JP4452114B2 - ジャガード編地及び衣類 - Google Patents

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Description

本発明は、異なる繊度や種類の糸を組み合わせることで、生地表面にメッシュ調の穴や隙間を開けることなく、任意の意匠形状かつ任意の通気度を実現したジャガード編地に関するものである。
従来より、ジャガード編み組織は任意の場所に任意の形で意匠柄模様を配置できるため、デザイン性の高い衣服を作製する際に用いられてきた。またジャガード編機を用いて通気度の異なる2つ以上の組織を有する生地を作成する際は、生地表面にメッシュ調の穴や隙間を設け、それらの大きさや密度を変えることで通気度を調節してきた。
特許文献1には、前後基布と該基布間に空隙を設けるための連結糸よりなるダブルニードル列経編機により編成された二面式経編地において、少なくとも一方側の基布を構成する各ウエールが、ジャカード制御により個別に制御された変化組織として構成され、変化組織が装飾性を有し、又基布の一方側が独立したウエールによりなり、このウエールが他方側の基布の変化組織の影響をうけフリル形態となった三層構造経編地が開示されている。
実開平5−77286号公報
従来のメッシュ調の穴や隙間を設ける方法では、衣服内の通気性を向上させるために穴や隙間を大きくしたり数を増やした場合に、穴や隙間から肌面やインナーが透けるため、このような組織を用いることは敬遠されてきた。また肌やインナーの色が表面に出てくるため、衣服の色彩の面でも問題があった。ダブルニットで表面にフィラメント糸、裏面にスパン糸を用いた場合には、メッシュ調の穴や隙間からスパン糸が出てくるため、物性や見た目の品位の低下を引き起こす問題があった。さらに生地表面にメッシュ調の穴や隙間を設けるとデザインに制限が出てくるといった問題も生じる。
前記課題を解決するために、本発明に係るジャガード編地は、表面と裏面とで形成されるジャガード編地であって、表面及び裏面は少なくともA糸とB糸との2種類の糸によって構成され、前記A糸とB糸とは繊度が異なる(A糸の繊度>B糸の繊度とする)と共に、表面においては前記A糸、B糸のうちどちらか一方の糸をニットした度目では、もう一方の糸はミス又はタックしたことを特徴とするジャガード編地である。
本発明の衣類は、前記のジャガード編地によって形成された衣類であって、衣類の部位に応じて編地の組織を変化させ、通気度を調節したことを特徴とする衣類である。
本発明のジャガード編地によれば、繊度の大きいA糸をニットし繊度の小さいB糸をミス又はタックした領域では、度目あたりの空間に占める糸の量が多くなるので生地にした場合の通気度を低くすることができる。逆に繊度の小さいB糸をニットし繊度の大きいA糸をミス又はタックした領域では、度目あたりの空間に占める糸の量が少なくなるので生地にした場合の通気度を高くすることができる。
本発明のジャガード編地では、通気度を高くした場合でも生地表面にはメッシュ調の穴や隙間が現れることがないので、透け感を抑えることができる。またA糸あるいはB糸が表面に現れる箇所を制御すれば、生地表面に任意の意匠柄模様を配置することも可能である。
また、組織の密度を変化させることで通気度を調節することができ、領域NAのみで構成される編地の通気度から、領域NBのみで構成される編地の通気度までの範囲内の通気度の組織を設けることが可能となる。
本発明のジャガード編地で編成された生地で衣類を構成する場合は、通気度が異なる組織を無段階に任意の形で衣服に配置することができるので、生地を縫い合わせる必要が無く、縫製部位が体に擦れることによる不快感の軽減、縫製が少なくなることによる生産性の向上、最適な通気度の組織を最適な形で配置できるといったことが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について以下に示す。
