JP4449749B2 - 放射線検出装置およびその製造方法 - Google Patents

放射線検出装置およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4449749B2
JP4449749B2 JP2005000723A JP2005000723A JP4449749B2 JP 4449749 B2 JP4449749 B2 JP 4449749B2 JP 2005000723 A JP2005000723 A JP 2005000723A JP 2005000723 A JP2005000723 A JP 2005000723A JP 4449749 B2 JP4449749 B2 JP 4449749B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
underlayer
layer
pixels
radiation detection
scintillator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005000723A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006189296A (ja
Inventor
耕一 石田
敏 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2005000723A priority Critical patent/JP4449749B2/ja
Publication of JP2006189296A publication Critical patent/JP2006189296A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4449749B2 publication Critical patent/JP4449749B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Radiation (AREA)
  • Solid State Image Pick-Up Elements (AREA)
  • Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)

Description

本発明は、医療診断機器、非破壊検査機器等に用いられる放射線を電気信号として検出する放射線検出装置、及びその製造方法に関し、特に入射された放射線を一旦可視光に変換した後、この可視光の光量に基づいて電気信号に変換する間接変換方式によるFPDを用いた放射線検出装置及びその製造方法に関する。
近年、医用画像診断や非破壊検査等の放射線により取得した画像を利用する領域では、フィルムレス化とネットワーク化に伴い、取得画像のデジタル化が急速に進められており、この実現方法の一つとして被験体を透過した放射線を直接検出しデジタル情報として扱うことのできるフラットパネルディテクター(Flat Panel Detector: FPD)を利用した撮影方法が提案されている。このFPDを利用した放射線撮影システムの一例として、図19にFPDを利用したX線撮影システムの概念図を示す。
図19に示すように、被験体900を撮影するための撮影室901には、X線を放射するX線管904と、受信したX線を電気信号に変換するFPD903を備える撮像装置が備えられている。又、別室902には取得した画像を閲覧、保存、加工するためのコンピュータ905が設置されている。
X線管904からX線が放射されると、FPD903が披験体900を透過したX線を感知して、感知したX線信号を電気信号に変換する。この電気信号がデジタルデータとしてコンピュータ905に送られ、別室902に待機する利用者が撮像データを瞬時に確認できる。
又、このコンピュータ905に接続されたプリンター906から撮像データを出力することができるとともに、PACSシステム907が導入された医療施設であれば、このPACSのサーバに当該撮像データをアップロードすることによって、披験体900のX線撮像データを離れた場所から閲覧することができる。尚、PACSは近年導入されている医療画像の保存・伝送・検索の通信システムであり、最近では施設内だけでなく、施設間で医療画像の伝送・検索ができる構成のものも存在する。
ところで、上述のFPDは、検知されたX線を電気信号に変換する過程の違いによって、直接変換方式と間接変換方式に分類される。この違いについて以下に図面を参照して説明する。図20は、FPDの構成を示す概念的なブロック図である。
図20に示すFPD903は、センサ受像面の大きさのガラス基板913にマトリクス状に多数のスイッチング素子及び電荷蓄積素子を備えており、これらが集合してパネル912を構成している。そして、この内の一組のスイッチング素子915及び電荷蓄積素子916とによって、画素914が構成される。尚、このスイッチング素子としてアモルファスシリコン(a-Si)等で構成される薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor: TFT)が用いられている。
又、パネル912の上面にはX線を電気信号に変換するX線変換層911が設けられている。このX線変換層911によって変換された電気信号が電荷蓄積素子916に蓄積されて、縦横に配置されるゲートライン917によって指定された画素のスイッチング素子915がオン状態に制御されることで、このスイッチング素子915を介して出力される電気信号がデータライン918を通じて読み出される構成である。尚、図20中のX線変換層911を構成する構成要素によって上記直接変換方式と間接変換方式の2種類が存在する。
図21は、X線を電気信号に変換する方法として直接変換方式と間接変換方式を比較するためのブロック図である。図21(a)に直接変換方式を示し、図21(b)に間接変換方式を示している。
直接変換方式では、X線変換層911としてアモルファスセレン(a-Se)921が利用される。このアモルファスセレン921は、感知したX線の強弱に応じて一定量の電子と正孔を生成する性質を有しており、これによってX線が直接電気信号に変換される。又、このアモルファスセレン921には3000V程度の直流バイアス電圧が印加されており、この印加されるバイアスの極性に従って電気信号が画素電極に移動して、電荷蓄積素子916に蓄積される。そして、スイッチング素子915によってスイッチング制御されることでこの蓄積された電気信号が後段回路に読み出される。
一方、間接変換方式では、X線変換層911として、蛍光体925及び光電変換素子926が利用される。この光電変換素子926には、5〜10V程度の直流バイアスが印加されている。又、蛍光体925は、感知したX線の強弱に応じて一定量の光を生成する性質を有しており、この生成された光を光電変換素子926が受光することで、受光した光量に応じて一定量の電気信号が生成され、この生成された電気信号が電荷蓄積素子916に蓄積されて、スイッチング素子915によってスイッチング制御されることでこの蓄積された電気信号が後段回路に読み出される構成である。このとき、光電変換素子926としてフォトダイオードを用いる場合は、通常、フォトダイオードが電荷蓄積素子916を兼ねる。尚、入射されたX線が可視光に変換される現象をシンチレーションと呼び、このシンチレーションを発生させるために設けられる蛍光体925はシンチレータとも呼ばれる。
