JP2010133532A - チェーンソーのブレーキ装置およびチェーンソー - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルトの強度を向上させることができるブレーキ装置を提供すること。
【解決手段】本発明によれば、キックバックブレーキ機構が作動した際に、ベルト51の他端側513が一端側の動きに追従して前方に移動しようとするが、当接部材7が規制部633に当接するので、それ以上前方へと移動することが防止される。従って、ベルト51でドラムを強力に巻き締めることができ、ソーチェーンを確実に停止できる。この際、本発明では、ベルト51の他端側513の移動の規制を、当該ベルト51の他端側513に取り付けられた当接部材7を規制部633に当接させることで行うので、ベルト51の他端側513には、当接部材7を当該ベルト51の他端側513に例えばねじ止めするための小孔516を形成するだけでよい。従って、ベルト51の他端側513に長孔を形成することを不要にできるので、ベルト51の強度を向上させることができる。
【選択図】図3
【解決手段】本発明によれば、キックバックブレーキ機構が作動した際に、ベルト51の他端側513が一端側の動きに追従して前方に移動しようとするが、当接部材7が規制部633に当接するので、それ以上前方へと移動することが防止される。従って、ベルト51でドラムを強力に巻き締めることができ、ソーチェーンを確実に停止できる。この際、本発明では、ベルト51の他端側513の移動の規制を、当該ベルト51の他端側513に取り付けられた当接部材7を規制部633に当接させることで行うので、ベルト51の他端側513には、当接部材7を当該ベルト51の他端側513に例えばねじ止めするための小孔516を形成するだけでよい。従って、ベルト51の他端側513に長孔を形成することを不要にできるので、ベルト51の強度を向上させることができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、チェーンソーのブレーキ装置およびチェーンソーに関する。
従来、エンジン等の駆動手段により回転駆動される駆動軸と、駆動軸に遠心クラッチを介して接続されて当該駆動軸により回転駆動されるスプロケットと、スプロケットにより回転駆動される鋸刃付きのソーチェーンとを備えたチェーンソーが知られている。チェーンソーでは、ソーチェーンの切断抵抗により上方に跳ね返されてしまうことがあり、このような現象(キックバック)等による突発的な事故を防止するために、ソーチェーンの回転をすぐに停止させることのできる緊急用のブレーキ装置の設置が義務付けられている。
ブレーキ装置としては、例えば、スプロケットと一体に回転するドラムと、ドラムに巻き回されたベルトと、ハンドガードが倒されることによりベルトの一端側を引っ張るように構成されたキックバックブレーキ機構とを備えたものが知られている。このようなブレーキ装置では、緊急時に作業者がハンドガードを倒すと、ベルトの一端側が引っ張られ、ドラムがベルトによって巻き締められるので、ソーチェーンの回転を短時間で停止させることができる。
ところで、このようなブレーキ装置では、スロットルレバーを戻して遠心クラッチを切っても、回転慣性のため、すぐにはソーチェーンの回転が停止しないことがある。そのため、この様な状況でソーチェーンが地面に触れると、ソーチェーンに設けられた鋸刃が損傷してしまう可能性があった。このような課題に対し、前述のキックバックブレーキ機構に加え、スロットルレバーが戻されることにより作動してソーチェーンの回転を停止させるスロットルブレーキ機構を備えたブレーキ装置が知られている(例えば特許文献1)。
前記特許文献1のブレーキ装置は、スロットルレバーが戻されるとベルトの他端側をドラムが巻き締まる方向に引っ張るばね(スロットルブレーキ機構を構成する)と、スロットルレバーの押し操作によりベルトの他端側を前記ばねの引っ張りに抗してベルトが緩む方向に移動させるワイヤとを備えている。このようなブレーキ装置では、スロットルレバーが押し操作されると、ワイヤがベルトの他端側をベルトが緩む方向に移動させるので、ベルトによるドラムの巻き締めが解除されてソーチェーンが回転駆動し始める。また、スロットルレバーが戻されると、ベルトの他端側がばねにより引っ張られ、ドラムがベルトによって巻き締められるので、ソーチェーンの回転が短時間で停止する。
