JP4454986B2 - タウ遺伝子中の遺伝子多型を利用したアルツハイマー病の発症リスクの予測法およびこれに用いるための核酸分子 - Google Patents

タウ遺伝子中の遺伝子多型を利用したアルツハイマー病の発症リスクの予測法およびこれに用いるための核酸分子 Download PDF

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Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、ヒトタウ遺伝子の変異を検出することによるアルツハイマー病の発症リスクの予測およびこれに用いるための核酸分子に関する。
背景技術
65歳未満で発症する若年性アルツハイマー病の病因遺伝子として、アミロイド前駆体遺伝子、プレセニリン1遺伝子、およびプレセニリン2遺伝子が知られている。しかし、常染色体優性型の若年性アルツハイマー病のうち、これら病因遺伝子の変異によるものは10〜50%に過ぎず、また、若年性アルツハイマー病患者の約9割はこれら病因遺伝子の変異を有さず、かつ常染色体優性遺伝形式を持たないことが知られている(St. George-Hyslop P. H., Semin. Neurol. 19, 371-383, 1999;Campion D. et al., Am. J. Hum. Genet. 65, 664-670, 1999;Cruts M. et al., Hum. Mol. Genet. 7, 43-51, 1998;Forsell C. et al., Neurosci. Lett. 234, 3-6, 1997)。さらに、日本人におけるこれら病因遺伝子の変異に関し、常染色体優性型若年性アルツハイマー病患者25家系のうちの5家系、および弧発性の若年性アルツハイマー病患者34例のうちの1例のみにプレセニリン1遺伝子の変異が認められただけで、他の遺伝子の変異は認められなかったことが報告されている(Tanahashi H. et al., Neurosci. Lett. 207, 139-141, 1996;Kamimura K. et al., J. Neurol. Sci. 160, 76-81, 1998)。
また、アルツハイマー病のリスクファクターとして、アポリポプロテインE遺伝子のε4アレルが知られている。しかしながら、アルツハイマー病患者の半数以上はε4アレルを持たないことが報告されている(Farrier L.A. et al., JAMA, 278, 1349-1356, 1997)。
従って、若年性アルツハイマー病を高い確率で検出しうるリスクファクターが、依然として必要とされている。
一方で、タウは微小管結合タンパク質の一つであり、チューブリン重合促進因子として機能する。タウ遺伝子は、その一次転写産物の構造から、16個のエクソン(エクソン0〜14)を含むことが分かっている。中枢神経系では、エクソン4A、エクソン6およびエクソン8は使用されず、エクソン2、エクソン3およびエクソン10の選択的スプライシングにより、タウは6種のアイソフォームを生じる。
タウ遺伝子の変異は、いくつかの疾患に関連することが知られている。例えば、タウの遺伝子変異により、第17番染色体に連鎖する前頭側頭型痴呆パーキンソニズム(frontotemporal dementia with parkinsonism linked to chromosome 17)が起こることが知られている(非特許文献1:Poorkaj P. et al., Ann. Neurol. 43, 815-825, 1998;非特許文献2:Hutton M. et al., Nature 393, 702-705, 1998)。また、タウの遺伝子多型として、9種の連鎖不平衡な一塩基多型からなるH1およびH2ハプロタイプが知られているが、そのうちのH1が進行性核上性麻痺(progressive supranuclear palsy)の患者に多く見られると報告されている(非特許文献3:Baker M. et al., Hum. Mol. Genet. 8, 711-715, 1999)。
さらに、タウ遺伝子の変異とアルツハイマー病との相関も研究の対象となっている。アルツハイマー病は、老人斑の蓄積および神経原繊維変化(神経細胞内における繊維状封入体の蓄積)により特徴づけられる。この神経原繊維変化において蓄積される繊維状封入体は、ペアードヘリカルフィラメント(paired helical filament,PHF)と呼ばれる特殊な繊維を含んでおり、PHFの基本骨格は過度にリン酸化されたタウにより構成されている。このことから、タウの遺伝子変異または遺伝子多型とアルツハイマー病との相関が研究の対象とされており、その成果について報告されている。
Lilius L.らは、タウ遺伝子のAおよびBハプロタイプ(これは上記のH1およびH2ハプロタイプを拡張したものであり、11種の連鎖不平衡な一塩基多型からなる)とアルツハイマー病との関連について報告している(非特許文献4:Lilius L. et al., Neurosci. lett. 277, 29-32, 1999)。この報告では、AAハプロタイプは単独ではアルツハイマー病のリスクとはならないが、アポリポプロテインE(ApoE)のε4型と相乗的に働くことによってアルツハイマー病のリスクとなると結論づけられている。
