JP7386613B2 - 熱交換器およびそれを備えた空気調和機 - Google Patents

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Description

本発明は、熱交換器およびそれを備えた空気調和機に関する。
一般的な空気調和機では、圧縮機、四方弁、室内熱交換器、膨張弁、室外熱交換器が環状に接続された冷凍サイクルが構成されている。四方弁によって冷媒が循環する方向を制御することで、冷房運転と暖房運転とが切り換えられる。冷房運転では、室内熱交換器が蒸発器となる。暖房運転では、室内熱交換器が凝縮器となる。空気調和機では、冷房運転時に室内熱交換器を流れる冷媒の流動方向と、暖房運転時に室内熱交換器を流れる冷媒の流動方向とは、互いに逆向きである。
冷房運転の場合、室内熱交換器を流れる冷媒は比容積(冷媒1kgの体積)が大きく、流速が速い状態になるため、冷媒の圧力損失が大きくなる。これに対して、一般的には、冷媒の経路の数を多く設定することで、冷媒の流速を緩和し、冷媒の圧力損失に伴う蒸発性能の低下を抑制する対策が採られていた。ところが、室内熱交換器の冷媒の経路の数を増加させた場合には、室内熱交換器を凝縮器として使用する暖房運転時には、冷媒の流速が低下し、伝熱管内の熱伝達率が低下するという問題があった。
このような問題点を解決するために、第1熱交換部と第2熱交換部とを有する熱交換器を備えた空気調和機が提案されている。熱交換器を蒸発器として使用する場合には、第1熱交換部と第2熱交換部とを並列に接続することによって、冷媒の経路の数が増加される。一方、熱交換器を凝縮器として使用する場合には、第1熱交換部と第2熱交換部とを直列に接続することによって、冷媒の経路の数が減少される。なお、この種の空気調和機を開示した特許文献として、たとえば、特許文献1がある。
国際公開第2015/063853A1号
Lockhart, R.W. and Martinelli, R.C., Chem. Eng. Progress, 45(1949),39-48.
上述した第1熱交換部と第2熱交換部とを有する熱交換器を室内機として適用した場合において、熱交換器が蒸発器として機能する冷房運転時では、第1熱交換部と第2熱交換部とが並列に接続されることになる。
しかしながら、第1熱交換部の伝熱管の本数等および第2熱交換部の伝熱管の本数等の制約から、現実的に接続することが可能な伝熱管による冷媒の経路の数(パス数)の自由度が低く、熱交換器として熱交換性能を十分に発揮することが難しいという技術的課題があった。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、一つの目的は、蒸発器として使用した場合の熱交換性能を向上させることができる熱交換器を提供することであり、他の目的は、そのような熱交換器を適用した空気調和機を提供することである。
本発明に係る熱交換器は、冷房能力として、定格冷房能力4kWから8kWまでのうちのいずれかの冷房能力を少なくとも有する熱交換器であって、第1熱交換部と第2熱交換部とバイパス配管とを備えている。第1熱交換部は、複数の第1伝熱管が配置されている。第2熱交換部は、第1熱交換部に直列に接続され、複数の第2伝熱管が配置されている。バイパス配管は、第1熱交換部に対して、第2熱交換部に接続されている側と、第2熱交換部に接続されている側とは反対側とを繋ぐ態様で並列に接続されている。第1熱交換部および第2熱交換部が蒸発器として機能する場合では、冷媒は、第1熱交換部およびバイパス配管のそれぞれを流れた後に第2熱交換部を流れる。冷媒が第1熱交換部を流れる際の第1圧力損失をΔPとする。冷媒が第2熱交換部を流れる際の第2圧力損失をΔPとする。前記第1熱交換部の第1伝熱管外伝熱面積をAO,1とする。前記第2熱交換部の第2伝熱管外伝熱面積をAO,2とする。αを式1、α=(ΔP/(ΔP+ΔP))/(AO,1/(AO,1+AO,2))(式1)、によって算出される値とすると、αは、α≧1.87、を満たす。
本発明に係る空気調和機は、上記熱交換器を備えた空気調和機であって、圧縮機、四方弁、室内機、膨張弁および室外機が、この順に冷媒配管によって環状に接続されている。熱交換器は、室内機および室外機の少なくともいずれかに配置されている。
本発明に係る熱交換器によれば、熱交換器を蒸発器として使用する場合に、第1熱交換部へ流れる冷媒の一部がバイパス配管を流れて第2熱交換部へ流れ込むことになる。これにより、第1熱交換部を流れる冷媒の圧力損失が低下する結果、蒸発器としての熱交換性能を向上させることができる。
本発明に係る空気調和機によれば、上記熱交換器を適用することで、蒸発器としての熱交換性能を向上させることができる。
各実施の形態に係る空気調和機の設置例を示す斜視図である。 各実施の形態に係る空気調和機の設置例を示す側面図である。 各実施の形態に係る空気調和機の冷媒回路の一例を示す図である。 実施の形態1に係る室内熱交換器の構造を模式的に示す図である。 同実施の形態において、図4に示す室内熱交換器における冷媒が流れる経路を模式的に示す図である。 同実施の形態において、シミュレーションの条件No.1およびNo.2を説明するための図である。 同実施の形態において、シミュレーションの条件No.3およびNo.4を説明するための図である。 同実施の形態において、シミュレーションの条件No.5およびNo.6を説明するための図である。 同実施の形態において、シミュレーションの条件No.7およびNo.8を説明するための図である。 同実施の形態において、シミュレーションの条件No.9およびNo.10を説明するための図である。 同実施の形態において、シミュレーションの条件No.11およびNo.12を説明するための図である。 同実施の形態において、シミュレーションの条件No.13およびNo.14を説明するための図である。 同実施の形態において、シミュレーションの条件No.15およびNo.16を説明するための図である。 同実施の形態において、シミュレーションの結果を説明するための図である。 同実施の形態において、シミュレーションの条件No.10の場合の、冷房能力と流量係数との関係を示すグラフである。 同実施の形態において、シミュレーションの条件No.10の場合の、1パス部の冷媒の循環流量と流量係数との関係と、1パス部の圧力損失と流量係数との関係とを、それぞれ示すグラフである。 実施の形態2に係る室内熱交換器の、流量係数とγの値との関係を示す第1のグラフである。 同実施の形態において、室内熱交換器の、流量係数とγの値との関係を示す第2のグラフである。 各実施の形態において、変形例に係る室内熱交換器の構造を模式的に示す図である。
実施の形態1.
