JP4453472B2 - モータの制御方法およびその装置 - Google Patents

モータの制御方法およびその装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えばヒートポンプサイクル等に使用される圧縮機を起動するためのモータの制御方法およびその装置に関するものである。
従来、圧縮機等の駆動用の同期モータ制御において、位置検出センサを用いないいわゆるセンサレスモータ制御方法が数多く提案されている。位置センサレス制御においては、誘起電圧や電流情報から位置情報や位相情報を検出し制御に用いるが(位相制御運転)、起動初期はそれらの検出が困難であることから、強制的に転流(以下「強制運転」と呼ぶ)し、安定した位置検出が可能になってから運転を切替える方法がとられている。
例えば、特許文献1に示されるものにおいては、モータ電流とモータのコイルに供給される駆動電圧との位相差情報に基づき、モータの状態(安定状態)を検出し、不安定であれば駆動電圧や通電周波数を制御するようにしている。
これにより、確実に起動の完了を判断することができ、失敗のない起動を実現可能として、位置検出運転に移行するようにしている。
特開2001−54295号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術においては、起動時の不安定な領域を素早く通過させるようにしたものであって、起動の成功率は向上するものの、起動自体を安定したものにできるとは言いにくく、また、起動後の制御安定性については何ら述べられていない。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、起動から位相制御運転への切替えを安定的に、且つ高効率に行うことのできるモータの制御方法およびその装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明では、モータ(200)によって駆動される相手側(210)の負荷情報を基に、モータ(200)に対して目標となる目標電流と電圧との位相差を目標位相差として求め、モータ(200)に供給される電流から検出される検出電流と電圧との位相差と、目標位相差との差が所定値となるように位相制御運転を行うモータの制御方法であって、起動初期に、モータ(200)に供給される初期電流が所定電流値となるように印加電圧を制御して、モータ(200)の強制運転を行い、強制運転時の検出電流の電流位相情報を基に、相手側(210)の負荷を推定し、推定した負荷の値を位相制御運転時の負荷情報の初期値として用いることを特徴としている。
これにより、例えば起動初期に想定される相手側(210)の最大側の負荷に見合う電流(所定電流値)を初期電流として与えることで、強制運転時における相手側(210)の負荷の大小による起動失敗を無くし、安定した起動が可能となる。そして、上記強制運転時に推定した負荷を用いることで、強制運転から位相制御運転への切替えを安定的に、且つ高効率に行うことができる。
請求項2に記載の発明では、電流位相情報は、目標電流の位相と検出電流の位相との差によって得られる電流位相誤差としたことを特徴としている。これにより、高精度の電流検出部(150)や、複雑な演算を不要として、電流位相情報を得ることができる。
請求項3に記載の発明では、電流位相情報に応じて、初期電流の値を変更することを特徴としている。これにより、相手側(210)の負荷に応じた初期電流を供給することができるので、強制運転における無駄な電流の消費を無くすことができる。
請求項4に記載の発明では、起動前の相手側(210)の負荷情報に応じて、初期電流の下限値を変更することを特徴としている。これにより、相手側(210)の負荷に対して余裕を持った起動が可能となる。
請求項5に記載の発明では、起動失敗後、再起動を行う際に、初期電流の下限値を前回よりも大きい側に変更することを特徴としている。これにより、確実な再起動が可能となる。
請求項6に記載の発明では、電流位相情報の平均値と平均化前の値との差に応じて、初期電流の値を変更することを特徴としている。これにより、モータ(200)の動作が不安定な状態を検出した場合、余裕を持った電流で駆動することで、安定した起動が可能となる。
請求項7に記載の発明では、変更された初期電流の値を基に、相手側の負荷を推定することを特徴としている。これにより、相手側(210)の負荷に見合った初期電流とすることができると共に、確実な負荷の推定が可能となる。
請求項8に記載の発明では、推定した負荷を基に、目標位相差を求めて初期値とすることを特徴としている。これにより、位相制御運転におけるモータ(200)の高効率な運転が可能となる。
請求項9に記載の発明では、推定した負荷に応じて、位相制御運転時の制御ゲインの大きさを決定することを特徴としている。これにより、位相制御運転において、負荷に応じたモータ(200)の安定的な運転が可能となる。