本発明のジャガード編地では、編み組織による通気度を調節するために、ダブルコンピュータージャガード編機(丸編機、経編機)を使用する。
ダブルコンピュータージャガード編機の場合、2本以上の糸を使用することになるが、ジャガード編地をA糸とB糸の2種類の糸のみで編成することも可能である。本発明のジャガード編地では表面及び裏面は少なくともA糸とB糸との2種類の糸によって編成されるが、A糸とB糸との繊度の差は10d以上200d以下であることが好ましい(A糸の繊度>B糸の繊度とする)。A糸、B糸がスパン糸の場合は、以下の式1を用いてデニールに換算する。
(式1)D=5315/N (綿番手をN、デニール数をDとする。)
前記A糸はかさ高加工糸であることが好ましい。ここでいうかさ高加工糸とはフィラメント糸及びスパン糸に平面的あるいは立体的にこまかいひずみを付与させた糸で、かさ高性と伸縮性を兼ね備えた糸のことである。糸の詳細については後述する。
図1〜図4の部分拡大図は本発明のジャガード編地の実施の形態を示す図であり、図1はA糸をニットしB糸をタックした組織、図2はA糸をニットしB糸をミスした組織、図3はB糸をニットしA糸をタックした組織、図4はB糸をニットしA糸をミスした組織をそれぞれ示している。
図1ではA糸はニットしB糸はタックすることにより、A糸のみを表面に現出させB糸は表面に現れないようにしている。また図2ではA糸はニットしB糸はミスすることにより、A糸のみを表面に現出させB糸は表面に現れないようにしている。本発明では図1、図2のように編成した度目の領域を領域NAとする。
反対に図3ではB糸はニットしA糸はタックすることにより、B糸のみを表面に現出させA糸は表面に現れないようにしている。また図4ではB糸はニットしA糸はミスすることにより、B糸のみを表面に現出させA糸は表面に現れないようにしている。本発明では図3、図4のように編成した度目の領域を領域NBとする。
図1、2に示したような領域NAでは、繊度の大きいA糸をニットし繊度の小さいB糸をタック又はミスすることによって、度目あたりの空間に占める糸の量が多くなり、生地にした場合の通気度を低くすることができる。逆に図3、4に示したような領域NBでは、繊度の小さいB糸をニットし繊度の大きいA糸をタック又はミスすることによって、度目あたりの空間に占める糸の量が少なくなり、生地にした場合の通気度を高くすることができる。
A糸とB糸との2種類の糸で編成される一つの編地において、領域NA、NBのように組織を変化させることで異なる通気度の組織を形成することができる。
また表面に現れる糸はニットされているため、生地表面にメッシュ調の穴や隙間が現れることがないので、透け感を抑えると共に、A糸またはB糸がニットによって表面に現れる箇所を制御すれば、A糸とB糸の繊度の差によって生地表面に任意の意匠柄模様を配置する事も可能である。
領域NAと領域NBとを生地にした場合の通気度の差は30cm/cm/sec以上であることが好ましい。ジャガード編地を用いて衣類にした場合に充分な通気度差を得るためである。本発明での通気度の測定方法は、JIS L 1096Aに従い、38cmの試験生地に125Paの強さで空気をあてた時の空気の通気量(cm/cm/sec)を計測する方法を使用した。本発明の説明に用いる通気度の値は、この測定方法による測定結果の値である。
A糸のデニール数の値をa、B糸のデニール数の値をbとし(a>bとする)、10≦a−b≦200である時、領域NAと領域NBとの通気度差が30cm/cm/sec以上になる組織を得ることができる。a−b<10の場合は、a糸またはb糸のどちらが表面に現れても度目あたりの空間に占める糸の割合が変わらないため、30cm/cm/sec以上の通気度差を得ることができない。また、a−b>200の場合はA糸があまりにも太いため、A糸をタック又はミスしている組織(領域NB)であっても空間に占める糸の割合が高くなり、空気の通過する隙間が小さくなるため、30cm/cm/sec以上の通気度の差を得ることができない。
