JP4452663B2 - チェーンソーのブレーキ装置、およびチェーンソー - Google Patents

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Description

本発明は、チェーンソーのチェーンを停止させるブレーキ装置、およびこれを備えたチェーンソーに関する。
従来、木々や竹などを伐採、枝打ちする際に、鋸刃付きの無端のチェーン(ソーチェーン)を備え、レバー操作によってチェーンを回転駆動させるチェーンソーが使用されている。
このようなチェーンソーには、落下時や、木に打ちつけた際などの衝撃時にチェーンの駆動を停止し、チェーンの損傷などを防止するためのブレーキ装置が組み込まれており、このブレーキ装置は、例えば、チェーンの回転軸に設けられたドラムに掛け回されたベルトの一端側がばねの付勢力で引かれることにより、回転するドラムがベルトで巻き締められて停止するものとなっている。
ところで、チェーンは、遠心クラッチを介してエンジンや電動モータで駆動されるが、操作レバーを戻すことで遠心クラッチが切れた際もチェーンがすぐには停止しない。このため、電動モータ駆動方式のチェーンソーにおいては、操作レバーを戻した際に、前述のブレーキ装置のドラムに掛け回されたベルトの他端側が引かれることにより、チェーンの回転を機械的に停止させるブレーキ装置を設けた例がある(例えば、特許文献1)。
特許第3263284号公報(段落「0024」〜「0027」、図3)
しかしながら、特許文献1のように、ドラムに掛け回されたベルトの両端側がそれぞれ引っ張られ、別々のブレーキ機構を構成する場合、いずれか片側が引かれた際に反対側が追従して、ベルトが緩む方向に移動する可能性があり、ブレーキの制動に不安がある。
そこで、本発明の目的は、駆動状態から非駆動状態とされたときにチェーンを確実に停止させることができるチェーンソーのブレーキ装置、およびこのブレーキ装置を備えたチェーンソーを提供することにある。
本発明の請求項1に記載のチェーンソーのブレーキ装置は、エンジンが搭載された本体と、鋸刃が設けられたチェーンとを備え、前記チェーンを前記本体に設けられたガイド部材の周りでエンジン駆動によって回転させるチェーンソーに用いられ、前記チェーンを停止させるチェーンソーのブレーキ装置であって、前記チェーンに前記エンジンの駆動力を伝達するスプロケットの回転軸に設けられて当該スプロケットと共に回転するドラムと、前記ドラムの周りに掛け回されて両端側が反対方向に引き出されるベルトと、前記ドラムを巻き締める方向に前記ベルトの両端側を互いに反対方向にそれぞれ付勢する第1の付勢手段および第2の付勢手段と、前記第1の付勢手段の付勢力に抗するように前記ベルトを前記本体に係止する係止部材とを備え、前記第1の付勢手段の付勢力により前記ベルトの一端側が移動する際に、この一端側での移動に追従して、前記ベルトの他端側が移動することを一定範囲に規制する規制手段が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載のチェーンソーのブレーキ装置は、前記ベルトは、前記第2の付勢手段が取り付けられる取付部を有し、前記取付部には、前記ベルトの長手方向に沿って延びる長孔が形成され、前記規制手段は、前記長孔に挿通される突起であることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載のチェーンソーのブレーキ装置は、前記第2の付勢手段は、コイルばねであり、前記コイルばねの一端側は、前記ベルトの他端側に取り付けられ、前記コイルばねの他端側は、雌ねじが形成された雌ねじ部材に取り付けられ、前記雌ねじ部材には、前記本体に取り付けられ、かつ雄ねじが形成された雄ねじ部材が螺合され、この雄ねじ部材の回転により、前記雌ねじ部材は前記コイルばねの付勢方向に沿って進退自在とされていることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載のチェーンソーのブレーキ装置は、前記本体には、前記エンジンの出力を調整するスロットルレバーと、このスロットルレバーが前記第2の付勢手段の付勢力に抗する方向に回動した状態で前記ベルトの他端側の端面に係合するストッパとが設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載のチェーンソーは、前述のチェーンソーのブレーキ装置を備えたことを特徴とする。