請求項10に記載の発明では、強制運転において、モータ(200)の回転数が予め定めた所定回転数に達すると、位相制御運転に切替えることを特徴としている。これにより、強制運転から位相制御運転へのスムーズな移行が可能となる。
請求項11に記載の発明では、モータ(200)によって駆動される相手側(210)の負荷情報を基に、モータ(200)に対して目標となる目標電流と電圧との位相差を目標位相差として求める目標位相差制御手段(120)を有し、モータ(200)に供給される電流から検出される検出電流と電圧との位相差と、目標位相差制御手段(120)によって求められた目標位相差との差が所定値となるように位相制御運転を行うモータの制御装置であって、起動初期に、モータ(200)に供給される初期電流が所定電流値となるように印加電圧を制御して、モータ(200)の強制運転を行う強制運転手段(110、140、150、190)と、強制運転時の検出電流の電流位相情報を検出する電流位相情報検出手段(160)と、電流位相情報検出手段(160)からの電流位相情報を基に、相手側(210)の負荷を推定する負荷推定手段(180)とを有し、負荷推定手段(180)によって得られた推定負荷を、位相制御運転時の負荷情報の初期値として用いることを特徴としており、これにより、請求項1に記載の制御を可能とする装置とすることができる。
請求項12に記載の発明では、電流位相情報検出手段(160)は、電流位相情報を目標電流の位相と検出電流の位相との差によって得られる電流位相誤差として検出することを特徴としており、これにより、請求項2に記載の制御を可能とする装置とすることができる。
請求項13に記載の発明では、負荷推定手段(180)は、電流位相情報に応じて、初期電流の値を変更することを特徴としており、これにより、請求項3に記載の制御を可能とする装置とすることができる。
請求項14に記載の発明では、負荷推定手段(180)は、起動前の相手側(210)の負荷情報に応じて、初期電流の下限値を変更することを特徴としており、これにより、請求項4に記載の制御を可能とする装置とすることができる。
請求項15に記載の発明では、負荷推定手段(180)は、起動失敗後、再起動を行う際に、初期電流の下限値を前回よりも大きい側に変更することを特徴としている。これにより、請求項5に記載の制御を可能とする装置とすることができる。
請求項16に記載の発明では、負荷推定手段(180)は、電流位相情報の平均値と平均化前の値との差に応じて、初期電流の値を変更することを特徴としており、これにより、請求項6に記載の制御を可能とする装置とすることができる。
請求項17に記載の発明では、負荷推定手段(180)は、変更された初期電流の値を基に、相手側の負荷を推定することを特徴としており、これにより、請求項7に記載の制御を可能とする装置とすることができる。
請求項18に記載の発明では、目標位相差制御手段(120)は、推定負荷を基に、目標位相差を求めて初期値とすることを特徴としており、これにより、請求項8に記載の制御を可能とする装置とすることができる。
請求項19に記載の発明では、負荷推定手段(180)は、推定負荷に応じて、位相制御運転時の制御ゲインの大きさを決定することを特徴としており、これにより、請求項9に記載の制御を可能とする装置とすることができる。
請求項20に記載の発明では、強制運転において、モータ(200)の回転数が予め定めた所定回転数に達すると、位相制御運転に切替えることを特徴としており、これにより、請求項10に記載の制御を可能とする装置とすることができる。
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を図1〜図5に示す図面に基づいて説明する。尚、図1はモータの制御装置100を示すブロック図、図2は電圧、電流における電流位相情報を示す説明図、図3は電流一定強制運転から位相制御運転に移行する間の電流、および圧縮機210の負荷に対する電流位相誤差を示すタイムチャート、図4はモータ200の出力トルクの変化に伴う電流位相の変化の関係を示すグラフ、図5はモータ200の起動時から位相制御運転に移行するまでの制御フローを示すフローチャートである。
本発明のモータの制御装置(以下、制御装置)100は、図1に示すように、以下説明する各機能部110〜190を有しており、モータ200の作動を制御するものである。モータ200は、3相ブラシレス直流の同期モータであり、また、モータ200によって駆動される相手側機器は、ここでは、給湯器(図示せず)用のヒートポンプサイクル中に配設される圧縮機210としている。
制御装置100は、電圧振幅制御部110、目標位相差制御部120、目標電流位相設定部130、モータ印加電圧波形生成部140、電流検出部150、位相誤差情報検出部160、ローパス処理部171、位相補正部172、電圧補正量演算部180、電流振幅情報検出部190を有するCPUとして形成されている。
