JP4446595B2 - ソルダーレジストインキ組成物及びプリント配線板 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばプリント配線板の回路パターンのはんだ付けを必要としない回路部分を保護するソルダーレジストインキ組成物及びその被覆膜の硬化膜を有するプリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板は、例えば銅張積層基板に回路配線のパターンを形成したものであって、その上にコンデンサや抵抗体等の電子部品を搭載して一つの電気回路ユニットを形成できるようにしたものである。
このようなプリント配線板に電子部品を搭載するには、導体からなる回路の所定部分(ランド)に電子部品をはんだ付けすることにより行われており、そのはんだ付け方法としては、リフローはんだ付け方法あるいは噴流によるはんだ付け方法があるが、そのはんだ付け時にランド以外のはんだとの接触を避けたい回路部分には主として樹脂からなる絶縁性膜であるソルダーレジストインキ膜が被覆されている。このソルダーレジストインキ膜は、回路部分を構成する導体の金属材料が空気に直接曝されて酸化や湿度により腐食するのを防ぐための永久保護膜としても機能するものである。
このソルダ−レジストインキ組成物としては、プリント配線板に電子部品をはんだ付けした後にそのはんだ付け不良があるか否かを目視による検査を多数にわたって行なうので、その塗布膜が目にやさしいように緑色を基調としたものが用いられており、その緑色に着色するために、従来は銅フタロシアニングリーンが用いられており、インキの安定した色調の面からも好ましいとされている。
【0003】
ところが、銅フタロシアニングリーンは、その分子式にハロゲン原子を有するので、使用済等の廃棄するプリント配線板から電子部品を取り除く等の適当な処理をした後に焼却し、産業廃棄物処理をしようとすると、近年、特に問題視されている有毒なダイオキシンが発生するという問題があり、その改善が望まれている。
その対策としては、単体のハロゲン原子を有しない青色顔料のみを使用すること、あるいはその青色着色顔料とハロゲン原子を有しない黄色顔料を併用することが提案されているが、前者においては、上述したようにプリント配線板におけるその被覆膜は目視による検査において目にやさしいとはいえず、後者においては、その黄色顔料としてはアゾ基を有するものが多く、その使用をすることによる問題点がある。その問題点としては、アゾ基を有する着色剤は、これを含有する塗膜を有する塗装体を埋め立て等により野外で廃棄処理するような場合には、酸性雨等によりその塗膜からのアミンの溶出のおそれがある。その原因は一つ又はそれ以上のアゾ基の開裂による。特にベンジジン系の黄色染料のように、芳香族アミンの構成部分を有するものは、このアゾ基の開裂により芳香族アミンを溶出し易く、例えばドイツ国における規制にも見られるように、日用品における使用が規制されている(日用品1Kgあたり指定アミン30mg以下)ことから、産業廃棄物として廃棄するプリント配線板についても、これを野外において廃棄するような場合に同様な問題が起こる危険性がある。
【0004】
上記の種々の問題を解決するために、本願出願人は、特開2000−290564号公報において、分子式にハロゲン原子を有しない着色剤として青色系にはフタロシアニンブルー、黄色系には分子式にアゾ基を有しないイソドリン系着色剤及びアントラキノン系着色剤の少なくとも1種の有機系着色剤を含有するソルダーレジストインキ組成物を提案し、これを使用すればその組成物の塗膜を被覆したプリント配線板の使用済みのものを焼却してもダイオキシン等の有害物を発生しないようにできるとともに、その使用済みのものを野外に埋め立てて廃棄しても、アミンを溶出させないようにでき、しかもその組成物は粘度安定性があり、その塗膜は耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性及び電気特性等に優れ、プリント配線板用ソルダーレジストとしても好適であることを示した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開2000−290564号公報に記載のソルダーレジストインキ組成物は、スクリーン印刷により塗膜を形成する場合には、その印刷時の粘度は200dPa・s程度でよいので上記の青色系顔料のフタロシアニンブルーは安定に分散されており黄色系顔料と分離することはないが、その他の例えばカーテン方式(インキ組成物を連続的にカーテン状に流下させその中を横切るように被塗装体を移動させながら塗布する塗装方式)や、スプレー方式(インキ組成物を噴霧状にして被塗装体に塗布する塗装方式)で塗布するには、その使用時の粘度は2dPa・s程度にしなければならず、そのためにはインキ組成物を溶剤で希釈する必要があるので、例えば50dPa・s以下に希釈すると、フタロシアニンブルーが分離して表面に浮きやすく、いわゆる色分かれを起こして塗膜が所定の均一な安定した緑色を呈しないようになり易い。
本発明の第1の目的は、分子式にハロゲン原子を有しない青色系と黄色系の着色剤を混合した低粘度品でも分散安定性がよく、両者の着色剤が分離しない緑色系の色調のレジストインキ組成物及びその硬化膜を有するプリント配線板を提供することにある。
本発明の第2の目的は、カーテン方式やスプレー方式の塗装を行なっても均一な安定した色調の塗膜が得られる緑色系の色調のレジストインキ組成物及びその硬化膜を有するプリント配線板を提供することにある。
本発明の第3の目的は、焼却してもダイオキシン等の有毒物の排出規制を守ることができる被覆膜を形成できるレジストインキ組成物及びその硬化膜を有するプリント配線板を提供することにある。
本発明の第4の目的は、特に芳香族アミンのようなアミンを溶出し難い被覆膜を形成できるレジストインキ組成物及びその硬化膜を有するプリント配線板を提供することにある。
本発明の第5の目的は、焼却したり、野外に廃棄しても公害を発生し難いレジストインキ組成物及びその硬化膜を有するプリント配線板を提供することにある。
本発明の第6の目的は、粘度安定性があるレジストインキ組成物及び耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、電気特性が優れるその被覆膜の硬化膜を有する電子部品搭載前又は後のプリント配線板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者らは、分子式にハロゲン原子を有しない着色剤(以下、非ハロゲン着色剤ということがある。)として青色系着色剤と黄色系着色剤を併用して得られるゾルダーレジストインキ組成物において、分散性安定のための表面処理をした着色剤を使用すると、青色系着色剤と黄色系着色剤は分散安定性があって分離せず、従来の銅フタロシアニングリーンを用いたゾルダーレジストインキと比較して色調その他の被覆膜の性能において同等以上の効果を呈することを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
一般に顔料の分散・凝集を決定する要因として、顔料のゼータ電位、pH、粒子径、比重などが挙げられるが、一般的に青色顔料として使用されるハロゲンを含まない銅フタロシアニンブルーそのものは、ゼータ電位が低く、比重も小さいため、流動し易い低粘度の組成物中に含有させると、液面に浮いてき易いのに対し、表面を酸性処理、塩基性処理又は樹脂処理した場合には、この浮きが無処理のものに比べて減少あるいは起こらなくなり、特に酸性処理を施した場合にはこの傾向が強いことを突き止めた。これは主に顔料粒子のゼータ電位が表面処理により高くなり、凝集し難くなるためであると考えられるが、詳細は明らかではない。
