JP4453910B2 - 遺伝子多型の検出方法 - Google Patents

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本発明は、ENAユニットを含むオリゴヌクレオチドを用いたPCRを利用した、遺伝子多型の検出方法、遺伝子多型の検出用のオリゴヌクレオチド及び該オリゴヌクレオチドを含有する遺伝子多型検出用キットに関する。
ファーマコジェノミクス研究の進展により、遺伝子多型と薬効、あるいは遺伝子多型と副作用の関係から、個々の患者に対する薬物の効果や副作用を、遺伝子診断で予測することが可能になりつつある。このような例としては、薬物代謝酵素の遺伝子多型の例が挙げられる。多型により活性が増加、あるいは、減少する薬物代謝酵素としては、シトクロムP4501A2、シトクロムP4502A6、シトクロムP4502C9、シトクロムP4502C19,シトクロムP4502D6、シトクロムP4502E1などが知られている。また、チオプリンメチルトランスフェラーゼ、N−アセチルトランスフェラーゼ、UDP−グルクウロノシルトランスフェラーゼ、および、グルタチオンS−トランスフェラーゼなど抱合酵素と呼ばれる一群の酵素群にも遺伝子多型が存在し、多型により活性が減少することが報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。
また、遺伝子多型と疾患との関係を調べることにより、一部の疾患の事前診断や予後の判定も可能になりつつあり、多型解析研究から見出された疾患原因遺伝子が多数報告されている。例えば、潰瘍性大腸炎の原因遺伝子としてのHLA、慢性関節リウマチの原因遺伝子としてのTCRα、アルツハイマー病の原因遺伝子としてのAPOE4、精神分裂症の原因遺伝子としてのドーパミンD3受容体、躁鬱病の原因遺伝子としてのトリプトファン水酸化酵素、アルブミン尿症の原因遺伝子としてのアンジオテンシン前駆体、心筋梗塞の原因遺伝子としての血液凝固因子VII、肥満の原因遺伝子としてのレプチンなどが報告されている(例えば、非特許文献2参照。)。
遺伝子多型の検出方法として、ポリメラーゼチェインリアクション(PCR)法と制限酵素による切断とを組み合わせたPCR−RFLP法(例えば、非特許文献3参照。)、配列の異なる一本鎖のDNAもしくはRNAはポリアクリルアミドゲル中で異なる移動度を示すという原理に基づいたSSCP(single-strand conformation polymorphism)法、または、オリゴヌクレオチドプライマーの3’末端付近にミスマッチがあるとプライマーの伸長反応が阻止されるという原理に基づいたAS−PCR(allele-specific PCR)法などが開発されている。
PCR−RFLP法は、検査工程に3〜24時間の制限酵素処理を含むために、迅速な方法とは言い難い。SSCP法は検査対象となる塩基配列のどこかに、一個もしくは複数の変異が存在する場合に、その存在を高感度に検出できる点で優れている。しかし、微妙な移動度の差を検出するために実験条件を厳密にコントロールしなければならないので、非常に手間がかかる方法であり、かつ変異の位置を同定できない。また、実際の検体、たとえば血液や組織からSSCP法を行うには、クローニングやPCR法を用いて、事前に大量の核酸を調製する必要があり、多数の検体を効率よく検査するには適さない方法である。
AS−PCR法はPCRを応用した方法であり、事前に大量の核酸を調製する必要はなく、3’末端付近にミスマッチのないプライマーを使用したときのみ増幅産物が得られることを応用したもので、多数の検体を効率よく検査するために適した方法である。しかし、通常のPCRではプライマーにミスマッチが存在する場合でも増幅産物が得られる場合があり、厳密性に問題があった。
また、AS−PCR法を改変し、3’末端から2番目に対象遺伝子とは相補的ではない塩基を持つヌクレオシドを持ち、3’末端に検出したい多型部分を設定した場合、3’末端から2番目に対象遺伝子と相補的である塩基を持つヌクレオシドをもつプライマーに比べ、 3’末端に存在する多型部位の検出が改善される報告がある(例えば、非特許文献4参照。)。しかし、この方法を用いた場合でもミスマッチが起こることがあり、より検出感度の高い遺伝子多型の検出方法の開発が求められていた。
2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(以下、「ENAヌクレオチド」ともいう。)は非天然型のヌクレオチドである。ENAを導入したオリゴヌクレオチドは、相補鎖RNAに対して高い結合能を有している(例えば、特許文献1参照及び非特許文献5参照。)。また、ENAヌクレオチドは糖部の2’位酸素原子と4’位炭素原子をメチレン鎖で架橋したヌクレオチドであるLNA(2’-O,4’-C-メチレンヌクレオチド(特許文献2参照。)よりもヌクレアーゼに対して高い抵抗性を有するという特徴を持っている(非特許文献6参照。)。しかしながら、ENAヌクレオチドをプライマーとして用いることによってAS−PCRの測定精度を向上させることができるか否かは不明であった。
本発明者らは、上記、多型の検出方法の問題点を解決すべく、検討を行ったところ、3’末端から3番目にENA修飾が加えられたオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして用いた場合、ミスマッチによる増幅産物の生成量が減少し、精度が高く遺伝子多型が検出できることを見出し、更に該検出方法に用いることができるキットを提供した。
更に本発明者らは、多型部位を3’末端にし、3’末端から2番目のヌクレオチドを検出対象の遺伝子と相補的ではない塩基を持つヌクレオチドにし、3’末端から3番目にENA修飾が加えられたオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして用いた場合、ミスマッチによる増幅産物の生成量が減少し、精度が高く遺伝子多型が検出できることを見出し、更に該検出方法に用いることができるキットを提供し、本発明を完成させた。
特許第3420984号公報 特開平10−304889号公報 中村祐輔編、「SNP遺伝子多型の戦略」、中山書店、2000年6月5日 「ネイチャー・ジェネティクス(Nature Genetics)」、1999年、第22巻 、p.139−144 「サイエンス(Science)」、1991年、第252巻、p.1643− 「ジェノミックス(Genomics)」2003年、第82巻、p390−396 「バイオオルガニック&メディカル・ケミストリー(Bioorganic & Medical Chemistry)」、2003年、第11巻、p.2211−2226 「バイオオーガニック メディシナル ケミストリ- レター(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters)」、2002年、第12巻、p.73−76
本発明の課題は、遺伝子多型を検出する方法及び該方法に使用することができるオリゴヌクレオチドを提供し、さらに、該オリゴヌクレオチドを含む遺伝子多型検出用キットを提供することである。
本発明は鋳型となる核酸のヌクレオチド配列と相補的なヌクレオチド配列からなる合成オリゴヌクレオチドプライマーを合成する際に、合成オリゴヌクレオチドプライマーの3’末端のヌクレオチドを鋳型のヌクレオチドと相補的ではないヌクレオチドにするとDNAポリメラーゼによるプライマーの伸張反応が起こらず、鋳型となる核酸のヌクレオチド配列と完全に相補的な合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いた場合にはDNAポリメラーゼによるプライマーの伸張反応が起きる現象を利用した遺伝子多型の検出方法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、合成オリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列の3’末端を多型部位にし、さらに3’末端から3番目のヌクレオチドとして2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットを用いたオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いることを特徴とする遺伝子多型の検出方法に関する。
さらに本発明は、合成オリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列の3’末端を多型部位にし、3’末端から2番目のヌクレオチドを検出対象の遺伝子と相補的ではない塩基を持つヌクレオチドにし、3’末端から3番目のヌクレオチドとして2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットを用いたオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いることを特徴とする遺伝子多型の検出方法に関する。
本発明の課題を解決手段としては具体的には、
(1) 以下の(a)及び(b)の特徴を有するオリゴヌクレオチド又はその塩:
(a)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる;
(b)3’末端部位に対象遺伝子の基準ヌクレオチドに相補的なヌクレオチド、その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチドを有する、
(2) 以下の(a)及び(b)の特徴を有するオリゴヌクレオチド又はその塩:
(a)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる;
(b)3’末端部位に対象遺伝子の変異ヌクレオチドに相補的なヌクレオチド、その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチドを有する、
(3) 以下の(a)乃至(d)の特徴を有するオリゴヌクレオチド又はその塩:
(a)オリゴヌクレオチドの3’末端部位が対象遺伝子の基準ヌクレオチドに相補的なヌクレオチドからなる;
(b)オリゴヌクレオチドの3’末端から2番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として2番目)のヌクレオチドが基準遺伝子のヌクレオチドと相補的でないヌクレオチドからなる;
(c)その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチドと相補的なヌクレオチドを有する;
(d)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として3番目)のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる、
(4) 以下の(a)乃至(d)の特徴を有するオリゴヌクレオチド又はその塩:
(a)オリゴヌクレオチドの3’末端部位が対象遺伝子の変異ヌクレオチドに相補的なヌクレオチドからなる;
(b)オリゴヌクレオチドの3’末端から2番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として2番目)のヌクレオチドが基準遺伝子のヌクレオチドと相補的でないヌクレオチドからなる;
(c)その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチドと相補的なヌクレオチドを有する;
(d)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として3番目)のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる、
(5) 18乃至25塩基長からなることを特徴とする、(1)乃至(4)のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド又はその塩、
(6) (1)乃至(5)のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチドを使用することを特徴とする、遺伝子多型の検出方法、
(7) (1)乃至(5)のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチドを使用することを特徴とする、遺伝子多型部位のヌクレオチド配列の決定方法、
(8) 以下の工程(a)及び(b)を含む、遺伝子多型の検出方法:
(a)遺伝子多型部位を含む核酸を鋳型として、(1)乃至(5)のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド、及び該オリゴヌクレオチドと対になってPCRで目的配列部分を増幅できるオリゴヌクレオチドを用いてPCRを行う工程;
(b)工程(a)によって反応産物が生成するか否かによって、核酸中の遺伝子多型の有無を判定する工程、
(9) 以下の工程(a)及び(b)を含む、遺伝子多型部位のヌクレオチド配列の決定方法:
(a)遺伝子多型部位を含む核酸を鋳型として、(1)乃至(5)のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド、及び該オリゴヌクレオチドと対になってPCRで目的配列部分を増幅できるオリゴヌクレオチドを用いてPCRを行う工程;
(b)工程(a)によって反応産物が生成するか否かによって、核酸中の遺伝子多型部位のヌクレオチド配列を決定する工程、
(10) 反応産物の生成の有無の検出に、電気泳動、TaqMan PCR及びMALDI−TOF/MS法からなる群から選択される少なくともいずれか一つを用いることを特徴とする(8)又は(9)に記載の方法、
(11) 遺伝子多型が一塩基多型であることを特徴とする、(6)乃至(10)のいずれか1項に記載の方法、
(12) 以下の(a)乃至(d)を含む、遺伝子多型検出用キット:
(a)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなり、3’末端部位に対象遺伝子の基準ヌクレオチドに相補的なヌクレオチド、その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド;
(b)(a)に記載のオリゴヌクレオチドと対になって目的配列部分を増幅し得るオリゴヌクレオチド;
(c)DNAポリメラーゼ;
(d)PCR緩衝液、
(13) 以下の(a)乃至(d)を含む、遺伝子多型検出用キット:
(a)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなり、3’末端部位に対象遺伝子の変異ヌクレオチドに相補的なヌクレオチド、その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド;
(b)(a)に記載のオリゴヌクレオチドと対になって目的配列部分を増幅し得るプライマー;
(c)DNAポリメラーゼ;
(d)PCR緩衝液、
(14) 以下の(a)乃至(e)を含む、遺伝子多型検出用キット:
(a)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなり、3’末端部位に対象遺伝子の基準ヌクレオチドに相補的なヌクレオチド、その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド;
(b)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなり、3’末端部位に対象遺伝子の変異ヌクレオチドに相補的なヌクレオチド、その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド;
(c)(a)又は(b)に記載のオリゴヌクレオチドと対になって目的配列部分を増幅し得るオリゴヌクレオチド;
(d)DNAポリメラーゼ;
(e)PCR緩衝液、
(15) 以下の(a)乃至(d)を含む、遺伝子多型検出用キット:
(a)以下の(i)乃至(iv)の特徴を有するオリゴヌクレオチド又はその塩:
(i)オリゴヌクレオチドの3’末端部位が対象遺伝子の基準ヌクレオチドに相補的なヌクレオチドからなる;
(ii)オリゴヌクレオチドの3’末端から2番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として2番目)のヌクレオチドが基準遺伝子のヌクレオチドと相補的でないヌクレオチドからなる;
(iii)その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチドと相補的なヌクレオチドを有する;