電圧振幅制御部110は、図示しない給湯器(ヒートポンプサイクル)を制御する給湯器制御部から出力される圧縮機210作動時の設定すべき回転数信号、および後述する電圧補正量演算部180からの印加電圧補正量信号に基づいて電圧振幅を決定する。
目標位相差制御部(本発明における目標位相差制御手段に対応)120は、上記回転数信号、電圧補正量演算部180からの推定負荷信号、および後述する電流振幅情報検出部190からの電流振幅信号に基づいて、図2に示すように、目標とすべき電流(目標電流)と電圧との位相差、即ち目標位相差(図2中では時間的な位相差αとして表示)を決定する。尚、目標位相差制御部120は、モータ200作動時の効率を最適とする目標位相差を決定するようにしている。
目標電流位相設定部130は、上記回転数信号を基準とする目標電流の位相、即ち目標電流位相(図2)を設定(更新)する。
モータ印加電圧波形生成部140は、上記電圧振幅制御部110からの電圧振幅信号、目標位相差制御部120からの目標位相差信号、目標電流位相設定部130からの目標電流位相信号に基づいて印加電圧波形を制御して、モータ200に供給する。
モータ印加電圧波形生成部140からモータ200に接続される3相の結線(U相、V相、W相)のうち、いずれか2相の結線には実電流を検出する電流検出部(電流センサ)150が設けられており、各電流検出部150で検出された検出電流信号は、後述する位相誤差情報検出部160、および電流振幅情報検出部190に入力されるようにしている。
位相誤差情報検出部(本発明における電流位相情報検出手段に対応)160は、上記目標電流位相設定部130からの目標電流位相信号と、電流検出部150からの検出電流信号とから、電流位相情報を検出し、この電流位相情報信号を後述するローパス処理部171、位相補正部172に出力する。
尚、電流位相情報としては、ここでは、図2に示すように、目標電流位相に対する検出電流位相の差として得られる電流位相誤差(以下、位相誤差と呼び、図2中では時間的な位相誤差Δθとして表示)としている。因みに、位相誤差は、例えば、検出電流の電流ゼロクロス点でその検出が容易に可能であり、電流ゼロクロス点を検出タイミングとした時の電気角としては、図2中の(1)の場合は、位相誤差=検出電流の電流ゼロクロス時の目標電流位相、として得られ、また、図2中の(2)の場合は、位相誤差=(検出電流の電流ゼロクロス時の目標電流位相−180度)、として得られる。
ローパス処理部171は、位相誤差情報検出部160からの位相誤差信号を平均化して、電圧補正量演算部180に出力するものであり、また、位相補正部172は、上記ローパス処理部171で平均化された位相誤差信号と平均化される前の位相誤差(実位相誤差)信号との差に定数Kを乗じたゲインを算出して、目標電流位相設定部130からの目標電流位相信号を更新する。
電圧補正量演算部(本発明における負荷推定手段に対応)180は、上記ローパス処理部171からの平均化された位相誤差信号、および後述する電流振幅情報検出部190からの電流振幅信号に対応する圧縮機210側の負荷(負荷トルク)を推定する。尚、上記位相誤差と負荷との関係およびその技術的意味については後述する。
そして、推定負荷に対応する印加電圧補正量を決定して、この印加電圧補正量信号を電圧振幅制御部110に出力し、また、推定負荷信号を目標位相差制御部120に出力する。
電流振幅検出部190は、電流検出部150からの検出電流信号を基に、実際にモータ200に供給されている電流の電流振幅を検出し、この電流振幅信号を目標位相差制御部120および電圧補正量演算部180に出力する。
尚、本発明において、上記電圧振幅制御部110、モータ印加電圧波形生成部140、電流検出部150、電流振幅情報検出部190は、初期段階にモータ200を起動させる強制運転を行うための強制運転手段に対応する。
次に、上記構成に基づく制御装置100の作動について説明する。本制御装置100においては、図3に示すように、起動時に強制転流による電流一定強制運転(以下、強制運転)を行い、切替え期間を経た後に、圧縮機210の負荷変動に対して、主に位相誤差情報検出部160での位相誤差を基に、電圧振幅、目標位相差、目標電流位相に対してフィードバックをかけながら安定したモータ200の運転を図る位相制御運転を行うようにしている。
本発明においては、強制運転時における制御内容、および強制運転から位相制御運転に移行する際の制御に特徴を持たせており、図4を加え、図5に示すフローチャートを用いて、その内容について以下詳述する。
まず、ステップS100でモータ200内のロータ位置に関わる初期値を読み込み、ステップS110でモータ200のステータの特定相を直流励磁し、ロータを初期位置へロックする。ステップS120で初期の起動として強制運転を開始し、モータ200を起動する。この強制運転では、初期電流が所定電流値(一定)となるよう印加電圧を制御する。ここで、初期電流の所定電流値としては、起動時に想定される圧縮機210の負荷トルクより大きいトルクを発生可能な電流値として選定している。
