JP4450713B2 - 油系懸濁農薬製剤の包装方法および使用方法 - Google Patents

油系懸濁農薬製剤の包装方法および使用方法 Download PDF

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Description

この発明は、油系懸濁農薬製剤の包装方法および使用方法に関し、さらに詳しくは、特別な包装環境または包装機器を必要とすることなく、精密かつ迅速に包装することのできる油系懸濁農薬製剤の包装方法および使用者に対する安全性が高く、しかも作業性に優れ、かつ使用ずみの袋体の処置が容易である油系懸濁農薬製剤の使用方法に関する。
従来から、農薬製剤は、その剤型に対応し、包装形態を異にして使用されてきた。例えば、液剤はポリエチレン瓶またはガラス瓶に、水和剤はアルミニウム袋またはポリエチレン袋に、粒剤および粉剤は紙袋に収容する包装形態が採られてきた。しかし、近年、製剤の特徴を活かす観点、農薬使用者の安全性と作業性を確保する観点、また、特に環境保全の観点から、改善された多様な農薬製剤の包装形態が採られる傾向が顕著となっている。
前記改善された包装形態の対象となる農薬製剤の剤型は、粒剤および水和剤である。粒剤に対する改善された包装形態の例としては、主として、水田用薬剤に適用される粒剤であって、水溶性フィルムによる包装を挙げることができる。この包装は、処方上、工夫された製剤を水溶性フィルムで包装することにより、製剤の特性を維持しつつ作業性の向上を企図した包装形態であり、広く実用化されている。
また、水和剤に対する改善された包装形態の例としても、水溶性フィルムによる包装を挙げることができる。この包装は、製剤使用時の粉立ち防止、ドリフトによる吸入防止および皮膚への接触防止等、農薬使用者の安全性の向上を企図した包装形態である。
ところが、農薬製剤の剤型における液剤型については、その固有の問題を解消するための、前記粒剤および水和剤に適用される包装形態のような改善がなされていないのが現状である。わずかに液剤型の農薬の一部において、作業性の向上のために、水田用薬剤に適用される水溶性容器が開発され、実用に供されている。
しかしながら、希釈して使用する農薬については、その包装形態の改善例がほとんど見られない。特に、懸濁製剤(フロアブル剤)は、その特性上、計量が比較的困難であること、容器からの排出を全うし難いこと、使用後の洗浄が容易でないこと、また、液剤に共通することとして、使用ずみの容器の処置等の問題を有すること等、様々な問題を抱えている。これら問題のうち、個々の問題点を製剤の処方および容器の工夫によって解消する例は提案されているものの、全面的に解消するまでには到っていなかった。
そこで、樹脂製容器の内面に農薬製剤が付着しないよう、または使用後の樹脂製容器に付着した農薬製剤を容易に洗浄除去することができるようにした製剤および樹脂製容器が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
特開平08−113244号公報(特許請求の範囲) 特開平09−157106号公報(特許請求の範囲)
特許文献1には、既存の樹脂製容器内面にシリコーン系化合物を塗布して、撥水性を付与することにより、農薬製剤の付着を防止することが開示されている。また、特許文献2には、農薬製剤および樹脂製容器内にシリコーン系化合物を添加することにより、農薬製剤の付着を防止することが開示されている。
しかしながら、前記いずれの場合においても、農薬製剤を使用した後の樹脂製容器の洗浄に要する労力と時間とを軽減することはできるものの、洗浄を不要とするものではなかった。また、農薬製剤として油系懸濁農薬製剤を用いた場合は、撥水効果は期待できないものであった。さらに、使用ずみの樹脂製容器の処置についても、前記と同様の問題を残していた。