したがって、本発明は、(1)、(A)着色剤、(B)硬化性樹脂、(C)反応性希釈剤、(D)重合開始剤、(E)充填剤及び(H)溶剤を含有する緑色系のソルダーレジストインキ組成物において、上記(A)着色剤は(A−1)分子式にハロゲン原子を有しない青色系着色剤と(A−2)分子式にハロゲン原子を有しない黄色系着色剤を質量比で(A−1):(A−2)が1〜5:1として含有しかつ該青色系着色剤及び該黄色系着色剤の少なくとも一方は粒子表面が上記ソルダーレジストインキ組成物における分散性のための表面処理として酸性処理、樹脂処理及びアルカリ処理のうちの1つによる親水化処理をされている該青色系着色剤と該黄色系着色剤により緑色系の色調を構成するソルダーレジストインキ組成物であって、上記(H)溶剤の含有により粘度を50dPa・s以下にし、2dPa・sでは該青色系着色剤と該黄色系着色剤の両者の着色剤が分離しないソルダーレジストインキ組成物を提供するものである。
また、本発明は、(2)、(A)着色剤、(B)硬化性樹脂、(C)反応性希釈剤、(D)重合開始剤、(E)充填剤及び(H)溶剤を含有する緑色系のソルダーレジストインキ組成物において、上記(A)着色剤は(A−1)分子式にハロゲン原子を有しない青色系着色剤と(A−2)分子式にハロゲン原子を有しない黄色系着色剤を質量比で(A−1):(A−2)が1〜5:1として含有しかつ該青色系着色剤及び該黄色系着色剤の少なくとも一方は粒子表面が上記ソルダーレジストインキ組成物における分散性のための表面処理として酸性処理による親水化処理をされている該青色系着色剤と該黄色系着色剤により緑色系の色調を構成するソルダーレジストインキ組成物、(3)、(B)硬化性樹脂が光硬化性樹脂であり、(C)反応性希釈剤が光重合性反応性希釈剤であり、(D)重合開始剤が光重合開始剤である上記(1)又は(2)のソルダーレジストインキ組成物、(4)、(A)着色剤、(F)熱硬化性樹脂、(E)充填剤及び(H)溶剤を含有する緑色系のソルダーレジストインキ組成物において、上記(A)着色剤は(A−1)分子式にハロゲン原子を有しない青色系着色剤と(A−2)分子式にハロゲン原子を有しない黄色系着色剤を質量比で(A−1):(A−2)が1〜5:1として含有しかつ該青色系着色剤及び該黄色系着色剤の少なくとも一方は粒子表面が上記ソルダーレジストインキ組成物における分散性のための表面処理として酸性処理、樹脂処理及びアルカリ処理のうちの1つによる親水化処理をされている該青色系着色剤と該黄色系着色剤により緑色系の色調を構成するソルダーレジストインキ組成物であって、上記(H)溶剤の含有により粘度を50dPa・s以下にし、2dPa・sでは該青色系着色剤と該黄色系着色剤の両者の着色剤が分離しないソルダーレジストインキ組成物、(5)、(A)着色剤、(F)熱硬化性樹脂、(E)充填剤及び(H)溶剤を含有する緑色系のソルダーレジストインキ組成物において、上記(A)着色剤は(A−1)分子式にハロゲン原子を有しない青色系着色剤と(A−2)分子式にハロゲン原子を有しない黄色系着色剤を質量比で(A−1):(A−2)が1〜5:1として含有しかつ該青色系着色剤及び該黄色系着色剤の少なくとも一方は粒子表面が上記ソルダーレジストインキ組成物における分散性のための表面処理として酸性処理による親水化処理をされている該青色系着色剤と該黄色系着色剤により緑色系の色調を構成するソルダーレジストインキ組成物、(6)(G)熱硬化性化合物を含有する上記(1)ないし(5)のいずれかのソルダーレジストインキ組成物、(7)、(A−2)成分の黄色系着色剤が分子式にアゾ基を有しない着色剤である上記(1)ないし(6)のいずれかのソルダーレジストインキ組成物、(8)、(A−2)成分の黄色系着色剤がイソインドリン系着色剤及びアントラキノン系着色剤の少なくとも1種である上記(7)のソルダーレジストインキ組成物、(9)、(A−1)成分の青色系着色剤がフタロシアニンブルーである上記(1)ないし(8)のいずれかのソルダーレジストインキ組成物、(10)、上記(1)ないし(9)のいずれかのソルダーレジストインキ組成物の被覆膜の硬化膜を有する電子部品を搭載する前又は後のプリント配線板を提供するものである。
なお、「(1)、(A)着色剤、(B)硬化性樹脂、(C)反応性希釈剤、(D)重合開始剤及び(E)充填剤を含有する緑色系のソルダーレジストインキ組成物において、上記(A)着色剤は(A−1)分子式にハロゲン原子を有しない青色系着色剤と(A−2)分子式にハロゲン原子を有しない黄色系着色剤を含有しかつ該青色系着色剤及び該黄色系着色剤の少なくとも一方は粒子表面が上記ソルダーレジストインキ組成物における分散性のための表面処理をされている該青色系着色剤と該黄色系着色剤により緑色系の色調を構成するレジストインキ組成物を提供するものである。
また、本発明は、(2)、表面処理が酸性処理、樹脂処理及びアルカリ処理のうちの1つによる親水化処理である上記(1)のレジストインキ組成物、(3)、(B)硬化性樹脂が光硬化性樹脂であり、(C)反応性希釈剤が光重合性反応性希釈剤であり、(D)重合開始剤が光重合開始剤である上記(1)又は(2)のレジストインキ組成物、(4)、(A)着色剤、(F)熱硬化性樹脂及び(E)充填剤を含有する緑色系のソルダーレジストインキ組成物において、上記(A)着色剤は(A−1)分子式にハロゲン原子を有しない青色系着色剤と(A−2)分子式にハロゲン原子を有しない黄色系着色剤を含有しかつ該青色系着色剤及び該黄色系着色剤の少なくとも一方は粒子表面が上記ソルダーレジストインキ組成物における分散性のための表面処理をされている該青色系着色剤と該黄色系着色剤により緑色系の色調を構成するレジストインキ組成物、(5)、(G)熱硬化性化合物を含有する上記(1)ないし(4)のいずれかのレジストインキ組成物、(6)、(H)溶剤及び/又は(I)添加剤を含有する上記(1)ないし(5)のいずれかのレジストインキ組成物、(7)、(A−2)成分の黄色系着色剤が分子式にアゾ基を有しない着色剤である上記(1)ないし(5)のいずれかのレジストインキ組成物、(8)、(A−2)成分の黄色系着色剤がイソインドリン系着色剤及びアントラキノン系着色剤の少なくとも1種である上記(7)のレジストインキ組成物、(9)、(A−1)成分の青色系着色剤がフタロシアニンブルーである上記(1)ないし(8)のいずれかのレジストインキ組成物、(10)、上記(1)ないし(9)のいずれかのレジストインキ組成物の被覆膜の硬化膜を有する電子部品を搭載する前又は後のプリント配線板を提供するものである。 上記各発明において、「レジストインキ組成物」を「ソルダーレジストインキ組成物」としてはもよく、「着色剤」を「顔料」としてもよい。」とすることもできる。
【0007】
本発明において使用する「(A−1)分子式にハロゲン原子を有しない青色系着色剤」としては、青色系統の銅フタロシアニンブルー等の金属を含有する又は無金属のフタロシアニンブルーの顔料が挙げられる。