上述のように、直接変換方式の場合、X線変換層に対して3000V程度の高い直流バイアスを印加する必要があり、このバイアス電圧によって素子が壊れやすいという問題がある。又、X線を直接電気信号に変換することのできる材料として、上記アモルファスセレンの他、テルル化カドミウム(CdTe)等のごく僅かの限られた材料しか利用することができず汎用性に欠けるという点でも課題がある。更にX線変換層として利用されるa-SeやCdTe等の材質はいずれも人体に対して有毒であるため、環境の観点からも利用上の問題がある。
これに対して、間接変換方式の場合、フォトダイオードに必要な直流バイアスは数ボルト程度の低い電圧であり、高バイアスが必要とされる直接変換方式と比較した場合に構成素子が壊れやすいという問題は著しく低下する。又、変換層911に必要な構成要素である蛍光体925にはCsI、NaI等の汎用性の高い材料で構成することができるというメリットがある。
しかしながら、蛍光体925は、X線を感知すると蛍光子を発生させることによって可視光を出力する構成であるが、この蛍光子が蛍光体925内部で散乱するために、当該可視光が近接画素に入射されてしまい、受光面で像がぼけて解像度が低下する(クロストーク)という問題がある。
この問題を解決するため、パネル912上に構成される画素毎に複数の凸パターンを形成するとともに、この上にシンチレータの柱状結晶を形成することで、対応する画素毎に放射線入射による光の検出を可能にした放射線検出装置が提案されている(特許文献1、特許文献3参照)。
又、パネル912上に構成される画素に対応したピッチで予め凹状あるいは凸状のパターンを形成しておき、この上にシンチレータの柱状結晶を成長させることによってシンチレータの生成過程で選択的に亀裂を生じさせ、この亀裂によってシンチレータが画素毎に区切られることで、対応する画素毎に放射線入射による光の検出を可能にした放射線検出装置が提案されている(特許文献2参照)。
特開平5−93780号公報 特開平7−27863号公報 特開2001−128064号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献3による放射線検出装置によれば、凹凸形状を形成することで柱状結晶を画素毎に分離することはできても画素の境界部分で結晶同士が接してしまい、依然としてクロストークが存在するという問題がある。
又、特許文献2による放射線検出装置によれば、シンチレータ形成後に冷却工程で応力によって画像境界部分に亀裂を発生させるため、画素に対応した柱状結晶にも欠陥を発生させる場合があり、これによってシンチレータの性能を悪化させる可能性がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みて、シンチレータによって発生するクロストークを抑制し解像度を向上させることを可能とした放射線検出装置を提供することを目的とする。又、本発明は、このような放射線検出装置を製造する製造方法を提供することを別の目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明の放射線検出装置は、入射光量に応じた電気信号を発生する光電変換素子を備えるとともに2次元的に配置された複数の画素と、前記複数の画素を覆う下地層と、前記下地層上に形成されるとともに入射した放射線を可視光に変換するシンチレータと、を基板上に備える放射線検出装置であって、前記下地層が、表面の平坦性が高い第1下地層と、表面の平坦性が低い第2下地層と、で構成され、前記第1下地層が少なくとも前記光電変換素子上部領域を覆うとともに、前記第2下地層が少なくとも前記2次元的に配置された画素相互の境界領域を覆うことを特徴とする。
このように構成されることで、下地層上部に結晶成長するシンチレータの結晶成長状態に差異を設けることができるため、シンチレータで生成された可視光を透過させたくない画素境界領域に対しては結晶性を悪化させるとともに、可視光を透過させたい光電変換素子上部領域に対しては結晶性を良好にしておくことで、光電変換素子に対して近接画素から入射される可視光の光量を抑制することができる。
このとき、前記複数の画素が、前記光電変換素子からの電気信号を出力する出力線と、該出力線と前記光電変換素子との電気的な接離を行うスイッチング素子とを備え、前記第2下地層が、更に前記スイッチング素子上部領域を覆うものとしても構わない。
このように構成されることで、光電変換素子に対して近接画素から入射される可視光の光量を更に抑制することができる。
又、前記第1下地層が、前記基板表面を平坦化する平坦化層で構成されるものとしても構わない。
又、前記第2下地層が、前記第1下地層の表面に対して平坦性を低下させる処理を施されることによって得られるものとしても構わない。このとき、表面の平坦性を低下させる処理として、ArやNe等の不活性ガスをプラズマ状態にしてイオン化させた上でこのイオンを表面に叩きつける処理(物理的スパッタリング処理)を行うものとしても構わないし、H2やO2等の反応性ガスをプラズマ状態にしてイオン化させた上でこのイオンを表面に叩きつける処理(化学的スパッタリング処理)を行うものとしても構わないし、、薬剤に浸漬させて化学反応を起こすことで表面を融解する処理(化学的エッチング処理)を行うものとしても構わないし、層表面に対して紫外線あるいは高エネルギーパルス光(レーザー光)を照射させることによって表面を結晶化させて凹凸を大きくする処理を行うものとしても構わない。
又、前記第1下地層と前記第2下地層とが異なる材質で構成されるものとしても構わない。このとき、前記第1下地層が例えば感光性のポリイミドやアクリル系樹脂等で構成されており、前記第2下地層が例えばアモルファスシリコンやITOで構成されるものとしても構わない。
又、前記第2下地層が、前記光電変換素子と同一の材質で構成されるものとしても構わない。このとき、スイッチング素子上部に光電変換素子と同一の材質が積層されている場合には、この材質が有する遮光効果によってスイッチング素子に入射される光量が減少するため、シンチレータからの放射光がオフ状態のスイッチング素子に入射されたときにリーク電流が増加して当該スイッチング素子が誤動作を起こす現象を抑制することができる。
又、本発明の放射線検出装置の製造方法は、入射光量に応じた電気信号を発生する光電変換素子を備えるとともに2次元的に配置された複数の画素と、前記複数の画素を覆う下地層と、前記下地層上に形成されるとともに入射した放射線を可視光に変換するシンチレータと、を基板上に備える請求項1に記載の放射線検出装置の製造方法であって、前記基板上に前記複数の画素を形成する第1工程と、少なくとも前記第1工程で形成された前記複数の各画素が備える前記光電変換素子上部領域を覆うように前記第1下地層を積層する第2工程と、少なくとも前記第1工程で形成された前記複数の各画素相互の境界領域上部を覆うように前記第2下地層を積層する第3工程と、前記第2工程で積層された前記第1下地層上及び前記第3工程で積層された前記第2下地層上に前記シンチレータを形成する第4工程と、から構成されることを特徴とする。