次に、ステップS130で印加電圧の周波数を増加させていく。そして、ステップS140で電流位相を検出し、ステップS150で位相誤差を算出する。即ち、位相誤差情報検出部160において、電流検出部150から検出電流位相を把握し、目標電流位相設定部130からの目標電流位相と比較し、位相誤差(=検出電流位相−目標電流位相)を算出する訳である。
次に、ステップS160で圧縮機210側の負荷を推定する。即ち、電圧補正量演算部180において、ローパス処理部171によって平均化された位相誤差を用いて、この位相誤差に対応する負荷(圧縮機210の負荷トルク=モータ出力トルク)を推定する。ここで、初期電流を一定の所定電流値としてモータ200を起動させる強制運転においては、図3に示すように、位相誤差は、負荷トルクが小さい程、マイナスの値をとる。更に詳述すると、図4に示すように、電流が一定の所定電流値として与えられる時に、最大出力トルクを発生する電流位相aとなるように目標位相差を設定すると、負荷トルクが小さい程それと釣り合うモータ出力トルクを発生する電流位相cは、電流位相a点から遅れ、位相誤差はマイナスの方向に大きくなる。逆に、負荷トルクが大きい程それと釣り合うモータ出力トルクを発生する電流位相bの電流位相a点からの遅れは少なく、位相誤差は小さくなる。本発明においては、上記の関係に基づき、この位相誤差の大きさを検出することで、強制運転時における負荷トルクの大きさを推定可能としている。
次に、ステップS170で、印加電圧の周波数増加に伴って上昇するモータ200の回転数が、予め定めた所定の切替え回転数に到達したか否かを判定し、否と判定した場合は、ステップS140に戻り、ステップS140〜ステップS160を繰返し、また、所定の切替え回転数に到達したと判定すれば、ステップS180に進む。
ステップS180では、電圧補正量演算部180で推定された負荷トルクを基に、目標位相差制御部120で、この推定された負荷トルクに対応する目標位相差を算出する。更に、ステップS190では、制御ゲインを決定する。即ち、ローパス処理部171で平均化された位相誤差が所定値(通常ゼロ)となるように、電圧補正量演算部180で印加電圧補正量(制御ゲイン)を決定し、電圧振幅制御部110へ出力する。
次に、ステップS200で強制運転から位相制御運転に移行するための運転移行処理を行う。これは、切替え期間を設けて、上記ステップS180、ステップS190で得られた目標位相差および印加電圧補正量(制御ゲイン)が位相制御運転における初期値として使用されるように、強制運転時における目標位相差および印加電圧補正量を徐変しながら運転するものである。
そして、位相制御運転に移行すると、上記強制運転時に得られた目標位相差および印加電圧補正量(制御ゲイン)を初期値として、モータ200を運転すると共に、圧縮機210の負荷の変動に伴う位相誤差および電流振幅の変動に応じて、電圧振幅、目標位相差、目標電流位相にフィードバックをかけて、モータ200の安定的、且つ高効率な運転を継続していく。
これにより、起動初期に想定される圧縮機210の最大側の負荷に見合う電流(所定電流値)を初期電流として与えることで、強制運転時における圧縮機210の負荷の大小(例えば、通常起動に対して液圧縮による高負荷起動となるような場合)による起動失敗を無くし、安定した起動が可能となる。そして、上記強制運転時に電流位相情報を用いて推定した負荷を位相制御運転時の初期値として用いることで、強制運転から位相制御運転への切替えを安定的に、且つ高効率に行うことができる。
ここでは、電流位相情報としては、目標電流位相と検出電流位との差から得られる位相誤差としているので、高精度の電流検出部150や、複雑な演算を不要として、電流位相情報を得ることができる。
また、強制運転時における推定負荷から目標位相差を求めて位相制御運転時の初期値にするようにしているので、位相制御運転にけるモータ200の高効率な運転が可能となる。
また、強制運転において、モータ200の回転数が予め定めた所定の切替え回転数に達すると、位相制御運転に切替えるようにしているので、強制運転から位相制御運転へのスムーズな移行が可能となる。
尚、電流位相情報としては、上記の位相誤差に代えて、印加電圧位相と検出電流位相との差となる電圧電流位相差と目標位相差との差から得られる位相差誤差を用いるようにしても良い。この位相差誤差は、上記実施形態中における位相誤差と等価なものであって、目標電流位相の設定を不要とすることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図6、図7に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、強制運転時における位相誤差に応じて初期電流の値を変更し、変更した電流値から負荷を推定し、位相制御運転に反映するものとしている。
