JP4452937B2 - 冷陰極蛍光ランプ - Google Patents

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Description

本発明は、冷陰極蛍光ランプに関し、より詳しくは、高電流の管電流が印加される場合でも電極の耐スパッタ性を向上させることにより長寿命化を図った冷陰極蛍光ランプに関する。
テレビ、コンピューター等の液晶表示装置に適用されるバックライト、ファクシミリ等の読み取り用光源、複写機のイレーサー用光源、各種表示用等に冷陰極蛍光ランプが、高輝度、高演色性、長寿命、低消費電力性等に優れることから、多用されている。この種の冷陰極蛍光ランプにおいては、内部に希ガスと水銀とを気密に保持したガラス等の透明管の両端部付近に設けられる電極に電圧を印加することにより、透明管内に僅かに存在する電子により希ガスを電離させ、電離した希ガスを電極に衝突させて二次電子を放出させグロー放電を生起させ、これにより水銀を励起して紫外線を放射させる。この紫外線を受けた透明管の内壁に設けられる蛍光体から可視光が発光されるようになっている。
この種の冷陰極蛍光ランプの電極としては、管電圧と消費電力の低減を図ることができるカップ形状のものが使用され、カップ形状の開口が相互に対向するようにそれぞれ透明管の内部両端に配置される。電極の材質としては、溶融温度が低く、加工が容易であり、水銀や希ガスのイオン等に対する耐スパッタ性に優れ、封止部材に一般的に用いられるコバール等との溶接が良好で、4〜5mAの管電流での使用に充分耐え得る耐久性を有することから、ニッケルが用いられていた。しかし、近年のテレビの大画面や、高輝度の液晶表示装置のバックライトユニットに用いられる冷陰極蛍光ランプにおいては、5mA以上の管電流に対する耐久性を有することが必要である。その電極として、大きい負荷に対しても耐スパッタ性に優れ、また、低仕事関数を有し、放電開始電圧を低減できるモリブデンやニオブ等の高融点焼結金属がニッケルに替えて、用いられている。
しかしながら、一方において、このような高融点焼結金属の電極にリード線を溶接する際に生じるリード線の劣化や、透明管の両端を封止する際に生じる封止部材の劣化が問題となっている。また、これらの電極材料はニッケルと比較して高価であり、これらを用いた電極の成形加工が困難であり、成形加工時の冶具等の消耗品が必要であり、その結果、電極が著しく高価となる。このため、電極材料としてニッケルが見直され、更なる耐スパッタ性に優れるニッケル電極の開発がなされている。例えば、電極を2層構造とし、ニッケル、ステンレス、鉄、アルミニウム及び銅の内の少なくとも1種からなる第1の層と、ニッケル、ステンレス、鉄、アルミニウム及び銅の内の少なくとも1種の金属に、ホウ素化合物、タングステン、バリウム、希土類、その他の金属酸化物を含有させた第2の層を有する放電ランプ(特許文献1)が報告されている。また、従来から、放電開始電圧を低減するため、ランタン系列金属とニッケルとの複合金属等の放電電極を有する冷陰極放電ランプ(特許文献2)も知られている。
しかしながら、特許文献1に記載される放電ランプにおいては、電極の構成が複雑になり、製造工程数の増加、及び、その調整が複雑となり、製造効率が低下するという問題がある。また、特許文献2に記載される冷陰極放電ランプにおいては、管電流が10mAを越えるような高電流に対する発熱による耐スパッタ性の低下を抑制できることについては考慮されておらず、電極に電源を供給するコバール線等のリード線を接続する際、また、電極を設置して透明管をステムにより封入する際等、コバール線の劣化や電極の酸化を抑制できるという効果が得られるものではない。
特開2005−183172号公報 特開昭59−121750号公報
本発明の課題は、製造時における表面の酸化に対抗性を有し、また、ランプの使用時に高電流の管電流が印加された場合でも、耐スパッタ性に優れ長寿命であり、容易に安価に製造することができる電極を有する冷陰極蛍光ランプを提供することにある。