また、希釈して使用する非水性液状農薬製剤を水溶性フィルムにより製袋された袋体に収容して包装することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。さらに、非水性液状農薬製剤を外層を形成するフィルムと内層を形成する水溶性フィルムとのラミネートフィルムにより製袋された袋体に収容して包装することおよびこの包装された非水性液状農薬製剤の使用方法が提案されている(例えば、特許文献4および5参照)。
特開平11−171131号公報(特許請求の範囲) 特開平09−221147号公報(特許請求の範囲) 特開平11−321879号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、特許文献3に開示の包装方法においては、水溶性の単一層フィルムにより製袋された袋体で非水性液状農薬製剤を包装するものであるため、湿潤条件下では包装が困難となり、湿度を制御管理した特別の条件下で包装しなければならないという問題があった。
また、特許文献3に開示の包装方法においては、前記袋体への非水性液状農薬製剤の収容量が、前記袋体の最大収容量の70%以上とされているが、落下時等の衝撃によって袋体のヒートシールエッジ部へ内圧がかかり易くなり、破袋する可能性が高く、製品の輸送時または使用時等において、実用上の支障を来たすという問題があった。さらに、特許文献3には、製品化したときの最終の包装形態に関する記載がない。
特許文献4および5に開示の方法は、非水性液状農薬製剤を外層を形成するフィルムと内層を形成する水溶性フィルムとが弱接着されたラミネートフィルムにより製袋された袋体に収容して包装することおよび前記袋体から外層フィルムを剥離して、包装された非水性液状農薬製剤を使用する方法であり、製品化したときの最終の包装形態に関する記載をも含んでいる。
特許文献4および5に開示の方法は、画期的な非水性液状農薬製剤の包装方法および使用方法ということができるが、非水性液状農薬製剤を前記袋体に収容するとき等に液漏れが発生した場合には、袋体外に非水性液状農薬製剤が流出してしまう虞があった。また、外層を形成するフィルムを剥離する作業は農薬使用者が行うことから、多大の労力と時間を要し、しかも外装フィルムの剥離に際し、破袋の可能性が高く、農薬使用者の安全を確保するという観点からしても問題を有していた。
この発明は、このような従来の問題を解消し、特別な包装環境または包装機器を必要とすることなく、精密かつ迅速に包装することのできる油系懸濁農薬製剤の包装方法および使用者に対する安全性が高く、しかも作業性に優れ、かつ使用ずみの袋体の処置が容易である油系懸濁農薬製剤の使用方法を提供することをその課題とする。
本発明者は、前記課題を解決するために、油系懸濁農薬製剤を収容する袋体について種々検討した結果、油系懸濁農薬製剤を特定のラミネートフィルムにより製袋された袋体(A)に収容し、この袋体(A)を別体の袋体(B)によって包装することにより、前記課題を解決することができるということを見出し、この知見に基づいてこの発明を完成するに到った。
すなわち、この発明の前記課題を解決するための第1の手段は、
(1)外層を形成する非通水性フィルムと内層を形成する水溶性フィルムとのラミネートフィルムにより製袋された袋体(A)に油系懸濁農薬製剤を収容した後、前記袋体(A)をヒートシールして密封し、次いで、前記ヒートシールして密封された袋体(A)を、別体の袋体(B)によって包装することを特徴とする油系懸濁農薬製剤の包装方法
である。
前記第1の手段における好ましい態様としては、
i.前記内層を形成する水溶性フィルムが、非通油性フィルムである油系懸濁農薬製剤の包装方法
ii.前記袋体(A)に収容される油系懸濁農薬製剤の収容量が、前記袋体(A)の最大収容量の1〜60%である油系懸濁農薬製剤の包装方法