また、Bullido M. J.らは、タウ遺伝子のIVS11+34G/A多型(第11イントロンの第34ヌクレオチドにおけるG/A多型)とアルツハイマー病との関連について報告している(非特許文献5:Bullido M. J. et al., Neurosci. Lett. 298, 49-52, 2000)。この報告では、前記多型におけるGアレル(GG型またはGA型)は単独ではアルツハイマー病のリスクとはならないが、アポリポプロテインE(ApoE)のε4型と相乗的に働くことによってアルツハイマー病のリスクとなると結論づけられている。
しかし、他のグループにより、AAハプロタイプおよびIVS11+34Gアレルに関する上述の結果は、コホート研究によっては再現されないことが報告されている(非特許文献6:Crawford F. et al., Neurosci. Lett. 266, 193-196, 1999;非特許文献7:Roks G. et al., Neurosci. Lett. 277, 137-139, 1999;非特許文献8:Kwon J. M. et al., Neurosci. Lett. 284, 77-80, 2000;非特許文献9:Baker M. et al., Neurosci. Lett. 285, 147-149, 2000)。
さらに、Conrad C.らは、タウ遺伝子の第9イントロン内に新規な遺伝子であるSaitohin遺伝子が存在することを報告し、さらには、Saitohin遺伝子中のQ7R多型(第7アミノ酸残基におけるグルタミン/アルギニン多型)が晩期発症型アルツハイマー病と相関すると報告している(非特許文献10:Conrad C. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99, 7751-7756, 2002)。
しかし、他のグループにより、上述のSaitohin遺伝子中のQ7R多型とアルツハイマー病とは相関しないことが報告されている(非特許文献11:Cook L. et al., Ann. Neurol. 52, 690-691, 2002;非特許文献12:Verpillat P. et al., Ann. Neurol. 52, 829-832, 2002)。
Poorkaj P. et al., Ann. Neurol. 43, 815-825, 1998 Hutton M. et al., Nature 393, 702-705, 1998 Baker M. et al., Hum. Mol. Genet. 8, 711-715, 1999 Lilius L. et al., Neurosci. lett. 277, 29-32, 1999 Bullido M. J. et al., Neurosci. Lett. 298, 49-52, 2000 Crawford F. et al., Neurosci. Lett. 266, 193-196, 1999 Roks G. et al., Neurosci. Lett. 277, 137-139, 1999 Kwon J. M. et al., Neurosci. Lett. 284, 77-80, 2000 Baker M. et al., Neurosci. Lett. 285, 147-149, 2000 Conrad C. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99, 7751-7756, 2002 Cook L. et al., Ann. Neurol. 52, 690-691, 2002 Verpillat P. et al., Ann. Neurol. 52, 829-832, 2002
発明の概要
本発明者らは、ヒトタウ遺伝子において、第11イントロンの第90番目に位置するグアニン(G)残基のアデニン(A)残基への変異を見出し、さらにこの変異が男性における若年性アルツハイマー病の発症リスクに関連することを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
従って、本発明は、上記の変異を有する変異型ポリヌクレオチド、該変異を検出しうる核酸分子およびプライマーペア、男性における若年性アルツハイマー病の発症リスクの予測方法、ならびに診断用キットの提供を目的とする。
そして、本発明による変異型ポリヌクレオチドは、ヒトタウ遺伝子のヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチドにおいて、前記遺伝子の第11イントロンの第90番目に位置するグアニン(G)残基のアデニン(A)残基への変異を有してなるものである。
さらに、本発明による核酸分子は、ヒトタウ遺伝子における、第11イントロンの第90番目に位置するグアニン(G)残基のアデニン(A)残基への変異を検出しうる核酸分子であって、本発明による変異型ポリヌクレオチドまたはこれに相補的なポリヌクレオチドにハイブリダイズするヌクレオチド断片を含んでなるものである。