(iv)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として3番目)のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる;
(b)(a)に記載のオリゴヌクレオチドと対になって目的配列部分を増幅し得るオリゴヌクレオチド;
(c)DNAポリメラーゼ;
(d)PCR緩衝液、
(16) 以下の(a)乃至(d)を含む、遺伝子多型検出用キット:
(a)(i)乃至(iv)の特徴を有するオリゴヌクレオチド又はその塩;
(i)オリゴヌクレオチドの3’末端部位が対象遺伝子の変異ヌクレオチドに相補的なヌクレオチドからなる;
(ii)オリゴヌクレオチドの3’末端から2番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として2番目)のヌクレオチドが基準遺伝子のヌクレオチドと相補的でないヌクレオチドからなる;
(iii)その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチドと相補的なヌクレオチドを有する;
(iv)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として3番目)のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる;
(b)(a)に記載のオリゴヌクレオチドと対になって目的配列部分を増幅し得るオリゴヌクレオチド;
(c)DNAポリメラーゼ;
(d)PCR緩衝液、
(17) 以下の(a)乃至(e)を含む、遺伝子多型検出用キット:
(a)以下の(i)乃至(iv)の特徴を有するオリゴヌクレオチド又はその塩;
(i)オリゴヌクレオチドの3’末端部位が対象遺伝子の基準ヌクレオチドに相補的なヌクレオチドからなる;
(ii)オリゴヌクレオチドの3’末端から2番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として2番目)のヌクレオチドが基準遺伝子のヌクレオチドと相補的でないヌクレオチドからなる;
(iii)その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチドと相補的なヌクレオチドを有する;
(iv)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として3番目)のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる;
(b)(i)乃至(iv)の特徴を有するオリゴヌクレオチド又はその塩;
(i)オリゴヌクレオチドの3’末端部位が対象遺伝子の変異ヌクレオチドに相補的なヌクレオチドからなる;
(ii)オリゴヌクレオチドの3’末端から2番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として2番目)のヌクレオチドが基準遺伝子のヌクレオチドと相補的でないヌクレオチドからなる;
(iii)その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチドと相補的なヌクレオチドを有する;
(iv)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として3番目)のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる。
(c)(a)又は(b)に記載のオリゴヌクレオチドと対になって目的配列部分を増幅し得るオリゴヌクレオチド;
(d)DNAポリメラーゼ;
(e)PCR緩衝液、
(18) オリゴヌクレオチド及び該オリゴヌクレオチドと対になって目的配列部分を増幅し得るオリゴヌクレオチドの塩基長が18乃至25塩基長であることを特徴とする、(12)乃至(17)のいずれか1項に記載の遺伝子多型検出用キット、
(19) 遺伝子多型が一塩基多型であることを特徴とする、(12)乃至(18)のいずれか1項に記載のキット、
からなる。
本発明における、遺伝子多型の検出方法の1つの原理は以下の通りである。
(1)遺伝子多型を検出したい配列(目的配列)の多型部分にプライマーの3’末端を設定し、かつプライマーの3’末端から3番目に2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットの修飾を加える。このプライマーと遺伝子多型検出対象のヌクレオチド配列を含む核酸を反応液中で核酸合成酵素の混合物と作用させると、プライマーの3’末端が一致する(塩基が相補的である)場合は、核酸合成反応が起こる。これに対して、3’末端が一致しない場合は、核酸合成反応が起こらない。このように3’末端が一致する場合は核酸合成反応が起こり、一致しない場合は核酸合成反応が起こらない違いを利用して、ヌクレオチド配列の変異を検出することができる。この原理を図1と図2で説明する。
図1は、核酸配列に変異(多型)がない場合を示す。(i)は核酸配列の変異(多型)を調べようとする対象の鋳型核酸で、塩基配列の一部に3'-ATGC-5'の配列をもつ。この鋳型核酸と3’末端から3番目にENA修飾が加えられたオリゴヌクレオチド(ii)(2’-O,4’-C-エチレン-5-メチルウリジン ユニットをeTと表記する)とがアニーリングして2本鎖を形成する。この場合、(ii)の塩基配列の内少なくとも3’末端は対応するの塩基と相補な構成になっており、(ii)と(i)とは2本鎖を形成する。この2本鎖を形成しているオリゴヌクレオチド(ii)の3’末端の部分を核酸合成酵素(iii)が認識し、核酸合成反応が続行する。ここに示した具体的な塩基配列は説明のためのものであり、この塩基配列のみに有効であることを意味するものではない。
図2は核酸配列に変異(多型)がある場合を示す。(i)は核酸配列の変異(多型)を調べようとする対象の鋳型核酸で、塩基配列の一部に3'-ATAC-5'の配列をもつ。この鋳型核酸と3’末端から3番目にENA修飾が加えられたオリゴヌクレオチド(ii)(2’-O,4’-C-エチレン-5-メチルウリジン ユニットをeTと表記する)とがアニーリングして2本鎖を形成する。この場合、(ii)の塩基配列の内少なくとも3’末端は対応する塩基と相補な構成になっておらず、(ii)の3’末端のCが(i)内のAとワトソン−クリック塩基対を形成していない。このワトソン−クリック塩基対を形成していないオリゴヌクレオチド(ii)の3’末端の部分を核酸合成酵素(iii)が認識できず、核酸合成反応が続行することができない。ここに示した具体的な塩基配列は説明のためのものであり、この塩基配列のみに有効であることを意味するものではない。
本発明における、遺伝子多型の検出方法の他の1つの原理は以下の通りである。
(2) 遺伝子多型を検出したい配列(目的配列)の多型部分にプライマーの3’末端を設定し、3’末端から2番目のヌクレオチドを検出対象の遺伝子と相補的ではない塩基を持つヌクレオチドにし、かつプライマーの3’末端から3番目にENAユニットの修飾を加える。このプライマーと遺伝子多型検出対象のヌクレオチド配列を含む核酸及び該プライマーと対になってPCRで目的配列部分を増幅できるオリゴヌクレオチドを反応液中で核酸合成酵素の混合物と作用させると、プライマーの3’末端が一致する(塩基が相補的である)場合は、核酸合成反応が起こり、遺伝子が増幅される。これに対して、3’末端が一致しない場合は、核酸合成反応が起こらず、遺伝子の増幅は見られない。このように3’末端の塩基が相補する場合は核酸合成反応が起こり、相補しない場合は核酸合成反応が起こらない違いを利用して、ヌクレオチド配列の変異を検出することができる。この原理を図3と図4で説明する。
図3は、核酸配列に変異(多型)がない場合を示す。(i)は核酸配列の変異(多型)を調べようとする対象の鋳型核酸で、塩基配列の一部に3'-ATGC-5'の配列をもつ。(ii)はプライマーである。このプライマーでは、3’末端から2番目のヌクレオシドを検出対象の遺伝子と相補的ではないヌクレオシドにし(図ではグアニン(G)。)、それ以外のヌクレオシドは検出対象の遺伝子と相補的なヌクレオシドである。また、3’末端から3番目はENA修飾が加えられたオリゴヌクレオチド(2’-O,4’-C-エチレン-5-メチルウリジン ユニットをeTと表記する)にしている。この場合、(ii)のヌクレオチド配列のうち3’末端から2番目以外のヌクレオチド配列は対応する(i)のヌクレオチド配列と相補な配列になっており、(ii)のヌクレオチド配列のうち3’末端から2番目でミスマッチするものの、鋳型核酸と多型検出用プライマーがアニーリングして2本鎖を形成する。この相補鎖を形成しているオリゴヌクレオチド(ii)の3’末端の部分を核酸合成酵素(iii)が認識し、核酸合成反応が続行する。
なお、ここに示した具体的なヌクレオチド配列は説明のための例示に過ぎず、本発明が、このヌクレオチド配列のみに有効であることを意味するものではない。
図4はヌクレオチド配列に変異(多型)がある場合を示す。(i)はヌクレオチド配列の変異(多型)を調べようとする対象の鋳型核酸で、ヌクレオチド配列の一部に3'-ATAC-5'の配列をもつ。(ii)はプライマーである。このプライマーでは、3’末端及び3’末端から2番目のヌクレオシドを検出対象の遺伝子と相補的ではないヌクレオシドにし(図ではグアニン(G)。)、それ以外のヌクレオシドは検出対象の遺伝子と相補的なヌクレオシドである。また、3’末端から3番目はENA修飾が加えられたオリゴヌクレオチド(2’-O,4’-C-エチレン-5-メチルウリジン ユニットをeTと表記する)にしている。この場合、(ii)のヌクレオオチド配列のうち、3’末端及び3’末端から2番目のヌクレオシドは対応するヌクレオシドと相補なヌクレオシドになっておらず、(ii)の3’末端部分がワトソン−クリック塩基対を形成しない。このワトソン−クリック塩基対を形成していないオリゴヌクレオチド(ii)の3’末端の部分を核酸合成酵素(iii)が認識できず、核酸合成反応は進まない。
なお、ここに示した具体的なヌクレオチド配列は説明のための例示に過ぎず、本発明が、このヌクレオチド配列のみに有効であることを意味するものではない。
本発明により、新規な遺伝子多型の検出方法が提供された。本発明の遺伝子多型の検出方法を用いることにより、天然型のオリゴヌクレオチドを用いる場合に比べより正確に多型を検出できるようになった。
また、該方法に用いることができる、遺伝子多型の検出用オリゴヌクレオチド及び該オリゴヌクレオチドを含有する遺伝子多型の検出用キットも提供された。
1.用語の説明
本明細書中において「遺伝子多型」とは、ある遺伝子座において、(a)1個の塩基が他の塩基に置き換わっているもの(一塩基多型(SNP))及び/又は(b)1から数十塩基(数千塩基のこともある)が欠失や挿入をしているもの(挿入/欠失多型)を意味する。本明細書において、一塩基多型とはSNP(single nucleotide polymorphism)ともいい、個人間におけるヌクレオチド配列中の一塩基の違いをいう。
一塩基多型部分のヌクレオチドとしては2種類のヌクレオチドの変異が存在することが知られており(例えば、アデニンかグアニン、チミンかシトシン等)、その変異の割合は対象となる遺伝子によって異なっている。本明細書中において、「対象遺伝子」とは、遺伝子多型を検出する対象とする遺伝子のことをいう。
本明細書においては、対象遺伝子の一塩基多型部位の2種類の塩基の変異のうちで出現頻度の高いヌクレオチドを含む配列を基準配列とし、基準配列中の一塩基多型部位のヌクレオチドを基準ヌクレオチドとし、出現頻度の低いヌクレオチドを含む配列を変異配列とし、変異配列中の一塩基多型部位のヌクレオチドを変異ヌクレオチドとする。
また、多型が欠失多型の場合には欠失がない配列を基準配列とし、欠失がある配列を変異配列とする。
さらに、多型が挿入多型の場合には挿入がない配列を基準配列とし、挿入がある配列を変異配列とする。
また、本明細書中において、「多型を有する」とは、対象遺伝子の目的とする多型を含む配列が変異配列を有することを意味し、「多型を有さない」とは対象遺伝子の目的とする多型を含む配列が基準配列であることを意味する。
本明細書中において、「天然型のヌクレオチド」とは、アデニンヌクレオチド、グアニンヌクレオチド、シトシンヌクレオチド、ウラシルヌクレオチド、チミンヌクレオチドをいう。また、「天然型のオリゴヌクレオチド」とは、アデニンヌクレオチド、グアニンヌクレオチド、シトシンヌクレオチド、ウラシルヌクレオチド、チミンヌクレオチド等の天然型ヌクレオチドから構成されるオリゴヌクレオチドのことを示す。
本明細書においてはアデニンヌクレオチドをA、グアニンヌクレオチドをG、シトシンヌクレオチドをC及びチミンヌクレオチドをTと表記することもある。また天然型のオリゴヌクレオチドの3’末端のヌクレオシド、アデニンヌクレオシドはA、グアニンヌクレオシドはG、シトシンヌクレオシドはC及びチミンヌクレオシドはTと表わすことができる。
天然型のヌクレオチドの構造式を以下に示す。

本明細書中において、「ENAヌクレオチド」(以下、「ENA」ともいう。)とは、糖部の2’位酸素原子と4’位炭素原子をエチレン鎖で架橋したヌクレオチドである(特許第3420984号参照。)。
本明細書において2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド ユニット及び「ENAユニット」とはAe2p、Ge2p、Ce2p、5Ce2p、Te2p、または、オリゴヌクレオチドの3’末端に有する場合、ENAをヌクレオシドとして扱う場合は、Ce2t、5Ce2t、Te2t、から選択されるいずれかの基を意味し、その構造は下記に示すとおりである。またLNAユニットとしてCe1pの構造も示す。

本明細書中における、「相補的なヌクレオチド」とは、ヌクレオチドの塩基部分が相補するヌクレオチドのことをいい、具体的には、塩基部分がアデニンとチミン、グアニンとシトシン及びアデニンとウラシルであるヌクレオチドが互いに相補的なヌクレオチドである。
本明細書中における、「その塩」とは、本発明の化合物は、塩にすることができるので、その塩をいい、そのような塩としては、好適にはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウム塩のような無機塩、t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジル−フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩;弗化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン原子化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなアリ−ルスルホン酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、フマ−ル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;及び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩を挙げることができる。
なお、本発明の化合物及びその塩は、水和物としても存在することができ、本発明は、それらの水和物をも包含する。

2.検体
本発明で遺伝子多型を検出する対象となる検体としては、核酸を含む試料を用いることができる。核酸としては一例として、ゲノムDNAを挙げることができるが、これに限定されない。
例えば、ヒトの遺伝子の多型を検出するためにはヒトゲノムDNAを含む検体を用いることができ、マウスの遺伝子の多型を検出するためには、マウスゲノムDNAを用いることができる。ゲノムDNAは当業者に公知の方法で取得することができる。以下、ヒトのゲノムDNAを例にして説明するが、他の生物由来のゲノムDNAも同様に取得することができる。
ゲノムDNAを得るための材料としては、被験者から採取されたあらゆる細胞(生殖細胞を除く)、組織、臓器等を使用することができるが、好ましくは末梢血から分離した白血球または単核球であり、最も好適には白血球である。これらの材料は、臨床検査において通常用いられる方法によって採取され得る。
