JP2010287555A - 高圧放電ランプ - Google Patents

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卓也 本間
Hiroshi Kamata
博士 鎌田
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良太郎 松田
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Abstract

【課題】
多結晶アルミナセラミックスを電流導入導体に溶着させて形成した封止部におけるセラミックス結晶粒子の成長を少なくしてクラック発生を抑制した高圧放電ランプを提供する。
【解決手段】
高圧放電ランプは、透光性セラミックスの包囲部1aおよび少なくとも封止予定部が多結晶アルミナセラミックスからなる小径筒部1bを備えた透光性セラミックス気密容器1と、封着性部分2aおよび耐ハロゲン化物部分2bを備え小径筒部の内部に挿入された電流導入導体2と、耐ハロゲン化物部分の先端の電極3と、封止予定部の多結晶アルミナセラミックスが溶融して電流導入導体の封着性部分に融着し固化した溶融部4が電流導入導体の封着性部分に融着しているとともにアルミナ結晶粒子成長抑制剤を溶融部の内部に含んでいる透光性セラミックス気密容器の封止部SPと、透光性セラミックス気密容器に封入された放電媒体とを具備している。
【選択図】図3

Description

本発明は、透光性セラミックス気密容器を備えた高圧放電ランプに関する。
に関する。
透光性セラミックス放電容器を備えた高圧放電ランプにおいて、当該放電容器の開口部をセラミックスの融着によって封止する、いわゆるフリットレス封止は既知である(特許文献1参照。)。
また、フリットレス封止において、透光性セラミックス放電容器の小径筒部が、封止予定部に接近した位置における外表面の平均結晶粒径が50μm以下の多結晶アルミナセラミックスにより形成することにより、封着部のセラミックスに生じるクラック発生を低減することは既知である(特許文献2参照。)。
特開2006−141388号公報 特開2009−009921号公報
フリットレス封止は、フリットガラスの使用に伴う諸問題を解決できるので極めて有意義であるが、封着部のセラミックスに生じやすいクラック発生の問題が十分に解決されるには至っていないという課題がある。
本発明者の解析によれば、封止部のセラミックスに生じるクラックは、電流導入導体の封着性部分とこれに融着するセラミックスとの間の熱膨張差が主な要因である。この要因は、封止部における電流導入導体およびこれに融着するセラミックスの間の熱膨張差によるものであるが、特にフリットレス封止の過程において封止部のセラミックスの結晶粒子が成長して大きくなりやすく、これにより電流導入導体およびこれに融着するセラミックスの間の熱膨張差が拡大される傾向が見られる。このため、特許文献2に記載の発明では、小径筒部の平均粒径の小さい多結晶アルミナセラミックスを用いることで小径筒部および電流導入導体の熱膨張係数をなるべく接近させようとしているにもかかわらず、セラミックスを融着させて徐冷する際にセラミックスの結晶粒子が成長して素材のときより大きくなりやすいことが分かった。
本発明は、多結晶アルミナセラミックスを電流導入導体に溶着させて形成した封止部におけるセラミックス結晶粒子の成長を少なくしてクラック発生を抑制した高圧放電ランプを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の高圧放電ランプは、透光性セラミックスからなり内部に放電空間が形成される包囲部および包囲部の端部に連通して形成され少なくとも封止予定部が多結晶アルミナセラミックスからなる小径筒部を備えた透光性セラミックス気密容器と;基端側の封着性部分および先端側の耐ハロゲン化物部分が長さ方向に接続して透光性セラミックス気密容器の小径筒部の内部に挿入され、基端部が外部へ露出した電流導入導体と;電流導入導体の耐ハロゲン化物部分の先端に配設された電極と;小径筒部の封止予定部の多結晶アルミナセラミックスが溶融し固化した溶融部が電流導入導体の封着性部分に融着しているとともにアルミナ結晶粒子成長抑制剤を溶融部の内部に含んでいる透光性セラミックス気密容器の封止部と;透光性セラミックス気密容器の内部に封入された放電媒体と;を具備していることを特徴としている。
本発明において、アルミナ結晶粒子成長抑制剤は、フリットレス封着における小径筒部の封止予定部を加熱溶融させる過程でアルミナ結晶粒子が成長して大きくなりすぎるのを抑制する成分であり、形成された溶融部の内部に含まれている。また、アルミナ結晶粒子成長抑制剤としては、高融点金属および金属酸化物の少なくとも一方を用いるのが好適である。
次に、アルミナ結晶粒子成長抑制剤のうち高融点金属について説明する。高融点金属は、溶融部の内部に拡散している。そして、好適にはタンタルTa、ニオブNb、モリブデンMoおよびタングステンWならびにこれらの金属の少なくとも1種を含む合金のグループから選択された少なくとも一種を用いるのが好ましい。
アルミナ結晶粒子成長抑制剤としての高融点金属による上述の構成を具現化するには、小径筒部の封止予定部の外面に加熱に先立って高融点金属被覆を形成しておくのが好ましい。そうすれば、封止部の加熱溶融過程中に高融点金属被覆を溶融部の内部に拡散させることができる。
高融点金属被覆を封止予定部の外面に配設することにより、封止予定部を加熱すると、その結果高融点金属被覆も加熱される。そうして、加熱により高融点金属が溶融ないし軟化して、その高融点金属の一部が、封止予定部の溶融したアルミナセラミックス中に拡散する。そして、アルミナセラミックスの溶融部が冷却し固化して透光性セラミックス気密容器の封止部が形成される。封止部内において、拡散した高融点金属は、主としてアルミナ結晶粒子の界面に入り込み、アルミナ粒子の成長を抑制するように作用する。
