JP4447551B2 - コンクールサーバーおよびこれと通信可能に接続された多数のカラオケ装置によりカラオケコンクールを行う方法 - Google Patents

コンクールサーバーおよびこれと通信可能に接続された多数のカラオケ装置によりカラオケコンクールを行う方法 Download PDF

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Description

この発明は、歌唱採点機能とネットワーク通信機能を備えたカラオケ装置を活用し、広域に存在する多数のカラオケ装置の利用者間でカラオケコンクールを実施するシステムに関する。
よく知られているカラオケの歌唱採点機能は、歌唱の巧拙を歌唱者に提示する機能であり、歌唱者の歌声と楽曲の主旋律とを比較して採点する。たとえば、適宜な採点区間ごとに逐次採点して100点満点の得点を逐次出力するとともに、楽曲全体を通して得点の平均値を計算し、最終的な得点を表示する。演奏途中に採点区間ごとの得点をその都度平均して経過得点を計算し、その経過得点を表示するカラオケ採点装置もある(例えば、特許文献1参照)。
さらに、通信カラオケシステムにおける通信ネットワークのブロードバンド化を活用し、歌唱採点機能を備えた各地のカラオケ装置を連携させて、カラオケ歌唱の巧拙を全国レベルで競わせるカラオケコンクールを実施する機能もある。このカラオケコンクールは、コンクールの参加者として会員登録された歌唱者をIDによって識別管理し、カラオケ装置の歌唱採点機能による得点を歌唱者のIDとともにネットワーク上のサーバーコンピュータ(コンクールサーバー)にアップロードする。コンクールサーバーは、多数のカラオケ装置から集信した歌唱採点結果に基づいて楽曲毎に高得点を得た歌唱者をカラオケ事業者が運営するWebサイト上に発表する。なお、以下の特許文献2には、このカラオケコンクールを実施するための技術が記載され、特許文献3には、歌唱者をIDによって識別管理するカラオケ装置のユーザインタフェースについて詳しく説明されている。また、以下の非特許文献1、および非特許文献2には、実際に実施されているカラオケコンクールに関するサービスの内容が記載されている。
特開平11−95775号公報 特開2005−99288号公報 特開2005−134570号公報 第一興商株式会社、"ランキングバトル DAMステーション "、[online]、[平成17年9月13日検索]、インターネット<URL:http://www.clubdam.com/damstation/rankingbattle/index.html> 第一興商株式会社、"ランキングバトルスペシャル DAMステーション "、[online]、[平成17年9月13日検索]、インターネット<URL:http://www.clubdam.com/damstation/rankingbattle_special/index.html>
カラオケ事業者は、基本サービスであるカラオケ楽曲の演奏に付随する様々なサービスを有料で提供し、カラオケをキーワードとした新規なビジネスモデルを模索している。カラオケコンクールについても、上位入賞者に賞状を有料で授与している(非特許文献2参照)。しかし、この賞状の授与サービスは、多数のカラオケコンクール参加者の中の一部である上位入賞者を対象としているため、大きな収益増は望めない。また、上位入賞者が必ず賞状を購入するとも限らない。そこで、参加費を歌唱者から徴収してカラオケラオケコンクール自体を有料で実施することが考えられる。
しかし、従来のカラオケコンクールシステムは、採点結果を総合して順位を競う、という単純なルールでコンクールを実施しているため、歌唱者は、歌唱力に自信があり、自分の実力を試す、といった明確な目的がない限り、コンクールに積極的に参加するための動機付けを得ることができない。コンクールを有料化すれば、コンクール参加者数が激減する可能性もある。カラオケ事業者は、有料でのカラオケコンクールをビジネスモデルとして成功させるため、歌唱者を積極的にコンクールに参加させるための方策と、有料化の大義名分を示すことが必要となる。もちろん、コンクールを有料化しなくても、コンクールに参加することを目的として、より多くの歌唱者がカラオケの基本サービスをより多く利用しようとする動機付けを与えることができれば、カラオケコンクールをビジネスモデルとして確立させることができる。
