JP4454621B2 - 処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被処理体に成膜処理、エッチング処理等の処理を行う処理装置に関する。
半導体装置、液晶表示装置等の製造プロセスには、プラズマを用いてこれらの基板の表面を処理するプラズマ処理装置が使用されている。プラズマ処理装置としては、例えば、基板にエッチングを施すプラズマエッチング装置や、化学的気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)を施すプラズマCVD装置等が挙げられる。中でも、平行平板型のプラズマ処理装置は、処理の均一性に優れ、また、装置構成も比較的簡易であることから、広く使用されている。
平行平板型のプラズマ処理装置は、上下に互いに平行に対向する2つの平板電極を備える。2つの電極のうち、下部電極の上に基板が載置される。上部電極は、下部電極と対向する、多数のガス穴を有する電極板を備え、いわゆるシャワーヘッド構造を有する。上部電極は処理ガスの供給源に接続されており、処理時には、処理ガスが電極板のガス穴を介して2つの電極の間に供給される。電極間に供給された処理ガスは、電極への高周波電力の印加によりプラズマとされ、このプラズマによって基板の表面が処理される。
上記プラズマ処理装置において、基板表面を高い均一性で処理するには、各ガス穴からの処理ガスの供給を高精度に制御することが重要である。例えば、ガス穴からのガス供給が不均一である場合には、成膜処理された基板表面の膜厚分布が不均一となる。
シャワーヘッド構造の上部電極は、内部に中空の拡散部を有する。拡散部は、電極板の一面を覆うように設けられ、処理ガスは拡散部により多数のガス穴に拡散される。この構成において、ガス穴からの処理ガスの供給を制御するには、拡散部における処理ガスの拡散を制御してガス穴に導くことが大事である。
拡散部での処理ガスの拡散を制御するため、例えば、拡散部を複数の領域に分け、各領域にそれぞれ処理ガスを供給する構造が開発されている。この構造によれば、各領域に供給される処理ガスの量を調節することにより、各領域に連通するガス穴から噴出される処理ガスの量を制御することが可能となる。これにより、基板表面に均一性の高い処理を施すことができる。
しかし、上記構造を用いた場合、複数の拡散領域にそれぞれ接続する配管が必要となる。このため、装置の部品点数が増加し、装置構造が複雑となり、製造コストが増大するとともに、メンテナンス等の保守性が低下する。以上のように、装置構造を複雑化することなく、基板表面に均一性の高い処理を施すことができるプラズマ処理装置は、従来無かった。
上記事情を鑑みて、本発明は、簡単な装置構成で、被処理体に均一性の高い処理を施すことのできる処理装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、簡便な装置構成で、被処理体に処理ガスを制御性よく供給することのできる処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の処理装置は、
チャンバ(2)と、
複数のガス穴(22)を有し、前記ガス穴(22)を介して前記チャンバ(2)内に処理用のガスを供給する供給板(19)と、
前記ガスを、前記供給板(19)の主面に略水平な方向に拡散させる第1の拡散部と、
前記第1の拡散部が拡散した前記ガスを前記ガス穴(22)に導く第2の拡散部と、
を備え、
前記第2の拡散部は、その一面に形成され、前記供給板(19)に積層されて前記一面との間に中空部を形成する溝(57)と、前記溝(57)内に設けられ他面側に通じる貫通孔(54、55)と、を備える円盤状部材(41)から構成され、前記第1の拡散部からの前記ガスは、前記貫通孔(54、55)を介して前記中空部に供給され、
さらに、第2の拡散部を構成する前記溝(57)内に設けられ、前記中空部を複数の領域に分ける仕切り部材(56)を備え
前記貫通孔を前記仕切り部材に分けられた各領域から他面側に通じるように形成するとともに、前記第1の拡散部に前記貫通孔にそれぞれ連通する流路を設けることにより、独立した複数のガス流路を構成し、
前記チャンバ内に供給するガスの流量を前記ガス流路ごとにそれぞれ独立に制御する流量制御部(29a、29b)をさらに備える、ことを特徴とする。
記仕切り部材は、前記中空部を中心領域と端部領域とに分けてもよい。
前記仕切り部材は、前記中心領域の面積と前記端部領域の面積との比が2:1となるように、前記中空部を前記中心領域と前記端部領域とに分けることが好ましい。
前記流量制御部は、前記中心領域と前記端部領域とのガス流量比が1:1.2〜1.6となるように、前記複数のガス流路にガスを供給することが好ましい。
前記複数のガス流路は、共通のガス供給源(28)に接続されていることが好ましい。
本発明の実施の形態にかかる処理装置について、以下図面を参照して説明する。以下に示す実施の形態では、半導体ウェハ(以下、ウェハW)にCVD(Chemical Vapor Deposition)によりフッ化酸化シリコン(SiOF)膜を形成する、平行平板型のプラズマ処理装置を例として説明する。
(第1の実施の形態)
図1に、本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置1の断面図を示す。
図1に示すように、プラズマ処理装置1は、略円筒形状のチャンバ2を有する。チャンバ2は、アルマイト処理(陽極酸化処理)されたアルミニウム等の導電性材料からなる。また、チャンバ2は接地されている。