高融点金属被覆は、メッシュ体および箔の少なくともいずれか一方により形成するのが好ましい。なお、メッシュ体および箔の配設の態様は、特段限定されない。例えば、メッシュ体を用いる第1の態様としては、高融点金属のメッシュ体を小径筒部の封止予定部に筒状に巻き付けたり、予めキャップ状に成形しておき、これを小径筒部筒部の端部に装着したりして配設することができる。また、箔を用いる第2の態様としては、高融点金属箔を小径筒部の封止予定部の外周面に筒状に巻き付けることができる。
次に、高融点金属被覆を加熱する方法について説明する。上記第1の態様においては、メッシュ体の外側からレーザを照射して封止予定部のアルミナセラミックスおよびメッシュ体を加熱する。この態様における加熱は、主として照射されたレーザエネルギーがメッシュ体の孔隙および小径筒部の多結晶アルミナセラミックスを透過して小径筒部の内部に挿通された電流導入導体に吸収されて電流導入導体が最初に温度上昇する。そして、電流導入導体の熱が次にアルミナセラミックスに伝導する。これと同時にメッシュ体表面でもレーザエネルギーが吸収されて温度上昇し、メッシュ体は軟化ないし溶融する。これによりアルミナセラミックスは加熱されて溶融する。そして、上述のように高融点金属成分が溶融したアルミナセラミックス中に拡散する。
第2の態様においては、小径筒部の端面をその斜め方向からレーザを直接照射する。この加熱態様において、レーザは、主として小径筒部の端面の多結晶アルミナセラミックスに直接照射されるとこれを透過して、レーザエネルギーが電流導入導体に吸収される。これにより電流導入導体が上記と同様に温度上昇する。そして、電流導入導体の熱がアルミナセラミックスおよび高融点金属箔に伝導する。その結果、封止予定部のアルミナセラミックスが加熱されて溶融する。このとき、高融点金属箔は、軟化ないし溶融する。そして、高融点金属箔から高融点金属成分がアルミナセラミックス中に拡散する。なお、高融点金属箔を介してレーザを照射すると、アルミナセラミックスの溶融までの時間が長くなる。
次に、アルミナ結晶粒子成長抑制剤としての焼結助剤成分について説明する。アルミナ結晶粒子成長抑制剤として作用する焼結助剤成分は、封止部のアルミナ結晶粒界に存在している。本発明において、封止部の溶融部におけるアルミナAlの結晶粒界に焼結助剤成分を存在させる手段は特段限定されない。例えば、封止に先立って小径筒部の外面に焼結助剤成分を被着させることができる。そして、小径筒部を加熱して溶融させると焼結助剤成分がアルミナセラミックスと混じり合ってアルミナ結晶粒子の界面に入り込み、アルミナ結晶粒子の成長を抑制する。
焼結助剤成分としては、例えば酸化マグネシウムMgO、酸化イットリウムY、酸化ランタンLa、酸化スカンジウムScOおよび酸化ケイ素SiOなどを用いるのが好ましい。
また、予め焼結助剤成分を含有する透光性多結晶アルミナセラミックスを用いて小径筒部の少なくとも封止予定部を形成することもできる。この態様においてもアルミナセラミックスの溶融の際に焼結助剤成分をアルミナ結晶粒子の界面に入り込ませることが可能である。なお、本態様においては、アルミナセラミックスの溶融の際に一部の焼結助剤成分が蒸発して消失するので、溶融部の焼結助剤成分濃度が、溶融部に隣接する部位の焼結助剤成分濃度より溶融部の濃度が低下しているから、透光性多結晶アルミナセラミックスに含有されている焼結助剤成分がアルミナ結晶粒子成長抑制剤として機能していることが分かる。
そうして、アルミナセラミックスの溶融部が冷却して固化すると透光性セラミックス気密容器の封止部が形成される。そして、焼結助剤成分がアルミナ結晶粒子の界面に入り込むことで、アルミナ結晶粒子成長抑制剤として作用して溶融部のクラック発生が抑制される。
本発明においては、アルミナ結晶粒子成長抑制剤としての高融点金属および焼結助剤成分が封止部の溶融部に併存している態様が許容される。本態様の場合、高融点金属および焼結助剤成分がそれぞれ単独存在する場合よりアルミナ結晶粒子成長抑制の効果が優れている。そうして、アルミナ結晶粒子の成長が抑制される結果、封止部のクラック発生が抑制される。
次に、封止部のクラック発生の抑制に効果的な溶融部のアルミナ結晶構造について説明する。
すなわち、封止部の多結晶アルミナセラミックスが溶融し固化して形成された溶融部におけるアルミナ結晶粒子は、封止部の形成過程においていったん溶融したアルミナが再結晶することにより形成される。このため、アルミナ結晶粒子の大きさ、形状および周辺の態様が多様になりやすい。アルミナ結晶粒子は、これの画像を形成してから、この画像を測定することにより、これを求めることが可能である。すなわち、画像に現れているアルミナ結晶粒子の最も大きな幅寸法を長径Lとし、この長径に直交する方向の幅寸法のうち最も大きな寸法を短径Wとするが、この短径Wがアルミナ結晶粒径に相当する。
そこで、アルミナ結晶粒子の大きさ、形状および周辺の態様を管理することにより、封止部のクラック発生を抑制できることが分かった。なお、アルミナ結晶粒子の大きさ、形状および周辺の態様を観測するには、封止部の断面をSEM(走査形電子顕微鏡)を用いて画像を作成し、得られた画像に基づいてアルミナ結晶粒子を計測するものとする。
本発明において、溶融部のアルミナ結晶粒子は、その50%、好ましくは90%以上の粒径が3〜200μmの範囲内にあるとともに、形状がアルミナ結晶粒子の長径をLとし、短径をWとしたときの比L/Wが1.0≦L/W≦20を満足することが好ましい。この範囲であれば、形成された溶融部にクラックが発生しにくいとともに、封止部の形成が比較的容易である。
小径筒部の封止予定部を加熱溶融させて封止部を形成する場合、溶融部のアルミナ結晶粒子は、再結晶により粒径が少なくとも3μm以上になる。一方、アルミナ結晶粒子の粒径が200μmを超えると、アルミナ結晶粒子が大きすぎて溶融部にクラックが発生しやすくなる。