このとき、前記第3工程において、前記第1工程で形成された前記複数の各画素相互の境界領域上部に加えて更に前記スイッチング素子上部領域を覆うように前記第2下地層を積層するものとしても構わない。
又、本発明の放射線検出装置の製造方法が、前記第1下地層の表面に対してスパッタリング処理を施して前記第1下地層の表面の平坦性を低下させることで前記第2下地層を形成する第5工程を備えるものとしても構わないし、前記第1下地層の表面に対して化学的エッチング処理を施して前記第1下地層の表面の平坦性を低下させることで前記第2下地層を形成する第5工程を備えるものとしても構わないし、前記第1下地層の表面に対してレーザー光を照射して物性を変化させて前記第1下地層の表面の平坦性を低下させることで前記第2下地層を形成する第5工程を備えるものとしても構わない。
本発明の放射線検出装置によれば、画素上部のシンチレータ層の結晶成長状態と比較して隣接画素との境界領域上部に結晶成長するシンチレータ層の結晶成長状態が低下しており、当該箇所のシンチレータ層は光を透過させる透過能力が低く、画素上部のシンチレータ層で生成された可視光の内、境界領域を透過して隣接画素を構成する光電変換素子に入射される光量の割合を低下させることができるため、クロストークを抑制する効果を有する。
従って、本発明の放射線検出装置によって取得された画像は、従来構成の放射線検出装置によって取得された画像と比較して、高い解像度を実現することができる。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態で利用されるFPDの模式的外観図である。
図1に示すFPD1は、ガラス基板2の上にマトリクス状に配置された複数の画素5を備える。この画素5は、フォトダイオード6と薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT、以下では「TFT」と称する)7とを備える。フォトダイオード6は、受光した光の光量に応じた電気信号を発生する光電変換機能を備えるとともに、この発生した電気信号を蓄積する電荷蓄積機能も有する。又、TFT7は与えられる電気信号に応じてオンオフ制御が可能なスイッチング素子を構成する。
このTFT7は、ゲートライン8が接続されており、ゲートライン8を通じて制御信号が与えられることでスイッチング制御される構成である。又、データライン9がTFT7と接続されており、ゲートライン8によってTFT7がオン状態になると、フォトダイオード6に蓄積された電気信号がTFT7を介してデータライン9から出力される構成である。
ところで、ガラス基板2上に形成される画素5を構成する各構成素子(フォトダイオード6、TFT7、ゲートライン8、データライン9等)は、それぞれ層の厚さが異なるため、画素5を構成するガラス基板2上面には凹凸が形成される。図1に示すFPD1は、このガラス基板2上面に形成される凹凸を平坦化させるための平坦化層3が積層されている。この平坦化層3は、ガラス基板2上部の平坦化を行うとともに、画素5を構成する構成素子を保護する役目も備えており、例えばスピンコート技術を用いて感光性のポリイミドやアクリル系樹脂等を塗布することで形成される。更に、この平坦化層3の上部には例えばヨウ化セシウム(CsI)が蒸着されてシンチレータ層4が形成される。このシンチレータ層4は、入射された放射線を可視光に変換する機能を備える。このFPD1のガラス基板2上に形成されるマトリクス状に配置された各画素が構成する回路ブロック図を図2に示す。
図2(a)は、ガラス基板2上に配置された各画素が構成するブロック図を表しており、この内の一画素5−11を図2(b)に拡大して示す。この画素5−11〜5−mnは、m行×n列のマトリクス状に配置された複数の画素を示しており、図1における画素5はこの内の一画素を表したものである。
各画素は、外部電源より逆バイアス電圧が印加されるフォトダイオードと、フォトダイオードにソース電極が接続されるTFTとで構成される。画素5−11に着目すると、外部電源よりバイアスライン16を介してアノードに逆バイアス電圧が印加されるフォトダイオード6−11と、このフォトダイオード6−11のカソードにソース電極が接続されるTFT7−11とで構成されている。尚、図2(a)に示される他の各画素5−12〜5−mnについても図2(b)と同様の構成を示すものとし、このとき例えば画素5−12は、フォトダイオード6−12とTFT7−12とを備え、画素5−mnは、フォトダイオード6−mnとTFT7−mnとを備えるものとする。
又、各TFTのゲート電極にはゲートラインが接続され、このゲートラインを介してTFT駆動回路12からの電気信号が各TFTのゲート電極に与えられる。このゲートラインは、行方向に並列に並べられた複数のライン8−1〜8−mで構成されており、同一行に配置された画素に対しては同一行のゲートラインから電気信号が与えられる。例えば、画素5−11〜5−1nの各画素に対しては、ゲートライン8−1からの電気信号が与えられる。
又、各TFTのドレイン電極にはデータラインが接続され、このデータラインを介してTFTから出力される電気信号が信号処理回路11に与えられる。このデータラインは、列方向に並列に並べられた複数のライン9−1〜9−nで構成されており、同一列に配置された画素から同一列のデータラインに対して電気信号が出力される。例えば、画素5−11〜5−m1の各画素においては、データライン9−1を介して信号処理回路11に出力される。
TFT駆動回路12は、所定の時間間隔で出力先を変更しながらパルス信号を出力する回路であり、このパルス信号をゲートライン8−1〜8−mに対して順次出力する。又、信号処理回路11は、データライン9−1〜9−nより入力される電気信号に対して増幅やノイズ除去等の所定の演算処理を行う回路であり、演算処理が行われた電気信号が各ライン毎に選択的に出力される。尚、この信号処理回路11から出力された電気信号に対して、更に画像出力のためのA/D変換等の信号処理が行われるものとしても良い。
例えば、TFT駆動回路12がゲートライン8−1に対してパルス信号を出力すると、画素5−11〜5−1nを構成する各TFTのゲート電極に当該パルス信号が与えられて、各TFTがON状態に制御される。そして、これらの各画素を構成するフォトダイオード6−11〜6−1nに蓄積されている電荷が電気信号としてそれぞれデータライン9−1〜9−nを介して信号処理回路11に入力される。そして、信号処理回路11において、各データライン9−1〜9−nから入力される電気信号に対して増幅やノイズ除去等の所定の信号処理を施された後、順次各ライン毎に選択的に出力される。尚、このとき、信号処理回路11がマルチプレクサ回路を備えており、このマルチプレクサ回路によって選択されたラインの電気信号が信号処理回路11から出力されるものとしても構わない。