本発明者は、鋭意研究の結果、冷陰極蛍光ランプの電極が、ニッケルを主成分とし、セリウム金属又はセリウム酸化物を含有することにより、製造時における表面の酸化に対抗性を有し、ランプの使用時に10mA以上の高電流が印加された場合においても、耐スパッタ性に優れ、冷陰極蛍光ランプの長寿命化を図ることができることの知見を得た。かかる知見に基づき本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、内壁面に蛍光体層が設けられ、内部に希ガス及び水銀を保持し、両端を封止部材により密閉された透明管と、該透明管の内部の両端部付近に設けられた電極と、該電極に接続され封止部材を貫通して設けられるリード線とを有する冷陰極蛍光ランプにおいて、電極がニッケルを主成分として含有し、セリウム酸化物を0.18質量%以上1.61質量%以下の範囲で含有することを特徴とする冷陰極蛍光ランプに関する。
本発明の冷陰極蛍光ランプは、製造時の表面の酸化にも対抗性を有し、ランプの使用時に高電流の管電流が印加された場合でも、耐スパッタ性に優れ長寿命であり、容易に安価に製造することができる。
本発明の冷陰極蛍光ランプの電極の結晶構造を示す図である。 本発明の冷陰極蛍光ランプの一例の概略断面図を示す図である。 図2に示す冷陰極蛍光ランプの電極を示す図である。
1 冷陰極蛍光ランプ
2 ガラス管(透明管)
3 ガラスビード
4 蛍光体層
5 内部空間
7 電極
8 底面部
9 リード線
10 開口
本発明の冷陰極蛍光ランプは、 内壁面に蛍光体層が設けられ、内部に希ガス及び水銀を保持し、両端を封止部材により密閉された透明管と、該透明管の内部の両端部付近に設けられた電極と、該電極に接続され封止部材を貫通して設けられるリード線とを有する冷陰極蛍光ランプにおいて、電極がニッケルを主成分として含有し、セリウム酸化物を0.18質量%以上1.61質量%以下の範囲で含有することを特徴とする。
本発明の冷陰極蛍光ランプに用いる透明管としては、ケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、亜鉛ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、ソーダガラス等のガラス製等、可視光を透過する材質であればいずれのものであってもよい。その形状としては直管型、湾曲型などいずれであってもよい。管径としては、いずれであってもよく、例えば、1.5〜6.0mm等を挙げることができる。透明管の厚さとしては、使用目的により適宜選択することができるが、上記口径のものであれば、0.15〜0.60mmの厚さとすることが好ましい。
透明管内壁面には、ほぼ全面に亘って蛍光体層が設けられる。蛍光体層は後述する水銀により放射される紫外線により励起して可視光を発光する蛍光体を含有する。かかる蛍光体は使用目的により目的の波長を発光するものを選択することができ、ハロリン酸塩蛍光体や希土類蛍光体等を挙げることができる。これらを適宜組み合わせて使用し、白色光を発光させることもできる。蛍光体層の厚さとしては、11μm以上28μm以下であることが好ましい。
透明管内には放電により紫外線を発生する水銀と、アルゴン、キセノン、ネオン等から適宜選択される希ガスとが導入され、透明管内で発生された放電電子が水銀原子に衝突し、水銀原子が蛍光体を励起する253.7nmを含む紫外線を発生するようになっている。導入する水銀量は、蛍光ランプの点灯時における蒸気圧が、例えば、1〜10Pa等となる量を挙げることができ、導入する希ガス量は、蛍光ランプの点灯時における圧力が、例えば、5000Pa〜11000Pa等となる量を挙げることができる。
透明管の内部の両端に設けられる電極は、主成分としてニッケルを含み、且つ、セリウム金属又はセリウム酸化物を含有するものである。主成分としてのニッケルはニッケル金属であることが好ましい。ニッケルは、主成分として、セリウム金属又はセリウム酸化物を除き、電極中に唯一のものとして含有されていてもよい。ニッケルを主成分として含有する電極は、電極と接続する際のリード線の劣化や、また、封止部材により透明管端部を密閉する際の封止部材の劣化を抑制することができ、また、それ自身の酸化も抑制することができ、加工成形性に優れる。