このような特許文献1のブレーキ装置では、ベルトの他端側には長孔が形成されており、当該長孔には突起が挿入されている。そのため、緊急時にキックバックブレーキ機構が作動してベルトの一端側が引っ張られた際に、突起が長孔に引っ掛かるので、ベルトの他端側がベルトの一端側の動きに追従して移動してしまうことが一定範囲に規制される。従って、ドラムをベルトによってしっかりと巻き締めることができ、ソーチェーンの回転を短時間で、かつ確実に停止させることができる。
しかしながら、前記特許文献1のブレーキ装置では、ベルトに長孔が形成されているので、ベルトの強度が低下してしまうという問題があった。
本発明の目的は、ベルトの強度を向上させることができるブレーキ装置、およびこのブレーキ装置を備えたチェーンソーを提供することにある。
本発明の請求項1に係るチェーンソーのブレーキ装置は、駆動手段により回転駆動されるスプロケットと、前記スプロケットにより回転駆動される鋸刃付きのソーチェーンとを備えたチェーンソーのブレーキ装置であって、前記スプロケットに固定され、前記スプロケットと共に回転するドラムと、前記ドラムに巻き回されて両端側が反対方向に引き出されたベルトと、前記ベルトの一端側を前記ドラムを巻き締める方向に移動させるキックバックブレーキ機構と、前記ベルトの他端側に連結されて前記ドラムを巻き締める方向に前記ベルトの他端側を付勢する付勢手段と、前記ベルトの他端側に取り付けられた当接部材と、前記キックバックブレーキ機構によって前記ベルトの一端側が前記ドラムを巻き締める方向に移動する際に、前記ベルトの他端側に取り付けられた前記当接部材の動きを規制する規制部とを備えていることを特徴とする。
本発明の請求項2に係るチェーンソーのブレーキ装置は、請求項1に記載のチェーンソーのブレーキ装置において、一端が前記当接部材に連結され、スロットルレバーの押し操作により、前記ベルトの他端側を前記当接部材を介して前記ドラムの巻き締めを解除する方向に移動させるワイヤを備え、前記当接部材は、前記規制部に係止されるブロック部材と、前記ワイヤの一端が連結されるとともに前記ブロック部材に螺合し、前記ブロック部材に対して進退可能に設けられた雄ねじ部材とを備えていることを特徴とする。
本発明の請求項3に係るチェーンソーのブレーキ装置は、請求項2に記載のチェーンソーのブレーキ装置において、前記キックバックブレーキ機構は、ケースに覆われており、前記ケースの一面が前記規制部となっていることを特徴とする。
本発明の請求項4に係るチェーンソーのブレーキ装置は、請求項1から請求項3のいずれかに記載のチェーンソーのブレーキ装置において、前記付勢手段は、ねじりコイルバネであることを特徴とすることを特徴とする。
本発明の請求項5に係るチェーンソーは、請求項1から請求項4のいずれかに記載のチェーンソーのブレーキ装置を備えていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、チェーンソーに何らかの衝撃が加わったりハンドガードが倒されたりしてキックバックブレーキ機構が作動すると、ベルトの一端側はドラムを巻き締める方向に移動する。この際、ベルトの他端側は、当該一端側の動きに追従して同じ方向、すなわちドラムの巻き締めを緩める方向に移動しようとするが、当接部材が規制部に当接するので、それ以上当該方向に移動することができない。従って、ベルトでドラムを強力に巻き締めることができ、ドラムおよびスプロケットの回転停止に伴って、ソーチェーンを確実に停止させることができる。
このように、本発明では、ベルトの他端側の移動の規制を、当該ベルトの他端側に取り付けられた当接部材を規制部に当接させることで行うので、ベルトの他端側には、当接部材を当該ベルトの他端側に例えばねじ止めするための小孔を形成するだけでよい。従って、ベルトの他端側に従来のような長孔を形成することを不要にできるので、その分ベルトの強度を向上させることができる。
このように、本発明では、ベルトの他端側の移動の規制を、当該ベルトの他端側に取り付けられた当接部材を規制部に当接させることで行うので、ベルトの他端側には、当接部材を当該ベルトの他端側に例えばねじ止めするための小孔を形成するだけでよい。従って、ベルトの他端側に従来のような長孔を形成することを不要にできるので、その分ベルトの強度を向上させることができる。
請求項2の発明によれば、雄ねじ部材を回転させてブロック部材に対して進退させることで、ワイヤのテンションを容易に調整することができる。また、このようなワイヤのテンションを調整することのできる機構を従来デッドスペースであったベルトの他端側上に配置したので、省スペース化を促進できる。
請求項3の発明によれば、安全性の確保のためにキックバック機構を覆うケースの一面を規制部として利用したので、規制部としての専用の部品を不要にできる。従って、部品数を低減できる。
