JP4454456B2 - 水蒸気圧縮冷凍機の冷凍システム - Google Patents
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Description
蒸発器2内の液冷媒は水冷媒体を除く外の例えば、R−22冷媒液であり、蒸発器2の周囲の熱によって低圧下で低温で蒸発し、周囲は冷却される。蒸発した冷媒蒸気は、圧縮機9に吸入され、圧縮されて高圧で温度の高いガスとして該圧縮機9から吐出される。当該冷媒蒸気は凝縮器1に入り、冷却塔11から冷却水ポンプ10で送出された冷却水によって冷却されて液化し、高圧液の状態で該凝縮器1に一時的に貯留される。次に膨張弁4を経て圧力が降下した冷却液となり、蒸発器2に流入する。ここで再び液冷媒が蒸発し、冷媒蒸気となって圧縮機9に吸入され、冷媒は蒸気の状態変化を繰り返す。そして、蒸発器2出口の冷媒蒸気は図4に示す飽和乾き蒸気aであり、圧縮機9で断熱的に圧縮されるとすれば、図4に示す圧力P−比エンタルピーh線図上の等エントロピー線に沿って状態変化し、過熱蒸気bの状態で吐出される。次に凝縮器1に流入して冷却され凝縮した後、過冷却液cとなる。凝縮は等圧下で行われ、上記過熱蒸気bから過冷却液cは等圧線上を変化する。凝縮器1を出た凝縮液は、膨張弁4に流入するが、膨張の通過時に絞り作用を受け、高圧から低圧となる。この時、冷媒は仕事を行わず、熱の出入りも無いため、保持エネルギーは変化せず、比エンタルピーhは不変で、該比エンタルピー横軸方向に対して垂直方向に状態変化をし、過冷却液cから湿り蒸気dへと状態変化する。湿り蒸気dは蒸発器2中を流れる過程で、周囲の熱により蒸発して乾き飽和蒸気aの状態となり、圧縮機9に吸込まれて図示するように飽和乾き蒸気線及び飽和液線に基づき冷凍サイクルを繰り返えす。
尚、図中13a、13bはそれぞれ冷却水入口、冷却水出口である。
尚、図中14a、14bはそれぞれ冷媒入口、冷媒出口である。
社団法人日本冷凍空調学会発行のSIによる上級冷凍受験テキスト
すなわち、請求項1記載の発明によれば、熱源水からの流量を制御する三方弁を接続した一次側及び内部に液膜型プラスチック製充填材を挿入したシェルアンドチューブ凝縮器を接続した二次側を有した熱交換器と、前記シェルアンドチューブ凝縮器からの水冷媒液を連結配管を介して直接に流送されかつ内部に液膜型プラスチック製の充填材を挿入すると共に放射パネルを接続したシェルアンドチューブ蒸発器と、前記シェルアンドチューブ蒸発器と前記シェルアンドチューブ凝縮器との間に連結配管(ダクト)を介して水蒸気を流送するルーツポンプとでなる構成に於いて、前記シェルアンドチューブ凝縮器内の水冷媒液の水位H0による凝縮圧力値と前記シェルアンドチューブ蒸発器内の冷水の水位H1による蒸発圧力値との差圧(kPa)を換算した水位差h2を有した前記シェルアンドチューブ凝縮器及び前記シェルアンドチューブ蒸発器の高さを設定すると共に、前記ルーツポンプは楕円形のシリンダ内に同形のまゆ形断面形状を有する2つのロータを互に90°位相をずらせて隣接配置しかつ該ルーツポンプの軸端に接続されたタイミングギヤで回転制御を行ない、駆動軸の他端は軸封部を介して大気中に出しモータによって駆動されることを特徴とする水蒸気圧縮冷凍機の冷凍システムを提供する。
このような構成としたので、蒸発器内における冷水循環水の噴霧により、膨張弁による冷媒の気化作用を利用する必要がなく、蒸発器と凝縮器内の圧力差を冷媒である水の水位差によりバランスすることで冷凍サイクルを成立させ、膨張弁やキャピラリーチューブの詰まりなどによる制御性、故障発生等の問題を解消すると共にシェルアンドチューブ凝縮器を適用したので噴射ノズルが不要となり、ルーツポンプが楕円形のシリンダ内に同形のまゆ形断面形状を有する2つのロータを備えたのでシリンダ内に摺動部がなく動力損が少なく高速回転が可能となるという効果がある。