本発明者らは、カラオケコンクールをビジネスモデルとして成功させるために、上位入賞者に賞品を授与することを考えた。しかし、カラオケ事業者が自前でコンクールの実施機会ごとに賞品を用意していたのでは、大きな収益増は見込めない。本発明の目的は、上位入賞者に賞品を授与するカラオケコンクールをビジネスモデルとして成功させるためのカラオケコンクールシステムを提供することにある。
本発明者らは、賞品を提供してくれるスポンサーを募ればカラオケコンクールをビジネスモデルとして成功させることができると考えた。そして、カラオケコンクールシステムによるカラオケコンクールの実施方法が、スポンサーに対して賞品の提供に見合う利益や利点が得られると納得させることができれば、本発明の目的は達成される。
この発明に係る方法は、便宜的に分説すると、つぎの事項(1)〜(16)により特定されるものである。
(1)コンクールサーバーおよびこれと通信可能に接続された多数のカラオケ装置によりカラオケコンクールを行う方法であること
(2)コンクールサーバーは、課題曲情報データベースと、順位表データベースと、歌唱者情報データベースとを備えること
(3)課題曲情報データベースは、楽曲IDと課題曲情報との対応づけを複数格納すること
(4)課題曲情報は、スポンサー情報と、実施期間と、授賞要項を含むこと
(5)順位表データベースは、楽曲IDと順位表との対応づけを複数格納すること
(6)順位表は、歌唱者IDと、採点データを含むこと
(7)歌唱者情報データベースは、歌唱者IDと歌唱者属性情報との対応づけを複数格納すること
(8)カラオケ装置は、課題曲閲覧要求の利用者入力があった際、課題曲閲覧要求電文をコンクールサーバーに送信すること
(9)コンクールサーバーは、カラオケ装置から課題曲閲覧要求電文を受信した際、課題曲データベースと順位表データベースの内容を当該カラオケ装置に送信すること
(10)カラオケ装置は、コンクールサーバーから課題曲情報データベースと順位表データベースの内容を受信した際、その内容を記憶するとともに各課題曲情報および順位表の情報を曲名とともに表示すること
(11)カラオケ装置は、楽曲ID(ア)と歌唱者ID(イ)とコンクール応募フラグとを対応づけした演奏予約入力を受け付けた際、この対応づけ情報を待ち行列に登録すること
(12)カラオケ装置は、待ち行列に歌唱者ID(イ)とコンクール応募フラグとともに登録された楽曲ID(ア)の演奏直前になった際、当該楽曲ID(ア)の順位表を要求する電文をコンクールサーバーに送信すること
(13)コンクールサーバーは、楽曲ID(ア)を特定した順位表要求電文をカラオケ装置から受信した際、楽曲ID(ア)の順位表(ウ)を順位表データベースから抽出して当該カラオケ装置に送信すること
(14)カラオケ装置は、楽曲ID(ア)の順位表(ウ)を受信した後、楽曲ID(ア)の伴奏音楽を演奏するとともに歌唱者の歌声を評価して採点データを出力し、その採点データを順位表(ウ)に照らして順位を求め、少なくとも歌唱終了時の採点データ(エ)に基づく順位を表示させるとともに、楽曲ID(ア)と歌唱者ID(イ)と採点データ(エ)を対応づけしてコンクールサーバーに送信すること
(15)コンクールサーバーは、カラオケ装置から楽曲ID(ア)と歌唱者ID(イ)と採点データ(エ)の対応づけを受信した際、順位表データベースにおける楽曲ID(ア)の順位表を更新すること
(16)コンクールサーバーは、課題曲情報データベース中のある課題曲の実施期間が満了した際、その課題曲の授賞要項と順位表と歌唱者情報データベースに基づいて受賞者を決定して出力すること
カラオケ事業者は、カラオケに付随する付加サービスを利用者に有料で提供することで収益性を高めようとしている。カラオケコンクールは重要な付加サービスではあるが、従来のカラオケコンクールシステムでは、歌唱者が積極的にコンクールに参加しようとする動機付けを与えることができなかった。このような状況でカラオケコンクールサービスを有料化したとしても収益の向上は期待できない。それどころか、カラオケコンクールの参加者が減り、カラオケ事業者がコストを掛けて構築したカラオケコンクールシステムが無駄になってしまう。
しかし、本発明のカラオケコンクールシステムでは、入賞者に賞品を授与することができ、利用者のカラオケコンクールへの参加意欲を高めることができる。したがって、カラオケコンクールを有料化しても十分に参加者を集めることができ、収益を向上させることができる。有料にしなくても、カラオケコンクールへの参加、すなわち賞品を得ることを目的としてカラオケを利用する人が増えて収益の向上が期待できる。
