JP4446549B2 - トナー供給ロール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナー供給ロールに関する。更に詳しくは、通気度が低く、しかも、適度に柔軟であり、且つ一般的な軟質ポリウレタンフォームと比べて密度が高く、印画を繰り返した場合にも画質の低下が少ないトナー供給ロールを提供することを目的とする。本発明のトナー供給ロールは、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ等に接続され、使用されるプリンタ、或いはファクシミリ及び複写機などのオフィスオートメーション機器の現像装置に組み込んで使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
発泡層を有するトナー供給ロールを現像装置に組み込み、印画を繰り返した場合に、印画されない部分にもトナーが付着してしまうことがある。このトナーの付着は、トナー供給ロールと現像ロールとの摩擦等にともなうトナーの劣化を主要因として生ずるものである。このトナーの劣化を抑えるため、従来より、軟質ポリウレタンフォーム等の硬度の低い発泡層とすること等によって、トナー供給ロールを現像ロールに適度に押圧して当接させる等の対策が提案されている。
【0003】
トナー供給ロールは、トナーを現像ロールに供給する作用と、残余のトナーを現像ロールから回収する作用とを併せ有するが、トナーの劣化はトナーを回収する際に生じ易いことが分かっている。このことは、現像の前後でトナーの粒径を比べた場合に、現像後のトナーには、現像剤として作用し得ない微粉が多く含まれていることによっても理解される。
【0004】
回収されたトナーの一部は発泡層の表面に開口する開放孔に捕捉され、トナー供給ロールが現像ロールに当接した際の変形と、この変形の復元とにより開放孔から押出される。しかし、多くのトナーは押出されず、そのまま1回転して、開放孔にはトナーが更に捕捉されることになる。このようにしてトナーの捕捉が繰り返され、捕捉されたトナーが次第に発泡層の内部へと入り込んでいくことになる。その結果、捕捉されたトナーが発泡層の内部に堆積し、凝集、固化して、もはや現像剤として機能し得ないものになってしまうこともある。
【0005】
また、発泡層の表層部分においてトナーが堆積した場合は、もはや残余のトナーの捕捉ができなくなり、現像ロールとの当接面でトナーに大きな摩擦力が加わり、トナーの劣化がより促進される結果となる。そして、このような状況が続けば、やがては現像ロールの表面にトナーが融着するといった大きな問題を生ずることにもなる。しかも、高解像度の要求を満たすため、トナーは粒径10μm以下と微粒化しており、問題はより大きくなる傾向にある。尚、セル膜によりセルが閉じられた独泡性の高い発泡層の場合は、柔軟性が低下し、弾性が発現するため、押圧時にトナー供給ロールと現像ロールとを十分なニップ幅でもって当接させることができないことがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、主に、電子写真、静電記録技術を利用した複写機等の現像装置に組み込まれて使用され、その発泡層におけるセルを隔てるセル膜にある貫通孔、即ち、ガス抜け孔が数として少なく、大きさとして小さいため、トナーが内部に入り込み難く、しかも、適度に柔軟であり、印画を繰り返した場合にも画質の低下が少なく、耐久性の高いトナー供給ロールを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1発明のトナー供給ロールは、芯金と、該芯金の周面に設けられたポリウレタン発泡層とを備えるトナー供給ロールにおいて、
上記ポリウレタン発泡層は、メカニカルフロス法によるモールド成形により形成され、
上記ポリウレタン発泡層を形成するセル膜には貫通孔が形成されており、
該貫通孔は、セル1個当たりの平均で0.4〜4.0個であり、
上記ポリウレタン発泡層の密度が0.1〜0.8g/cm 3 であり、
平均セル径が50〜300μmであって、通気度が5.0cm 3 /cm 2 /秒以下であることを特徴とする。
【0008】
また、第2発明のトナー供給ロールは、上記貫通孔の平均孔径が20〜70μmであることを特徴とする。
【0009】