チャンバ2の底部には排気口3が設けられている。排気口3には、ターボ分子ポンプなどからなる排気装置4が接続されている。排気装置4は、チャンバ2内を所定の圧力、例えば、0.01Pa以下まで排気する。また、チャンバ2の側壁には、気密に開閉可能なゲートバルブ5が設けられている。ゲートバルブ5を開放した状態で、チャンバ2とロードロック室(図示せず)との間でのウェハWの搬入出がなされる。
チャンバ2の底部からは、略円柱状のサセプタ支持台6が起立している。サセプタ支持台6の上にはサセプタ8が設けられている。サセプタ8の上面には、ウェハWが載置される。サセプタ支持台6とサセプタ8とは、セラミックなどからなる絶縁体7により絶縁されている。また、サセプタ支持台6はシャフト9を介して昇降機構(図示せず)に接続され、チャンバ2内を昇降可能となっている。ゲートバルブ5から搬入されたウェハWは、下降位置においてサセプタ8上に載置される。また、サセプタ8の上昇位置において、ウェハWにプラズマ処理が施される。
サセプタ支持台6又はチャンバ2の内壁には、円板状環状のバッフル板10が取り付けられている。バッフル板10は、サセプタ8よりも少し下方に設けられている。バッフル板10はアルミニウム等の導電体で構成されている。バッフル板10は図示しないスリットを有する。スリットは、ガスを通す一方で、プラズマの通過を妨げる。これにより、バッフル板10はプラズマをチャンバ2の上部に閉じこめる。
サセプタ支持台6の下方は、例えば、ステンレス鋼からなるベローズ11で覆われている。ベローズ11は、その上端と下端とがそれぞれサセプタ支持台6の下部およびチャンバ2の底面にねじ止めされている。ベローズ11は、サセプタ支持台6の昇降と共に伸縮して、チャンバ2内の気密性を保持する。
サセプタ支持台6の内部には、下部冷媒流路12が設けられている。下部冷媒流路12には冷媒が循環している。下部冷媒流路12により、サセプタ8およびウエハWは所望の温度に維持される。
サセプタ支持台6には、リフトピン13が、絶縁体7およびサセプタ8を貫通するように設けられている。リフトピン13はシリンダ等(図示せず)により昇降可能となっている。リフトピン13の昇降により、図示しない搬送アームとのウェハWの受け渡しがなされる。
サセプタ8は、アルミニウム等の導体からなる円板状部材から構成されている。サセプタ8上には、ウエハWと略同形の図示しない静電チャックが設けられている。静電チャックに直流電圧が印加されて、ウェハWはサセプタ8上に固定される。
サセプタ8の周縁には、サセプタ8を包囲するようにフォーカスリング14が設けられている。フォーカスリング14は、例えば、セラミックから構成されている。フォーカスリング14は、その内側に載置されたウェハWにプラズマ活性種を効果的に入射させる。
サセプタ8は下部電極として機能する。サセプタ8には、第1の高周波電源15から第1の整合器16を介して、0.1〜13MHzの範囲の周波数の高周波電力が供給される。
サセプタ8の上方には、サセプタ8と平行にかつ対向するように上部電極17が設けられている。上部電極17は、絶縁材18を介してチャンバ2の上部に設置されている。上部電極17は、電極板19と、電極支持体20と、第1の拡散板21と、から構成されている。
電極板19は、アルミニウム等の導電性材料から構成されている。電極板19は、電極板19を貫通する多数のガス穴22を有する。また、電極板19には、第2の整合器23を介して、第2の高周波電源24が接続されている。第2の高周波電源24は、13〜150MHzの高周波電力を電極板19に印加する。サセプタ8(下部電極)と上部電極17とに高周波電極を印加することにより、これらの間にプラズマが生成される。
電極支持体20には、第1の拡散板21および電極板19が保持されている。電極支持体20の内部には、上部冷媒流路25が設けられている。上部冷媒流路25には冷媒が循環している。上部冷媒流路25により、上部電極17は所望の温度に維持される。
また、電極支持体20にはガス供給管27が接続され、ガス供給源28に接続されている。ガス供給源28からは、SiOF膜の成膜に用いられている処理ガスが供給される。処理ガスは、例えば、四フッ化シラン(SiF)、シラン(SiH)、酸素(O)と、アルゴン(Ar)と、の混合ガスから構成される。
ガス供給源28とガス供給管27との間にはマスフローコントローラ(MFC)等の流量制御装置29が設けられている。ガス供給源28から、流量制御装置29によってその流量が調整されて処理ガスがチャンバ2内に供給される。
第1の拡散板21は、アルミニウム等の導電性材料からなる円盤状部材から構成される。第1の拡散板21は、電極板19と電極支持体20とに挟まれ、電極板19とほぼ同径を有する。第1の拡散板21は、ガス供給管27から供給された処理ガスを、電極板19の一面に拡散させる。拡散された処理ガスは、電極板19の多数のガス穴22に供給される。これにより、電極板19のすべてのガス穴22からウェハWの表面に処理ガスが供給される。
上部電極17の分解した断面図を図2に示す。図2に示すように、第1の拡散板21には、一面に所定深さの溝として形成された第1のチャネル30と、第1の拡散板21を貫通する第1及び第2の導通口31a、31bと、他面に所定深さの凹部として形成された第1の凹部32と、が形成されている。第1のチャネル30と、第1及び第2の導通口31a、31bと、第1の凹部32と、は、切削加工、ドリル加工等によって、簡便に形成することができる。上部電極17の内部には、第1のチャネル30、第1及び第2の導通口31a、31bとから構成される、ガス流路Lが形成される。
第1のチャネル30はガス供給管27と連通しており、ガス供給源28からの処理ガスの供給を受けるよう配置されている。第1及び第2の導通口31a、31bは、第1のチャネル30と第1の凹部32とを接続している。従って、ガス供給管27から供給された処理ガスは、ガス流路Lを通って、図2の矢印に示すように水平方向に拡散されて第1の凹部32に供給される。