図1は、本発明に係る水蒸気圧縮冷凍機の冷凍システムに於ける基本システム構成を示す実施の形態に於ける一例である。
前記蒸発器16は例えば、図7に示すようなシェルアンドチューブ蒸発器で構成する。該シェルアンドチューブ蒸発器は、太い円筒胴内に多数の冷却管を設けて、冷却管内にブラインまたは水を流し、冷却管と円筒胴の間には水冷媒液が直径の半分以上を満たしている構造の熱交換器である。円筒胴内では、水冷媒の液と蒸気が分離され、分離された蒸気は圧縮機20に吸い込まれ、水冷媒液は冷却管を浸しており、その蒸発潜熱で冷却管内を流れるブラインまたは水を冷却する。
尚、前記シェルアンドチューブ蒸発器を適用する場合は後述する噴射ノズル16aが不要となる。
尚、前記シェルアンドチューブ凝縮器を適用する場合は噴射ノズル18aが不要となる。
尚、図中27は真空ポンプであり、前記凝縮器18に接続され、該凝縮器18から空気を排出し、例えば水の37℃飽和蒸気圧である6.3kPa程度の圧力値として該凝縮器18を真空状態にする。
前記蒸発器16及び前記凝縮器18は図示しないが、その内部に例えば、液膜型プラスチック製の充填材を挿入してもよい。この充填材は、現場組立が可能であり、耐食性及び挫屈強度に優れ、前記蒸発器16及び前記凝縮器18の冷却性能や熱交換性能を向上させる特質がある。
飽和液gは凝縮器18の底部の連結配管17を通過する際、圧力が降下し、比エンタルピーhの値も減少して飽和液iとなり、蒸発器16に流入する。ここで再び蒸発して飽和乾き蒸気となり、圧縮機20に吸込まれて図示するように、水飽和乾き蒸気線及び水飽和液線に基づき冷凍サイクルを繰り返えす。
従来の冷凍機の冷凍システムに於いては、例えば前述したR−22冷媒液である場合、動作域での冷媒液密度が、例えば15℃において1.23g/cm3、37℃において1.14g/cm3であり、その平均値は約1.2g/cm3程度となる。一方本発明に係る水蒸気圧縮冷凍機の冷凍システムでは、水冷媒の液密度が15℃〜37℃において1.0g/cm3となるため、これらを比較すると、R−22冷媒液の密度は水の密度の約1.2倍となる。そのため前記R−22冷媒液を使用した冷凍機に於いて、本発明と同様に膨張弁を省略するとすれば、前記蒸発器16及び凝縮器18の液位差は804(kPa)/9.8(kPa/mAq)≒82(mAq)であり、数値1.2で除算し68.3(m)を算出する。つまり、従来の冷凍機の冷凍システムでは68.3(m)の液位差としなければならない。
そこでこの運転条件で冷凍運転するためには、蒸発器16及び/又は凝縮器18の高さ寸法Hとし、冷水ポンプ22及び冷却水ポンプ26による循環系統に付する噴射ノズル16a、18aに、所要の冷凍能力を達成するために該噴射ノズル16a、18aから噴射する散布水が蒸発するのに必要な散布空間高さ、すなわち図1に示すように充填材などのような熱交換手段を充填する空間高さh1であって例えば、約100cmを確保するとともに、圧力差保持のための水位差h2が例えば約47cm、さらには冷水ポンプ22及び冷却水ポンプ26がキャビテーションを発生させず適切に動作するための所要吸込みヘッドの高さh3が例えば約100cmとした場合、前記蒸発器16及び/又は凝縮器18の高さH(cm)は次の不等式を満足するように設定する必要がある。前記圧力保持のための水位差h2は、例えば前記凝縮器18に於ける水冷媒液18bの水位H0であって、その凝縮圧力値6.3kPaと前記蒸発器16に於ける冷水16bの水位H1であって、その蒸発圧力値1.7kPaとの差圧が4.6kPaであり、その換算値すなわち水位差h2がH0−H1≒47cmを意味する。そして、H>h1+h2+h3=247cm、つまり、蒸発器16及び/又は凝縮器18の高さH(cm)は247cmより高く設定する必要がある。実施例では蒸発器16及び/又は凝縮器18の高さHは247cmが好適であった。