また、本発明において使用する「(A−2)分子式にハロゲン原子を有しない黄色系着色剤」としては、黄色系統の分子式にアゾ基を有しないイソインドリン系着色剤及びアントラキノン系着色剤の少なくとも1種の有機系着色剤が挙げられる。イソインドリン系着色剤は、下記〔化1〕のイソインドリン基本骨格を有し、この系の着色剤はイソインドリノンと同様に優れた耐候性、耐溶剤性、耐熱性を有しており、高級塗料、プラスチック着色等に使用されている。アントラキノン系着色剤は、下記〔化2〕の基本骨格を有するものである。着色剤としては顔料が好ましい。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】
本発明における「(A)着色剤」には、上記のフタロシアニンブルーと、上記のイソインドリン系着色剤及びアントラキノン系着色剤の少なくとも1種を含む有機系着色剤、好ましくは有機系顔料が挙げられる。
後者に含まれる黄色系顔料としては、具体的には、イソインドリンイエロー、フラバンスロンイエロー、アンスラピリミジンイエロー、チタンイエロー等が挙げられる。
このような非ハロゲン着色剤を従来のフタロシアニン系グリーンを用いたソルダーレジストインキと同じ色調とするためには、質量比で、黄色系着色剤1に対して青色系着色剤を0.1〜10、より好ましくは、青色系着色剤を1〜5とする。ここで、着色剤は顔料としてもよい。
【0011】
上記の青色系着色剤及び黄色系着色剤の少なくとも一方、すなわちいずれか一方のみ又は両方はレジストインキ組成物における分散性(分散安定性)のための表面処理がなされるが、その表面処理としては例えば酸性処理、樹脂処理及び塩基性処理の1つによる親水化処理が挙げられる。
酸性処理としては、特許第2993392号公報に記載されているように、「活性プロトンを持たず、スルホン酸との反応性を有さず、有機顔料が不溶ないしは難溶な溶剤中に、有機顔料を分散させ、次いでアミド硫酸、又は三酸化硫黄と第三アミンとの錯体により上記有機顔料の粒子表面にスルホン酸基を導入する表面処理顔料の製造方法。」(請求項1)が挙げられ、さらに有機顔料の粒径が50〜0.01μmである(請求項2)こともも好ましいが、上記有機顔料は着色剤あるいは有機着色剤としてもよい。
具体的な製造方法としては、同公報に実施例1として記載されているように、顔料として銅フタロシアニンブルー2部(「部」は「質量部」、以下同様)、溶媒としてスルホラン120部、スルホン化剤としてアミド硫酸2部を150℃で4時間処理し、「分散安定性評価結果」は「沈殿物 無」、「粘度 変化なし」の結果が得られるもの、その他の実施例において記載されているもの(〔0011〕〜〔0018〕の段落)で、有機顔料の粒子表面にスルホン酸基を導入する処理方法が挙げられるが、これらはその他の同公報に記載されている顔料、上述した着色剤にも準用することができる。
このようにして得られるスルホン酸基を導入した表面処理顔料については、同公報には、「有機顔料表面の反応性官能基や芳香族環と反応し、顔料粒子表面にスルホン酸基が結合することにより、顔料がビヒクル、溶媒、との親和力を向上させ優れた分散性を示すと考えられる。また、顔料粒子表面にスルホン酸基を結合させることにより、処理された有機顔料を一様に酸性化することができる。したがって、従来塩基性顔料、酸性顔料によって適する分散剤やビヒクルを変える必要があったが、有機顔料の表面性状をある程度合わせることで顔料表面のpH値の範囲を制御し、分散剤やビヒクルの構造を統一することが可能となり、インキ作成時の処方化が容易になった。」(〔0008〕の段落)とあるが、このことはその他の同様な表面処理をした表面処理着色剤についてもいうことができる。
【0012】
酸性処理としては、特開平10−110110号公報に、有機顔料の粒子表面にスルホン酸基を導入する処理方法として記載されているように、「スルホン化反応溶剤中に、水湿潤有機顔料ペーストを加えて顔料を分散させた後水を脱離し、次いでスルホン化剤により上記有機顔料の粒子表面にスルホン酸基を導入する表面処理顔料の製造方法。」(請求項1)も挙げられるが、上記有機顔料は着色剤あるいは有機着色剤としてもよい。
同公報に記載されているように、水湿潤有機顔料ペーストとは、有機顔料製造工程において乾燥工程を経ることなしに得られる(請求項2)もので、有機顔料合成反応終了後の水を利用した洗浄、精製による水により湿潤された状態のものをいい、この状態では顔料粒子がほとんど凝集することがないので、微細な粒子表面をスルホン化処理することができ、また、溶剤と顔料表面に存在する水を混合又は攪拌、練肉により置換した後、減圧、加熱により水を脱却することにより、顔料粒子を凝集させることなく、顔料粒子表面へ均一に表面処理を施すことができる(〔0008〕の段落)。上記水湿潤有機顔料ペーストはソルトミリング(請求項3)やソルベントミリングなどのミリング処理後のものも使用することができ、ソルトミリングとは、一般的にジエチレングリコール中で粉砕塩化ナトリウム塩と顔料をミリングすることにより顔料を微細化する処理のことであり、ソルベントミリングとは、有機顔料によって特定の溶剤中でミリング処理することにより、顔料粒子の結晶成長を制御して粒径を揃える処理方法や、溶剤により結晶転移を利用して所望の結晶性に制御する処理方法である(〔0009〕の段落)。また、反応系の分散溶剤がスルホン化剤と反応することなく、顔料に対して不溶性又は難溶性である溶剤を選択することにより、通常の有機反応で行えるスルホン化反応を利用できる(〔0011〕の段落)。
具体的には、同公報の実施例に記載されているように、顔料として銅フタロシアニンブルー2部、溶媒としてピリジン、スルホラン又はジメチルアセトアミド100〜120部、スルホン化剤として三酸化硫黄、スルホン化ピリジン錯体、スルファミン酸2〜4部を用い、80〜150℃、3〜6時間処理し、「分散安定性評価結果」は「沈殿物 ○」(「○」は「無し」のこと)のもの、その他の実施例において記載のもの(〔0016〕〜〔0024〕の段落)で、有機顔料の粒子表面にスルホン酸基を導入する処理方法が挙げられるが、これらはその他の同公報に記載されている顔料、上述した着色剤にも準用することができる。
このようにして得られるスルホン酸基を導入した表面処理顔料の特性については、上記特許第2993392号公報に記載されていると同様のことが記載されている(〔0013〕の段落)が、このことはその他の同様な表面処理をした表面処理着色剤についてもいうことができる。
【0013】
酸性処理としては、特開平10−110111号公報に、有機顔料の粒子表面にスルホン酸基を導入する処理方法として記載されているように、「スルホン化反応溶剤中で、有機顔料の凝集粒子を粉砕機又は分散機で微分散させながら、有機顔料の粒子表面にスルホン酸基を導入する表面処理顔料の製造方法。」(請求項1)も挙げられるが、上記有機顔料は着色剤あるいは有機着色剤としてもよい。
反応系の分散溶剤、スルホン化剤等は、上記特開平10−110110号公報に記載されているものを利用することができる。
具体的には、特開平10−110111号公報の実施例に記載されているように、粉砕機又は分散機として3本ロール、ボールミル、ペイントコンディショナー又はホモジナイザーを用い、顔料として銅フタロシアニンブルー1〜2部、溶媒としてスルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン又はジメチルアセトアミド70〜180部、スルホン化剤として三酸化硫黄、スルホン化ピリジン塩又はスルファミン酸1〜2部を用い、110〜120℃、3〜4時間(但し、ボールミル、N−メチル−2−ピロリドン、スルホン化ピリジン塩を用いる場合は150℃、20時間)処理し、「分散安定性評価結果」は「沈殿物 ○」(「○」は「無し」のこと)のもの、その他の実施例において記載のもの(〔0014〕〜〔0021〕の段落)で、有機顔料の粒子表面にスルホン酸基を導入する処理方法が挙げられるが、これらはその他の同公報に記載されている顔料、上述した着色剤にも準用することができる。
