛性円筒体が、その長手方向中央近傍の内面にリブ状の耐荷重強化部を形成した構造であることを特徴とする。
請求項7は、請求項1、5又は6において、高剛性円筒体を構成する2つの分割片が、その半円形の両縁部の一方に嵌合突起、他方に嵌合溝を有する同一形状であり、合わせた時に嵌合突起が嵌合溝に嵌合して円筒状となる構成であることを特徴とする。
また、高剛性円筒体は、電気的接続部を直接囲むので、比較的小径で済み、スペース的に効率的に強度確保を図ることができ、接続部構造全体のコンパクト化が図られる。
また、請求項6によれば、高剛性円筒体の内面のリブ状の耐荷重強化部により、効率よく高剛性円筒体の強度アップを図ることができる。
また、請求項7によれば、高剛性円筒体を構成する分割片として1種類だけを用意すればよいので、組み合わせに注意を向ける必要がなく、現場作業での取り扱いや作業性が良好であるとともに、安価に製造できる。
ここで、径差嵌合式とは、内部構成材料(ここでは高剛性円筒体30)の外径より小さな内径(ここでは絶縁カバー半体31、32の内径(径差嵌合部34a、35aの内径))を嵌め合わせることで、内部構成材料に正圧力で接触する嵌合方式を指し、予め内部にインナーコアを挿入して拡径状態に保持しておく常温収縮式、あるいは、加熱して収縮させる熱収縮式を含まない。
図示例のインナーコア41は、図4に示すように、円筒形状のプラスチック製のインナーコア本体42の一端側に左右一対の引き出し部43を設け、インナーコア本体42の筒壁の内外面に、摩擦係数の十分小さな複数の環状フィルム44を周回可能に巻いた構成である。図示例ではインナーコア本体42の外周に離型紙45を貼り付けている。
前記環状フィルム44は、予めインナーコア41に被せた拡径状態のケーブル挿入口38、39、40からインナーコア41を引き出すことを可能にするためのもので、材質として、筒壁を長手方向に抵抗なく周回可能な柔軟性を持ち、かつ摩擦係数の十分小さい樹脂フィルムを用いる。
前記離型紙45は、環状フィルム44の周回時にインナーコア本体42側から受ける摩擦抵抗を小さくするためのもので、その摩擦係数が環状フィルム44の摩擦係数よりも小さい材料を用いる。
ケーブル挿入口38、39、40を拡径状態に保持しているインナーコア41の引き出し部43を外方に引っ張ると、環状フィルム44とケーブル挿入口38、39、40との間は摩擦係数が大きいので互いに滑らないが、環状フィルム44と離型紙45との間は摩擦係数が小さく互いに容易に滑るので、環状フィルム44がインナーコア42の筒壁を周回し、これによりインナーコア41がケーブル挿入口38、39、40から引き出され(除去され)、ケーブル挿入口38、39、40が縮径して、電力ケーブル21、22、23の外周に密着嵌合する。
常温収縮式とは、上記の通りであり、インナーコアを嵌合させて拡径状態に保持し、インナーコアを除去することで、内部構成材料に強い正圧力で密着接触する嵌合方式を指す。
この高剛性円筒体30は、その長手方向中央近傍の内面に、リブ状あるいは壁状の耐荷重強化部52aを形成している。高剛性円筒体30が外部からの力に対する強度確保専用のものであるから、このようにリブ状あるいは壁状の耐荷重強化部を設けることで、十分な強度を確保することができる。
また、半円形の両縁部の一方には嵌合突起53、他方には嵌合溝54を形成しており、合わせた時に嵌合突起53が嵌合溝54に嵌合して、一体化された円筒状になる。両分割片51が同一形状であり、高剛性円筒体30を構成する分割片として1種類だけを用意すればよいので、組み合わせに注意を向ける必要がなく、現場作業での取り扱いや作業性が良好であるとともに、安価に製造できる。