また、アルミナ結晶粒子の形状に関して、比L/Wが1.0であれば、溶融部の状態が良好となり、クラック発生の抑制効果が十分に得られる。反対に、比L/Wが20を超えると、クラックが非常に発生しやすくなり、実用的な高圧放電ランプを得ることが極めて困難になる。上記数式を満足する範囲内であれば、封止部のクラック発生に対する抑制効果が得られる。
なお、溶融部のアルミナ結晶粒子は、より好適には粒径が5μm以上で、かつ1.0≦L/W≦10を満足する範囲にあるのがよい。そうすれば、封止部のクラック発生に対するより一層高い抑制効果が得られる。
周辺の態様に関して、封止部の溶融部に融着する電流導入導体の部分の封着応力S(MPa)が−100≦S≦−800を満足する好ましい。なお、上記数式中の記号「−」は、応力が圧縮応力であることを示している。この封着応力範囲は、封止部を形成しやすくて、しかもその溶融部にクラック発生に対する抑制効果が得られる範囲を示している。しかし、封着応力が−100未満になると、封止部の形成が甚だ困難になる。また、封着応力が−800を超えると、クラック発生が顕著になる。
また、封止部は、その溶融部の内部において、隣接するアルミナ結晶粒子の粒界が密着していて、その結果溶融部の外部に連通していないわずかな隙間すなわち粒界隙間が形成されていないことが好ましい。このような構成を備えていることにより、溶融部にクラックが発生するのを効果的に抑制することできることが分かった。ただし、溶融部の内部に形成されるボイドは、上記隙間には含まれないものとする。
溶融部内部に形成されるボイドは、上記定義に対して隙間として見たときに、わずかな隙間とはいえない大きな空間を形成することがある。また、フリットレス封止のように小径筒部のセラミックスを溶融させて封止部を形成する場合、十分な時間をかけて徐冷を行えばボイドの形成を阻止することが可能であり、ボイドは、封止部の溶融部の内部には存在していないのが好ましい。
次に、本発明におけるその他の構成について説明する。
1.封止部の溶融部のヤング率について
溶融部外面のヤング率Y(GPa)は、100≦Y≦700を満足する範囲内にあるのが好ましい。これにより、封止部のクラック発生に対する抑制効果が得られる。
2.封止部の溶融部の硬度について
溶融部外面の硬度H(GPa)は、5≦H≦60を満足する範囲内にあるのが好ましい。これにより、封止部のクラック発生に対する抑制効果が得られる。
3.封止部における溶融部の形成の態様について
溶融部は、小径筒部の封止予定部が、外面から電流導入導体の表面までのほぼ全体にわたって溶融し固化した第1の領域と、第1の領域で溶融したアルミナの一部が第1の領域に隣接する小径筒部の非溶融部の内面とこれと対向する電流導入導体との間の隙間に進入して固化した第2の領域から構成されているのが好ましい。これにより、封止部のクラック発生に対する抑制効果が得られる。
本発明は、小径筒部の多結晶アルミナセラミックスが溶融し固化した溶融部内にアルミナ結晶粒子成長抑制剤が含まれていることにより、封止部の形成過程におけるアルミナ結晶粒子の成長が抑制されるので、封止部のアルミナセラミックスと電流導入導体との熱膨張差が小さくなって封止部のクラック発生が抑制された高圧放電ランプを提供できる効果を奏する。
また、アルミナ結晶粒子成長抑制剤が溶融部の内部に拡散している高融点金属および溶融部のアルミナ結晶粒界に存在している焼結助剤成分の少なくともいずれか一方によって構成されていることにより、封止部のクラック発生が抑制されるとともに溶融部内にアルミナ結晶粒子成長抑制剤を含ませやすくなる。
さらに、メッシュ体および箔の少なくともいずれか一方により形成された高融点金属被覆を具備していることにより、小径筒部の加熱溶融時に高融点金属をアルミナ結晶粒子成長抑制剤として溶融部内部へ拡散させるのが容易になる。
さらにまた、封止部の溶融部のアルミナ結晶粒子の粒径が3〜200μmで、かつアルミナ結晶粒子の長径をLとし、短径をWとしたときの比L/Wが1.0≦L/W≦20を満足することにより、封止部のクラック発生が抑制される。
さらにまた、封止部の溶融部に融着する部分の電流導入導体の封着応力値S(MPa)が−100≦S≦−800を満足することにより、封止部のクラック発生が抑制される。
さらにまた、封止部の溶融部の内部において隣接するアルミナ結晶粒子の粒界が密着していて、外部に連通していないわずかな隙間を形成していないことにより、封止部のクラック発生が抑制される。
本発明の高圧放電ランプを実施するための第1の形態の模式的縦断面図である。 同じく封止前の組み立て状態を示す模式的要部拡大縦断面図である。 同じく封止部を示す模式的要部拡大縦端面図である。 本発明の高圧放電ランプを実施するための第2の形態における封止部を示す要部拡大縦断面図である。 本発明の高圧放電ランプを実施するための第3の形態における封止部を示す模式的要部拡大縦断面図である。 同じく模式的要部拡大横断面図である。 本発明の高圧放電ランプを実施するための第6の形態における封止部縦断面の電子顕微鏡写真である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図1ないし図3を参照して本発明の高圧放電ランプを実施するための第1の形態について説明する。本形態において、高圧放電ランプは、透光性セラミックス気密容器1、電流導入導体2、電極3、高融点金属被覆MC、封止部SPおよび放電媒体を具備している。
〔透光性セラミックス気密容器1について説明する。〕