また、賞品をスポンサーから提供してもらうため、賞品にコストを掛けることなくカラオケコンクールを実施できる。スポンサーにとっても自身に関する情報をカラオケ利用者に提示する機会があたえられ、広告宣伝費を節約したり、知名度を向上させたりすることができる。このように、本発明のコンクールシステムにおいては、カラオケコンクールをビジネスモデルとして成功させることができる。
===ネットワークとシステムの構成===
図1に本発明の実施例におけるコンクールカラオケシステムのネットワーク構成を示した。本実施例のコンクールカラオケシステム1は、通信カラオケシステムにおけるネットワーク構成と基本的に同じであり、インターネット70aを利用したVPN(Virtual Private Network)70bに各地のカラオケ店舗100に敷設されたLAN110やカラオケ楽曲の伴奏音楽と歌詞画像の生成起源となるカラオケデータを蓄積するとともに、新譜のカラオケデータなどを適時にカラオケ装置2に配信するホスト装置90がVPN70bに接続されて広域イントラネットが構築されている。
本実施例のホスト装置90は、多数のカラオケ楽曲のそれぞれについて、カラオケデータを楽曲IDに対応付けして楽曲データベース91に蓄積し、適時にカラオケ装置2に配信する。またホスト装置は、コンクールサーバーとしての機能を備え、カラオケコンクールに関連する各種情報を所定のデータベース(92〜94)に蓄積管理し、付帯する各データベース(91〜94)に記憶管理されている情報を処理したり、カラオケ装置2と通信したりしながらカラオケコンクールを実施する。
各地のカラオケ店舗100の各客室120に設置されているカラオケ装置2は、カラオケ装置2の本体(以下、カラオケ演奏端末)2aと、タッチパネルを主体にしたユーザインタフェースと楽曲検索機能とを備えたリモコン装置(カラオケ活用端末)30とを含んで構成されている。カラオケ演奏端末2aは、ルータ60を介してVPN70bに接続し、ホスト装置90と通信する。活用端末30は、所定規格の無線LANインタフェースを備え、この無線LANインタフェースにより、無線アクセスポイント50を介してLAN110に接続し、カラオケ演奏端末2aやホスト装置90と通信する。
===カラオコンクールの概略===
本実施例のカラオケコンクールシステム1では、カラオケ演奏端末2a、活用端末30、およびホスト装置90が互いに通信し、カラオケ演奏端末2aにおける周知の歌唱採点機能とホスト装置90におけるデータベース管理機能とを連動させてカラオケコンクールを実施する。そして、カラオケ演奏端末2aは、歌唱者がある楽曲を歌唱する際、ホスト装置90に集計されて用意されているその楽曲についての最新の得点順位表(以下、順位表)をカラオケ演奏端末2aにより利用者に提示するとともに、歌唱直後の採点結果をその順位表に直ちに反映させ、その採点結果をホスト装置90に送信する。ホスト装置90は、送付されてきた採点結果に基づいて順位表を随時更新する。
本実施例のカラオケコンクールシステム1は、課題曲に限らず、会員が歌唱したときの全楽曲について、歌唱得点の順位を楽曲別に競わせる形態のカラオケコンクール(通常コンクール)に加え、所定の課題曲について、スポンサーから提供された賞品を、例えば、順位表における所定順位の歌唱者などを受賞該当者として授与する形態のカラオケコンクール(懸賞付きコンクール)も実施する。そのために、ホスト装置90は、スポンサーや、授賞要項などの課題曲情報を課題曲の楽曲IDに対応付けして課題曲情報データベース94に記憶管理している。
以下、カラオケコンクールシステム1の各構成要素(カラオケ演奏端末2a、活用端末30、ホスト装置90)が備える機能を説明するとともに、その機能に基づく懸賞付きカラオケコンクールの実施手順を説明する。
===カラオケ装置の基本的な構成と機能===
