JP4449153B2 - 室外熱交換器、室内熱交換器、及び空気調和装置 - Google Patents

室外熱交換器、室内熱交換器、及び空気調和装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室外熱交換器、室内熱交換器、及びこれらの熱交換器を備えた空気調和装置に関し、特に、室外熱交換器及び室内熱交換器の小型化技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、空気調和装置の室外熱交換器及び室内熱交換器には、一般に、縦横に配列した伝熱管を多数のプレートフィンに貫通させて固定したプレートフィンコイル形の空気熱交換器が用いられている。そして、空気調和装置の冷媒としては、例えばR22やR407Cなどが用いられている。
【0003】
上記空気熱交換器は、伝熱管として内面溝付伝熱管を使用したり、プレートフィンとしてスリット付きのフィンやルーバ付きのフィンを使用したりすることで、伝熱性能を従前よりも改善し、それによって伝熱管の細径化が進められてきている。例えば、R22を使用する空気調和装置では、従前は外径が9.52mmの伝熱管が使用されていたのに対して、現在では、室外熱交換器では外径が8.0mm 、室内熱交換器では外径が7.0mm の伝熱管が用いられるようになっている。そして、このように伝熱管を細径化することによって空気熱交換器を小型化し、ひいては空気調和装置を小型化することが可能となってきている。
【0004】
一方、伝熱管をさらに細径化して空気熱交換器をより以上に小型化しようとすると、熱交換器における圧力損失が増大し、COP(成績係数)が低下してしまう。これに対して、圧力損失の増大を防止するためにはパス数を増やす必要があるが、そうすると冷媒が分流器から各パスに分流しにくくなり、冷媒の偏流が生じて能力やCOPが低下してしまう。以上のことから、現状より伝熱管を細径化したり、パス数を低減したりすることは、実際には極めて困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、本願出願人は、地球温暖化の防止を図る観点から冷媒にR32またはその混合冷媒を用い、該冷媒の特性を生かして冷媒回路への冷媒の充填量を低減して伝熱管の細径化を可能とする技術を開発し、これを既に出願している(特願平11−054289号参照)。
【0006】
上記出願の熱交換器は、伝熱管をR32に対応して細径化する場合の径寸法を特定したものであり、上述したように冷媒の充填量を低減することを主たる目的としている。この技術を利用すれば、冷媒の充填量を少なくできることからパス数を減らして、空気熱交換器をより小型化することが可能となると考えられるが、実際に空気熱交換器を小型化するにあたっては、性能が低下しないように伝熱管径に応じたパス数を設定する必要がある。
【0007】
本発明は、以上のような観点から創案されたものであり、その目的とするところは、冷媒としてR32単一冷媒またはR32を多く含んだ混合冷媒を用いるとともに伝熱管径に応じたパス数を特定して、性能の低下を抑えながら空気熱交換器を小型化できるようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、冷媒としてR32またはその混合冷媒を用いる空気調和装置の空気熱交換器において、伝熱管径とパス数を以下に示す関係に特定したものである。
【0009】
−構成−
具体的に、本発明が講じた第1ないし第9の解決手段は、R32またはその混合冷媒による蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う空気調和装置(1) に用いられるプレートフィンコイル形の室外熱交換器を前提としている。
【0010】
そして、第1の解決手段は、定格冷房能力をQ(Kw)、伝熱管(13p) の平均内径をd(mm)としたときに、パス数Nを、N0R32=(17.37Q+18.09)×d-5/3 で算出される値に対して、±2の範囲内に定めたものである。
【0011】
なお、一般に定格能力と言った場合、50/60Hz 共用の定速機では二重に定格能力が表示されていたり、インバータ機では機械の呼称値と定格能力が異なったりすることがある。そこで、本発明において「定格冷房能力」とは、定速機では定格周波数60Hzで称呼された能力値を言い、インバータ機では、冷房最大周波数で称呼された最大能力値を言うものとする。
【0012】
また、本発明が講じた第2の解決手段は、上記第1の解決手段において、Qとdから求められるN0R32の値が13を越える場合は、パス数Nを、11≦N≦15の範囲内に定めたものである。
【0013】
また、本発明が講じた第3の解決手段は、上記第1または第2の解決手段において、伝熱管(13p) の平均内径dを、5.9mm ≦d≦7.8mm の範囲内から選定するようにしたものである。
【0014】
また、本発明が講じた第4の解決手段は、上記第3の解決手段において、伝熱管(13p) の平均内径dを、7.3mm ≦d≦7.8mm の範囲内から選定し、パス数Nを、N0R32=0.60Q+0.62 で算出される値に対して、±2の範囲内に定めたものである。
【0015】
また、本発明が講じた第5の解決手段は、上記第4の解決手段において、定格冷房能力Qが20.6Kw以上の空気調和装置(1) に用いられる室外熱交換器として、パス数Nを、11≦N≦15 の範囲内に定めたものである。
【0016】
また、本発明が講じた第6の解決手段は、上記第3の解決手段において、伝熱管(13p) の平均内径dを、6.6mm ≦d≦7.0mm の範囲内から選定し、パス数Nを、N0R32=0.71Q+0.74 で算出される値に対して、±2の範囲内に定めたものである。
【0017】
また、本発明が講じた第7の解決手段は、上記第6の解決手段において、定格冷房能力Qが17.3Kw以上で20.6Kw未満の空気調和装置(1) に用いられる室外熱交換器として、パス数Nを、11≦N≦15 の範囲内に定めたものである。
【0018】
また、本発明が講じた第8の解決手段は、上記第3の解決手段において、伝熱管(13p) の平均内径dを、5.9mm ≦d≦6.3mm の範囲内から選定し、パス数Nを、N0R32=0.86Q+0.89 で算出される値に対して、±2の範囲内に定めたものである。
【0019】
また、本発明が講じた第9の解決手段は、上記第8の解決手段において、定格冷房能力Qが14.1Kw以上で17.3Kw未満の空気調和装置(1) に用いられる室外熱交換器として、パス数Nを、11≦N≦15 の範囲内に定めたものである。
【0020】
次に、本発明が講じた第10ないし第20の解決手段は、R32またはその混合冷媒による蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う空気調和装置(1) に用いられるプレートフィンコイル形の室内熱交換器を前提としている。
【0021】
そして、第10の解決手段は、定格冷房能力をQ(Kw)、伝熱管(15p) の平均内径をd(mm)としたときに、パス数Nを、NIR32=14.59Q×d-5/3 で算出される値に対して、±2の範囲内に定めたものである。
【0022】
また、本発明が講じた第11の解決手段は、上記第10の解決手段において、Qとdから求められるNIR32の値が12を越える場合は、パス数Nを、10≦N≦14 の範囲内に定めたものである。
【0023】
また、本発明が講じた第12の解決手段は、上記第10または第11の解決手段において、伝熱管(15p) の平均内径dを、5.2mm ≦d≦7.0mm の範囲内から選定するようにしたものである。
【0024】
また、本発明が講じた第13の解決手段は、上記第12の解決手段において、伝熱管(15p) の平均内径dを、6.6mm ≦d≦7.0mm の範囲内から選定して、パス数Nを、NIR32=0.60Q で算出される値に対して、±2の範囲内に定めたものである。
【0025】