例えば白血球を用いる場合、まず被験者より採取した末梢血から周知の方法で白血球を分離する。次いで、得られた白血球にプロテイナーゼKとドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を加えてタンパク質を分解、変性させた後、フェノール/クロロホルム抽出を行うことによりゲノムDNA(RNAを含む)を得る。RNAは、必要に応じRNaseにより除去することができる。ただし、本発明はこれに限定されず、ヒトゲノムDNAを含む試料からのゲノムDNAの抽出にあたっては、本発明の技術分野において周知の方法、すなわち文献(例えば、Sambrook, J. et al. (1989):"Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd Ed.)" Cold Spring Harbor Laboratory, NY参照)に記載されている方法や、市販のDNA抽出キット等を利用する方法も好ましく用いることができる。
DNAを含む検体は、PCRに用いることができる限度においてその純度は問わず、試料よりの粗抽出物、精製物等を用いることができる。

3.対象遺伝子の選択
遺伝子多型を検出する対象となる遺伝子は、少なくとも一部のヌクレオチド配列が既に知られており、その部分に多型が存在するものであればいずれでもよい。そのような遺伝子の一例として、薬効や薬の副作用に関与する薬物代謝遺伝子である、シトクロムP4501A2、シトクロムP4502A6、シトクロムP4502C9、シトクロムP4502C19,シトクロムP4502D6、シトクロムP4502E1などが知られている。また、チオプリンメチルトランスフェラーゼ、N−アセチルトランスフェラーゼ、UDP−グルクウロノシルトランスフェラーゼ、および、グルタチオンS−トランスフェラーゼや、疾患との関連遺伝子として、潰瘍性大腸炎の原因遺伝子としてのHLA、慢性関節リウマチの原因遺伝子としてのTCRα、アルツハイマー病の原因遺伝子としてのAPOE4、精神分裂症の原因遺伝子としてのドーパミンD3受容体、躁鬱病の原因遺伝子としてのトリプトファン水酸化酵素、アルブミン尿症の原因遺伝子としてのアンジオテンシン前駆体、心筋梗塞の原因遺伝子としての血液凝固因子VII及び肥満の原因遺伝子としてのレプチンなどを挙げることができる。その他、human prothrombin等を挙げることもできる。
また、マウスのゲノムDNAを検体として用いる場合にはマウスのアンジオポエチン関連3(Angiopoietin-like 3)遺伝子のプロ−モーター上の多型及び、欠失多型も挙げることができる。
なお、遺伝子中の多型の位置は翻訳領域、非翻訳領域、プロモーター、イントロン等の調節領域及びその他の領域のいずれであってもよい。

4.オリゴヌクレオチドプライマー
以下のオリゴヌクレオチドは、核酸自動合成機を用いて合成することができる。
天然のオリゴヌクレオチドについては天然のホスホロアミダイドを使用して合成することができる。2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチドについては特許第3420984号の実施例14(5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O,4’-C-エチレン-6-N-ベンゾイルアデノシン-3’-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)、実施例27 (5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O,4’-C-エチレン-2-N-イソブチリルグアノシン-3’-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)、実施例5(5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O,4’-C-エチレン-4-N-ベンゾイルシチジン-3’-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)、実施例22(5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O,4’-C-エチレン-4-N-ベンゾイル-5-メチルシチジン-3’-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)、実施例9(5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O,4’-C-エチレン-5-メチルウリジン-3’-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)に記載の化合物を用いることによって合成することができる。
(1)遺伝子多型検出用オリゴヌクレオチド
(1)−1 本発明で用いる遺伝子多型検出用のオリゴヌクレオチドとしては、以下の(a)及び(b)を挙げることができる。
(a)基準配列に相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド:
以下の(i)乃至(iii)の特徴を有する;
(i)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として3番目)のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる、
(ii) 3’末端部位に対象遺伝子の基準ヌクレオチドに相補的なヌクレオチド、その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチドを有する、
(iii)オリゴヌクレオチドプライマーのヌクレオチドの長さはPCRによって核酸を増幅できる限りにおいて特に制限はないが、好ましくは15〜40ヌクレオチド、より好ましくは18〜35ヌクレオチド、更に好ましくは18〜25ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドである。
このような特徴を有するオリゴヌクレオチドを、以下、「X−PRIMER」と呼ぶことにする。
(b)変異配列に相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド
(i)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として3番目)のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる、
(ii) 3’末端部位に対象遺伝子の変異ヌクレオチドに相補的なヌクレオチド、その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチドを有する、
(iii)オリゴヌクレオチドのヌクレオチドの長さはPCRによって核酸を増幅できる限りにおいて特に制限はないが、好ましくは15〜40ヌクレオチド、より好ましくは18〜35ヌクレオチド、更に好ましくは18〜25ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドである。
上記(a)及び(b)中の(i)において、オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットであるとは、3番目のヌクレオチドを天然型のヌクレオチドではなく、ENAヌクレオチドであることをすることを意味する。例えば、Aの代わりにAe2p、Gの代わりにGe2p、Cの代わりに5Ce2pまたはCe2p、Tの代わりにTe2pを用いることを意味する。
このような特徴を有するオリゴヌクレオチドを、以下、「Y−PRIMER」と呼ぶことにする。
(1)−2 本発明で用いる遺伝子多型検出用のオリゴヌクレオチドとしては、更に以下の(c)及び(d)を挙げることができる。
(c)3’末端部位から2番目のヌクレオチド以外が基準配列に相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド
以下の(i)乃至(v)の特徴を有する;
(i) オリゴヌクレオチドの3’末端部位が対象遺伝子の基準ヌクレオチドに相補的なヌクレオチドからなる、
(ii) オリゴヌクレオチドの3’末端から2番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として2番目)のヌクレオチドが基準遺伝子のヌクレオチドと相補的でないヌクレオチドからなる、
(iii) その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチドと相補的なヌクレオチドを有する、
(iv) オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として3番目)のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる、
(v) オリゴヌクレオチドのヌクレオチドの長さはPCRによって核酸を増幅できる限りにおいて特に制限はないが、好ましくは15〜40ヌクレオチド、より好ましくは18〜35ヌクレオチド、更に好ましくは18〜25ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドである。
このような特徴を有するオリゴヌクレオチドを、以下、「N−PRIMER」と呼ぶことにする。
(d)3’末端部位から2番目のヌクレオチド以外が変異配列に相補的なヌクレオチド配列からなるオリゴヌクレオチド
以下の(i)乃至(v)の特徴を有する;
(i) オリゴヌクレオチドの3’末端部位が対象遺伝子の変異ヌクレオチドに相補的なヌクレオチドからなる、
(ii) オリゴヌクレオチドの3’末端から2番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として2番目)のヌクレオチドが基準遺伝子のヌクレオチドと相補的でないヌクレオチドからなる、
(iii) その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチドと相補的なヌクレオチドを有する、
(iv) オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として3番目)のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる、
(v) オリゴヌクレオチドのヌクレオチドの長さはPCRによって核酸を増幅できる限りにおいて特に制限はないが、好ましくは15〜40ヌクレオチド、より好ましくは18〜35ヌクレオチド、更に好ましくは18〜25ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドである。
このような特徴を有するオリゴヌクレオチドを、以下、「P−PRIMER」と呼ぶことにする。
上記(a)乃至(d)中の(iv)において、オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットであるとは、3番目のヌクレオチドが天然型のヌクレオチドではなく、ENAヌクレオチドであることを意味する。例えば、Aの代わりにAe2p、Gの代わりにGe2p、Cの代わりに5Ce2pまたはCe2p、Tの代わりにTe2pが用いられることを意味する。
なお、これらの(a)乃至(d)のオリゴヌクレオチドをPCR用フォワード・プライマー(Forward primer)と呼ぶこともある。
(2)対になって用いられるオリゴヌクレオチド
(a)PCR用オリゴヌクレオチド
PCRにおいて上記(1)に記載の(a)乃至(d)のいずれかのオリゴヌクレオチドと対になって用いられるオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列は、遺伝子多型を検出する対象となる遺伝子のヌクレオチド配列において、上記(1)の(a)乃至(d)のいずれかの遺伝子多型検出用のオリゴヌクレオチドと対になってPCRによって対象の遺伝子中の目的の配列を増幅できる限りにおいて特に制限されないが、具体的には相補鎖にあたる配列中の最も5’末端側の位置よりもさらに5’末端側領域に存在する相補鎖の配列中の連続した15〜40ヌクレオチド、好ましくは18乃至35ヌクレオチド、更に好ましくは18乃至25ヌクレオチドの任意の部分配列からなる。ただし、遺伝子多型検出用のオリゴヌクレオチドと対になって用いられるオリゴヌクレオチドに互いに相補的な配列が存在すると、お互いにアニーリングすることにより非特異的な配列が増幅され、特異的な遺伝子多型の検出の妨げとなるおそれがあるので、そのような組み合わせを避けたオリゴヌクレオチド及び対になるオリゴヌクレオチドの設計を行うことが好ましい。
なお、本明細書においては、対になるオリゴヌクレオチドをリバース・プライマー(Reverse primer)と呼ぶこともある。
(b)TaqManプローブ
TaqMan PCRで用いる遺伝子多型検出用オリゴヌクレオチド(TaqManプローブ)は5’末端はFAMやVICなどの蛍光レポーター色素によって標識されており、同時に3’末端はクエンチャーで標識されており〔ジェネティク・アナリシス(Genet. Anal.), 14, p143-149 (1999), ジャーナル・オブ・クリニカル・マイクロバイオロジー(J. Clin. Microbiol.), 34, p2933-2936 (1996)〕。
上記(1)に記載の(a)乃至(d)のいずれかのオリゴヌクレオチドと対になって用いられるTaqManプローブの配列は、遺伝子多型を検出する対象となる遺伝子のヌクレオチド配列において、上記(1)に記載の(a)乃至(d)のいずれかの遺伝子多型検出用のオリゴヌクレオチドと対になってPCRによって対象の遺伝子中の目的の配列を増幅できる限りにおいて特に制限されないが、具体的には相補鎖にあたる配列中の最も5’末端側の位置よりもさらに5’末端側領域に存在する配列中の連続した15〜40ヌクレオチド、好ましくは18〜35ヌクレオチド、更に好ましくは18〜25ヌクレオチドの任意の部分配列からなる。ただし、遺伝子多型検出用のオリゴヌクレオチドとTaqManプローブに互いに相補的な配列が存在すると、お互いにアニーリングすることにより非特異的な配列が増幅され、特異的な遺伝子多型の検出の妨げとなるおそれがあるので、そのような組み合わせを避けたオリゴヌクレオチド及びTaqManプローブの設計を行うことが好ましい。

5.遺伝子多型の検出方法
A.PCRによる遺伝子多型の検出
(1)PCR
上記「4.オリゴヌクレオチドプライマー」の項の「(1)遺伝子多型検出用オリゴヌクレオチド」の項目で設計した(a)乃至(d)のいずれかの遺伝子多型検出用のオリゴヌクレオチド及び該ヌクレオチドと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとを用いたPCR反応を行うことにより、対象遺伝子の所定の位置の多型を検出することができる。ここでPCRは(i) 「X−PRIMER」及び該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせ、(ii) 「Y−PRIMER」及び該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせ、(iii) 「N−PRIMER」及び該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせ、(iv) 「P−PRIMER」及び該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせ、(v) (i)と(ii)の組み合わせ、(vi) (iii)と(iv)の組み合わせのいずれかの組み合わせで行うことができる。
PCRの反応条件は所望の核酸配列を増幅できる限りにおいて特に制限されず、当業者が通常行う条件でPCRを行うことができるが、例えば、以下のようにして行うことができる。
(a)核酸合成酵素
核酸合成酵素としては、鋳型の核酸の種類に応じて、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼおよび逆転写酵素(reverse transcriptase)から適宜選択して用いることができる。ここで、DNAポリメラーゼとしては、例えば、Thermus aquaticus由来のTaq DNAポリメラーゼ、Thermus thermophilus由来のTth DNAポリメラーゼ、Pyrococcus由来のKOD、PfuあるいはPwoDNAポリメラーゼ、あるいは前記の耐熱性ポリメラーゼの混合等があるが、これらにのみ限定されるものではない。なおTth DNAポリメラーゼはRT活性も有しているため、RT-PCRをOne tube-One stepで行うときに、1種類の酵素で賄うことが出来る特徴を有している。逆転写酵素は、RNAをcDNAに逆転写出来る酵素を意味する。逆転写酵素としては、Rous associated virus(RAV)やAvian myeloblastosis virus(AMV)等のトリのレトロウイルス由来の逆転写酵素、Moloney murine leukemia virus(MMLV)等のマウスのレトロウイルス由来の逆転写酵素あるいは前記のTth DNAポリメラーゼ等があるが、これらにのみ限定されるものではない。