図2にカラオケ演奏端末2aの機能ブロック構成を示し、図3の(A)と(B)に活用端末30の外観と、活用端末30のブロック構成とを示した。カラオケ演奏端末2aは、周知の通信カラオケシステムの演奏端末とほぼ同様のハードウエア構成となっている。中央制御部11は、各周辺構成部を制御してカラオケ演奏端末2aを統括し、ハードディスク装置12には多数のカラオケ楽曲について、MIDIデータを主体とした伴奏音楽データと、歌詞画像の生成起源となる歌詞描出データとを含むカラオケデータが蓄積されている。また、曲名やアーティスト名などの目次情報と、所定形式の長時間分の動画データと、動画データの処理シーケンス(処理すべき動画データの格納場所と処理順番など)を規定した台本データなども格納されている。そして、中央制御部11は、各楽曲のカラオケデータや目次情報、台本データなどを楽曲IDによって識別し、これをカラオケデータベースとして管理している。そして、ネットワークインタフェース22を介して適時に接続したホスト装置90からカラオケデータを受け取ってカラオケデータベースの内容を更新する。
活用端末30は、液晶ディスプレイ(LCD)31とタッチセンサ32とを積層したタッチパネル33を主体としたユーザインタフェースを備え、内蔵するフラッシュメモリやハードディスク装置などの外部記憶35にはカラオケ装置2に蓄積されているものと同様の目次情報や、タッチパネル33に表示される各種画像情報などが蓄積されている。また、演奏予約などの操作対象となる同じ客室のカラオケ演奏端末2aについての所在情報(IPアドレスなど)もこの外部記憶35に記憶されている。
リモコン制御部34は、CPU、RAM、ROM、ビデオRAMなどを含み、タッチパネル33への入力情報に基づいて各種画像情報や文字情報をビデオRAMにビットマップ展開し、そのビットマップデータに基づいてLCDドライバ36を駆動してタッチパネル33に適宜な情報を表示する。また、外部記憶35に蓄積されている目次情報を楽曲索引データベースとして管理している。
リモコン制御部34は、タッチパネル33を介した利用者との対話を通じて目次情報の断片をクエリーとして受け付け、該当するカラオケ楽曲の目次情報を楽曲索引データベースより取り出して提示する。そして、活用端末30において、最終的にカラオケ楽曲が1曲に特定され、その楽曲を演奏予約する旨の利用者入力がなされると、リモコン制御部34は、楽曲IDを含む演奏予約コマンドのコードを生成し、このコードを無線LANインタフェース37を介して接続したLAN110を経由して同じ客室120にあるカラオケ演奏端末2aに向けて転送する。
カラオケ演奏端末2aの中央制御部11は、活用端末30からLAN110を経由して送付されてきた楽曲IDをネットワークインタフェース22を介して受け取る。あるいは、カラオケ演奏端末2aに配設された操作パネル14に入力された楽曲IDを操作制御部13を介して受け取る。受け取った楽曲IDを内部のRAMに格納して演奏処理の待ち行列で管理する。そして、待ち行列から楽曲IDを順次取り出し、該当のカラオケデータをハードディスク装置12より読み出し、このカラオケデータ中の伴奏音楽データをシンセサイザ18に転送して伴奏音楽を生成させる。
一方、歌詞描出データについては、伴奏音楽に同期して歌唱すべき箇所が色変わりする歌詞画像をビデオRAM15に順次ビットマップ展開していく。また、台本データに基づいて所定の動画データを所定の順番で映像制御部16に順次転送して歌詞画像の背景動画を復号させる。
ミキシングアンプ19は伴奏音楽と、マイクロホン21に入力された歌声音声とを混合・増幅してスピーカ20より音響出力する。映像制御部16は、復号した動画映像に歌詞画像をスーパーインポーズ処理してディスプレイ17に表示出力する。
===歌唱採点機能===
カラオケ演奏端末2aは上記特許文献1に記載されたカラオケ採点装置と同様の技術により、伴奏音楽に合わせて歌唱状態の巧拙を評価する歌唱採点機能を備えている。そして、その機能を実現するためのハードウエアとして歌唱採点部23を備えている。中央制御部11は、歌唱採点機能を利用する旨の利用者入力を受け付けると、演奏楽曲のカラオケデータにおける主旋律の楽音情報を逐次歌唱採点部23に転送していく。歌唱採点部23は、マイクロホン21から入力される歌唱音声信号をサンプリングしてデジタル歌声データに変換し、この歌声データから歌声ピッチを抽出する。そして、ピッチ基準値と歌声ピッチとを比較し、その比較結果に基づく得点を、例えば1小節ごとなど、適宜な区間ごとに逐次出力していく。なお本実施例では100点満点の区間得点を逐次出力する。中央制御部11は、演奏終了後など全歌唱パートの演奏が終わった時点で、それまでに歌唱採点部23から逐次出力された区間得点を集計し、その平均得点(最終得点)を採点結果としてディスプレイ17に表示する。