この具体的な制御について、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。第2実施形態における制御フロー(図6)は、上記第1実施形態における制御フロー(図5)に対して、ステップS150の次にステップS170の判定を行い、その後に、ステップS210〜ステップS230を追加したものとしており、上記変更点を中心に以下その制御の内容について詳述する。
ステップS150で位相誤差を算出した後に、ステップS170でモータ200の回転数が切替え回転数に到達したか否かを判定し、否と判定すると、ステップS210で位相誤差が予め定めた所定値以下になったか否かを判定する。尚、ここでは位相誤差はマイナス値として得られるので、所定値以下というのは、位相誤差の絶対値が大きくなる方向となる。そして、ステップS210で否と判定すると、ステップS130に戻り、ステップS130〜ステップS170を繰返す。
ステップS210で位相誤差が所定値以下になったと判定すると、ステップS220で、初期電流の値を小さくし、位相誤差が所定値となるようにする。そして、ステップS230で、図7に示すように、上記小さくした初期電流に対応する負荷を推定する。この場合、負荷が小さい程、初期電流は小さくなり、この電流に対応する負荷を推定することになる。
そして、ステップS130に戻り、ステップS170でモータ200の回転数が切替え回転数に到達したと判定したら、ステップS180〜ステップS200に進み、位相制御運転に移行する。
これにより、圧縮機210の負荷に応じた初期電流を供給することができるので、強制運転における無駄な電流の消費を無くすことができると共に、確実な負荷の推定が可能となる。
(その他の実施形態)
上記第1、第2実施形態に対して、強制運転時における初期電流の下限値を変更するようにしても良い。即ち、予め圧縮機210の作動負荷を把握しておき、この把握しておいた負荷が大きい程、初期電流の下限値を大きくするようにしてやれば、圧縮機210の負荷に対して余裕を持った起動が可能となる。
また、強制運転において、モータ200の起動に失敗した場合は、再起動を行う際に、初期電流の下限値を前回よりも大きい側に変更すると良い。これにより、確実な再起動が可能となる。
また、電圧補正量演算部180には、電流位相情報(位相誤差)の平均値と平均化前の値とが入力されるようにして、両者の差に応じて、初期電流の値を変更するようにしても良い。これにより、モータ200の動作が不安定な状態を検出した場合、余裕を持った電流で駆動することで、安定した起動が可能となる。
また、モータ200の相手側となる圧縮機210は、給湯器用のヒートポンプサイクルに使用されるものに限らず、空調装置用の冷凍サイクルに使用されるもの等としても良い。更に、相手側機器としては圧縮機210に限らず、その他水ポンプ等の流体機械としても良い。
第1実施形態におけるモータの制御装置を示すブロック図である。 電圧、電流における電流位相情報を示す説明図である。 電流一定強制運転から位相制御運転に移行する間の電流、および圧縮機の負荷に対する電流位相誤差を示すタイムチャートである。 モータの出力トルクの変化に伴う電流位相の変化の関係を示すグラフである。 モータの起動時から位相制御運転に移行するまでの制御フローを示すフローチャートである。 第2実施形態におけるモータの起動時から位相制御運転に移行するまでの制御フローを示すフローチャートである。 初期電流と推定負荷量との関係を示すグラフである。
符号の説明
100 モータの制御装置
110 電圧振幅制御部(強制運転手段)
120 目標位相差制御部(目標位相差制御手段)
140 モータ印加電圧波形生成部(強制運転手段)
150 電流検出部(強制運転手段)
160 位相誤差情報検出部(電流位相情報検出手段)
180 電圧補正量演算部(負荷推定手段)
190 電流振幅情報検出部(強制運転手段)
200 モータ
210 圧縮機(相手側)

Claims (20)

  1. モータ(200)によって駆動される相手側(210)の負荷情報を基に、前記モータ(200)に対して目標となる目標電流と電圧との位相差を目標位相差として求め、
    前記モータ(200)に供給される電流から検出される検出電流と電圧との位相差と、前記目標位相差との差が所定値となるように位相制御運転を行うモータの制御方法であって、
    起動初期に、前記モータ(200)に供給される初期電流が所定電流値となるように印加電圧を制御して、前記モータ(200)の強制運転を行い、
    前記強制運転時の前記検出電流の電流位相情報を基に、前記相手側(210)の負荷を推定し、
    前記推定した負荷の値を前記位相制御運転時の前記負荷情報の初期値として用いることを特徴とするモータの制御方法。
  2. 前記電流位相情報は、前記目標電流の位相と前記検出電流の位相との差によって得られる電流位相誤差としたことを特徴とする請求項1に記載のモータの制御方法。
  3. 前記電流位相情報に応じて、前記初期電流の値を変更することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータの制御方法。