透光性セラミックス気密容器1は、包囲部1aおよび小径筒部1bを備えている。包囲部1aの内部には放電空間1cが形成される。なお、透光性セラミックス気密容器1における透光性とは、放電によって発生した光を透過して外部に導出できる程度に光透過性であることをいい、透明ばかりでなく、光拡散性であってもよい。そして、少なくとも放電空間を包囲する部分の主要部が透光性を備えていればよく、要すれば上記主要部以外の付帯的構造を備えているときには、当該部分は遮光性であってもよい。
包囲部1aは、内部が中空であり、その構成材料が透光性の多結晶アルミナセラミックスであるのが好ましい。しかし、所望により単結晶の金属酸化物例えばサファイヤ、イットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)、イットリウム酸化物(YOX)、または多結晶非酸化物例えば窒化アルミニウム(AlN)などの光透過性および耐熱性を備えたセラミックス材料を用いることもできる。しかし、上記材料の中でも透光性多結晶アルミナセラミックスは、工業的に量産できて比較的容易に入手できるため、透光性セラミックス気密容器1全体の構成材料として好適である。
小径筒部1bは、小径の筒状体部分であり、包囲部1aの端部に接続して内部が包囲部1a内部に気密に連通し、かつ包囲部1aの端部から外方へ延在している。小径筒部1bは、好ましくは包囲部1aと連続的な曲面によって一体成形されている。
また、小径筒部1bは、そこに形成される封止予定部が少なくとも透光性多結晶アルミナセラミックスからなる。一般的に使用されている上記アルミナセラミックスは、その結晶平均粒径が70μm程度であるが、本発明の実施に際しては、所望により少なくとも小径筒部1bの封止予定部に接近した位置、換言すれば封止工程において溶融する部位の平均結晶粒径を一般的には50μm以下にすることができる。なお、平均結晶粒径は小さいほど好ましく、例えば30μm以下、さらには20μm以下であるのが好ましい。したがって、好適には0.1〜30μmの範囲であり、より一層好適には0.5〜20μmの範囲である。さらに、小径筒部1bの封止予定部の平均結晶粒径を4μm以下、好ましくは3μm以下、より好ましくは1μm以下にすることにより、アルミナセラミックスの融着による封止部の形成がより一層容易になる。
さらに、透光性セラミックス気密容器1の全体を透光性多結晶アルミナセラミックスで形成する態様において、包囲部1aの結晶平均粒径を相対的に大きくし、小径筒部1bの結晶平均粒径を上述のように相対的に小さくすることができる。
小径筒部1bの数は、一対の電極3、3を配設する一般的な場合、2つであるが、配設する電流導入導体2の数に応じて1つないし3つ以上の複数であることを許容される。一対の小径筒部1bをそれぞれ離間した位置に配設する場合、好適には管軸に沿って離間対向している。なお、小径筒部1bを構成するセラミックスは実質的に遮光性であってもよい。
本発明において、小径筒部1bは、その内部にキャピラリー構造を形成してもよいし、形成しなくてもよい。したがって、小径筒部1bの長さは本発明において特段限定されない。要するに、少なくとも小径筒部1bに当該小径筒部1bと電流導入導体2との直接的または間接的なセラミックスの溶着による封止部SPを形成しやすい長さであればよい。上述の小径筒部1bの長さは、封止部SPが相対的に高温に耐えるので、従来のフリットガラスを用いて封止する場合の小径筒部1bの長さより明らかに短くすることができる。
次に、透光性セラミックス気密電容器1を製作するには、包囲部1aおよび小径筒部1bを一体的に成形して形成することができる。しかし、所望により複数の構成部材を接合させたり、嵌合させたりして形成してもよい。例えば、包囲部1aと、小径筒部1bとを、それぞれ別に仮焼結してから所要に接合させて、全体を焼結することにより、一体の透光性セラミックス気密容器1を形成することもできる。また、筒状部分と端板部分とをそれぞれ別に仮焼結してから接合して、全体を焼結することにより、一体化された包囲部1aを形成することもできる。
〔電流導入導体2について説明する。〕
電流導入導体2は、封着性部分3aおよび耐ハロゲン化物部分3bの直列接続体である。そして、後述する電極3を支持し、電極3に電流を供給し、かつ小径筒部1bと協働して透光性セラミックス気密容器1を封止するために機能する導体である。そのために、電流導入導体2は、透光性セラミックス気密容器1の小径筒部1bの内部に挿入されている先端側が耐ハロゲン化物部分3bで、その先端に電極3に接続している。また、基端側の封着性部分3aに透光性セラミックス気密容器1の後述する封止部SPが形成され、基端が透光性セラミックス気密容器1から外部へ露出している。なお、上記において、透光性セラミックス気密容器1から外部へ露出しているとは、透光性セラミックス気密容器1から外部へ突出していてもよいし、また突出していなくてもよいが、外部から給電できる程度に外部に臨んでいればよい。
また、電流導入導体2は、その封着性部分3aを封着性金属またはサーメットを用いて構成できる。封着性金属としては、熱膨張係数が透光性セラミックス気密容器1の小径筒部1bを構成している多結晶アルミナセラミックスのそれと近似している導電性金属であるニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)および白金(Pt)のグループから選択することができる。また、サーメットとしては、上記金属に加えてモリブデン(Mo)およびタングステン(W)のグループから選択した金属とアルミナセラミックスのサーメットを用いることができる。
さらに、電流導入導体2の封着性部分3aを複数の材料部分を接合して形成することもできる。例えば、一部を上記のグループから選択した封着性金属の部分とし、この金属部分に上記サーメットを管軸方向に直列に接合したり、金属部分の管軸と直交する周方向にサーメットを接合したりした構成とすることができる。そして、電流導入導体2の封着性部分3aの少なくとも一部にサーメットを用いる場合、当該サーメットの部位または当該サーメットおよび封着性金属の両方に跨った部位で透光性セラミックス気密容器1の小径筒部1bと電流導入導体2との間の封着を行うと、小径筒部1bのセラミックスの溶融による封着時にセラミックスの温度上昇が後述する理由により容易になるので、良好な封着部を形成しやすくなる。