また、本発明が講じた第14の解決手段は、上記第13の解決手段において、定格冷房能力Qが20Kw以上の空気調和装置(1) に用いられる室内熱交換器として、パス数Nを、10≦N≦14 の範囲内に定めたものである。
【0026】
また、本発明が講じた第15の解決手段は、上記第12の解決手段において、伝熱管(15p) の平均内径dを、5.9mm ≦d≦6.3mm の範囲内から選定し、パス数Nを、NIR32=0.72Q で算出される値に対して、±2の範囲内に定めたものである。
【0027】
また、本発明が講じた第16の解決手段は、上記第15の解決手段において、定格冷房能力Qが16.7Kw以上で20Kw未満の空気調和装置(1) に用いられる室内熱交換器として、パス数Nを、10≦N≦14 の範囲内に定めたものである。
【0028】
また、本発明が講じた第17の解決手段は、上記第12の解決手段において、伝熱管(15p) の平均内径dを、5.5mm ≦d≦5.9mm の範囲内から選定し、パス数Nを、NIR32=0.80Q で算出される値に対して、±2の範囲内に定めたものである。
【0029】
また、本発明が講じた第18の解決手段は、上記第17の解決手段において、定格冷房能力Qが15.0Kw以上で16.7Kw未満の空気調和装置(1) に用いられる室内熱交換器として、パス数Nを、10≦N≦14 の範囲内に定めたものである。
【0030】
また、本発明が講じた第19の解決手段は、上記第12の解決手段において、伝熱管(15p) の平均内径dを、5.2mm ≦d≦5.4mm の範囲内から選定し、パス数Nを、NIR32=0.91Q で算出される値に対して、±2の範囲内に定めたものである。
【0031】
また、本発明が講じた第20の解決手段は、上記第19の解決手段において、定格冷房能力Qが13.2Kw以上で15.0Kw未満の空気調和装置(1) に用いられる室内熱交換器として、パス数Nを、10≦N≦14 の範囲内に定めたものである。
【0032】
次に、本発明が講じた第21ないし29の解決手段は、R32またはその混合冷媒による蒸気圧縮式冷凍サイクルを行うように、圧縮機(11)と、室外熱交換器(13)と、減圧機構(14)と、室内熱交換器(15)とが順に接続された冷媒回路(10)を備えた空気調和装置を前提としている。
【0033】
そして、第21の解決手段は、室外熱交換器(13)として、請求項1ないし9の何れか1記載の室外熱交換器を備えたものである。
【0034】
また、本発明が講じた第22の解決手段は、室内熱交換器(15)として、請求項10ないし20の何れか1記載の室内熱交換器を備えたものである。
【0035】
また、本発明が講じた第23の解決手段は、室外熱交換器(13)として請求項1ないし9の何れか1記載の室外熱交換器を備え、室内熱交換器(15)として請求項10ないし20の何れか1記載の室内熱交換器を備えたものである。
【0036】
また、本発明が講じた第24ないし第29の解決手段は、上記第21,22または23の空気調和装置において、使用する冷媒を特定したものである。
【0037】
そして、第24の解決手段は、冷媒としてR32を使用することとしたものである。
【0038】
また、本発明が講じた第25の解決手段は、冷媒として、R32を75質量%以上100質量%未満含むR32組成リッチの混合冷媒を使用することとしたものである。
【0039】
また、本発明が講じた第26の解決手段は、冷媒として、R32とR125の混合冷媒を使用し、該混合冷媒が、R32を75質量%以上100質量%未満含むこととしたものである。
【0040】
また、本発明が講じた第27の解決手段は、冷媒として、R32とR134aの混合冷媒を使用し、該混合冷媒が、R32を75質量%以上100質量%未満含むこととしたものである。
【0041】
また、本発明が講じた第28の解決手段は、冷媒として、R32と炭化水素系冷媒(HC系冷媒)の混合冷媒を使用し、該混合冷媒が、R32を75質量%以上100質量%未満含むこととしたものである。
【0042】
また、本発明が講じた第29の解決手段は、上記第28の解決手段において、炭化水素系冷媒を、プロパン、ブタン、イソブタンの何れか1としたものである。
【0043】
−作用−
上記各解決手段では、R32またはその混合冷媒を使用するようにしている。R32は、R22やR407Cなどと比較して潜熱比が大きく、同一能力とした場合には冷媒の質量流量はR22の約60%で済む。そして、同じパス数の熱交換器を使用するとした場合、圧力損失は、図3に示すようにR22の約40%まで減少する。
【0044】
また、R32は、飽和温度/圧力勾配比がR22の約60%(63%)であることから、圧力損失が低減されることと相俟って、飽和温度の低下量はR22の約25%で済むことになる。
【0045】
したがって、R22に代えてR32を使用する場合は、この飽和温度の低下量相当分は、伝熱管(13p,15p) のパス数Nを少なくしてもR22程度の圧力損失に抑えることができる。つまり、R32を用いるとR22などの従来の冷媒と比較してパス数Nを減らしても圧力損失が大きくなるのを防止できる。
【0046】
そして、パス数Nを少なくすると、冷媒の分流が容易に行われるようになり、冷媒の偏流を防止することによる製品能力向上並びにCOP向上が可能となる。
【0047】
−伝熱管径とパス数の設定−
パス数は、具体的には以下のようにして定めることができる。
【0048】
まず、熱交換器(13,15) の伝熱管における圧力損失ΔPは、以下の(1)式から求めることができる。
ΔP=λ・(l/d)・(ρv2/2) ・・・ (1)
ここで、
ΔP :伝熱管圧力損失(Pa)
λ :抵抗係数
l :1パスあたり伝熱管長(m)
d :伝熱管平均内径(m)
ρ :冷媒密度(Kg/m3)
v :冷媒流速(m/s)
である。
【0049】
また、1パス当たりの伝熱管長lと、冷媒流速vは、パス数Nを用いると次のように表せる。
l=L/N ・・・ (2)
v=(π/4)・G/(ρd2N) ・・・ (3)
ここで、
L :伝熱管全長(m)
G :冷媒質量流量(kg/s)
N :パス数
である。
【0050】
上記(2)式、(3)式を(1)式に代入し、パス数Nに関する式に展開すると、
ΔP=8/π2・λ・(LG2)/(ρd53) から、
N={8/π2・λ・(LG2)/(ρd5ΔP)}1/3 ・・・ (4)
で表すことができる。
【0051】
次に、伝熱管全長Lと冷媒質量流量Gは、一般に製品の定格能力に応じて比例する値として設定されるので、定格能力Q(Kw)を用いて、
L∝Q
G∝Q
と表せる。
【0052】
そして、この関係を(4)式に当てはめると、
N∝(ρ・ΔP)-1/3・d-5/3・Q ・・・ (5)
の関係が求められる。この(5)式は、冷媒の物性などからパス数を求める場合の一般式として利用することもできる。
【0053】
一方、冷媒をR22からR32に変更すると、飽和温度の低下量が約25%となることから、圧力損失は、R22に対して、1/0.25となり、4倍まで許容できることになる。 また、冷媒密度比(R32/R22)は、5℃の飽和蒸気条件で、25.74/24.85=1.036倍である。したがって、伝熱管(13p,15p) の平均内径dと定格能力Qを同一とすると、パス数比は、上記(5)式から、
パス数比=(1.036・4)-1/3・1-5/3・1=0.6226 となる。
【0054】
このため、R32を用いると、R22の場合と伝熱管平均内径d及び定格能力Qが同一であれば、パス数を約62%まで減らしても、圧力損失によるCOPの低下を抑えられる。そして、パス数が減少することで冷媒の偏流が改善されるため、その分の熱交換性能の向上と、装置のCOPの改善を図ることができる。
【0055】