===ホスト装置===
本実施例において、ホスト装置90は、多数のカラオケ楽曲についてのカラオケデータや目次情報を楽曲IDに対応付けして蓄積管理する楽曲データベース91を備え、適時にカラオケ装置2と通信してカラオケデータを配信する通信カラオケシステムにおける周知の楽曲配信サーバーとしての基本機能を備えている。
また、カラオケコンクールを実施するコンクールサーバーとしての機能を備え、そのコンクールを会員登録されている利用者を歌唱者IDにより識別管理し、歌唱者情報データベース92に歌唱者IDとそのIDに該当する会員についての個人情報(氏名・連絡先・顔写真など)・演奏予約履歴・歌唱採点履歴、そして所属するチームの識別子(チームID)などの属性情報を対応付けして記憶・管理している。
順位表データベース93には、カラオケ演奏端末2aから楽曲IDと、その番号に該当する楽曲を歌唱した人の歌唱者IDとその楽曲を歌唱したときの最終得点とが対応付けされて記憶管理されている。そして課題曲情報データベースには、スポンサー情報と、実施期間と、授賞要項の組みを含む課題曲情報が楽曲IDに対応付けされて記憶管理されている。なお、スポンサー情報は、賞品を提供するスポンサーに関する広告などであり、単なるスポンサー名であってもよいし、映像や音声などを含んだコンテンツであってもよい。また、授賞要項は賞品の内容や賞品の授与に関する情報などを含んでいる。
===会員登録===
本実施例のカラオケコンクールシステム1が実施する懸賞付きコンクールでは、賞品を受賞対象者となる特定の歌唱者に授与する。そのため、受賞者を特定して確実に賞品を受け渡す必要がある。そこで、懸賞付きコンクールに参加したい人は、ホスト装置90の歌唱者情報データベース92に、自身を識別する歌唱者IDとチームIDを含む個人情報とを事前に登録してもらい、会員としての資格を得ることとしている。そして、活用端末30は、会員登録手続きを行ったり、登録済みの会員がコンクールシステム1を利用する際に認証手続きを行ったりするための情報入力端末として機能する。
本実施例における会員登録や会員認証に関わる技術は、上記特許文献3に記載の技術を流用している。具体的には、カラオケ事業者は、会員に追加入金可能なプリペイド型電子マネー機能を備えた非接触型のICカードを付与し、このICカードの識別番号(カードID)を歌唱者IDとしている。活用端末30は、ICカードの記憶情報の読み取り機能を備え、利用者は、カラオケ演奏端末2aを利用するのに先立って自身のICカードを活用端末30のアンテナ38に翳す。活用端末30のリモコン制御部34は、カードインタフェース39を介してICカードのカードIDを取得し、それをホスト装置90に送信する。
ホスト装置90は受信したカードIDを歌唱者IDとして歌唱者情報データベース92に照会し、該当会員が存在すれば、歌唱者IDに対応する個人情報を活用端末30に返送する。それによって、会員がホスト装置90にログインした状態となる。該当する会員がいない場合、すなわち、歌唱者IDが歌唱者情報データベース92にまだ登録されていない場合、ICカードによりログインを行おうとした利用者が新規会員である旨を活用端末30に返送し、リモコン制御部34は、個人情報の入力を利用者に促す案内をタッチパネル33に表示させる。そして、個人情報が入力されたならば、先に取得したカードIDと個人情報のセットをホスト装置90に送信する。それによって、利用者が会員として登録される。
また活用端末30は、個人情報に含まれる会員の顔写真をアイコン化したボタンをタッチパネル33に表示するとともに、アイコンの識別情報(アイコンID)と会員の顔写真の画像データと歌唱者IDとの対応関係をカラオケ演奏端末2aに転送する。カラオケ演奏端末2aは、これらの対応関係を記憶し、活用端末30から転送されてきたアイコンIDと画像データとの対応関係に基づいて、アイコンIDと歌唱者IDとの対応付けを認知する。それによって、会員が自分のアイコンを指示した上で選曲操作をすると、リクエスト曲の楽曲IDとともにそのアイコンのIDがカラオケ演奏端末2aに転送され、カラオケ演奏端末2aはアイコンIDに対応する歌唱者IDを認知することでき、その歌唱者が歌唱したときの採点結果として、歌唱終了後の最終得点を楽曲IDと歌唱者IDとに対応付けしてホスト装置90に送付することができる。また、カラオケ演奏端末2aに何らかの指示を送付する場合にもアイコンを指示した上で所定の操作を行うことで、カラオケ演奏端末2aは、その操作を行った会員を特定することができる。
