JP4450764B2 - スピーカ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数個のスピーカにより構成されるスピーカ装置に関し、特に、5.1サラウンドシステム等の音響再生を実現するスピーカ装置に関する。
一般に、5.1サラウンドシステムは、一定サイズの5つのスピーカを、聴取者の正面、右前方、左前方、右後方及び左後方にそれぞれ配置すると共に、1つの低音出力用スピーカを正面に配置し、5.1チャネルによりサラウンド音響を再生するシステムである。この5.1サラウンドシステムでは、受聴者の受聴点及び6つスピーカを所定の位置とすることにより、ステレオ音響再生よりも一層立体的な、かつ臨場感のある音響環境を実現することができる。
一方、スピーカから放射される音波を、受聴者の周辺にある壁面や天井等に反射させ、あたかも、反射させた壁面等の方向に音源があるように受聴者に知覚させるシステムが開示されている(例えば、特許文献1を参照)。このシステムは、スピーカからビーム状の指向性で放射させた音波の方向を、音像を定位させる方向になるように駆動信号を生成し、当該駆動信号をスピーカに出力するものである。これにより、例えば、受聴者の後方に配置すべきスピーカの位置に、前方に配置したアレースピーカを用いて音像を定位させることができる。つまり、アレースピーカからの音波を、側方の壁面や後方の壁面等に反射させることにより、受聴者は、これらの壁面方向に音源があるように知覚することができ、所定の音響環境を実現することができる。
特開2004−186895号公報
しかしながら、従来の5.1サラウンドシステムでは、例えば家庭内のような狭い空間を考慮して、後方に配置するスピーカを小型にすると、十分なサラウンド音質が得られないという問題があった。一方、後方に配置するスピーカを大型にすると、日常生活の妨げになるという問題があった。
また、前述の特許文献1のシステムでは、壁面等に音波を反射させることにより音像を定位させている。このため、壁面の性質によっては十分な効果を得ることができないという問題があった。また、様々な性質を有する壁面に対応して音像を定位させるには、前方に配置するアレースピーカのサイズを大型にする必要があるという問題もあった。
ところで、上方から到来する音波により、音の臨場感を増すことができるという研究成果が得られている。アレースピーカにより上方からの音を再現するには、上向きのアレースピーカを用いる必要がある。このため、上向きのアレースピーカを配置するためには、面積の広い床が必要になる。
一方、愛知万博において、スーパーハイビジョンのための22.2チャネル音響再生システムが展示されている。このシステムによる立体音響を家庭で再生するためには、従来の5.1サラウンドシステムよりもはるかに多いチャネル数の音響信号を、後方の壁面や天井等の様々な場所から再生する必要がある。また、前述の特許文献1のように、壁面等に音波を反射させて音像を定位させるシステムを用いたとしても、5.1サラウンドシステムよりもはるかに多いチャネル数に対応する必要があるため、現実的ではない。
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数のスピーカを用いることにより、5.1サラウンドシステム等による音響と同等の音響を再生可能なスピーカ装置を提供することにある。
本発明によるスピーカ装置は、実際に配置される複数のスピーカと、所定のシステムによる音響環境の下で制作された音響信号を入力し、前記スピーカ毎に音響信号を分配する処理装置とを備え、前記音響信号を再生するスピーカ装置であって、前記処理装置は、受聴者が音を受聴する受聴点の位置、及び前記スピーカの位置を含む位置関係情報を記憶する記憶手段と、音響信号の再生に際し、前記所定のシステムにおける標準の受聴点の位置及び標準スピーカの位置を含む標準位置関係情報を入力し、該標準位置関係情報と前記記憶手段に記憶された位置関係情報とに基づいて、前記標準スピーカが配置された領域毎に前記実スピーカを分類し、前記領域毎に、前記標準受聴点の音圧ベクトルと前記実受聴点の音圧ベクトルとが等しくなるように、前記実スピーカ毎の分配係数を計算する分配係数計算手段と、前記入力した音響信号を、前記分配係数に基づいて前記実スピーカ毎に分配する音響信号分配手段と、を有することを特徴とする。