このようにして得られるスルホン酸基を導入した表面処理顔料の特性については、上記特許第2993392号公報に記載されていると同様のことのほかに、粉砕機又は分散機で微分散させながら表面処理反応を行うことにより、従来の凝集粒子に比べて微分散された粒子表面に反応効果を与えることができ、水や有機溶剤に対する分散性が向上することが記載されている(〔0012〕の段落)が、これらのことはその他の同様な表面処理をした表面処理着色剤についてもいうことができる。
【0014】
酸性処理としては、特開平10−110114号公報に、有機顔料の粒子表面にスルホン酸基を導入する処理方法として記載されているように、「三酸化硫黄と錯体を形成する塩基性溶剤中に有機顔料を分散させ、ついで三酸化硫黄を添加することにより有機顔料の粒子表面にスルホン酸基を導入する表面処理顔料の製造方法。」(請求項1)も挙げられるが、上記有機顔料は着色剤あるいは有機着色剤としてもよい。
反応系の分散溶剤、スルホン化剤等は、上記特開平10−110110号公報に記載されているものを利用することができる。
具体的には、特開平10−110114号公報の実施例に記載されているように、顔料として銅フタロシアニンブルー1〜2部、溶媒としてピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド又はアセトニトリル100〜120部、スルホン化剤として三酸化硫黄2〜4部を用い、110〜150℃、3〜6時間処理し、「分散安定性評価結果」は「沈殿物 ○」(「○」は「無し」のこと)のもの、その他の実施例において記載のもの(〔0014〕〜〔0021〕の段落)で、有機顔料の粒子表面にスルホン酸基を導入する処理方法が挙げられるが、これらはその他の同公報に記載されている顔料、上述した着色剤にも準用することができる。
【0015】
酸性処理としては、特開平10−199791号公報に、有機顔料の粒子表面にスルホン酸基を導入する処理方法として記載されているように、「有機顔料粒子と常温固体のスルホン化剤とを加熱反応させる表面処理顔料の製造方法。」(請求項1)も挙げられるが、上記有機顔料は着色剤あるいは有機着色剤としてもよい。
具体的には、同公報の実施例に記載されているように、顔料として銅フタロシアニンブルー1部、スルホン化剤としてアミド硫酸2部を用い、150〜210℃、2〜10時間、攪拌効率を考慮してジルコニアビーズを加えた場合と加えない場合について処理し、「分散安定性評価結果」は「沈殿物 無」、「粘度 変化無」のもの、その他の実施例において記載のもの(〔0011〕〜〔0015〕の段落)で、有機顔料の粒子表面にスルホン酸基を導入する処理方法が挙げられるが、これらはその他の同公報に記載されている顔料、上述した着色剤にも準用することができる。
このようにして得られるスルホン酸基を導入した表面処理顔料の特性については、上記特許第2993392号公報に記載されていると同様のこと、溶剤を使用しないで有機顔料とスルホン化剤を直接反応させることによるメリットが記載されている(〔0009〕の段落)が、これらのことはその他の同様な表面処理をした表面処理着色剤についてもいうことができる。
【0016】
上記樹脂処理としては、特開平11−228857号公報に記載されているように、「顔料を、該顔料に対して1〜20重量%の界面活性剤及び該顔料に対して2〜50重量%の水溶性樹脂の存在下に乾式粉砕してなる粉状体の顔料組成物。」(請求項1)が挙げられ、その乾式粉砕をアトライター、ボールミル又は振動ミルで行ったもの(請求項11)、また、乾式粉砕時に加熱処理(例えば30〜150℃)及び/又は乾式粉砕後に加熱処理(例えば50〜150℃)したもの(請求項7〜10)も挙げられるが、上記顔料は着色剤あるいは有機着色剤としてもよい。
同公報に記載されているように、上記界面活性剤としてはエチレンオキサイドが付加した芳香族系化合物(請求項4)が挙げられ、同公報の〔0014〕の段落に記載されているように、例えばエチレンオキシド等のアルキレンオキシドが4〜40モル付加した親水性部と、置換もしくは無置換のベンゼン、ナフタタレン、アントラセン、ビフェニル等の芳香族環が疎水性部として作用するのが好ましい。具体的には、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスルホン酸アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルオキシエーテル、ポリオキシエチレンスルホン酸ナフチルオキシエーテルなどが挙げられる。また、上記水溶性樹脂としては酸性基を有しアルカリの存在下に水に溶解する樹脂(請求項5)が挙げられ、同公報の〔0016〕の段落に記載されているように、溶融したり軟化して顔料粒子を固着しないように固体の状態のもので、好ましくはカルボキシル基やスルホン基などの酸性基を有するものであり、具体的には、カルボキシル基を有する水溶性樹脂としては、アクリル樹脂、アクリル−スチレン共重合体、アクリル−αメチルスチレン共重合体、マレイン酸樹脂、マレイン酸−スチレン共重合体等のアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、部分エステル化マレイン酸等のアルカリ成分の存在下に水溶性となり得るモノマー成分を含むものである。また、同段落に記載されているように、スルホン基を有する水溶性樹脂としては、アクリル−3−スルホプロピルエステル、メタクリル−3−スルホプロピルエステル、スチレンスルホン酸などをモノマーの一部として使用した樹脂が挙げられる。その他共重合により酸性基を導入できる樹脂や、樹脂を変性することによりカルボキシル基やスルホン基を導入した樹脂も使用できる。
同公報に記載されているように、上記顔料組成物は、顔料の表面を界面活性剤と樹脂が被覆した、流動性のある粉体状の組成物である。
【0017】
具体的には、同公報の実施例に記載されているように、顔料として銅フタロシアニンブルー70g、界面活性剤としてはナフタレン−エチレンオキシド型ノニオン活性剤、ナフタレン−エチレンオキシド型アニオン活性剤、スチリルベンジル−エチレンオキシド型ノニオン活性剤又はアルキルフェニル−エチレンオキシド型ノニオン活性剤を8g、水溶性樹脂としてスチレン−アクリル共重合体(酸価=200、Tg=85℃、Mw=7000)、スチレン−部分エステル化マレイン酸共重合体(酸価=185、Tg=44℃、Mw=6700)、スチレン−部分エステル化マレイン酸共重合体(酸価=220、Tg=110℃、Mw=7500)、スチレン−アクリル共重合体(酸価=214、Tg=128℃、Mw=17250)又はスチレン−アクリル共重合体(酸価=195、Tg=70℃、Mw=10000)5〜30g用いて、乾式アトライターで乾式粉砕を30〜60分、50〜120℃で行ない、選択事項であるが加熱処理(120℃、12〜24時間)を行った場合には顔料分散粒子の大きさや形状を整え、色相や着色力を変えられるもので、α結晶化度が1以下から62、平均分散粒子径が50〜240nm、分散安定性のよいもの(沈降物なしか実用上支障ない程度の沈降しかないもの)(これらの性能は同公報の〔0026〕に記載の方法による)、その他の実施例において記載のもの(〔0025〕〜〔0048〕の段落)が挙げられるが、これらはその他の同公報に記載されている顔料、上述した着色剤にも準用することができる。