接続作業時には、図9にも示すように、端子締結用ボルト・ナット29の先端が小さい凹所55に入るようにして両分割片51を合わせると、端子締結用ボルト・ナット29が正しい位置に位置決めされ、かつみだりに移動しないように固定される。すなわち、高剛性円筒体30を正しく電気的接続部18の位置にかつ移動しないようにセットすることができる。なお、図9のように、大きい凹所56に端子締結用ボルト・ナット29の頭部が入る。
また、高剛性円筒体30の外周の長手方向中央位置に仕切り用突起57a、その両側に絶縁カバー半体抜け防止用の突起57bを設けている。
なお、上述の実施例の円筒状カバー20、ケーブル挿入口38、39、40は、インナーコアに被せて拡径しておきこれを除去して収縮させる常温収縮式のもの(いわゆる常温収縮チューブ)を使用しているが、被せる対象に対して余裕を持たせた内径を持ち加熱して収縮させる熱収縮式のもの(いわゆる熱収縮チューブ)を用いることもできる。
各電力ケーブル21、22、23を皮剥ぎして導体21a、22a、23aを露出させる。次いで、分岐する電力ケーブル23に予めスペーサ33を挿入しておく。次いで、各電力ケーブル21、22、23の導体21a、22a、23aに羽子板圧縮端子25、26、27を挿入し圧縮接続する。
次いで、電力ケーブル22、23を、絶縁カバー半体32の、インナーコア41で拡径状態に保持されたケーブル挿入口39、40にそれぞれ挿入する。また、電力ケーブル21を、絶縁カバー半体31の、インナーコア41で拡径状態に保持されたケーブル挿入口38に挿入する。次いで、円筒状カバー20をいずれか一方の電力ケーブル束に挿入する。次いで、両側の電力ケーブル21及び22、23の各導体21a、22a、23aに圧縮接続した羽子板圧縮端子25、26、27を重ね合わせ、端子締結用ボルト・ナット29で締結して電気的に接続(電気的接続部18)する。
次いで、両側の電力ケーブル21及び22、23に送り込んでいた両側の絶縁カバー半体31、32をそれぞれ電気的接続部18側に移動させ、かつ、高剛性円筒体30の外周に、両絶縁カバー半体31、32の端面(大径円筒部34、35の端面)が互いに向き合うように被せる。絶縁カバー半体31、32の大径円筒部34、35は、径差嵌合式であって、装着前の内径は高剛性円筒体30の外径より若干小さいので、高剛性円筒体30の外周に密着する。この時、大径円筒部34、35の高剛性円筒体30に被さっていない部分(絶縁カバー半体底部36、37側の部分)は各羽子板圧縮端子の圧縮部基端側部分に対して密着することなく隙間を保っている。
次いで、高剛性円筒体30に被せた前記一対の絶縁カバー半体31、32の上に、インナーコア47で拡径状態に保持されている円筒状カバー20を、前記一対の絶縁カバー半体31、32の、互いに向き合っている前記端面部近傍を覆うように位置させ、端末部47bを引っ張ってインナーコア47を除去すると、円筒状カバー20は縮径して両絶縁カバー半体31、32を高剛性円筒体30上に締め付け固定する。
次いで、ケーブル挿入口38、39、40に拡径状態に保持しているインナーコア41の引っ掛け部43を引っ張って、インナーコア41を除去すると、ケーブル挿入口38、39、40が縮径して、電力ケーブル21、22、23のシース部分に密着する。これにより、ケーブル挿入口38、39、40部分の防水が図られる。
各電力ケーブル21、22、23、24の導体21a、22a、23a、24aに圧縮接続した羽子板圧縮端子25、26、27、28を端子締結用ボルト・ナット29で締結し高剛性円筒体30を被せる。以下、前述と同様である。
各電力ケーブル21、22の導体21a、22aに圧縮接続した羽子板圧縮端子25、26を端子締結用ボルト・ナット29で締結し高剛性円筒体30を被せる。以下、前述と同様である。
なお、図11における左側の絶縁カバー半体31の外観は、ケーブル挿入口38に関して右側の絶縁カバー半体31の外観(位置)と異なるが、左右の絶縁カバー半体31自体は同一形状のである。ゴム製である絶縁カバー半体31のケーブル挿入口38の外観は、ケーブル挿入方向や内部の構造に対応して柔軟に変形するので、同図のケーブル挿入口38は必ずしもケーブル挿入状態での外観を正確に表したものではない。