28は熱交換器であり、その一次側28aは下記の熱源水29に接続される一次連結配管30に接続されている。該熱交換器28は熱源水29と組合せて冷却水生成手段を構成している。前記熱交換器28の二次側28bは前記凝縮器18に接続される二次連結配管31に接続されている。前記凝縮器18の出口側に於ける二次連結配管31に冷却水ポンプ26を介設している。
ポンプ29aを駆動すれば井水等の熱源水29を揚水し、該熱源水29は一次連結配管30内を矢印P1に示す方向に流送し、熱交換器28の一次側28a及び三方弁32を経由して再び大地Bの地下まで還元流送される。また、該三方弁32が弁の開放動作を行ない分岐配管30aにも前記熱源水29の一部が矢印P2に示す方向に流送する。そして、ポンプ29aから熱交換器28の一次側28aまでに配管された入力部分に於ける一次連結配管30内及び分岐連結配管30a内には例えば18℃の熱源水29が揚水される。さらに、該熱交換器28の一次側28aから三方弁32までは例えば23℃の熱源水が流送し、分岐連結配管30a内には例えば18℃の熱源水29が流送され、地下に還元される。
尚、当該本発明に係る水蒸気圧縮冷凍機の冷凍システムの実施例の外の動作は前述した実施の形態の説明の項と略同一であり、その説明を省略する。
16a 噴射ノズル
16b 冷水
17 連結配管
18 凝縮器
18a 噴射ノズル
18b 水冷媒液
19 連結配管(ダクト)
20 圧縮機
21 負荷側連結配管
22 冷水ポンプ
23 負荷
24 冷却塔
25 連結配管
25a 連結配管の出口側部
25b 連結配管の入口側部
26 冷却水ポンプ
27 真空ポンプ
28 熱交換器
28a 熱交換器の一次側
28b 熱交換器の二次側
29 熱源水(井水)
29a ポンプ
30 一次連結配管
30a 分岐連結配管
31 二次連結配管
32 三方弁
33 温度計
34 制御線
h1 空間高さ
h2 水位差(H1−H0)
h3 冷却水ポンプの所要吸込みヘッド高さ
H1 蒸発器内の冷水の水位
H0 凝縮器内の水冷媒液の水位
Claims (1)
- 熱源水からの流量を制御する三方弁を接続した一次側及び内部に液膜型プラスチック製充填材を挿入したシェルアンドチューブ凝縮器を接続した二次側を有した熱交換器と、前記シェルアンドチューブ凝縮器からの水冷媒液を連結配管を介して直接に流送されかつ内部に液膜型プラスチック製の充填材を挿入すると共に放射パネルを接続したシェルアンドチューブ蒸発器と、前記シェルアンドチューブ蒸発器と前記シェルアンドチューブ凝縮器との間に連結配管(ダクト)を介して水蒸気を流送するルーツポンプとでなる構成に於いて、前記シェルアンドチューブ凝縮器内の水冷媒液の水位H0による凝縮圧力値と前記シェルアンドチューブ蒸発器内の冷水の水位H1による蒸発圧力値との差圧(kPa)を換算した水位差h2を有した前記シェルアンドチューブ凝縮器及び前記シェルアンドチューブ蒸発器の高さを設定すると共に、前記ルーツポンプは楕円形のシリンダ内に同形のまゆ形断面形状を有する2つのロータを互に90°位相をずらせて隣接配置しかつ該ルーツポンプの軸端に接続されたタイミングギヤで回転制御を行ない、駆動軸の他端は軸封部を介して大気中に出しモータによって駆動されることを特徴とする水蒸気圧縮冷凍機の冷凍システム。
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