を挙げることができる。
また、この発明の前記課題を解決するための第2の手段は、
(2)前記(1)の油系懸濁農薬製剤の包装方法により包装された油系懸濁農薬製剤の使用方法であって、前記袋体(A)と前記袋体(B)とを分離し、次いで、分離された前記袋体(A)から前記外層を形成する非通水性フィルムを除去した後、前記外層を形成する非通水性フィルムが除去された袋体を希釈水に投入することを特徴とする油系懸濁農薬製剤の使用方法
である。
この発明の第1の手段によれば、特定の二重構造の包装形態により油系懸濁農薬製剤を包装する方法が提供され、特別な包装環境または包装機器を必要とすることなく、また、袋体外に非水性液状農薬製剤が流出することのない、使用者に安全な油系懸濁農薬製剤の包装方法になるという効果を奏する。しかも、油系懸濁農薬製剤の計量が簡便であり、精密かつ迅速に包装することのできる油系懸濁農薬製剤の包装方法となる。
また、この発明の第2の手段によれば、単に外層を形成するフィルムを除去し、希釈水に投入するのみで、油系懸濁農薬製剤を使用に供することのできる油系懸濁農薬製剤の使用方法が提供され、使用者に対する安全性が高く、しかも作業性に優れた油系懸濁農薬製剤の使用方法になるという効果を奏する。しかも、使用後の袋体中の残存製剤が皆無であり、使用ずみの袋体の処置も簡易となる。
(1)この発明の油系懸濁農薬製剤の包装方法は、外層を形成する非通水性フィルム(以下、単に「外層非通水性フィルム」ということがある。)と内層を形成する水溶性フィルム(以下、単に「内層水溶性フィルム」ということがある。)とのラミネートフィルムにより製袋された袋体(A)に油系懸濁農薬製剤を収容した後、前記袋体(A)をヒートシールして密封し、次いで、前記ヒートシールして密封された袋体(A)を、別体の袋体(B)によって包装する方法である。
(2)また、この発明の油系懸濁農薬製剤の使用方法は、前記(1)の油系懸濁農薬製剤の包装方法により包装された油系懸濁農薬製剤の使用方法であって、前記袋体(A)と前記袋体(B)とを分離し、次いで、分離された前記袋体(A)から前記外層非通水性フィルムを除去した後、前記外層非通水性フィルムが除去された袋体を希釈水に投入する方法である。
この発明の油系懸濁農薬製剤の包装方法および油系懸濁農薬製剤の使用方法を、図面に基づいて説明する。
図1は、油系懸濁農薬製剤を収容した袋体(A)を示す図であり、図2は、前記袋体(A)を形成するミネートフィルムの縦断面を示す図である。
この発明に用いる袋体(A)1は、外層非通水性フィルム6と内層水溶性フィルム7とのラミネートフィルム2により製袋されている。3は袋体(A)1の開口部を、4は袋体(A)1の開口部3を密封するためのヒートシール適用部を表す。
前記外層非通水性フィルム6は、水分を透過することのないフィルムであり、例えば、アルミニウムフィルム、鎖状低密度ポリエチレン(LLD−PE)フィルム、アルミニウム蒸着樹脂フィルム等の単層フィルムまたはこれらフィルムを用いて成る積層フィルム等を挙げることができる。この外層非通水性フィルム6の厚さに制限はないが、通常は、10〜100μmである。
また、内層水溶性フィルム7は、水に溶解するフィルムであり、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム、ポリ酢酸ビニルフィルム、ルポリアクリルアミドフィルム、ポリエチレンイミンフィルム、ポリエチレンオキシドフィルム、ポリビニルピロリドンフィルム等を挙げることができる。これらフィルムの中でも、PVAフィルムが好ましい。PVAは、アニオン変成PVA、ノニオン変成PVAまたは部分ケン化PVAであってもよく、アニオン変成PVA、ノニオン変成PVAまたは部分ケン化PVAを含有したPVAであってもよい。前記PVAには、必要により、可塑剤、着色剤等の補助剤が含有されていてもよい。