上記「芯金」は、現像ロール等と接触して回転する際、或いは長期間の使用によって変形などを生ずることのない機械的強度を有している必要がある。この芯金は、金属又は樹脂等により形成することができる。強度の観点からは、ステンレス鋼等からなる断面円形の棒状体を用いることが好ましいが、両端部以外は必ずしもその断面が円形である必要はない。また、樹脂製である場合は、必要に応じて導電性を付与することもできる。
【0010】
第1発明において、上記「発泡層」は、ポリウレタンにより形成される。柔軟性、耐久性等に優れるポリウレタン発泡体が用いられる。
【0011】
発泡層の密度は0.1〜0.8g/cm3であり、0.2〜0.5g/cm3であることが好ましい。密度が0.1g/cm3未満であると、機械的強度が低下し、ロールとしての使用に耐えないものとなる。一方、0.8g/cm3を越える場合は、柔軟性が低下し、ニップ幅が不十分になる等の問題がある。また、セル径は50〜300μmであり、50〜200μm、特に50〜150μmであることが好ましい。セル径が50μm未満であると、柔軟性が低下する傾向にあり、300μmを越える場合は、トナー粒径に対する貫通孔の径も大きくなり、トナーがロールの表面から内部に浸透し易くなって、供給されるトナー量が不均一になる傾向にあり、いずれにしても画質が低下する。
【0012】
更に、JIS L 1096A法により測定した発泡層の通気度(フラジール型試験機を使用し、差圧125Pa時の値)は5.0cm3/cm2/秒以下であり、3.5cm3/cm2/秒以下、特に2.0cm3/cm2/秒以下であることが好ましい。通気度が5.0cm3/cm2/秒を越える場合は、トナーが発泡層に入り込み易くなり、所定の画質を維持しながら繰り返し印画することができない。尚、この方法により測定し得る下限値は0.32cm3/cm2/秒であるが、発泡層の通気度が下限値であっても、所要特性に特に影響はない。
【0013】
上記「ポリウレタン発泡層」を形成するセル膜には、セル1個当たりの平均で0.4〜4.0個の貫通孔が形成されている。この貫通孔は、セル1個当たりの平均で、特に1.0〜3.0個、更には1.4〜2.4個形成されていることが好ましい。また、第2発明のように、貫通孔の平均孔径は20〜70μmであることが好ましく、20〜30μmであることが特に好ましい。このように、従来の軟質ポリウレタンスラブフォーム等に比べて、セル膜に形成される貫通孔の個数が少なく、平均径が小さいため、気体は透過するものの、トナーが貫通孔を通過して内部へと入り込むことは抑えられる。それにより、適度な柔軟性は維持されたまま、トナーが入り込むことによる印画性能の低下が抑えられ、連続印画した場合の耐久性に優れるトナー供給ロールとすることができる。
【0014】
セル膜に形成される貫通孔の個数及びその孔径は、ポリウレタン発泡層の断面を電子顕微鏡により観察した視野において、或いはそれを撮影した写真において確認することができる。但し、略球状(三次元)のセルの断面(二次元)を観察しているため、平均すればセルの半分(半球)に存在する貫通孔を観察することになる。従って、顕微鏡視野、或いは写真により計数される貫通孔の個数はセル1個当たりの平均で0.2〜2.0個となるが、実際はこの2倍のセル1個当たりの平均で0.4〜4.0個の貫通孔が存在することになる
【0015】
このように第1発明においては、ポリウレタン発泡層の密度が0.1〜0.8g/cm3であり、平均セル径が50〜300μmであって、通気度が5.0cm3/cm2/秒以下である。
尚、第1発明におけるポリウレタン発泡層の硬度は、アスカーF硬度で10〜90°、特に30〜80°であることが好ましい。硬度が10°未満であると、柔軟にすぎ、トナー供給ロールとしての使用に耐えず、90°を越える場合は、現像ロールを傷付けることがあり、高速印画ができず、画質も低下する傾向にある。
【0016】
ポリウレタン発泡層は、メカニカルフロス法によるモールド成形により形成する。このメカニカルフロス法では、先ず、原料混合用のミキシングヘッドに流入する直前の発泡原料に、不活性ガスを混入させる。そして、オークスミキサ又は先端を絞り込んだノズル等に気液混合された発泡原料を供給し、成形型の内部に吐出させる。その後、この成形型を140〜180℃、特に150〜170℃に調温された炉に収容し、これを加熱し、発泡原料を硬化させるとともに発泡させることにより、発泡層を形成することができる。この方法では、不活性ガスが均一に分散して気泡が生成し、これをそのまま硬化させることにより発泡体を形成することができる。また、発泡圧が低く、発泡倍率が小さいため、発泡体の硬度等の調整が容易である。