===懸賞付きコンクールの実施手順===
図4に、カラオケコンクールシステム1が懸賞付きコンクールを実施する際の処理の流れを示した。なお、カラオケ事業者は、Webサイトや紙媒体における広告、あるいは店頭ポスターなどにより、懸賞付きコンクールの開催を告知するものとする。まず、利用者が活用端末30にて所定の操作を行い、懸賞付きコンクール課題曲の閲覧する旨を入力すると、活用端末30は、課題曲閲覧要求をカラオケ演奏端末2aに送付し、カラオケ演奏端末2aは、この要求をホスト装置90に転送する(s1〜s3)。ホスト装置90は、課題曲閲覧要求を受け取ると、課題曲情報データベースから課題曲情報を取得するとともに、順位表データベースから課題曲についての順位表を取得し、これらの取得情報をカラオケ演奏端末2aに返送する(s4〜s6)。カラオケ演奏端末2aは、ホスト装置90から送付されてきた順位表と課題曲情報とを記憶するとともに、課題曲に関する情報を適宜に表示する(s7,s8)。本実施例では、懸賞付きコンクールに関する内容と、各課題曲の受賞資格者の順位表とを画面遷移させながらディスプレイ17に表示する。また、課題曲の楽曲IDに課題曲である旨の符号を付加して活用端末30に転送し、活用端末30がこれを記憶する(s9,s10)。図5(A)と(B)に、コンクールの内容表示画面と、ある課題曲についての順位表とを示した。コンクールの内容画面130aには、各課題曲131について、賞品132と、スポンサー133と、コンクールの実施期限134、受賞者の順位135とが一覧表示され、順位表画面130bには、課題曲136と、受賞該当順位137と、受賞候補者の得点138と、現在までの受賞候補者に関する情報(ニックネーム、居住地、性別)139とが表示される。
活用端末30には、懸賞付きコンクールへの参加を受け付けるための専用画面(コンクール受付画面)が用意されており、懸賞付きコンクールの参加希望者は、この受付画面かを呼び出し、課題曲の演奏予約を行う。図6〜図9に活用端末30にて受付画面が表示されるまでの画面遷移を示した。初期画面140にはカラオケコンクールへの参加を指示するためのボタン141があり(図6)、このボタン141を指示すると、カラオケコンクールの課題曲が選択可能に一覧になった画面(図7、150)が表示される。歌唱者がこの画面150を表示している状態で、自身のアイコン151を選択し、課題曲152の一つを選択して指示すると、活用端末30はそのアイコンIDを記憶し、コンクール受付画面(図8、160)を表示する。なお、本実施例では、懸賞付きコンクールの参加者から参加費を徴収することとしており、参加費は、懸賞付きコンクールへの参加を指示した段階で、電子マネーにより決済する。コンクール受付画面160には、歌唱者にICカードをアンテナに翳すように促す案内メッセージ161が表示されており、歌唱者が案内に従ってICカードを翳した上でこのコンクール受付画面の予約ボタン162を指示すると、ICカードにおける電子マネー残高から参加費相当額をカラオケ事業者の所定の口座に移動させるなど、所定の手続きにより電子マネー決済を完了させる。このように、カラオケコンクールへの参加指示の受け付け機会ごとに参加費を徴収することで、カラオケコンクールに参加せずに課題曲を歌唱したい場合にも対応させている。
活用端末30は、コンクール参加費の決済を完了させると、カラオケ演奏端末2aに歌唱者IDに相当するアイコンIDと課題曲の楽曲IDと懸賞付きコンクールへの参加指示の情報を含んだ演奏予約コマンドを送信し、演奏予約が完了し旨の確認画面(図9、170)を表示する。
カラオケ演奏端末2aの中央制御部11は、懸賞付きコンクールへの参加指示の情報を含んだ演奏予約コマンドを受け付けると、楽曲IDに該当する楽曲を懸賞付きコンクール応募曲として、楽曲IDと該当の歌唱者IDと懸賞付きコンクール参加曲である旨の情報とを対応付けして待ち行列に登録する(s11,s12→s13→s14,s15)。なお、懸賞付きコンクールに参加しない会員によって予約された楽曲については楽曲IDと該当の歌唱者IDとを対応付けして待ち行列に登録する(s11,s12→s13→s15)。会員以外からの演奏予約については楽曲IDのみを登録する(s11→s12→s15)。