さらに、本発明によるプライマーペアは、ヒトタウ遺伝子における、第11イントロンの第90番目に位置するグアニン(G)残基のアデニン(A)残基への変異を検出しうるプライマーペアであって、本発明による変異型ポリヌクレオチドの、前記遺伝子の第11イントロンの第90番目に位置するヌクレオチド残基に対応するアデニン(A)残基を含む領域を核酸増幅法において増幅することができるものである。
さらに、本発明によるアルツハイマー病の発症リスクの予測方法は、ヒトタウ遺伝子の変異を検出することにより、男性における若年性アルツハイマー病の発症のリスクを予測する方法であって、本発明による核酸分子、および/または本発明によるプライマーペアを用いて、ヒトタウ遺伝子における、第11イントロンの第90番目に位置するグアニン(G)残基のアデニン(A)残基への変異を検出する工程を含んでなるものである。
さらに、本発明によるキットは、本発明による核酸分子および/または本発明によるプライマーペアを含んでなる、男性における若年性アルツハイマー病の発症のリスクを予測するためのキットである。
本発明によれば、ヒトタウ遺伝子における変異を検出することにより、男性における若年性アルツハイマー病の発症のリスクを予測することが可能となる。
発明の具体的説明
本発明により検出されるタウ遺伝子中の変異は、その第11イントロン(第11エクソンと第12エクソンに挟まれた領域)の第90番目に位置するグアニン(G)残基のアデニン(A)残基への変異(本明細書において「IVS11+90G>A変異」という)である。
タウ遺伝子におけるIVS11+90G>A変異は、男性における若年性アルツハイマー病、すなわち65歳未満で発症するアルツハイマー病、好ましくは60歳未満で発症するアルツハイマー病、のリスクファクターとして使用できる。従って、男性においてIVS11+90G>A変異を検出することにより、前記若年性アルツハイマー病の発症のリスクを予測することが可能となる。
変異型ポリヌクレオチド
IVS11+90G>A変異を検出するためには、この変異を有するタウ遺伝子のヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチドを標的とすることができる。すなわち、このような変異型ポリヌクレオチドの存在を確認することにより、IVS11+90G>A変異を検出することができる。
従って、本発明によれば、ヒトタウ遺伝子のヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチドにおいて、前記遺伝子の第11イントロンの第90番目に位置するグアニン(G)残基のアデニン(A)残基への変異を有してなるポリヌクレオチドが提供される。前記タウ遺伝子は、好ましくは配列番号3で表されるアミノ酸配列をコードするものとされ、これをコードするcDNAのヌクレオチド配列としては、例えば、配列番号2で表されるヌクレオチド配列が挙げられる。また、前記タウ遺伝子の第11イントロンは、好ましくは配列番号1で表わされるヌクレオチド配列を含んでなるものとされ、その場合には、上記の変異により、配列番号1に示される第90番目のグアニン(G)残基がアデニン(A)残基に置換される。前記タウ遺伝子の全エクソンを含むヒト17番染色体genomic contigとしては、例えば、GenBankに登録番号:NT_010748.12として登録されているヌクレオチド配列の第2625908〜2759828残基が挙げられる。
本発明による変異型ポリヌクレオチドは、一本鎖であっても、相補鎖がハイブリダイズした二本鎖であってもよい。
本発明による変異型ポリヌクレオチドは、既述の通り、IVS11+90G>A変異を検出する際の標的として有用であるが、さらには、タウタンパク質の活性または発現量に影響を与え、これによりアルツハイマー病の発症を抑制することのできる化合物をスクリーニングするためにも有用である。
核酸分子およびこれを用いたアルツハイマー病発症予測方法
本発明による核酸分子は、タウ遺伝子におけるIVS11+90G>A変異を検出しうる核酸分子である。この核酸分子は、本発明による変異型ポリヌクレオチドまたはこれに相補的なポリヌクレオチドにハイブリダイズするヌクレオチド断片を含んでなるものである。
本発明において「ハイブリダイズする」とは、本発明による核酸分子がストリンジェントな条件下で標的ヌクレオチド分子にハイブリダイズし、標的ヌクレオチド分子以外のヌクレオチド分子にはハイブリダイズしないことを意味する。ストリンジェントな条件は、本発明による核酸分子とその相補鎖との二重鎖の融解温度Tm(℃)およびハイブリダイゼーション溶液の塩濃度などに依存して決定することができ、例えば、J. Sambrook, E. F. Frisch, T. Maniatis; Molecular Cloning 2nd edition, Cold Spring Harbor Laboratory (1989)等を参照することができる。例えば、使用する核酸分子の融解温度よりわずかに低い温度下でハイブリダイゼーションを行なうと、核酸分子を標的ヌクレオチド分子に特異的にハイブリダイズさせることができる。本発明の好ましい実施態様によれば、あるポリヌクレオチドにハイブリダイズする核酸分子は、そのポリヌクレオチドに相補的なポリヌクレオチドの全部または一部の配列を含んでなるものとされる。