このようにして、画素5−11〜5−1nを構成するフォトダイオード6−11〜6−1nに蓄積された各電気信号が、所定の信号処理を施された後信号処理回路11から出力されると、TFT駆動回路12からの出力パルスによってゲートライン8−2に接続される画素5−21〜5−2nを構成する各フォトダイオード6−21〜6−2nに蓄積された電気信号の読み出しに移行する。このようにTFT駆動回路12及び信号処理回路11によって、各画素を構成するフォトダイオード6−11〜6−mnに蓄積された電気信号が順次出力される構成である。このようにマトリクス状に配置された複数の画素の内の一画素を上面から見たときのレイアウト図を図3に示す。
図3は、m行×n列のマトリクス状に配置された複数の画素の内の一つの画素5を上面から見たときのレイアウト図である。画素5は、フォトダイオード6とTFT7とを備えるとともに、フォトダイオード6にバイアスを印加するバイアスライン16と、TFT7のゲート電極に電気信号を与えるゲートライン8と、TFT7のドレイン電極から電気信号が出力されるデータライン9とで構成される。尚、このフォトダイオード6の上部には可視光を透過する導電体である透明電極31が設けられており、バイアスライン16からの電気信号がコンタクト部21から透明電極31に与えられることで、フォトダイオード6の両端に電圧が発生する仕組みである。この透明電極31としては、例えばインジウム−スズ酸化物で構成されるITOが利用される。
TFT7は、ソース部23とドレイン部24を備え、このドレイン部24とデータライン9とがコンタクト部22で電気的に接続される。そして、ソース部23とドレイン部24の間にはチャネル部25が形成されており、このチャネル部25の下部にゲート部26が備えられる。又、このゲート部26は、ゲートライン8と電気的に接続される構成である。このように構成される画素5を図3中のラインA−A’で切断した時の断面図を図4に示す。
図4に示される画素5は、n型アモルファスシリコン層43、i型アモルファスシリコン層42、p型アモルファスシリコン層41によって構成されるpin型フォトダイオード6と、透明電極31と、ゲート電極32と、ドレイン電極33と、ソース電極34と、ゲート絶縁膜35と、チャネル層36と、オーミックコンタクト層37と、エッチングストップ層38と、層間絶縁膜39とを有する。又、透明電極31がコンタクト部21によってバイアスライン16と電気的に接続されており、ドレイン電極33がコンタクト部22によってデータライン9と電気的に接続される。尚、図4では、点線によって層間絶縁膜39が2層構造であるように示されているが、これは後述する画素形成過程の説明において、フォトダイオード6を形成する前に積層した層間絶縁膜39と、フォトダイオード6を形成後に積層した層間絶縁膜39とを区別するために便宜上示したものである。
以下に、画素5を形成する過程について図面を参照して説明する。図5〜図9は、図4に示される画素5を形成する一過程の状態を示す図である。尚、図10〜図12は、図4に示される構成の画素5が形成された後、平坦化層3及びシンチレータ層4を積層する過程を説明するための図である。
まずガラス基板2上にゲート電極32を配置する(図5)。このゲート電極32には、AlやMo−Ta等の材料が利用される。又、上述のようにこのゲート電極32はゲートライン8と電気的に接続される構成である。次に、ゲート電極32を覆うようにゲート絶縁膜35を設置する(図6)。このゲート絶縁膜35は、ゲート電極32と他のドレイン電極33及びソース電極34とを絶縁するために設けられるものであり、SiNx等の材料が利用される。尚、このゲート絶縁膜35を例えばアルミニウム酸化膜とSiNxの2層で構成するものとしても良い。このように2層構造とすることで、ピンホール等の製造上の欠陥を予防する効果がある。尚、以下の各図においては、煩雑さを回避するためにゲートライン8の図示を省略する。
次に、ゲート絶縁膜35の上部にチャネル層36を積層し、さらにその上部にエッチングストップ層38を積層する(図7)。このエッチングストップ層38は、ゲート絶縁膜35と同様にSiNxで構成されるものとしても良い。このエッチングストップ層38は、ドレイン電極33及びソース電極34を形成する時やエッチングによりパターニングするときにチャネル層36に対してダメージが与えられるのを防止する効果がある。又、チャネル層36を例えばi型アモルファスシリコン層で構成するものとしても構わない。
次に、チャネル層36の上部のドレイン電極33及びソース電極34を構成する箇所に、オーミックコンタクト層37を積層した後、オーミックコンタクト層37の上部にドレイン電極33及びソース電極34を形成する(図8)。このドレイン電極33及びソース電極34は、ゲート電極32と同様にAlやMo−Ta等の材料が利用される。又、このオーミックコンタクト層37は、例えば高濃度n型アモルファスシリコン層で形成され、チャネル層36上部に積層されることで、金属で構成されるドレイン電極33、ソース電極34とチャネル層36とのオーミック接触を容易にする効果がある。
次に、層間絶縁膜39を画素全体に積層させた後、ドレイン電極33とデータライン9をコンタクト部22によって電気的に接続するとともに、ソース電極34の上部にn型アモルファスシリコン層43、i型アモルファスシリコン層42、p型アモルファスシリコン層41を順次積層してpinフォトダイオード6を形成し、更にp型アモルファスシリコン層41の上部に透明電極31を配置した後、この透明電極31とバイアスライン16とをコンタクト部21によって電気的に接続する(図9)。このとき、層間絶縁膜39を積層する際に、予めコンタクト部22とドレイン電極33との電気的接続点が形成できるようにコンタクトホールを作成しておくものとしても構わないし、フォトダイオード6を形成する領域の層間絶縁膜39をエッチングにより除去した後、ソース電極34上部にフォトダイオード6を構成するアモルファスシリコン層41〜43を形成させるものとしても構わない。
更に、このとき、フォトダイオード6を形成するアモルファスシリコン層41〜43を、水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)で構成するものとしても構わない。又、層間絶縁膜39が、上述のゲート絶縁膜35及びエッチングストップ層38と同様にSiNxで形成されるものとしても構わない。このようにして画素5の構成要素であるフォトダイオード6及びTFT7が配置される。
このように配置されたフォトダイオード6及びTFT7は、上述のように層の構成が異なるため、ガラス基板2上での表面段差が生じる。このため、まず画素全体に更に層間絶縁膜39を積層してデバイスの安定化を図った上で(図4)、平坦化層3を積層して画素表面を平坦化する(図10)。このとき、平坦化層3は、上述のようにスピンコート技術を用いて感光性のポリイミドやアクリル系樹脂等を塗布することで形成されるものとしても構わない。
このようにして平坦化層3が積層された状態で、各画素5相互の境界領域であるゲートライン8上部及びデータライン9上部に位置する平坦化層3の平坦性を低下させる処理を施す。このとき、平坦性を低下させない領域に対してはフォトレジスト等でマスキングして保護を行う(図11)。この平坦性を低下させる処理としては、例えばArやNe等の不活性ガスをプラズマ状態にしてイオン化させた上でこのイオンを表面に叩きつける処理(物理的スパッタリング処理)、H2やO2等の反応性ガスをプラズマ状態にしてイオン化させた上でこのイオンを表面に叩きつける処理(化学的スパッタリング処理)、薬剤に浸漬させて化学反応を起こすことで表面を融解する処理(化学的エッチング処理)、平坦化層表面に対して紫外線あるいは高エネルギーパルス光(レーザー光)を照射させることによって表面を結晶化させて凹凸を大きくする処理等がある。この処理を施すことにより、フォトダイオード6上部及びTFT7上部以外のマスキングされていない領域に位置する平坦化層3の平坦性がフォトダイオード6上部及びTFT7上部に位置する平坦化層3の平坦性に比して低下する。