カラオケ演奏端末2aは、待ち行列の内容を逐次監視し、例えば、待ち行列中の楽曲について、演奏順番が1位になったときなど適宜な時点で、その楽曲の楽曲IDをホスト装置90に送付し、当該楽曲の順位表を返送してもらう(s16〜s19)。この順位表は通常コンクールについての順位表であり、先の課題曲における受賞候補者の順位表(図5)とは異なる。図10に通常コンクールについての順位表の表示画面を示した。この順位表画面180には、演奏を開始した楽曲の目次情報181と、上位所定順位までの得点と歌唱者についての所定の個人情報(ニックネーム、在住都道府県、性別)が記載された順位表182とが表示される。そして、歌唱採点機能を起動し、楽曲の演奏を開始する。(s20〜s22)。
中央制御部11は、歌唱採点部23が演奏中に逐次出力する区間毎の得点を集計し、経過得点として演奏を開始してからの区間毎の得点の平均値を計算する。そして、経過得点と順位表における各得点とを比較し、経過得点が現在どの順位にあるのかを随時監視するとともに、経過得点が反映されたビットマップ画像を逐次生成し、その生成画面をディスプレイ17に表示させる(s23)。図11に経過得点の表示画面を示した。この画面190には、歌詞191に加え、歌唱を開始してから現時点までの経過得点192と順位193とが表示されている。また、中央制御部11は、コンクール応募曲の演奏終了後に演奏最終得点を順位表に反映させる(s24→s25,s26)。図12に演奏終了後にカラオケ演奏端末2aのディスプレイ17に表示される順位表の画面概略を示した。この画面200には、順位表201と最終得点202と順位203が表示されている。また、順位表201において今回の得点該当する順位の欄に矢印204が表示されている。
中央制御部11は、楽曲の演奏を終了すると、その楽曲がコンクール応募曲であれば、最終得点と楽曲IDと歌唱者IDとを含む懸賞付きコンクール参加要求をホスト装置90に送信する(s27→s28→s30)。また、懸賞付きコンクールに参加しない会員が予約した楽曲であれば、最終得点と楽曲IDと歌唱者IDとを含む通常コンクール参加要求をホスト装置に送信する(s27→s28→s29)。非会員による予約楽曲であれば何も送信しない(s27→s16)。
ホスト装置90は、懸賞付きコンクール参加要求として受け取った歌唱者ID、楽曲ID、最終得点の組みについては、懸賞付きコンクールへの参加である旨の受賞資格者情報を対応付けして順位表データベース93に記憶し、順位表データベースを更新する。通常コンクール参加要求として受け取った歌唱者ID、楽曲ID、最終得点の組みについては、受賞資格者情報の対応付けを行わずに順位表データベース93を更新する(s31)。
ホスト装置90は、順位表データベース93の更新処理(s31)に際し、受賞資格者情報の対応付けの有無に応じてカラオケ演奏端末2aから送付されてきた最終得点と記憶済み最終得点とを個別に比較し、高得点の方を採用する。すなわち、同じ歌唱者が同じ課題曲を歌唱した際、懸賞付きコンクールに参加したときと、そうでない場合とを区別し、懸賞付きコンクールに参加したときの得点が参加していないときの得点によって上書きされてしまわないようにしている。
===賞品の授受について===
ホスト装置90は、課題曲情報データベース94を逐次参照し、開催期間が満了したカラオケコンクールを特定する。そして、順位表データベース93を参照し、このカラオケコンクールの課題曲について、受賞資格者情報が対応付けされている最終得点により順位表を作成し、その順位表と課題曲情報における授賞要項とに基づいて受賞者となる会員を特定する。そして、歌唱者情報データベース92から、その特定した会員についての歌唱者情報に含まれている連絡先を取得し、受賞者となった旨をその連絡先に宛てて通知する処理に移行する。本実施例では連絡先として電子メールアドレスを登録することとし、ホスト装置90は、そのアドレスに宛てて賞品の受取方法などを記載した電子メールを送付する。また、受賞者となった会員がカラオケ店舗に来店し、ホスト装置90にログインすると、受賞事実をログイン操作を行った活用端末30や、その活用端末30が通信対象とするカラオケ演奏端末2aに返送してその会員に通知する。
===課金のタイミングについて===
上記実施例では、懸賞付きコンクールへ参加を指示する時点でコンクール参加費を徴収していた。しかし、最終得点を見てから課金しその得点で懸賞付きコンクールに参加するようにしてもよい。それによって、歌唱に失敗したときにはコンクール参加費を支払う必要が無く、利用者は無駄な出費をせずに済む。