【0017】
ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDIの他、1,5−ナフタレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート等の芳香族系のものを使用することができる。また、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添MDI、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族系のものを用いることもできる。これらの他プレポリマー型のイソシアネートを使用することもできる。
【0018】
ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、及びこれらを共重合させたポリエーテルエステルポリオール等、いずれも使用することができる。その種類等も特に制限はされないが、ポリエーテルポリオールが好ましい。また、ポリマーポリオール、即ち、ポリエーテルポリオールにアクリロニトリル、スチレン、メチルメタアクリレート等のエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させたポリオールを使用することもできる。
【0019】
ポリオール成分には、触媒、架橋剤及び整泡剤の他、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機充填剤、無機充填剤、着色剤、可塑剤等を配合することができる。
触媒としては、スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート等の有機錫化合物、ニッケルアセチルアセトネート、ニッケルジアセチルアセトネート等の有機ニッケル化合物、酢酸ナトリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコキシド、フェノキシドなど、並びにオクチル亜鉛等の金属触媒を使用することができる。また、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリンジメチルアミノメチルフェノール、イミダゾール、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン等の3級アミン系触媒の他、有機酸塩等を使用することもできる。
【0020】
架橋剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等の短鎖ジオール系架橋剤を使用することができ、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の短鎖ジアミン、及びトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のアミン系架橋剤を用いることもできる。
【0021】
整泡剤としては、一般に、ジメチルポリシロキサンとポリエーテルのブロック共重合体を使用することができる。また、ポリシロキサンに有機官能基を付加した特殊な整泡剤を用いることもできる。このように、整泡剤としてはシリコーン系整泡剤が多用される。
尚、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機及び無機充填剤、着色剤等としては、一般にウレタン配合に使用される原料を適宜使用することができる。
【0022】
また、発泡層には必要に応じて各種の導電性付与物質を含有させることもできる。電子導電化機構による導電性付与物質としては、導電性カーボン、酸化錫、酸化チタン等を使用することができる。イオン導電化機構による導電性付与物質としては、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、塩化ナトリウム、及び各種の第四級アンモニウム塩等を用いることができる。更に、発泡層に難燃剤を含有させることもできる。難燃剤としては、有機含ハロゲンリン酸エステル、含窒素リン化合物等の有機難燃剤、或いは水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム及び三酸化アンチモン等の無機難燃剤を適量配合した、通常のものを使用することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。