【0018】
上記塩基性処理としては、上記特開平11−228857号公報に記載されているように、「顔料を、該顔料に対して1〜20重量%の界面活性剤及び該顔料に対して2〜50重量%の水溶性樹脂の存在下に乾式粉砕してなる粉状体の顔料組成物。」(請求項1)であって、その乾式粉砕をアトライター、ボールミル又は振動ミルで行ったもの(請求項11)、また、乾式粉砕時に加熱処理(例えば30〜150℃)及び/又は乾式粉砕後に加熱処理(例えば50〜150℃)したもの(請求項7〜10)は、同公報の〔0023〕に記載されているように、アルカリ金属、アミン、アンモニア等のアルカリ存在下で水中に容易に改膠し分散し、水性顔料分散体となるので、一旦、アルカリを含む水中に分散させて濃縮分散させた濃縮分散体を得る処理を挙げることができる。アルカリの使用量は使用した樹脂に含まれる酸性基に対して1.0〜1.4当量である。
具体的には同公報の実施例について上述した顔料組成物をこの塩基性処理することが挙げられる。
【0019】
本発明において使用される「(B)硬化性樹脂」としては、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸等を反応させたノボラック型エポキシアクリレート等のエポキシアクリレート樹脂及びそのカルボン酸付加物(水溶性が高まる)の少なくとも1種が挙げられる。これらの樹脂は紫外線等による光重合性の光硬化型とすることもできるが、熱硬化型とすることもでき、「(F)熱硬化性樹脂」をこれに含めてもよい。「(F)熱硬化性樹脂」としては、そのほかにエポキシ樹脂を挙げることができる。
【0020】
本発明において使用される「(C)反応性希釈剤」としては、上記の(B)成分の反応生成物の光硬化性等の硬化性を更に十分にして、耐酸性、耐溶剤性、耐熱性等を有する被覆膜を得るために使用するものである。その代表的なものとしては、例えばヒドロキシ(メタ)アクリレ−ト、1,4−ブタンジオ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、1,6−ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ネオペンチルグリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ネオペンチルグリコ−ルアジペ−トジ(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレ−ト、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレ−ト、EO変性燐酸ジ(メタ)アクリレ−ト、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレ−ト、イソシアヌレ−トジ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルトリ(メタ)アクリレ−ト、プロピオン酸変性ジペンタエリスリト−ルトリ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルトリ(メタ)アクリレ−ト、PO変性トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレ−ト、プロピオン酸変性ジペンタエリスリト−ルペンタ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルヘキサ(メタ)アクリレ−ト、カプロラクトン変性ジペンタエリスリト−ルヘキサ(メタ)アクリレ−ト等の反応性希釈剤が挙げられる。これらの反応性希釈剤は単品又は2種以上の混合系のいずれにおいても使用可能である。
【0021】
本発明において使用される「(D)重合開始剤」としては、光重合性組成物においては、一般に使用される光重合開始剤が挙げられる。その代表的なものとしては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエ−テル、ベンゾインエチルエ−テル、ベンゾインイソプロピルエ−テル、ベンゾイン−n−ブチルエ−テル、ベンゾインイソブチルエ−テル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、ベンゾフェノン、4,4´−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−タ−シャリ−ブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタ−ル、アセトフェノンジメチルケタ−ル、P−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられ、これらを単独または組み合わせて用いることができる。
【0022】
本発明において使用される「(E)充填剤」としては、例えばシリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、天然マイカ、合成マイカ、水酸化アルミニウム、沈降性硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化鉄、非繊維状ガラス、アスベスト、ミネラルウール、アルミニウムシリケート、カルシウムシリケート、亜鉛華、酸化チタン等の無機顔料が挙げられる。上記充填剤は単品又は混合系のいずれにおいても使用可能である。
【0023】
本発明においては「(G)熱硬化性化合物」を用いることができ、これには、例えば(プロピレン、ポリプロピレン)グリコ−ルジグリシジルエ−テル、ポリテトラメチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、2−エチルヘキシルグリシジルエ−テル、フェニルグリシジルエ−テル、p−タ−シャリ−ブチルフェニルグリシジルエ−テル、ラウリルアルコ−ルグリシジルエ−テル、グリセロ−ルポリグリシジルエ−テル、トリメチロ−ルプロパンポリグリシジルエ−テル、レゾルシンジグリシジルエ−テル、1, 6−ヘキサンジオ−ルジグリシジルエ−テル、(エチレン、プロピレン)グリコ−ルジグリシジルエ−テル、ソルビト−ルポリグリシジルエ−テル、ソルビタンポリグリシジルエ−テル、ペンタエリスリト−ルポリグリシジルエ−テル、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレ−ト、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−ト等のエポキシ化合物、メチル化メラミン、ブチル化メラミン、ヘキサメトキシメチロ−ルメラミン等のメラミン化合物、その他フェノ−ル化合物、ポリエステル化合物等が挙げられ、これらを単独又は組み合わせて用いることができる。
【0024】