本発明において「核酸分子」は、DNA、RNA、およびPNA(peptide nucleic acid)を含む意味で用いられる。本発明の好ましい実施態様によれば、核酸分子はDNAである。
本発明による核酸分子のヌクレオチド配列は、当業者により適宜設計されうる。例えば、本発明による核酸分子は、イントロンにハイブリダイズする部分だけでなく、エクソンにハイブリダイズする部分をも含むことができ、あるいは、これらのどちらか一方のみにより構成されていてもよい。
本発明による核酸分子は、タウ遺伝子におけるIVS11+90G>A変異の検出において、核酸プローブとして用いることができる。この目的のためには、本発明による核酸分子は、上記変異型ポリヌクレオチドまたはこれに相補的なポリヌクレオチドの、前記遺伝子の第11イントロンの第90番目に位置するヌクレオチド残基に対応するアデニン(A)残基を含む領域にハイブリダイズするヌクレオチド断片を含んでなることが好ましい。
本発明による核酸分子を核酸プローブとして用いる場合、核酸分子の鎖長は10〜100ヌクレオチドとすることが好ましく、より好ましくは少なくとも12ヌクレオチド、さらに好ましくは少なくとも15ヌクレオチド、さらに好ましくは15〜50ヌクレオチドとする。
また、本発明による核酸分子は、タウ遺伝子におけるIVS11+90G>A変異の検出において、核酸増幅用プライマーとして用いることができる。この目的のためには、本発明による核酸分子は、上記変異型ポリヌクレオチドの、前記遺伝子の第11イントロンの第90番目に位置するヌクレオチド残基に対応するアデニン(A)残基を含む領域を核酸増幅法において増幅することができるものであることが好ましい。
本発明による核酸分子を核酸増幅用プライマーとして用いる場合、核酸分子の鎖長は10〜50ヌクレオチドとすることが好ましく、より好ましくは少なくとも12ヌクレオチド、さらに好ましくは少なくとも15ヌクレオチド、さらに好ましくは15〜30ヌクレオチドとする。
本発明の他の好ましい実施態様によれば、本発明による核酸分子の鎖長は、15〜100ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも17ヌクレオチド、さらに好ましくは17〜50ヌクレオチドとする。このような鎖長を有する本発明による核酸分子は、特に夾雑物を含む核酸試料において、IVS11+90G>A変異を検出する上で好ましいものである。
核酸増幅法は通常プライマーのペアを用いて実施される。従って、本発明によれば、タウ遺伝子におけるIVS11+90G>A変異を検出しうるプライマーペアが提供される。このプライマーペアは、本発明による変異型ポリヌクレオチドの、前記遺伝子の第11イントロンの第90番目に位置するヌクレオチド残基に対応するアデニン(A)残基を含む領域を核酸増幅法において増幅しうるものである。このようなプライマーペアを構成する2本のプライマーとしては、本発明による核酸分子を用いることができる。このようなプライマーは、増幅の対象となる領域のヌクレオチド配列に基づいて当業者が適宜設計することができる。例えば、プライマーペアの一方のプライマーを、増幅対象領域のヌクレオチド配列中における5’末端部分の配列を有するものとし、他方のプライマーを、増幅対象領域の相補鎖のヌクレオチド配列中における5’末端部分の配列を有するものとすることができる。
本発明による核酸分子または本発明によるプライマーペアを用いることにより、タウ遺伝子におけるIVS11+90G>A変異を検出することができ、これにより、男性における若年性アルツハイマー病の発症リスクを予測することができる。上記の検出の結果、IVS11+90G>A変異が検出された場合には、若年性アルツハイマー病発症のリスクが高いものと判断することができる。
また、IVS11+90G>A変異を有する場合の変異部位における遺伝子型としてはG/AおよびA/Aが考えられる。従って、本発明の他の態様によれば、本発明による核酸分子または本発明によるプライマーペアを用いて、タウ遺伝子におけるIVS11+90G>A変異部位の遺伝子型を同定する工程を含んでなる、男性における若年性アルツハイマー病の発症リスクを予測する方法が提供される。
具体的には、本発明による核酸分子または本発明によるプライマーペアは、タウ遺伝子におけるIVS11+90G>A変異を検出するための核酸増幅法においてプライマーとして用いることができる。従って、本発明によれば、本発明による核酸分子またはプライマーペアを用いて、被検者由来の核酸試料を鋳型とする核酸増幅法を行ない、得られた増幅産物中においてIVS11+90G>A変異を検出する工程を含んでなる、男性における若年性アルツハイマー病発症のリスクの予測法が提供される。
この方法による診断に当たっては、例えば、被験者から血液等の試料を採取し、得られた試料からゲノムDNA等の核酸試料を抽出し、得られた核酸試料を鋳型として、本発明による核酸分子またはプライマーペアを用いて核酸増幅法を実施し、得られた増幅産物のヌクレオチド配列を解析することにより、タウ遺伝子におけるIVS11+90G>A変異を検出することができる。核酸増幅法およびこれによる変異の検出法としては、当技術分野において公知のいずれの方法を用いてもよい。例えば、核酸増幅法としてはPCR法等を用いることができる。