尚、この処理によって平坦化層3の平坦性が低下される領域はマトリクス状に配置された各画素5相互の境界領域であり、具体的にはゲートライン8上部及びデータライン9上部に位置する平坦化層3の領域の平坦性を低下させるものとしても構わない。即ち、少なくとも画素5相互の境界領域に位置する平坦化層3の平坦性を低下させれば良く、従って例えばこの境界領域に加えてTFT7上部領域の平坦化層3の平坦性を低下させるものとしても構わない。
上述の平坦化層3の表面状態を低下させる処理を施した後、この平坦化層3の上部にシンチレータ層4を蒸着または気相成長等により結晶成長させる(図12)。シンチレータ層4は、入射された放射線を可視光に変換する機能を備える材料で構成されており、例えば少量のタリウムを不純物として含むCsI、NaI等が利用される。尚、以下ではシンチレータ層4がCsIで構成されるものとして説明する。
CsIは、その結晶が柱状に成長する特徴を備えるとともに、CsIを結晶成長させる表面に凹凸が存在する場合には、その領域でCsIの結晶成長が悪化して結晶性に乱れが発生することが知られている。CsIの結晶性に乱れが生じると、入射された放射線が変換されて生じた可視光を当該CsI下部に透過させる透過能力が低下する。
このため、上述のように平坦化層3の表面状態に差異をつけた状態で当該平坦化層3の上部にCsIを結晶成長させることにより、平坦性の高い領域では結晶成長状態の優れたシンチレータ層4aが形成される一方、平坦性の低い領域では結晶成長状態が悪く結晶性に一定の乱れを伴うシンチレータ層4bが形成される。
このように構成される画素5上部のシンチレータ層4に放射線が入射されると、シンチレータ層4によって当該放射線が可視光に変換される。このとき、当該可視光は、透過能力が高い状態であるシンチレータ層4aの領域内では高効率を維持したまま伝送される一方、透過能力が低い状態であるシンチレータ層4bの領域内では光量が減衰して伝送される光量は減少する。即ち、シンチレータ層4aを透過してシンチレータ層4a下部に配置されたフォトダイオード6に伝送される可視光は、そのほとんどが当該フォトダイオード6を構成する画素5の領域に入射した放射線が変換されて生成された可視光で構成され、画素5に隣接する画素領域に入射した放射線が変換されて生成された可視光がシンチレータ層4bを透過することで画素5領域のシンチレータ層4a内部に伝送された可視光を含む割合は大きく減少するため、クロストークを抑制することができる。又、このように構成されるFPDを利用することで、従来構造のFPDに比して取得画像の解像度を向上させることが可能となる。
尚、本発明のFPDは、フォトダイオード6及びTFT7が配置される上部以外の領域に結晶成長させるシンチレータの結晶成長状態を、フォトダイオード6及びTFT7が配置される上部の領域に結晶成長させるシンチレータの結晶成長状態と比較して悪化させることで、隣接画素のフォトダイオード6に入射する可視光の光量を抑制する構成であり、この結晶成長状態の差異の実現方法は本実施例に限られない。例えば、フォトダイオード6及びTFT7が配置される上部以外の領域の平坦化層3の上面に、表面粗度の高い材質を積層した上でシンチレータを結晶成長させる構成としても構わない。このとき、異なる材質を形成する場合には、フォトリソグラフィーを用いてパターニングした後、エッチングにより対象領域以外に積層された当該材質を除去することによって形成する。例えばアモルファスシリコンやITOを境界領域上部のシンチレータ層4の下地層として平坦化層3の上に更に積層し、新たに積層された上面と平坦になるように他の領域に対しては平坦化層3を積層することで、境界領域上部と他の領域とで材質の異なる層を形成し、この上面にシンチレータ層4を結晶成長させることで、シンチレータ層4の結晶性に差異を設けるものとしても構わない。尚、ガラス基板2上に各層を積層する手順についてもこの方法に限られるものではない。
又、上述では、フォトダイオード6及びTFT7が配置される上部以外の領域に位置する平坦化層3の表面状態を低下させるものとしたが、本発明においては、少なくともフォトダイオード6上部領域についての平坦化層3の表面状態の平坦性を良好にするとともに、少なくとも画素境界領域上部についての平坦化層3の表面状態の平坦性を低下させればよく、従って画素境界領域上部に加えて、TFT7の上部領域の平坦化層3の表面状態についても低下させるものとしても構わない。
又、本実施形態において、表面状態の平坦性を低下させない領域にフォトレジストによるマスキングを施すことで保護を行うものとしたが、このとき表面状態の平坦性を低下させる画素境界領域においてフォトレジストを完全に除去せずに残渣を残した状態でシンチレータ層を積層させるものとしても構わない。このようにすることで、当該領域のシンチレータ層4の結晶性の悪化が顕著になる。
又、上述において、シンチレータ層4を結晶成長させた後、当該シンチレータ層4上部にシンチレータ保護層51を積層させるものとしても構わない(図13)。このシンチレータ保護層51は、シンチレータ層4の耐湿目的で積層され、例えばポリイミドで形成される。更に、図13に示すように、シンチレータ保護層51上部に迷光防止層52を成膜しても良い。この迷光防止層52は、例えばアルミニウム膜で構成され、下部に位置するシンチレータ層4で生成された可視光が入射されると、当該入射光を反射させる機能を有しており、これによってシンチレータ層4上部領域に可視光が放射される光量を抑制することができる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。図14〜図18は、第2の実施形態における画素5aを形成する過程及び画素5a上部に平坦化層3、シンチレータ層4、シンチレータ保護層51、迷光防止層52を積層する過程を説明するための一状態図である。尚、図14〜図18において、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。又、本実施形態は、第1の実施形態で説明した画素5の上部にシンチレータ4を積層するまでの製造過程(図4〜図13)の内の一部の過程が異なる形態であり、以下では第1の実施形態と異なる箇所のみの説明を行う。