これにより、5.1サラウンドシステム等の様々な音響環境の下で制作された音響信号が、受聴点及びスピーカの位置関係情報から算出された分配係数に基づいてスピーカ毎に分配される。つまり、サラウンド等のマルチチャネル音響システムにおいて、受聴点、及び壁や天井等に配置された複数のスピーカの位置関係情報に基づいて、各チャネルの出力をこれらのスピーカに分散させることができる。したがって、例えば上方からの音の到来を再生できるだけでなく、音に包み込まれるような臨場感を再現することができる。
この場合、スピーカ装置は、さらに、伝送装置を備え、前記実スピーカは、前記伝送装置から駆動信号を受信して音波を放射する手段と、実スピーカの位置情報信号を前記伝送装置に送信する手段とを有し、前記伝送装置は、前記実スピーカから前記位置情報信号を受信し、該伝送装置を原点とした前記実スピーカの位置座標を計算する位置計算手段と、前記実スピーカの位置座標を前記処理装置に送信する手段とを有し、前記処理装置は、前記実スピーカの位置座標に基づいて、前記伝送装置と前記実スピーカとの位置関係を計算し、該位置関係を前記位置関係情報に含まれる情報として前記記憶手段に記憶するように構成するのが好適である。
また、前記伝送装置の位置計算手段は、さらに実受聴点におけるリモコンから実受聴点の位置情報信号を受信し、該伝送装置を原点とした前記実受聴点の位置座標を計算する手段と、前記実受聴点の位置座標を前記処理装置に送信する手段とを有し、前記処理装置は、前記実受聴点の位置座標に基づいて、前記伝送装置と前記実受聴点との位置関係を計算し、該位置関係を前記位置関係情報に含まれる情報として前記記憶手段に記憶するように構成するのが好適である。
本発明によれば、複数のスピーカを用いることにより、5.1サラウンドシステム等の所定のシステムにより再生される音響と同等の音響を再生することが可能となる。例えば、本発明のスピーカ装置を家庭内のような狭い空間で使用する場合には、複数の小型スピーカを壁面や天井等に貼り付けて設置することにより、日常生活の妨げになる大型スピーカを用いることなく、5.1サラウンドシステム等の適切な再生音を再現することが可能となる。また、複数の小型スピーカを日常生活の妨げにならない箇所に設置した場合であっても、5.1サラウンドシステム等の適切な再生音を再現することが可能となる。さらに、本発明のスピーカ装置に入力された音響信号は、当該音響信号が制作されたそれぞれのシステムに対応して複数のスピーカに分配される。これにより、5.1サラウンドシステムや22.2チャネル音響再生システム等の様々なシステムに対応することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
〔構成〕
図1は、本発明によるスピーカ装置のシステム構成例を示すブロック図である。このスピーカ装置1は、複数個のスピーカ10−1〜−n、信号伝送装置20及び信号処理装置30により構成される。スピーカ装置1は、スピーカ10設置時に、スピーカ10等の位置関係を予め記憶しておき、受聴時に、5.1サラウンドシステムや22.2チャネル音響再生システム等に用いられるマルチチャネル音響信号を受信する際に、予め記憶した位置関係からスピーカ10の分配係数を求め、5.1サラウンドシステム等により再生される音響と同等の音響のスピーカ入力信号を、分配係数を用いてスピーカ10に分配し、駆動信号として各スピーカ10に送信するシステムである。
〔スピーカ〕