核酸増幅法により得られた増幅産物のヌクレオチド配列の解析は、例えば、シークエンス用プライマーを用いるダイレクトシークエンス法等により容易に行なうことができる。このような方法は当技術分野において周知であり、例えば、市販のキットを用いて実施することができる。
上記の核酸増幅法とダイレクトシークエンス法とによりIVS11+90G>A変異を検出する場合には、例えば、以下の配列を有するプライマー:
T810F:5'-GCTCCCGCAAGTTTCACACTCAAC-3'(配列番号12);
T920:5'-GCTGGAACTGCTCCAGACTTC-3'(配列番号13)
を用いて核酸増幅法を行ない、これらのいずれかのプライマーをシークエンスプライマーとしてダイレクトシークエンス法を行なうことができる。
また、タウ遺伝子におけるIVS11+90G>A変異において、この変異により特定の制限酵素による認識配列が失われるかまたは生成する場合には、制限断片長多型(RFLP)を利用する方法、例えば、PCR−RFLP法を用いて上記の変異を検出することができる。このような方法は、例えば、上述の核酸増幅法において前記制限酵素認識配列を包含する領域を増幅するようなプライマーペアを用い、得られた増幅断片をこの制限酵素で消化した後、得られる断片の数およびそれらの鎖長を調べることにより実施することができる。このような方法は当技術分野において周知であり、当業者であれば、適切な制限酵素、プライマー、増幅反応条件、制限酵素反応条件等を適宜設定することができる。前記タウ遺伝子の第11イントロンが配列番号1で表されるヌクレオチド配列を含んでなる場合には、例えば、上記T810F(配列番号12)およびT920(配列番号13)をプライマーとして用い、得られた増幅産物を制限酵素MboIIで消化すればよい。その結果、35bpおよび58bpの2個の断片が得られた場合には上記の変異が検出されたと判断することができる。
本発明による予測法においては、アレル特異的PCR法を実施できるようにプライマーを設計することもできる。具体的には、一方のプライマーを変異部位に対合できるように設計し、他方のプライマーを変異部位を含まない領域に対合できるように設計することができる。このように設計されたプライマーペアを用いて核酸増幅法を実施すると、核酸試料中に前記変異にかかるいずれかのアレルが存在する場合には増幅産物が得られ、これが存在しない場合には増幅産物が得られない。従って、この場合には、増幅産物の有無を検出することにより特定のアレルの有無を判定することができる。
本発明による核酸分子は、ハイブリダイゼーション法等によるタウ遺伝子におけるIVS11+90G>A変異の検出にプローブとして用いることができる。従って、本発明によれば、本発明による核酸分子と被検者由来の核酸試料とのハイブリダイゼーションを行ない、次いでハイブリダイゼーション複合体の存在を検出する工程を含んでなる、男性における若年性アルツハイマー病発症のリスクの予測法が提供される。ハイブリダイゼーション複合体の存在は、タウ遺伝子におけるIVS11+90G>A変異にかかるいずれかのアレルの存在を示す。このハイブリダイゼーション法を用いる方法は、上述の核酸増幅法を用いる方法により得られる増幅産物に対して適用することもできる。
この方法による診断に当たっては、例えば、被検者から血液等の試料を採取し、得られた試料からゲノムDNA等の核酸試料を抽出し、ストリンジェントな条件下、本発明による核酸分子とのハイブリダイゼーションの有無を検出することにより、タウ遺伝子におけるIVS11+90G>A変異を検出することができる。核酸試料は、必要であれば制限酵素処理等を施し、ハイブリダイゼーションに適切な長さとすることもできる。ハイブリダイゼーション法とこれによる変異の検出法としては、当技術分野において公知のいずれの方法を用いてもよい。例えば、サザンハイブリダイゼーション、コロニーハイブリダイゼーション等の技術を用いることができ、これらの方法については、例えば、J. Sambrook, E. F. Frisch, T. Maniatis; Molecular Cloning 2nd edition, Cold Spring Harbor Laboratory (1989)を参照することができる。
タウ遺伝子におけるIVS11+90G>A変異を検出する場合には、また、本発明による核酸分子をプライマーとして使用するプライマーエクステンション法を用いることもできる。プライマーエクステンション法は当業者に公知であり、その操作手順および使用するプライマーの具体的ヌクレオチド配列は、当業者であれば容易に決定することができる。本発明の好ましい実施態様によれば、上記のプライマーエクステンション法としては、SNaPshotTM法またはPyrosequencing法として知られる方法が用いられる。
SNaPshotTM法においては、変異部位に隣接するプライマーであって、伸長反応によりその3’末端に付加するヌクレオチドが前記変異部位に相補的なものとなるプライマーが用いられる。このようなプライマーを使用し、被検者からの核酸試料を鋳型としてプライマーの伸長反応が行なわれるが、その際にddNTP(ジデオキシNTP)を用いることにより、伸長反応は、上記の変異部位に対応する一個のヌクレオチドを取り込んだ時点で終了する。取り込まれたヌクレオチドは、蛍光標識等で予め標識しておくことにより容易に同定され、従って、変異部位のヌクレオチドが同定される。このような方法は当業者に公知であり、その操作手順および使用するプライマーの具体的ヌクレオチド配列は、当業者であれば容易に決定することができる。