拡散された処理ガスは、電極板19と第1の拡散板21の第1の凹部32とにより形成された中空部に供給される。中空部(第1の凹部32)に拡散されて供給された処理ガスは、中空部でさらに拡散されて、電極板19の多数のガス穴22に、圧力等に関する高い均一性で供給される。従って、多数のガス穴22から、処理ガスがウェハWの表面全体にほぼ均等に供給される。これにより、良好な膜厚分布が得られるなど、均一性の高い処理が可能となる。
以下、第1の拡散板21の構成を詳細に説明する。図3に、第1の拡散板21のA矢視図を示す。図3に示すように、第1の拡散板21の一面に形成された第1のチャネル30は、4本の第1の溝30a、…、30aと、1本の第2の溝30bから構成される。
第1の溝30a、…、30aは、第1の拡散板21の略中心から、互いに略直角となるように放射状に延びている。第1の溝30a、…、30aは、ほぼ同じ長さを有し、中心において接続している。また、第2の溝30bは、隣り合う第1の溝30a、30aの間に形成されている。第2の溝30bは、第1の溝30a、…、30aとほぼ同じ長さを有し、中心において第1の溝30a、…、30aと接続している。
第1の溝30a、…、30a内には、第1の導通口31aが中心から等距離にそれぞれ設けられている。また、中心には第2の導通口31bが設けられている。第1及び第2の導通口31a、31bは、第1の拡散板21の両面を貫通して設けられている。
第2の溝30bは、ガス供給管27から処理ガスの供給を受ける位置に設けられている。すなわち、例えば、第2の溝30bは、ガス供給管27が電極支持体20に接続された位置の直下に配置されている。ガス供給管27から第1の拡散板21に向けて供給された処理ガスは、第2の溝30bにおいて受け止められる。その後、処理ガスは第2の溝30bを流れ、第2の導通口31bを介して他面側に流れるとともに、4本の第1の溝30aにほぼ均等に分散されて流れる。第1の溝30aを流れる処理ガスは、第1の導通口31aに達し、第1の導通口31bを介して他面側の第1の凹部32に供給される。
図4に、第1の拡散板21のB矢視図を示す。図4に示すように、第1の拡散板21の他面には、略円形の第1の凹部32が形成されている。第1の凹部32は、第1の拡散板21のほぼ全面に所定の深さで形成されている。第1の拡散板21と電極板19とが重なって配置されて、第1の凹部32によって中空部が形成される。
第1の拡散板21の一面に供給され、第1のチャネル30で拡散された処理ガスは、第1の導通口31a、…、31aおよび第2の導通口31bを介して、他面の中空部(第1の凹部32)に供給される。処理ガスは中空部内で拡散されてガス穴22に供給される。これにより、処理ガスはガス穴22からウェハWの表面に対して高い均一性で供給される。
以下、上記構成のプラズマ処理装置1の、成膜処理時の動作について、図面を参照して説明する。なお、以下に示す動作は一例であり、同様の結果物が得られる構成であれば、いかなるものであってもよい。
まず、ウエハWをチャンバ2内に搬入する。ウェハWは、サセプタ支持台6が下降位置にある状態で、サセプタ8の表面から突出した状態のリフトピン13上に載置される。次いで、リフトピン13の降下によりウェハWはサセプタ8上に載置され、静電チャックにより固定される。次いで、ゲートバルブ5は閉鎖され、排気装置4によって、チャンバ2内は所定の真空度まで排気される。その後、サセプタ支持台6は、処理位置まで上昇する。この状態で、サセプタ8は所定の温度、例えば、50℃とされ、チャンバ2内は、排気装置4により高真空状態、例えば、0.01Paとされる。
その後、処理ガス供給源28から、例えば、SiF、SiH、O、NF、NHガスおよびArガスからなる処理ガスが、流量制御装置29により所定の流量に制御されてガス供給管27に供給される。混合ガスは、拡散板21により十分に拡散されて、電極板19のガス穴22からウエハWに向けて高い均一性で噴出される。
その後、第2の高周波電源24が、例えば、13〜150MHzの高周波電力を上部電極17に印加する。これにより、上部電極17と下部電極としてのサセプタ8との間に高周波電界が生じ、処理ガスのプラズマが発生する。他方、第1の高周波電源15が、例えば、0.1〜13MHzの高周波電力を下サセプタ8に供給する。これにより、プラズマ中の活性種がサセプタ8側へ引き込まれ、ウェハW表面近傍のプラズマ密度が高められる。生成したプラズマにより、ウェハWの表面で化学反応が進行し、ウェハWの表面にSiOF膜が形成される。
所定の厚さの膜が形成された後、高周波電力の供給を停止するとともに、処理ガスの供給を停止する。チャンバ2内の圧力を元の圧力に戻した後、ウェハWを搬入したのと逆の順序で、ウェハWをチャンバ2内から搬出する。以上で、ウェハWの成膜工程は終了する。
以上説明したように、第1の実施の形態では、上部電極17は、ガス供給管27と、電極板19と、これらの間に設けられた第1の拡散板21と、から構成されている。第1の拡散板21は、一面に放射状に形成された複数の溝からなる第1のチャネル30を備え、他面にほぼ全体に形成された第1の凹部32を備える。ガス供給管27から供給された処理ガスは、第1のチャネル30において電極板19の主面に水平な方向に拡散された後に他面側の第1の凹部32に供給される。処理ガスは第1の凹部32においてさらに拡散されて多数のガス穴22にほぼ均等に供給される。これにより、処理ガスは、ガス穴22から高い均一性でウェハWに供給され、膜厚分布等の良好な、均一性の高い処理が可能となる。