また、本発明においては「(H)溶剤」を用いることができ、これには、例えばエチレングリコールモノアルキルエーテル又はそのアセテート類、ジエチレングリコールモノ又はジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル又はそのアセテート類、ジプロピレングリコールモノ又はジアルキルエーテル類、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルメチルケトン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン、石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等が挙げられ、これらを単独又は組み合わせて用いることができる。
【0025】
また、本発明においては、「(I)添加剤」を用いることができ、これには、例えばシリコーン系、炭化水素系、アクリル系等の消泡剤、シラン系、チタネート系、アルミナ系等のカップリング剤等の分散剤、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル(DAMN)とその誘導体、メラミンとその誘導体、グアナミンとその誘導体、アミンイミド(AI)、ポリアミンの塩等の潜在性硬化剤、アセチルアセナートZn、アセチルアセナートCr等のアセチルアセトンの金属塩、エナミン、オクチル酸錫、第4級スルホニウム塩、トリフェニルホスフィン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7及びその2−エチルヘキサン酸塩及びフェノール塩、イミダゾール、イミダゾリウム塩、トリエタノールアミンボレート等の熱硬化促進剤が挙げられ、これらを単独又は組み合わせて用いることができる。
【0026】
上記各成分を混合して得られる本発明のレジストインキ組成物は、スクリーン印刷時に使用する粘度200dPa・s程度では勿論のこと、カーテン方式やスプレー方式での使用時の粘度2dPa・s程度でも青色系着色剤と黄色系着色剤は分散安定性がよく、分離しないが、低粘度品としては、50dPa・s以下(少なくとも50dPa・s、以下同様)が挙げられ、好ましくは30dPa・s、特に好ましくは10dPa・s以下であり、これらにも青色系着色剤と黄色系着色剤は分散安定性がよく、分離しない。
また、上記各成分を混合して得られる本発明のレジストインキ組成物は、その硬化物のアミン溶出量は100ppm未満、より好ましくは10ppm未満とすることができる。
【0027】
本発明のレジストインキ組成物をソルダーレジストインキ組成物として用いてソルダーレジスト膜を得るには、3つの方法が適用できる。
その第1の方法は、光重合性樹脂組成物として紫外線等の光硬化用として用いた場合であり、スクリーン印刷法、カーテン方式あるいはスプレー方式等の塗布手段により回路パターンのはんだ付けを必要としない部分のパターンの塗布液膜を形成し、例えば紫外線硬化炉にて感光させることにより目的とするソルダーレジストの被覆膜の硬化膜を形成することができる。また、その第2の方法は、光重合性樹脂組成物として紫外線等の光硬化用として用いるが、露光後現像処理する場合であり、基板にソルダーレジストインキ組成物を塗布した後、60〜80℃で15〜60分間加熱して有機溶剤を揮散させた後、その乾燥塗膜に所望の上記のパターンのネガフィルムを当接し、その上から紫外線等の光を照射した後、非露光領域を希アルカリ水溶液を用いて除去することにより現像する方法である。ここで用いられる希アルカリ水溶液としては0. 5〜5. 0重量%の炭酸ナトリウム水溶液が一般的であるが、他のアルカリ水溶液も使用可能である。現像した塗膜は例えば150℃の熱風循環式乾燥機で例えば30分間前後のポストキュア−を行なうことにより目的とするソルダーレジストの被覆膜の硬化膜を形成することができる。そして第3の方法は、熱硬化用樹脂組成物として熱硬化用として用いる場合であり、スクリーン印刷法等の塗布手段で上記のパターンを形成した後、遠赤外線硬化炉あるいは熱風乾燥炉等の加熱手段にて熱硬化させることにより目的とするソルダーレジストの被覆膜の硬化膜を形成することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
エポキシアクリレ−ト樹脂、そのカルボン酸付加エポキシアクリレート樹脂のそれぞれを光重合性樹脂として用い、これに(メタ)アクリレート系の光重合性反応性希釈剤、光重合開始剤、無機顔料の充填剤を加えたものと、さらにこれらに熱硬化性化合物及び溶剤を混合したものの光重合性樹脂組成物に、非ハロゲン着色剤として、酸性処理、塩基性処理又は樹脂処理による親水化のための表面処理をした青色系顔料の銅フタロシアニンブルーと、黄色系顔料のイソインドリンイエロー又はフラバンスロンイエローとを混合して練り合わせ、緑色の光・熱硬化性ソルダーレジストインキ組成物を調製する。
次に、光・熱硬化性ソルダーレジストインキ組成物については上記の第2の方法により、銅箔の回路パターンを形成した基板にソルダーレジストの被覆膜を形成する。
このようにすると、ソルダーレジストインキ組成物は、銅フタロシアニンブルーが親水化のための表面処理をされていて、その組成物中での分散安定性のための処理がされているので、溶剤による希釈により例えば2dPa・s前後になっても、表面処理銅フタロシアニンブルーとフラバンスロンイエローとの分離は生ぜず、いわゆる色分かれも生じない。そして、そのの被覆膜の硬化膜は緑色を呈し、また、顔料はいずれもハロゲン原子をその分子中に有しておらず、また、いずれの顔料もアゾ基(−N=N−)を有していないのでアミンの溶出量を極く少なくすることができる。また、その被覆膜の硬化膜は溶融はんだに接触したときのはんだ耐熱性も、青色系顔料はフタロシアニングリーンと同様に耐熱性があり、黄色系顔料も上述したこと等から耐熱性があり、実用上問題なく、さらにその被覆膜の硬化膜の耐薬品性、耐溶剤性、電気絶縁性も良くできる。
【0029】
【実施例】
次に本発明の実施例を説明する。なお、実施例中の「部」は「重量部」を意味する。
以下の実施例では光硬化性と熱硬化性を併用した場合で溶剤がある場合を説明する。
親水化処理の表面処理顔料の製造例
酸性表面処理銅フタロシアニンブルーの製造例
上記特開平10−110111号公報の実施例1に記載されているように、銅フタロシアニンブルー(リオノールブルーFG−7351:東洋インキ製造社製顔料)2部をスルホラン(溶剤)70部中で110℃まで加温する。次いでスルファミン酸(スルホン化剤)2部を添加し、3本ロールミル(RMZ−1:株式会社入江商会製)で3時間粉砕して顔料凝集粒子の微分散を行いながら反応させ、反応終了後表面処理された銅フタロシアニンブルーを過剰の溶剤で数回洗浄後、水中に注ぎ、ろ過物より酸性表面処理銅フタロシアニンブルーを得た。
樹脂表面処理銅フタロシアニンブルーの製造例
上記特開平11−228857号公報の実施例1に記載されているように、乾式アトライターに銅フタロシアニンブルー(リオノールブルーFG−7351:東洋インキ製造社製顔料)(但し、同公報では「粗製銅フタロシアニン」を用いている)30重量部を加え、120℃で30分間粉砕した。次に、ノニオン界面活性剤(日本乳化剤社製の「Newcol B13」)8重量部を加え、120℃で15分間粉砕した。得られた顔料組成物のα型結晶の含有率は10%以下であった。
塩基性表面処理銅フタロシアニンブルーの製造例
上記表面処理顔料2の顔料組成物10重量部とイオン交換水10重量部と樹脂を溶解するために25%水酸化ナトリウム溶液1.6部を加え室温で緩やかに攪拌することにより濃縮分散体を得た。
【0030】
実施例1