Pyrosequencing法においては、被検者からの核酸試料を鋳型とするプライマーの伸長反応の際に、4種のdNTPを1種ずつ反応させる。dNTPのいずれかが取り込まれると、等量のピロリン酸塩(PPi)が遊離し、遊離したPPiはスルフリラーゼと反応してATPを生成させ、このATPによりルシフェラーゼの反応が起こり、発光が起こる。従って、ある特定のdNTPを加えたときに発光が起こった場合には、そのdNTPに対応するヌクレオチドが取り込まれたことが明らかとなり、これにより核酸試料中の対象部位のヌクレオチドが同定される。この方法においては、dNTPが用いられるため、SNaPshotTM法で用いられるような多型部位に隣接するプライマーを用いる必要はなく、数塩基はなれたプライマーを用いてもよい。このような方法は当業者に公知であり、その操作手順および使用するプライマーの具体的ヌクレオチド配列は、当業者であれば容易に決定することができる。
タウ遺伝子におけるIVS11+90G>A変異を検出する場合には、さらに、本発明による核酸分子をプローブおよび/またはプライマーとして使用する遺伝子型決定法(タイピング法)を用いることもできる。遺伝子型決定法は当業者に公知であり、その操作手順および使用するプローブおよび/またはプライマーの具体的ヌクレオチド配列は、当業者であれば容易に決定することができる。本発明の好ましい実施態様によれば、上記の遺伝子型決定法としては、TaqMan PCR法として知られる方法が用いられる。
TaqMan PCR法においては、IVS11+90G>A変異部位のヌクレオチドを含む領域に対して、GアレルおよびAアレルのそれぞれに特異的にハイブリダイズする2種のプローブであって、それぞれ別の蛍光標識物質が5’末端に付され、その蛍光標識に対するクエンチャー(消光物質)が3’末端に付されてなるプローブ(TaqManプローブ)が用いられ、これらをPCR反応液中に添加して、被検者由来の核酸試料を鋳型とするPCR反応を行なう。TaqManプローブおよびPCR用のプライマーとしては、本発明による核酸分子を用いることができ、それらの具体的なヌクレオチド配列は、当業者であれば適宜決定することができる。また、2種の蛍光標識物質は、互いに識別可能な組合せであればよく、そのような蛍光標識物質の組合せはそれぞれのクエンチャーとともに当業者に公知のものを用いることができるが、好ましくはFAMとVICの組合せを用いる。このPCR反応においては、まず、各アレルにTaqManプローブがハイブリダイズし、プライマーからの伸長反応がそのハイブリダイゼーション領域に到達した際にTaqDNAポリメラーゼの作用によって蛍光標識物質が遊離する。遊離した蛍光標識物質はクエンチャーの作用を受けないため、蛍光を発する。従って、この方法によれば、各アレルの存在量に対応する強度の各蛍光を観察することができ、これにより、被検者の遺伝子型(G/G、G/A、またはA/A)が容易に決定される。
本発明による予測法において、タウ遺伝子におけるIVS11+90G>A変異が検出されたと評価された男性被験者由来のサンプルは、若年性アルツハイマー病が発症する可能性が高いものと判断され、従って、そのリスクがあるものと予測される。また、本発明によれば、出生前および出生直後の診断も可能である。
以上のようなアルツハイマー病の発症のリスクの予測のために、必要な試薬をまとめてキットとすることができる。従って、本発明によるキットは、本発明による核酸分子および/または本発明によるプライマーペアを含んでなる。本発明によるキットはさらに、タウ遺伝子におけるIVS11+90G>A変異を検出するための具体的方法に応じて、試薬類、反応容器、説明書等を含んでいてもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
例1:タウ遺伝子中の多型の探索およびその多型とアルツハイマー病との関連
本研究では、アルツハイマー病患者874人(発症年齢幅:42〜91歳、発症年齢平均±SD:70.0±8.8歳、日本人、性別:男性305人;女性569人)および健常対照678人(年齢幅:33〜91歳、年齢平均±SD:67.0±10.1歳、日本人、性別:男性274人;女性404人)を調査の対象とした。アルツハイマー病患者は、NINCDS−ADRDA診断基準に従ってアルツハイマー病と診断された患者である。健常対照は患者の配偶者であり、MMSE(Mini-Mental State Examination)により知的正常であることを確かめられた健常者である(スコア>25)。研究に先立ち、上記の患者および健常者の全員からインフォームドコンセントを書面で取得し、さらに、これらの患者および健常者から得た試料を匿名化した。