また、第1の拡散板21は、その両面に溝または凹部が形成された一枚の板状部材から構成されている。従って、第1の拡散板21は、例えば、一枚のアルミニウム板の両面に切削等の加工を施すことにより、簡単に作成することができる。さらに、複数の配管を必要としない。従って、簡便に、装置構成を複雑化させることなく、ガス穴22への均一性の高い処理ガスの拡散が可能となる。これにより、製造コストの増大、および、メンテナンス等の保守性の低下を防ぎつつ、均一性の高い処理を実現できる。
上記第1の実施の形態では、第1の拡散板21に4本の第1のチャネル30aを設け、4個の第1の導通口31aから中空部に処理ガスを供給する構成とした。しかし、第1の導通口31aの数はこれに限らず、第1のチャネル30aの数を5本以上として、各第1のチャネル30aに第1の導通口31aを設けてもよい。また、第1の導通口31aを第1のチャネル30aに2つ以上形成した構成としてもよい。この場合においても、第1の拡散板21の溝又は穴を増加させるだけでよく、装置構成を複雑化させることなく、処理ガスのより均等な分散を図れる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る処理装置は、図1に示すプラズマ処理装置1と、上部電極17を除いて同一の構成を有する。図5に、第2の実施の形態にかかる上部電極17の分解図を示す。なお、理解を容易にするため、図5中では図2と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2の実施の形態では、ウェハWの中心部と端部とにそれぞれ流量を独立に制御して処理ガスを供給する。すなわち、図5に示すように、電極支持体20には、中心部ガス供給管27aと、端部ガス供給管27bと、が接続され、それぞれ、流量制御装置29a、29bを介して、共通のガス供給源28に接続されている。
中心部ガス供給管27aおよび端部ガス供給管27bから供給された処理ガスは、それぞれ、上部電極17内に形成された2つの独立な中心部ガス流路Lおよび端部ガス流路Lを通って拡散されて、電極板19の中心部および端部に供給される。これにより、処理ガスは、電極板19のガス穴22を通って、ウェハWの中心部と端部とにそれぞれ異なる流量に制御されて供給される。
第2の実施の形態の上部電極17は、電極板19と電極支持体20との間に、第2の拡散板40と、第3の拡散板41と、が設けられている。第2及び第3の拡散板40、41は、アルミニウム等の導電性材料からなる、円盤状部材から構成されている。第2および第3の拡散板40、41は、電極板19とほぼ同径を有する。第2及び第3の拡散板40、41は、2つの独立な中心部ガス流路Lおよび端部ガス流路Lを、上部電極17内に形成する。
第2の拡散板40は、電極支持体20に接するように配置される。第2の拡散板40は、一面に所定深さの溝として形成された第2のチャネル50と、第2の拡散板40を貫通する第3および第4の導通口51、52と、を備える。第2のチャネル50と、第3および第4の導通口51、52と、は、切削加工、ドリル加工等によって簡便に形成することができる。
図5に示す第2の拡散板40のC矢視図を図6に示す。図6に示されるように、第2の拡散板40の一面には、4本の第2の溝50a、…、50aからなる第2のチャネル50が形成されている。第2の溝50a、…、50aは、第2の拡散板40の略中心において接続し、中心から放射状に延びている。第2の溝50a、…、50aは、ほぼ同じ長さで、互いにほぼ直交するように形成されている。
第2の溝30a内には、それぞれ、中心からほぼ等距離に第3の導通口51が形成されている。端部ガス供給管27bは、第2の拡散板40の略中心に処理ガスを供給するように設けられている。これにより、処理ガスは、中心から4本の第2の溝50a、…、50aにそれぞれほぼ均等に分散されて供給される。処理ガスは、第2の溝50aを流れて、第3の導通口51から第2の拡散板40の他面側に供給される。
第4の導通口52は、第2の溝50aと重ならない位置に形成されている。中心部ガス供給管27aは、第4の導通口52と接続されるように配置されている。これにより、中心部ガス供給管27aから供給された処理ガスは、第4の導通口52を介して、第2の拡散板21の他面側に供給される。
図5に戻り、第3の拡散板41は、第2の拡散板40と電極板19との間に配置されている。第3の拡散板41は、第2の拡散板40に対向する面に所定深さの溝として形成された第3のチャネル53と、第3の拡散板41を貫通する第5及び第6の導通口54、55と、電極板19に対向する面に所定深さの凹部として形成された第2の凹部56と、を備える。第3のチャネル50と、第5および第6の導通口54、55と、第2の凹部56と、は、切削加工、ドリル加工等によって簡便に形成することができる。
また、第2の凹部57と電極板19とで形成された中空部は、仕切り部材56によって中心部と端部とに分けられている。
図7に、図5に示す第3の拡散板41のD矢視図を示す。図に示すように、第3の拡散板41の一面には、第3のチャネル53を構成する、4本の第3の溝53a、…、53aと、1本の引き出し溝53bと、が形成されている。第3の溝53a、…、53aは、第3の拡散板41の略中心において接続し、中心から放射状に延びている。第3の溝53aは、それぞれほぼ同じ長さで、互いにほぼ直交するように形成されている。
第3の溝53a内には、第5の導通口54がそれぞれ中心からほぼ等距離に設けられている。ここで、第3の溝53aは、第2の溝50aよりも短い長さとされている。