前記内層水溶性フィルム7は、例えば、単層PVAフィルムに限定されることはなく、他の水溶性フィルムとの積層フィルムであってもよい。さらに、前記内層水溶性フィルム7は、動物油、植物油、鉱物油または有機溶剤等の油分を透過することのない非通油性フィルムであることが好ましい。後記する合体袋体に包装された油系懸濁農薬製剤が浸出することを防止できるからである。この内層水溶性フィルム7の厚さに制限はないが、通常は、10〜50μmである。
外層非通水性フィルム6と内層水溶性フィルム7とのラミネートフィルム2は、ウェットラミネーション成形法、ドライラミネーション成形法、ホットメルトラミネーション成形法、押出ラミネーション成形法、共押出ラミネーション成形法等、常用のラミネーション成形法によって成形することができるが、前記外層非通水性フィルム6を容易に剥離することができるように、外層非通水性フィルム6と内層水溶性フィルム7とを弱接着してラミネートされていることが好ましい。
この発明において用いる袋体(A)1は、前記外層非通水性フィルム6と内層水溶性フィルム7とのラミネートフィルム2により製袋された袋体である。この袋体(A)1は、インフレーション成形法、中空成形法等の常用の成形法によって製造することができる。
この発明の油系懸濁農薬製剤の包装方法は、まず、前記袋体(A)1に、その開口部3から油系懸濁農薬製剤5を収容する。前記油系懸濁農薬製剤は、殺虫、殺菌、除草、植物成長調節等の農薬活性成分の少なくとも一種を、動物油、植物油、鉱物油または有機溶剤等の油性物質に懸濁させた製剤である。このような製剤である限り、油系懸濁農薬製剤に特に制限はないが、例えば、脂肪酸グリセリドと8−オキシキノリン銅との混合剤(商品名:ビオネクト、サンケイ化学社製)、精製マシン油と8−オキシキノリン銅との混合剤(商品名:アルタベールフロアブル、日本農薬社製)等を挙げることができる。
前記袋体(A)1に油系懸濁農薬製剤5を収容した後、前記袋体(A)1のヒートシール適用部4をヒートシールして、開口部3を閉止して、油系懸濁農薬製剤5を収容した袋体(A)1を密封する。前記ヒートシールは、水溶性フィルムのヒートシールに用いられるインパルス式ヒートシーラーによって行うことが好ましい。このヒートシール条件は、ラミネートフィルム2の構成により一律ではないが、通常は、200〜700Pa(2.0〜7.0kg/cm)の圧力、100〜220℃の温度、0.5〜1.2秒の加熱加圧時間、1.0〜3.0秒の冷却時間が採用される。
前記ヒートシールは、インパルス式ヒートシーラーに拘束されることはなく、袋体(A)1のヒートシール部適用部4をニクロムリボン間に挿入し圧締した後、所定時間、通電してニクロムリボンを発熱させることによってラミネートフィルム2を軟化、溶融させてシールする等の常用のヒートシール法を採用して行うこともできる。
前記袋体(A)1に油系懸濁農薬製剤5を収容するに当っては、その収容量が、前記袋体(A)の最大収容量の1〜60%であることが好ましく、さらには、50〜60%であることが好ましい。油系懸濁農薬製剤5が収容された袋体(A)1が、落下時等の衝撃によってヒートシールエッジ部へ内圧がかかり、破袋することを回避することができるからである。
また、前記袋体(A)1に油系懸濁農薬製剤5を収容するに当っては、特別な包装環境または包装機器を必要とすることなく、従来から用いられていたポリエチレン容器等に油系懸濁農薬製剤5を収容する機器によって収容させることができる。
次いで、前記ヒートシールして密封された袋体(A)1を、図3に示す別体の袋体(B)8によって包装する。つまり、油系懸濁農薬製剤5が収容された袋体(A)1を袋体(B)8によってさらに包装するのである。以下、この袋体(A)1を袋体(B)8によって包装して成る袋体を「合体袋体」ということがある。