20 円筒状カバー
21、22、23、24 電力ケーブル
21a、22a、23a、24a 導体
25、26、27、28 羽子板圧縮端子
29 端子締結用ボルト・ナット
30 高剛性円筒体
31、32 絶縁カバー半体
33 スペーサ
34、35 大径円筒部
34a、35a 径差嵌合部
36、37 底部
38、39、40 ケーブル挿入口
41 インナーコア
47 インナーコア
47b 端末部
51 分割片
52a 耐荷重強化部
53 嵌合用突起
54 嵌合用溝
55、56 (ボルト位置決め固定用の)凹所
Claims (7)
- 半円筒状の2つの分割片からなり、内面にリブ状あるいは壁状の耐荷重強化部が形成され、半円形の一方に嵌合突起が、他方に嵌合溝が形成された二つ割り構造の高剛性円筒体と、径差嵌合式の大径円筒部の一端側を閉ざす底部に、常温収縮式又は熱収縮式の小径円筒状のケーブル挿入口を一体に設けた一対の絶縁カバー半体と、前記高剛性円筒体の外周に被せられる常温収縮式又は熱収縮式の円筒状カバーとを備えた、絶縁及び防水並びに外圧からの保護のための電力ケーブルの接続構造であって、
接続すべき両側の電力ケーブルが、大径円筒部側を対向させた前記一対の絶縁カバー半体のケーブル挿入口からそれぞれ挿通され、両側の電力ケーブルの各導体にそれぞれ圧縮接続した羽子板圧縮端子どうしを端子締結用ボルト・ナットで締め付けてなる電気的接続部が前記高剛性円筒体内に隙間のある態様で収容され、
前記高剛性円筒体は各羽子板圧縮端子の圧縮部基端側部分が露出する態様で電気的接続部を囲むものであり、
前記一対の絶縁カバー半体の前記径差嵌合式の大径円筒部の先端側部分が、その端面が互いに向き合うように前記高剛性円筒体の外周に被せられるとともに高剛性円筒体に被さっていない部分は各羽子板圧縮端子の圧縮部基端側部分に対して隙間が保たれており、
前記一対の絶縁カバー半体の、互いに向き合っている前記端面部近傍の上に前記常温収縮式又は熱収縮式の円筒状カバーが被せられたことを特徴とする電力ケーブルの接続部構造。 - 1本の電力ケーブルと2本の電力ケーブルとのY分岐接続を行なう電力ケーブルの接続部構造であって、
前記一方の絶縁カバー半体が2つのケーブル挿入口を持ち、前記他方の絶縁カバー半体が1つのケーブル挿入口を持つことを特徴とする請求項1の電力ケーブルの接続部構造。 - 2本の電力ケーブルと2本の電力ケーブルとのX分岐接続を行なう電力ケーブルの接続部構造であって、
前記一方および他方の絶縁カバー半体がいずれも、2つのケーブル挿入口を持つことを特徴とする請求項1の電力ケーブルの接続部構造。 - 1本の電力ケーブルと1本の電力ケーブルとの接続を行なう電力ケーブルの接続部構造であって、
前記一方および他方の絶縁カバー半体がいずれも、1つのケーブル挿入口を持つことを特徴とする請求項1の電力ケーブルの接続部構造。 - 二つ割り構造の前記高剛性円筒体の長手方向中央近傍の内面に、両側のケーブル導体にそれぞれ圧縮接続した羽子板圧縮端子どうしを締め付ける端子締結用ボルト・ナットのボルト先端又はボルト頭部を位置決め固定するための凹所を設けたことを特徴とする請求項1記載の電力ケーブルの接続部構造。
- 前記二つ割り構造の前記高剛性円筒体の長手方向中央近傍の内面にリブ状の耐荷重強化部を形成したことを特徴とする請求項1又は5記載の電力ケーブルの接続部構造。
- 前記高剛性円筒体を構成する2つの分割片が、その半円形の両縁部の一方に嵌合突起、他方に嵌合溝を有する同一形状であり、合わせた時に嵌合突起が嵌合溝に嵌合して円筒状となる構成であることを特徴とする請求項1、5又は6記載の電力ケーブルの接続部構造
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