引き出し溝53bは、第3の溝53a、…、53aと、中心において接続している。引き出し溝53bの一端は、第2の拡散板40の第4の導通口52と重なるように設けられている。これにより、中心部ガス供給管27aから供給され、第4の導通口52を通過した処理ガスは、引き出し溝53bにて受け止められ、中心方向へと流れる。その後、処理ガスは、第3の溝53a、…、53aにほぼ均等に分散され、第5の導通口54を介して他面側へと流れる。
第6の導通口55は、第3の拡散板41に4個設けられている。第6の導通口55は、第2の拡散板40の第3の導通口51と重なり、連通するように設けられている。これにより、端部ガス供給管27bから供給され、第3の導通口51を通過した処理ガスは、第6の導通口55を通過して他面側に流れる。
図8に、図5に示す第3の拡散板41のE矢視図を示す。図に示すように、第2の凹部57は、第3の拡散板41のほぼ全体に、第3の拡散板41とほぼ同心の略円形状に形成されている。第2の凹部57は、環状の仕切り部材56によって中心領域57aと、端部領域57bとに分けられている。仕切り部材56は、例えば、アルミニウムから構成され、第2の凹部57の深さとほぼ同じ幅を有する帯状の部材から構成されている。環状の仕切り部材56は、第2の凹部57と略同一の中心を有する。仕切り部材56は、第3の拡散部材41と電極板19とによって形成される中空部(第2の凹部57)を、中心領域57aと端部領域57bとに分ける。
ここで、仕切り部材56は、図8に示す第2の凹部57の平面を、中心領域57aと端部領域57bとで所定の面積比に分けるように設けられる。仕切り部材56の径は、例えば、中心領域57aの面積:端部領域57bの面積=2:1となるように構成される。なお、ここでいう面積とは、実質的には第3の拡散板41の主面に垂直な方向からみた断面積である。
上述したように、第5の導通口54を備える第3の溝53aは、第3の導通口51を備える第2の溝50aよりも短く形成されている。図8に示すように、第5の導通口54は、仕切り部材56の内側に配置されている。また、第3の導通口51と連通する第6の導通口55は、仕切り部材56の外側に配置されている。これにより、第5の導通口54からの処理ガスは第2の凹部57の中心領域57aに供給され、一方、第6の導通口55からの処理ガスは第2の凹部57の端部領域57bに供給される。
図5を参照して以上まとめると、上部電極17内には、第2および第3の拡散板40、41によって、互いに独立な中心部ガス流路Lと端部ガス流路Lと形成される。中心部ガス供給管27aから供給された処理ガスは、一点鎖線の矢印に示すように、中心部ガス流路Lを通過することによって拡散板19の主面に水平な方向に拡散され、中心領域57aと連通するガス穴22からウェハWの中心部に噴出される。また、端部ガス供給管27bから供給された処理ガスは、鎖線の矢印に示すように、端部ガス流路Lを通過することによって拡散され、端部領域57bと連通するガス穴22からウェハWの端部に噴出される。
互いに独立な中心部ガス流路Lと端部ガス流路Lとには、流量制御装置29a、29bによって、流量が制御されて処理ガスが供給される。従って、ウェハWの中心部と端部とに、それぞれ、流量を制御して処理ガスを供給することができる。
図9に、中心領域57aと端部領域57bの面積比(断面積比)を2:1として、流量制御装置29a、29bにより中心領域57a及び端部領域57bへの処理ガスの供給量比を変化させ、ウェハWの表面における成膜速度の均一性を調べた結果を示す。
図9よりわかるように、中心領域57aと端部領域57bとにおけるガス供給量比が1:1.2〜1.6のときに、成膜速度は良好な均一性を示し、特に、1:1.4付近で最も良好である。なお、成膜速度均一性は、ウェハWの表面における成膜速度のばらつきの程度を示し、その値が低い程、ばらつきが低く、面内均一性の高い成膜が行われる。従って、中心領域57aと端部領域57bとの面積比が2:1である場合には、中心領域57aと端部領域57bとに対するガス供給量比を1:1.4付近とすることにより、膜厚分布の良好な、均一性の高い処理が可能となる。
また、第2の凹部57内に配置された仕切り部材56の径を調節することにより、さらに良好にガス供給を制御することができる。図10に、中心領域57a及び端部領域57bへのガス供給量比を一定として、各領域57a、57bの面積比を変化させたときの成膜速度の均一性を調べた結果を示す。
図10に、ガス供給量比を1:1.4、1:1.8、1:2として、面積比を変化させた場合の結果を示す。図10より、ガス供給量比が1:1.4の場合の最適な面積比は、2:1あたりであることがわかる。また、同様に、ガス供給量比が1:1.8の場合には、1.5:1程度、ガス供給量比が1:2の場合には、1:1程度が最適であることがわかる。このように、所望の結果物が得られるよう、面積比と、供給量比と、を調節して最適化することができることがわかる。
(実施例)
種々の膜について、成膜速度均一性等の均一性が最も良好な処理条件について調べた。結果を図11に示す。図11では、SiO、SiOF、SiC、SiN、SiCN、CF、SiCHおよびSiCOについて調べている。なお、ガス種は、図中のものに限らず、SiHはTEOS等と、SiFはSi等と、CHはC等と、CはCF等と、NはNO、NO等と、OはNO、CO等と、3MS(トリメチルシラン)はメチルシラン、ジメチルシラン等と代替可能である。また、その他代替可能なガスを図12に示す。
図11に示すように、成膜種にあわせて、中心領域と端部領域との比を適宜変え、処理条件の最適化を図ることができる。
以上説明したように、第2の実施の形態では、ガス穴22と通じる第2の凹部57を中心領域57aと端部領域57bとに分け、中心領域57aと端部領域57bとにそれぞれ通じる中心部ガス流路Lと端部ガス流路Lとを上部電極17内に形成している。処理ガスは、中心部ガス流路Lと端部ガス流路Lとを流れることにより拡散されて、中心領域57aと端部領域57bとにそれぞれ独立に制御されて供給される。処理ガスは、中心領域57aと端部領域57bとにおいてさらに拡散されて、ガス穴22を介して、ウェハWの中心部と端部とに噴出される。これにより、ウェハWへの処理ガスの供給を良好に制御し、均一性の高い処理を行うことができる。