(b)PCR反応
PCR反応は例えば、以下のとおりである。
反応液組成の例:
塩化マグネシウム 2乃至2.5mM(好ましくは2.5mM);
1×PCR緩衝液(10mM トリス−塩酸(25℃におけるpH8.3乃至9.0(好ましくは8.3))、50mM 塩化カリウム;
dNTPs 0.2乃至0.25mM(好ましくは0.25mM);
遺伝子多型検出用オリゴヌクレオチド及び該ヌクレオチドと対になって用いられるオリゴヌクレオチド 0.2乃至0.5μM(好ましくは0.2μM);
Taqポリメラーゼ 1乃至2.5単位(好ましくは2.5単位);
滅菌水を加えて全量を80μlに調整し、その全量を、逆転写反応を終了した反応液全量に加えてからPCRを開始する。
反応温度条件: まず94℃で2分間加熱した後、90乃至95℃(好ましくは94℃)で30秒間、40乃至65℃(好ましくは、プライマーの特性から算出される解離温度(Tm)からそれより20度低い温度までの範囲内で30秒間、70乃至75℃(好ましくは72℃)で1.5分間の温度サイクルを28乃至50サイクル(好ましくは30サイクル)繰り返してから、4℃に冷却する。
(2)遺伝子多型の検出
PCR終了後、反応液を電気泳動し、目的配列の大きさのバンドが増幅されているか否かを検出する。
(a)「X−PRIMER」を用いた場合
X−PRIMER及び該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認できた場合には、多型部分のオリゴヌクレオチドはX−PRIMERの3’末端のオリゴヌクレオチドと相補的なヌクレオチドと判断することができ、多型はないと判定することができる。
一方目的の配列が増幅されないときは、多型部分のオリゴヌクレオチドはX−PRIMERの3’末端のオリゴヌクレオチドと相補的なヌクレオチドではないと判断することができ、遺伝子多型を有すると判定することができる。
(b)「Y−PRIMER」を用いた場合
Y−PRIMERと該該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認できた場合には、多型部分のオリゴヌクレオチドはY−PRIMERの3’末端のオリゴヌクレオチドと相補的なヌクレオチドと判断することができ、遺伝子多型を有すると判定することができる。
一方目的の配列が増幅されないときは、多型部分のオリゴヌクレオチドはY−PRIMERの3’末端のオリゴヌクレオチドと相補的なヌクレオチドではないと判断することができ、遺伝子多型を有さないと判定することができる。
(c)「X−PRIMER」及び「Y−PRIMER」の両方を用いた場合
X−PRIMERと該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認でき、Y−PRIMERと該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認できない場合には、遺伝子多型はないと判定することができる。
一方、X−PRIMERと該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認できず、Y−PRIMERと該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認できた場合には、遺伝子多型を有すると判定することができる。
(d)「N−PRIMER」を用いた場合
「N−PRIMER」及び該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認できた場合には、多型部分のオリゴヌクレオチドは「N−PRIMER」の3’末端のオリゴヌクレオチドと相補的なヌクレオチドと判断することができ、多型はないと判定することができる。
一方目的の配列が増幅されないときは、多型部分のオリゴヌクレオチドは「N−PRIMER」の3’末端のオリゴヌクレオチドと相補的なヌクレオチドではないと判断することができ、遺伝子多型を有すると判定することができる。
(e)「P−PRIMER」を用いた場合
「P−PRIMER」と該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認できた場合には、多型部分のオリゴヌクレオチドは「P−PRIMER」の3’末端のオリゴヌクレオチドと相補的なヌクレオチドと判断することができ、遺伝子多型を有すると判定することができる。
一方目的の配列が増幅されないときは、多型部分のオリゴヌクレオチドは「P−PRIMER」の3’末端のオリゴヌクレオチドと相補的なヌクレオチドではないと判断することができ、遺伝子多型を有さないと判定することができる。
(f)「N−PRIMER」及び「P−PRIMER」の両方を用いた場合
「N−PRIMER」と該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認でき、「P−PRIMER」と該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認できない場合には、遺伝子多型はないと判定することができる。
一方、「N−PRIMER」と該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認できず、「P−PRIMER」と該ヌクレオチドと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認できた場合には、遺伝子多型を有すると判定することができる。
上記(a)乃至(f)のいずれかと同様の実験をENAオリゴヌクレオチドを含まない、オリゴヌクレオチドで行うと本来バンドが出ないはずの鋳型となる核酸に対してもミスマッチによるバンドの出現が確認され、本方法は従来の方法に比べ感度よく遺伝子多型を検出できることが確認できる。また、ENAユニットの代わりにLNAを用いた場合もミスマッチが確認されるが遺伝子多型の検出の精度は低下する。
また、ENAユニットの位置をオリゴヌクレオチドの3’末端から3番目以外にしたオリゴヌクレオチドを用いた場合には、遺伝子多型の検出の精度及び感度が低下する。
B.TaqMan PCRによる遺伝子多型の検出
上記、「A.」の項目において遺伝子多型検出用オリゴヌクレオチドと上記「4.」の項目に記載のTaqManプローブを用い、ABI社ABI PRISM等を用い、その添付プロトコールに従ってTaqMan PCRを行うことによって遺伝子多型を検出することができる。
(a)「X−PRIMER」を用いた場合
「X−PRIMER」とTaqManプローブとの組み合わせによるTaqMan PCRによって蛍光強度の増加によって目的とする配列の増幅が確認できた場合には、多型部分のオリゴヌクレオチドはX−PRIMERの3’末端のオリゴヌクレオチドと相補的なヌクレオチドと判断することができ、遺伝子多型はないと判定することができる。
一方目的の配列が増幅されないときは、多型部分のオリゴヌクレオチドはX−PRIMERの3’末端のオリゴヌクレオチドと相補的なヌクレオチドではないと判断することができ、遺伝子多型を有すると判定することができる。
(b)「Y−PRIMER」を用いた場合
Y−PRIMERとTaqManプローブとの組み合わせによるPCRによって蛍光強度の増加によって目的とする配列の増幅が確認できた場合には、多型部分のオリゴヌクレオチドはY−PRIMERの3’末端のオリゴヌクレオチドと相補的なヌクレオチドと判断することができ、遺伝子多型を有すると判定することができる。
一方目的の配列が増幅されないときは、多型部分のオリゴヌクレオチドはY−PRIMERの3’末端のオリゴヌクレオチドと相補的なヌクレオチドではないと判断することができ、遺伝子多型を有さないと判定することができる。
(c)「X−PRIMER」及び「Y−PRIMER」の両方を用いた場合
X−PRIMERとTaqManプローブとの組み合わせによるPCRによって蛍光強度の増加によって目的とする配列の増幅が確認でき、Y−PRIMERとTaqManプローブとの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認できない場合には、遺伝子多型を有さないと判定することができる。
一方、X−PRIMERとTaqManプローブとの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認できず、Y−PRIMERとTaqManプローブとの組み合わせによるPCRによって蛍光強度の増加によって目的とする配列の増幅が確認できた場合には、遺伝子多型を有さないと判定することができる。
(d)「N−PRIMER」を用いた場合
「N−PRIMER」とTaqManプローブとの組み合わせによるTaqMan PCRによって蛍光強度の増加によって目的とする配列の増幅が確認できた場合には、多型部分のオリゴヌクレオチドは「N−PRIMER」の3’末端のオリゴヌクレオチドと相補的なヌクレオチドと判断することができ、遺伝子多型はないと判定することができる。
一方目的の配列が増幅されないときは、多型部分のオリゴヌクレオチドは「N−PRIMER」の3’末端のオリゴヌクレオチドと相補的なヌクレオチドではないと判断することができ、遺伝子多型を有すると判定することができる。
(e)「P−PRIMER」を用いた場合
「P−PRIMER」とTaqManプローブとの組み合わせによるPCRによって蛍光強度の増加によって目的とする配列の増幅が確認できた場合には、多型部分のオリゴヌクレオチドは「P−PRIMER」の3’末端のオリゴヌクレオチドと相補的なヌクレオチドと判断することができ、遺伝子多型を有すると判定することができる。
一方目的の配列が増幅されないときは、多型部分のオリゴヌクレオチドは「P−PRIMER」の3’末端のオリゴヌクレオチドと相補的なヌクレオチドではないと判断することができ、遺伝子多型を有さないと判定することができる。
(f)「N−PRIMER」及び「P−PRIMER」の両方を用いた場合
「N−PRIMER」とTaqManプローブとの組み合わせによるPCRによって蛍光強度の増加によって目的とする配列の増幅が確認でき、「P−PRIMER」とTaqManプローブとの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認できない場合には、遺伝子多型を有さないと判定することができる。
一方、「N−PRIMER」とTaqManプローブとの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認できず、「P^PRIMER」とTaqManプローブとの組み合わせによるPCRによって蛍光強度の増加によって目的とする配列の増幅が確認できた場合には、遺伝子多型を有さないと判定することができる。
C.MALDI−TOF/MS法による遺伝子多型の検出
MALDI−TOF/MS法による多型の検出法(「SNP遺伝子多型の戦略」(中村祐輔編), 中山書店, 東京, (2000)、p.106−117)に記載の方法を一部改変することによって遺伝子多型を検出することができる。以下、具体的に説明する。
多型部位を含むPCR産物をゲノムDNAより増幅する。その際、多型部位の塩基とPCRプライマーは重複しないように設計する。
次にPCR反応系に残存しているdNTPとプライマーとして用いたオリゴヌクレオチドを除去し、精製PCR産物とする。
精製PCR産物を鋳型として、上記「4.」の「(1)遺伝子多型検出用オリゴヌクレオチド」に記載のオリゴヌクレオチドを鋳型に対して10倍以上の過剰量加え、90乃至95℃でアニールさせ、サーマルサイクル反応を行う。サーマルサイクル反応はオリゴヌクレオチドの伸張反応が確認される限りにおいて特に制限されないが、例えば、94℃と37℃の2温度間で25回の反応で、適当な伸張効率が得られる。
得られた伸張反応産物を精製し、塩、緩衝液、界面活性剤、蛋白を除去する。この精製物をMALDIプレートにスポットし、MALDI−TOF/MSによって質量を分析する。
対象遺伝子の多型部位が遺伝子多型検出用オリゴヌクレオチドと相補的なオリゴヌクレオチドであるときには遺伝子多型検出用オリゴヌクレオチドにddNTPが付加された伸張反応産物の蓄積が確認されるが、多型部位が遺伝子多型検出用オリゴヌクレオチドと相補的でないときは伸張反応産物は蓄積されない。
「X−PRIMER」を用いた場合に伸張反応産物が確認されれば、多型部分は基準ヌクレオチドであり、多型を有さないと判定することができ、伸張反応産物が確認されなければ、多型部分は変異ヌクレオチドであり、遺伝子多型を有すると判断できる。
「Y−PRIMER」を用いた場合に伸張反応産物が確認されれば、多型部分は変異ヌクレオチドであり、多型を有すると判断でき、伸張反応産物が確認されなければ、多型部分は基準ヌクレオチドであり、遺伝子多型を有さないと判断できる。
「N−PRIMER」を用いた場合に伸張反応産物が確認されれば、多型部分は基準ヌクレオチドであり、多型を有さないと判定することができ、伸張反応産物が確認されなければ、多型部分は変異ヌクレオチドであり、遺伝子多型を有すると判断できる。
「P−PRIMER」を用いた場合に伸張反応産物が確認されれば、多型部分は変異ヌクレオチドであり、多型を有すると判断でき、伸張反応産物が確認されなければ、多型部分は基準ヌクレオチドであり、遺伝子多型を有さないと判断できる。
また、キアゲン社(Qiagen)のLightCycler systemとそれを用いてPCR産物を検出するキット(Quantitect SYBR Green PCR Kit)等に応用することによって生成するPCR産物の有無を検出することなどを用いて、PCR産物を測定することも可能である。

6.遺伝子多型の存在状態の確認
本発明の方法によると鋳型となる核酸中の多型がヘテロで存在するかホモで存在するかを判定することができる。具体的には以下の(a)乃至(f)のいずれかの方法によって判定することができる。
(a)「X−PRIMER」を用いた場合
「X−PRIMER」と該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認できた場合にホモであることが分かっている検体に比べ目的とするバンドの出現量が約半分になっている場合には、多型は基準ヌクレオチドと変異ヌクレオチドのヘテロであると判定することができる。
(b)「Y−PRIMER」を用いた場合
Y−PRIMERと該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認できた場合にホモであることが分かっている検体に比べ目的とするバンドの出現量が約半分になっている場合には、多型は基準ヌクレオチドと変異ヌクレオチドのヘテロであると判定することができる。
(c)「X−PRIMER」及び「Y−PRIMER」の両方を用いた場合
X−PRIMERと該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認でき、Y−PRIMERと該ヌクレオチドと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせによるPCRによっても目的とする配列の増幅が確認できる場合には、多型はヘテロであると判定することができる。
(d)「N−PRIMER」を用いた場合
「N−PRIMER」と該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認できた場合に、ホモであることが分かっている検体に比べ目的とするバンドの出現量が約半分になっている場合には、多型は基準ヌクレオチドと変異ヌクレオチドのヘテロであると判定することができる。
(e)「P−PRIMER」を用いた場合
「P−PRIMER」と該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認できた場合に、ホモであることが分かっている検体に比べ目的とするバンドの出現量が約半分になっている場合には、多型は基準ヌクレオチドと変異ヌクレオチドのヘテロであると判定することができる。
(f)「N−PRIMER」及び「P−PRIMER」の両方を用いた場合