請求項1に記載のチェーンソーのブレーキ装置によれば、ベルトが第1の付勢手段の付勢力によって引っ張られた際に、ベルトの引っ張られた側と反対側もが追従して同じ方向に移動することが規制手段によって一定範囲に規制されるため、ベルトでドラムを強力に巻き締めることが可能となり、ドラムおよびスプロケットの回転停止に伴って、チェーンを確実に停止させることができる。
すなわち、ガイド部材の先端部で切断したり先端部が障害物に当たってチェーンソーが上方に跳ね返された際など(キックバック)、チェーンソーに何らかの衝撃が加わって係止部材に大きな外力が作用し、係止部材によるベルトの係止が解除されてベルトの一端側が引っ張られた際に、ベルトでドラムが強力に巻き締められて、チェーンが確実かつ迅速に停止される。これにより、衝撃時におけるチェーンの破損などを未然に防止することができる。
また、請求項1に記載のチェーンソーのブレーキ装置によれば、スロットルレバーを放した際に、ベルトの端部が第2の付勢手段の付勢力によって引っ張られることで、ベルトでドラムを巻き締めることができ、ドラム及びスプロケットの回転停止に伴い、チェーンを停止させることができる。すなわち、スロットルレバーを放した際、チェーンがその慣性力により回りつづけることなく、短時間でチェーンの回転を停止させられる。
請求項2に記載のチェーンソーのブレーキ装置によれば、突起に長孔を係止させるだけで、ベルトの移動が規制される簡略な構造にできるとともに、突起は本体またはケースに固定されているため、長孔の長軸方向に沿った方向のみならず、その長軸方向と交差する方向へのベルトの移動をも規制されるので、ベルトが移動する際にドラムの外周面上で幅方向にずれることがなく、チェーンを安定的に停止させることができる。
請求項3に記載のチェーンソーのブレーキ装置によれば、雄ねじ部材を回転して雌ねじ部材を進退させることにより、コイルばねの伸び量、すなわち付勢力が変わり、これによってベルトがドラムを巻き締める際の締め付け力も変わるので、チェーンが停止する時間を調整可能となる。このようなチェーンが停止するまでの制動時間の調整により、例えば、チェーン回転の余力で枝を打ち払うなどの使い方も可能となり、伐採の対象や作業者の操作感などに応じて、取扱性を向上させることができる。
請求項4に記載のチェーンソーのブレーキ装置によれば、スロットルレバーを回動した状態でストッパを押し込んでベルトの端面に係合させることにより、第2の付勢力によるベルトの移動が規制されるため、スロットルレバーを戻しても、第2の付勢力によるブレーキ機構が作動しない状態に保持することが可能となる。このようにストッパを用いることにより、作業の目的に応じて、第2の付勢力によるブレーキ機構を使用すれば良く、取扱性を向上させることができる。
請求項5に記載のチェーンソーによれば、前述のようなブレーキ装置を備えるため、前述と同様の作用および効果を享受することができる。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態におけるチェーンソー1の概略図である。
チェーンソー1は、合成樹脂製のケースに覆われた本体11から前方に突設するガイド部材(図示省略)に巻回されたチェーン20をエンジン(図示省略)で駆動するものであり、前後方向に延びるバー状のハンドル111を把持して使用される。ハンドル111は、作業者の一方の手によって把持される。チェーンソー1には、他方の手で把持される別のハンドルも設けられているが、ここではその図示が省略されている。
ハンドル111の把持部分には、エンジンへの吸入空気量を加減するスロットルレバー131がスプリング131Aとともに設けられ、ハンドル111を握るとスロットルレバー131が軸部131Bを中心に回動し、ハンドル111を握る手を緩めると、スロットルレバー131がスプリング131Aに付勢されて元の位置に戻る。スロットルレバー131には、キャブレター200が接続されている。
また、ハンドル111の前方には、回転するチェーン20から作業者の手を保護するための図示しないハンドガードが設けられている。
本体11の内部には、エンジンが格納され、エンジンの出力軸にはスプロケット132が設けられている。
チェーン20は、鋸刃が設けられた無端のソーチェーンであって、ガイド部材とスプロケット132とに巻回され、スプロケット132に伝達されたエンジンの駆動力で回転する。
ここで、スプロケット132の回転軸132Aには、遠心クラッチを内蔵しスプロケット132と共に回転するドラム31が設けられている。