なお、以上の説明では、圧力損失が低減される分を全てパス数を減らすのに利用しているが、パス数の削減の度合いを抑えて、その分は伝熱管を細径化してもよい。定格能力が同一の条件の下で、R32を用いて伝熱管を細径化しながらパス数を削減することを考えると、パス数は(5)式から次のように表すことができる。この場合、R22では、室外熱交換器にφ8.0mm の伝熱管を使用し、室内熱交換器にφ7.0mm の伝熱管を使用するとする。また、φ8.0mm の伝熱管の平均内径は、内面溝の形状や、肉厚、拡管率などで異なるが、ほぼ7.3mm 〜7.8mm 程度の範囲であり、中心値は7.55mmである。さらに、φ7.0mm の伝熱管の平均内径は6.6mm 〜7.0mm の範囲であり、中心値は6.8mmである。
【0056】
したがって、
OR32=0.6226・(d/7.55)-5/3・NOR22
=18.09・d-5/3・NOR22 ・・・ (6)
IR32=0.6226・(d/6.8)-5/3・NIR22
=15.20・d-5/3・NIR22 ・・・ (7)
ここで、
OR32 :R32での室外熱交換器のパス数
OR22 :R22での室外熱交換器のパス数
IR32 :R32での室内熱交換器のパス数
IR22 :R22での室内熱交換器のパス数
である。このため、R22を用いる場合と能力を変えずにR32を使用する場合、伝熱管径を定めれば、それに応じたパス数が求められる。
【0057】
また、R22を用いる場合に、従来の一般例として、室外熱交換器の伝熱管の外径を8.0mm とし、室内熱交換器の伝熱管の外径を7.0mm とした場合に、冷房定格能力Qとパス数Nの関係を図4(室外熱交換器)と図5(室内熱交換器)に実線で表している。この図の関係は、数式にすると、
OR22=0.96・Q+1.00 ・・・ (8)
IR22=0.96・Q ・・・ (9)
で表される。
【0058】
なお、実際の製品では、このグラフにおいて定格能力から求められるパス数の値に対して、一般に±2パスの範囲でパス数が選定されている。また、冷房定格能力が12.5Kw以上ではパス数が多くなりすぎて分流が困難となるため、これらの図に示しているように室外熱交換器では13パスを上限とし、室内熱交換器では12パスを上限として、それ以上の能力になってもパス数を一定としている。
【0059】
次に、R32を用いる場合、(6)、(7)式に(8)、(9)式を代入して能力とパス数の関係を求めると、
OR32=(17.37Q+18.09)×d-5/3 (単位:mm) ・・・ (10)
IR32=14.59Q×d-5/3 (単位:mm) ・・・ (11)
となる。
【0060】
具体的に、室外熱交換器に外径が8.0mm 、7.0mm 、6.35mmの伝熱管を用いた場合と、室内熱交換器に外径が7.0mm 、6.35mm、6.0mm 、5.5mm の伝熱管を用いた場合について考える。まず、伝熱管は、外径がφ8.0mm の場合は平均内径が7.3mm 〜7.8mm で中心値が7.55mmである。また、外径がφ7.0mm の場合は平均内径が6.6mm 〜7.0mm で中心値が6.8mm 、外径がφ6.35mmの場合は平均内径が5.9mm 〜6.3mm で中心値が6.1mm 、外径がφ6.0mm の場合は平均内径が5.5mm 〜5.9mm で中心値が5.7mm 、そして外径がφ5.5mm の場合は平均内径が5.2mm 〜5.4mm で中心値が5.3mm である。したがって、それぞれの中心値を用いてパス数を求めると、
室外熱交換器において、伝熱管の外径寸法毎に、
φ8.0 : NOR32=0.60・Q+0.62 ・・・(12)
φ7.0 : NOR32=0.71・Q+0.74 ・・・(13)
φ6.35 : NOR32=0.86・Q+0.89 ・・・(14)
となり、室内熱交換器において、伝熱管の外径寸法毎に、
φ7.0 : NIR32=0.60・Q ・・・(15)
φ6.35 : NIR32=0.72・Q ・・・(16)
φ6.0 : NIR32=0.80・Q ・・・(17)
φ5.5 : NIR32=0.91・Q ・・・(18)
となる。
【0061】
なお、R32を用いるとパス数を減らせるが、その場合でも伝熱管径を細くするに従ってパス数が増えるため、冷媒の偏流を防止するためにはパス数の上限を定めておくとよく、室外熱交換器では13パスを上限とし、室内熱交換器では12パスを上限とするとよい。なお、上限値を少し小さく設定しておけば、R22を用いる場合よりもパス数を確実に低減できる。そのため、例えば室外熱交換器では12パスを上限とし、室内熱交換器では11パスを上限としてもよい。
【0062】
【発明の効果】
上記第1の解決手段によれば、R32またはその混合冷媒による蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う空気調和装置(1) に用いられるプレートフィンコイル形の室外熱交換器(13)において、定格冷房能力をQ(Kw)、伝熱管の平均内径をd(mm)としたときに、パス数Nを、N0R32=(17.37Q+18.09)×d-5/3 で算出される値に対して、±2の範囲内に定めている。
【0063】
このため、室外熱交換器(13)で伝熱管径(13p) を適宜選定した場合のパス数NがR32を用いるのに適したものとなり、しかもそのパス数Nは、R22などを用いる従来の室外熱交換器と比較して、管径が同一の条件では必ず少なくなる。したがって、冷媒の偏流が生じにくくなり、能力やCOPの低下を防止できる。また、伝熱管(13p) を細径化し、パス数Nを低減することができるため、室外熱交換器(13)を小型化できると共に、R32を用いているので圧力損失が増大することもない。
【0064】
なお、N0R32の値を算出すると、その値は通常は整数にはならない。しかし、上記第1の解決手段ではパス数Nを算出値N0R32に対して±2の範囲で調整するようにしているので、整数化することも可能である。整数化するだけであれば±1の範囲で算出値を調整するようにしてもよいが、±2の範囲で調整すれば、伝熱管(13p) のパスの設計をより容易に行うことが可能となる。
【0065】
また、上記第2の解決手段によれば、Qとdから求められるN0R32の値が13を越える場合は、パス数Nを、11≦N≦15の範囲内の値に設定するようにしている。したがって、定格能力Qが大きくなった場合にパス数Nが多くなりすぎて冷媒の偏流が生じるのを防止できる。逆に言えば、定格能力が大きい場合には、パス数Nが多くなりすぎない程度の伝熱管径dを設定すればよく、その場合でも従来のR22を用いる場合よりも伝熱管径dを細くすることは可能となるので、能力を犠牲にせずにコンパクト化を実現できる。
【0066】
また、上記第3の解決手段によれば、伝熱管(13p) の平均内径dを、5.9mm ≦d≦7.8mm の範囲内から選定するようにしている。したがって、その範囲の上限側の値に伝熱管径dを設定すると、圧力損失による能力の低下を抑えながらパス数Nを従来よりも大幅に低減できることとなり、室外熱交換器(13)を小型化できると共に、冷媒の偏流が生じにくくなることから性能の向上を見込むことができる。また、逆に伝熱管径dを上記範囲の下限側の値に設定すると、パス数Nの低減効果は少なくなるが、伝熱管(13p) を細径化することによる小型化が可能であり、しかも圧力損失は従来と同程度に抑えられるので、能力が低下することもない。さらに、伝熱管径dを上記範囲の中間値に設定すれば、パス数Nを低減しながら圧力損失も抑えられるので、小型化と性能向上を確実に実現できる。
【0067】
また、上記第4の解決手段によれば、上記第3の解決手段で伝熱管の平均内径dを限定して7.3mm ≦d≦7.8mm の範囲内から選定し、かつパス数Nを、
0R32=0.60Q+0.62 で算出される値に対して、±2の範囲内の値となるように設定している。このように伝熱管径dを従来とほぼ同等としているため、パス数Nの低減効果が大きく、冷媒の偏流防止により性能を高めながら、小型化が可能となる。
【0068】
また、上記第5の解決手段によれば、上記第4の解決手段において、定格冷房能力Qが20.6Kw以上の空気調和装置(1) に用いられる室外熱交換器(13)のパス数Nを、11≦N≦15の範囲内に設定している。具体的に、定格冷房能力Qが20.6Kwの空気調和装置(1) では、第4の解決手段の条件でN0R32の値が約13(12.96) となるので、この値に対して±2の範囲で調整するようにしている。このため、それ以上の定格能力の場合には、パス数Nを増やさないことで冷媒の偏流を防止し、能力の低下を防止している。この場合、圧力損失は若干大きくなるが、それよりも冷媒の偏流を重視して、パス数Nの上限値を定めるようにしている。特にパス数Nを減らすためには、上限値を若干下げて、パス数Nを、10≦N≦14の範囲内で設定してもよい。