カルボン酸付加ノボラック型エポキシアクリレ−ト樹脂 100部に、ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト 8. 0部、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン 8. 0部、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−ト( 熱硬化性化合物) 8. 0部、上記酸性表面処理銅フタロシアニンの製造例で得られた酸性表面処理銅フタロシアニンブルー 0. 3部、フラバンスロンイエロー(アゾ基を有しない非ハロゲン着色剤としてのアントラキノン系の黄色顔料、以下同様)0.3部、ジシアンジアミド 0.3部、ポリマー系消泡剤 0.5部、溶融シリカ20部、沈降性硫酸バリウム 30部を3本ロ−ルで混合分散( 練肉) させた後、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートで粘度を2dPa・sに調整した。なお、フラバンスロンイエローは下記〔化3〕で示される化合物(C.I PIGMENT YELLOW 24)である。
【0031】
【化3】
【0032】
このようにして得られた光・熱硬化性ソルダーレジストインキ組成物をバーコーターにより、予め面処理済みのプリント配線板の全面に塗工し( 未乾燥塗布膜の厚さ80μm)、ついで予備乾燥(80℃、20分)してからパターンを形成したネガフィルムを当接して露光(500mJ/cm2 )し、その後現像(1%炭酸ナトリウム水溶液にスプレー圧0.2MPa、60秒浸漬)し、さらにポストキュアー(150℃、30分)を行なって熱硬化させ、光及び熱により硬化したパターンの被覆膜を形成し、これにより緑色のソルダーレジストインキの被覆膜の硬化膜を形成したプリント配線板を得た。
【0033】
実施例2
カルボン酸付加ノボラック型エポキシアクリレ−ト樹脂 100部に、ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト 8. 0部、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン 8. 0部、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−ト( 熱硬化性化合物) 8. 0部、上記塩基性表面処理銅フタロシアニンの製造例で得られた塩基性表面処理銅フタロシアニンブルー(濃縮分散体) 0. 3部(固形分)、フラバンスロンイエロー 0.3部、ジシアンジアミド 0.3部、ポリマー系消泡剤0.5部、溶融シリカ 20部、沈降性硫酸バリウム 30部を3本ロ−ルで混合分散( 練肉) させた後、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートで粘度を2dPa・sに調整した。
このようにして得られた光・熱硬化性ソルダーレジストインキ組成物を用いて実施例1と同様に処理し、緑色のソルダーレジストインキの被覆膜の硬化膜を形成したプリント配線板を得た。
【0034】
実施例3
カルボン酸付加ノボラック型エポキシアクリレ−ト樹脂 100部に、ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト 8. 0部、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン 8. 0部、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−ト( 熱硬化性化合物) 8. 0部、上記樹脂表面処理銅フタロシアニンの製造例で得られた樹脂表面処理銅フタロシアニンブルー 0. 3部、フラバンスロンイエロー 0.3部、ジシアンジアミド 0.3部、ポリマー系消泡剤 0.5部、溶融シリカ 20部、沈降性硫酸バリウム 30部を3本ロ−ルで混合分散( 練肉) させた後、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートで粘度を2dPa・sに調整した。
このようにして得られた光・熱硬化性ソルダーレジストインキ組成物を用いて実施例1と同様に処理し、緑色のソルダーレジストインキの被覆膜の硬化膜を形成したプリント配線板を得た。
【0035】
比較例1
カルボン酸付加ノボラック型エポキシアクリレ−ト樹脂 100部に、ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレ−ト 8. 0部、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン 8. 0部、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−ト( 熱硬化性化合物) 8. 0部、無処理銅フタロシアニンブルー(リオノールブルーFG−7351:東洋インキ製造社製顔料) 0. 3部、フラバンスロンイエロー 0.3部、ジシアンジアミド 0.3部、ポリマー系消泡剤 0.5部、溶融シリカ 20部、沈降性硫酸バリウム 30部を3本ロ−ルで混合分散( 練肉) させた後、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートで粘度を2dPa・sに調整した。
このようにして得られた光・熱硬化性ソルダーレジストインキ組成物を用いて実施例1と同様に処理し、緑色のソルダーレジストインキの被覆膜の硬化膜を形成したプリント配線板を得た。
【0036】
上記実施例1〜3で得られたプリント配線板に電子部品を噴流はんだ付け法あるいはリフローはんだ付け法によりはんだ付けすることにより、電子部品を搭載したプリント配線板が得られる。
【0037】
上記実施例1〜3及び比較例1で得られた電子部品搭載前のプリント配線板及びソルダーレジストインキ組成物について、以下の実験を行った。
▲1▼ はんだ耐熱性
得られた各プリント配線板のソルダーレジストインキの被覆膜の硬化膜について、JIS C 6481の試験方法に従って、はんだ槽に収容した260℃の溶融はんだに30秒間浸漬し、その後セロハンテ−プ(商品名)をその硬化膜の上に指で擦って貼り付けてから引き剥がす、いわゆるピ−リング試験を行ない、その1回の試験を1サイクルとしてこれを同じ個所に最多で3サイクルまで行なう。硬化膜の剥離の程度を目視により観察し、以下の基準により評価した結果を表1に示す。
◎:3サイクル後も塗膜に変化がないもの
○:3サイクル後にほんの僅か変化しているもの
△:2サイクル後に変化しているもの
×:1サイクル後に剥離を生じるもの
【0038】
▲2▼ 耐薬品性
得られた各プリント配線板のソルダーレジストインキの被覆膜の硬化膜について、10%の塩酸水溶液に30分間浸漬した後、硬化膜の状態を目視により観察し、以下の基準により評価した結果を表1に示す。
◎:全く変化が認められないもの
○:ほんの僅か変化しているもの
△:顕著に変化しているもの
×:塗膜が膨潤して剥離したもの
▲3▼ 耐溶剤性
得られた各プリント配線板のソルダーレジストインキの被覆膜の硬化膜について、塩化メチレンに30分間浸漬した後、硬化膜の状態を目視により観察し、以下の基準により評価した結果を表1に示す。
◎:全く変化が認められないもの
○:ほんの僅か変化しているもの
△:顕著に変化しているもの
×:塗膜が膨潤して剥離したもの
【0039】
▲4▼ 電気特性