ドラム31の外周部311の周りには、金属製のベルト32が掛け回され、ベルト32の前端部321および後端部322は、それぞれ反対側に引き出されて位置している。このようなベルト32でドラム31を巻き締めることにより、ドラム31およびスプロケット132の回転を停止して、チェーン20の駆動を停止させることが可能であり、これらベルト32およびドラム31を含んでブレーキ装置30が構成されている。
図2は、ブレーキ装置30の斜視図である。
ブレーキ装置30は、ドラム31(図2中の2点鎖線)、およびベルト32に加えて、ベルト32の前端部321と後端部322とを互いに反対方向に付勢する第1の付勢手段である強力な圧縮コイルばね33と、第2の付勢手段である引張コイルばね34と、ベルト32の前端部321を本体11(図1)に係止する係止部材35とを備えて構成されている。
ベルト32は、外周部311の幅寸法よりも幅が狭く、ドラム31の外周部311上で交差された交差部323では、前端部321側と後端部322側とが交差している。
また、ベルト32の交差部323よりも前端部321側は拡幅し、この拡幅した部分は、係止部材35が挿通される孔361が形成された前方取付部36とされている。
この前方取付部36、係止部材35、および圧縮コイルばね33を含んで、キックバックなどの衝撃時に作動するチェーン(キックバック)ブレーキ機構が構成されている。
係止部材35は、前方取付部36側の第1部材351と、この第1部材351とリンク353で繋がった第2部材352とを有して構成されている。
第1部材351は、孔361に挿通されるピン部351Aと、上方に突出した突起351Bと、圧縮コイルばね33が挿通される棒状部351Cとを有し、本体11の一部として構成されたばね止め部115と棒状部351Cの基端部との間に圧縮コイルばね33が圧縮された状態で配置されるようになっている。
第2部材352は、第1部材351の突起351Bと対向する突起352Bと、この突起352Bから下るに従って、第1部材351から次第に離間する斜部352Cとを有し、これらの突起352Bおよび斜部352Cが形成された側と反対側の端部352Dが本体11に回動自在に取り付けられている。
そして、リンク353は、2つの回動軸353A,353Bを両端に有し、これらの回動軸353A,353Bにより、第1部材351および第2部材352をそれぞれ回動自在に繋いでいる。
ここで、第1部材351は、圧縮コイルばね33のばね力によって第2部材352側に付勢されているが、リンク353が第1部材351および第2部材352の間で突っ張っているために、第2部材352に対して離間した状態となっている。このとき、第1部材351と第2部材352とは、図2に示すように、互いに対向する方向に沿ってリンク353の回動軸353A,353Bが並んだ状態となる。
一方、ベルト23の交差部323よりも後端部322側も、前端部321と同様に拡幅した後方取付部37となっており、この後方取付部37、および引張コイルばね34を含んで、スロットルレバー131を戻した際に作動するスロットルブレーキ機構が構成されている。
後方取付部37は、ベルト32の長手方向に沿って比較的長く形成されている。この後方取付部37には、その長手方向に沿って突起用長孔371およびレバー用長孔372が並んで形成され、さらに、後方取付部37の端部には、引張コイルばね34が取り付けられている。
引張コイルばね34は、両端にフック34Aを有し、一方のフック34Aが後方取付部37の孔373に引っ掛けられ、他方のフック34Aが本体11に設けられたばね止め部118に係止されている。
突起用長孔371には、本体11に固定された規制手段としての突起119が挿通されている。
レバー用長孔372には、スロットルレバー131に連動する内部レバー135が挿通されている。この内部レバー135は、図1に示すように、ハンドル111内部のガイドローラ136Aにより取り回されたワイヤ136によってスロットルレバー131と接続され、スロットルレバー131の動きを後方取付部37を介してベルト32に伝達している。具体的に、この内部レバー135は、回動軸135Aを中心に本体11に回動自在に設けられ、スロットルレバー131をON方向に回動させると、ワイヤ136を介して回動し、後方取付部37を引張コイルばね34のばね力に抗する方向に移動させる。
以上説明したブレーキ装置30の動作について、図3〜図7を参照して説明する。
図3、図4は、チェーンソー1の通常の使用における駆動状態および駆動停止状態を示したものである。
図3は、スロットルレバー131(図1)のON操作によってチェーン20を駆動している状態を示すが、このときは、スロットルレバー131の操作に連動して内部レバー135が回動し、後方取付部37においてレバー用長孔372の端部372Aが押圧されることにより、後方取付部37が引張コイルばね34のばね力に逆らう方向に移動する。この内部レバー135の回動により、ベルト32の後端部322がドラム31側に移動してドラム31の外周部311上でベルト32が緩むため、ドラム31の回転はベルト32によって規制されず、ブレーキ装置30のスロットルブレーキ機構は解除されている。
この状態でスロットルレバー131を戻すと、エンジンの回転数の低下に伴って遠心クラッチが切れ、エンジン駆動力のスプロケット132への伝達が停止されると同時に、図4に示すように、引張コイルばね34のばね力でベルト32の後端部322が後方側に引っ張られ、ベルト32によってドラム31が巻き締められる。このとき、突起119と突起用長孔371の端部371Aとの間には、隙間SP1があり、後方取付部37は引張コイルばね34のばね力で保持される。このようなブレーキ装置30におけるスロットルブレーキ機構の制動によって、ドラム31の回転が迅速に停止し、チェーン20の駆動もまた、迅速に停止する。
次に、図5、図6は、チェーンソー1に何らかの衝撃が加わった場合のブレーキ装置30の制動について示すものである。
図5は、スロットルレバー131を握っている状態において衝撃が加わった状態を示している。この衝撃時の外力により、係止部材35の第2部材352が上向きに回動する。すると、リンク353が斜めに傾き、傾いたぶん、第1部材351と第2部材352とが互いに近接するとともに、圧縮コイルばね33が僅かに復元する。この圧縮ばね33の復元に伴ってベルト32の前端部321が引っ張られ、この前端部321引っ張りにベルト32の後端部322が追従するが、突起用長孔371の端部371Bが突起119に係止されるため、後端部322はそれ以上は追従することがなく、ベルト32によってドラム31が強力に巻き締められて、チェーン20が確実かつ迅速に停止する。
そして、図6は、図5においてスロットルレバー131から手を離した状態を示し、このとき、内部レバー135はレバー用長孔372に沿って回動して、引張コイルばね34、ドラム31、キャブレター200のスプリングの付勢により元の位置に復帰する。
なお、ブレーキ装置30のスロットルブレーキ機構による通常の制動を示す図3、図4の状態、そして、衝撃を受けた際のチェーンブレーキ機構による制動を示す図5、図6の状態のいずれにおいても、ベルト32が圧縮コイルばね33、または引張コイルばね34のばね力によって素早く移動するが、後方取付部37の突起用長孔371に突起119が挿通されているため、ベルト32は突起用長孔371の長手方向に移動するのみで、ドラム31の外周部311で幅方向にずれる心配がないため、安定的、かつ確実にチェーン20が停止する。
本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
(1)チェーンソー1のブレーキ装置30によれば、衝撃時にチェーンブレーキ機構が動作し、ベルト32の前端部321が圧縮コイルばね33のばね力によって引っ張られる際に、後端部322側では、突起用長孔371が突起119に係止されるため、前端部321の引っ張りに追従して、後端部322が同じ方向に移動するのを規制でき、引張コイルばね34を有したスロットルブレーキ機構を備えた場合でも、ベルト32でドラム31を強力に巻き締めることができる。これにより、チェーン20を確実に停止させることができるから、チェーンソー1に衝撃が作用した際に、チェーンブレーキ機構を確実に機能させることができ、チェーン20を即座に停止させることができる。
(2)ここで、後方取付部37の突起用長孔371を突起119に係止させるだけで、突起用長孔371の端部371Bでベルト32の後端部322の移動を規制する簡略な構造にできるとともに、突起は本体またはケースに固定されているため、突起用長孔371の長軸方向と交差する方向へのベルト32の移動をも規制することが可能となるので、ベルト32が移動する際にドラム31の外周部311上で幅方向にずれることがなく、チェーン20を安定的に停止させることができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について図7〜図9を参照して説明する。
本実施形態におけるブレーキ装置40と前記第1実施形態のブレーキ装置30との相違点は、主として、本実施形態におけるブレーキ装置40では、ベルト32の後端部322を付勢する引張コイルばね34のばね力が調整可能に構成されたこと、およびベルト32の後端部322を係止するストッパ375が付加されたことにある。また、本実施形態のチェーンソーでは、前記第1実施形態のような内部レバー135が設けられていない。これにより、ベルト32の後端部322を構成する後方取付部47には、内部レバー135挿通用の長孔は形成されておらず、後方取付部47とスロットルレバー137とは、ワイヤ136により直接接続されている。
図7に示すブレーキ装置40において、本実施形態では、引張コイルばね34のばね止め部118は、図示しないブラケット内に摺動自在に収容される駒部材341から突出するように形成され、この駒部材341には、引張コイルばね34の伸縮方向に沿って貫通するように雌ねじが形成されている。この雌ねじには雄ねじが刻設された雄ねじ部材342が螺合されており、この雄ねじ部材342を回転させることで、駒部材341およびばね止め部118が進退し、ばね止め部118の移動に伴って引張コイルばね34のばね力が調整可能となっている。すなわち、雄ねじ部材342を回転させて駒部材341が後退すると、引張コイルばね34が延伸してばね力が強まり、反対に、駒部材341が前進する向きに雄ねじ部材342を回転させると、引張コイルばね34のばね力が弱まる。
なお、雄ねじ部材342が挿通されるブラケットに関しては、図7に示すような雄ねじ部材342の頭部が係止される係止片343を有し、駒部材が一緒に回転しなければよく、その形状は任意である。
ここで、前述のように、スロットルブレーキ機構においては、引張コイルばね34のばね力でベルト32が引っ張られ、ベルト32でドラム31が巻き締められることによってチェーン20の駆動が制動されるため、雄ねじ部材342の回転により引張コイルばね34のばね力が可変とされることによって、ベルト32によるドラム31の締め付け力を調整できる。
つまり、雄ねじ部材342が締め付けられて引張コイルばね34のばね力が強い状態では、スロットルレバー137を戻した際にベルト32を引っ張る力が大きいため、ベルト32によるドラム31の締め付け力が大きくなる。このため、スロットルレバー137が戻されてブレーキ装置40の制動が開始してから、チェーン20が停止されるまでの時間を極めて短くできる。
これに比べて、雄ねじ部材342が緩められて引張コイルばね34のばね力が弱い状態では、スロットルレバー137を戻した際にベルト32を引っ張る力が小さいぶん、ベルト32によるドラム31の締め付け力が小さくなるため、チェーン20が停止するまでに若干、時間が掛かる。このようなチェーン20の制動時間の長短については、伐採の対象や使用感に応じて適宜調整することができ、例えば、制動時間を長く設定することで、余力で枝を打ち払うことも可能となる。
一方、本体11(図8)には、後方取付部47に臨むストッパ375が設けられ、このストッパ375は、ベルト32の後端部322を係止して、スロットルブレーキ機構の作動を規制する。
図8は、ブレーキ装置40の側面図である。ストッパ375は、本体11の開口117に挿通されて後方取付部47に対して突出する棒状部材であり、開口117に挿通される段付きのピン部375Aと、ピン部375Aを押し込んだ際に後方取付部47の端面に係合する係合部375Cと、ピン部375Aの頭部375Bおよび本体11の間に配置されるスプリング375Eとを有している。
ここで、図8に示した状態では、ストッパ375は機能しておらず、このストッパ375が機能している状態を図9に示した。このストッパ375を本体11の内側に押し込むことが可能となるのは、図9のように、スロットルレバー137が回動され、ワイヤ136を通じて後方取付部47がドラム31側に移動したときであり、ストッパ375の頭部375Bを押しこむことにより、係合部375Cが後方取付部47の端面に向かって前進し、スプリング375Eのばね力で係合部375Cが後方取付部47の端面に係合される。これにより、ベルト32の後端部322の移動が規制され、スロットルレバー137を戻しても、ワイヤ136がたるむのみであって、ベルト32はドラム31の外周部311上で緩んだままの状態に保たれる。すなわち、ストッパ375を押し込んでいればスロットルブレーキ機構が作動しない。
そして、ストッパ375を本体11から引き抜けば、係合部375Cが後方取付部47の端面から外れ、ベルト32は引張コイルばね34のばね力で引っ張られて移動するとともに、スプリング375Eのばね力によってストッパ375が押し上げられる。この状態では、前記実施形態と略同様に、スロットルレバー137の操作に連動してブレーキ装置40におけるスロットルブレーキ機構が作動する。このようなストッパ375による機能は、作業目的に応じて適宜使用すればよい。
以上説明した本実施形態によれば、前述の(1)および(2)に加えて、次のような効果を奏する。
(3)ブレーキ装置40において、引張コイルばね34の取付構造が駒部材341および雄ねじ部材342を備えて構成され、雄ねじ部材342を回転することで引張コイルばね34のばね力が可変とされたので、その引張コイルばね34のばね力によってベルト32がドラム31を巻き締める際の締め付け力も可変となり、チェーン20が停止するまでの制動時間を調整できる。これにより、前述のように確実なチェーン20の停止を可能としながらも、用途や操作感に応じてチェーン20の停止時間を任意に設定することが可能となる。
(4)また、ベルト32の移動を規制するストッパ375を備えたことにより、ストッパ375を押し込んでベルト32の後方取付部47の端面に係止させて、スロットルレバー137を戻してもスロットルブレーキ機構が作動しない状態にできる。このようにストッパ375を用いることにより、作業の目的に応じてスロットルブレーキ機構を動作させるか否かを切り替え可能となり、取扱性を向上させることができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態は、前記第2実施形態におけるストッパ375に、エンジンの始動に関係する電気的なスイッチを設けたものである。
図10は、エンジンを始動する電気系統50のブロック図を示し、エンジンの主スイッチ51が入力されると、ストッパ375に設けられたストッパ部スイッチ52がONのときに限り、CDIマグネット等の点火コイル装置53およびプラグ54間に通電されるようになっている。
ここで、ストッパ部スイッチ52は、ストッパ375のピン部375A(図8)と、本体11に設けられた図示しない接点との間の電気的なスイッチとして構成され、ストッパ375が引き上げられた状態では、ピン部375Aと本体11とが当接してストッパ部スイッチ52がONであり、プラグ54に通電可能である。
これに対して、ストッパ375が押し込まれた状態では、ピン部375Aが本体11から離れてストッパ部スイッチ52がOFFであり、主スイッチ51が入力されても、プラグ54には通電されず、エンジンが始動されることはない。
したがって、エンジンを始動するには、ストッパ375を引き上げてから主スイッチ51を操作する必要がある。つまり、ストッパ375が押し下げられた状態では、係合部375Cで後方取付部47が係止されているから、ブレーキ装置40のスロットルブレーキ機構が働いていない状態となっているが、このような状態では、エンジンを始動させることができないようになっているのである。
なお、ストッパ部スイッチ52には、エンジンが駆動状態または非駆動状態のいずれにあるかを検出する検出手段521が設けられ、この検出手段521によりエンジンが非駆動状態にあると検出されたときのみ、ストッパ375が押し込まれた際にストッパ部スイッチ52がOFFとなる。これにより、エンジンが駆動されているときにストッパ375を押し下げても、ストッパ部スイッチ52のOFF状態はキャンセルされ、スロットルブレーキ機構が作動しないようになるだけで、駆動中のエンジンが停止することはない。
以上説明した本実施形態によれば、前述の(1)〜(4)に加えて、次のような効果を奏する。
(5)ストッパ375にストッパ部スイッチ52が付加され、ストッパ375が押下されてスロットルブレーキ機構が解除された状態では、エンジンを始動不可としたので、ストッパ375を引き戻さない限り、スロットルブレーキ機構が効かない状態でエンジンが始動するのを防止できる。これにより、ユーザフレンドリーなチェーンソー1を実現することができる。
なお、本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形および改良を加えることができるものである。
上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、ベルト32の前端部321が圧縮コイルばね33で付勢され、ベルト32の後端部322が引張コイルばね34で付勢されていたが、第1の付勢手段および第2の付勢手段の付勢方向、およびその具体的構成はこれらに限定されることなく、適宜決めることができる。