また、上記構造は、溝と貫通穴とが形成された2枚の円盤状部材によって形成される。従って、装置構成の複雑化することはなく、製造コストの増大およびメンテナンス等の保守性の劣化を防ぎつつ、均一性の高い処理が実現される。
さらに、中心領域57aと端部領域57bとの境界は、仕切り部材56の径を変化させることにより、変化させることができる。このように、2つの領域を変化させることにより、処理ガスの供給をより高精度に制御することができる。
上記第2の実施の形態では、互いに独立なガス流路L、Lには、同一のガス種を流す構成とした。しかし、ガス流路L、Lに、処理空間以外での混合が望ましくない別種のガスをそれぞれ流すようにしてもよい。また、ガス流路は2本に限らず、3本以上形成してもよい。
上記第2の実施の形態では、第2のチャネル50aおよび第3のチャネル53aは、それぞれ4本形成するものとした。しかし、それぞれ5本以上設け、処理ガスをより拡散させるようにしてもよい。また、中心領域57a及び端部領域57bにはそれぞれ4個の導通口54、55からガス供給が行われるものとした。しかし、これに限らず、それぞれ5個以上としてもよい。
また、上記第2の実施の形態では、中空部57は、1つの仕切り部材56によって2つの領域に分けるものとした。しかし、内径の異なる複数の仕切り部材を用いて、断面積比の異なる3つ以上の領域に分けるものとしてもよい。また、中空部57の分け方はこれに限らず、例えば、中空部57の直径上に配置した複数の板状部材によって、中空部57を分けるようにしてもよい。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る処理装置は、図1に示すプラズマ処理装置1と、上部電極17を除いて同一の構成を有する。図13に、第2の実施の形態にかかる上部電極17の拡大図を示す。なお、理解を容易にするため、図13中では図2と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
第3の実施の形態のプラズマ処理装置1は、処理ガスと、キャリアガスと、が互いに接することなく拡散されてガス穴22から噴出される構成を有する。すなわち、図14に示すように、上部電極17には、処理ガス供給管27aと、キャリアガス供給管27bと、が設けられ、それぞれ、流量制御装置29a、29bを介して、処理ガス供給源28aと、キャリアガス供給源28bと、にそれぞれ接続されている。ここで、処理ガス供給源28aからは、SiOF膜の成膜に従来用いられている種々のガス、例えば、SiF、SiH、O、NF、NHの混合ガスが供給され、キャリアガス供給源28bからはArガスが供給される。
また、上部電極17内には、処理ガス供給管27aと、キャリアガス供給管27bと、をそれぞれ起点とする2つのガス流路L(実線矢印)、L(破線矢印)が形成されている。ガス流路L、Lは互いに独立に形成され、処理ガス及びキャリアガスは、ガス流路L、Lを通過することにより拡散され、電極板19の多数のガス穴22からほぼ均等にウェハWに供給される。
上部電極17の分解図を図14に示す。上部電極17は、円筒状の電極支持体20と、電極板19と、に円盤状の拡散板21が挟まれた構成となっている。
電極支持体20の内部には、図14に示すように、その主面に対して水平方向に延びる2つの中空部71、72が形成されている。2つの中空部71、72は、互いに電極支持体20の主面からの距離が異なるよう配置されている。
2つの中空部71、72のうち、拡散板21により近い第1の中空部71には、第7及び第8の導通口73a、73bが接続されている。第7の導通口73aは、第1の中空部71から、電極支持体20の主面に垂直な方向(図中上方向)に延び、処理ガス供給管27aと連通している。また、第8の導通口73bは、第1の中空部71から第7の導通口73aとは反対の方向(図中下方向)に延び、電極支持体20の下面側の空間と連通している。これにより、処理ガス供給管27aから供給された処理ガスは、第7の導通口73aと、第1の中空部71と、第8の中空部73bと、から構成されるガス流路Lを流れる。
拡散板21からより遠くに形成された第2の中空部72には、第9及び第10の導通口74a、74bが接続されている。第9の導通口74aは、第2の中空部72から、電極支持体20の主面に垂直な方向(図中上方向)に延び、キャリアガス供給管27bと連通している。また、第10の導通口74bは、第2の中空部72から第9の導通口74aとは反対の方向(図中下方向)に延び、電極支持体20の下面側の空間と連通している。これにより、キャリアガス供給管27bから供給されたキャリアガスは、第9の導通口74aと、第2の中空部72と、第10の中空部74bと、から構成されるガス流路Lを流れる。
図14に示す電極支持体20のA矢視線断面を図15に示す。図に示すように、第2の中空部72は、電極支持体20の略中心から放射状に延びる4本の第1の直線孔72a、…、72aと、隣接した2本の第1の直線孔72aの間に、同一中心から放射状に設けられた第2の直線孔72bと、から構成される。第1の直線孔72a、…、72aは、互いにほぼ直交するように設けられている。また、第1及び第2の直線孔72a、72bは、略同一平面上に形成されている。
各第1の直線孔72aは、第10の導通口74bと、中心からほぼ等距離の地点で接続している。また、第2の直線孔72bは、第9の導通口74aと連通している。