得られた各プリント配線板のソルダーレジストインキの被覆膜の硬化膜上に、IPC−SM−840B B−25テストク−ポンのくし型電極を置き、60℃、90%RH(相対湿度)の恒温恒湿槽中でD.C(直流)100Vを印加し、500時間後の絶縁抵抗及び回路パターンの銅箔の変色の程度を調べた。その絶縁抵抗の測定値を表1、また、その銅箔の変色の程度を目視により観察し、以下の基準により評価した結果を表1に示す。
◎:全く変色していないもの
○:薄く変色しているもの
△:顕著に変色しているもの
×:黒く焦げ付いているもの
【0040】
▲5▼ アミン溶出量
得られた各プリント配線板のソルダーレジストインキの被覆膜の硬化膜を削り取って微粉砕することにり測定用試料を調製し、イオンクロマトグラフィーにて検出する。
その測定値を表1に示す。
【0041】
▲6▼ ソルダーレジストインキ組成物の粘度安定性
得られた各ソルダーレジストインキ組成物をポリプロピレン製容器に充填して密閉し、70℃の熱風循環試験機に収容した後、粘度の上昇の程度を粘度計で測定し、以下の基準により評価した結果を表1に示す。
◎:7日以上粘度上昇が見られないもの
○:5〜6日で2倍以上粘度が上昇するかあるいはゲル化するもの
△:3〜4日で2倍以上粘度が上昇するかあるいはゲル化するもの
×:1〜2日で2倍以上粘度が上昇するかあるいはゲル化するもの
▲7▼ 青色顔料の浮き
得られた各ソルダーレジストインキ組成物をビーカーに入れて密封し、25℃で72時間放置してその状態を目視により観察し、以下の基準により評価した結果を表1に示す。
◎:青色顔料の浮きが全くないもの
○:青色顔料の浮きが若干見られるもの
×:青色顔料が液面に浮くもの
【0042】
なお、上記実施例において、フラバンスロンイエローの代わりに、イソインドリンイエロー(アゾ基を有しない非ハロゲン着色剤の黄色顔料)を用いても同様によい結果が得られた。なお、イソインドリンイエローは、下記〔化4〕で示される化合物(C.I.PIGMENT YELLOW 139、市販品名Paliotol Yellow K−1841D(バデッシュジャパン)である。
【0043】
【化4】
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、分子式にハロゲン原子を有しない青色系と黄色系の着色剤を混合した粘度が例えば2dPa・sの低粘度品でも分散安定性がよく、混合した着色剤が分離し難く、カーテン方式やスプレー方式の塗装を行なっても均一な安定した色調の緑色系の塗膜が得られるソルダーレジストインキ組成物及びその硬化膜を有するプリント配線板を提供することができる。
また、焼却してもダイオキシン等の有毒物を排出しないかその排出規制を守ることができるとともに、特に芳香族アミンのようなアミンを溶出し難い被覆膜を形成でき、これにより焼却したり、野外に廃棄しても公害を発生し難いソルダーレジストインキ組成物及びその硬化膜を有するプリント配線板を提供することができる。
そして、粘度安定性があるソルダーレジストインキ組成物及び耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、電気特性が優れるその被覆膜の硬化膜を有する電子部品搭載前又は搭載後のプリント配線板を提供することができる。
Claims (10)
- (A)着色剤、(B)硬化性樹脂、(C)反応性希釈剤、(D)重合開始剤、(E)充填剤及び(H)溶剤を含有する緑色系のソルダーレジストインキ組成物において、上記(A)着色剤は(A−1)分子式にハロゲン原子を有しない青色系着色剤と(A−2)分子式にハロゲン原子を有しない黄色系着色剤を質量比で(A−1):(A−2)が1〜5:1として含有しかつ該青色系着色剤及び該黄色系着色剤の少なくとも一方は粒子表面が上記ソルダーレジストインキ組成物における分散性のための表面処理として酸性処理、樹脂処理及びアルカリ処理のうちの1つによる親水化処理をされている該青色系着色剤と該黄色系着色剤により緑色系の色調を構成するソルダーレジストインキ組成物であって、上記(H)溶剤の含有により粘度を50dPa・s以下にし、2dPa・sでは該青色系着色剤と該黄色系着色剤の両者の着色剤が分離しないソルダーレジストインキ組成物。
- (A)着色剤、(B)硬化性樹脂、(C)反応性希釈剤、(D)重合開始剤、(E)充填剤及び(H)溶剤を含有する緑色系のソルダーレジストインキ組成物において、上記(A)着色剤は(A−1)分子式にハロゲン原子を有しない青色系着色剤と(A−2)分子式にハロゲン原子を有しない黄色系着色剤を質量比で(A−1):(A−2)が1〜5:1として含有しかつ該青色系着色剤及び該黄色系着色剤の少なくとも一方は粒子表面が上記ソルダーレジストインキ組成物における分散性のための表面処理として酸性処理による親水化処理をされている該青色系着色剤と該黄色系着色剤により緑色系の色調を構成するソルダーレジストインキ組成物。
- (B)硬化性樹脂が光硬化性樹脂であり、(C)反応性希釈剤が光重合性反応性希釈剤であり、(D)重合開始剤が光重合開始剤である請求項1又は2記載のソルダーレジストインキ組成物。
- (A)着色剤、(F)熱硬化性樹脂、(E)充填剤及び(H)溶剤を含有する緑色系のソルダーレジストインキ組成物において、上記(A)着色剤は(A−1)分子式にハロゲン原子を有しない青色系着色剤と(A−2)分子式にハロゲン原子を有しない黄色系着色剤を質量比で(A−1):(A−2)が1〜5:1として含有しかつ該青色系着色剤及び該黄色系着色剤の少なくとも一方は粒子表面が上記ソルダーレジストインキ組成物における分散性のための表面処理として酸性処理、樹脂処理及びアルカリ処理のうちの1つによる親水化処理をされている該青色系着色剤と該黄色系着色剤により緑色系の色調を構成するソルダーレジストインキ組成物であって、上記(H)溶剤の含有により粘度を50dPa・s以下にし、2dPa・sでは該青色系着色剤と該黄色系着色剤の両者の着色剤が分離しないソルダーレジストインキ組成物。
- (A)着色剤、(F)熱硬化性樹脂、(E)充填剤及び(H)溶剤を含有する緑色系のソルダーレジストインキ組成物において、上記(A)着色剤は(A−1)分子式にハロゲン原子を有しない青色系着色剤と(A−2)分子式にハロゲン原子を有しない黄色系着色剤を質量比で(A−1):(A−2)が1〜5:1として含有しかつ該青色系着色剤及び該黄色系着色剤の少なくとも一方は粒子表面が上記ソルダーレジストインキ組成物における分散性のための表面処理として酸性処理による親水化処理をされている該青色系着色剤と該黄色系着色剤により緑色系の色調を構成するソルダーレジストインキ組成物。
- (G)熱硬化性化合物を含有する請求項1ないし5のいずれかに記載のソルダーレジストインキ組成物。
- (A−2)成分の黄色系着色剤が分子式にアゾ基を有しない着色剤である請求項1ないし6のいずれかに記載のソルダーレジストインキ組成物。
- (A−2)成分の黄色系着色剤がイソインドリン系着色剤及びアントラキノン系着色剤の少なくとも1種である請求項7記載のソルダーレジストインキ組成物。
- (A−1)成分の青色系着色剤がフタロシアニンブルーである請求項1ないし8のいずれかに記載のソルダーレジストインキ組成物。
- 請求項1ないし9のいずれかに記載のソルダーレジストインキ組成物の被覆膜の硬化膜を有する電子部品を搭載する前又は後のプリント配線板。
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