【0069】
また、上記第6の解決手段によれば、上記第3の解決手段で伝熱管の平均内径dを限定して6.6mm ≦d≦7.0mm の範囲内から選定し、かつパス数Nを、
0R32=0.71Q+0.74 で算出される値に対して、±2の範囲内の値となるように設定している。したがって、伝熱管(13p) をある程度細径化しながらパス数Nも低減できることとなる。このため、圧力損失が減って偏流も生じにくくなり、能力を高めながら充分な小型化を実現できる。
【0070】
また、上記第7の解決手段によれば、上記第6の解決手段において、定格冷房能力Qが17.3Kw以上で20.6Kw未満の空気調和装置(1) に用いられる室外熱交換器(13)のパス数Nを、11≦N≦15の範囲内に設定している。具体的に、定格冷房能力Qが17.3Kwの空気調和装置(1) では、第6の解決手段の条件でN0R32の値が約13(13.02) となるので、この値に対して±2の範囲で調整するようにしている。これにより、上記第5の解決手段と同様の理由で、冷媒の偏流による能力の低下を確実に防止できる。
【0071】
また、上記第8の解決手段によれば、上記第3の解決手段で伝熱管(13p) の平均内径dを限定して5.9mm ≦d≦6.3mm の範囲内から選定し、かつパス数Nを、N0R32=0.86Q+0.89 で算出される値に対して、±2の範囲内の値となるように設定している。したがって、パス数Nの低減効果は抑えられるものの、伝熱管(13p) をかなり細径化できる。また、伝熱管径dとパス数Nを上記範囲に設定することにより、能力が低下せず、小型化することが可能となる。
【0072】
また、上記第9の解決手段によれば、上記第8の解決手段において、定格冷房能力Qが14.1Kw以上で17.3Kw未満の空気調和装置(1) に用いられる室外熱交換器(13)のパス数Nを、11≦N≦15の範囲内に設定している。具体的に、定格冷房能力Qが14.1Kwの空気調和装置(1) では、第8の解決手段の条件でN0R32の値が約13(13.02) となるので、この値に対して±2の範囲で調整するようにしている。これにより、上記第5の解決手段と同様に、冷媒の偏流による能力の低下を確実に防止できる。
【0073】
次に、上記第10の解決手段によれば、R32またはその混合冷媒による蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う空気調和装置(1) に用いられるプレートフィンコイル形の室内熱交換器(15)において、定格冷房能力をQ(Kw)、伝熱管の平均内径をd(mm)としたときに、パス数Nを、NIR32=14.59Q×d-5/3 で算出される値に対して、±2の範囲内に定めている。
【0074】
このため、室内熱交換器(15)で伝熱管径dを適宜選定した場合のパス数NがR32を用いるときに適したものとなり、しかもそのパス数Nは、R22などを用いる従来の室内熱交換器と比較して、管径が同一の条件では必ず少なくなる。したがって、冷媒の偏流が生じにくくなり、能力やCOPの低下を防止できる。また、伝熱管(15p) を細径化し、パス数Nを低減することができるため、室内熱交換器(15)を小型化できると共に、R32を用いているので圧力損失が増大することもない。
【0075】
なお、パス数Nを算出値NIR32に対して±2の範囲で調整するようにしている点については、室外熱交換器(13)に関する上記第1の解決手段と同様の効果がある。
【0076】
また、上記第11の解決手段によれば、Qとdから求められるNIR32の値が12を越える場合は、パス数Nを、10≦N≦14の範囲内の値に設定するようにしている。したがって、定格能力Qが大きくなった場合にパス数Nが多くなりすぎて冷媒の偏流が生じるのを防止できる。逆に言えば、定格能力Qが大きい場合には、パス数Nが多くなりすぎない程度の伝熱管径dを設定すればよく、その場合でも従来のR22を用いる場合よりも伝熱管径dを細くすることは可能となるので、能力を犠牲にせずにコンパクト化を実現できる。
【0077】
また、上記第12の解決手段によれば、伝熱管(15p) の平均内径dを、5.2mm ≦d≦7.0mm の範囲内から選定するようにしている。したがって、室外熱交換器(13)に関する上記第3の解決手段と同様に、その範囲の上限側の値に伝熱管径dを設定すると、圧力損失による能力の低下を抑えながらパス数Nを従来よりも大幅に低減できることとなり、室内熱交換器(15)を小型化できると共に、冷媒の偏流が生じにくくなることから性能の向上を見込むことができる。また、逆に伝熱管径dを上記範囲の下限側の値に設定すると、パス数Nの低減効果は少なくなるが、伝熱管(15p) を細径化することによる小型化が可能であり、しかも圧力損失は従来と同程度に抑えられるので、能力が低下することもない。さらに、伝熱管径dを上記範囲の中間値に設定すれば、パス数Nを低減しながら圧力損失も抑えられるので、小型化と性能向上を確実に実現できる。
【0078】
また、上記第13の解決手段によれば、上記第12の解決手段で伝熱管(15p) の平均内径dを限定して6.6mm ≦d≦7.0mm の範囲内から選定し、かつパス数Nを、NIR32=0.60Q で算出される値に対して、±2の範囲内の値となるように設定している。このように伝熱管径dを従来とほぼ同等としているため、パス数Nの低減効果が大きく、冷媒の偏流防止により性能を高めながら、小型化が可能となる。
【0079】
また、上記第14の解決手段によれば、上記第13の解決手段において、定格冷房能力Qが20Kw以上の空気調和装置(1) に用いられる室内熱交換器(15)のパス数Nを、10≦N≦14の範囲内に設定している。具体的に、定格冷房能力Qが20Kwの空気調和装置(1) では、第4の解決手段の条件でNIR32の値が12となるので、この値に対して±2の範囲で調整するようにしている。このため、それ以上の定格能力Qの場合には、パス数Nを増やさないことで冷媒の偏流を防止し、能力の低下を防止している。このことは、室外熱交換器(13)に関する上記第5の解決手段と同様に、圧力損失は若干大きくなるが、それよりも冷媒の偏流を重視してパス数Nの上限値を定めるようにしたものである。また、特にパス数Nを減らすためには、上限値を若干下げて、パス数Nを、9≦N≦13の範囲内で設定してもよい。
【0080】
また、上記第15の解決手段によれば、上記第12の解決手段で伝熱管(15p) の平均内径dを限定して5.9mm ≦d≦6.3mm の範囲内から選定し、かつパス数Nを、NIR32=0.72Q で算出される値に対して、±2の範囲内の値となるように設定している。したがって、伝熱管(15p) をある程度細径化しながらパス数Nも低減できることとなる。このため、圧力損失が減って偏流も生じにくくなり、能力を高めながら充分な小型化を実現できる。
【0081】
また、上記第16の解決手段によれば、上記第15の解決手段において、定格冷房能力Qが16.7Kw以上で20Kw未満の空気調和装置(1) に用いられる室内熱交換器(15)のパス数Nを、10≦N≦14の範囲内に設定している。具体的に、定格冷房能力Qが16.7Kwの空気調和装置(1) では、第15の解決手段の条件でNIR32の値が約12(12.02) となるので、この値に対して±2の範囲で調整するようにしている。これにより、上記第14の解決手段と同様の理由で、冷媒の偏流による能力の低下を確実に防止できる。
【0082】