キャリアガス供給源27bから供給されたキャリアガスは、第9の導通口74aを通って第2の直線孔72bへと流れる。キャリアガスは第2の直線孔72b内を中心へと向かい、中心から4本の第1の直線孔72aへと分散される。これにより、キャリアガスは水平方向に拡散される。第1の直線孔72aを通過したキャリアガスは、第10の導通口74bから拡散板21側へと流れる。
また、処理ガス供給管27aと接続する第7の導通口73aは、第2の中空部72と重ならない位置に形成されている。
図14に示す上部電極17のB矢視線断面を図16に示す。図16に示すように、第1の中空部71は、その略中心から放射状に延びる4本の第3の直線孔71a、…、71aと、隣接した2本の第3の直線孔71aの間に、同一中心から放射状に延びる第4の直線孔71bと、から構成される。第3の直線孔71a、…、71aは、互いにほぼ直交するように、略同一平面上に形成されている。また、第3及び第4の直線孔71a、71bは、第10の導通口74bと重ならない位置に設けられている。
各第3の直線孔71aは、第8の導通口73bと、中心からほぼ等距離の地点、および、中心で接続している。また、第4の直線孔71bは、第7の導通口73aと連通している。
処理ガス供給管27aから供給された処理ガスは、第7の導通口73aを通って第4の直線孔71bへと流れる。処理ガスは、第4の直線孔71b内を中心へと向かい、中心から4本の第3の直線孔71aへと分散される。このようにして、処理ガスは水平方向に拡散される。第3の直線孔71aを通過した処理ガスは、第8の導通口73bから拡散板21側へと流れる。
ここで、第1及び第2の中空部71、72を構成する直線孔71a、71b、72a、72bは、電極支持体20の側壁から中心に向けて所定の深さの孔を穿設し、その端部を封止部材75で封止することによって形成される。
例えば、直線孔は、電極支持体20の側壁に略垂直な方向からその中心方向に、ガンドリルによる穿孔を行うことによって形成される。ガンドリルによる穿孔は、例えば、電極支持体20をその中心を中心として回転させて、複数回行う。これにより、中心で互いに連通する複数の直線孔が形成される。その後、形成した直線孔の端部を、アルミニウム等の電極支持体20と同じ材料からなる封止部材75で封止することにより、中空部が形成される。ここで、第1および第2の中空部71、72は、例えば、ガンドリルと電極支持体20の相対的な位置を変えることにより、簡単に形成することができる。このように形成した直線孔に達するように、電極持支持体20の主面に垂直な方向から穴(導通口)を形成して、上記構成の電極支持体20を形成することができる。
図14に戻り、拡散板21の電極支持体20との対向面には、第4のチャネル76が形成されている。第4のチャネル76は、複数の溝から構成され、電極支持体20の下面に蓋をされた状態で中空部を形成する。第4のチャネル76は、第10の導通口74bと連通するように、かつ、第8の導通口73bとは連通しないように設けられている。また、第4のチャネル76には、拡散板21を貫通する多数の第1の貫通口77が形成され、第1の貫通口77はそれぞれガス穴22と連通するように設けられている。
第4のチャネル76と、第1の貫通口77と、は、キャリアガスが流れるガス流路Lを構成する。第10の導通口74bから拡散板21に供給されたキャリアガスは、第4のチャネル76によって水平方向に拡散され、第1の貫通口77を通って多数のガス穴22からほぼ均等に噴出される。
また、拡散板21には、第2の貫通口78が、第2の導通口73bと連通するように、拡散板21を貫通して設けられている。拡散板21の電極板19との対向面には、第5のチャネル79が設けられている。第5のチャネル79は、複数の溝から構成され、電極板19の上面に蓋をされた状態で中空部を形成する。第5のチャネル79は、第2の貫通口78と連通するように、かつ、第1の貫通口77と連通しないように設けられている。
第2の貫通口78と、第5のチャネル79と、は、処理ガスが流れるガス流路Lを構成する。第8の導通口73bから拡散板21に供給された処理ガスは、第2の貫通口77を通って第5のチャネル79で水平方向に拡散される。第5のチャネル79は、多数のガス穴22と連通しており、拡散された処理ガスがガス穴22からほぼ均等に供給される。
ここで、拡散板19の多数のガス穴22は、第1の貫通口77か、第5のチャネル79のいずれかに、例えば、それぞれに同数ずつ接続されている。これにより、ガス流路Lを通る処理ガスと、ガス流路Lを通るキャリアガスと、は、互いに接することなく水平方向に拡散されて、ガス穴22からそれぞれほぼ均等に噴出される。処理ガスとキャリアガスとは、チャンバ2の内部で初めて混合され、ウェハW上に供給されてプラズマとされる。
上記第3の実施の形態の上部電極17は、以下のような利点を有する。すなわち、処理に用いるガスを拡散させるための拡散領域(第1および第2の中空部71、72)をガンドリル等を用いて電極支持体20に穿孔することにより形成している。このように、拡散領域を電極支持体20の内部に形成することにより、部品点数を増やすこと無く、また、装置構造を複雑化することなく、ガス穴22からのガス供給を均等なものとして、均一性の高い処理を行うことができる。
また、部品点数が増加しないことから、上部電極17内に存在する界面(例えば、電極支持体20と拡散板21との界面)も増加しない。従って、界面の増加に伴う表皮効果の増大による、高周波電力の損失も防がれる。
上記第3の実施の形態では、上部電極17の内部には、互いに連通しない独立したガス流路L、Lを2本形成するものとした。しかし、必要であれば、上部電極17内のガス流路を3本以上としてもよい。この場合、例えば、電極支持体20内部の中空部の数を、電極支持体20の一面からの距離をそれぞれ変え、3層以上の中空部形成すればよい。