まず、タウ遺伝子中の多型を同定するため、25人のアルツハイマー患者および25人の健常対照についてタウ遺伝子の配列決定を行なったところ、次の5つの一塩基多型が見出された:c.855C>T(最長のタウアイソフォームのコード配列を示す配列番号2において、第855番に位置するヌクレオチド);c.1321C>T(同第1321番のヌクレオチド);c.1761G>A(同第1761番のヌクレオチド);c.2181T>C(同第2181番のヌクレオチド);およびIVS11+90G>A(第11イントロンのヌクレオチド配列を示す配列番号1において、第90番に位置するヌクレオチド)。これらの一塩基多型のうち、c.2181T>CおよびIVS11+90G>Aは公共のデータベース(NCBI dbSNPおよびIMS−JST JSNP)には登録されておらず、新規な多型と考えられた。
なお、タウ遺伝子中における他の多型は見出されなかった。また、タウ遺伝子の第9イントロン中に存在するSaitohin遺伝子についても多型の探索を行なったが、アルツハイマー病患者15人および健常対照15人からの試料においては多型は検出されず、さらに、アルツハイマー病患者132人および健常対照116人からの試料においてQ7R多型は検出されなかった。
次いで、134人のアルツハイマー病患者および158人の健常対照からの試料について、上記多型のタイピングを行なった。タイピングは、以下のプライマーおよび制限酵素を用いる制限断片長多型の検出法に従って行なった。ここで、c.855C>T、c.1321C>Tおよびc.2181T>Cは制限酵素認識配列の変更を伴わないため、これらのタイピングには人為的に制限酵素認識配列を作出するためのプライマーを用いた。
タイピングに用いたプライマーおよび制限酵素
(1)c.855C>T:
T809B:5'-AGAGATCCCAGCCTCAGAGCCCCA-3'(配列番号4);
T809A:5'-CTCCTTCTGCACGTTGGGTGTGA-3'(配列番号5);
制限酵素:NcoI、
(2)c.1321C>T:
T810C:5'-CTCCTGGTAGCTCAGACCCTCTG-3'(配列番号6);
T810D:5'-TGCCAGTTCGGGAAGTGACAGAAGATACGT-3'(配列番号7);
制限酵素:SnaBI、
(3)c.1761G>A:
T11U1:5'-CCACCTGCCTAACCCAGTG-3'(配列番号8);
T828:5'-CTTCCAGGCACAGCCCTAC-3'(配列番号9);
制限酵素:MvaI、
(4)c.2181T>C:
T810G:5'-ACACGTCTCCACGGCATCTCAGCCA-3'(配列番号10);
T810H:5'-AGGGAGGCAGACACCTCGTCAG-3'(配列番号11);
制限酵素:MvaI、
(5)IVS11+90G>A:
T810F:5'-GCTCCCGCAAGTTTCACACTCAAC-3'(配列番号12);
T920:5'-GCTGGAACTGCTCCAGACTTC-3'(配列番号13);
制限酵素:MboII。
その結果、c.1321C>TにおけるTアレルの比率は、健常対照では0.40であり、アルツハイマー病患者では0.42であった。c.855C>TにおけるTアレルの比率は、健常対照では0.18であり、アルツハイマー病患者では0.16であった。c.1761G>AにおけるAアレルは、1例の健常対照および4例のアルツハイマー病患者でしか見られなかった。また、c.2181T>CにおけるCアレルは、1例のアルツハイマー病患者でしか見られなかった。一方で、IVS11+90G>Aについてはアルツハイマー病との相関が見られた。
従って、IVS11+90G>Aに関し、本研究における調査対象者全員の試料についてタイピングを行なった。また、文献(Wenham P. R. et al., Lancet 337, 1158-1159, 1991)に記載の方法に従って、アポリポプロテインE(ApoE)の遺伝子型を調べた。IVS11+90G>A多型の遺伝子型分布を、GG型に対するAアレル(AA+GA対GG)のχP値およびオッズ比(OR)とともに以下の表1〜3に示す。
Figure 0004454986
Figure 0004454986
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発症年齢が65歳未満(若年性アルツハイマー病)の男性患者におけるIVS11+90Aアレルの頻度は、年齢および性別を一致させた健常対照に比べて有意に高く(OR=2.65、95%CI:1.30−5.42)、特に、発症年齢が60歳未満の男性患者においては、その有意差がさらに顕著であった(OR=3.43、95%CI:1.31−8.98)。
次いで、これらのアレルの発症年齢に対する影響を調べたところ、若年性アルツハイマー病男性患者において、GG型とAA型との間で、発症年齢に有意差が認められた(GG型:59.5±3.8歳、AA型:55.1±3.8歳、t検定P=0.021)。
さらに、若年性アルツハイマー病男性患者におけるAアレルの頻度は、老年性アルツハイマー病(65歳以上で発症)の男性患者に比べて有意に高かった(χP=0.025)。一方で、65歳未満の男性健常対照と65歳以上の男性健常対照との間では、このような有意差は見られなかった(χP=0.299)。
以上の結果から、IVS11+90Aアレルは、男性の若年性アルツハイマー病についてのリスクファクター(危険因子)であることが明らかとなった。