本発明のジャガード編地では、少なくともA糸とB糸との2種類の糸を含んでいればよく、A糸とB糸以外の糸を含む3種類以上の糸で編成することも可能である。例えば3種類の糸で編地を編成した場合には、裏面及び表面に3種類の糸全てが現れる構成と、表面にはA糸とB糸の2種類の糸のみが現れ、裏面には3種類の糸全てが現れる構成が可能である。
編成に用いるA糸、B糸及びその他の糸は、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、動物系天然繊維、植物系天然繊維のいずれか一種または複数からなる糸を使用する。デニール数の高いA糸にはかさ高加工糸が好ましく、A糸以外の糸の太さと比べて10d以上200d以下の太さでなければならない。生地にした場合に充分な通気度差を得るためである。本発明でいうかさ高加工糸とは、フィラメント糸及びスパン糸に平面的あるいは立体的にこまかいひずみを付与させた糸で、かさ高性と伸縮性を兼ね備えた糸のことである。未加工糸と比較して、繊度が同じでもそのかさ高性のために、編物の生地表面の多くの領域を占めることが可能である。かさ高加工糸を製造する方法として、加撚−熱固定−解撚を連続して行う仮撚法、糸自体を傷つけてかさ高感を得る擦過法、ジェット流によってフィラメントを乱しループクリンプをつける高圧エアジェット法、熱収縮の異なる短繊維を混合紡績し、加熱して繊維の熱収縮差によってかさ高性を付与するバルキ紡績法等がある。以上の方法で、フィラメント糸、スパン糸ともにかさ高性を得ることが可能である。
B糸及びその他の糸は未加工糸(生糸)であることが好ましい。かさ高加工糸とのみかけの太さの差を大きくできるからである。
次に、通気度差が30cm/cm/sec以上になるように編成した2種類の生地を用いて実験を行った。ダブルコンピュータージャガー丸編機(機種名:LEC ゲージ:28、インチ:30、針本数:2646、口数:48)からなるクロスミスインターロック組織において、ポリエステル生糸(30d/12f)のみを用いて生地Eを、ポリエステル加工糸(50d/12f)のみをを用いて生地Fを編成した。生地Eは前記領域NBの方法で編成され、通気度は200cm/cm/secである。生地Fは前記領域NAの方法で編成され、通気度は170cm/cm/secである。
この2種類の生地を使って衣服内シミュレーションを行った。衣服内シミュレーションを行う際に用いる衣服内シミュレーターは衣服を着用した人の衣服内の環境を人工的に作りだし、衣服に用いられる生地の挙動等を測定することができる。該装置では、台の上面に温湿度センサーと調温調湿空気を送り込むホースと排気するホースを備えた枠体を固定し、該枠体の上部開口部に試料生地を張着する。
なお、本実験においては試料生地の裏面における温度湿度変化を測定するために、前記試料生地の裏面に温度センサーが貼着されている。試験方法は20℃、50%RH環境下で、試料を装着後、27℃、35%RHの空気を10リットル/分の流量で衣服内温度、湿度が安定するまで流す。0〜1分間は衣服内温度、湿度が安定した状態で、1〜21分間は27℃、75%RHの空気を同様の流量で流し、21〜31分間は空気の流量を0リットル/分にした状態である。衣服内シミュレーションの温湿度の結果を表1、表2に示す。
Figure 0004452114
Figure 0004452114
表1、表2の結果から、生地Eは生地Fより温度が約1〜2℃、湿度は約10〜20%低くなり、衣服内気候に影響を与えることが分かった。通気度差が30cm/cm/sec以下である生地の場合は、空気の透過が十分にされないため、温度、湿度ともに衣服内気候に影響を与えられるほどの結果を得ることができない。
本発明のジャガード編地では、前記領域NAと領域NBとを組み合わせることにより、領域NAのみで構成される編地の通気度から、領域NBのみで構成される編地の通気度までの範囲内の通気度の領域(組織)を設けることが可能となる。単位面積あたりの領域NAの編みが増えると、生地全体の通気度は比較的低く、単位面積あたりの領域NBの編みが増えると、生地全体の通気度は比較的高くなる。このように組織の密度を変化させることで通気度を調節することができる。