〔電極3について説明する。〕
電極3は、透光性セラミックス気密容器1の内部に後述する放電媒体の放電を生起させる手段である。一対の電極3、3を配設する場合には、透光性セラミックス気密電容器1の内部において電極3、3間でアーク放電が生起されるように離間対向して配設される。しかし、本発明においては、少なくとも1個の電極3が前記導入導体2に接続して透光性セラミックス気密容器1内に配設されていればよい。
また、電極3は、電流導入導体2の耐ハロゲン化物部分2bに接続して透光性セラミックス気密容器1内の所定位置に支持されている。例えば、電極3の基端が電流導入導体2の透光性セラミックス気密容器1の内部側に位置する先端部に接続される。
さらに、電極3を電極主部または/および電極軸部により構成することができる。電極主部は、放電の起点となる部分で、したがって主として陰極およびまたは陽極として作用する部分であり、所望により電極軸部を介さないで直接電流導入導体2に接続することができる。また、電極主部の表面積を大きくして放熱を良好にするために、必要に応じてタングステンのコイルを巻装したり、電極軸部より径大にしたりすることができる。電極3が電極軸部を備えている場合、電極軸部は、電極主部と一体に、または溶接されて、電極主部の背面から後方へ突出して電極主部を支持し、かつ電流導入導体2の耐ハロゲン化物部分2bに接続する。なお、所望により電極軸部と電流導入導体2の耐ハロゲン化物部分2bを単一のタングステンにより共用化させることができる。
さらにまた、電極3の材料には、タングステン、ドープドタングステン、トリエーテッドタングステン、レニウムまたはタングステン−レニウム合金などを用いることができる。なお、一対の電極を用いる場合、交流点灯形の場合にはそれらを対称構造とするが、直流点灯形の場合には、非対称構造にすることができる。
〔高融点金属被覆MCについて説明する。〕
本発明において、高融点金属被覆MCは必須構成要素ではないが、アルミナ結晶粒子成長抑制剤が高融点金属からなる場合には、図2に示すように、透光性セラミックス気密容器1の小径筒部1bにおける封止予定部(例えば小径筒部1bの端部)の外面に、その封止工程に先立って予め配設することができる。
また、高融点金属被覆MCは、高融点金属のメッシュ体または箔からなる。図示の本形態においては、メッシュ体が採用されている。これら高融点金属被覆MCの肉厚t(μm)は、0.03≦t≦0.30の範囲である。肉厚tが0.03μm未満になると、薄すぎて製作および取り扱いの困難性が増す。また、レーザ照射時にメッシュ体の金属成分が蒸発しやすくなり、溶融部4への拡散が不十分となる。反対に、肉厚tが0.30μmを超えると、加熱時間が長くなり、また、メッシュ体の剛性が高くなって小径筒部1bの封止予定部にメッシュ体を巻き付ける際の加工が困難となり、これに伴って小径筒部1bへの密着性が低下しやすくなるので、実用的に好ましくなくなる。
高融点金属被覆MCがメッシュ体からなる態様における好ましい構成は次のとおりである。メッシュの孔隙の口径φ(mm)は0.05<φ<0.50の範囲である。口径φが0.05mm以下であると、製作が困難になるとともに、孔隙を透過するレーザエネルギーが少なくなる。反対に、口径φが0.50mm以上になると、取り扱いが困難になる。また、溶融部4への拡散が不十分になる。
また、メッシュの孔隙間隔d(mm)は0.05<d<0.50の範囲である。メッシュの孔隙間隔dが0.05mm以下になると、製作が困難になる。反対に、孔隙間隔dが0.50mm以上になると、孔隙を透過するレーザエネルギーが少なくなる。なお、孔隙間隔dとは、隣接する一対の孔隙間に形成された箔部分の長さをいう。
〔封止部SPについて説明する。〕
封止部SPは、図3に拡大して示すように、小径筒部1bの封止予定部のアルミナセラミックスが、アルミナ結晶粒子成長抑制剤を含んでいる。本形態においては、高融点金属被覆MCから供給された高融点金属がアルミナ結晶粒子成長抑制剤として拡散した状態で溶融し、封着性部分2aに濡れた状態で固化して溶融部4を形成している。図3に示された構成についてさらに詳述すれば、溶融部4は、融着部4a、密着部4bおよび接着部4cを含む態様であることを許容する。
融着部4aは、溶融部4の前述した第1の領域であり、電流導入導体2の封着性部分2aから小径筒部1bの外面までアルミナセラミックスが溶融し固化して形成されていて、封止部SP内の溶融部4の必須の主要部を構成している。
密着部4bは、溶融部4の前述した第2の領域であり、溶融したアルミナセラミックスが隣接する小径筒部1bの溶融しない部分の内面と、電流導入導体の封着性部分2aおよび耐ハロゲン化物部分2bの基端部との間に形成された隙間に進入し、固化して形成されている部分である。当該部分は、封止部SPの溶融部4において所望に応じた追加的補助部を構成している。したがって、封止部SPは、密着部4bを備えていなくてもよい。しかし、封止部SPが融着部4aに加えて密着部4bを備えていることにより、信頼性の高い封止を行うことができる。
接着部4cは、小径筒部1bの大部分が溶融しない部分において、外周側のみが軟化ないし溶融して高融点金属被覆MCに接着して形成されている部分である。当該部分は、封止部SPの溶融部4において所望に応じた追加的補助部を構成している。したがって、封止部SPは、接着部4cを備えていなくてもよい。