まず、スピーカ10について説明する。図2は、図1に示したスピーカ10の外観図、及び、スピーカ10の機能を示すブロック図である。このスピーカ10は、復調回路11、増幅回路12、スピーカユニット13、発振回路14及び送信回路15を備え、図示しない電源を内蔵している。スピーカ10は、位置情報信号を信号伝送装置20に送信する機能、及び、信号伝送装置20から駆動信号を受信し音響を再生する機能を有する。
図2(a)は、スピーカ10の外観図である。スピーカ10は、音波が放射されるスピーカユニット13と、信号伝送装置20からの駆動信号を受信し、位置情報信号を送信する信号送受信部を含む本体部とから成り、スピーカユニット13が上面に、本体部がスピーカユニット13から下面に向けて湾曲状に形成されている。この本体部には、復調回路11、増幅回路12、発振回路14及び送信回路15が内部に実装されている。この場合、スピーカ10は、小型であって、壁面や天井等に貼り付けるように構成するのが好適である。また、主に、5.1サラウンドシステムや22.2チャネル音響再生システム等に用いられる標準的なスピーカを設置できない場合に用いられる。
図2(b)は、音響信号系の信号の流れを示すブロック図である。スピーカ10の信号送受信部(図示せず)は、信号伝送装置20から駆動信号を受信する。復調回路11は、信号送受信部から駆動信号を入力し、当該駆動信号を復調する。増幅回路12は、復調回路11から復調信号を入力し、当該復調信号を増幅する。スピーカユニット13は、増幅回路12からの増幅信号の音波を放射する。これにより、スピーカ10は音響信号を再生する。尚、スピーカ10の信号送受信部が受信する駆動信号は、信号処理装置30により、5.1サラウンドシステム等の音響を再生するために分配されたスピーカ10毎の信号であり、例えば、スピーカ10−1の信号送受信部は、スピーカ10−1用に分配された信号を、スピーカ10−2の信号送受信部は、スピーカ10−2用に分配された信号をそれぞれ受信する。
図2(c)は、位置情報信号系の信号の流れを示すブロック図である。スピーカ10の発振回路14は、受聴者のリモコン操作等による信号を受信すると、識別子(ID)や時刻等の当該スピーカ10の位置情報信号を、信号送受信部の送信回路15に出力する。送信回路15は、発振回路14から位置情報信号を入力し、当該位置情報信号を信号伝送装置20に送信する。
〔信号伝送装置〕
次に、信号伝送装置20について説明する。図3は、図1に示した信号伝送装置20の外観図、及び、信号伝送装置20の機能を示すブロック図である。この信号伝送装置20は、変調回路21、送信回路22、受信回路23及び位置計算回路24を備えている。信号伝送装置20は、信号処理装置30からスピーカ入力信号を受信し、駆動信号をスピーカ10に送信する機能、及び、スピーカ10から位置情報信号を受信し、スピーカ10の位置を計算し、スピーカ位置情報を信号処理装置30に送信する機能を有する。
図3(a)は、信号伝送装置20の外観図である。信号伝送装置20は、送信回路22及び受信回路23を備えた信号送受信部と、変調回路21及び位置計算回路24が実装された本体部とから成り、信号送受信部が上面に、本体部が信号送受信部から下面に向けて湾曲状に形成されている。
図3(b)は、音響信号系の信号の流れを示すブロック図である。信号伝送装置20の信号送受信部(図示せず)は、信号処理装置30からスピーカ入力信号を受信する。変調回路21は、信号送受信部からスピーカ入力信号を入力し、当該スピーカ入力信号を変調する。信号送受信部の送信回路22は、変調回路21から変調信号を入力し、駆動信号としてスピーカ10に送信する。尚、駆動信号は、5.1サラウンドシステム等の音響を再生するために信号処理装置30によりスピーカ10毎に分配されたスピーカ入力信号に対応する信号であり、例えば、信号伝送装置20の送信回路22は、スピーカ10−1用の駆動信号をスピーカ10−1に、スピーカ10−2用の駆動信号をスピーカ10−2にそれぞれ送信する。