「N−PRIMER」と該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせによるPCRによって目的とする配列の増幅が確認でき、「P−PRIMER」と該プライマーと対になって用いられるオリゴヌクレオチドとの組み合わせによるPCRによっても目的とする配列の増幅が確認できる場合には、多型はヘテロであると判定することができる。

7.遺伝子多型検出用キット
本発明の方法を行うために使用するプライマー及び試薬類を遺伝子多型検出用キットとして提供することができる。そのようなキットは以下の物を含む。
キット1:(a)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなり、3’末端部位に対象遺伝子の基準ヌクレオチドに相補的なヌクレオチド、その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド;
(b)(a)に記載のオリゴヌクレオチドと対になって目的配列部分を増幅し得るオリゴヌクレオチド;
(c)DNAポリメラーゼ;
(d)PCR緩衝液、
(13) 以下のものを含む、遺伝子多型検出用キット:
(a)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなり、3’末端部位に対象遺伝子の変異ヌクレオチドに相補的なヌクレオチド、その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド;
(b)(a)に記載のオリゴヌクレオチドと対になって目的配列部分を増幅し得るプライマー;
(c)DNAポリメラーゼ;
(d)PCR緩衝液。
キット2:
(a)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなり、3’末端部位に対象遺伝子の基準ヌクレオチドに相補的なヌクレオチド、その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド;
(b)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなり、3’末端部位に対象遺伝子の変異ヌクレオチドに相補的なヌクレオチド、その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド;
(c)(a)又は(b)に記載のオリゴヌクレオチドと対になって目的配列部分を増幅し得るオリゴヌクレオチド;
(d)DNAポリメラーゼ;
(e)PCR緩衝液。
キット3:
(a)以下の(i)乃至(v)の特徴を有するオリゴヌクレオチド:
(i) オリゴヌクレオチドの3’末端部位が対象遺伝子の基準ヌクレオチドに相補的なヌクレオチドからなる、
(ii) オリゴヌクレオチドの3’末端から2番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として2番目)のヌクレオチドが基準遺伝子のヌクレオチドと相補的でないヌクレオチドからなる、
(iii) その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチドと相補的なヌクレオチドを有する、
(iv) オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として3番目)のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる、
(v) オリゴヌクレオチドのヌクレオチドの長さはPCRによって核酸を増幅できる限りにおいて特に制限はないが、好ましくは15〜40ヌクレオチド、より好ましくは18〜35ヌクレオチド、更に好ましくは18〜25ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドである。
(b)(a)に記載のオリゴヌクレオチドと対になって目的配列部分を増幅し得るプライマー;
(c)DNAポリメラーゼ;
(d)PCR緩衝液。
キット4:
(a)以下の特徴を有するオリゴヌクレオチド:
(i) オリゴヌクレオチドの3’末端部位が対象遺伝子の変異ヌクレオチドに相補的なヌクレオチドからなる、
(ii) オリゴヌクレオチドの3’末端から2番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として2番目)のヌクレオチドが基準遺伝子のヌクレオチドと相補的でないヌクレオチドからなる、
(iii) その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチドと相補的なヌクレオチドを有する、
(iv) オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として3番目)のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる、
(v) オリゴヌクレオチドのヌクレオチドの長さはPCRによって核酸を増幅できる限りにおいて特に制限はないが、好ましくは15〜40ヌクレオチド、より好ましくは18〜35ヌクレオチド、更に好ましくは18〜25ヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドである。
(b)(a)に記載のオリゴヌクレオチドと対になって目的配列部分を増幅し得るプライマー;
(c)DNAポリメラーゼ;
(d)PCR緩衝液。
本発明のこれらのキット1乃至4には、場合によっては電気泳動用の各種試薬、dNTP、電気泳動用マーカー等を含ませることもできる。

発明を実施するための最良の形態
以下、実施例、参考例及び試験例にて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記実施例において、遺伝子操作に関する各操作は特に明示がない限り、「モレキュラークローニング(Molecular Cloning)」[Sambrook, J.,Fritsch, E.F.およびManiatis, T. 著、Cold Spring Harbor Laboratory Pressより1989年に発刊]に記載の方法により行うか、または、市販の試薬やキットを用いる場合には市販品の指示書に従って使用した。
(実施例1)
HO-Cp-Ap-Cp-Tp-Gp-Gp-Gp-Ap-Gp-Cp-Ap-Tp-Tp-Gp-Ap-Gp-Gp-5Ce2p-Tp-Ctの合成
核酸自動合成機(パーキンエルマー社製 ABI model 394 DNA/RNA synthesizer)を用い、40 nmolのプログラムで行った。各合成サイクルにおける溶媒、試薬、ホスホロアミダイトの濃度は天然オリゴヌクレオチド合成の場合と同じものを用いた。CPGは、約0.1μmol用いた。非天然型のホスホロアミダイトとしては、特許第3420984号の実施例22(5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O,4’-C-エチレン-4-N-ベンゾイル-5-メチルシチジン-3’-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)、の化合物を用いた。目的配列を有する保護されたオリゴヌクレオチド類縁体を濃アンモニア水で処理することによってオリゴマーを支持体から切り出すとともに、リン原子上の保護基シアノエチル基と核酸塩基上の保護基をはずした。溶媒を減圧下留去し、残った残渣を逆相HPLC(島津製作所製LC−10VP、カラム(Merck, Chromolith Performance RP-18e (4.6×100mm))、A溶液:5%アセトニトリル、0.1M酢酸トリエチルアミン水溶液(TEAA), pH 7.0、B溶液:アセトニトリル、B%:10%→ 50%(10min, linear gradient);60℃;2 ml/min;254 nm)にて精製し、 ジメトキシトリチル基を有する目的物のピークを集めた。水を加え、減圧下留去することで、TEAAを除いた。80%酢酸水溶液(200μl)を加え、20分放置することで、ジメトキシトリチル基の脱保護を行った。溶媒を留去したのち逆相HPLC(島津製作所製LC−10VP、カラム(Merck, Chromolith Performance RP-18e (4.6×100mm))、A溶液:5%アセトニトリル、0.1M TEAA, pH 7.0、B溶液:25%アセトニトリル, 0.1M TEAA、B%:0%→ 40%(10min, linear gradient);60℃;2 ml/min;254 nm)にて精製し、目的物のピークを集めた。減圧下溶媒を留去後、水1mlに溶かし、(9.4 A260 units)。また、本化合物は、負イオンESI質量分析により同定した(計算値:6214.11、測定値:6214.62)。
本化合物の塩基配列は、human prothrombin gene(GenBank accession No.M17262 )のヌクレオチド番号 26784-26803に相補的な配列である。
(実施例2)
HO-Cp-Ap-Cp-Tp-Gp-Gp-Gp-Ap-Gp-Cp-Ap-Tp-Tp-Gp-Ap-Gp-Gp-5Ce2p-Tp-Ttの合成
実施例2の化合物は、実施例1と同様に合成した(21 A260 units)。本化合物は、負イオンESI質量分析により同定した(計算値:6229.12、測定値:6229.21)。
本化合物の塩基配列は、human prothrombin gene(GenBank accession No.M17262 )のヌクレオチド番号 26784-26803であって、ヌクレオチド番号 26784がGからAに変異したものに相補的な配列である。
(実施例3)
HO-Ap-Tp-Cp-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-5Ce2p-Ap-Ttの合成の合成
実施例3の化合物は、実施例1と同様に合成した(8.9 A260 units)。本化合物は、負イオンESI質量分析により同定した(計算値:8530.67、測定値:8530.75)。
本化合物の塩基配列は、GenBank accession No.AL935325 記載のヌクレオチド番号 60529-60556の配列であって、ヌクレオチド番号 60556のCがTになっている配列である。
(実施例4)
HO-Ap-Tp-Cp-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-5Ce2p-Ap-Ctの合成の合成
実施例4の化合物は、実施例1と同様に合成した(10.1 A260 units)。本化合物は、負イオンESI質量分析により同定した(計算値:8515.66、測定値:8515.56)。
本化合物の塩基配列は、GenBank accession No.AL935325 記載のヌクレオチド番号 60529-60556の配列である。
(参考例1)
HO-Cp-Ap-Cp-Tp-Gp-Gp-Gp-Ap-Gp-Cp-Ap-Tp-Tp-Gp-Ap-Gp-Gp-Cp-Tp-Ct
参考例1の化合物は、核酸自動合成機を用いて常法により合成した。
本化合物の塩基配列は、human prothrombin gene(GenBank accession No.M17262 )のヌクレオチド番号 26784-26803に相補的な配列であり、配列表の配列番号1に示されている。
(参考例2)
HO-Cp-Ap-Cp-Tp-Gp-Gp-Gp-Ap-Gp-Cp-Ap-Tp-Tp-Gp-Ap-Gp-Gp-Cp-Tp-Tt
参考例2の化合物は、核酸自動合成機を用いて常法により合成した。
本化合物の塩基配列は、human prothrombin gene(GenBank accession No.M17262 )のヌクレオチド番号 26784-26803であって、ヌクレオチド番号 26784がGからAに変異したものに相補的な配列であリ、配列表の配列番号2に示されている。
(参考例3)
HO-Cp-Ap-Cp-Tp-Gp-Gp-Gp-Ap-Gp-Cp-Ap-Tp-Tp-Gp-Ap-Gp-Gp-Cp-Tp-Ce2tの合成
参考例3の化合物は、実施例1と同様に合成した(0.3 A260 units)。但し、非天然型のホスホロアミダイトとしては、特許第3420984号の実施例5(5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O,4’-C-エチレン-4-N-ベンゾイルシチジン-3’-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)の化合物を用い、固相担体は、universal-Q 500 CPG(Glen Research製) 約0.1μmolを用いた。本化合物は、負イオンESI質量分析により同定した(計算値:6200.08、測定値:6200.25)。
本化合物の塩基配列は、human prothrombin gene(GenBank accession No.M17262 )のヌクレオチド番号 26784-26803に相補的な配列である。
(参考例4)
HO-Cp-Ap-Cp-Tp-Gp-Gp-Gp-Ap-Gp-Cp-Ap-Tp-Tp-Gp-Ap-Gp-Gp-Cp-Tp-Te2tの合成
参考例4の化合物は、実施例1と同様に合成した(0.94 A260 units)。但し、非天然型のホスホロアミダイトとしては、特許第3420984号の実施例9(5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O,4’-C-エチレン-5-メチルウリジン-3’-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)、の化合物を用い、固相担体は、universal-Q 500 CPG(Glen Research製) 約0.1μmolを用いた。本化合物は、負イオンESI質量分析により同定した(計算値:6215.09、測定値:6215.06)。
本化合物の塩基配列は、human prothrombin gene(GenBank accession No.M17262 )のヌクレオチド番号 26784-26803であって、ヌクレオチド番号 26784がGからAに変異したものに相補的な配列である。
(参考例5)
HO-Cp-Ap-Cp-Tp-Gp-Gp-Gp-Ap-Gp-Cp-Ap-Tp-Tp-Gp-Ap-Gp-Gp-Cp-Te2p-Ctの合成
参考例5の化合物は、実施例1と同様に合成した(2.28 A260 units)。但し、非天然型のホスホロアミダイトとしては、特許第3420984号の実施例9(5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O,4’-C-エチレン-5-メチルウリジン-3’-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)、の化合物を用いた。本化合物は、負イオンESI質量分析により同定した(計算値:6200.08、測定値:6200.26)。
本化合物の塩基配列は、human prothrombin gene(GenBank accession No.M17262 )のヌクレオチド番号 26784-26803に相補的な配列である。
(参考例6)
HO-Cp-Ap-Cp-Tp-Gp-Gp-Gp-Ap-Gp-Cp-Ap-Tp-Tp-Gp-Ap-Gp-Gp-Cp-Te2p-Ttの合成
参考例6の化合物は、実施例1と同様に合成した(4.98 A260 units)。但し、非天然型のホスホロアミダイトとしては、特許第3420984号の実施例9(5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O,4’-C-エチレン-5-メチルウリジン-3’-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)、の化合物を用いた。本化合物は、負イオンESI質量分析により同定した(計算値:6215.09、測定値:6215.26)。
本化合物の塩基配列は、human prothrombin gene(GenBank accession No.M17262 )のヌクレオチド番号 26784-26803であって、ヌクレオチド番号 26784がGからAに変異したものに相補的な配列である。
(参考例7)
HO-Cp-Ap-Cp-Tp-Gp-Gp-Gp-Ap-Gp-Cp-Ap-Tp-Tp-Gp-Ap-Gp-Ge2p-Cp-Tp-Ctの合成