はじめに、空気調和機の構成について説明する。図1および図2に示すように、空気調和機1は、居室内に配置される室内機3と、居室外に配置される室外機21とを備えている。室内機3は、たとえば、居室の壁41に設置されている。室内機3と室外機21とは、冷媒配管33によって接続されている。壁41には、屋内側45と屋外側47とを連通する挿通口43が設けられており、冷媒配管33は挿通口43に挿通されている。
次に、空気調和機1の冷媒回路(冷凍サイクル)について説明する。図3に示すように、室内機3には、室内熱交換器5および室内送風ファン11が設けられている。室外機21には、圧縮機23、四方弁27、室外熱交換器25、室外送風ファン31および減圧器29が設けられている。圧縮機23、四方弁27、室外熱交換器25、減圧器29および室内熱交換器5が、冷媒配管33によって繋がっている。冷媒回路には、冷媒が充填されている。
室内熱交換器5は、主熱交換部7(第2熱交換部)と補助熱交換部9(第1熱交換部)とを備えている。主熱交換部7と補助熱交換部9とは、接続配管35によって直列に接続されている。補助熱交換部9に対して、主熱交換部7に接続されている側と、主熱交換部7に接続されている側とは反対側とを繋ぐ態様で並列にバイパス配管13が接続されている。バイパス配管13には、逆止弁17とキャピラリーチューブ15とが取り付けられている。
圧縮機23は、冷媒を吐出する吐出口23aと、冷媒を吸入する吸入口23bとを有する。圧縮機23は、たとえば、インバータ圧縮機であり、圧縮機23の回転数は、インバータによって可変制御される。
四方弁27は、空気調和機1の冷媒回路における冷媒の流れる方向を切り換える機能を有する。四方弁27は、第1ポートP1、第2ポートP2、第3ポートP3および第4ポートP4を有する。第1ポートP1は、圧縮機23の吐出口23aに接続されている。第2ポートP2は、圧縮機23の吸入口23bに接続されている。第3ポートP3は、冷媒配管33によって主熱交換部7に接続されている。第4ポートP4は、室外熱交換器25に接続されている。
四方弁27では、第1ポートP1と第3ポートP3との間が接続されるとともに、第2ポートP2と第4ポートP4との間が接続される第1接続状態と、第1ポートP1と第4ポートP4との間が接続されるとともに、第2ポートP2と第3ポートP3との間が接続される第2接続状態とが、冷房運転または暖房運転に応じて切り換えられる。
四方弁27が第1接続状態では、圧縮機23、室内熱交換器5、減圧器29、室外熱交換器25が、この順に接続されることになる。第1接続状態では、室内熱交換器5の主熱交換部7および補助熱交換部9は凝縮器として機能し、室外熱交換器25は蒸発器として機能する。すなわち、四方弁27が第1接続状態では、空気調和機1は、暖房運転をすることになる。
四方弁27が第2接続状態では、圧縮機23、室外熱交換器25、減圧器29、室内熱交換器5が、この順に接続されることになる。第2接続状態では、室外熱交換器25は凝縮器として機能し、室内熱交換器5の主熱交換部7および補助熱交換部9は蒸発器として機能する。すなわち、四方弁27が第2接続状態では、空気調和機1は、冷房運転をすることになる。
冷房運転および暖房運転のそれぞれにおいて、主熱交換部7と補助熱交換部9を備えた室内熱交換器5では、室内熱交換器5内を流れる冷媒と居室の空気との間で熱交換が行われる。室外熱交換器25では、室外熱交換器25を流れる冷媒と居室外の空気との間で熱交換が行われる。
次に、上述した空気調和機1の動作として、まず、暖房運転の場合について説明する。暖房運転では、四方弁27は、第1接続状態に切り換えられる。
圧縮機23を駆動させることによって、圧縮機23の吐出口23aから高温高圧のガス冷媒が吐出する。吐出した高温高圧の冷媒(単相のガス冷媒)は、四方弁27を介して室内熱交換器5に流れ込む。室内熱交換器5では、冷媒は、まず、主熱交換部7を流れ、次に、補助熱交換部9を流れる。主熱交換部7では、冷媒と室内送風ファン11によって送り込まれる空気との間で熱交換が行われて、冷媒は凝縮を開始し、補助熱交換部9では、冷媒は高圧の過冷却液となる。一方、送り込まれた空気は温められて、居室内が暖房される。
補助熱交換部9を流れる冷媒が高圧の過冷却の液冷媒となることで、冷媒の圧力損失は小さくなる。しかも、逆止弁17によって、冷媒はバイパス配管13を流れることなく、主熱交換部7を流れた冷媒のすべてが、補助熱交換部9を流れることになる。これにより、補助熱交換部9を流れる冷媒の流速が上がり、伝熱管内熱伝達率が高められて、冷媒と空気との熱交換性能が向上し、居室内が効率的に暖房される。室内熱交換器5から送り出された高圧の冷媒(過冷却の液冷媒)は、減圧器29によって、低圧のガス冷媒と液冷媒との二相状態の冷媒になる。
二相状態の冷媒は、室外熱交換器25に流れ込む。室外熱交換器25では、流れ込んだ二相状態の冷媒と、室外送風ファン31によって送り込まれる空気との間で熱交換が行われる。二相状態の冷媒のうち、液冷媒が蒸発して、低圧の冷媒(単相のガス冷媒)になる。室外熱交換器25から送り出された低圧の冷媒(ガス冷媒)は、四方弁27を介して吸入口23bから圧縮機23に流れ込む。圧縮機23に流れ込んだ低圧の冷媒は、圧縮されて高温高圧の冷媒(ガス冷媒)となって、再び圧縮機23の吐出口23aから吐出する。以下、このサイクルが繰り返される。図3では、暖房運転の場合の冷媒の流れが、実線の矢印によって示されている。