図3(c)は、位置情報信号系の信号の流れを示すブロック図である。信号伝送装置20の信号送受信部である受信回路23は、スピーカ10から位置情報信号をそれぞれ受信する。位置計算回路24は、受信回路23から位置情報信号を入力し、スピーカ10毎にスピーカの位置をそれぞれ計算する。このスピーカ位置は、例えば、信号伝送装置20を原点としたベクトルで表される。つまり、位置計算回路24は、スピーカ10からの位置情報信号により、スピーカ位置を測定する機能を有する。
位置計算回路24には、スピーカ10にそれぞれ対応した受信素子、及び重み付け回路が設けられている。この重み付け回路は、それぞれの受信素子における受信信号と、その受信素子の重み係数との積を受信素子毎に加算し、重み係数を変化させた(指向性を変えた)場合の、その加算結果が最大になるときの重み係数を求める。そして、この重み係数に基づいてスピーカ位置を測定する。また、信号送受信部は、位置計算回路24により計算されたスピーカ位置信号を信号処理装置30に送信する。
また、信号伝送装置20は、受聴者によるスピーカ設置完了のリモコン操作により、リモコンからリモコン位置情報を受信し、リモコンの位置を計算する。このリモコンの位置は、スピーカ位置と同様にベクトルで表される。そして、信号伝送装置20は、計算したリモコン位置信号を信号処理装置30に送信する。
〔信号処理装置〕
次に、信号処理装置30について説明する。図4は、図1に示した信号処理装置30の機能を示すブロック図である。この信号処理装置30は、音響信号分配回路31及び分配係数計算回路32を備えている。信号処理装置30は、信号伝送装置20からスピーカ位置信号及びリモコン位置信号を入力し、信号伝送装置20、スピーカ10及びリモコン(受聴点)の位置関係情報を計算する機能と、この位置関係情報を記憶する機能と、外部から5.1サラウンドシステム等の標準位置信号を入力し、記憶された位置関係情報を用いてマルチチャネル音響信号をスピーカ10毎に分配するための分配係数を計算する機能と、外部から5.1サラウンドシステム等のマルチチャネル音響信号を入力し、分配係数を用いてスピーカ10毎のスピーカ入力信号に分配する機能とを有する。尚、位置関係情報は、音響信号を再生する前の受聴者によるリモコン操作のタイミングで、分配係数計算回路32に備えた図示しない記憶手段に予め記憶される。
音響信号分配回路31は、外部から5.1サラウンドシステム等のマルチチャネル音響信号を、分配係数計算回路32からスピーカ10毎の分配係数をそれぞれ入力し、当該分配係数に基づいて、マルチチャネル音響信号をスピーカ10毎に分配する。そして、分配したマルチチャネル音響信号をスピーカ入力信号として信号伝送装置20に送信する。
分配係数計算回路32は、スピーカ10設置時の受聴者によるリモコン操作のタイミングにおいて、信号伝送装置20から受信したスピーカ位置信号及びリモコン位置信号に基づいて、受聴点と信号伝送装置20の位置関係、及び、スピーカ10と信号伝送装置20の位置関係を表す情報を計算し、位置関係情報として記憶手段に記憶する。
ここで、分配係数計算回路32により計算される位置関係情報は、例えば、受聴点を原点とした極座標(r,φ,ψ)で表される。ここで、rは、受聴点とスピーカ10との間の実際の距離であり、φは、受聴点をXYZ軸の原点とし、スピーカ10からXY平面に垂直に降ろした交点について、スピーカ10とその交点との間の受聴点における実際の角度であり、ψは、その交点とZ軸との間の受聴点における実際の角度である。また、実際の距離rは、スピーカ位置信号に含まれる時刻情報を入力し、この時刻情報を用いてスピーカ10間の時間差(遅延時間)を求めることにより計算することができる。尚、スピーカ10の距離を計算するための手法は、例えば特開2004−241820号等に記載されているため、参照されたい。尚、分配係数計算回路32は、スピーカ10の極座標を計算する代わりに、スピーカ10の実際の位置座標(X,Y,Z)を計算するようにしてもよい。