また、上記第17の解決手段によれば、上記第12の解決手段で伝熱管(15p) の平均内径dを限定して5.5mm ≦d≦5.9mm の範囲内から選定し、かつパス数Nを、NIR32=0.80Q で算出される値に対して、±2の範囲内の値となるように設定し、上記第18の解決手段によれば、上記第17の解決手段において、定格冷房能力Qが15.0Kw以上で16.7Kw未満の空気調和装置(1) に用いられる室内熱交換器(15)のパス数Nを、10≦N≦14の範囲内に設定している。したがって、上記第15,第16の解決手段と同様の効果を奏することができる。
【0083】
また、上記第19の解決手段によれば、伝熱管(15p) の平均内径dを限定して5.2mm ≦d≦5.4mm の範囲内から選定し、かつパス数Nを、NIR32=0.91Q で算出される値に対して、±2の範囲内の値となるように設定している。したがって、パス数Nの低減効果は抑えられるものの、伝熱管(15p) をかなり細径化できる。また、伝熱管径dとパス数Nを上記範囲に設定することにより、能力が低下せず、小型化が可能となる。
【0084】
また、上記第20の解決手段によれば、上記第19の解決手段において、定格冷房能力Qが13.2Kw以上で15.0Kw未満の空気調和装置(1) に用いられる室内熱交換器(15)のパス数Nを、10≦N≦14の範囲内に設定している。具体的に、定格冷房能力Qが13.2Kwの空気調和装置(1) では、第8の解決手段の条件でNIR32の値が約12(12.01) となるので、この値に対して±2の範囲で調整するようにしている。これにより、上記第14の解決手段等と同様に、冷媒の偏流による能力の低下を確実に防止できる。
【0085】
また、上記第21の解決手段によれば、R32またはその混合冷媒による蒸気圧縮式冷凍サイクルを行うように、圧縮機(11)と、室外熱交換器(13)と、減圧機構(14)と、室内熱交換器(15)とが順に接続された冷媒回路(10)を備えた空気調和装置(1) において、室外熱交換器(13)に請求項1ないし9の何れか1の室外熱交換器を用いているので、室外熱交換器(13)を小型化でき、性能を向上することもできる。
【0086】
また、上記第22の解決手段によれば、室内熱交換器(15)に請求項10ないし20の何れか1の室内熱交換器を用いているので、室内熱交換器(15)を小型化でき、性能の向上も図ることができる。
【0087】
さらに、上記第23の解決手段によれば、室外熱交換器(13)に請求項1ないし9の何れか1の室外熱交換器を用い、室内熱交換器(15)に請求項10ないし20の何れか1の室内熱交換器を用いているので、室外熱交換器(13)と室内熱交換器(15)の両方を小型でき、性能の向上を図ることも可能となる。
【0088】
また、上記第24ないし第29の解決手段によれば、上記空気調和装置(1) において使用する冷媒を、R32またはR32を75質量%以上含むR32リッチの混合冷媒に特定している。このため、上記第1ないし第20の解決手段に係る室外熱交換器(13)または室内熱交換器(15)を用いる空気調和装置(1) において、小型化を実現しながら充分な性能を確保することが可能となる。
【0089】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0090】
−空気調和装置の構成−
図1に示すように、本実施形態に係る空気調和装置(1) は、室内ユニット(17)と室外ユニット(16)とを接続して構成されている。この空気調和装置(1)の冷媒回路(10)は、R32による蒸気圧縮式冷凍サイクルを形成する冷媒回路であって、圧縮機(11)、四路切換弁(12)、室外熱交換器(13)、膨張弁(減圧機構)(14)及び室内熱交換器(15)が冷媒配管(31,32) を介して接続されて構成されている。
【0091】
上記冷媒回路(10)において、圧縮機(11)の吐出側と四路切換弁(12)の第1ポート(12a) とは第1ガス側配管(21)によって接続され、四路切換弁(12)の第2ポート(12b) と室外熱交換器(13)とは第2ガス側配管(22)によって接続されている。また、室外熱交換器(13)と膨張弁(14)とは第1液側配管(25)によって接続され、膨張弁(14)と室内熱交換器(15)とは第2液側配管(26)によって接続されている。さらに、室内熱交換器(15)と四路切換弁(12)の第3ポート(12c) とは第3ガス側配管(23)によって接続され、四路切換弁(12)の第4ポート(12d) と圧縮機(11)の吸入側とは第4ガス側配管(24)によって接続されている。
【0092】
圧縮機(11)、第1ガス側配管(21)、四路切換弁(12)、第2ガス側配管(22)、室外熱交換器(13)、第1液側配管(25)、膨張弁(14)、及び第4ガス側配管(24)は、室外送風機(27)とともに室外ユニット(16)に収容されている。一方、室内熱交換器(15)は、室内送風機(28)とともに室内ユニット(17)に収容されている。そして、第2液側配管(26)及び第3ガス側配管(23)の一部は、室外ユニット(16)と室内ユニット(17)とを連絡するいわゆる連絡配管を構成している。
【0093】
−熱交換器の構成−
本実施形態の熱交換器(13,15) は、図2に概略形状を示すように、縦横に配列した伝熱管(13p,15p) を多数のプレートフィン(13f,15f) の貫通孔(13h,15h) に貫通させて固定したプレートフィンコイル形の空気熱交換器である。図では、伝熱管(13p,15p) を便宜的に仮想線で示している。
【0094】
ここで、R32単一冷媒またはR32組成リッチの混合冷媒は、R22やR407cなどと比較して潜熱比が大きく、同一能力とした場合には冷媒の質量流量はR22の約60%で済む。そして、同じパス数の熱交換器(13,15) を使用するとした場合、圧力損失は図3に示すようにR22の約40%まで減少する。
【0095】
また、R32は、飽和温度/圧力勾配比がR22の約60%(63%)であることから、圧力損失が40%まで低減されることと相俟って、飽和温度の低下量はR22の約25%(40%×63%)で済むことになる。
【0096】
したがって、R22に代えてR32を使用する場合は、この飽和温度の低下量相当分は、伝熱管(13p,15p) のパス数を少なくしてもR22程度の圧力損失に抑えることができる。つまり、R32を用いるとR22などの従来の冷媒と比較してパス数を減らしても圧力損失が大きくなるのを防止できる。また、パス数を少なくすると、冷媒の分流が容易に行われるようになり、冷媒の偏流を防止することによる製品能力向上並びにCOP向上が可能となる。
【0097】
また、必ずしも飽和温度の低下量相当分だけパス数を低減しなくてもよく、例えば、パス数をある程度低減しながら伝熱管(13p,15p) を細径化して、伝熱管(13p,15p) 内における圧力損失分に相当する冷媒飽和温度の変化量がR22と同等になるようにしてもよい。
<伝熱管の寸法構成>
上述したように、R32及びR32組成リッチの混合冷媒は、R22やR407cなどと比較して、同一能力とした場合には冷媒の質量流量がR22の約60%で済む。そして、同じ熱交換器を使用するとした場合、圧力損失はR22の約40%まで減少することから、例えばパス数を増やさずに圧力損失をR22と同程度に抑えて、圧力損失が低下する分だけ伝熱管を細くすることもできる。
【0098】
例えば、室外熱交換器(13)の伝熱管(13p) は、R22を用いる従来の装置で外径が8.0mm (平均内径はほぼ7.3mm 〜7.8mm )とすれば、圧力損失が伝熱管径dの1/5乗にほぼ比例することから、0.4の1/5乗で約0.83倍として、平均内径dを6.1mm 〜6.5mm まで細径化できる。なお、R32を用いることで飽和温度が低下することも考慮すると、その下限値は5.9mm 程度に設定できる。この場合、呼び寸法(外径寸法)が6.35mmの規格管を使用することができ、パス数Nは従来と同等となる。なお、伝熱管(13p) の平均内径dは、内面溝の形状や、肉厚、拡管率などで異なるため、呼び寸法(外径寸法)に対して一定でなく、上述したようなある程度の範囲を有している。
【0099】