通気度が150〜300cm/cm/secの組織は、衣類にした際に脇部、背部、胸部などの発汗が多い部位や蒸れ感を感じる部位に配置することで衣服内温度、湿度を軽減し、クーリング性を高めることができる。同じく通気度が50〜250cm/cm/secの組織は、腹部、肩部などの冷えを避けたい部位に配置することで冷えによる腹痛や肩の痛み軽減することが可能となる。このように構成した衣類は涼感性の高い衣類とすることができる。
通気度が100〜200cm/cm/secの組織は、衣類にした際に脇部、背部、胸部などの発汗が多い部位や蒸れ感を感じる部位に配置することで衣服内温度、湿度を軽減し、蒸れによる不快感を軽減することができる。同じく通気度が30〜150cm/cm/secの組織を腹部、肩部、背部などの冷点が密集している部位に配置することで保温効果を高めることが可能となる。このように構成した衣類は寒冷環境に適した衣類とすることができる。
本発明の生地で衣類を構成する場合は、通気度が異なる組織を無段階に任意の形で衣服に配置することができ、生地を縫い合わせる必要が無いので、縫製部位が体に擦れることによる不快感の軽減、縫製が少なくなることによる生産性の向上、最適な通気度の組織を最適な形で配置できるといったことが可能となる。
また、本発明のジャガード編地では、領域NAと領域NBとの編み方を組み合わせる際に、表面に現れるA糸とB2糸との繊度の違いによって、編地に意匠柄模様を配置する事ができる。意匠柄模様部はドット柄、ライン柄、格子柄、千鳥柄、ストライプ柄、幾何学柄のうちいずれか一つ或いは複数の組み合わせから構成される。
また、染色性の異なる糸や先染め糸を使用すれば、組織ごとの色を異なるものにすることができる。染色性の異なる糸を使用する方法では、糸としてポリエステル糸とカチオン可染ポリエステル糸、ナイロン6糸とナイロン66糸の組み合わせなどがある。ポリエステル糸とカチオン可染ポリエステル糸の組み合わせの場合、生機を分散染料で染色するとポリエステル糸よりもカチオン可染ポリエステル糸の方が染料を多く吸い込むため、カチオン可染ポリエステル糸はポリエステル糸よりも濃色に染まる。さらに色の差を出したい場合は分散染料で染めた後、カチオン染料で染める方法もある。カチオン染料ではカチオン可染ポリエステル糸しか染まらないため、分散染料で染めた時と比べて色の差は大きくなる。ナイロン6糸とナイロン66糸の組み合わせの場合、生機を酸性染料で染色するとナイロン66糸よりもナイロン6糸の方が染料を多く吸い込むため、ナイロン6糸はナイロン66糸よりも濃色に染まる。
また、先染め糸を使用することにより意匠柄模様部と意匠柄模様部以外との組織の色が異なるようにもできる。生機生産の段階で数種類の先染め糸を使用してニッティングすることで組織間の色を変化させることができる。
意匠柄模様部にカチオン可染ポリエステル糸、意匠柄模様部以外にはポリエステル糸を使用した生機を分散染料で染色した場合、意匠柄模様部は意匠柄模様部以外よりも濃色となり、組織の違いを視覚的に訴えることができる。
(実施例1)
ダブルコンピュータージャガー丸編機(機種名:LEC ゲージ:28、インチ:30、針本数:2646、口数:48)からなるクロスミスインターロック組織において、カチオン可染ポリエステル生糸(50d/12f)とポリエステル加工糸(75d/36f)とを用いて、格子柄模様が表面に現れるようにジャガード編地を編成した。表面の格子柄模様部組織はカチオン可染ポリエステル生糸をニットすると共にポリエステル加工糸をタックし(領域NB)、また、格子柄模様部以外の組織はポリエステル加工糸をニットすると共にカチオン可染ポリエステル生糸をタックした(領域NA)。裏面はポリエステル加工糸、カチオン可染ポリエステル生糸がともに規則正しく現れる組織とした。