  4. 起動前の前記相手側(210)の負荷情報に応じて、前記初期電流の下限値を変更することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータの制御方法。
  5. 起動失敗後、再起動を行う際に、前記初期電流の下限値を前回よりも大きい側に変更することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のモータの制御方法。
  6. 前記電流位相情報の平均値と平均化前の値との差に応じて、前記初期電流の値を変更することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータの制御方法。
  7. 変更された前記初期電流の値を基に、前記相手側の負荷を推定することを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれかに記載のモータの制御方法。
  8. 前記推定した負荷を基に、前記目標位相差を求めて前記初期値とすることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のモータの制御方法。
  9. 前記推定した負荷に応じて、前記位相制御運転時の制御ゲインの大きさを決定することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載のモータの制御方法。
  10. 前記強制運転において、前記モータ(200)の回転数が予め定めた所定回転数に達すると、前記位相制御運転に切替えることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載のモータの制御方法。
  11. モータ(200)によって駆動される相手側(210)の負荷情報を基に、前記モータ(200)に対して目標となる目標電流と電圧との位相差を目標位相差として求める目標位相差制御手段(120)を有し、
    前記モータ(200)に供給される電流から検出される検出電流と電圧との位相差と、前記目標位相差制御手段(120)によって求められた前記目標位相差との差が所定値となるように位相制御運転を行うモータの制御装置であって、
    起動初期に、前記モータ(200)に供給される初期電流が所定電流値となるように印加電圧を制御して、前記モータ(200)の強制運転を行う強制運転手段(110、140、150、190)と、
    前記強制運転時の前記検出電流の電流位相情報を検出する電流位相情報検出手段(160)と、
    前記電流位相情報検出手段(160)からの前記電流位相情報を基に、前記相手側(210)の負荷を推定する負荷推定手段(180)とを有し、
    前記負荷推定手段(180)によって得られた推定負荷を、前記位相制御運転時の前記負荷情報の初期値として用いることを特徴とするモータの制御装置。
  12. 前記電流位相情報検出手段(160)は、前記電流位相情報を前記目標電流の位相と前記検出電流の位相との差によって得られる電流位相誤差として検出することを特徴とする請求項11に記載のモータの制御装置。
  13. 前記負荷推定手段(180)は、前記電流位相情報に応じて、前記初期電流の値を変更することを特徴とする請求項11または請求項12に記載のモータの制御装置。
  14. 前記負荷推定手段(180)は、起動前の前記相手側(210)の負荷情報に応じて、前記初期電流の下限値を変更することを特徴とする請求項11または請求項12に記載のモータの制御装置。
  15. 前記負荷推定手段(180)は、起動失敗後、再起動を行う際に、前記初期電流の下限値を前回よりも大きい側に変更することを特徴とする請求項11または請求項12のいずれかに記載のモータの制御装置。
  16. 前記負荷推定手段(180)は、前記電流位相情報の平均値と平均化前の値との差に応じて、前記初期電流の値を変更することを特徴とする請求項11または請求項12に記載のモータの制御装置。
  17. 前記負荷推定手段(180)は、変更された前記初期電流の値を基に、前記相手側の負荷を推定することを特徴とする請求項13〜請求項16のいずれかに記載のモータの制御装置。
  18. 前記目標位相差制御手段(120)は、前記推定負荷を基に、前記目標位相差を求めて前記初期値とすることを特徴とする請求項11〜請求項17のいずれかに記載のモータの制御装置。
  19. 前記負荷推定手段(180)は、前記推定負荷に応じて、前記位相制御運転時の制御ゲインの大きさを決定することを特徴とする請求項11〜請求項18のいずれかに記載のモータの制御装置。
  20. 前記強制運転において、前記モータ(200)の回転数が予め定めた所定回転数に達すると、前記位相制御運転に切替えることを特徴とする請求項11〜請求項19のいずれかに記載のモータの制御装置。
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