本実施形態における画素5aは、第1の実施形態における画素5を形成する過程において、ガラス基板2上にTFT7が形成されると(図8)、層間絶縁膜39を画素全体に積層させた後、ドレイン電極33とデータライン9をコンタクト部22によって電気的に接続するとともに、ソース電極34の上部と、TFT7上部及びデータライン9上部を含む領域に積層されている層間絶縁膜39上部にn型アモルファスシリコン層、i型アモルファスシリコン層、p型アモルファスシリコン層を積層する(図14)。このとき、層間絶縁膜39を積層する際に、予めフォトダイオード6とソース電極34との電気的接続点及びコンタクト部22とドレイン電極33との電気的接続点が形成できるようにコンタクトホールを作成しておくものとしても構わない。即ち、ソース電極34上部にはフォトダイオード6が形成されるとともに、TFT7上部及びデータライン9上部を含む領域に積層されている層間絶縁膜39上部にはフォトダイオード6と同様の層構成をしたアモルファスシリコン層が積層される。尚、図14中、n型アモルファスシリコン層43、i型アモルファスシリコン層42、p型アモルファスシリコン層41がフォトダイオード6を形成するアモルファスシリコン層であり、n型アモルファスシリコン層43a、i型アモルファスシリコン層42a、p型アモルファスシリコン層41aが、後述するようにシンチレータ層4を結晶成長させる下地層を形成するアモルファスシリコン層である。
尚、このとき、少なくともフォトダイオード6を形成する領域に積層される層間絶縁膜39をエッチングにより除去した後、フォトダイオード6を構成するアモルファスシリコン層を画素上に積層させるものとしても構わない。又、フォトダイオード6を形成するアモルファスシリコン層41〜43と、TFT7上部及びデータライン9上部を含む領域に積層されている層間絶縁膜39上部に積層されるアモルファスシリコン層41a〜43aとは電気的に接続されていないものとして良い。
図14に示すように、アモルファスシリコン層41a〜43aはTFT7上部を覆う層間絶縁膜39上に積層されているため、フォトダイオード6を形成するために積層されたアモルファスシリコン層41〜43と比較して高い位置に形成される。
この状態の下で、p型アモルファスシリコン層41の上部に透明電極31を配置した後、この透明電極31とバイアスライン16とを電気的に接続する。そして、再び画素全体に対して層間絶縁膜39を積層する(図15)。更にこの状態の下で、p型アモルファスシリコン層41a上部に積層された層間絶縁膜39のみエッチングにより除去を行った後、平坦化層3を積層させて画素全体の平坦化を行う(図16)。即ち、アモルファスシリコン層41aの高さ位置まで平坦化層3を積層させる。このとき、一部の平坦化層3がアモルファスシリコン層41aに積層された場合に、このアモルファスシリコン層41a以外の領域をマスキングしておくとともに、アモルファスシリコン層41a上部に積層された平坦化層3に光を照射することで当該領域に積層された平坦化層3のみを除去するものとしても構わない。
そして、図16に示すように平坦化層3を積層させて画素表面の平坦化を行った後、この平坦化された画素表面上にシンチレータ層4を結晶成長させる(図17)。このとき、シンチレータ層4は、平坦化層3上部及びアモルファスシリコン層41a上部において結晶成長が行われるが、平坦化層3はアモルファスシリコン層41aと比較して平坦性が優れているため、平坦化層3上部では結晶成長状態の優れたシンチレータ層4aが形成される一方、アモルファスシリコン層41a上部では結晶成長状態が悪く結晶性に一定の乱れを伴うシンチレータ層4bが形成される。
従って、このように構成される画素5に放射線が入射されると、第1の実施形態の場合と同様に、シンチレータ層4によって生成された可視光は、透過能力が高い状態であるシンチレータ層4aの領域内では高効率を維持したまま伝送される一方、透過能力が低い状態であるシンチレータ層4bの領域内では光量が減衰して伝送される光量は減少する。即ち、シンチレータ層4aを透過してシンチレータ層4a下部に配置されたフォトダイオード6に伝送される可視光は、そのほとんどが当該フォトダイオード6を構成する画素5の領域に入射した放射線が変換されて生成した可視光で構成され、画素5に隣接する画素領域に入射した放射線が変換された生成した可視光がシンチレータ層4bを透過することで画素5領域のシンチレータ層4a内部に伝送された可視光を含む割合は大きく減少するため、クロストークを抑制することができる。又、このように構成されるFPDを利用することで、従来構造のFPDに比して取得画像の解像度を向上させることが可能となる。
更に、本実施形態の構成によれば、TFT7上部にアモルファスシリコン層41a〜43aが積層されており、このアモルファスシリコン層が有する遮光効果によって、TFT7に入射される光量が減少するため、シンチレータからの放射光がオフ状態のスイッチング素子に入射されたときにリーク電流が増加して当該スイッチング素子が誤動作を起こす現象を抑制することができる。
尚、本実施形態において、上述では層間絶縁膜39上に平坦化層3を形成して画素全体の平坦化を行った後、シンチレータ層の積層を行うものとしたが、層間絶縁膜39をアモルファスシリコン層41aの高さ位置まで積層させることで画素全体の平坦化を行った上でシンチレータ層の積層を行うものとしても構わない。
又、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、TFT7上部に積層されているアモルファスシリコン層41aの表面の平坦性を更に低下させるためのスパッタリング等の各種処理を施すものとしても構わない。
又、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、表面状態の平坦性を低下させる領域においてはフォトレジストを完全に除去せずに一部残渣を残したまま、当該上層にシンチレータ層4を積層させるものとしても構わない。このようにすることで、当該領域のシンチレータ層4の結晶性の悪化が顕著になる。
又、上述ではアモルファスシリコン層41a上部にシンチレータ層を形成させることでシンチレータ層の結晶性を悪化させたが、p型アモルファスシリコン層41上部に透明電極31を形成する際に、アモルファスシリコン層41a上部にも当該透明電極を形成し、この透明電極上にシンチレータ層4を結晶成長させることで結晶性を悪化させるものとしても構わない。更に、シンチレータ層4の結晶性を悪化させる領域を、上述ではTFT7上部及びゲートライン9上部を含む領域としたが、第1の実施形態と同様に、少なくとも隣接画素との境界領域上部のシンチレータ層4の結晶性を悪化させれば良い。即ち、隣接画素との境界領域上部にアモルファスシリコン層41a〜43aを積層させるものとし、当該アモルファスシリコン層上部にシンチレータ層4を結晶成長させることによって、画素境界領域上部に位置するシンチレータ層4の結晶性を悪化させるものとしても構わない。
又、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、シンチレータ層4を結晶成長させた後、当該シンチレータ層4上部にシンチレータ保護層51を積層させるものとしても構わない(図18)。このシンチレータ保護層51は、シンチレータ層4の耐湿目的で積層され、例えばポリイミド等で形成される。更に、図18に示すように、シンチレータ保護層51上部に迷光防止層52を成膜しても良い。この迷光防止層52は、例えばアルミニウム膜で構成され、下部に位置するシンチレータ層4で生成された可視光が入射されると、当該入射光を反射させる機能を有しており、これによってシンチレータ層4上部領域に可視光が放射される光量を抑制することができる。