電極に含有されるセリウム金属又はセリウム酸化物は、図1に示すように、ニッケル結晶粒子の界面に存在する。電離した希ガスが電極に衝突した場合、ニッケル結晶粒子間の界面が先行してスパッタを受ける傾向にあるが、セリウム金属又はセリウム酸化物の存在は界面のスパッタを抑制し、電極に優れた耐スパッタ性を付与する。また、ランプの製造時の残留酸素による結晶粒界部の酸化が生じても、セリウム金属又はセリウム酸化物は結晶粒界の結合力を補強する作用を有し、耐スパッタ性をより向上させることができる。セリウム金属の電極中の含有量は0.11質量%以上1.35質量%以下が好ましい。セリウム金属の含有量がこの範囲であれば、ランプの使用時に10mAを超えるような電流が印加された場合であっても、電極は希ガスのイオンに対し優れた耐スッパタ性を有し、冷陰極蛍光ランプの長寿命化を図ることができる。
セリウム酸化物としては、ニセリウム(III)三酸化物(Ce23)、セリウム(IV)ニ酸化物(CeO2)等いずれであってもよく、不安定なセリウム(III)酸化物は安定な錯体として用いることもできる。セリウム酸化物の電極中の含有量は0.15質量%以上1.61質量%以下が好ましい。セリウム酸化物の含有量がこの範囲であれば、ニッケル結晶粒子界面間に存在して、ランプの使用時において界面のスパッタを抑制し、10mAを超えるような電流が印加された場合であっても、電極は希ガスのイオンに対し優れた耐スッパタ性を有し、冷陰極蛍光ランプの長寿命化を図ることができる。これらのセリウム酸化物はセリウム金属と共に電極に用いることもできる。その際のセリウム酸化物の含有量はセリウム金属に換算し、セリウム金属との合計量が上記セリウム金属の含有量の範囲であることが好ましい。
上記電極は更に、ランタン、ネオジム若しくはプラセオジムのいずれか1種又はこれらの2種以上を含むことが好ましい。これらは金属として含有されていてもよく、また、酸化物等として含有されていてもよい。ランタン、ネオジム、プラセオジムはセリウム金属をニッケルの多結晶体の粒界に均一に分散させる作用を有し、セリウム金属添加での組織微細化が安定するため、セリウム金属やその酸化物の作用を補強し、ランプの使用時に10mAを超えるような電流が印加された場合であっても、より優れた耐スッパタ性を電極に付与し、冷陰極蛍光ランプの長寿命化を図ることができる。これらは全体で0.01質量%以上0.45質量%以下の範囲で含有されることが好ましい。
また、上記電極は更に、イットリウムを含むことが好ましい。イットリウムは金属として含有されていてもよく、また、酸化物等として含有されていてもよい。イットリウムは結晶粒界に選択的に析出されるため、電極の組織の微細化を図り、耐スパッタ性を向上させる。また、イットリウムは仕事関数の低い電子放射性物質であるため、暗黒空間での始動性も同時に向上させ得る。イットリウム金属の電極中の含有量は0.05質量%以上0.5質量%以下が好ましい。イットリウム金属の電極中の含有量が0.05質量%以上であれば耐スパッタ性が優れたものとなり、0.5質量%以下であれば加工性に優れたものとなる。
また、上記電極はチタンを含むことが好ましい。チタンは組織制御に寄与する金属であり、チタンが析出物となって電極の組織の粗大化を抑制するため、電極の組織は微細となり、電極の耐スパッタ性を向上させる。チタンの電極中の含有量は0.01質量%以上0.05質量%以下であることが好ましい。チタンの電極中の含有量が0.01質量%以上であれば耐スパッタ性が優れたものとなり、0.05質量%以下であれば加工性に優れたものとなる。
上記電極は、イットリウム及びチタンを含有することが、更に好ましい。イットリウムとチタンは相乗作用により、組織の微細化を促進させ、電極に顕著な耐スパッタ性を付与し、同時に暗黒始動性も付与し得る。
上記電極は、主成分のニッケルに、セリウム金属又はセリウム酸化物、更に、ランタン、ネオジム若しくはプラセオジムのいずれか1種又はこれらの2種以上、イットリウム及びチタンが含まれることにより、電極中におけるニッケルの結晶粒子を、平均粒子径として、例えば、25μm以下等の微細なものとして形成することができ、微細な結晶粒子により粒子間の結合が強固となり、電極の耐スパッタ性を著しく向上させることができる。
ここで、結晶粒子の平均粒子径は、酸によりエッチング処理した電極表面を、光学顕微鏡観察を用いた比較法により求めた粒子径から求めることができる。具体的には、(社)日本熱処理技術協会編著、大河出版発行、「入門金属材料と組織」(P189〜193)に記載される方法に準拠して、実視野径0.8mmの円の光学顕微鏡100倍の写真印画の大きさ径80mmの円において、標準図と比較してその相当する粒度番号を判定して平均粒子径を得る。例えば、粒子径25μmは粒度番号7、8のちょうど中間の7.5に位置することから、粒子径の平均値を得ることができる。