そうして、本形態においては、封止部SPの上記溶融部4に高融点金属被覆MCが金属単体として拡散している。含有量m(質量%)の好適範囲は、0.5<m<30を満足する範囲である。なお、含有量mが0.5質量%未満であると、熱膨張係数の改善効果を得にくくなる。また、30質量%以上になると、粒界破断が生じやすくなる。また、高融点金属被覆MCから供給された高融点金属の一部が酸化物として溶融部4の内部に分散していることが許容される。
また、高融点金属被覆MCは、透光性セラミックス気密容器1の封止に先立って予め配設されるが、高融点金属を溶融部4内に供給して封止部SPが形成された後においてもその大部分が残留することが多い。しかし、封止条件によっては、高融点金属被覆MCの一部が分離して原形が崩れることも許容される。
本発明において、透光性セラミック気密容器1を封止するために、小径筒部1bにセラミックスの融着による封止部SPを形成するに際して、セラミックスを溶融させるための手段は、特段限定されない。例えば、小径筒部1bのアルミナセラミックスおよび高融点金属被覆MCを加熱して、アルミナセラミックスをその溶融温度以上に温度を上昇させれば、アルミナセラミックスが溶融し、小径筒部1bに挿入されている電流導入導体2の封止予定部に対向している封着性部分2aおよび耐ハロゲン化物部分2bの基端部の表面に馴染ませるとともに、高融点金属被覆MCから高融点金属がアルミナセラミックス中に拡散する。そうしたら、加熱を止めて馴染んだ個所が冷却すれば、アルミナセラミックスが固化して、電流導入導体2の封着性部分2aおよび耐ハロゲン化物部分2bの基端部に溶融部4が融着して封止部SPが形成されて透光性セラミックス気密容器1が封止される。
小径筒部1bのアルミナセラミックスを加熱する手段は、例えばレーザや反射鏡付ハロゲン電球などの熱線投射形の局部加熱手段、誘導加熱手段および電気ヒータなどを用いることができる。なお、レーザとしては、例えばYAGレーザ、COレーザなどを用いることができる。
熱線投射形の上記局部加熱手段を用いて小径筒部1bの封止予定部の全周を加熱する場合、局部加熱手段を上記予定部に対して所定の離間位置、例えば高融点金属被覆MCがメッシュ体の場合には封止予定部の側方に固定し、局部加熱手段を作動させながら透光性セラミック気密容器1の小径筒部1bおよび局部加熱手段のいずれか一方または双方を回転させれば、小径筒部1bの全周を均一に加熱することができる。しかし、所望により、例えば高融点金属被覆MCが箔の場合には小径筒部1bの延在方向、例えば管軸方向からレーザを照射してもよい。また、固定的に配置された小径筒部1bの周囲に複数の局部加熱手段を配置したり、局部加熱手段を小径筒部1bの周囲に回転させたり、あるいは小径筒部1bの全周を包囲する加熱手段を配設したりすれば、透光性セラミック気密容器1を静止状態で加熱することもできる。
〔放電媒体について説明する。〕
放電媒体は、その放電により所望の発光を得るための手段であるが、本発明においてその構成が特段限定されない。例えば、下記に列挙する態様であることを許容する。しかし、好ましくは発光金属のハロゲン化物、ランプ電圧形成媒体および希ガスにより構成される。なお、本発明において、「高圧放電」とは、イオン化媒体の点灯中の圧力が大気圧以上になる放電をいい、いわゆる超高圧放電を含む概念である。
発光金属のハロゲン化物は、主として可視光を発光する発光金属のハロゲン化物であり、既知の各種金属ハロゲン化物を採用することができる。すなわち、発光金属の金属ハロゲン化物は、発光色、平均演色評価数Raおよび発光効率などについて所望の発光特性を備えた可視光の放射を得るため、さらには透光性セラミックス気密容器1のサイズおよび入力電力に応じて、既知の金属ハロゲン化物の中から任意所望に選択することができる。例えば、ナトリウム(Na)、スカンジウム(Sc)、希土類金属(ジスプロシウム(Dy)、ツリウム(Tm)、ホルミウム(Ho)、プラセオジム(Pr)、ランタン(La)およびセリウム(Ce)など)、タリウム(Tl)、インジウム(In)およびリチウム(Li)からなるグループの中から選択された一種または複数種のハロゲン化物を用いることができる。なお、発光金属のハロゲン化物のハロゲンとしてよう素、臭素、塩素またはフッ素のいずれか一種または複数種を用いることができる。
ランプ電圧形成媒体は、ランプ電圧を形成するのに効果的な媒体であり、例えば水銀または下記の金属のハロゲン化物を用いることができる。すなわち、ランプ電圧形成媒体としてのハロゲン化物は、点灯中の蒸気圧が相対的に大きくて、かつ可視域の発光量が上記発光金属による可視域の発光量に比較して少ない金属、例えばアルミニウム(Al)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)、マンガン(Mn)などのハロゲン化物が好適である。
希ガスは、始動ガスおよび緩衝ガスとして作用する。例えば、キセノン(Xe)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、ネオン(Ne)などを単体でまたは混合して用いることができる。
所望の発光を得るための放電媒体の構成例は、次のとおりである。
1.発光金属のハロゲン化物+水銀+希ガス:いわゆる水銀入りのメタルハライドランプの構成である。
2.発光金属のハロゲン化物+ランプ電圧形成媒体としてのハロゲン化物+希ガス:環境負荷の大きな水銀を用いないいわゆる水銀フリーのメタルハライドランプの構成である。
3.水銀+希ガス:いわゆる高圧水銀ランプの構成である。
4.希ガス:希ガスとしてXeを用いると、いわゆるキセノンランプの構成である。
〔本発明のその他の構成について説明する。〕
本発明の必須構成要件ではないが、所望により以下の構成の一部または全部を具備することにより、高圧放電ランプの機能が付加されたり、性能が向上したりする。
(1)(外管について) 本発明の高圧放電ランプは、透光性セラミックス気密容器1が大気中に露出した状態で点灯するように構成することができる。しかし、要すれば、透光性セラミックス気密容器1を外管(図示しない。)内に収納することができる。なお、外管内は、真空、ガス入り、または大気に連通した雰囲気にすることもできる。