参考例7の化合物は、実施例1と同様に合成した(4.32 A260 units)。但し、非天然型のホスホロアミダイトとしては、特許第3420984号の実施例27 (5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O,4’-C-エチレン-2-N-イソブチリルグアノシン-3’-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)、の化合物を用いた。本化合物は、負イオンESI質量分析により同定した(計算値:6200.08、測定値:6199.95)。
本化合物の塩基配列は、human prothrombin gene(GenBank accession No.M17262 )のヌクレオチド番号 26784-26803に相補的な配列である。
(参考例8)
HO-Cp-Ap-Cp-Tp-Gp-Gp-Gp-Ap-Gp-Cp-Ap-Tp-Tp-Gp-Ap-Gp-Ge2p-Cp-Tp-Ttの合成
参考例8の化合物は、実施例1と同様に合成した(8.0 A260 units)。但し、非天然型のホスホロアミダイトとしては、特許第3420984号の実施例27 (5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O,4’-C-エチレン-2-N-イソブチリルグアノシン-3’-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)、の化合物を用いた。本化合物は、負イオンESI質量分析により同定した(計算値:6215.09、測定値:6215.06)。
本化合物の塩基配列は、human prothrombin gene(GenBank accession No.M17262 )のヌクレオチド番号 26784-26803であって、ヌクレオチド番号 26784がGからAに変異したものに相補的な配列である。
(参考例9)
HO-Cp-Ap-Cp-Tp-Gp-Gp-Gp-Ap-Gp-Cp-Ap-Tp-Tp-Gp-Ap-Gp-Gp-Ce1p-Tp-Ctの合成
参考例9の化合物は、実施例1と同様に合成した(13.28 A260 units)。但し、非天然型のホスホロアミダイトとしては、文献Tetrahedron (1998) 54, 3607-3630. 記載の5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O,4’-C-メチレン-4-N-ベンゾイルシチジン-3’-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピル)ホスホロアミダイト、の化合物(Ce1p)を用いた。本化合物は、負イオンESI質量分析により同定した(計算値:6186.05、測定値:6186.45)。
本化合物の塩基配列は、human prothrombin gene(GenBank accession No.M17262 )のヌクレオチド番号 26784-26803に相補的な配列である。
(参考例10)
HO-Cp-Ap-Cp-Tp-Gp-Gp-Gp-Ap-Gp-Cp-Ap-Tp-Tp-Gp-Ap-Gp-Gp-Ce1p-Tp-Ttの合成
参考例10の化合物は、実施例1と同様に合成した(8.0 A260 units)。但し、非天然型のホスホロアミダイトとしては、文献Tetrahedron (1998) 54, 3607-3630. 記載の5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O,4’-C-メチレン-4-N-ベンゾイルシチジン-3’-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピル)ホスホロアミダイト、の化合物(Ce1p)を用いた。本化合物は、負イオンESI質量分析により同定した(計算値:6201.07、測定値:6201.14)。
本化合物の塩基配列は、human prothrombin gene(GenBank accession No.M17262 )のヌクレオチド番号 26784-26803であって、ヌクレオチド番号 26784がGからAに変異したものに相補的な配列である。
(参考例11)
HO-Ap-Tp-Cp-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-Ttの合成
参考例11の化合物は、核酸自動合成機を用いて常法により合成した。
本化合物の塩基配列は、GenBank accession No.AL935325 記載のヌクレオチド番号 60529-60556の配列であって、ヌクレオチド番号 60556のCがTになっている配列であり、配列表の配列番号3に示されている。
(参考例12)
HO-Ap-Tp-Cp-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-Ctの合成
参考例12の化合物は、核酸自動合成機を用いて常法により合成した。
本化合物の塩基配列は、GenBank accession No.AL935325 記載のヌクレオチド番号 60529-60556の配列であり、配列表の配列番号4に示されている。
(参考例13)
HO-Ap-Tp-Cp-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-Te2tの合成
参考例13の化合物は、実施例1と同様に合成した(7.8 A260 units)。但し、非天然型のホスホロアミダイトとしては、特許第3420984号の実施例9(5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O,4’-C-エチレン-5-メチルウリジン-3’-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)の化合物を用い、固相担体は、universal-Q 500 CPG(Glen Research製) 約0.1μmolを用いた。本化合物は、負イオンESI質量分析により同定した(計算値:8516.64、測定値:8515.88)。
本化合物の塩基配列は、GenBank accession No.AL935325 記載のヌクレオチド番号 60529-60556の配列であって、ヌクレオチド番号 60556のCがTになっている配列である。
(参考例14)
HO-Ap-Tp-Cp-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-5Ce2tの合成
参考例14の化合物は、実施例1と同様に合成した(7.4 A260 units)。但し、固相担体は、universal-Q 500 CPG(Glen Research製) 約0.1μmolを用いた。本化合物は、負イオンESI質量分析により同定した(計算値:8516.66、測定値:8516.00)。
本化合物の塩基配列は、GenBank accession No.AL935325 記載のヌクレオチド番号 60529-60556の配列である。
(参考例15)
HO-Ap-Tp-Cp-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ae2p-Ttの合成
参考例15の化合物は、実施例1と同様に合成した(8.4 A260 units)。但し、非天然型のホスホロアミダイトとしては、特許第3420984号の実施例14(5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O,4’-C-エチレン-6-N-ベンゾイルアデノシン-3’-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)の化合物を用いた。本化合物は、負イオンESI質量分析により同定した(計算値:8516.64、測定値:8516.32)。
本化合物の塩基配列は、GenBank accession No.AL935325 記載のヌクレオチド番号 60529-60556の配列であって、ヌクレオチド番号 60556のCがTになっている配列である。
(参考例16)
HO-Ap-Tp-Cp-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ae2p-Ctの合成
参考例16の化合物は、実施例1と同様に合成した(7.9 A260 units)。但し、非天然型のホスホロアミダイトとしては、特許第3420984号の実施例14(5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O,4’-C-エチレン-6-N-ベンゾイルアデノシン-3’-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)の化合物を用いた。本化合物は、負イオンESI質量分析により同定した(計算値:8501.63、測定値:8500.70)。
本化合物の塩基配列は、GenBank accession No.AL935325 記載のヌクレオチド番号 60529-60556の配列である。
(参考例17)
HO-Ap-Tp-Cp-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ae2p-Cp-Ap-Ttの合成
参考例17の化合物は、実施例1と同様に合成した(9.7 A260 units)。但し、非天然型のホスホロアミダイトとしては、特許第3420984号の実施例14(5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O,4’-C-エチレン-6-N-ベンゾイルアデノシン-3’-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)の化合物を用いた。本化合物は、負イオンESI質量分析により同定した(計算値:8516.64、測定値:8517.14)。
本化合物の塩基配列は、GenBank accession No.AL935325 記載のヌクレオチド番号 60529-60556の配列であって、ヌクレオチド番号 60556のCがTになっている配列である。
(参考例18)
HO-Ap-Tp-Cp-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Tp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ap-Cp-Ae2p-Cp-Ap-Ctの合成
参考例18の化合物は、実施例1と同様に合成した(7.2 A260 units)。但し、非天然型のホスホロアミダイトとしては、特許第3420984号の実施例14(5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O,4’-C-エチレン-6-N-ベンゾイルアデノシン-3’-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)の化合物を用いた。本化合物は、負イオンESI質量分析により同定した(計算値:8501.63、測定値:8501.65)。
本化合物の塩基配列は、GenBank accession No.AL935325 記載のヌクレオチド番号 60529-60556の配列である。
(試験例1) Human prothrombin geneのSNPの検出
human prothrombin gene (coagulation factor II), GenBank accession No. M17262)のSNP(F2 20210G-A)の検出のために、Reverse primer, Human DNAは、Proligo社のTrueSNP Demo Kitを同プロトコールに従って調製したものを使用した。Reverse primerのヌクレオチド配列はGenBank accession No.M17262 )のヌクレオチド番号 26588−26605に相当し、以下のとおりである。
5'−GGGTGAAGGCTGTGACCG-3'(配列表の配列番号5)
Forward primerとして実施例1、実施例2、参考例1、参考例2、参考例3、参考例4、参考例5、参考例6、参考例7及び参考例8のいずれかに記載の化合物(1.25 μM) 5 μL、Reverse primer 1.3μL、Premix Taq(宝酒造製)12.5 μL、Human DNA溶液1 μL、滅菌水5.2 μLを含む溶液をTakara PCR Thermal Cycler PERSONAL (TP240)を使って、PCR反応(Hot Start法)を行った。反応サイクルは、94℃ 10分間の処理の後、94℃ 1分、63℃ 1分、72℃ 1分、の反応を31サイクル繰り返した。反応後、反応液5 μLに1 μLのloading solutionを加え、10%ポリアクリルアミドゲル電気泳動(1xTBE, 200V定電圧, 約1時間)を行い、SYBR Green I (Cambrex社製)で染色後、Molecular Imager FX Fluoresent Imager system (Bio-Rad)を用いバンドを可視化し、Quantity One software (Bio-Rad)を使って定量した。
その結果を図5に示す。ENAユニットを3’末端から3番目に導入した化合物をForwardprimerに用いた場合では、実施例1に記載の化合物では目的の遺伝子(216 bp)の増幅が確認できたのに対し、実施例2に記載の化合物では目的の遺伝子(216 bp)の増幅が確認できなかった。一方、天然型のオリゴヌクレオチドである参考例1及び参考例2に記載の化合物をForward primerに用いた場合では、参考例1に記載の化合物だけではなく、参考例2に記載の化合物でも遺伝子の増幅が確認され、ミスマッチによる遺伝子の増幅が起きていた。また、ENAユニットを3’末端に導入した参考例3及び4の化合物、並びに、ENAユニットを3’末端から2番目に導入した参考例5及び6の化合物では目的のバンドの増幅は確認できなかった。このことからENAユニットを3’末端から3番目に導入した化合物をプライマーに用いるとミスマッチがほとんどなく選択的な遺伝子(216 bp)の増幅ができることがわかった。
また、図6においては、Premix Taq(宝酒造製)のかわりに、Premix EX Taq(宝酒造製)を用いた例を示す。この場合においても、ENAユニットを3’末端から3番目に導入したプライマーにおいてミスマッチがほとんど起こらず、実施例1のプライマーを用いたものが、最も効率的に、かつ、選択的に遺伝子が増幅された。
検出されたバンドの蛍光強度を数値化し、図7のようにプロットした。参考例9、10に記載の化合物は、LNAユニットを3’末端から3番目に導入した場合であり、参考例10の化合物をForward primerに用いた場合、ミスマッチによる遺伝子の増幅が15%見られたのに対し、ENAユニットを3’末端から3番目に導入した、実施例2の化合物をForward primerに用いた場合では、ミスマッチによる遺伝子の増幅が6%に過ぎず、ENA体がミスマッチが少なく選択性が高いことが明らかになった。
(試験例2) アンジオポエチン関連3(Angiopoietin-like 3)遺伝子プロモーター内の多型の検出
(1)マウスゲノムDNAの調製
マウスAKR strain、KKマウスNga strain及び KKマウスSnk strainのマウス(4週齢)より採取した尾(1.5cm)を840μlの溶解液(720μlの1×SSC、80μlの10% SDS、40μlの10mg/ml プロテイナーゼKを含む)に浸漬し、50℃で保温しながら一晩振盪した。次いで、1mg/ml リボヌクレアーゼAを20μl加えて、50℃で1時間保温した。その後、フェノール・クロロホルム抽出を2回、エタノール沈殿操作を1回行い、沈殿を10mM トリス−塩酸(pH7.5)、1mM EDTAを含む緩衝液150μlに溶解した。溶液を分光光度計(U−3000、(株)日立製作所製)で260nm波長における吸光度を測定し、滅菌水を加えて濃度を25ng/μlに調整してゲノムDNA試料とした。
(2)PCR
Angiopoietin-like protein 3遺伝子プロモーター内の多型は、direct sequenceの結果から、図8のような多型を持つ。図8では、マウスKK/Nga strain、KK/Snk strainと比べてマウスAKR strainでは「:」で示す2塩基(CA)が欠失している多型を有することを示している。
PCRにおけるReverse primerは以下の配列:
5’-GTCACTAGACTACTGCTTACTGTCC-3’(配列表の配列番号6)