上記電極としては、カップ形状を有することが、管電圧と消費電力の低減を図ることができることから、好ましく、カップ状の開口を相互に対向させて透明管の内部の両端部付近にそれぞれ配置したものが好ましい。カップ形状の電極を作成するには、板状のインゴットから切り出した部材を接合して作製することもできるが、円形に切り出し、プレス成形し、カップ状に形成すると、微細組織を有するものを容易に成形することができる。また、素線を所望の長さに切断し、切断面を軸方向に打ち込み凹部を形成し、カップ状に形成する、いわゆるヘッダー加工をすることによりカップ状電極を容易に成形することができる。カップの形状は、透明管の内径、ランプの出力により適宜選択することができるが、例えば、外径1.05〜2.75mm、長さ3〜8mm等とすることができる。
上記電極には、電極を外部の電源と接続するためのリード線が接続される。リード線は一端を電極の底面に融着し、他端を透明管の端部を密閉するための封止部材を貫通して外部に突出させて、設けることができる。リード線としては、電極に融着する際の加熱、密閉部材を透明管に密着する際の加熱により劣化されるのを抑制するため、耐熱性を有するものが好ましく、また、ランプの使用時の電極の熱を、透明管外部へ効率よく放熱することができるように、ランプ内のリード線には銅の芯線をコバールで被覆した二重構造を有するコバール線等を、外部リード線には、ジュメット線等を接続して用いることができる。
上記希ガス及び水銀を保持する透明管の両端を密閉する、ステム等の封止部材は、上記リード線を貫通して設けられ、リード線を介して電極を固定する機能を有する。封止部材には、例えば、ガラスビード、コバール等が用いられる。
本発明の冷陰極蛍光ランプは、蛍光体層と透明管との間に、水銀から放射される紫外線等の透明管外への漏洩を抑制するため、若しくは、水銀等による透明管の劣化を抑制するため保護層を設けてもよい。保護層としては、例えば、酸化イットリウム、酸化アルミニウム等の金属酸化物等を用いて形成することができる。
上記冷陰極蛍光ランプを製造する方法としては、ニッケルとセリウム金属又はセリウム酸化物と必要に応じてランタン、ネオジム、若しくはプラセオジム、イットリウム、チタンとを溶融した溶製材を用いて、インゴット又は素線を作成し、これを用いて上記カップ形状等に形成して電極を成形する。
電極の作製方法としては、具体的には、溶製材は、ニッケルの融点近傍でニッケル、セリウム金属又はセリウム酸化物等を溶融して調製することができる。その後、この溶製材を鋳型に鋳込み、これらの金属を含むニッケル合金のインゴットとする。または、溶製材を用いて素線を形成する。更に、得られたインゴット又は素線を熱間圧延、冷間圧延により塑性加工し、厚さ0.1〜0.2mmの薄板状、又は、口径1〜2.6mm等の素線とすることができる。熱間圧延、又は冷間圧延後、インゴット又は素線を焼鈍し、内部の歪を除去し展延性の向上を図り、表面研磨する。また、プレス成形加工することにより、あるいは、素線をヘッダー加工することにより、微細結晶構造の電極を得ることができる。得られた電極にリード線を接合するが、コバール線の場合は、抵抗溶接又はレーザー溶接にて直接に電極とコバールとを一体化することができる。
透明管内壁の蛍光体層の形成は、上記蛍光体を溶媒に分散させた分散液を調製し、これを所定の形状のガラス製等の透明管の内壁面に浸漬、スプレー等の方法により塗工し、乾燥して、上記厚さの蛍光体層を成形する。その後、透明管の端部に電極を配置し、リード線を貫通させて封止部材で透明管端部を密閉し、水銀と希ガスを透明管内へ導入して、冷陰極蛍光ランプを製造することができる。