本発明は、スロットルブレーキ機構およびチェーンブレーキ機構の両方を備えたエンジン駆動式のチェーンソーに使用できる。
本発明の第1実施形態におけるチェーンソーの概略図。 前記実施形態におけるチェーンソーのブレーキ装置を示す斜視図。 前記実施形態においてスロットルレバーが回動されてチェーンが駆動されている状態を示す図。 図3の状態においてスロットルブレーキ装置を作動させた状態の図。 前記実施形態のチェーンソーの衝撃時、チェーン(キックバック)ブレーキ装置によるチェーン制動の状態を示す図。 図5の状態からスロットルレバーを戻した状態を示す図。 本発明の第2実施形態におけるチェーンソーのブレーキ装置を示す斜視図。 前記実施形態のブレーキ装置においてストッパが機能していない状態を示す図。 前記実施形態のブレーキ装置においてストッパが機能している状態を示す図。 本発明の第3実施形態におけるストッパに設けられた電気的スイッチを示すブロック図。
符号の説明
1・・・チェーンソー、20・・・チェーン、30,40・・・ブレーキ装置、31・・・ドラム、32・・・ベルト、33・・・圧縮コイルばね(第1の付勢手段)、34・・・引張コイルばね(第2の付勢手段)、35・・・係止部材、36・・・前方取付部(取付部)、37,47・・・後方取付部(取付部)、119・・・突起(規制手段)、131・・・スロットルレバー、132・・・スプロケット、341・・・駒部材(雌ねじ部材)、342・・・雄ねじ部材、371・・・突起用長孔(長孔)、375・・・ストッパ。

Claims (5)

  1. エンジンが搭載された本体と、鋸刃が設けられたチェーンとを備え、前記チェーンを前記本体に設けられたガイド部材の周りでエンジン駆動によって回転させるチェーンソーに用いられ、前記チェーンを停止させるチェーンソーのブレーキ装置であって、
    前記チェーンに前記エンジンの駆動力を伝達するスプロケットの回転軸に設けられて当該スプロケットと共に回転するドラムと、
    前記ドラムの周りに掛け回されて両端側が反対方向に引き出されるベルトと、
    前記ドラムを巻き締める方向に前記ベルトの両端側を互いに反対方向にそれぞれ付勢する第1の付勢手段および第2の付勢手段と、
    前記第1の付勢手段の付勢力に抗するように前記ベルトを前記本体に係止する係止部材とを備え、
    前記第1の付勢手段の付勢力により前記ベルトの一端側が移動する際に、この一端側での移動に追従して、前記ベルトの他端側が移動することを一定範囲に規制する規制手段が設けられている
    ことを特徴とするチェーンソーのブレーキ装置。
  2. 請求項1に記載のチェーンソーのブレーキ装置において、
    前記ベルトは、前記第2の付勢手段が取り付けられる取付部を有し、
    前記取付部には、前記ベルトの長手方向に沿って延びる長孔が形成され、
    前記規制手段は、前記長孔に挿通される突起である
    ことを特徴とするチェーンソーのブレーキ装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のチェーンソーのブレーキ装置において、
    前記第2の付勢手段は、コイルばねであり、
    前記コイルばねの一端側は、前記ベルトの他端側に取り付けられ、前記コイルばねの他端側は、雌ねじが形成された雌ねじ部材に取り付けられ、
    前記雌ねじ部材には、前記本体に取り付けられ、かつ雄ねじが形成された雄ねじ部材が螺合され、
    この雄ねじ部材の回転により、前記雌ねじ部材は前記コイルばねの付勢方向に沿って進退自在とされている
    ことを特徴とするチェーンソーのブレーキ装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のチェーンソーのブレーキ装置において、
    前記本体には、前記エンジンの出力を調整するスロットルレバーと、このスロットルレバーが前記第2の付勢手段の付勢力に抗する方向に回動した状態で前記ベルトの他端側の端面に係合するストッパとが設けられている
    ことを特徴とするチェーンソーのブレーキ装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のチェーンソーのブレーキ装置を備えた
    ことを特徴とするチェーンソー。
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