前記袋体(B)8は、水分を透過することのないフィルムにより製袋された袋体であれば、特にその材質に制限はない。例えば、前記外層非通水性フィルム6により製袋された袋体を挙げることができる。油系懸濁農薬製剤5が収容された袋体(A)1を袋体(B)8で包装することによって、万が一、袋体(A)1から油系懸濁農薬製剤5が漏出したとしても、この袋体(B)8内にとどまり、外部に油系懸濁農薬製剤5が流出することはない。
油系懸濁農薬製剤5が収容された袋体(A)1を袋体(B)8によって包装した後は、袋体(B)8の開口部9を閉止しておくことが好ましい。開口部9の閉止は、前記ヒートシールによってもよく、ジッパー、チャックまたはファスナーによってもよい。10はこの閉止適用部である。
このようにして包装された油系懸濁農薬製剤5を使用に供するには、まず、閉止された袋体(B)8の開口部9を再び開口し、前記袋体(B)8内から前記袋体(A)1を取り出すことによって、前記袋体(A)1と前記袋体(B)8とを分離する。次いで、分離された前記袋体(A)1から、前記外層非通水性フィルム6を剥離することによって除去する。
前記外層非通水性フィルム6の剥離に特別な手段を採る必要はないが、剥離を円滑に行うためには、ヒートシール部の一部を切除し、一部切除されたときに残る非ヒートシール部におけるいずれか一方のフィルムを、引っ張る手段または捲る手段を採ることが好ましい。
前記袋体(A)1から前記外層非通水性フィルム6が剥離除去されると、油系懸濁農薬製剤5は、内層水溶性フィルム7のみにより製袋された袋体に包装された状態となる。したがって、この袋体を希釈水に投入すると、内層水溶性フィルム7は水に溶解して、前記油系懸濁農薬製剤5は希釈され、低濃度となって使用に供される。希釈倍数に特に制限はない。
この発明によれば、特別な包装環境または包装機器を必要とすることなく、また、合体袋体外に非水性液状農薬製剤が流出することのない、使用者に安全な油系懸濁農薬製剤の包装方法が提供され、しかも、油系懸濁農薬製剤の計量が簡便であり、精密かつ迅速に包装することのできる油系懸濁農薬製剤の包装方法が提供される。
また、この発明によれば、単に外層フィルムを除去し、希釈水に投入するのみで、油系懸濁農薬製剤を使用に供することのできる油系懸濁農薬製剤の使用方法が提供され、使用者に対する安全性が高く、しかも作業性に優れた油系懸濁農薬製剤の使用方法が提供される。しかも、使用後の袋体中の残存製剤が皆無であり、使用ずみの袋体の処置も簡易となる。
以下、実施例を挙げてこの発明をさらに具体的に説明するが、これら実施例によってこの発明はなんら制限されることはない。
(実施例1)
湿度80%環境下、外層非通水性フィルム6として、60μmの鎖状低密度ポリエチレンとアルミニウムとの積層フィルムを用い、内層水溶性フィルム7として、40μmのポリビニルアルコールフィルム(クラレアHP40、クラレ社製)を用いて形成された図2に示すラミネートフィルム2により、図1に示す160×200mmの袋体(A)1を製造した。
この袋体(A)1に、半自動充填機を用い、油系懸濁農薬製剤5としての脂肪酸グリセリドと8−オキシキノリン銅との混合剤(商品名:ビオネクト、サンケイ化学社製)500mlを収容した。このときの前記混合剤の収容量は、前記袋体(A)1の最大収容量の60%であった。次いで、ヒートシール適用部4を、インパルス式ヒートシーラーによって、500Pa(5kg/cm)の圧力、220℃の温度、1.0秒の加熱加圧時間、1.5秒の冷却時間の条件下、ヒートシールした。
このようにして、油系懸濁農薬製剤5が収容されて袋体(A)1を、図3に示す袋体(B)8であるスタンディング式パウチアルミニウム袋によって包装し、閉止適用部10をヒートシールして、全ての包装を完了して、合体袋体とした。
(評価)