本発明の放射線検出装置は、放射線によって披験物を撮影し、取得された画像を用いて分析を行う医療診断機器、非破壊検査機器等の画像分析装置に好適に利用され得る。
は、本発明におけるFPDの模式的外観図である。 は、マトリクス状に配置された画素が構成する回路ブロック図である。 は、一画素を上面から見たときのレイアウト図である。 は、一画素の断面図である は、図4に示される画素を形成する一過程を示す図である。 は、図4に示される画素を形成する別の一過程を示す図である。 は、図4に示される画素を形成する更に別の一過程を示す図である。 は、図4に示される画素を形成する更に別の一過程を示す図である。 は、図4に示される画素を形成する更に別の一過程を示す図である。 は、画素形成後シンチレータ層を積層するまでの一過程を示す図である。 は、画素形成後シンチレータ層を積層するまでの別の一過程を示す図である。 は、画素形成後シンチレータ層を積層するまでの更に別の一過程を示す図である。 は、シンチレータ層を積層後にシンチレータ保護層及び迷光防止層を積層する過程を示す図である。 は、第2の実施形態において画素を形成する一過程を示す図である。 は、第2の実施形態において画素形成後シンチレータ層を積層するまでの一過程を示す図である。 は、第2の実施形態において画素形成後シンチレータ層を積層するまでの別の一過程を示す図である。 は、第2の実施形態において画素形成後シンチレータ層を積層するまでの別の一過程を示す図である。 は、第2の実施形態においてシンチレータ層を積層後にシンチレータ保護層及び迷光防止層を積層する過程を示す図である。 は、FPDによるX線撮影システムの概念図である。 は、FPDの構成を示す概念的なブロック図である。 は、直接変換方式と間接変換方式を比較するためのブロック図である。
符号の説明
1 FPD
2 ガラス基板
3 平坦化層
4、4a、4b シンチレータ層
5、5a、5−11〜5−mn 画素
6、6−11〜6−mn フォトダイオード
7、7−11〜7mn TFT
8、8−1〜8−m ゲートライン
9、9−1〜9−n データライン
11 信号処理回路
12 TFT駆動回路
16 バイアスライン
21 コンタクト部
22 コンタクト部
23 ソース部
24 ドレイン部
25 チャネル部
26 ゲート部
31 透明電極
32 ゲート電極
33 ドレイン電極
34 ソース電極
35 ゲート絶縁膜
36 チャネル層
37 オーミックコンタクト層
38 エッチングストップ層
39 層間絶縁膜
41、41a p型アモルファスシリコン層
42、42a i型アモルファスシリコン層
43、43a n型アモルファスシリコン層
51 シンチレータ保護層
52 迷光防止層
900 被験体
901 撮影室
902 別室
903 FPD
904 X線管
905 コンピュータ
906 プリンタ
907 PACSシステム
911 X線変換層
912 パネル
913 ガラス基板
914 画素
915 スイッチング素子
916 電荷蓄積素子
917 ゲートライン
918 データライン
921 アモルファスセレン
922 直流バイアス
925 蛍光体(シンチレータ)
926 光電変換素子

Claims (13)

  1. 入射光量に応じた電気信号を発生する光電変換素子を備えるとともに2次元的に配置された複数の画素と、前記複数の画素を覆う下地層と、前記下地層上に形成されるとともに入射した放射線を可視光に変換するシンチレータと、を基板上に備える放射線検出装置であって、
    前記下地層が、表面の平坦性が高い第1下地層と、表面の平坦性が低い第2下地層と、で構成され、
    前記第1下地層が少なくとも前記光電変換素子上部領域を覆うとともに、前記第2下地層が少なくとも前記2次元的に配置された画素相互の境界領域上部を覆うことを特徴とする放射線検出装置。
  2. 前記複数の画素が、前記光電変換素子からの電気信号を出力する出力線と、該出力線と前記光電変換素子との電気的な接離を行うスイッチング素子とを備え、
    前記第2下地層が、更に前記スイッチング素子上部領域を覆うことを特徴とする請求項1に記載の放射線検出装置。
  3. 前記第1下地層が、前記基板表面を平坦化する平坦化層で構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放射線検出装置。
  4. 前記第2下地層が、前記第1下地層の表面に対してスパッタリング処理を施して平坦性を低下させて得られたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の放射線検出装置。
  5. 前記第2下地層が、前記第1下地層の表面に対して化学的エッチング処理を施して平坦性を低下させて得られたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の放射線検出装置。
  6. 前記第2下地層が、前記第1下地層の表面に対してレーザー光を照射して膜質を変化させることで平坦性を低下させて得られたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の放射線検出装置。
  7. 前記第1下地層と前記第2下地層とが異なる材質で構成されることを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれかに記載の放射線検出装置。
  8. 前記第2下地層が、前記光電変換素子と同一の材質で構成されることを特徴とする請求項2〜請求項7のいずれかに記載の放射線検出装置。
  9. 入射光量に応じた電気信号を発生する光電変換素子を備えるとともに2次元的に配置された複数の画素と、前記複数の画素を覆う下地層と、前記下地層上に形成されるとともに入射した放射線を可視光に変換するシンチレータと、を基板上に備える請求項1に記載の放射線検出装置の製造方法であって、
    前記基板上に前記複数の画素を形成する第1工程と、
    少なくとも前記第1工程で形成された前記複数の各画素が備える前記光電変換素子上部領域を覆うように前記第1下地層を積層する第2工程と、
    少なくとも前記第1工程で形成された前記複数の各画素相互の境界領域上部を覆うように前記第2下地層を積層する第3工程と、
    前記第2工程で積層された前記第1下地層上及び前記第3工程で積層された前記第2下地層上に前記シンチレータを形成する第4工程と、から構成される放射線検出装置の製造方法。
  10. 前記第3工程において、前記第1工程で形成された前記複数の各画素相互の境界領域上部に加えて更に前記スイッチング素子上部領域を覆うように前記第2下地層を積層することを特徴とする請求項9に記載の放射線検出装置の製造方法。
  11. 前記第1下地層の表面に対してスパッタリング処理を施して前記第1下地層の表面の平坦性を低下させることで前記第2下地層を形成する第5工程を備えることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の放射線検出装置の製造方法。
  12. 前記第1下地層の表面に対して化学的エッチング処理を施して前記第1下地層の表面の平坦性を低下させることで前記第2下地層を形成する第5工程を備えることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の放射線検出装置の製造方法。