格子柄模様部組織の密度を100%、格子柄模様部以外の組織の密度を0%にした組織(通気度:250cm/cm/sec)を脇部と背部の一部に、
格子柄模様部組織の密度を50%、格子柄模様部以外の組織の密度を50%にした組織(通気度:200cm/cm/sec)を脇部周辺と背部の一部に、
格子柄模様部組織の密度を0%、格子柄模様部以外の組織の密度を100%にした組織(通気度:150cm/cm/sec)を腹部、胸部、肩部、背部の一部に配置し、分散染料で染色されたTシャツを作製した。
(実施例2)
カチオン可染ポリエステル生糸(50d/12f)とポリエステル加工糸(75d/36f引き揃え)とを用いて、実施例1と同様の方法でジャガード編地を編成した。実施例1と同様に、格子柄模様部組織はカチオン可染ポリエステル生糸をニットすると共にポリエステル加工糸をタックし(領域NB)、また、格子柄模様部以外の組織はポリエステル加工糸をニットすると共にカチオン可染ポリエステル生糸をタックした(領域NA)。
格子柄模様部組織の密度を100%、格子柄模様部以外の組織の密度を0%にした組織(通気度:160cm/cm/sec)を脇部に、
格子柄模様組織の密度を50%、格子柄模様部以外の組織の密度を50%にした組織(通気度:120cm/cm/sec)を脇部周辺と背部の一部に、
格子柄模様部組織の密度を0%、格子柄模様部以外の組織の密度を100%にした組織(通気度:70cm/cm/sec)を腹部、胸部、肩部、背部の一部に配置し、分散染料で染色されたTシャツを作製した。
(比較例1)
ダブルコンピュータージャガー丸編機(機種名:LEC ゲージ:28、インチ:30、針本数:2646、口数:48)からなるクロスミスインターロック組織において、カチオン可染ポリエステル生糸(50d/12f)からなる通気度が250cm/cm/secの分散染料で染色されたTシャツを作製した。
(比較例2)
比較例1と同様の方法で、ポリエステル加工糸(75d/36f)からなる通気度が150cm/cm/secの分散染料で染色されたTシャツを作製した。
(比較例3)
比較例1と同様の方法で、ポリエステル加工糸(75d/36f引き揃え)からなる通気度が70cm/cm/secの分散染料で染色されたTシャツを作製した。
実施例1、比較例1、比較例2について、温暖な気候を想定した実着試験を行い比較した。熱伝対型温度センサーを試験品内側の腹部、脇部に取り付け、健康な成人男性の被験者に試験品を着用させて実着試験を行った。温暖な気候を想定した25℃40%RH環境下で安静5分、トレッドミルによる軽いランニング20分、安静10分の衣服内温度の変化を計測した。トレッドミルによる軽いランニング中には屋外とでランニングする場合と同じ条件にするため、風速2mの風を被験者の正面から当てた。
表3は脇部、表4は腹部における時間経過による衣服内温度の変化をグラフにしたものである。0〜5分までは着用前の衣服内温度、5〜10分は安静時の衣服内温度、10〜30分はランニング中の衣服内温度、30〜40分はランニング後の衣服内温度を示している。ランニングが始まるまで試験品に差はないが、ランニング開始以降においては実施例1、比較例1の脇部における衣服内温度が比較例2と比べ低くなっている。実施例1、比較例1の脇部は比較例2の脇部より通気度が高いことによるクーリング機能の効果が伺える。腹部において比較例1は実施例1、比較例2と比較して衣服内温度が低くなっている。これは比較例1の腹部の通気性が他のものと比べて高いことが原因である。このような温度低下が起こると腹痛等の体調不良を引き起こしやすくなり、衣服としては好ましくない。このことから、実施例1がクーリング性能に優れ、体調不良を起こしにくい衣服であることがわかる。
Figure 0004452114
Figure 0004452114
実施例2、比較例1、比較例3について、寒冷な気候を想定した実着試験を行い比較した。熱伝対型温度センサーを試験品内側の腹部、脇部に取り付け、健康な成人男性の被験者に試験品を着用させて実着試験を行った。寒冷な気候を想定した15℃40%RH環境下で安静5分、トレッドミルによる軽いランニング20分、安静10分の衣服内温度の変化を計測した。トレッドミルによる軽いランニング中には屋外とでランニングする場合と同じ条件にするため、風速2mの風を被験者の正面から当てた。
図5は脇部、図6は腹部における時間経過による衣服内温度の変化をグラフにしたものである。0〜5分までは着用前の衣服内温度、5〜10分は安静時の衣服内温度、10〜30分はランニング中の衣服内温度、30〜40分はランニング後の衣服内温度を示している。ランニングが始まるまで試験品に差はないが、ランニング開始以降においては比較例3の脇部における衣服内温度は実施例2、比較例1と比較して高くなっている。比較例3の脇部は通気度が非常に低いため、クーリングが行われず、蒸れ感が非常に大きい不快な衣服であることが分かる。腹部において比較例1は実施例2、比較例3と比較して衣服内温度が低くなっている。これは比較例1の腹部の通気性が他のものと比べて高いことが原因であり、腹痛等の体調不良、体温低下などを引き起こしやすくなり、寒冷な気候では全く適さない衣服である。実施例2、比較例3は腹部の通気度を低くしてあるため、保温効果があることがわかる。このことから、実施例2は衣服内の蒸れ感が少なく、保温効果に優れた衣服であることが分かる。
Figure 0004452114
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図1はA糸をニットしB糸をタックした組織の部分拡大図である。 図2はA糸をニットしB糸をミスした組織の部分拡大図である。 図3はB糸をニットしA糸をタックした組織の部分拡大図である。 図4はB糸をニットしA糸をミスした組織の部分拡大図である。

Claims (4)

  1. 表面と裏面とで形成され、表面及び裏面は少なくともA糸とB糸との2種類の糸によって構成されており、前記A糸とB糸とは繊度が異なる(A糸の繊度>B糸の繊度とする)と共に、表面においては前記A糸、B糸のうちどちらか一方の糸をニットした度目では、もう一方の糸はミス又はタックし、メッシュ調の穴や隙間を開けることがないことを特徴とし、A糸をニットしB糸をミス又はタックすることで編成した領域(領域NAとする)と、B糸をニットしA糸をミス又はタックすることで編成した領域(領域NBとする)との通気度の差が30cm /cm /sec以上であり、前記領域NAと領域NBを組み合わせることにより、領域NAのみで構成される編地の通気度から領域NBのみで構成される編地の通気度までの範囲内の通気度の領域を設けたことを特徴とするジャガード編地によって形成された上衣であって、通気度が150〜300cm /cm /secである組織を脇部、背部、胸部に配置し、通気度が50〜250cm /cm /secの組織を腹部、肩部に配置した上衣又は、通気度が100〜200cm /cm /secである組織を脇部、背部、胸部に配置し、通気度が30〜150cm /cm /secの組織を腹部、肩部に配置した上衣。
  2. 前記A糸のデニール数の値をa、B糸のデニール数の値をbとした場合(a>bとする)、10≦a−b≦200であることを特徴とする請求項1に記載のジャガード編地によって形成された上衣
  3. 前記A糸がかさ高加工糸であると共に前記B糸が未加工糸であることを特徴とする請求項1又は2に記載のジャガード編地によって形成された上衣
  4. 前記領域NAと領域NBを組み合わせることにより、表面に意匠模様を設け、前記意匠模様はライン柄、格子柄、千鳥柄、ドット柄、ストライプ柄、幾何学柄のうちいずれか一つ或いは複数から構成されることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のジャガード編地によって形成された上衣
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