本発明の冷陰極蛍光ランプの一例として、図2に示す液晶パネルのバックライト用を例示することができる。図2の概略断面図に示す冷陰極蛍光ランプ1は、ホウケイ酸ガラスによって形成されたガラス管2の両端がビードガラス3で気密に封止されて構成されている。ガラス管2の外径は、1.5〜6.0mmの範囲内、好ましくは1.5〜5.0mmの範囲内である。ガラス管2の内壁面には、そのほぼ全長に亘って蛍光体層4が設けられている。内壁面で囲まれたガラス管2の内部空間5には、希ガス及び水銀が所定量導入され、内部圧力は大気圧の数十分の一程度に減圧されている。ガラス管2の長手方向両端には、図3(a)の部分断面図、(b)の部分側面図に示すように、それぞれ、上記成分を含有するカップ状電極7が、開口10が対向するように配置されている。コバール線9aは、その一端がカップ状電極7の底面部8に溶接され、他端がビードガラス3外部に設けられるジュメット線9bに接続されている。
上記冷陰極蛍光ランプは、ニッケルを主成分とし、所定量のセリウム金属又はセリウム酸化物を含み、必要に応じて所定量のランタン、ネオジム、プラセオジム、イットリウム、チタンを含有するため、低電圧で放電を開始させることができ、希ガスに対する耐スパッタ性が著しく向上し、冷陰極蛍光ランプの長寿命化が図られる。
以下に参考例によって本発明を更に詳細に説明する。
ニッケルにセリウム金属を表1に示す割合(単位は質量%)で添加した出発原料をニッケル融点以上の温度で溶融した。この溶製材を鋳型に鋳込んで常温まで冷却し、その後、熱間圧延、冷間圧延、線引き等を反復して直径0.2mm程度のワイヤー材を作製した。ワイヤー材ヘッダー加工により、外径1.7mm、長さ5mmのカップ形状の電極を作製した。得られた電極の底面部に口径0.8mmのコバール線を溶接にて一体化した。
電極のニッケルの平均結晶粒子径を、比較法により測定した。ニッケル平均結晶粒子径は22μmであった。
口径2.0mmのガラス管の内壁面に蛍光体を約18μm塗布した。ガラス管両端にコパール線を融着した電極をその開口が相互に対向するように配置し、コパール線を貫通したガラスビーズで、ガラス管の両端を封止した。その後、水銀及び希ガスを導入し、冷陰極蛍光ランプ作製した。
得られた冷陰極蛍光ランプについて、管電流10mAにて点灯させた後、カップ部の磨耗量により耐スパッタ性の良否を観察した。電極のカップ部の磨耗量から、以下の基準により耐スパッタ性について評価を行った。結果を表1に示す。
◎:カップ部の磨耗が極僅かにみられる。
○:カップ部の磨耗が認められるが、充分に使用可能である。
△:カップ部の磨耗が認められるが、使用には限界の領域である。
×:カップ部の磨耗が激しく、使用できない。
Figure 0004452937
本発明の冷陰極蛍光ランプは、管電流が高電圧となっても、耐スパッタ性に優れる電極を備え、耐久性に優れることが明らかである。
本発明の冷陰極蛍光ランプは、高電流の管電流が印加される場合でも電極の耐スパッタ性を向上させることができ、テレビ、コンピューター等の液晶表示装置に適用されるバックライト、ファクシミリ等の読み取り用光源、複写機のイレーサー用光源、各種表示用等に好適に利用することができ、産業上極めて有用である。

Claims (6)

  1. 内壁面に蛍光体層が設けられ、内部に希ガス及び水銀を保持し、両端を封止部材により密閉された透明管と、該透明管の内部の両端部付近に設けられた電極と、該電極に接続され封止部材を貫通して設けられるリード線とを有する冷陰極蛍光ランプにおいて、電極がニッケルを主成分として含有し、セリウム酸化物を0.18質量%以上1.61質量%以下の範囲で含有することを特徴とする冷陰極蛍光ランプ。
  2. 電極が、ランタン、ネオジム、若しくはプラセオジムのいずれか1種又はこれらの2種以上を含むことを特徴とする請求項1記載の冷陰極蛍光ランプ。
  3. 電極が、イットリウムを0.05質量%以上0.5質量%以下の範囲で含有することを特徴とする請求項1又は2記載の冷陰極蛍光ランプ。
  4. 電極が、チタンを0.01質量%以上0.05質量%以下の範囲で含有することを特徴とする請求項1又は2記載の冷陰極蛍光ランプ。
  5. 電極が、イットリウムを0.05質量%以上0.5質量%以下の範囲で含有し、且つ、チタンを0.01質量%以上0.05質量%以下の範囲で含有することを特徴とする請求項1又は2記載の冷陰極蛍光ランプ。
  6. 電極が、少なくともニッケルとセリウム酸化物とを含む溶製材を用いて作製されたことを特徴とする請求項1から5のいずれか記載の冷陰極蛍光ランプ。
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