以上のことから、パス数Nを低減することも考えると、室外熱交換器(13)の伝熱管(13p) は、平均内径が5.9mm ≦d≦7.8mm の範囲内から選定することができ、選定した平均内径dに応じてパス数Nを設定すればよい。伝熱管(13p) は、上記平均内径の範囲で規格管を用いるとすれば、呼び寸法(外径寸法)がφ8.0mm 、φ7.0mm 、φ6.35mmのものを用いることができる。
【0100】
同様に、室内熱交換器(15)の伝熱管(15p) は、R22を用いる従来の装置で外径が7.0mm (平均内径はほぼ6.6mm 〜7.0mm )とすれば、室外熱交換器(13)の場合と同様の手法により、パス数Nを変えない場合で平均内径を5.5mm 〜5.8mm まで細径化できる。この場合、規格管の中から選定するとすれば、呼び寸法(外径寸法)がφ6.0mm のものとすればよい。なお、この場合もR32を用いることで飽和温度が低下することも考慮すると、その下限値は5.2mm 程度(呼び径φ5.5mm 相当)に設定できる。
【0101】
そして、パス数Nを低減することも考えると、室内熱交換器(15)の伝熱管(15p) は、5.2mm ≦d≦7.0mm の範囲内から選定して、その選定した平均内径dに応じてパス数Nを設定すればよい。伝熱管(15p) は、上記平均内径dの範囲で規格管を用いるとすれば、φ7.0mm 、φ6.35mm、φ6.0mm 、φ5.5mm のものを用いることができる。
<伝熱管のパス数>
ここで、伝熱管(13p,15p) の具体的なパス数Nについて説明する。例えば、定格冷房能力Qが14Kwの従来の空調機(R22を使用)では、室外熱交換器(13)でパス数を13、室内熱交換器(15)でパス数を12とし、伝熱管径(外径)dは、室外熱交換器(13)側をφ8.0mm、室内熱交換器(15)側をφ7.0mm としている。
【0102】
この場合、R22に代えてR32を使用すると、同一管径の条件で、室外熱交換器(13)では図4から9.0 パスが最適で、室内熱交換器(15)では図5から8.4 パスが最適となる。したがって、実際に製品化するに当たっては、これらの最適パスに対して±2パスの範囲として、室外熱交換器(13)は7.0 から11.0パスの範囲から選定し、室内熱交換器(15)は6.4 から10.4パスの範囲から選定するとよい。
【0103】
なお、パス数Nは整数値に設定するのが一般的であるが、伝熱管(13p,15p) が熱交換器(13,15) の途中で分岐したり合流したりする構成として、伝熱管(13p,15p) の入口側と出口側でパス数Nが異なる場合などは、パス数Nが小数を含む値となる場合もある。例えば、図6に示すような場合である。
【0104】
この図6に示している熱交換器(13,15) は、入口側が4パス、出口側が2パスであり、伝熱管(13p,15p) は途中で合流している。この場合、全伝熱管(13p,15p) の本数と、各パス数の伝熱管(13p,15p) の本数の割合とから、熱交換器(13,15) の実際のパス数Nが求められる。図の例では、4パスの伝熱管(13p,15p) が12本で、2パスの伝熱管(13p,15p) が4本であることから、パス数Nは、
N=4×(12/16)+2×(4/16)=3.5パスとなる。
<伝熱管の平均内径とパス数の関係>
本実施形態の室外熱交換器(13)では、上記(10)式で説明したように、定格冷房能力をQ(Kw)、伝熱管の平均内径をd(mm)としたときに、パス数Nが、
OR32=(17.37Q+18.09)×d-5/3 で算出される値に対して、±2の範囲内に定められている。そして、Qとdから求められるNOR32の値が13を越える場合は、パス数Nが、11≦N≦15の範囲内となるように定められている。
【0105】
また、室内熱交換器については、上記(11)式で説明したように、パス数Nは、NIR32=14.59Q×d-5/3 で算出される値に対して、±2の範囲内に定められている。そして、Qとdから求められるNIR32の値が12を越える場合は、パス数Nが、10≦N≦14の範囲内となるように定められている。
【0106】
パス数Nの上限値を定めているのは、これよりもパス数Nが多くなると分流が困難になり、能力Qや伝熱管径dに拘わらず、性能の低下の原因となるためである。
【0107】
−運転動作−
次に、空気調和装置(1)の運転動作を、冷媒回路(10)における冷媒循環動作に基づいて説明する。
【0108】
冷房運転時には、四路切換弁(12)は図1に示す実線側に設定される。つまり、四路切換弁(12)は、第1ポート(12a) と第2ポート(12b) とが連通すると共に第3ポート(12c) と第4ポート(12d) とが連通する状態となる。この状態で、圧縮機(11)から吐出されたガス冷媒は、第1ガス側配管(21)、四路切換弁(12)及び第2ガス側配管(22)を流通し、室外熱交換器(13)で凝縮する。室外熱交換器(13)を流出した液冷媒は、第1液側配管(25)を流通し、膨張弁(14)で減圧されて気液二相冷媒となる。膨張弁(14)を流出した二相冷媒は、第2液側配管(26)を流通し、室内熱交換器(15)で室内空気と熱交換を行って蒸発し、室内空気を冷却する。室内熱交換器(15)を流出したガス冷媒は、第3ガス側配管(23)、四路切換弁(12)及び第4ガス側配管(24)を流通し、圧縮機(11)に吸入される。
【0109】
一方、暖房運転時には、四路切換弁(12)は図1に示す破線側に設定される。つまり、四路切換弁(12)は、第1ポート(12a) と第3ポート(12c) とが連通すると共に第2ポート(12b) と第4ポート(12d) とが連通する状態となる。この状態で、圧縮機(11)から吐出されたガス冷媒は、第1ガス側配管(21)、四路切換弁(12)及び第3ガス側配管(23)を流通し、室内熱交換器(15)に流入する。室内熱交換器(15)に流入した冷媒は、室内空気と熱交換を行って凝縮し、室内空気を加熱する。室内熱交換器(15)を流出した液冷媒は、第2液側配管(26)を流通し、膨張弁(14)で減圧されて気液二相冷媒となる。膨張弁(14)を流出した二相冷媒は、第1液側配管(25)を流通し、室外熱交換器(13)で蒸発する。室外熱交換器(13)を流出したガス冷媒は、第2ガス側配管(22)、四路切換弁(12)及び第4ガス側配管(24)を流通し、圧縮機(11)に吸入される。
【0110】
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、以下のような効果が発揮される。
【0111】
すなわち、伝熱管(13p,15p) の平均内径dを上述した範囲の上限側で設定すれば、平均内径d自体は従来とほぼ同等とした場合は、飽和温度の低下量相当分だけパス数Nを低減することができる。このため、冷媒の偏流が生じにくくなり、性能が低下してしまうのを防止できる。また、このようにパス数Nが少なくなれば、熱交換器(13,15) を小型化することもできる。
【0112】
逆に伝熱管(13p,15p) の平均内径dを上述した範囲の下限側に設定すれば、パス数Nは従来と殆ど変わらないものの、伝熱管(13p,15p) が大幅に細径化される。したがって、この場合でも性能を落とさずに熱交換器(13,15) を小型化できる。
【0113】
また、伝熱管(13p,15p) の平均内径dを上述した範囲の中間の値に設定すれば、従来よりも伝熱管(13p,15p) を細径化しながらパス数Nを低減することができる。したがって、性能を落とさずに熱交換器(13,15) をより小型化することが可能となる。
【0114】
【実施例】
次に、室外熱交換器(13)と室内熱交換器(15)について、伝熱管(13p,15p) の平均内径dとパス数Nとの関係を特定した実施例について具体的に説明する。
【0115】
−実施例1−
実施例1は、室外熱交換器(13)の伝熱管(13p) の平均内径dを、上記実施形態で説明した範囲の上限側に設定したもので、伝熱管(13p) の呼び径(外径)をφ8.0mm としている。この場合、伝熱管(13p) の平均内径は、ほぼ7.3mm ≦d≦7.8mm の範囲内から選定される。また、パス数Nは、上記(12)式の通り、
OR32=0.60Q+0.62 で算出される値に対して、±2の範囲内に定められている。