請求項4の発明によれば、付勢手段がねじりコイルバネとされているので、ねじりコイルばねの取付角度を変えことで、ねじりコイルばねのワイヤの後端側への付勢力を容易に調整することができる。また、ねじりコイルばねの一端をベルトの他端側に直接連結し、当該ねじりコイルばねを従来デッドスペースであったベルトの他端側の法線方向上(ベルトの他端側の表面側または裏面側)に配置することで、省スペース化をより促進できる。
請求項5の発明によれば、前述と同様のブレーキ装置を備えているので、前述と同様の作用効果を奏することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るチェーンソー1の概略図である。
チェーンソー1は、チェーン部2と、チェーン部2を駆動するチェーンソー本体3と、チェーンソー本体3に取り付けられたハンドル4とを備えている。なお、以降、チェーン部2の突出方向の先端側を前方側(図1中右側)とし、前方側とは反対側を後方側(図1中左側)とする。
チェーン部2は、図示しない平板状のガイドバーの周囲に巻き回されたソーチェーン21を備えている。ソーチェーン21には鋸歯が形成されている。
図1は、本実施形態に係るチェーンソー1の概略図である。
チェーンソー1は、チェーン部2と、チェーン部2を駆動するチェーンソー本体3と、チェーンソー本体3に取り付けられたハンドル4とを備えている。なお、以降、チェーン部2の突出方向の先端側を前方側(図1中右側)とし、前方側とは反対側を後方側(図1中左側)とする。
チェーン部2は、図示しない平板状のガイドバーの周囲に巻き回されたソーチェーン21を備えている。ソーチェーン21には鋸歯が形成されている。
チェーンソー本体3は、エンジン等の駆動手段により回転駆動される図示しない駆動軸と、前記駆動軸の一端側に設けられドラム32を有する遠心クラッチ31と、前記ドラム32と一体に設けられたスプロケット33とを備えている。スプロケット33にはソーチェーン21が掛け回されている。スプロケット33は、遠心クラッチ31を介して駆動軸と接続しており、駆動軸から動力が伝達されると、ドラム32と共に回転しながらソーチェーン21を回転駆動する。なお、チェーンソー本体3の前方側には、回転するソーチェーン21から作業者の手を保護するための図示しないハンドガードが設けられている。
ハンドル4は、キャブレタ41と、スロットルレバー42と、押し操作(ON操作)した際にスロットルレバー42を元の位置に復元させる方向に付勢する図示しないばねと、スロットルレバー42とキャブレタ41とを接続するワイヤ43と、スロットルレバー42と後述する当接部材7とを接続するワイヤ44とを備えている。スロットルレバー42を押し操作することで、キャブレタ41内に設けられたスロットルバルブを開け、エンジンへ送る混合気量を増加させることができる。
このようなチェーンソー1には、ハンドガードが倒されることで作動してソーチェーン21の回転を短時間で停止させるキックバックブレーキ機構6と、スロットルレバー42が戻される(OFF操作される)ことで作動してソーチェーン21の回転を短時間で停止させるスロットルブレーキ機構8とを備えたブレーキ装置5が設けられている。以下、本実施形態のブレーキ装置5について詳述する。
図2は、ブレーキ装置5の斜視図である。
ブレーキ装置5は、前述したドラム32と、ドラム32の外周部311に巻き回されて両端部512,513が反対方向に引き出された金属製のベルト51と、ベルト51の前端部512に固定された係止部材61と、圧縮した状態で配置され係止部材61を前方側に付勢する強力な圧縮コイルばね62と、ベルト51の後端部513に直接接続されてベルト51の後端部513を後方(ドラム32を巻き締める方向)に付勢する付勢手段としてのねじりコイルばね52と、前述したワイヤ44と、ベルト51の後端部513に固定されているとともにワイヤ44の端部が接続された当接部材7とを備えている。
ブレーキ装置5は、前述したドラム32と、ドラム32の外周部311に巻き回されて両端部512,513が反対方向に引き出された金属製のベルト51と、ベルト51の前端部512に固定された係止部材61と、圧縮した状態で配置され係止部材61を前方側に付勢する強力な圧縮コイルばね62と、ベルト51の後端部513に直接接続されてベルト51の後端部513を後方(ドラム32を巻き締める方向)に付勢する付勢手段としてのねじりコイルばね52と、前述したワイヤ44と、ベルト51の後端部513に固定されているとともにワイヤ44の端部が接続された当接部材7とを備えている。