[1]トナー供給ロールの作製及びその評価
実施例1〜4及び比較例2−(1)〜2−(3)
(1)ポリウレタン発泡体の調製
ポリマーポリオール(三井化学株式会社製、商品名「POP24−30」)20〜40質量部(以下、「部」と略記する。)、ポリエーテルポリオール(三井化学株式会社製、商品名「ED−37」)40〜65部、ポリエステルポリオール(ダイセル化学株式会社製、商品名「PCL305」)7部(これら3種類のポリオールの合計量を100部とする。)、金属触媒(ニッケルアセチルアセトネート、OSi社製、商品名「LC−5615」)2部、アミン系触媒(トリエチレンジアミン(主成分)、中京油脂株式会社製、商品名「LV33」)0.1部、整泡剤(日本ユニカー株式会社製、商品名「L520」)10部、及び顔料(山陽色素株式会社製、商品名「UT4921」)5部を含有するポリオール成分を連続的にミキシングヘッドに流入させた。また、このミキシングヘッドに流入する直前のポリオール成分に所定の流量で窒素ガスを混入させた。
【0024】
同時に、ミキシングヘッドには、ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名「MTL」)を流入させた。その後、ミキシングヘッドにおいて混合された発泡原料を、オークスミキサに供給し、攪拌し、泡状体を調製した。次いで、この泡状体を外径6mmのステンレス鋼製のシャフトがセットされた成形型に流し込み、160℃に調温された加熱炉に収容して60分間加熱し、硬化させた。尚、ポリイソシアネートの流入量はポリオールのOH基とポリイソシアネートのNCO基の当量比が0.9〜1.5となるように調整することができる。また、窒素ガスの流量も変化させ、実施例1〜4及び比較例2−(1)〜2−(3)の7種類のポリウレタン発泡体を調製した。
【0025】
(2)トナー供給ロールの作製
得られた7種類のポリウレタン発泡体の表面を円筒研磨機により研磨加工し、図3に示す芯金12の周面にポリウレタン発泡層11が設けられた外径16mmのトナー供給ロール1を作製した。
【0026】
比較例1−(1)〜1−(4)
軟質ポリウレタンスラブフォーム[株式会社イノアックコーポレーション製、商品名「SP80」、「SP50」、「EPS」、「EPM−70」、これらをそれぞれ比較例1−(1)、比較例1−(2)、比較例1−(3)、比較例1−(4)とする。]からなる円筒体を形成し、実施例と同様にして研磨し、外径16mmのトナー供給ロールを作製した。
【0027】
(3)物性及び耐久性等の評価
実施例1〜4及び比較例1−(1)〜1−(4)、2−(1)〜2−(3)の各々のポリウレタン発泡層の密度、硬度、セル径、耐久性及び画質を、以下の方法により評価した。結果を表1に示す。
<1>密度(g/cm3);JIS K 6401
<2>硬度(°);アスカー硬度計Fタイプにより測定
<3>セル径(μm、平均値);光学顕微鏡により3視野、観察し、撮影した倍率50倍の写真において、各視野について50個、合計150個のセルの径を読み取り、セル径の合計を個数で除して算出した。
【0028】
<4>通気度(cm3/cm2/秒);JIS L 1096A法に従って測定した差圧125Pa時の値である。尚、実施例1〜4及び比較例2−(1)〜2−(3)では、ロール形成と同様にしてモールド成形によりシートを成形し、表層のスキン層を取り除いて厚さ10mmの試験片を作製した。また、比較例1−(1)〜1−(4)では、各々の軟質ポリウレタンスラブフォームから厚さ10mmのシートを切り出して試験片を作製した。
【0029】
<5>耐久性;トナー供給ロールを図2に示すように現像装置に組み込み、20000枚の画像出し試験を行った場合の、トナー目詰まりによる弾性損失までの枚数により評価した。現像剤としては粒径6μmの1成分現像剤を使用した。評価基準は下記のとおりである。
◎;15k以上、20k以下、○;10k以上、15k未満、△;5k以上、10k未満、×;5k未満。
<6>画質;10枚連続印字し、10枚目の印字状況を観察して、画像の均一性及び画像スジの有無により評価した。評価基準は下記のとおりである。
○;画像が均一であり、スジもみられない、△;画像が不均一及び/又はスジの発生がみられる。
尚、表1において***は第1発明の範囲外であることを表す。
【0030】
【表1】
【0031】