このようにして得た合体袋体10体を用意し、それぞれ−5℃および40℃で24時間、保存した後、1.2mの高さから、それぞれ落下させ、次いで、合体袋体から袋体(A)1を取り出して、油系懸濁農薬製剤5の収容状況、袋体(A)1の状況(保存前および保存後)および袋体(A)1の耐衝撃性を評価した。各評価方法は、下記のとおりである。
(評価1)油系懸濁農薬製剤5の収容状況:収容の可否を視認した。
(評価2)袋体(A)1の保存前状況:外層非通水性フィルム6を剥離して視認した。
(評価3)袋体(A)1の保存後状況:ラミネートフィルム2の変化を指触観察した。
(評価4)袋体(A)1の耐衝撃性:前記落下後の破袋発生の有無を視認した。
評価結果は、下記のとおりである。
(評価1の結果)格別の問題は生じなかった。
(評価2の結果)特に変化は見られなかった。
(評価3の結果)−5℃保存:若干、フィルムが硬化していた。
40℃保存:特に変化は見られなかった。
(評価4の結果)−5℃保存:破袋の発生はなかった。
40℃保存:破袋の発生はなかった。
(比較例1)
外層非通水性フィルム6を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にし、実施例1に準じて評価した。評価結果は、下記のとおりである。
(評価1の結果)袋体開口部が張りつき、油系懸濁農薬製剤5の収容が困難であつた。
(評価2の結果)袋体表面が粘着状態(べとつき)を呈した。
(評価3の結果)−5℃保存:フィルムが硬化していた。
40℃保存:袋体表面が粘着状態(べとつき)を呈した。
(評価4の結果)−5℃保存:一部、破袋が発生した。
40℃保存:一部、破袋が発生した。
(実施例2〜4)
油系懸濁農薬製剤5の収容量を、250ml〔袋体(A)1の最大収容量の30%、実施例2〕、600ml〔袋体(A)1の最大収容量の72%、実施例3〕および7500ml〔袋体(A)1の最大収容量の90%、実施例4〕とした以外は、実施例1と同様にし、実施例1と同様の耐衝撃性を評価した。評価結果は、下記のとおりである。
(実施例2)破袋の発生はなかった。
(実施例3)10体の合体袋体の中、3体の合体袋体のヒートシールエッジ部から液漏れがあった。
(実施例4)10体の合体袋体の中、3体の合体袋体のヒートシールエッジ部から液漏れがあった。
なお、油系懸濁農薬製剤5の収容量が500ml〔袋体(A)1の最大収容量の60%、実施例1〕の評価結果は、前記のとおりである。これらの結果から、油系懸濁農薬製剤5の収容量は、袋体(A)1の最大収容量の60%以下が好ましいことが分る。
(実施例5)
外層非通水性フィルム6として、60μmの鎖状低密度ポリエチレンとアルミニウムとの積層フィルムを用い、内層水溶性フィルム7として、40μmのポリビニルアルコールフィルム(クラレアHP40、クラレ社製)を用いて形成された図2に示すラミネートフィルム2によって製造された、図1に示す160×200mmの袋体(A)1(エコピール袋、共同紙工社製)を用意した。
この袋体(A)1に、半自動充填機を用い、油系懸濁農薬製剤5としての脂肪酸グリセリドと8−オキシキノリン銅との混合剤(商品名:ビオネクト、サンケイ化学社製)500mlを収容した。このときの前記混合剤の収容量は、前記袋体(A)1の最大収容量の60%であった。次いで、ヒートシール適用部4を、インパルス式ヒートシーラーによって、49.0×10Pa(5kg/cm)の圧力、220℃の温度、1.0秒の加熱加圧時間、1.5秒の冷却時間の条件下、ヒートシールした。
このようにして、油系懸濁農薬製剤5が収容されて袋体(A)1を、図3に示す袋体(B)8であるスタンディング式パウチアルミニウム袋によって包装し、閉止適用部10をヒートシールして、全ての包装を完了して、合体袋体とした。
(評価)