(2)(反射鏡について) 本発明の高圧放電ランプは、反射鏡を一体化して具備することができる。
図1に示す第1の形態における高圧放電ランプである。
透光性セラミックス気密容器:透光性多結晶アルミナセラミックスからなる一体成形、
包囲部;最大外径15mm、最大内径13mm
小径筒部;外径1.2mm、内径1.0mm、長さ15mm
電流導入導体 :封着性部分;Nb、直径0.6mm、長さ10mm、
耐ハロゲン化物部分; Mo、直径0.6mm、長さ5mm
電極 :W、直径0.6mm
高融点金属被覆 :Ta製メッシュ体、長さ2mm、肉厚0.08μm、1回巻き、
試料1;孔隙口径0.5mm、孔隙間隔0.2mm
試料2;孔隙口径0.2mm、孔隙間隔0.2mm
放電媒体 :Xe
封止工程のレーザ照射方向 :メッシュ体の外側を管軸に対して直交方向から照射した。
封止部 :溶融部、密着部および接着部にアルミナ結晶粒子成長抑
制剤としてのTaが1.0質量%拡散していた。
点灯試験結果(1万時間) :試料1および2ともにクラック発生なし。
なお、上記点灯試験は、20分点灯、10分消灯の
過点滅モードで行った。
高融点金属被覆 :Ta製箔、長さ2mm、肉厚0.08μm、1回巻き
封止工程のレーザ照射方向 :小径筒部の端面を管軸に対して斜め方向から照射した。
封止部 :溶融部にTaが1.0質量%拡散していた。
点灯試験結果(1万時間) :クラック発生なし。
[比較例1]
高融点金属被覆 :Ta箔、長さ2mm、1回巻き
封止工程のレーザ照射方向 :箔の外側を管軸に対して直交方向から照射した。
その他の仕様は実施例1と同じ。
点灯試験結果(1万時間) :8千時間でクラックが発生した。
次に、図4を参照して本発明の高圧放電ランプを実施するための第2の形態を説明する。本形態は、請求項3の発明に対応する。すなわち、透光性セラミックス気密容器1の小径筒部1bに形成された封止部SPの溶融部4のアルミナセラミックスにおける結晶粒子の粒界にアルミナ結晶粒子成長抑制剤としての焼結助剤が集中的に存在している。封止部SPにおける焼結助剤の含有量は、50〜500ppmであるのが好ましい。焼結助剤は、封止工程に先立って小径筒部1bの封止予定部の外面に被着されるのが好ましい。しかし、所望によりアルミナセラミックス中に最初から含有されているのであってもよい。
焼結助剤がアルミナ結晶粒子成長抑制剤として上記のように存在していることにより、アルミナセラミックスの封止工程における結晶粒子の成長を抑制する作用があり、その結果封止部SPと電流導入導体2の封着性部分2aや耐ハロゲン化物部分2bとの間の熱膨張差が低減してクラック発生が防止される。
また、焼結助剤に加えて高融点金属もアルミナ結晶粒子成長抑制剤として封止部SPの内部に含有されているとさらに優れたクラック防止効果を奏する。この態様は請求項4の発明に対応する。高融点金属を含有させるには第1の形態の構成を採用することができる。高融点金属の含有比率は、0.5〜30質量%の範囲であるのが好ましい。
図4に示す第2の形態における高圧放電ランプである。
封止部 :溶融部のアルミナセラミックス中のMgOは200ppmであった。
その他の仕様は実施例1と同じ。
点灯試験結果(1万時間):クラック発生なし。
次に、図5および図6を参照して本発明の高圧放電ランプを実施するための第3の形態を説明する。本形態は、各請求項の発明に対応することができる。すなわち、透光性セラミックス気密容器1の小径筒部1bのフリットレス封止工程において、アルミナセラミックスから放出された有機性のガスによって封止部SPの内部にボイドVが形成されやすい。ボイドVが所定サイズを超えると、クラックが発生しやすくなる。
図5に示すように、封止部SPにおける溶融部4の管軸方向の長さLに対するボイドVの長さの比率は、60%以下であれば、クラック発生が実用上許容範囲内に収まることが分かった。また、溶融部4の最大厚みに対するボイドVの高さの比率は、80%以下であれば、クラック発生が実用上許容範囲内に収まることが分かった。
さらに、図6に示すように、溶融部4の管軸方向に直交する面内においては、電流導入導体2の中心からボイドVの両端に引いた放射状の2本の直線がなす角度が30°以内であれば、クラック発生が実用上許容範囲内に収まることが分かった。なお、以上説明した本形態は、フリットレス封止の態様が前述の第1および第2の形態に限定されるものではなく、その他の態様であってもよい。
図5に示す第3の形態における高圧放電ランプである。
封止部 :溶融部のボイドは長さ比率50%、高さ比率50%、
管軸方向に直交する面内における角度30°であった。
その他の仕様は実施例1と同じ。
点灯試験結果(1万時間) :クラック発生なし。
次に、本発明の高圧放電ランプを実施するための第4の形態について説明する。本形態は、封止部SPの溶融部4のアルミナ結晶粒子の粒径が3〜200μm、好ましくは10〜150μmで、かつアルミナ結晶粒子の長径をLとし、短径をWとしたときの比L/Wが1.0≦L/W≦20、好ましくは1.5≦L/W≦10を満足するように構成されている。
高圧放電ランプ仕様は実施例1と同じである。封止部の溶融部におけるアルミナ結晶粒子の粒径および形状の異なる試作品について1万時間の点灯試験を行い、クラック発生の有無を調査した。調査結果を表1に示す。なお、評価結果の定義は次のとおりである。◎:クラック発生なし、○:点灯8000時間以上でクラック発生あり、△:点灯5000時間以上でクラック発生あり、×:数時間でクラック発生あり、××:不点。
[表1]
サンプル(No.) 粒径(μm) L/W 試験結果
1 3 1.0 △
2 10 1.5 ◎
3 10 10 ○
4 10 20 △
5 150 1.5 ○
6 150 10 ○