次に、冷房運転の場合について説明する。冷房運転では、四方弁27は、第2接続状態に切り換えられる。
圧縮機23を駆動させることによって、圧縮機23の吐出口23aから高温高圧のガス冷媒が吐出する。吐出した高温高圧の冷媒(単相のガス冷媒)は、四方弁27を介して室外熱交換器25に流れ込む。室外熱交換器25では、流れ込んだ冷媒と、室外送風ファン31によって送り込まれる空気との間で熱交換が行われる。高温高圧の冷媒は、凝縮して高圧の冷媒(単相の液冷媒)になる。
室外熱交換器25を送り出された冷媒は、減圧器29によって、低圧のガス冷媒と液冷媒との二相状態の冷媒になる。二相状態の冷媒は、室内熱交換器5に流れ込む。室内熱交換器5では、流れ込んだ二相状態の冷媒と、室内送風ファン11によって送り込まれる空気との間で熱交換が行われる。二相状態の冷媒は、液冷媒が蒸発して低圧の冷媒(単相のガス冷媒)になる。この熱交換によって、室内が冷却されることになる。
室内熱交換器5では、室内熱交換器5に流れ込む冷媒のうち、大部分の冷媒が、まず、補助熱交換部9に流れ込むとともに、残りの冷媒は、補助熱交換部9を流れずに、バイパス配管13を流れる。バイパス配管13を流れた冷媒は、補助熱交換部9を流れた冷媒と合流して、主熱交換部7に流れ込むことになる。補助熱交換部9を流れる冷媒の流量が減少することで、補助熱交換部9を流れる冷媒の圧力損失が低減し、その結果として、室内熱交換器5における熱交換性能が向上する。これについては、後述する。
室内熱交換器5から送り出された低圧の冷媒(ガス冷媒)は、四方弁27を介して吸入口23bから圧縮機23に流れ込む。圧縮機23に流れ込んだ低圧の冷媒は、圧縮されて高温高圧の冷媒(ガス冷媒)となって、再び圧縮機23の吐出口23aから吐出する。以下、このサイクルが繰り返される。図3では、冷房運転の場合の冷媒の流れが、点線の矢印によって示されている。
上述した空気調和機1では、冷房運転の際に、室内熱交換器5に送り込まれた冷媒のうち、大部分の冷媒は、補助熱交換部9を流れて主熱交換部7に送り込まれる一方、残りの冷媒は、バイパス配管13を流れて主熱交換部7に直接送り込まれる。これにより、熱交換性能を向上させることができる。このことについて、室内熱交換器5の具体的な構造の一例を挙げて説明する。
図4に示すように、室内熱交換器5は、4つの補助熱交換部9(第1熱交換部)と4つの主熱交換部7(第2熱交換部)とを備えている。まず、補助熱交換部9と主熱交換部7のそれぞれにおいて、冷媒が流れる経路の数をパス数と呼び、そのパス数について説明する。
図5は、図4に示される補助熱交換部9および主熱交換部7における冷媒の経路を模式的に示した図である。図5に示すように、補助熱交換部9では、冷媒の経路の数は1経路であり、パス数1である。パス数1を、単に、1パスと記す。主熱交換部7では、冷媒の経路の数は、4経路と8経路とがあり、それぞれパス数4とパス数8である。パス数4を4パス、パス数8を8パスとそれぞれ記す。なお、この明細書では、パス数が2以上の場合には、パス数に対応した数の経路が並列に接続された構成を意図する。
補助熱交換部9のパス数(1パス)は、主熱交換部7のパス数(4パス、8パス)よりも少ない。このため、補助熱交換部9では、冷媒の流速が速くなり、冷媒の圧力損失が大きくなるところ、一部の冷媒は、バイパス配管13を流れて主熱交換部7に直接送り込まれるため、補助熱交換部9では、冷媒の流量が減少し、冷媒の圧力損失が低減されることになる。
一方、バイパス配管13を流れる一部の冷媒は、補助熱交換部9では、熱交換が行われないことになるため、室内熱交換器5としては、補助熱交換部9の伝熱面積分が減少したのと同じことになる。
このとき、冷媒をバイパス配管13に流すことによって、補助熱交換部9の伝熱面積分の減少に伴う冷房能力の低下に対して、冷媒をバイパス配管13に流すことによって、補助熱交換部9における冷媒の圧力損失の低減に伴う冷房能力の向上が勝っている場合には、室内熱交換器5として、冷房能力が向上することになる。
発明者は、冷媒をバイパス配管13に流すのがよいか否かを判断する算出式として、経験的見地から、次の式1、
α=(ΔPsub/(ΔPsub+ΔPmain))/(Ao,sub/(Ao,sub+Ao,main))≧β …式1、
を導出した。
ここで、ΔPsub(ΔPに対応)は、補助熱交換部9における冷媒の圧力損失である。ΔPmain(ΔPに対応)は、主熱交換部7における冷媒の圧力損失である。Ao,sub(AO,1に対応)は、補助熱交換部9の伝熱管外伝熱面積(第1伝熱管外伝熱面積)である。Ao,main(AO,2に対応)は、主熱交換部7の伝熱管外伝熱面積(第2伝熱管外伝熱面積)である。