【0116】
この場合、伝熱管(13p) の平均内径dが比較的大きいので、定格冷房能力Qが20.6Kw以上の空気調和装置(1) に用いられる室外熱交換器に適している。定格冷房能力Qが20.6Kwとすると、Nの値は約13(12.96) となる。そこで、それ以上定格能力Qが大きくなっても偏流が生じにくいように、パス数Nの上限値は、11≦N≦15の範囲内となるように定められている。
【0117】
−実施例2−
実施例2は、室外熱交換器(13)の伝熱管(13p) の平均内径dを、上記実施形態で説明した範囲の中間値に設定したもので、伝熱管(13p) の呼び径(外径)をφ7.0mm としている。この場合、伝熱管(13p) の平均内径dは、ほぼ6.6mm ≦d≦7.0mm の範囲内から選定される。また、パス数Nは、上記(13)式の通り、
OR32=0.71Q+0.74 で算出される値に対して、±2の範囲内に定められている。
【0118】
この平均内径dの伝熱管(13p) は、定格冷房能力Qが17.3Kw以上で20.6Kw未満の空気調和装置(1) に用いられる室外熱交換器(13)に適している。定格冷房能力Qが17.3Kwとすると、Nの値は、実施例1とほぼ同様に約13(13.02) となる。そこで、定格能力が上記範囲内であれば、パス数Nの上限値が、11≦N≦15の範囲内となるように定められている。
【0119】
−実施例3−
実施例3は、室外熱交換器(13)の伝熱管(13p) の平均内径dを、上記実施形態で説明した範囲の下限側に設定したもので、伝熱管(13p) の呼び径(外径)をφ6.35mmとしている。この場合、伝熱管(13p) の平均内径dは、ほぼ5.9mm ≦d≦6.3mm の範囲内から選定される。また、パス数Nは、上記(14)式の通り、
OR32=0.86Q+0.89 で算出される値に対して、±2の範囲内に定められている。
【0120】
この平均内径dの伝熱管(13p) は、定格冷房能力Qが14.1Kw以上で17.3Kw未満の空気調和装置(1) に用いられる室外熱交換器(13)に適している。定格冷房能力Qが14.1Kwとすると、Nの値は、上記実施例1,2とほぼ同様に約13(13.02) となる。そこで、この場合も、定格能力Qが上記範囲内であれば、パス数Nの上限値が11≦N≦15の範囲内となるように定められている。
【0121】
−実施例4−
実施例4は、室内熱交換器(15)の伝熱管(15p) の平均内径dを、上記実施形態で説明した範囲の上限側に設定したもので、伝熱管(15p) の呼び径(外径)をφ7.0mm としている。この場合、伝熱管(15p) の平均内径dは、ほぼ6.6mm ≦d≦7.0mm の範囲内から選定される。また、パス数Nは、上記(15)式の通り、
IR32=0.60Q で算出される値に対して、±2の範囲内に定められている。
【0122】
この平均内径dの伝熱管(15p) は、定格冷房能力Qが20Kw以上の空気調和装(1) 置に用いられる室内熱交換器(15)に適している。定格冷房能力Qが20Kwとすると、Nの値は、12となる。そこで、それ以上定格能力Qが大きくなっても偏流が生じにくいように、パス数Nの上限値は、10≦N≦14の範囲内となるように定められている。
【0123】
−実施例5−
実施例5は、室内熱交換器(15)の伝熱管(15p) の平均内径dを、上記実施形態で説明した範囲の中間値に設定したもので、伝熱管(15p) の呼び径(外径)をφ6.35mmとしている。この場合、伝熱管(15p) の平均内径dは、ほぼ5.9mm ≦d≦6.3mm の範囲内から選定される。また、パス数Nは、上記(16)式の通り、
IR32=0.72Q で算出される値に対して、±2の範囲内に定められている。
【0124】
この平均内径dの伝熱管(15p) は、定格冷房能力Qが16.7Kw以上で20Kw未満の空気調和装置(1) に用いられる室内熱交換器(15)に適している。定格冷房能力Qが16.7Kwとすると、Nの値は、実施例4とほぼ同様に約12(12.02) となる。そこで、定格能力Qが上記範囲内であれば、パス数Nの上限値が、10≦N≦14
の範囲内となるように定められている。
【0125】
−実施例6−
実施例6は、室内熱交換器(15)の伝熱管(15p) の平均内径dを、上記実施形態で説明した範囲の中間値で、実施例5よりも小さな値に設定したもので、伝熱管(15p) の呼び径(外径)をφ6.0mm としている。この場合、伝熱管(15p) の平均内径dは、ほぼ5.5mm ≦d≦5.9mm の範囲内から選定される。また、パス数Nは、上記(17)式の通り、NIR32=0.80Q で算出される値に対して、±2の範囲内に定められている。
【0126】
この平均内径dの伝熱管(15p) は、定格冷房能力Qが15.0Kw以上で16.7Kw未満の空気調和装置に用いられる室内熱交換器(15)に適している。定格冷房能力が15.0Kwとすると、Nの値は、実施例4,5とほぼ同様に12となる。そこで、定格能力Qが上記範囲内であれば、パス数Nの上限値が、10≦N≦14の範囲内となるように定められている。
【0127】
−実施例7−
実施例7は、室内熱交換器(15)の伝熱管(15p) の平均内径dを、上記実施形態で説明した範囲の下限側に設定したもので、伝熱管(15p) の呼び径(外径)をφ5.5mm としている。この場合、伝熱管(15p) の平均内径dは、ほぼ5.2mm ≦d≦5.4mm の範囲内から選定される。また、パス数Nは、上記(18)式の通り、
IR32=0.91Q で算出される値に対して、±2の範囲内に定められている。
【0128】
この平均内径dの伝熱管(15p) は、定格冷房能力Qが13.2Kw以上で15.0Kw未満の空気調和装置(1) に用いられる室内熱交換器(15)に適している。定格冷房能力Qが13.2Kwとすると、Nの値は、実施例4,5,6とほぼ同様に約12(12.01) となる。そこで、定格能力Qが上記範囲内であれば、パス数Nの上限値が、10≦N≦14 の範囲内となるように定められている。
【0129】
−実施例の効果−
各実施例は、規格で定められた呼び寸法の伝熱管(13p,15p) を用いて、R32に適したパス数Nを選定したものであり、パス数Nの低減や伝熱管(13p,15p) の細径化によって熱交換器(13,15) を小型化できる。また、R32を用いる場合に圧力損失が増大せずに偏流の発生も生じにくいため、性能の低下も防止できる。以上のことから、R32を用いる空気調和装置(1) において、高性能でコンパクトな熱交換器(13,15) を実用化することが可能となる。
【0130】
【発明のその他の実施の形態】
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0131】
例えば、上記実施形態では、R32単一冷媒を用いるものとして説明したが、R32を約75質量%以上100質量%未満含む混合冷媒(R32組成リッチの混合冷媒)を用いてもよい。上記混合冷媒としては、例えば、R32/R125、R32/R134a、R32/プロパン、R32/ブタン、R32/イソブタンなどの混合冷媒を使用することができる。これらの混合冷媒を使用してもR32単一冷媒と特性が殆ど変わらないため、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0132】
また、上記実施形態は冷房運転及び暖房運転を選択的に実行可能ないわゆるヒートポンプ式の空気調和装置であったが、本発明の適用対象はヒートポンプ式空気調和装置に限定されるものではなく、例えば、暖房専用機や冷房専用機であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る空気調和装置の冷媒回路図である。
【図2】熱交換器の概略形状を示す斜視図である。
【図3】各種冷媒の特性を比較した表である。
【図4】室外熱交換器において、冷房定格能力とパス数の関係を示すグラフである。
【図5】室内熱交換器において、冷房定格能力とパス数の関係を示すグラフである。
【図6】熱交換器における伝熱管のパス数の構成例を示す図である。