ベルト51は、ドラム32の外周部311よりも狭い幅に形成されて当該外周部311上で交差する交差部511と、交差部511よりも拡幅した前端部512および後端部513とを備えている。前端部512には、係止部材61を取り付けるための孔514が形成されている。
本実施形態のキックバックブレーキ機構6は、この前端部512と、係止部材61と、圧縮コイルばね62とを含んで構成されている。また、キックバックブレーキ機構6は、安全性の確保のため、ブレーキケース63に覆われている。
本実施形態のキックバックブレーキ機構6は、この前端部512と、係止部材61と、圧縮コイルばね62とを含んで構成されている。また、キックバックブレーキ機構6は、安全性の確保のため、ブレーキケース63に覆われている。
係止部材61は、ベルト51の前端部512に固定された第1部材64と、第1部材64の前方に配置され前端部がチェーンソー本体3に回動自在に取り付けられた第2部材65と、両端部に回動軸661を備え第1部材64と第2部材65とを回動自在に接続するリンク66とを備えている。第1部材64は、下方に突出し孔514に挿入されたピン部641と、前方に突出した第1部材突起部642と、後方に突出し圧縮コイルばね62が嵌め込まれた棒状部643とを備えている。第2部材65は、上方に向かうに従って後方に突出する第2部材突起部651を備えている。リンク66は、回動軸661が共に圧縮コイルばね62の付勢方向上に並んだ状態とされており、第1部材64と第2部材65との間で突っ張って第1部材64と第2部材65とを離間させている。
ブレーキケース63の上面631には、キックバックブレーキ機構6が作動した際に、第2部材突起部651が時計方向に回動することを可能にするための開口632が形成されている。ブレーキケース63の後面633には圧縮コイルばね62が固定されている。また、ブレーキケース63の後面633には、ワイヤ44を通すための小孔634が形成されている。本実施形態では、この後面633が本発明の規制部となっており、スロットルブレーキ機構8が作動した際には、当接部材7を当該後面633に当接させることにより、ベルト51の後端部513の前方への移動を規制する。本実施形態では、このように、キックバックブレーキ機構6を安全性の確保のために覆うブレーキケース63の後面633を、当接部材7が当接する規制部として用いたので、規制部としての専用の部品を不要にでき、部品数を低減できる。
図3は、スロットルブレーキ機構8の構成を拡大して示す斜視図である。
一方、ベルト51の後端部513には、ねじりコイルバネ52を取り付けるための小孔515と、当接部材7を取り付けるための小孔516とが形成されている。本実施形態のスロットルブレーキ機構8は、この後端部513と、ねじりコイルばね52と、当接部材7と、前述したブレーキケース63(後面633)とを含んで構成されている。
一方、ベルト51の後端部513には、ねじりコイルバネ52を取り付けるための小孔515と、当接部材7を取り付けるための小孔516とが形成されている。本実施形態のスロットルブレーキ機構8は、この後端部513と、ねじりコイルばね52と、当接部材7と、前述したブレーキケース63(後面633)とを含んで構成されている。
ねじりコイルばね52は、一端側521がねじ53によってチェーンソー本体3に固定されているとともに、他端側522が小孔515に挿入されてベルト51の後端部513に連結され、ベルト51の後端部513を後方に付勢している。また、ねじりコイルばね52は、ベルト51の下方に配置されている。本実施形態では、このように、ねじりコイルばね52が直接ベルト51の後端部513に連結され、かつ従来デッドスペースであったベルト51の下方に配置されているので、省スペース化を促進することができる。
なお、ねじりコイルばね52の一端側521には直線部523が形成されており、チェーンソー本体3には、この直線部523が嵌め込まれる嵌込溝34(図1参照)が複数形成されている。すなわち、本実施形態では、直線部523を嵌め込む嵌込溝34を変えることで、ねじりコイルばね52の取付角度を変えることができるようになっており、これにより、ねじりコイルばね52のワイヤ44の後端部513への付勢力を調整することができるようになっている。
ワイヤ44の先端には抜止部441が形成されている。
ワイヤ44の先端には抜止部441が形成されている。
図4は、当接部材7を拡大して示す断面図である。
図3および図4に示すように、当接部材7は、後面714にねじ穴712が形成されたブロック部材71と、ブロック部材71(ねじ穴712)に螺合する雄ねじ部材72とを備えている。なお、雄ねじ部材72は、ロックナット73によってブロック部材71に締め付けられており、振動によって緩まないようにされている。
図3および図4に示すように、当接部材7は、後面714にねじ穴712が形成されたブロック部材71と、ブロック部材71(ねじ穴712)に螺合する雄ねじ部材72とを備えている。なお、雄ねじ部材72は、ロックナット73によってブロック部材71に締め付けられており、振動によって緩まないようにされている。
ブロック部材71の底面713には、ねじ穴711が形成されている。ブロック部材71は、当該ねじ穴711にベルト51の小孔516を挿通するねじ54が螺合することにより、ベルト51の後端部513に取り付けられている。本実施形態では、このように、後端部513には、当接部材7(ブロック部材71)およびねじりコイルばね52を当該後端部513に取り付けるための小孔515,516しか形成されていないので、長孔等が形成されていた従来に比べ、ベルト51の強度を向上させることができる。
雄ねじ部材72は、頭部721と雄ねじ部722とを備えている。頭部721には係止穴723が形成されている。
雄ねじ部材72は、頭部721と雄ねじ部722とを備えている。頭部721には係止穴723が形成されている。
ブロック部材71および雄ねじ部材72内には、それぞれワイヤ挿通孔715,724が形成されている。ワイヤ44は、これらワイヤ挿通孔715,724に挿通され、抜止部441が係止穴723に嵌入されることで当接部材7に連結されている。
ここで、本実施形態では、雄ねじ部材72を回転させることで、当該雄ねじ部材72をブロック部材71に対して進退させることができるので、ワイヤ44が劣化して伸びてしまっても、当該ワイヤ44のテンションを容易に調整することができる。また、このようなワイヤ44のテンションを調整することのできる機構を、従来デッドスペースであったベルト51上に配置したので、省スペース化をより促進することができる。
ここで、本実施形態では、雄ねじ部材72を回転させることで、当該雄ねじ部材72をブロック部材71に対して進退させることができるので、ワイヤ44が劣化して伸びてしまっても、当該ワイヤ44のテンションを容易に調整することができる。また、このようなワイヤ44のテンションを調整することのできる機構を、従来デッドスペースであったベルト51上に配置したので、省スペース化をより促進することができる。
以下に、ブレーキ装置5の動作について詳述する。
図5は、スロットルブレーキ機構8が作動しチェーンソー1の駆動が停止した状態を示す図、図6は、チェーンソー1の駆動状態を示す図、図7は、チェーンソー1の駆動状態においてキックバックブレーキ機構6が作動した状態を示す図である。
図5は、スロットルブレーキ機構8が作動しチェーンソー1の駆動が停止した状態を示す図、図6は、チェーンソー1の駆動状態を示す図、図7は、チェーンソー1の駆動状態においてキックバックブレーキ機構6が作動した状態を示す図である。
スロットルレバー42が戻されてスロットルブレーキ機構8が作動した状態では、図5に示すように、ベルト51が後端部513をねじりコイルばね52により後方に付勢されてドラム32を巻き締め、ドラム32の回転を止めているので、ソーチェーン21の回転も停止している。この際、ベルト51の後端部513に設けられた当接部材7は、ブレーキケース63の後面633から所定の距離S離れた位置にある。
この状態から、図6に示すように、作業者によりスロットルレバー42が押し操作されると、エンジンの回転数の増加に伴って遠心クラッチ31が繋がり、ドラム32にエンジンからの駆動力が伝達される。同時に、ベルト51の後端部513がワイヤ44によって引っ張られて前方に移動し、ベルト51によるドラム32の巻き締めが解除されるので、ドラム32が回転し始めソーチェーン21を回転駆動させる。この際、本実施形態では、ワイヤ44のテンションを調整することができるので、例えばベルト51によるドラム32の巻き締めが解除されるタイミングを、キャブレタ41のスロットルバルブが開き始めるタイミングの直前となるようにワイヤ44のテンションを調整することで、ベルト51がドラム32から受ける摩擦を低減することができ、ベルト51の寿命を延ばすことができる。
この状態からハンドガードが倒されたり、チェーンソー1に何らかの衝撃が加わると、キックバックブレーキ機構6が作動する。すなわち、図7に示すように、第2部材65が時計回りに回動してリンク66を斜け、圧縮コイルばね62により付勢されている第1部材64をその分だけ前方に移動させることにより、ベルト51の前端部512を前方に移動させる。この際、ベルト51の後端部513が前端部512の動きに追従して前方、すなわち、ドラム32の巻きしめを緩める方向に移動しようとするが、当接部材7がブレーキケース63の後面633に当接するので、それ以上前方へ移動することが防止される。従って、ベルト51によってドラム32をしっかりと巻き締めることができ、ソーチェーン21の回転を迅速に止めることができる。
なお、図6に示すチェーンソー1の駆動状態からスロットルレバー42が戻された際には、図5での説明で既に説明したように、ベルト51の後端部513がねじりコイルばね52によって後方へ付勢されるので、ドラム32がベルト51によって巻き締められることとなり、ソーチェーン21の回転は迅速に止められる。
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、駆動手段は、エンジンから構成されていたが、電動モータから構成されていてもよい。
前記実施形態では、付勢手段は、ねじりコイルばね52から構成されていたが、引張コイルばねから構成されていてもよい。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、駆動手段は、エンジンから構成されていたが、電動モータから構成されていてもよい。
前記実施形態では、付勢手段は、ねじりコイルばね52から構成されていたが、引張コイルばねから構成されていてもよい。
本発明は、チェーンソーに利用できる。
1…チェーンソー、5…ブレーキ装置、6…キックバックブレーキ機構、7…当接部材、21…ソーチェーン、32…ドラム、33…スプロケット、42…スロットルレバー、44…ワイヤ、51…ベルト、52…ねじりコイルばね、63…ブレーキケース(ケース)、71…ブロック部材、72…雄ねじ部材、512…前端部(一端側)、513…後端部(他端側)、633…後面(規制部)。
Claims (5)
- 駆動手段により回転駆動されるスプロケットと、前記スプロケットにより回転駆動される鋸刃付きのソーチェーンとを備えたチェーンソーのブレーキ装置であって、
前記スプロケットに固定され、前記スプロケットと共に回転するドラムと、
前記ドラムに巻き回されて両端側が反対方向に引き出されたベルトと、
前記ベルトの一端側を前記ドラムを巻き締める方向に移動させるキックバックブレーキ機構と、
前記ベルトの他端側に連結されて前記ドラムを巻き締める方向に前記ベルトの他端側を付勢する付勢手段と、
前記ベルトの他端側に取り付けられた当接部材と、
前記キックバックブレーキ機構によって前記ベルトの一端側が前記ドラムを巻き締める方向に移動する際に、前記ベルトの他端側に取り付けられた前記当接部材の動きを規制する規制部とを備えている
ことを特徴とするチェーンソーのブレーキ装置。 - 請求項1に記載のチェーンソーのブレーキ装置において、
一端が前記当接部材に連結され、スロットルレバーの押し操作により、前記ベルトの他端側を前記当接部材を介して前記ドラムの巻き締めを解除する方向に移動させるワイヤを備え、
前記当接部材は、前記規制部に係止されるブロック部材と、前記ワイヤの一端が連結されるとともに前記ブロック部材に螺合し、前記ブロック部材に対して進退可能に設けられた雄ねじ部材とを備えている
ことを特徴とするチェーンソーのブレーキ装置。 - 請求項2に記載のチェーンソーのブレーキ装置において、
前記キックバックブレーキ機構は、ケースに覆われており、
前記ケースの一面が前記規制部となっている
ことを特徴とするチェーンソーのブレーキ装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のチェーンソーのブレーキ装置において、
前記付勢手段は、ねじりコイルバネである
ことを特徴とするチェーンソーのブレーキ装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載のチェーンソーのブレーキ装置を備えている
ことを特徴とするチェーンソー。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2008-12-08 JP JP2008311933A patent/JP2010133532A/ja active Pending
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