そして、分配係数計算回路32は、受聴時において、外部からマルチチャネル音響信号に先立って標準位置信号を入力し、当該標準位置信号に含まれる位置関係情報、及び記憶手段に記憶された位置関係情報に基づいて、マルチチャネル音響信号が制作されたシステムの標準スピーカが配置された領域毎に、実際に配置されたスピーカ10を分類する。そして、分配係数計算回路32は、領域毎に、その領域に分類されたスピーカ10に対して分配係数を計算する。スピーカ10の分類及び分配係数の計算についての詳細な説明は後述する。
〔動作/スピーカ設置時〕
次に、スピーカ装置1の動作について説明する。図6は、スピーカ10設置時の動作を示すフロー図である。まず、スピーカ10の設置が完了すると、受聴者は、受聴位置で、リモコン操作によりスピーカ設置完了のスイッチを押下する。リモコンは、起動スイッチ信号をスピーカ10に送信する(ステップS601)。このとき、リモコンはリモコンの位置情報信号を信号伝送装置20に送信する。そして、スピーカ10は、リモコンからの起動スイッチ信号を受信すると、スピーカ10の位置情報信号を信号伝送装置20に送信する(ステップS602)。そして、信号伝送装置20の位置計算回路24は、スピーカ10の位置情報信号及びリモコンの位置情報信号に基づいて、信号伝送装置20に対する各位置を計算し(ステップS603)、スピーカ位置信号(及びリモコン位置信号)として信号処理装置30に送信する(ステップS604)。信号処理装置30がスピーカ位置信号を受信すると、分配係数計算回路32は、当該スピーカ位置信号(及びリモコン位置信号)により、受聴点と信号伝送装置20との位置関係、及び、スピーカ10と信号伝送装置20との位置関係の情報を計算し、記憶手段に記憶する(ステップS605)。
このように、スピーカ設置時には、受聴者のスピーカ設置完了のリモコン操作により位置設定処理が行われ、受聴点、スピーカ10及び信号伝送装置20の位置関係情報が信号処理装置30の記憶手段に記憶される。
〔動作/受聴時〕
図7は、受聴時の動作を示すフロー図である。まず、受聴時には、信号処理装置30は、外部から、マルチチャネル音響信号に先立って送信される標準位置信号を受信する(ステップS701)。この標準位置信号には、再生されるマルチチャネル音響信号であるソフトウェアがどのようなシステムにより制作されているかを示す情報や、マルチチャネル音響信号が制作されたときの受聴点及び標準スピーカの位置情報を含む。例えば、5.1サラウンドシステムにより制作されたマルチチャネル音響信号の場合は、規格された6個の標準スピーカの位置情報を含む。
信号処理装置30の分配係数計算回路32は、標準位置信号の情報、及び、記憶手段に記憶された受聴点、スピーカ10及び信号伝送装置20の位置関係情報に基づいて、標準スピーカが配置される領域毎に、実際に配置されたスピーカ10を分類する(ステップS702)。例えば、5.1サラウンドシステムにより制作された音響信号を受聴する場合には、図5に示すように、標準スピーカの配置は受聴位置からの立体角で表現することができ、分配係数計算回路32は、実際に配置されたスピーカ10を、受聴位置を中心とした半球1〜5の領域に分類する。尚、図5は、説明を簡単にするためにスピーカの数を5つとした。
そして、分配係数計算回路32は、音響信号が制作されたシステムの受聴点における音圧ベクトル(受聴信号ベクトル)と、スピーカ10により音響信号が再生される実際の受聴点における音圧ベクトルとが等しくなるように、前記分類した領域におけるスピーカ10毎の分配係数を計算する(ステップS703)。例えば、5.1サラウンドシステムにより制作された音響信号を受聴する場合、スピーカ10−1〜3が図5に示した領域1に、スピーカ10−4〜6が領域2に、スピーカ10−7〜9が領域3に、スピーカ10−10〜12が領域4に、スピーカ10−13〜15が領域5に配置されている場合、分配係数計算回路32は、前述のように、5つの領域にスピーカ10−1〜15を分類し、5.1サラウンドシステムにより制作された音響信号について領域1に対する音圧ベクトルと、領域1に分類されたスピーカ10−1〜3により音響信号が再生される実際の音圧ベクトルとが等しくなるように、スピーカ10−1〜3毎の分配係数を計算する。同様に、領域2についてスピーカ10−4〜6毎の分配係数を計算する。領域3〜5についても同様である。