式1では、補助熱交換部9における冷媒の圧力損失と主熱交換部7における冷媒の圧力損失との和に対する補助熱交換部9における冷媒の圧力損失の割合と、補助熱交換部9の伝熱管外伝熱面積と主熱交換部7の伝熱管外伝熱面積との和に対する補助熱交換部9の伝熱管外伝熱面積の割合との関係が比として表されている。発明者は、その比の値(α)が、β(一定値)以上であれば、冷媒をバイパス配管13に流すことで、室内熱交換器5として、冷房能力を向上させることができると考えた。
発明者は、この式1に基づいて、βの値をシミュレーションによって求めることを試みた。シミュレーションに際して、実際の熱交換器の構造を想定し、JIS規格(C9612)に基づいて、16条件を設定した。シミュレーションの条件を、図6、図7、図8、図9、図10、図11、図12および図13のそれぞれに示す。
定格冷房能力として、40クラスと80クラスとを設定した。40クラスとは4kWを意味する。80クラスとは8kWを意味する。40クラスと80クラスのそれぞれについて、運転状態として、定格冷房と中間冷房とを設定し、その定格冷房と中間冷房とのそれぞれについて、冷媒の循環量、入力エンタルピー、出口圧力および風量をそれぞれ設定した。
40クラスの定格冷房では、冷媒の循環量を68.8kg/h、入力エンタルピーを266.4kJ/kg、出口圧力を1.213MPaA、風量を21.4m/minに設定した。40クラスの中間冷房では、冷媒の循環量を27.1kg/h、入力エンタルピーを266kJ/kg、出口圧力を1.508MPaA、風量を16.39m/minに設定した。
80クラスの定格冷房では、冷媒の循環量を119.1kg/h、入力エンタルピーを269.4kJ/kg、出口圧力を0.978MPaA、風量を26m/minに設定した。80クラス中間冷房では、冷媒の循環量を52.8kg/h、入力エンタルピーを271kJ/kg、出口圧力を1.361MPaA、風量を22.7m/minに設定した。
また、冷媒をR32に設定した。吸込乾球温度を27℃に設定した。吸込湿球温度を19℃に設定した。
次に、補助熱交換部および主熱交換部のそれぞれについて設定した伝熱管の本数等について説明する。説明の便宜上、まず、冷媒の経路を模式的に示した図5と、その図5に対応するシミュレーション条件No.9およびNo.10を示した図10とを参照して説明する。
図5に示すように、補助熱交換部9では、冷媒のパス数は、パス数1(1パス)である。主熱交換部7では、冷媒のパス数は、パス数4(4パス)とパス数8(8パス)である。図10におけるパス数と伝熱管本数の内訳に示されているように、補助熱交換部9では、1パスの伝熱管10の本数は16本になる。主熱交換部7では、4パスの伝熱管8の本数は16本になる。8パスの伝熱管8の本数は32本になる。
他のシミュレーション条件におけるパス数と伝熱管の本数についても、同じ要領で設定した。図6に示すように、シミュレーション条件No.1およびNo.2では、補助熱交換部9について、パス数として、1パスを設定した。1パスの伝熱管の本数を4本に設定した。主熱交換部7について、パス数として、2パス、4パスおよび8パスを設定した。2パスの伝熱管の本数を12本に設定し、4パスの伝熱管の本数を16本に設定し、8パスの伝熱管の本数を32本に設定した。
図7に示すように、シミュレーション条件No.3およびNo.4では、補助熱交換部9について、パス数として、1パスを設定した。1パスの伝熱管の本数を8本に設定した。主熱交換部7について、パス数として、2パス、4パスおよび8パスを設定した。2パスの伝熱管の本数を8本に設定し、4パスの伝熱管の本数を16本に設定し、8パスの伝熱管の本数を32本に設定した。
図8に示すように、シミュレーション条件No.5およびNo.6では、補助熱交換部9について、パス数として、2パスを設定した。2パスの伝熱管の本数を4本に設定した。主熱交換部7について、パス数として、2パス、4パスおよび8パスを設定した。2パスの伝熱管の本数を12本に設定し、4パスの伝熱管の本数を16本に設定し、8パスの伝熱管の本数を32本に設定した。
図9に示すように、シミュレーション条件No.7およびNo.8では、補助熱交換部9について、パス数として、2パスを設定した。2パスの伝熱管の本数を8本に設定した。主熱交換部7について、パス数として、2パス、4パスおよび8パスを設定した。2パスの伝熱管の本数を8本に設定し、4パスの伝熱管の本数を16本に設定し、8パスの伝熱管の本数を32本に設定した。
図11に示すように、シミュレーション条件No.11およびNo.12では、補助熱交換部9について、パス数として、1パスを設定した。1パスの伝熱管の本数を8本に設定した。主熱交換部7について、パス数として、2パスおよび4パスを設定した。2パスの伝熱管の本数を8本に設定し、4パスの伝熱管の本数を48本に設定した。
図12に示すように、シミュレーション条件No.13およびNo.14では、補助熱交換部9について、パス数として、2パスを設定した。2パスの伝熱管の本数を8本に設定した。主熱交換部7について、パス数として、2パスおよび4パスを設定した。2パスの伝熱管の本数を8本に設定し、4パスの伝熱管の本数を48本に設定した。
図13に示すように、シミュレーション条件No.15およびNo.16では、補助熱交換部9について、パス数として、2パスを設定した。2パスの伝熱管の本数を16本に設定した。主熱交換部7について、パス数として、4パスを設定した。4パスの伝熱管の本数を48本に設定した。
また、すべてのシミュレーション条件No.1~No.16では、主熱交換部7の伝熱管の内径を4.58mmに設定した。シミュレーション条件No.1~No.8、No.11~No.16では、補助熱交換部9の伝熱管の内径を4.58mmに設定した。シミュレーション条件No.9、No.10では、補助熱交換部9の伝熱管の内径を6.74mmに設定した。
図14に、シミュレーションの結果として、熱交換器における圧力損失、αの値、γの値、最大性能改善率およびCv値を示す。αの値は、式1から算出される値である。γの値については、後述する。
最大性能改善率は、(Q(冷媒をバイパスさせた場合の冷房能力)/Q(冷媒をバイパスさせない場合の冷房能力)-1)×100(%)によって算出され、冷媒をバイパスさせない場合の冷房能力(kW)に対して冷媒をバイパスさせた場合に、冷房能力(kW)がどの程度改善されるかを示す割合である。Cv値は、キャピラリーチューブを流れる冷媒の流量係数であり、最大性能改善率における流量係数である。
発明者は、αの下限値(β)を設定するに際して、最大性能改善率(%)の値とCv値を考慮した。αの値を算出する式1からは、冷媒の圧力損失に関する割合が、伝熱管外伝熱面積に関する割合よりも大きく、αの値が大きくなるほど、冷房性能を上げることができると推測される。
図6~図13および図14に示されるように、熱交換器の能力(40クラス、80クラス)、運転条件(定格冷房、中間冷房)によって、αの値が比較的低い値では、最大性能改善率等の値にばらつき(揺らぎ)が認められる。一方、αの値が、1.87以上になると、最大性能改善率(%)等の値が安定し、冷房性能の改善効果があることがわかった。
さらに、熱交換器の能力を40クラス(4kW)に限ると、αの値が、4.5以上になると、最大性能改善率(%)等がより向上することがわかった。
冷媒の流量係数Cvは、図14に示される値に設定することで、熱交換器としての性能改善率が最大になる。ここで、一例として、シミュレーション条件No.10の場合の、キャピラリーチューブを流れる冷媒の流量係数Cvの値を変化させたときの冷房能力(W)の変化を、図15に示す。
また、キャピラリーチューブ15を流れる冷媒の流量係数Cvの値を変化させたときのバイパス配管13を流れる冷媒の量(循環流量)の変化(点線)と、キャピラリーチューブ15を流れる冷媒の流量係数Cvの値を変化させたときの、補助熱交換部9を流れる冷媒の圧力損失(kPa)の変化(実線)とを、図16に示す。
図16に示すように、流量係数Cv値が大きい場合には、バイパス配管13を流れる冷媒の量(循環量)は増加する。このため、補助熱交換部9における圧力損失は低下することになるが、伝熱管内熱伝達率も低下することになる。一方、流量係数Cv値が小さい場合には、バイパス配管13を流れる冷媒の量(循環量)が減少する。このため、補助熱交換部9では、冷媒の圧力損失は増加することになるが、伝熱管内熱伝達率も増加することになる。
したがって、補助熱交換部9における熱伝達(伝熱)と圧力損失とのバランスによって、冷房能力(W)は、流量係数Cv値に対して極値をもつことになる。たとえば、シミュレーション条件No.10の場合には、図15に示されるように、流量係数Cv値が0.04のときに、冷房能力(W)が最も高くなり、最大能力になることがわかった。
空気調和機の性能指標の一つに、APF(通年エネルギー消費効率:Annual Performance Factor)がある。この性能指標は、1年を通してある一定条件のもとで空気調和機を使用したときの消費電力1kWhあたりの冷房・暖房能力を表したものである。
空気調和機1が、たとえば、ルームエアコンまたはパッケージエアコンの場合には、中間冷房条件の方が、定格冷房条件に比べてAPFに寄与する割合が大きいとされる。このため、キャピラリーチューブ15を流れる冷媒の流量係数Cv値は、中間冷房条件のもとで決定することが望ましい。
なお、上述した空気調和機1では、キャピラリーチューブ15を例に挙げたが、開度調整によって流量係数Cv値を変えることが可能なバイパス弁を適用してもよい。バイパス弁を適用することで、定格冷房条件および中間冷房条件等の条件に応じて最適な開度に設定することができる。その結果、さまざまな条件下において、空気調和機1の性能を最大限に高めることができる。
なお、今回のシミュレーションによる評価では、室内熱交換器5の定格冷房能力として、40クラス(4kW)と80クラス(8kW)とを設定した。発明者は、空気調和機としてのさまざまな運転状況を考慮すると、今回の評価結果は、40クラスと80クラスとの間の冷房能力を有する室内熱交換器についても、当てはまると考えた。また、発明者は、40クラスよりも低い冷房能力、または、80クラスよりも高い冷房能力を有する室内熱交換器についても、今回の評価結果が当てはまる場合があると考えた。
実施の形態2.
実施の形態1では、式1において、補助熱交換部9における冷媒の圧力損失と主熱交換部7における冷媒の圧力損失との和に対する補助熱交換部9における冷媒の圧力損失の割合と、補助熱交換部9の伝熱管外伝熱面積と主熱交換部7の伝熱管外伝熱面積との和に対する補助熱交換部9の伝熱管外伝熱面積の割合との比をαと表した。ここでは、式1を、熱交換器の具体的な構造に基づいた変数に置き換えた式について説明する。
室内熱交換器5として、一般的にルームエアコンまたはパッケージエアコンで用いられているクロスフィン型熱交換器が適用されているとする。室内熱交換器5が蒸発器として動作する場合には、室内熱交換器5内では、冷媒は気液二相状態になる。冷媒が気液二相状態である場合、直管の伝熱管における圧力損失ΔPは、式2、
Figure 0007386613000001
と表される(非特許文献1)。
ここで、φは二相増倍係数、λは、冷媒がガス単相と仮定した場合の摩擦係数、lは伝熱管の長さ(m)、dは伝熱管の内径(m)、ξは圧力損失係数、χは乾き度、Grは質量流量(kg/s)、ρは飽和ガス密度(kg/m)、Sは伝熱管内断面積(m)である。一般的な室内熱交換器5では、λl/d≫ξより、圧力損失ΔPは、式3、
Figure 0007386613000002
と表される。
ここで、
Figure 0007386613000003
Figure 0007386613000004
より、圧力損失ΔPは、式6、
Figure 0007386613000005
となる。
この式6から、補助熱交換部9における冷媒の圧力損失ΔPsubを求める。まず、補助熱交換部9において、冷媒が流れる経路(第1経路)の数を第1パス数とし、第1パス数としてiを有する経路について、伝熱管外伝熱面積(第1伝熱管外伝熱面積)を、Ai,O,sub(Ai,O,1に対応)とし、伝熱管(第1伝熱管)の内径を、di,sub(di,1に対応)とする。そうすると、第1パス数iを有する経路の圧力損失(第1部分圧力損失)は、Ai,O,sub・i-1.75・(di,sub-4.75によって表される。第1パス数の最大値をnとすると、補助熱交換部9の全体では、冷媒の圧力損失ΔPsubは、第1パス数の最小値から最大値nまでの総和として、式7、
Figure 0007386613000006
によって表される。なお、式7では、数式の表現上、第1パス数iが1からnまでのそれぞれの経路の圧力損失の総和として示されているが、シミュレーションでは、該当する第1パス数を有する経路に基づいて、圧力損失の総和が算出されることになる。後述する伝熱管外伝熱面積AO,subを算出する式10についても、同様である。
同じ要領で、主熱交換部7における冷媒の圧力損失ΔPmainを求める。主熱交換部7において、冷媒が流れる経路(第2経路)の数を第2パス数とし、第2パス数としてjを有する経路について、伝熱管外伝熱面積(第2伝熱管外伝熱面積)を、Aj,O,main(Aj,O,2に対応)とし、伝熱管(第2伝熱管)の内径を、dj,main(dj,2に対応)とする。そうすると、第2パス数jを有する経路の圧力損失(第2部分圧力損失)は、Aj,O,main・j-1.75・(dj,main-4.75によって表される。第2パス数の最大値をmとすると、主熱交換部7の全体では、冷媒の圧力損失ΔPmainは、第2パス数の最小値から最大値mまでの総和として、式8、
Figure 0007386613000007
によって表される。なお、式8では、数式の表現上、第2パス数jが1からmまでのそれぞれの経路の圧力損失の総和として示されているが、シミュレーションでは、該当する第2パス数を有する経路に基づいて、圧力損失の総和が算出されることになる。後述する伝熱外伝熱面積AO,mainを算出する式11についても、同様である。
室内熱交換器5の全体では、圧力損失ΔPsumは、補助熱交換部9の圧力損失ΔPsubと主熱交換部7の圧力損失ΔPmainとの和として、式7と式8とにより、式9、
Figure 0007386613000008
によって表される。
次に、補助熱交換部9の伝熱管外伝熱面積AO,subを求める。この伝熱管外伝熱面積AO,subは、式10、
Figure 0007386613000009
によって表される。
次に、主熱交換部7の伝熱管外伝熱面積AO,mainを求める。この伝熱管外伝熱面積AO,mainは、式11、
Figure 0007386613000010
によって表される。
式7~式11を、式1の右辺へ代入することによって算出される値をγと定義すると、γは、式12、
Figure 0007386613000011
と表される。
この式12から、冷媒の一部をバイパス配管13に流することで、室内熱交換器5として熱交換性能が向上するか否かを、補助熱交換部9の管外伝熱面積、主熱交換部7の管外伝熱面積、補助熱交換部9のパス数、主熱交換部7のパス数、補助熱交換部9の伝熱管の内径および主熱交換部7の伝熱管の内径の具体的な数値を用いて判断することができる。すなわち、冷媒の一部をバイパスさせるのがよいかどうかを、室内熱交換器5の仕様から判断することができる。
前述した、たとえば、図5および図10に示されるシミュレーション条件では、第1パス数iは1だけであり、第2パス数jは、4と8とであり、
ΔPsub=A1,O,sub・1-1.75・(d1,sub-4.75
ΔPmain=A4,O,main・4-1.75・(d4.main-4.75+A8,O,main・8-1.75・(d8.main-4.75
O,sub=A1,O,sub
O,main=A4,O,main+A8,O,main
となる。これらの式に具体的な数値を代入することで、γの値が算出される。
図10に示されるシミュレーション条件の場合、
ΔPsub/(ΔPsub+ΔPmain)=0.00185/0.00349=0.53、
O,sub/(AO,sub+AO,main)=16/64=0.25、
となり、
γ=0.53/0.25=2.12、
となる(図14のシミュレーション条件No.9、No.10参照)。
同じ要領で、シミュレーション条件No1~No,16のそれぞれについて、算出されたγの値を、図14に併せて示す。図14に示されるように、γの値が比較的高い場合には、αの値との差が比較的小さいことがわかる。一方、γの値が比較的低い場合には、αの値との差が比較的大きくなっていることがわかる。これは、γを算出する式12では、室内熱交換器5内において、乾き度等が変化する影響等を無視しているためであると考えられる。
ここで、算出されたγの値とキャピラリーチューブを流れる冷媒の流量係数Cv値との関係について説明する。定格冷房の場合のγの値と流量係数Cv値との関係を図17に示す。中間冷房の場合のγの値と流量係数Cv値との関係を図18に示す。
上記のように、γの値が比較的高い場合には、αの値との差が比較的小さく、γの値とαの値とが接近しているため、γの値とαの値とが比較的大きな値の範囲(γ≧2.12、α≧2.87)において議論する。
γの値およびαの値が大きければ大きいほど、補助熱交換部9における冷媒の圧力損失の影響が大きくなるため、バイパス配管に流す冷媒の量を増やし、補助熱交換部9における冷媒の圧力損失を減らした方がよいと考えられる。すなわち、γの値およびαの値が大きければ大きいほど、キャピラリーチューブを流れる冷媒の流量係数Cv値は大きくなると考えられる。
定格冷房の場合の相関係数は0.76であり、中間冷房の場合の相関係数は0.94である。γの値とキャピラリーチューブを流れる冷媒の流量係数Cv値との間には相関があることがわかる。定格冷房の場合には、γの値が、2.12≦γ≦4.38では、流量係数Cv値は、0.10≦Cv値≦0.20である。中間冷房の場合には、γの値が、2.12≦γ≦4.38では、流量係数Cv値は、0.04≦Cv値≦0.07である。
ここで、発明者は、定格冷房および中間冷房以外の運転条件によっては、γの値が、2.12≦γ≦4.38の場合において、流量係数Cv値が、0.07≦Cv値≦0.10の値も取り得る場合があると考えた。そこで、発明者は、γの値が、2.12≦γ≦4.38では、流量係数Cv値は、0.04≦Cv値≦0.2になると考えた。
また、定格冷房の場合には、γの値が、5.07≦γ≦6.52では、流量係数Cv値は、1.00≦Cv値≦10.00である。中間冷房の場合には、γの値が、5.07≦γ≦6.52では、流量係数Cv値は、Cv値=0.1である。先ほどと同様に、定格冷房および中間冷房以外の運転条件によっては、γの値が、5.07≦γ≦6.52の場合において、流量係数Cv値が、0.10≦Cv値≦1.00の値も取り得る場合があると考えた。そこで、発明者は、γの値が、5.07≦γ≦6.52では、流量係数Cv値は、0.10≦Cv値≦10になると考えた。
このシミュレーションによる評価結果から、発明者は、室内熱交換器5の具体的な構造に基づいて算出されるγの値に応じて、キャピラリーチューブ15を流れる冷媒の流量係数Cv値を調整することで、空気調和機の冷房能力(熱交換性能)を向上させることができると考えた。
なお、上述した空気調和機の室内熱交換器5として、側方から見た補助熱交換部9および主熱交換部7が、アルファベットのWのように配置された室内熱交換器5を例に挙げて説明した。室内熱交換器5としては、図19に示すように、側方から見た補助熱交換部9および主熱交換部7が、山型に配置された室内熱交換器5にも適用することが可能である。このような配置は、一般的なルームエアコンに採用されている。
また、上述した空気調和機の室内熱交換器5では、補助熱交換部9のフィンと主熱交換部7のフィンとが、互いに接触していない場合について説明したが、図19に示されるように、補助熱交換部9のフィンの一部と主熱交換部7のフィンの一部とが接触していてもよい。さらに、主熱交換部7、補助熱交換部9およびバイパス配管13等を備えた熱交換器を、室内熱交換器5に適用した場合について説明したが、室外熱交換器25に適用してもよい。
各実施の形態において説明した熱交換器については、必要に応じて種々組み合わせることが可能である。
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、主熱交換部および補助熱交換部を備えた熱交換器に有効に利用される。
1 空気調和機、3 室内機、5 室内熱交換器、7 主熱交換部、8 伝熱管、9 補助熱交換部、10 伝熱管、11 室内送風ファン、13 バイパス配管、15 キャピラリーチューブ、17 逆止弁、19 分配器、21 室外機、23 圧縮機、23a 吐出口、23b 吸入口、25 室外熱交換器、27 四方弁、29 減圧器、31 室外送風ファン、33 冷媒配管、35 接続配管、41 壁、43 挿通口、45 屋内側、47 屋外側、P1 第1ポート、P2 第2ポート、P3 第3ポート、P4 第4ポート、R1 冷媒入口、R2 冷媒出口。