表1の結果によれば、実施例1〜4では、耐久性に優れ、画質も良好であることが分かる。一方、比較例1−(1)〜1−(4)では、通気度が高く、密度も低いため、硬度及びセル径が適度な範囲にある場合でも、耐久性、画質ともに劣っており、セル径が大きい比較例1−(2)及び1−(3)ではより劣っていることが分かる。また、メカニカルフロス法によって製造したポリウレタン層であっても、比較例2−(1)のようにセル径が小さすぎると、トナーの供給量が十分ではなく、画像の均一性が低下する。更に、比較例2−(2)のようにセル径が大きすぎると、ロールがトナーで汚れ、スジの発生もみられ、2−(3)のように通気度が大きいと、耐久性が低下することが分かる。
【0032】
[2]ポリウレタン発泡体のセル膜に形成された貫通孔の数及びその平均径等の評価
実施例5及び比較例3
実施例1とは窒素ガスの流量を変化させ、シート成形用の型を用いた他は同様にして実施例5のポリウレタン発泡シートを作製した。また、常法により製造した軟質ポリウレタンスラブフォームから比較例3のシートを切り出した。これらの発泡シートを電子顕微鏡によって観察し、写真を撮影した。
【0033】
図3は、実施例5のポリウレタン発泡シートの倍率50倍の写真である。また、図4は、比較例3のポリウレタン発泡シートの同倍率の写真である(図3、図4において、各々のセル内にみられる黒点が貫通孔の断面である。)。これらの写真上の1900×1300μmの面積におけるセル数、セル径並びにセル膜に形成された貫通孔の数及び径を読み取った。また、前記と同様にして密度、硬度及び通気度を測定した。結果を表2に示す。この表2における「貫通孔のセル1個当たりの数」は、実際に読み取られた貫通孔の総数をセル数で除して2倍した値である。また、「平均径」は実際に読み取られた貫通孔の累積径を個数で除した値である。尚、表2において*は第1発明の、**は第2発明の、***は第1発明の範囲外であることを表す。
【0034】
【表2】
【0035】
表2の結果によれば、セル膜に形成されている貫通孔は、比較例3では実施例5の3倍近い数となっている。また、実施例5では、数が少ないばかりでなく、各々の貫通孔の大きさが小さく、一方、比較例3では、数が多いばかりでなく、各々の貫通孔が実施例5に比べて非常に大きいことが分かる。この構造の違いが通気度の大きな差となって表れており、これらをポリウレタン発泡層とするトナー供給ロールを形成した場合に、実施例5であれば、実施例1〜4と同様に優れた特性を有するロールが得られ、比較例3であれば、比較例1−(1)〜1−(4)及び2−(1)〜2−(3)と同様に耐久性、画質等に劣ったロールとなることが推察される。
【0036】
【発明の効果】
第1乃至第2発明によれば、発泡層の独泡性が高く、トナーが内部に入り込み難く、且つ適度な柔軟性をも併せ有し、印画を繰り返した場合にも、画質の低下等のない耐久性に優れたトナー供給ロールとすることができる。また、第1発明によれば、ポリウレタン発泡層をメカニカルフロス法によるモールド成形により形成することにより、容易にトナー供給ロールを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のトナー供給ロールの斜視図である。
【図2】トナー供給ロールを組み込んだ現像装置の断面を表す模式図である。
【図3】実施例5のポリウレタン発泡シートの倍率50倍の電子顕微鏡写真である。
【図4】比較例3のポリウレタン発泡シートの倍率50倍の電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1;トナー供給ロール、11;ポリウレタン発泡層、12;芯金、2;感光ドラム、3;現像ロール、4;トナー、5;現像容器。
Claims (2)
- 芯金と、該芯金の周面に設けられたポリウレタン発泡層とを備えるトナー供給ロールにおいて、
上記ポリウレタン発泡層は、メカニカルフロス法によるモールド成形により形成され、
上記ポリウレタン発泡層を形成するセル膜には貫通孔が形成されており、
該貫通孔は、セル1個当たりの平均で0.4〜4.0個であり、
上記ポリウレタン発泡層の密度が0.1〜0.8g/cm 3 であり、
平均セル径が50〜300μmであって、通気度が5.0cm 3 /cm 2 /秒以下であることを特徴とするトナー供給ロール。 - 上記貫通孔の平均孔径が20〜70μmである請求項1記載のトナー供給ロール。
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