一般に、受聴信号ベクトルy(t)は、スピーカの位置を表す音源位置ベクトルをx、受聴者の受聴点を表す受聴位置ベクトルをr、スピーカが再生する音源信号をs(t)とすると、以下の式で表される。
Figure 0004450764

ここで、jは虚数単位、kは波長定数(位相定数)である。
以下、分配係数の計算手法について詳細に説明する。分配係数計算回路32は、外部から受信した標準位置信号に含まれる受聴点及び標準スピーカの位置関係情報から、前述の式(1)を用いて、標準スピーカ配置における受聴信号ベクトルy(t)を計算する。一方、分配係数計算回路32は、記憶手段に記憶された、受聴点、スピーカ10及び信号伝送装置20の位置関係情報から、実際のスピーカ10配置における受聴信号ベクトルy’(t)を計算する。受聴信号ベクトルy’(t)は、スピーカ10の位置を表す音源位置ベクトルをx1,x2,x3,・・・xm、受聴者の受聴点を表す受聴位置ベクトルをr’、各スピーカ10が再生する音源信号をu1(t),u2(t),u3(t),・・・um(t)とすると、以下の式で表される。
Figure 0004450764

ここで、mは各領域におけるスピーカ10の数である。
i番目のスピーカ10−iに対する分配係数をciとすると、ui(t)=cis(t)である。これを式(2)に代入すると、以下の式となる。
Figure 0004450764

式(1)及び(3)により、y(t)=y’(t)として、ui(t)をs(t)の関数として解くことにより、分配係数ciを計算する。この場合、スピーカ10の数mが3を超える場合には一般に解を得ることができない。このため、受聴点の近傍に、スピーカ10の数に応じたいくつかの別の仮想受聴点を設け、これらの仮想受聴点においても、上記式(1)及び(3)により、y(t)=y’(t)とすることにより、分配係数ciを計算することができる。このような計算を、分類した領域毎に繰り返し、全てのスピーカ10−1〜nの分配係数ciを計算する。そして、分配係数計算回路32は、計算した分配係数ciを音響信号分配回路31に出力し(ステップS704)、音響信号分配回路31は、分配係数ciを保持する(ステップS705)。
このように、受聴時の最初には、再生される音響情報であるソフトウェアがどのようなシステムにより制作されているかに応じて、各領域に分類されたスピーカ10毎に分配係数が計算される。
次に、信号処理装置30が、外部からマルチチャネル音響信号を受信すると(ステップS706)、音響信号分配回路31は、保持している分配係数ciに基づいて、マルチチャネル音響信号における第1の領域の信号を第1の領域に分類されたスピーカ10毎に分配し、同様にして第2、第3・・の各領域の信号を、その領域に分類されたスピーカ10毎に分配し(ステップS707)、スピーカ10毎のスピーカ入力信号として信号伝送装置20に送信する(ステップS708)。そして、信号伝送装置20が駆動信号をスピーカ10にそれぞれ送信する(ステップS709)。このようにして、5.1サラウンドシステム等により再生される音響と同等の音響が再生される。
以上のように、本発明の実施の形態によるスピーカ装置1によれば、スピーカ設置時に、受聴点、スピーカ10及び信号伝送装置20の位置関係情報を予め記憶手段に記憶し、受聴時に、マルチチャネル音響信号に先立って受信する標準位置信号の位置関係情報、及び、記憶手段に記憶された位置関係情報に基づいて、受聴点における受聴信号ベクトルが等しくなるようにスピーカ10毎の分配係数ciを計算し、この分配係数ciに基づいてマルチチャネル音響信号をスピーカ10毎に分配するようにした。