7 150 15 ×
8 300 1.5 ××
次に、本発明の高圧放電ランプを実施するための第5の形態について説明する。本形態は、電流導入導体2は、封止部SPの溶融部4に融着する部分の封着応力S(MPa)が−100≦S≦−800を満足するように構成されている。
高圧放電ランプ仕様は実施例1と同じである。電流導入導体2の封着応力S(MPa)が異なる試作品について1万時間の点灯試験を行い、クラック発生の有無を調査した。調査結果を表2に示す。なお、評価結果の定義は次のとおりである。◎:クラック発生なし、○:点灯8000時間以上でクラック発生あり、△:点灯5000時間以上でクラック発生あり、×:数時間でクラック発生あり。また、溶融部4の表面のヤング率は500GPa、硬度は40GPaであった。
[表2]
サンプル(No.) 封着応力(MPa) 試験結果
1 −150 ◎
2 −500 ○
3 −800 △
4 −1000 ×
次に、図7を参照して本発明の高圧放電ランプを実施するための第6の形態について説明する。本形態は、封止部の溶融部の内部において隣接するアルミナ結晶粒子の粒界が密着していて、クラックはもとより外部に連通していないわずかな隙間である粒界隙間を形成していないように構成されている。
図7は、封止部縦断面の電子顕微鏡写真であり、(a)は一部に粒界隙間が形成されている溶融部を示し、(b)は(a)の中で粒界隙間が形成されていない箇所をさらに拡大して示し、(c)は(a)の中で粒界隙間が形成されている箇所をさらに拡大して示している。なお、図7の(c)において、異形をなすアルミナセラミックスの粒界が黒い線状の部分となっている箇所が粒界隙間である。
粒界隙間は、溶融部の外部に連通していないので、クラックとは区別されるものであり、これが形成されていても直接リークの原因になるものではない。しかし、粒界隙間が形成されていると、寿命中にクラック発生に至るリスクがあるので、粒界隙間が形成されていないのが好ましい。
高圧放電ランプ仕様は実施例1と同じである。本形態により粒界隙間のない実施例の試作品(サンプルNo.1)と粒界隙間のある比較例の試作品(サンプルNo.2)とについて1万時間の点灯試験を行い、クラック発生の有無を調査した。調査結果を表3に示す。なお、評価結果の定義は次のとおりである。○:点灯8000時間以上でクラック発生あり、△:点灯5000時間以上でクラック発生あり。
[表3]
サンプル(No.) 粒界隙間 試験結果
1 なし ○
2 あり △
1…透光性セラミックス放電容器、1a…包囲部、1b…小径筒部、1c…放電空間、2…電流導入導体、2a…封着性部分、2b…耐ハロゲン化物部分、3…電極、4…溶融部、4a…融着部、4b…密着部、4c…接着部、MC…高融点金属被覆、SP…封止部

Claims (7)

  1. 透光性セラミックスからなり内部に放電空間が形成される包囲部および包囲部の端部に連通して形成され少なくとも封止予定部が多結晶アルミナセラミックスからなる小径筒部を備えた透光性セラミックス気密容器と;
    基端側の封着性部分および先端側の耐ハロゲン化物部分が長さ方向に接続して透光性セラミックス気密容器の小径筒部の内部に挿入され、基端部が外部へ露出した電流導入導体と;
    電流導入導体の耐ハロゲン化物部分の先端に配設された電極と;
    小径筒部の封止予定部の多結晶アルミナセラミックスが溶融し固化した溶融部が電流導入導体の封着性部分に融着しているとともにアルミナ結晶粒子成長抑制剤を溶融部の内部に含んでいる透光性セラミックス気密容器の封止部と;
    透光性セラミックス気密容器の内部に封入された放電媒体と;
    を具備していることを特徴とする高圧放電ランプ。
  2. 前記アルミナ結晶粒子成長抑制剤は、高融点金属および焼結助剤成分の少なくとも一方であり、高融点金属は前記溶融部の内部に拡散し、焼結助剤成分はアルミナ結晶粒界に存在していることを特徴とする請求項1記載の高圧放電ランプ。
  3. 前記アルミナ結晶粒子成長抑制剤の前記高融点金属はタンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)およびタングステン(W)ならびにこれらの金属の少なくとも1種を含む合金のグループから選択された1種または複数種であり、前記焼結助剤成分は酸化マグネシウム(MgO)、酸化イットリウム(Y)酸化ランタン(La)、酸化スカンジウム(ScO)および酸化ケイ素(SiO)のグループから選択された1種または複数種であることを特徴とする請求項2記載の高圧放電ランプ。
  4. メッシュ体および箔の少なくともいずれか一方により形成された高融点金属被覆を具備していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の高圧放電ランプ。
  5. 前記封止部は、溶融部のアルミナ結晶粒子の粒径が3〜200μmで、かつアルミナ結晶粒子の長径をLとし、短径をWとしたときの比L/Wが1.0≦L/W≦20を満足することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の高圧放電ランプ。
  6. 前記電流導入導体は、封止部の溶融部に融着する部分の封着応力S(MPa)が−100≦S≦−800を満足することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載の高圧放電ランプ。
  7. 前記封止部は、その溶融部の内部において隣接するアルミナ結晶粒子の粒界が密着していて外部に連通していないわずかな隙間を形成していないことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一記載の高圧放電ランプ。
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