(本化合物の塩基配列は、GenBank accession No.AL935325 記載のヌクレオチド番号 60658-60682に相補的な配列である)のものを用いた。Forward primerとして実施例3、実施例4、参考例11、参考例12、参考例13、参考例14、参考例15、参考例16、参考例17及び参考例18のいずれかに記載の化合物(1.25 μM) 5 μL、Reverse primer (1.25 μM) 5μL、Premix Taq(宝酒造製)12.5 μL、ゲノム DNA溶液(100 ng/1μL) 0.125 μL、滅菌水2.38 μLの溶液を、Takara PCR Thermal Cycler PERSONAL (TP240)を使って、PCR反応(Hot Start法)を行った。反応サイクルは、94℃ 10分間の熱処理後、94℃ 分、63℃ 1分、72℃ 1分のサイクルを30サイクル繰り返した。反応後、反応液5 μLに1 μLのloading solutionを加え、10%ポリアクリルアミドゲル電気泳動(1xTBE, 200V定電圧, 約1時間)を行い、SYBR Green I (Cambrex社製)で染色後、Molecular Imager FX Fluoresent Imager system (Bio-Rad)を用い可視化した。
(3)結果
マウスAKR strain由来のゲノムDNA(AKR)を鋳型として用いた結果を図9−Aに示す。ENAユニットを3’末端から3番目に導入した実施例3及び4に記載の化合物において、実施例3の化合物をforward primerに用いたものが、選択的に遺伝子(152 bp)を増幅できることがわかった。
KKマウスNga strain由来のゲノムDNA(KK/Nga)を鋳型に用いた場合を図9−Bに示す。ENAユニットを3’末端から3番目に導入した実施例3及び4に記載の化合物において、実施例4に記載の化合物をForward primerに用いたものが、最も効率的に、かつ、選択的に遺伝子(154bp)を増幅できることがわかった。
図10に、実施例3及び4に記載の化合物のいずれかをForward primerとして用い、AKRのゲノムDNA、KK/NgaのゲノムDNA 、 KKマウスSnk strain (KK/Snk)のゲノムDNA、並びに、AKRとKK/NgaのゲノムDNAを等量づつ混ぜたDNA(Mix)を鋳型としたPCRの結果を示した。図10Aに示したように、AKRでは実施例3に記載の化合物をForward primerとして用いたもので選択的な遺伝子の増幅が確認され、またKK/Nga, KK/Snkでは実施例4に記載の化合物をForward primerとして用いたもので選択的な遺伝子の増幅が確認された。Mixでは、実施例3及び4に記載のいずれの化合物をForward primerとして用いた場合にも遺伝子の増幅が確認され、多型がヘテロである場合でも、見分けがつくことが示された。また、図10Bに示したように、すべてが天然型DNAプライマーである参考例11及び12に記載の化合物をForward primerとして用いた場合、目的のバンドの増幅以外に副生成物が見られ、ENAユニットを3’末端から3番目に導入した実施例3及び4に記載の化合物の組み合わせの方が遺伝子多型検出に優れていることがわかった。
(実施例5)
HO-Cp-Ap-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Gp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Tp-Cp-Ap-Cp-Ap-Tp-Ge2p-Tp-Gt
の合成
核酸自動合成機(パーキンエルマー社製 ABI model 394 DNA/RNA synthesizer)を用い、40 nmolのプログラムで
HO-Cp-Ap-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Gp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Tp-Cp-Ap-Cp-Ap-Tp-Ge2p-Tp-Gtを合成した(以下、「プライマーA」とする。各合成サイクルにおける溶媒、試薬、ホスホロアミダイトの濃度は天然オリゴヌクレオチド合成の場合と同じものを用いた。CPGは、約0.1μmol用いた。非天然型のホスホロアミダイトとしては、特許第3420984号の実施例27 (5’-O-ジメトキシトリチル-2’-O,4’-C-エチレン-2-N-イソブチリルグアノシン-3’-O-(2-シアノエチル N,N-ジイソプロピル)ホスホロアミダイト)の化合物を用いた。目的配列を有する保護されたオリゴヌクレオチド類縁体を濃アンモニア水で処理することによってオリゴマーを支持体から切り出すとともに、リン原子上の保護基シアノエチル基と核酸塩基上の保護基をはずした。溶媒を減圧下留去し、残った残渣を逆相HPLC(島津製作所製LC−10VP、カラム(Merck, Chromolith Performance RP-18e (4.6×100mm))、A溶液:5%アセトニトリル、0.1M酢酸トリエチルアミン水溶液(TEAA), pH 7.0、B溶液:アセトニトリル、B%:10%→ 50%(10min, linear gradient);60℃;2 ml/min;254 nm)にて精製し、 ジメトキシトリチル基を有する目的物のピークを集めた。水を加え、減圧下留去することで、TEAAを除いた。80%酢酸水溶液(200μl)を加え、20分放置することで、ジメトキシトリチル基の脱保護を行った。溶媒を留去したのち逆相HPLC(島津製作所製LC−10VP、カラム(Merck, Chromolith Performance RP-18e (4.6×100mm))、A溶液:5%アセトニトリル、0.1M TEAA, pH 7.0、B溶液:25%アセトニトリル, 0.1M TEAA、B%:0%→ 40%(10min, linear gradient);60℃;2 ml/min;254 nm)にて精製し、目的物のピークを集めた。減圧下溶媒を留去後、水1mlに溶かし、MALDI-TOF質量分析により同定した(計算値:7625.0、測定値:7624.1)。
本化合物(プライマーA)の塩基配列は、GenBank accession No.AL935325.14 記載のヌクレオチド番号 60499-60523の配列であって、ヌクレオチド番号 60522のCがTであって、ヌクレオチド番号 60523のAがGになっている配列である。
(実施例6)
HO-Cp-Ap-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Gp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Tp-Cp-Ap-Cp-Ap-Tp-Ge2p-Tp-At
の合成
HO-Cp-Ap-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Gp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Tp-Cp-Ap-Cp-Ap-Tp-Ge2p-Tp-At
(以下「プライマーB」とする。)を、実施例5と同様の方法で合成し、MALDI-TOF質量分析により同定した(計算値:7609.0、測定値:7609.2)。
本化合物(プライマーB)の塩基配列は、GenBank accession No.AL935325.14 記載のヌクレオチド番号 60499-60523の配列であって、ヌクレオチド番号 60522のCがTになっている配列である。
(実施例7)
HO-Cp-Ap-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Gp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Tp-Cp-Ap-Cp-Ap-Tp-Ge2p-Gp-Gt
の合成
HO-Cp-Ap-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Gp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Tp-Cp-Ap-Cp-Ap-Tp-Ge2p-Gp-Gt
(以下、「プライマーC」とする。)を、実施例1と同様の方法で合成し、MALDI-TOF質量分析により同定した(計算値:7650.0、測定値:7649.4)。
本化合物(プライマーC)の塩基配列は、GenBank accession No.AL935325.14 記載のヌクレオチド番号 60499-60523の配列であって、ヌクレオチド番号 60522のCがGであって、ヌクレオチド番号 60523のAがGになっている配列である。
(実施例8)
HO-Cp-Ap-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Gp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Tp-Cp-Ap-Cp-Ap-Tp-Ge2p-Gp-At
の合成
HO-Cp-Ap-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Gp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Tp-Cp-Ap-Cp-Ap-Tp-Ge2p-Gp-At(以下、「プライマーD」とする。)を、実施例5と同様の方法により合成し、MALDI-TOF質量分析により同定した(計算値:7634.1、測定値:7634.2)。
本化合物(プライマーD)の塩基配列は、GenBank accession No.AL935325.14 記載のヌクレオチド番号 60499-60523の配列であって、ヌクレオチド番号 60522のCがGになっている配列である。
(参考例19)
HO-Cp-Ap-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Gp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Tp-Cp-Ap-Cp-Ap-Tp-Gp-Tp-Gt
の合成
HO-Cp-Ap-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Gp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Tp-Cp-Ap-Cp-Ap-Tp-Gp-Tp-Gt
(以下、「プライマーE」とする。)を核酸自動合成機を用いて常法により合成した。本化合物(プライマーE)の塩基配列は、GenBank accession No.AL935325.14 記載のヌクレオチド番号 60499-60523の配列であって、ヌクレオチド番号 60522のCがTであって、ヌクレオチド番号 60523のAがGになっている配列であり、配列表の配列番号7に示されている。
(参考例20)
HO-Cp-Ap-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Gp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Tp-Cp-Ap-Cp-Ap-Tp-Gp-Tp-Atの合成
HO-Cp-Ap-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Gp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Tp-Cp-Ap-Cp-Ap-Tp-Gp-Tp-At(以下、「プライマーF」とする。)を核酸自動合成機を用いて常法により合成した。本化合物(プライマーF)の塩基配列は、GenBank accession No.AL935325.14 記載のヌクレオチド番号 60499-60523の配列であって、ヌクレオチド番号 60522のCがTになっている配列であり、配列表の配列番号8に示されている。
(参考例21)
HO-Cp-Ap-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Gp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Tp-Cp-Ap-Cp-Ap-Tp-Gp-Gp-Gtの合成
HO-Cp-Ap-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Gp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Tp-Cp-Ap-Cp-Ap-Tp-Gp-Gp-Gt本(以下、「プライマーG」とする。)は核酸自動合成機を用いて常法により合成した。
プライマーGの塩基配列は、GenBank accession No.AL935325.14 記載のヌクレオチド番号 60499-60523の配列であって、ヌクレオチド番号 60522のCがGであって、ヌクレオチド番号 60523のAがGになっている配列であり、配列表の配列番号9に示されている。
(参考例22)
HO-Cp-Ap-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Gp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Tp-Cp-Ap-Cp-Ap-Tp-Gp-Gp-At
の合成
HO-Cp-Ap-Tp-Gp-Tp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Gp-Cp-Tp-Ap-Cp-Tp-Tp-Cp-Ap-Cp-Ap-Tp-Gp-Gp-At本(以下、「プライマーH」とする。)を核酸自動合成機を用いて常法により合成した。
プライマーHの塩基配列は、GenBank accession No.AL935325.14 記載のヌクレオチド番号 60499-60523の配列であって、ヌクレオチド番号 60522のCがGになっている配列であり、配列表の配列番号10に示されている。
(試験例3) アンジオポエチン関連3(Angiopoietin-like 3)遺伝子プロモーター内のSNPの検出
マウスAKR 系統(strain)及びKKマウスNga 系統(strain)由来マウス(4週齢)より採取した尾(1.5cm)を840μlの溶解液(720μlの1×SSC、80μlの10% SDS、40μlの10mg/ml プロテイナーゼKを含む)に浸漬し、50℃で保温しながら一晩振盪した。次いで、1mg/ml リボヌクレアーゼAを20μl加えて、50℃で1時間保温した。その後、フェノール・クロロホルム抽出を2回、エタノール沈殿操作を1回行い、沈殿を10mM トリス−塩酸(pH7.5)、1mM EDTAを含む緩衝液150μlに溶解した。その後、分光光度計(U−3000、(株)日立製作所製)で260nm波長における吸光度を測定し、滅菌水を加えて濃度を25ng/μlに調整してゲノムDNA試料とした。
Angiopoietin-like 3遺伝子プロモーター内のSNPは、direct sequenceの結果から、図11のようなSNPを持つ。
リバース・プライマー(Reverse primer)のヌクレオチド配列は:
5’-GTCACTAGACTACTGCTTACTGTCC-3’(配列表の配列番号6)、
(本化合物の塩基配列は、GenBank accession No.AL935325 記載のヌクレオチド番号 60658-60682に相補的な配列である。)である。
Premix Taq(宝酒造製)12.5 μL、ゲノム DNA溶液(100 ng/1μL) 0.125 μL、リバース・プライマー(1.25 μM) 5μL、滅菌水2.38 μL、フォワード・プライマー(forward primer)として実施例または、参考例に記載の化合物(プライマーA、プライマーB、プライマーC、プライマーD、プライマーE、プライマーF、プライマーG及びプライマーH)(1.25 μM)を5 μLになるように調製し、Takara PCR Thermal Cycler PERSONAL (TP240)を使って、PCR反応(Hot Start法)を行った。反応サイクルは、94℃、10分後、94℃ 1分、63℃ 1分、72℃ 1分、これを30サイクル繰り返した。
反応後、反応液5 μLに1 μLの添加液(loading solution)を加え、10%ポリアクリルアミドゲル電気泳動(1xTBE, 200V定電圧, 約1時間)を行い、SYBR Green I (Cambrex社製)で染色後、Molecular Imager FX Fluoresent Imager system (Bio-Rad)を用い可視化した。