全ての包装を完了して成る合体袋体から、油系懸濁農薬製剤5を排出し、油系懸濁農薬製剤5の排出量、全袋体内の残存油系懸濁農薬製剤5量および合体袋体内の洗浄回数から、油系懸濁農薬製剤5の付着状況を評価した。各評価方法は、下記のとおりである。
油系懸濁農薬製剤5の排出量:合体袋体中の油系懸濁農薬製剤5を十分混合した後、排出し、油系懸濁農薬製剤5が5秒間、滴下しなくなるまでの排出量を測定した。
残存油系懸濁農薬製剤5量:油系懸濁農薬製剤5の収容量と前記排出量との差により算出した。
洗浄回数:油系懸濁農薬製剤5を排出した後、水道水を注入して、10回、激しく倒立混合し、洗浄水を排出した。この操作を、油系懸濁農薬製剤5の付着が視認できなくなるまで繰り返し、その回数を洗浄回数とした。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
全袋体に代えて、ポリエチレン瓶を用いた以外は、実施例5と同様にし、実施例5に準じて評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
脂肪酸グリセリドと8−オキシキノリン銅との混合剤に代えて、8−オキシキノリン銅の水系懸濁農薬製剤のキノンドーフロアブル(アグロカネショウ社製)を用いた以外は、比較例2と同様にした。評価結果を表1に示す。
(比較例4)
8−オキシキノリン銅の水系懸濁農薬製剤のキノンドーフロアブルに代えて、ドキリンフロアブル(日本農薬社製)を用いた以外は、比較例3と同様にした。評価結果を表1に示す。
Figure 0004450713
(実施例6〜10)
実施例1〜5で得たそれぞれの合体袋体における袋体(B)8内から、それぞれ袋体(A)1を取り出して、ヒートシール部の一部を切除し、一部切除されたときに残る非ヒートシール部における外層非通水性フィルム6を引っ張ることによって、外層非通水性フィルム6を剥して除去した。外層非通水性フィルム6が除去された袋体を、それぞれ25Lの水の中に投入し、撹拌混合して、希釈された油系懸濁農薬製剤を調製した。いずれの場合も、この製剤は、常温で20秒間、撹拌混合するのみで調製することができた。
図1は、油系懸濁農薬製剤を収容した袋体(A)を示す図である。 図2は、袋体(A)を形成するミネートフィルムの縦断面を示す図である。 図3は、袋体(B)を示す図である。
符号の説明
1 袋体(A)
2 ラミネートフィルム
3 袋体(A)の開口部
4 ヒートシール適用部
5 油系懸濁農薬製剤
6 外層非通水性フィルム
7 内層水溶性フィルム
8 袋体(B)
9 袋体(B)の開口部
10 閉止適用部

Claims (4)

  1. 外層を形成する非通水性フィルムと内層を形成する水溶性フィルムとのラミネートフィルムにより製袋された袋体(A)に油系懸濁農薬製剤を収容した後、前記袋体(A)をヒートシールして密封し、次いで、前記ヒートシールして密封された袋体(A)を、別体の袋体(B)によって包装することを特徴とする油系懸濁農薬製剤の包装方法。
  2. 前記内層を形成する水溶性フィルムが、非通油性フィルムである請求項1に記載の油系懸濁農薬製剤の包装方法。
  3. 前記袋体(A)に収容される油系懸濁農薬製剤の収容量が、前記袋体(A)の最大収容量の1〜60%である請求項1または2に記載の油系懸濁農薬製剤の包装方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の油系懸濁農薬製剤の包装方法により包装された油系懸濁農薬製剤の使用方法であって、前記袋体(A)と前記袋体(B)とを分離し、次いで、分離された前記袋体(A)から前記外層を形成する非通水性フィルムを除去した後、前記外層を形成する非通水性フィルムが除去された袋体を希釈水に投入することを特徴とする油系懸濁農薬製剤の使用方法。
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