また、ApoE遺伝子型について分析したところ、ε4アレルの有無に関するオッズ比(OR)は、全試料においては3.53(95%CI:2.80−4.43)、若年性アルツハイマー病の男性患者においては2.63(95%CI:1.26−5.50)であり、予想通りの結果となった。さらに、若年性アルツハイマー病の男性患者を、ε4アレルの有無に関して二つの群に分けた場合(ε4アレルを有する33人の患者と、これを有さない53人の患者)、両群の間でIVS11+90Aアレルの頻度に有意差は見られなかった(χ=1.13、P=0.288)。従って、IVS11+90G>Aの効果は、ApoEの状態とは関連しないものと考えられる。
以上のように、IVS11+90Aアレルは、男性の若年性アルツハイマー病についてのリスクファクターであることが明らかとなったが、アルツハイマー病と同様にタウ蛋白の異常蓄積を伴う疾患、例えば、石灰沈着を伴うびまん性神経原繊維変化病(diffuse neurofibrillary tangles with calcification)、辺緑系神経原繊維変化痴呆(limbic neurofibrillary tangle dementia)、パーキンソン痴呆コンプレックス(Parkinson-dementia complex)等の神経原繊維変化型痴呆(dementia with neurofibrillary tangles)、および進行性核上性麻痺(progressive supranuclear palsy)、皮質基底核変性症(corticobasal degeneration)、第17番染色体に連鎖する前頭側頭型痴呆パーキンソニズム(frontotemporal dementia with parkinsonism linked to chromosome 17)等のグリアタングル型痴呆(dementias with glial tangles)など、についてのリスクファクターとして使用できる可能性も高いものと考えられる。

Claims (7)

  1. ヒトタウ遺伝子における、第11イントロンの第90番目に位置するグアニン(G)残基のアデニン(A)残基への変異を検出しうる核酸分子であって、
    配列番号1で表わされるヌクレオチド配列において第90番目に位置するグアニン(G)残基のアデニン(A)残基への変異を有する配列、またはこれに相補的な配列の、配列番号1中の第90番目に位置するヌクレオチド残基に対応する残基を含む領域のヌクレオチド配列を含んでなり、
    15〜50ヌクレオチドの鎖長を有する、核酸分子。
  2. 配列番号1で表わされるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドにおいて第90番目に位置するグアニン(G)残基のアデニン(A)残基への変異を有するポリヌクレオチドの、配列番号1中の第90番目に位置するヌクレオチド残基に対応する残基を含む領域を核酸増幅法において増幅することができる、請求項1に記載の核酸分子。
  3. 男性における若年性アルツハイマー病の発症のリスクの予測に用いるための、請求項1または2に記載の核酸分子。
  4. ヒトタウ遺伝子における、第11イントロンの第90番目に位置するグアニン(G)残基のアデニン(A)残基への変異を検出しうるプライマーペアであって、
    配列番号1で表わされるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドにおいて第90番目に位置するグアニン(G)残基のアデニン(A)残基への変異を有するポリヌクレオチドの、配列番号1中の第90番目に位置するヌクレオチド残基に対応する残基を含む領域を核酸増幅法において増幅することができ、
    一方のプライマーが、増幅対象領域のヌクレオチド配列中における5’末端部分の配列を有するものとされ、他方のプライマーが、増幅対象領域の相補鎖のヌクレオチド配列中における5’末端部分の配列を有するものとされ、
    各プライマーが15〜50ヌクレオチドの鎖長を有し、
    一方のプライマーが請求項1に記載の核酸分子である、プライマーペア。
  5. 男性における若年性アルツハイマー病の発症のリスクの予測に用いるための、請求項4に記載のプライマーペア。
  6. 男性における若年性アルツハイマー病の発症のリスクを予測するために、ヒトタウ遺伝子の変異を検出する方法であって、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の核酸分子、および/または請求項4もしくは5に記載のプライマーペアを用いて、ヒトタウ遺伝子における、第11イントロンの第90番目に位置するグアニン(G)残基のアデニン(A)残基への変異を検出する工程を含んでなる、方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の核酸分子、および/または請求項4もしくは5に記載のプライマーペアを含んでなる、男性における若年性アルツハイマー病の発症のリスクを予測するためのキット。
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