PCR反応が正確に行われた場合、マウスAKR 系統(strain)由来のゲノムDNA(AKR)を用いた場合、選択的に遺伝子(182 bp)が増幅され、KKマウスNga 系統(strain)由来のゲノムDNA(KK/Nga)を用いた場合、選択的に遺伝子(184 bp)が増幅されると予想された。
結果を図12に示す。プライマーE又はプライマーFをフォワード・プライマーとしてPCRを行ったところ、マウスAKR 系統由来のゲノムDNAでは、プライマーEをプライマーとして用いた場合に遺伝子の増幅が確認された。一方、KKマウスNga 系統由来のゲノムDNAにおいては、プライマーFをプライマーとして用いた場合及びプライマーEをプライマーとして用いた場合の両方で遺伝子の増幅が観察された。
またプライマーA又はプライマーBをプライマーとしてPCRを行ったところ、マウスAKR 系統由来のゲノムDNAでは、プライマーAをプライマーとして用いた場合に遺伝子が増幅され、KKマウスNga 系統由来のゲノムDNAにおいては、プライマーBをプライマーとして用いた場合に遺伝子の増幅が観察された。
プライマーG又はプライマーHをプライマーとして用いた場合、マウスAKR 系統由来のゲノムDNAでは、プライマーGをプライマーとして用いた場合に目的の遺伝子産物が増幅されたが、プライマーHをプライマーとした場合には、目的の大きさより小さい副生成物と考えられる増幅産物が得られた。また、KKマウスNga 系統由来のゲノムDNAにおいては、プライマーHをプライマーとした場合には、目的の遺伝子産物だけでなく、目的よりも小さい鎖長を持つ副生成物と考えられる増幅産物が得られた。
プライマーC又はプライマーDをプライマーとして用いた場合、マウスAKR 系統由来のゲノムDNAでは、プライマーCをプライマーとして用いた場合に遺伝子が増幅され、さらに、KKマウスNga 系統由来のゲノムDNAにおいては、プライマーDをプライマーとして用いた場合に遺伝子の増幅が観察された。
以上のことからENAユニットを3’末端から3番目に導入したプライマーを用いることにより、ENAユニットを導入していない、従来のプライマーと比べて検出効率が向上することが確認できた。
本発明の方法により、遺伝子多型の検出が可能となる。また、本発明の遺伝子多型の検出方法を用いることにより、天然型のオリゴヌクレオチドを用いる場合に比べより正確に多型を検出できるようになる。
また、該方法に用いることができる、遺伝子多型の検出用オリゴヌクレオチド及び該オリゴヌクレオチドを含有する遺伝子多型の検出用キットによって、種々の遺伝子多型を検出できる。本発明は、医療、農業、食品、工業等の種々の産業に利用することができるが、遺伝子多型の検出を必要とする限りにおいて産業分野は制限されない。
遺伝子多型の検出方法の原理を示す図であり、多型がない場合を示す。 遺伝子多型の検出方法の原理を示す図であり、多型がある場合を示す。 遺伝子多型の検出方法の原理を示す図であり、多型がない場合を示す。 遺伝子多型の検出方法の原理を示す図であり、多型がある場合を示す。 Premix Taqを用いて各種プライマーを用いたPCRの結果を示す図である。 Premix EX Taqを用いて各種プライマーを用いたPCRの結果を示す図である。 PCRによって検出されたバンドの蛍光強度を数値化した図である。 アンジオポエチン関連3遺伝子プロモーター内の多型を示す図である。 図9−AはマウスAKR strain由来のゲノムDNA(AKR)を鋳型としたPCRの結果を示す図である。図9−BはKKマウスNga strain由来のゲノムDNA(KK/Nga)を鋳型としたPCRの結果を示す図である。 AKRのゲノムDNA、KK/NgaのゲノムDNA 、 KKマウスSnk strain (KK/Snk)のゲノムDNA、並びに、AKRとKK/NgaのゲノムDNAを等量づつ混ぜたDNAを鋳型としたPCRの結果を示す図である。 アンジオポエチン関連3遺伝子プロモーター内の多型を示す図である。 Premix Taqを用いて各種プライマーを用いたPCRの結果を示す図である。
配列番号7:プライマーE
配列番号8:プライマーF
配列番号9:プライマーG
配列番号10:プライマーH

Claims (19)

  1. 以下の(a)及び(b)の特徴を有するオリゴヌクレオチド又はその塩:
    (a)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる;
    (b)3’末端部位に対象遺伝子の基準ヌクレオチドに相補的なヌクレオチド、その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチドを有する。
  2. 以下の(a)及び(b)の特徴を有するオリゴヌクレオチド又はその塩:
    (a)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる;
    (b)3’末端部位に対象遺伝子の変異ヌクレオチドに相補的なヌクレオチド、その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチドを有する。
  3. 以下の(a)乃至(d)の特徴を有するオリゴヌクレオチド又はその塩:
    (a)オリゴヌクレオチドの3’末端部位が対象遺伝子の基準ヌクレオチドに相補的なヌクレオチドからなる;
    (b)オリゴヌクレオチドの3’末端から2番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として2番目)のヌクレオチドが基準遺伝子のヌクレオチドと相補的でないヌクレオチドからなる;
    (c)その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチドと相補的なヌクレオチドを有する;
    (d)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として3番目)のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる。
  4. 以下の(a)乃至(d)の特徴を有するオリゴヌクレオチド又はその塩:
    (a)オリゴヌクレオチドの3’末端部位が対象遺伝子の変異ヌクレオチドに相補的なヌクレオチドからなる;
    (b)オリゴヌクレオチドの3’末端から2番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として2番目)のヌクレオチドが基準遺伝子のヌクレオチドと相補的でないヌクレオチドからなる;
    (c)その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチドと相補的なヌクレオチドを有する;
    (d)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として3番目)のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる。
  5. 18乃至25塩基長からなることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド又はその塩。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチドを使用することを特徴とする、遺伝子多型の検出方法。
  7. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチドを使用することを特徴とする、遺伝子多型部位のヌクレオチド配列の決定方法。
  8. 以下の工程(a)及び(b)を含む、遺伝子多型の検出方法:
    (a)遺伝子多型部位を含む核酸を鋳型として、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド、及び該オリゴヌクレオチドと対になってPCRで目的配列部分を増幅できるオリゴヌクレオチドを用いてPCRを行う工程;
    (b)工程(a)によって反応産物が生成するか否かによって、核酸中の遺伝子多型の有無を判定する工程。
  9. 以下の工程(a)及び(b)を含む、遺伝子多型部位のヌクレオチド配列の決定方法:
    (a)遺伝子多型部位を含む核酸を鋳型として、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のオリゴヌクレオチド、及び該オリゴヌクレオチドと対になってPCRで目的配列部分を増幅できるオリゴヌクレオチドを用いてPCRを行う工程;
    (b)工程(a)によって反応産物が生成するか否かによって、核酸中の遺伝子多型部位のヌクレオチド配列を決定する工程。
  10. 反応産物の生成の有無の検出に、電気泳動、TaqMan PCR及びMALDI−TOF/MS法からなる群から選択される少なくともいずれか一つを用いることを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
  11. 遺伝子多型が一塩基多型であることを特徴とする、請求項6乃至10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 以下の(a)乃至(d)を含む、遺伝子多型検出用キット:
    (a)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなり、3’末端部位に対象遺伝子の基準ヌクレオチドに相補的なヌクレオチド、その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド;
    (b)(a)に記載のオリゴヌクレオチドと対になって目的配列部分を増幅し得るオリゴヌクレオチド;
    (c)DNAポリメラーゼ;
    (d)PCR緩衝液。
  13. 以下の(a)乃至(d)を含む、遺伝子多型検出用キット:
    (a)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなり、3’末端部位に対象遺伝子の変異ヌクレオチドに相補的なヌクレオチド、その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド;
    (b)(a)に記載のオリゴヌクレオチドと対になって目的配列部分を増幅し得るプライマー;
    (c)DNAポリメラーゼ;
    (d)PCR緩衝液。
  14. 以下の(a)乃至(e)を含む、遺伝子多型検出用キット:
    (a)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなり、3’末端部位に対象遺伝子の基準ヌクレオチドに相補的なヌクレオチド、その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド;
    (b)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなり、3’末端部位に対象遺伝子の変異ヌクレオチドに相補的なヌクレオチド、その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチド;
    (c)(a)又は(b)に記載のオリゴヌクレオチドと対になって目的配列部分を増幅し得るオリゴヌクレオチド;
    (d)DNAポリメラーゼ;
    (e)PCR緩衝液。
  15. 以下の(a)乃至(d)を含む、遺伝子多型検出用キット:
    (a)以下の(i)乃至(iv)の特徴を有するオリゴヌクレオチド又はその塩:
    (i)オリゴヌクレオチドの3’末端部位が対象遺伝子の基準ヌクレオチドに相補的なヌクレオチドからなる;
    (ii)オリゴヌクレオチドの3’末端から2番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として2番目)のヌクレオチドが基準遺伝子のヌクレオチドと相補的でないヌクレオチドからなる;
    (iii)その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチドと相補的なヌクレオチドを有する;
    (iv)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として3番目)のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる;
    (b)(a)に記載のオリゴヌクレオチドと対になって目的配列部分を増幅し得るオリゴヌクレオチド;
    (c)DNAポリメラーゼ;
    (d)PCR緩衝液。
  16. 以下の(a)乃至(d)を含む、遺伝子多型検出用キット:
    (a)(i)乃至(iv)の特徴を有するオリゴヌクレオチド又はその塩;
    (i)オリゴヌクレオチドの3’末端部位が対象遺伝子の変異ヌクレオチドに相補的なヌクレオチドからなる;
    (ii)オリゴヌクレオチドの3’末端から2番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として2番目)のヌクレオチドが基準遺伝子のヌクレオチドと相補的でないヌクレオチドからなる;
    (iii)その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチドと相補的なヌクレオチドを有する;
    (iv)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として3番目)のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる;
    (b)(a)に記載のオリゴヌクレオチドと対になって目的配列部分を増幅し得るオリゴヌクレオチド;
    (c)DNAポリメラーゼ;
    (d)PCR緩衝液。
  17. 以下の(a)乃至(e)を含む、遺伝子多型検出用キット:
    (a)以下の(i)乃至(iv)の特徴を有するオリゴヌクレオチド又はその塩;
    (i)オリゴヌクレオチドの3’末端部位が対象遺伝子の基準ヌクレオチドに相補的なヌクレオチドからなる;
    (ii)オリゴヌクレオチドの3’末端から2番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として2番目)のヌクレオチドが基準遺伝子のヌクレオチドと相補的でないヌクレオチドからなる;
    (iii)その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチドと相補的なヌクレオチドを有する;
    (iv)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として3番目)のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる;
    (b)(i)乃至(iv)の特徴を有するオリゴヌクレオチド又はその塩;
    (i)オリゴヌクレオチドの3’末端部位が対象遺伝子の変異ヌクレオチドに相補的なヌクレオチドからなる;
    (ii)オリゴヌクレオチドの3’末端から2番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として2番目)のヌクレオチドが基準遺伝子のヌクレオチドと相補的でないヌクレオチドからなる;
    (iii)その他の部位には対象遺伝子のヌクレオチドと相補的なヌクレオチドを有する;
    (iv)オリゴヌクレオチドの3’末端から3番目(3’末端のヌクレオチドを1番目として3番目)のヌクレオチドが2’-O,4’-C-エチレンヌクレオチド(ENA)ユニットからなり、他のヌクレオチドは天然型のヌクレオチドからなる。
    (c)(a)又は(b)に記載のオリゴヌクレオチドと対になって目的配列部分を増幅し得るオリゴヌクレオチド;
    (d)DNAポリメラーゼ;
    (e)PCR緩衝液。
  18. オリゴヌクレオチド及び該オリゴヌクレオチドと対になって目的配列部分を増幅し得るオリゴヌクレオチドの塩基長が18乃至25塩基長であることを特徴とする、請求項12乃至17のいずれか1項に記載の遺伝子多型検出用キット。
  19. 遺伝子多型が一塩基多型であることを特徴とする、請求項12乃至18のいずれか1項に記載のキット。
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