また、上記第3の実施の形態では、ガス流路Lに処理ガスを流し、ガス流路Lにキャリアガスを流すものとした。しかし、ガス流路L、Lに、チャンバ外での混合が望ましくないガス、例えば、可燃性ガスと支燃性ガスをそれぞれ流すようにしてもよい。
上記第3の実施の形態では、電極支持体20の第1および第2の中空部71、72は、4本の直線孔からそれぞれ構成されるものとした。しかし、直線孔の本数は、これに限らず、ガスをよりより拡散させるため5本以上としてもよい。また、上部電極17に直線孔を形成する方法は、ガンドリルによる穿孔に限らず、レーザ等により穿孔してもよい。さらにまた、直線孔は、電極支持体20の側壁から中心までの深さで形成するものとしたが、電極支持体20を貫通するように形成しても良い。
上記第1〜3の実施の形態では、上部電極17はアルミニウムから構成されているものとした。しかし、上部電極17を構成する材料はこれに限らず、SUS等、処理に悪影響を与えるもの以外の導電性材料を用いることができる。
上記第1〜3の実施の形態では、SiF、SiH、O、NF、NHガスおよびAr、窒素等の不活性ガスを用いてウェハにSiOF膜を成膜するものとしたが、使用するガスはこれに限られない。また、成膜される膜に関しても、SiO膜、SiC膜、SiN膜、SiOC膜、CF膜等、いかなる膜であってもよい。
また、本発明は、被処理体の主面に対向する側からシャワーヘッド型の板状部材を介して処理ガスを供給して被処理体を処理するものであれば、プラズマCVD処理に限らず、熱CVD処理を行う装置等にも適用することができ、さらには、他の成膜処理、エッチング処理、熱処理等の種々の処理を行う装置に適用することができる。また、被処理体は、半導体ウェハに限らず、液晶表示装置用のガラス基板等であってもよい。
(産業上の利用可能性)
本発明は、半導体ウェハ等の被処理体に成膜処理、エッチング処理等を施す処理装置に好適に適用することができる。
本発明は、2001年1月22日に出願された特願2001−13570号および2001年1月23日に出願された特願2001−14011号に基づき、その明細書、特許請求の範囲、図面および要約書を含む。上記出願における開示は、本明細書中にその全体が引例として含まれる。
図1は、第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成を示す図である。 図2は、図1に示す上部電極の拡大図を示す。 図3は、図2に示す上部電極のA矢視図を示す。 図4は、図2に示す上部電極のB矢視図を示す。 図5は、第2の実施の形態に係る上部電極の分解図を示す。 図6は、図5に示す上部電極のC矢視図を示す。 図7は、図5に示す上部電極のD矢視図を示す。 図8は、図5に示す上部電極のE矢視図を示す。 図9は、処理ガスの供給量比と、成膜速度の均一性を調べた結果を示すグラフである。 図10は、処理ガスの供給量比と、面積比と、を互いに変化させたときの成膜速度の均一性を調べた結果を示すグラフである。 図11は、種々の成膜種についての成膜条件の例を示す。 図12は、代替可能なガスを示す。 図13は、第3の実施の形態に係る上部電極の拡大図を示す。 図14は、図13に示す上部電極の分解図を示す。 図15は、図13に示す上部電極のA矢視線断面図を示す。 図16は、図13に示す上部電極のB矢視線断面図を示す。

Claims (5)

  1. チャンバ(2)と、
    複数のガス穴(22)を有し、前記ガス穴(22)を介して前記チャンバ(2)内に処理用のガスを供給する供給板(19)と、
    前記ガスを、前記供給板(19)の主面に略水平な方向に拡散させる第1の拡散部と、
    前記第1の拡散部が拡散した前記ガスを前記ガス穴(22)に導く第2の拡散部と、
    を備え、
    前記第2の拡散部は、その一面に形成され、前記供給板(19)に積層されて前記一面との間に中空部を形成する溝(57)と、前記溝(57)内に設けられ他面側に通じる貫通孔(54、55)と、を備える円盤状部材(41)から構成され、前記第1の拡散部からの前記ガスは、前記貫通孔(54、55)を介して前記中空部に供給され、
    さらに、第2の拡散部を構成する前記溝(57)内に設けられ、前記中空部を複数の領域に分ける仕切り部材(56)を備え
    前記貫通孔を前記仕切り部材に分けられた各領域から他面側に通じるように形成するとともに、前記第1の拡散部に前記貫通孔にそれぞれ連通する流路を設けることにより、独立した複数のガス流路を構成し、
    前記チャンバ内に供給するガスの流量を前記ガス流路ごとにそれぞれ独立に制御する流量制御部(29a、29b)をさらに備える、ことを特徴とする処理装置(1)。
  2. 前記仕切り部材は、前記中空部を中心領域と端部領域とに分ける、ことを特徴とする請求項に記載の処理装置。
  3. 前記仕切り部材は、前記中心領域の面積と前記端部領域の面積との比が2:1となるように、前記中空部を前記中心領域と前記端部領域とに分ける、ことを特徴とする請求項に記載の処理装置。
  4. 前記流量制御部は、前記中心領域と前記端部領域とのガス流量比が1:1.2〜1.6となるように、前記複数のガス流路にガスを供給する、ことを特徴とする請求項またはに記載の処理装置。
  5. 前記複数のガス流路は、共通のガス供給源(28)に接続されている、ことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の処理装置。
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