  13. 前記第1下地層の表面に対してレーザー光を照射して物性を変化させて前記第1下地層の表面の平坦性を低下させることで前記第2下地層を形成する第5工程を備えることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の放射線検出装置の製造方法。
JP2005000723A 2005-01-05 2005-01-05 放射線検出装置およびその製造方法 Expired - Fee Related JP4449749B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005000723A JP4449749B2 (ja) 2005-01-05 2005-01-05 放射線検出装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005000723A JP4449749B2 (ja) 2005-01-05 2005-01-05 放射線検出装置およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006189296A JP2006189296A (ja) 2006-07-20
JP4449749B2 true JP4449749B2 (ja) 2010-04-14

Family

ID=36796657

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005000723A Expired - Fee Related JP4449749B2 (ja) 2005-01-05 2005-01-05 放射線検出装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4449749B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5286691B2 (ja) 2007-05-14 2013-09-11 三菱電機株式会社 フォトセンサー
JP5441798B2 (ja) * 2010-04-07 2014-03-12 キヤノン株式会社 放射線検出素子の製造方法及び放射線検出素子
JP5874201B2 (ja) * 2011-05-30 2016-03-02 ソニー株式会社 放射線撮像装置および放射線撮像表示システム
KR102157250B1 (ko) * 2012-03-20 2020-09-17 에이에스엠엘 네델란즈 비.브이. 리소그래피 장치, 센서 및 리소그래피 방법
CN104681655A (zh) * 2015-01-12 2015-06-03 京东方科技集团股份有限公司 一种探测基板及其制备方法、探测器
US9905607B2 (en) * 2015-07-28 2018-02-27 General Electric Company Radiation detector fabrication

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006189296A (ja) 2006-07-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5280671B2 (ja) 画像検出器および放射線検出システム
US9806123B2 (en) Image sensor and manufacturing method thereof
JP5043374B2 (ja) 変換装置、放射線検出装置、及び放射線検出システム
JP5043373B2 (ja) 変換装置、放射線検出装置、及び放射線検出システム
US9158003B2 (en) Multi-energy radiation detectors and methods of manufacturing the same
US20100054418A1 (en) X-ray detecting element
US8067743B2 (en) Imaging apparatus and radiation imaging apparatus
US7468531B2 (en) Imaging apparatus and radiation imaging apparatus
US20100051820A1 (en) X-ray detecting element
EP1933381B1 (en) Image signal readout method and apparatus, and image signal readout system
US7429723B2 (en) Conversion apparatus, radiation detection apparatus, and radiation detection system
US20100072383A1 (en) Radiation detecting element
US20130264485A1 (en) Method of manufacturing radiation detection apparatus, radiation detection apparatus, and radiation imaging system
JP5013754B2 (ja) 電磁波検出装置、放射線検出装置、放射線検出システム及びレーザ加工方法
JP2013161810A (ja) 撮像装置およびその製造方法ならびに撮像表示システム
JP4449749B2 (ja) 放射線検出装置およびその製造方法
US9093347B2 (en) Detecting apparatus and detecting system
JP2013157347A (ja) 撮像装置およびその製造方法ならびに撮像表示システム
JP2013156119A (ja) 放射線撮像装置およびその製造方法ならびに放射線撮像表示システム
JP2006189295A (ja) 放射線検出装置およびその製造方法
JP2010003849A (ja) 電磁波検出素子
JP2007093257A (ja) 放射線検出器
EP1936694B1 (en) Image detector and radiation detecting system
JP2013157608A (ja) 電磁波検出素子
JP5388488B2 (ja) 電磁波検出素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071016

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100105

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130205

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140205

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees