JP4447797B2 - 画像読取装置、画像印刷装置および有効範囲設定方法 - Google Patents

画像読取装置、画像印刷装置および有効範囲設定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿の読み取りを行って画像データを生成する画像読取装置画像データが示す画像を所定用紙に印刷する画像印刷装置および画像における有効範囲を設定するための有効範囲設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル複写機では、原稿をフラットベットスキャナなどの画像読取装置により読み取って得られる画像データに基づき、例えば電子写真装置などの画像印刷装置により用紙への印刷を行うことで原稿の複写を得る。
【0003】
このようなディジタル複写機では、ユーザは画像読取装置の所望とする画像を読み取らせるべく、原稿のセット位置を示すマーク等を参照して所定の位置に正しく原稿をセットする必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ユーザが正しく原稿をセットしたつもりであっても、実際には原稿が傾くなどのように正しくセットされていないことがある。この場合、ユーザは、印刷結果を確認して初めて原稿が正しくセットできていなかったことを知ることができるのであり、用紙の無駄が生じてしまう。また、このような場合には再度の複写を行わなければならず、手間および時間が余計にかかってしまう。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、読み取りにより得られる画像の有効範囲や印刷される画像の有効範囲をユーザが事前に確認し、さらにその有効範囲を容易に調整することを可能とすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために本発明の画像読取装置は、原稿を読み取る読取手段と、表示手段と、前記読取手段により前記原稿を読み取って得られる読取画像に有効読取範囲を示す範囲画像を合成してなる画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記表示手段の表示面に重ねて配置され、前記表示面への指によるタッチ位置を検出するタッチパネルと、前記タッチパネルで検出されたタッチ位置の変化とは逆方向に前記有効読取範囲を変更する変更手段とを具備し、前記表示制御手段は、前記タッチパネルで検出されたタッチ位置の変化に応じて前記表示手段での前記読取画像の表示位置を移動させる。
また本発明の画像印刷装置は、印刷手段と、原稿を読み取る読取手段と、表示手段と、前記読取手段により前記原稿を読み取って得られる読取画像に前記印刷手段により印刷するべき有効印刷範囲を示す範囲画像を合成してなる画像を印刷対象となる印刷画像として前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記表示手段の表示面に重ねて配置され、前記表示面への指によるタッチ位置を検出するタッチパネルと、前記タッチパネルで検出されたタッチ位置の変化とは逆方向に前記有効印刷範囲を変更する変更手段とを具備し、前記表示制御手段は、前記タッチパネルで検出されたタッチ位置の変化に応じて前記表示手段での前記読取画像の表示位置を移動させる。
また本発明の有効範囲設定方法は、指でのタッチ位置を検出するタッチパネルが表示面に重ねて配置された表示手段で、表示するべき主画像における有効範囲を設定する方法において、前記タッチパネルで検出されたタッチ位置の変化とは逆方向に前記有効範囲の位置を変更し、前記主画像に前記有効読取範囲を示す範囲画像を合成してなる画像を前記タッチ位置の変化に応じて前記主画像を移動させるように前記表示手段に表示させる。
また本発明の有効範囲設定方法は、指でのタッチ位置を検出するタッチパネルが表示面に重ねて配置された表示手段で表示するべき主画像における有効範囲を設定する方法において、前記タッチパネルで検出されたタッチ位置の変化とは逆方向に前記有効範囲の位置を変更し、前記主画像に前記有効読取範囲を示す範囲画像を合成してなる画像を、前記有効範囲の位置が変更されても前記表示面における前記範囲画像の位置が固定され、かつ前記表示面における前記主画像の位置を前記タッチ位置の変化に応じて移動させるように前記表示手段に表示させる。
【0007】
れらのような手段を講じたことにより、読取対象となる画像や印刷対象となる画像における有効読取範囲や有効印刷範囲がどの範囲となるかを示す画像が表示手段により表示されるとともに、有効読取範囲や有効印刷範囲の変更指示が表示面への指によるタッチ位置の変化によって受け付けられる。この結果、ユーザが画像の状態を確認・調整しながら、画像を直接的に操作するようにしての変更指示によって有効読取範囲や有効印刷範囲を容易に調整することが可能となる。
【0010】
また本発明は、有効読取範囲や有効印刷範囲の変更を行う、例えば読取範囲変更処理により実現される範囲変更モードの起動/解除の指定に応じて前記範囲変更モードの起動/解除を行う、例えばCPUのソフトウェア処理により実現されるモード設定手段を備え、かつ前記変更指示受付手段は、前記モード設定手段により前記範囲変更モードが起動されているときにのみ前記タッチパネルで検出される指でのタッチ位置の変化に応じて前記有効読取範囲または前記有効印刷範囲を移動させることとした。
【0011】
このような手段を講じたことにより、タッチパネルで検出される指でのタッチ位置の変化に応じて有効読取範囲または有効印刷範囲の変更指示の受け付けは範囲変更モードが起動されているときのみに制限される。
【0012】
また本発明は、前記モード設定手段を、前記範囲変更モードが起動されているときに所定時間に渡り前記タッチパネルにて指でのタッチが検出できない場合には前記範囲変更モードを解除することとした。
【0013】
このような手段を講じたことにより、範囲変更モードが設定されているにも拘わらずに有効読取範囲または有効印刷範囲の変更指示が所定時間以上なされない状況下では範囲変更モードが解除される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態につき説明する。
【0015】
図1は本実施形態に係る画像読取装置および画像印刷装置を適用して構成されたディジタル複写機の要部構成を示す図である。
【0016】
この図に示すように本実施形態のディジタル複写機は、原稿台1、光学系ユニット2、搬送ベルト3、モータ4、CCDセンサ5、光源制御部6、CCD読取り制御部7、スキャン制御部8、印刷部9、印刷制御部10、表示部11、タッチパネル12、メモリ部13およびCPU14を有してなる。
【0017】
原稿台1は、例えばガラスなどよりなる透明板を用いてなり、その上面(図中の上方の面)に読み取り面を下にした状態で原稿を載置するものである。
【0018】
光学系ユニット2は、原稿台1の下面側に配置されている。そして光学系ユニット2は図の奥行き方向に、所定の原稿読取領域の主走査方向幅よりも大きな幅を有している。そして光学系ユニット2は原稿読取領域外において、原稿台1に並行に配置された図示しないガイドロッドにより支持されるとともに、搬送ベルト3に固定されている。かくして、搬送ベルト3がモータ4により回転されることで、光学系ユニット2が原稿台1に沿って図中の左右方向に往復移動可能となっている。この光学系ユニット2は読取光源を内蔵しており、原稿台1に載置された原稿を原稿台1を通して照明する。そして光学系ユニット2は、原稿からの反射光を、CCDセンサ5に結像する。
【0019】
CCDセンサ5は、光学系ユニット2によって結像される原稿からの反射光像を光電変換し、その反射光像に応じた電気信号(画像信号)を生成する。
【0020】
さて、光源制御部6、CCD読取り制御部7、スキャン制御部8、印刷制御部10、表示部11、タッチパネル12、メモリ部13およびCPU14は、システムバス15を介して互いに接続されている。
【0021】
光源制御部6は、光学系ユニット2内の読取光源の点灯制御を行う。
【0022】
CCD読取り制御部7は、CCDセンサ5を駆動して主走査を行わせるとともに、CCDセンサ5で生成された電気信号(画像信号)を取込む。
【0023】
スキャン制御部8は、CPU14の制御の下にモータ4を制御し、副走査のために光学系ユニット2を移動させる。
【0024】
印刷部9は、例えば電子写真プリンタなどを用いてなり、記録用紙に対する印刷を行う。
【0025】
印刷制御部10は、CPU14の制御の下に印刷部9の動作を制御し、任意の画像を印刷部9に印刷させる。
【0026】
表示部11は例えばLCDなどを用いてなり、CPU14の制御の下にユーザに対して報知するべき各種の情報を表示する。
【0027】
タッチパネル12は、透明なものであって、表示部11の表示面に重ねて配置されている。そしてタッチパネル12は、ユーザが表示部11の表示面にタッチした際にそのタッチ位置を検出する。
【0028】
メモリ部13は、例えばROMおよびRAMなどを有してなり、CPU14の動作手順を記述した動作プログラムや、CPU14が各種の処理を行う上で必要な各種のデータを記憶しておく。
【0029】
CPU14は、メモリ部13に格納された動作プログラムに基づいて動作し、ディジタル複写機としての動作を実現するべく各部を総括制御する。このCPU14がメモリ部13に格納された動作プログラムに基づいて行うソフトウェア処理により実現される処理手段は、ディジタル複写機における周知の一般的な機能を実現するための周知の処理手段の他に、モード設定手段、変更指示受付手段、表示制御手段および複写制御手段とを有している。
【0030】
ここでモード設定手段は、有効読取範囲の変更を行う範囲変更モードの起動/解除をユーザ指示およびタイマ管理により行う。なお有効読取範囲とは、複写対象とする画像の範囲を示す。
【0031】
変更指示受付手段は、ユーザによるタッチパネル12への指によるタッチ(以下、パネルタッチと称する)によりなされる有効読取範囲の変更指示を受け付ける。
【0032】
表示制御手段は、原稿を読み取って得られる画像と有効読取範囲との相対的な位置関係をユーザに確認させるための画像の表示を表示部11に行わせる。
【0033】
そして複写制御手段は、印刷の実行が指定されたときに設定されている有効読取範囲内の画像を複写するべく印刷部9により印刷させる。
【0034】
次に以上のように構成されたディジタル複写機の動作につき説明する。なお、基本的な原稿の複写動作などは従来よりあるディジタル複写機と同様であるのでその説明は省略し、ここでは原稿の読取り状態をユーザが確認、調整した上での複写を行う場合の動作につき詳しく説明することとする。またここでは、具体例としては図2に示すようなブック原稿の複写を行う場合を示すこととする。
【0035】
まずCPU14は待機状態においては図3に示すような待機時画像を表示部11に表示させている。この待機時画像には、「プレビュー」なる項目を指定するためのボタンB1が含まれており、このボタンB1に相当する位置へのパネルタッチがタッチパネル12にて検出されたことに応じてCPU14は図4に示すようなプレビュー処理の実行を開始する。
【0036】
このプレビュー処理においてCPU14はまず、読取サイズのユーザ設定に拘わらずに最大読取範囲での原稿読み取りを行う(ステップST1)。そしてCPU14は、図5に示すように原稿読み取りにより得られた画像Iに有効読取範囲を示す基準線L1,L2,L3を示してなるプレビュー画像を生成してこれを表示部11に表示させる(ステップST2)。かくしてユーザは、このように表示部11に表示されたプレビュー画像を見ることで有効読取範囲に対する原稿のセット状態を印刷前に確認することができる。なお図5では、原稿がずれなくセットできている状態におけるプレビュー画像の一例を示している。
【0037】
さてCPU14は、プレビュー画像の表示をさせた状態ではパネルタッチが行われるのを待ち受ける(ステップST3)。すなわち、ユーザはプレビュー画像を確認したならば、画面の任意の位置をタッチすることとなっており、そのタッチが行われるのを待ち受けるのである。
【0038】
そしてパネルタッチが行われたならばCPU14は、表示部11における表示をプレビュー画像から図6に示すようなプレビュー操作画像に変更する(ステップST4)。プレビュー操作画像は前述のプレビュー画像に加えて、各種項目を指定するためのボタンB2〜B10が含まれている。
【0039】
このプレビュー操作画像を表示させた状態でもCPU14はパネルタッチが行われるのを待ち受ける(ステップST5)。そしてここでパネルタッチが行われたならばCPU14は、そのパネルタッチがなされた位置に基づいて、指定された項目が「画像移動」「印刷」および「戻る」のいずれであるかを確認する(ステップST6乃至ステップST8)。
【0040】
ここでもし、「画像移動」「印刷」および「戻る」以外の項目が指定されたのであればCPU14は、その指定項目に応じた所定の処理を実行する(ステップST9)。ここでの処理は、例えば濃度調整や用紙サイズ設定などの処理である。そしてステップST9での処理が終了したならばCPU14は、ステップST5に処理を戻す。
【0041】
これに対して、「画像移動」の項目が指定されたならばCPU14は、読取範囲変更処理を実行する(ステップST10)。この読取範囲変更処理を開始するとCPU14は図7に示すようにまず、表示部11における表示をプレビュー操作画像から図8に示すような読取範囲操作用画像に変更する(ステップST21)。読取範囲操作用画像は前述のプレビュー画像に加えて、上下左右のそれぞれに対応する微調整矢印B11〜B14と「戻る」なる項目を指定するためのボタンB15とが含まれる。なお図8では、図5に示したプレビュー画像とは異なり、原稿が読取範囲に対して右斜め上の方向にずれてセットされている状態におけるプレビュー画像の一例を示している。
【0042】
そしてこの読取範囲操作用画像を表示させた状態でCPU14は、パネルタッチが行われるか、あるいはパネルタッチが行われない状態で一定時間が経過するのを待ち受ける(ステップST22およびステップST23)。そしてここで一定時間が経過する前にパネルタッチが行われたならばCPU14は、そのパネルタッチがなされた位置に基づいて、指定されたのが微調整矢印B11〜B14のいずれかであるのか、それとも項目「戻る」であるのかを確認する(ステップST24およびステップST25)。
【0043】
ここでもし、パネルタッチされた位置が微調整矢印および項目「戻る」のいずれにも該当しない領域であるならば、CPU14は読取画像の移動指示と判断する。そしてこの場合にCPU14は、その後の指定位置の変化を監視し、その指定位置の変化と同方向に読取範囲操作用画像における読取画像Iを移動する(ステップST26)。つまり図9に示すように、ユーザが符号F(1)で示すような状態でパネルタッチをしたのち、そのまま指を符号F(2)で示すような状態まで移動させたならば、これに応じてCPU14は読取画像を符号I(1)で示す状態から符号I(2)で示す状態へと移動させる。
【0044】
このように、表示上は基準線L1,L2,L3は固定したままで読取画像Iを移動させるのであるが、読取画像Iに対して有効読取範囲をどの位置に設定するのかを管理しておく必要があるので、続いてCPU14は、上述の指定位置の変化と逆方向に有効読取範囲を変更する(ステップST27)。そしてこの有効読取範囲の変更が終了したならばCPU14は、処理をステップST22およびステップST23の待機状態に戻す。
【0045】
一方、ステップST22およびステップST23の待機状態にあるときになされたパネルタッチにより指定されるのが微調整矢印B11〜B14のいずれかであることをステップST24で確認したならばCPU14は、指定された微調整矢印の方向に読取画像Iを一定量移動させる(ステップST28)。なおここでの移動量は、ステップST26でユーザの指の移動に応じての画像移動では実現困難な程度の微小量に設定する。従って、微調整矢印B11〜B14のタッチにより読取画像Iの位置の微調整が行えるのである。
【0046】
そしてこの場合でも読取画像Iに対して有効読取範囲をどの位置に設定するのかを管理しておく必要があるので、続いてCPU14は、指定された微調整矢印とは逆方向に有効読取範囲を変更する(ステップST29)。そしてこの有効読取範囲の変更が終了したならばCPU14は、処理をステップST22およびステップST23の待機状態に戻す。
【0047】
ステップST22およびステップST23の待機状態にあるときになされたパネルタッチにより指定される項目が「戻る」であった場合、CPU14は表示部11における表示を読取範囲操作用画像からプレビュー操作画像に変更し(ステップST30)、これをもって読取範囲変更処理を終了して図4中のステップST5の待ち受け状態に処理を戻す。なお、このように項目「戻る」が指定されなくても、パネルタッチが一定時間行われないことがステップST23で認識された場合にも、CPU14は上述のステップST30の処理を行った上で読取範囲変更処理を終了する。
【0048】
さて、図4に示すプレビュー処理におけるステップST5の待機状態にあるときになされたパネルタッチにより指定される項目が「印刷」であることをステップST7にて確認した場合にCPU14は、ステップST1で得られた画像データのうちからその時に設定されている有効読取範囲内の画像データを切り出し、これにより実際の読取画像を示した画像データを生成する(ステップST11)。そしてCPU14は、この切り出した画像データを印刷制御部10へと与えて印刷を指示し、印刷部9での印刷を行わせる(ステップST12)。そして印刷が終了したならば、CPU14は今回のプレビュー処理を終了する。
【0049】
なお、ステップST5の待機状態にあるときになされたパネルタッチにより指定される項目が「戻る」であることをステップST8にて確認した場合にCPU14は、上述のような印刷を行うことなしに今回のプレビュー処理をキャンセル終了する。
【0050】
以上のように本実施形態によれば、実際に原稿を読み取って得られる読取画像Iを有効読取範囲を示す基準線L1,L2,L3とともに示した画像を表示部11にて表示してユーザに確認させるので、実際の有効読取範囲がユーザが期待する読取範囲と異なっている場合にはそのことを印刷を実行する前にユーザが知ることができ、これによりミスコピーを行って用紙を無駄にしてしまうことを未然に防ぐことが可能である。
【0051】
そしてさらに本実施形態によれば、有効読取範囲の位置をユーザが任意に変更することを可能としているので、ユーザが原稿のセットをし直す必要が無く、これにより使い勝手が向上する。
【0052】
また本実施形態によれば、有効読取範囲の変更指示をタッチパネル12における指の移動により受け付けるようにしているので、ユーザは直感的な作業により簡易に有効読取範囲の位置の調整を行うことが可能である。そして本実施形態では、このような有効読取範囲の変更指示は読取範囲変更処理が起動された状態でのみ受け付けるようにしているので、確認用の画面におけるパネルタッチの際に誤って有効読取範囲を変更してしまうことを防止できる。さらに本実施形態では、読取範囲変更処理は一定時間に渡りパネルタッチが行われなければ自動的に終了するようにしているので、必要もなく読取範囲変更処理が行われることで、何らかの原因で誤って有効読取範囲を変更してしまうことを防止できる。
【0053】
また本実施形態によれば、読取サイズのユーザ設定に拘わらずに最大読取範囲での原稿読み取りを行っておき、印刷を行う際に設定されている有効読取範囲に該当する画像を切り出して印刷に用いるようにしているので、有効読取範囲の決定後にその有効読取範囲での読み取りを再度行う必要が無く、複写完了までの時間を最小限に抑えることが可能である。
【0054】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、最初に最大読取範囲での原稿読み取りを行うこととしているが、ユーザ設定の読取範囲またはそれに一定のマージンを加えた範囲での読み取りを行うようにしても良い。ただしこの場合には、有効読取範囲の変更がなされたならば原稿読み取りを再度行うことが必要となる。
【0055】
また上記実施形態では、有効読取範囲の移動方向や移動量の指定をタッチパネル12での指の移動方向や移動量により受け付けるようにしているが、例えばトラックボール、ジョイスティックあるいはカーソルキーなどのような他の種類のデバイスにより移動方向や移動量の指定を受け付けるようにしても良い。
【0056】
また上記実施形態では、本発明の画像読取装置および画像印刷装置をディジタル複写機に適用している例を示しているが、プレビュー処理におけるステップST12の処理を行う機能を除いて画像データを生成する装置とすることで独立した画像読取装置として実現することが可能であるし、またプレビュー処理におけるステップST1の処理を行う機能を除いて、与えられた画像のうちの任意の有効範囲のみの画像を印刷する装置とすることで独立した画像印刷装置として実現することが可能である。そしてそれらの画像読取装置および画像印刷装置は、ディジタル複写機以外の装置の画像読取部や画像印刷部としてもそれぞれ適用が可能である。
【0057】
このほか、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、読取対象となる画像や印刷対象となる画像における有効読取範囲や有効印刷範囲がどの範囲となるかを示す画像を表示手段により表示するとともに、有効読取範囲や有効印刷範囲の変更指示が表示面への指によるタッチ位置の変化によって受け付けられるので、ユーザが画像の状態を確認・調整しながら、画像を直接的に操作するようにしての変更指示によって有効読取範囲や有効印刷範囲を容易に調整することが可能となる。
【0060】
また本発明によれば、タッチパネルで検出される指でのタッチ位置の変化に応じて有効読取範囲または有効印刷範囲の変更指示の受け付けを範囲変更モードが起動されているときのみに制限することとしたので、タッチパネルへの不用意なタッチを誤って有効読取範囲または有効印刷範囲の変更指示として受け付けてしまうことを防止できる。
【0061】
また本発明によれば、範囲変更モードが設定されているにも拘わらずに有効読取範囲または有効印刷範囲の変更指示が所定時間以上なされない状況下では範囲変更モードを解除することとしたので、不必要に範囲変更モードが起動され続けることが防止され、タッチパネルへの不用意なタッチを誤って有効読取範囲または有効印刷範囲の変更指示として受け付けてしまうおそれのある期間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像読取装置および画像印刷装置を適用して構成されたディジタル複写機の要部構成を示す図。
【図2】ブック原稿の一例を示す図。
【図3】図1中の表示部11に表示される待機時画像の一例を示す図。
【図4】図1中のCPU14によるプレビュー処理における処理手順を示すフローチャート。
【図5】図1中の表示部11に表示されるプレビュー画像の一例を示す図。
【図6】図1中の表示部11に表示されるプレビュー操作画像の一例を示す図。
【図7】図1中のCPU14による読取範囲変更処理における処理手順を示すフローチャート。
【図8】図1中の表示部11に表示される読取範囲操作用画像の一例を示す図。
【図9】パネルタッチしているユーザの指の動きに応じて読取範囲操作用画像における読取画像Iが移動される様子を示す図。
【符号の説明】
1…原稿台
2…光学系ユニット
3…搬送ベルト
4…モータ
5…CCDセンサ
6…光源制御部
7…CCD読取り制御部
8…スキャン制御部
9…印刷部
10…印刷制御部
11…表示部
12…タッチパネル
13…メモリ部
14…CPU

Claims (10)

  1. 原稿を読み取る読取手段と、
    示手段と、
    前記読取手段により前記原稿を読み取って得られる読取画像に有効読取範囲を示す範囲画像を合成してなる画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
    前記表示手段の表示面に重ねて配置され、前記表示面への指によるタッチ位置を検出するタッチパネルと、
    前記タッチパネルで検出されたタッチ位置の変化とは逆方向に前記有効読取範囲を変更する変更手段とを具備し
    前記表示制御手段は、前記タッチパネルで検出されたタッチ位置の変化に応じて前記表示手段での前記読取画像の表示位置を移動させることを特徴とする画像読取装置。
  2. 画像データの生成指示がなされたことに応じて、前記変更手段により設定されている前記有効読取範囲内の読取画像に応じた画像データを生成する画像データ生成手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 有効読取範囲の変更を行う範囲変更モードの起動/解除の指定に応じて前記範囲変更モードの起動/解除を行うモード設定手段を備え、
    かつ前記変更手段は、前記モード設定手段により前記範囲変更モードが起動されているときにのみ前記有効読取範囲の位置を変更することを特徴とする請求項に記載の画像読取装置。
  4. 前記モード設定手段は、前記範囲変更モードが起動されているときに所定時間に渡り前記タッチパネルにて前記指によるタッチが検出できない場合には前記範囲変更モードを解除することを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
  5. 刷手段と、
    原稿を読み取る読取手段と、
    示手段と、
    前記読取手段により前記原稿を読み取って得られる読取画像に前記印刷手段により印刷するべき有効印刷範囲を示す範囲画像を合成してなる画像を印刷対象となる印刷画像として前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
    前記表示手段の表示面に重ねて配置され、前記表示面への指によるタッチ位置を検出するタッチパネルと、
    前記タッチパネルで検出されたタッチ位置の変化とは逆方向に前記有効印刷範囲を変更する変更手段とを具備し
    前記表示制御手段は、前記タッチパネルで検出されたタッチ位置の変化に応じて前記表示手段での前記読取画像の表示位置を移動させることを特徴とする画像印刷装置。
  6. 印刷指示がなされたことに応じて、前記変更手段により設定されている前記有効印刷範囲内の読取画像に応じた画像データを前記印刷手段に印刷させる印刷制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の画像印刷装置。
  7. 有効印刷範囲の変更を行う範囲変更モードの起動/解除の指定に応じて前記範囲変更モードの起動/解除を行うモード設定手段を備え、
    かつ前記変更手段は、前記モード設定手段により前記範囲変更モードが起動されているときにのみ前記有効印刷範囲の位置を変更することを特徴とする請求項に記載の画像印刷装置。
  8. 前記モード設定手段は、前記範囲変更モードが起動されているときに所定時間に渡り前記タッチパネルにて前記指のタッチが検出できない場合には前記範囲変更モードを解除することを特徴とする請求項に記載の画像印刷装置。
  9. 指でのタッチ位置を検出するタッチパネルが表示面に重ねて配置された表示手段で表示するべき主画像における有効範囲を設定する方法において、
    前記タッチパネルで検出されたタッチ位置の変化とは逆方向に前記有効範囲の位置を変更し、
    前記主画像に前記有効範囲を示す範囲画像を合成してなる画像を前記タッチ位置の変化に応じて前記主画像を移動させるように前記表示手段に表示させることを特徴とする有効範囲設定方法。
  10. 指でのタッチ位置を検出するタッチパネルが表示面に重ねて配置された表示手段で表示するべき主画像における有効範囲を設定する方法において、
    前記タッチパネルで検出されたタッチ位置の変化とは逆方向に前記有効範囲の位置を変更し、
    前記主画像に前記有効読取範囲を示す範囲画像を合成してなる画像を、前記有効範囲の位置が変更されても前記表示面における前記範囲画像の位置が固定され、かつ前記表示面における前記主画像の位置を前記タッチ位置の変化に応じて移動させるように前記表示手段に表示させることを特徴とする有効範囲設定方法。
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