これにより、受聴者は、5.1サラウンドシステム等と同等の受聴信号ベクトルの音を知覚することができるから、5.1サラウンドシステム等により再生される音響と同等の音響を再生することが可能となる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、本発明のスピーカ装置1は、5.1サラウンドシステムや22.2チャネル音響再生システムによるマルチチャネル音響を再生する場合に限定して適用されるのではなく、他のマルチチャネル音響システムにより制作されたソフトウェアの音響を再生する場合等、モノーラル再生、2チャネルステレオ再生、さらには将来の立体音響を再生する場合にも適用できることは言うまでもない。また、本発明のスピーカ装置1は、マルチチャネル音響を再生する場合に適用されるだけではなく、音楽ホールの響きをシミュレーションした反射音信号を再生する場合にも適用することができる。この場合、スピーカ装置1により、家庭においてコンサートホールの音を再現することができる。
本発明によるスピーカ装置のシステム構成例を示すブロック図である。 スピーカの外観図、及び機能を示すブロック図である。 信号伝送装置の外観図、及び機能を示すブロック図である。 信号処理装置の機能を示すブロック図である。 5.1サラウンド配置による半球の分割を示す模式図である。 スピーカ設置時の動作を示すフロー図である。 受聴時の動作を示すフロー図である。
符号の説明
1 スピーカ装置
10 スピーカ
11 復調回路
12 増幅回路
13 スピーカユニット
14 発振回路
15,22 送信回路
20 信号伝送装置
21 変調回路
23 受信回路
24 位置計算回路
30 信号処理装置
31 音響信号分配回路
32 分配係数計算回路

Claims (3)

  1. 実際に配置される複数の実スピーカと、所定のシステムによる音響環境の下で制作された音響信号を入力し、前記実スピーカ毎に音響信号を分配する処理装置とを備え、前記音響信号を再生するスピーカ装置であって、
    前記処理装置は、
    受聴者が音を受聴する実受聴点の位置、及び前記実スピーカの位置を含む位置関係情報を記憶する記憶手段と、
    音響信号の再生に際し、前記所定のシステムにおける標準の受聴点の位置及び標準スピーカの位置を含む標準位置関係情報を入力し、
    該標準位置関係情報と前記記憶手段に記憶された位置関係情報とに基づいて、前記標準スピーカが配置された領域毎に前記実スピーカを分類し、
    前記領域毎に、前記標準の受聴点の音圧ベクトルと前記実受聴点の音圧ベクトルとが等しくなるように、前記実スピーカ毎の分配係数を計算する分配係数計算手段と、
    前記入力した音響信号を、前記分配係数に基づいて前記実スピーカ毎に分配する音響信号分配手段と、
    を有することを特徴とするスピーカ装置。
  2. 請求項1に記載のスピーカ装置において、
    さらに、伝送装置を備え、
    前記実スピーカは、前記伝送装置から駆動信号を受信して音波を放射する手段と、実スピーカの位置情報信号を前記伝送装置に送信する手段とを有し、
    前記伝送装置は、前記実スピーカから前記位置情報信号を受信し、該伝送装置を原点とした前記実スピーカの位置座標を計算する位置計算手段と、
    前記実スピーカの位置座標を前記処理装置に送信する手段とを有し、
    前記処理装置は、前記実スピーカの位置座標に基づいて、前記伝送装置と前記実スピーカとの位置関係を計算し、該位置関係を前記位置関係情報に含まれる情報として前記記憶手段に記憶することを特徴とするスピーカ装置。
  3. 請求項2に記載のスピーカ装置において、
    前記伝送装置の位置計算手段は、さらに実受聴点におけるリモコンから実受聴点の位置情報信号を受信し、該伝送装置を原点とした前記実受聴点の位置座標を計算する手段と、
    前記実受聴点の位置座標を前記処理装置に送信する手段とを有し、
    前記処理装置は、前記実受聴点の位置座標に基づいて、前記伝送装置と前記実受聴点との位置関係を計算し、該位置関係を前記位置関係情報に含まれる情報として前記記憶手段に記憶することを特徴とするスピーカ装置。
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