【符号の説明】
(1) 空気調和装置
(10) 冷媒回路
(11) 圧縮機
(12) 四路切換弁
(13) 室外熱交換器
(13p) 伝熱管
(14) 膨張弁(減圧機構)
(15) 室内熱交換器
(15p) 伝熱管
(16) 室外ユニット
(17) 室内ユニット

Claims (29)

  1. R32またはその混合冷媒による蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う空気調和装置(1) に用いられるプレートフィンコイル形の室外熱交換器であって、
    定格冷房能力をQ(Kw)、伝熱管(13p) の平均内径をd(mm)としたときに、
    パス数Nが、
    0R32=(17.37Q+18.09)×d-5/3 で算出される値に対して、±2の範囲内に定められている室外熱交換器。
  2. Qとdから求められるN0R32の値が13を越える場合は、
    パス数Nが、
    11≦N≦15 の範囲内に定められている請求項1記載の室外熱交換器。
  3. 伝熱管(13p) の平均内径dが、5.9mm ≦d≦7.8mm の範囲内から選定されている請求項1または2記載の室外熱交換器。
  4. 伝熱管(13p) の平均内径dが、7.3mm ≦d≦7.8mm の範囲内から選定され、
    パス数Nが、
    0R32=0.60Q+0.62 で算出される値に対して、±2の範囲内に定められている請求項3記載の室外熱交換器。
  5. 定格冷房能力Qが20.6Kw以上の空気調和装置(1) に用いられる室外熱交換器であり、
    パス数Nが、
    11≦N≦15 の範囲内に定められている請求項4記載の室外熱交換器。
  6. 伝熱管(13p) の平均内径dが、6.6mm ≦d≦7.0mm の範囲内から選定され、
    パス数Nが、
    0R32=0.71Q+0.74 で算出される値に対して、±2の範囲内に定められている請求項3記載の室外熱交換器。
  7. 定格冷房能力Qが17.3Kw以上で20.6Kw未満の空気調和装置(1) に用いられる室外熱交換器であり、
    パス数Nが、
    11≦N≦15 の範囲内に定められている請求項6記載の室外熱交換器。
  8. 伝熱管(13p) の平均内径dが、5.9mm ≦d≦6.3mm の範囲内から選定され、
    パス数Nが、
    0R32=0.86Q+0.89 で算出される値に対して、±2の範囲内に定められている請求項3記載の室外熱交換器。
  9. 定格冷房能力Qが14.1Kw以上で17.3Kw未満の空気調和装置(1) に用いられる室外熱交換器であり、
    パス数Nが、
    11≦N≦15 の範囲内に定められている請求項8記載の室外熱交換器。
  10. R32またはその混合冷媒による蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う空気調和装置(1) に用いられるプレートフィンコイル形の室内熱交換器であって、
    定格冷房能力をQ(Kw)、伝熱管(15p) の平均内径をd(mm)としたときに、
    パス数Nが、
    IR32=14.59Q×d-5/3 で算出される値に対して、±2の範囲内に定められている室内熱交換器。
  11. Qとdから求められるNIR32の値が12を越える場合は、
    パス数Nが、
    10≦N≦14 の範囲内に定められている請求項10記載の室内熱交換器。
  12. 伝熱管(15p) の平均内径dが、5.2mm ≦d≦7.0mm の範囲内から選定されている請求項10または11記載の室内熱交換器。
  13. 伝熱管(15p) の平均内径dが、6.6mm ≦d≦7.0mm の範囲内から選定され、
    パス数Nが、
    IR32=0.60Q で算出される値に対して、±2の範囲内に定められている請求項12記載の室内熱交換器。
  14. 定格冷房能力Qが20Kw以上の空気調和装置(1) に用いられる室内熱交換器であり、
    パス数Nが、
    10≦N≦14 の範囲内に定められている請求項13記載の室内熱交換器。
  15. 伝熱管(15p) の平均内径dが、5.9mm ≦d≦6.3mm の範囲内から選定され、
    パス数Nが、
    IR32=0.72Q で算出される値に対して、±2の範囲内に定められている請求項12記載の室内熱交換器。
  16. 定格冷房能力Qが16.7Kw以上で20Kw未満の空気調和装置(1) に用いられる室内熱交換器であり、
    パス数Nが、
    10≦N≦14 の範囲内に定められている請求項15記載の室内熱交換器。
  17. 伝熱管(15p) の平均内径dが、5.5mm ≦d≦5.9mm の範囲内から選定され、
    パス数Nが、
    IR32=0.80Q で算出される値に対して、±2の範囲内に定められている請求項12記載の室内熱交換器。
  18. 定格冷房能力Qが15.0Kw以上で16.7Kw未満の空気調和装置(1) に用いられる室内熱交換器であり、
    パス数Nが、
    10≦N≦14 の範囲内に定められている請求項17記載の室内熱交換器。
  19. 伝熱管(15p) の平均内径dが、5.2mm ≦d≦5.4mm の範囲内から選定され、
    パス数Nが、
    IR32=0.91Q で算出される値に対して、±2の範囲内に定められている請求項12記載の室内熱交換器。
  20. 定格冷房能力Qが13.2Kw以上で15.0Kw未満の空気調和装置(1) に用いられる室内熱交換器であり、
    パス数Nが、
    10≦N≦14 の範囲内に定められている請求項19記載の室内熱交換器。
  21. R32またはその混合冷媒による蒸気圧縮式冷凍サイクルを行うように、圧縮機(11)と、室外熱交換器(13)と、減圧機構(14)と、室内熱交換器(15)とが順に接続された冷媒回路(10)を備えた空気調和装置であって、
    室外熱交換器(13)が、請求項1ないし9の何れか1記載の室外熱交換器により構成されている空気調和装置。
  22. R32またはその混合冷媒による蒸気圧縮式冷凍サイクルを行うように、圧縮機(11)と、室外熱交換器(13)と、減圧機構(14)と、室内熱交換器(15)とが順に接続された冷媒回路(10)を備えた空気調和装置であって、
    室内熱交換器(15)が、請求項10ないし20の何れか1記載の室内熱交換器により構成されている空気調和装置。
  23. R32またはその混合冷媒による蒸気圧縮式冷凍サイクルを行うように、圧縮機(11)と、室外熱交換器(13)と、減圧機構(14)と、室内熱交換器(15)とが順に接続された冷媒回路(10)を備えた空気調和装置であって、
    室外熱交換器(13)が請求項1ないし9の何れか1記載の室外熱交換器により構成され、室内熱交換器(15)が請求項10ないし20の何れか1記載の室内熱交換器により構成されている空気調和装置。
  24. 冷媒としてR32が使用される請求項21,22または23記載の空気調和装置。
  25. 冷媒として、R32を75質量%以上100質量%未満含む混合冷媒が使用される請求項21,22または23記載の空気調和装置。
  26. 冷媒として、R32とR125の混合冷媒が使用され、該混合冷媒が、R32を75質量%以上100質量%未満含んでいる請求項21,22または23記載の空気調和装置。
  27. 冷媒として、R32とR134aの混合冷媒が使用され、該混合冷媒が、R32を75質量%以上100質量%未満含んでいる請求項21,22または23記載の空気調和装置。
  28. 冷媒として、R32と炭化水素系冷媒の混合冷媒が使用され、該混合冷媒が、R32を75質量%以上100質量%未満含んでいる請求項21,22または23記載の空気調和装置。
  29. 炭化水素系冷媒は、プロパン、ブタン、イソブタンの何れか1である請求項28記載の空気調和装置。
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