本発明の実施例におけるカラオケコンクールシステムを含むネットワーク構成図である。 上記カラオケコンクールシステムを構成するカラオケ演奏端末の機能ブロック図である。 上記カラオケ演奏端末に付属するカラオケ活用端末の外観図(A)と、機能ブロック図(B)である。 上記カラオケコンクールシステムが実施する懸賞付きコンクールに関わる処理の流れ図である。 上記カラオケ演奏端末にて表示される懸賞付きコンクールの授賞要項の概略図である。 上記カラオケ活用端末に表示される初期画面の概略図である。 上記カラオケ活用端末において、上記初期画面から呼び出される課題曲一覧画面の概略図である。 上記カラオケ活用端末において、上記課題曲一覧画面から呼び出されるコンクール受付画面の概略図である。 上記カラオケ活用端末において、カラオケ演奏端末に演奏予約コマンドを送付したことを利用者に確認させるための画面概略図である。 上記カラオケ演奏端末が楽曲演奏に先だって表示する順位表の画面の概略図である。 上記カラオケ演奏端末が楽曲演奏中に表示する経過得点の画面概略図である。 上記カラオケ演奏端末が楽曲演奏の後に表示する順位表の画面概略図である。
符号の説明
1 カラオケコンクールシステム
2 カラオケ装置
2a カラオケ演奏端末
11 中央制御部
12 ハードディスク装置
23 歌唱採点部
30 カラオケ活用端末
90 ホスト装置
92 歌唱者情報データベース
93 順位表データベース
94 課題曲情報データベース

Claims (1)

  1. コンクールサーバーおよびこれと通信可能に接続された多数のカラオケ装置によりカラオケコンクールを行う方法であって、
    コンクールサーバーは、課題曲情報データベースと、順位表データベースと、歌唱者情報データベースとを備え、
    課題曲情報データベースは、楽曲IDと課題曲情報との対応づけを複数格納し、
    課題曲情報は、スポンサー情報と、実施期間と、授賞要項を含み、
    順位表データベースは、楽曲IDと順位表との対応づけを複数格納し、
    順位表は、歌唱者IDと、採点データを含み、
    歌唱者情報データベースは、歌唱者IDと歌唱者属性情報との対応づけを複数格納し、
    カラオケ装置は、課題曲閲覧要求の利用者入力があった際、課題曲閲覧要求電文をコンクールサーバーに送信し、
    コンクールサーバーは、カラオケ装置から課題曲閲覧要求電文を受信した際、課題曲データベースと順位表データベースの内容を当該カラオケ装置に送信し、
    カラオケ装置は、コンクールサーバーから課題曲情報データベースと順位表データベースの内容を受信した際、その内容を記憶するとともに各課題曲情報および順位表の情報を曲名とともに表示し、
    カラオケ装置は、楽曲ID(ア)と歌唱者ID(イ)とコンクール応募フラグとを対応づけした演奏予約入力を受け付けた際、この対応づけ情報を待ち行列に登録し、
    カラオケ装置は、待ち行列に歌唱者ID(イ)とコンクール応募フラグとともに登録された楽曲ID(ア)の演奏直前になった際、当該楽曲ID(ア)の順位表を要求する電文をコンクールサーバーに送信し、
    コンクールサーバーは、楽曲ID(ア)を特定した順位表要求電文をカラオケ装置から受信した際、楽曲ID(ア)の順位表(ウ)を順位表データベースから抽出して当該カラオケ装置に送信し、
    カラオケ装置は、楽曲ID(ア)の順位表(ウ)を受信した後、楽曲ID(ア)の伴奏音楽を演奏するとともに歌唱者の歌声を評価して採点データを出力し、その採点データを順位表(ウ)に照らして順位を求め、少なくとも歌唱終了時の採点データ(エ)に基づく順位を表示させるとともに、楽曲ID(ア)と歌唱者ID(イ)と採点データ(エ)を対応づけしてコンクールサーバーに送信し、
    コンクールサーバーは、カラオケ装置から楽曲ID(ア)と歌唱者ID(イ)と採点データ(エ)の対応づけを受信した際、順位表データベースにおける楽曲ID(ア)の順位表を更新し、
    コンクールサーバーは、課題曲情報データベース中のある課題曲の実施期間が満了した際、その課題曲の授賞要項と順位表と歌唱者情報データベースに基づいて受賞者を決定して出力する
    方法。
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