Claims (9)

  1. 冷房能力として、定格冷房能力4kWから8kWまでのうちのいずれかの冷房能力を少なくとも有する熱交換器であって、
    複数の第1伝熱管が配置された第1熱交換部と、
    前記第1熱交換部に直列に接続され、複数の第2伝熱管が配置された第2熱交換部と、
    前記第1熱交換部に対して、前記第2熱交換部に接続されている側と、前記第2熱交換部に接続されている側とは反対側とを繋ぐ態様で並列に接続されたバイパス配管と
    を備え、
    前記第1熱交換部および前記第2熱交換部が蒸発器として機能する場合では、
    冷媒は、前記第1熱交換部および前記バイパス配管のそれぞれを流れた後に前記第2熱交換部を流れ、
    前記冷媒が前記第1熱交換部を流れる際の第1圧力損失をΔPとし、
    前記冷媒が前記第2熱交換部を流れる際の第2圧力損失をΔPとし、
    前記第1熱交換部の第1伝熱管外伝熱面積をAO,1とし、
    前記第2熱交換部の第2伝熱管外伝熱面積をAO,2とし、
    αを式1、
    α=(ΔP/(ΔP+ΔP))/(AO,1/(AO,1+AO,2)) … 式1、
    によって算出される値とすると、
    前記αは、
    α≧1.87、
    を満たす、熱交換器。
  2. 前記定格冷房能力として4kWを有し、
    前記αは、
    α≧4.5、
    を満たす、請求項1記載の熱交換器。
  3. 前記第1熱交換部では、前記冷媒が流れる少なくとも1つの経路を有する第1経路が形成され、
    前記第2熱交換部では、前記冷媒が流れる少なくとも1つの経路を有する第2経路が形成され、
    前記第1経路の前記経路の数を第1パス数とし、
    前記第2経路の前記経路の数を第2パス数とし、
    前記第1経路における前記第1パス数iを有する経路について、
    前記第1伝熱管外伝熱面積を、Ai,o,1とし、
    前記第1伝熱管の内径を、di,1とすると、
    前記第1パス数iを有する前記経路の第1部分圧力損失は、Ai,o,1・i-1.75・(di,1-4.75によって表され、
    前記第1パス数の最大値をnとすると、
    前記ΔPは、式2、
    Figure 0007386613000012
    によって表され、
    前記第2経路における前記第2パス数jを有する経路について、
    前記第2伝熱管外伝熱面積を、Aj,o,2とし、
    前記第2伝熱管外の内径を、dj,2とすると、
    前記第2パス数jを有する前記経路の第2部分圧力損失は、Aj,o,2・j-1.75・(dj,2-4.75によって表され、
    前記第2パス数の最大値をmとすると、
    前記ΔPは、式3、
    Figure 0007386613000013
    によって表され、
    前記AO,1は、式4、
    Figure 0007386613000014
    によって表され、
    前記AO,2は、式5、
    Figure 0007386613000015
    によって表され、
    前記式2、前記式3、前記式4および前記式5を、前記式1に代入することによって算出される値をγとすると、前記γは、式6、
    Figure 0007386613000016
    によって表される、請求項1または2に記載の熱交換器。
  4. 前記バイパス配管に取付けられた開閉弁を有し、
    前記開閉弁は、
    前記第1熱交換部および前記第2熱交換部が凝縮器として機能する場合には、閉じられた状態になり、
    前記第1熱交換部および前記第2熱交換部が蒸発器として機能する場合には、開けられた状態になる、請求項1~3のいずれかに記載の熱交換器。
  5. 前記開閉弁は、逆止弁および電磁弁のいずれかを含む、請求項4記載の熱交換器。
  6. 前記バイパス配管に取付けられ、前記バイパス配管を流れる前記冷媒の流量を調整する流量調整部を有する、請求項4または5に記載の熱交換器。
  7. 前記流量調整部は、キャピラリーチューブおよび流量調整弁のいずれかを含む、請求項6記載の熱交換器。
  8. 前記バイパス配管には、前記バイパス配管を流れる前記冷媒の流量を調整する流量調整部が設けられ、
    前記式6から算出される前記γの値が、2.12≦γ≦4.38では、
    前記流量調整部を流れる前記冷媒の流量係数Cv値は、
    0.04≦Cv値≦0.2、
    であり、
    前記γの値が、5.07≦γ≦6.52では、
    前記流量調整部を流れる前記冷媒の前記流量係数Cv値は、
    0.1≦Cv値≦10、
    である、請求項3記載の熱交換器。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の熱交換器を備えた空気調和機であって、
    圧縮機、四方弁、室内機、膨張弁および室外機が、この順に冷媒配管によって環状に接続され、
    前記熱交換器は、前記室内機および前記室外機の少なくともいずれかに配置された、空気調和機。
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