JP4443291B2 - 貨車用踏面ブレーキ装置の制輪子取付構造 - Google Patents

貨車用踏面ブレーキ装置の制輪子取付構造 Download PDF

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この発明は鉄道の貨物台車用、つまり貨車用踏面ブレーキ装置の主として合成樹脂製摩擦材(ブレーキシュー・ブレーキライニング)を備えた制輪子である合成制輪子を制輪子頭に取り付けるための、制輪子取付構造に関するものである。
貨車用踏面ブレーキ装置における合成制輪子11の制輪子頭21への取付構造61は、一般的には図10に示すように、制輪子頭21の取付面の周方向中央部に設けられた凹状部26に、合成樹脂製摩擦材17を表面に一体的に固着した台板12の裏面の周方向中央部において裏面方向へ突出させた略台形突起板部13を挿入し、制輪子キー(コッタ)31を制輪子頭21のコッタ穴22b〜25bと台板12の突起板部13の対向する開口13d・13eとに一連に嵌め込んで一体に固定する構造からなる。合成制輪子11は高速から低速に至る間の摩擦係数が安定しており、一般に高速の鉄道車両で使用されている。一方、低速の鉄道車両では鋳鉄制輪子が使用されている。とくに貨車用の制輪子頭21は、客車用の車両とは違ってブレーキ梁20(図5参照)の端部に一体に形成されている。
この種の先行技術として、制輪子と制輪子頭との間で制輪子頭の取付面に沿って制振材を挟み、制輪子キーにより制輪子を制輪子頭に弾性的に固定する構造のものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
その他の先行技術として、摩擦材を一方の面に固着した補強板からなる複数の制輪子を、その補強板を対向させて制輪子頭にスライド自在に係合し、各補強板の中央部に形成した凹部内に、弾性体で押圧されることに制輪子頭の取付面から突出するピンを嵌入することで各制輪子を制輪子頭に係止する構造のものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開昭53−35872号公報(第2頁左欄および第3図) 特許2835151号掲載公報(第2頁左欄の実施例および第3図)
上記した従来の一般的な取付構造61では、下記のような点で改良の余地がある。
すなわち、合成制輪子11にあっては図11に示すように制輪子11を車輪41の踏面に押し付けた場合に、片当たりしても追従しやすいように制輪子11の摩耗材17の周方向中央部に半径方向のスリット17aを入れている。しかし、制輪子頭21がブレーキ梁20と一体に形成されている(図5参照)ため、制輪子の摩擦材が車輪の踏面にいったん片当たりすると、その状態が継続し、摩擦材が車輪の踏面に添うことはない。また、車両の積空重量差による軸ゴムのたわみや、進行方向によるブレーキ装置のガタによって偏摩耗が生じ、同偏摩耗による片当たりや車輪の踏面の半径方向寸法や制輪子の摩耗状態による片当たりあるいは製品のばらつきなどによる片当たりにより、制輪子取付部の鋼板製台板に高い交番応力(とくに集中荷重)が発生する(図14・図15参照)。
また、上記したとおり、貨車用の制輪子頭はブレーキ梁と一体に形成されているので、制輪子頭が特定の方向にだけ作動し、貨物車両の高速化に伴うブレーキ力の増大により、制輪子が車両の使用状況に合わせて癖をもって摩耗し、偏摩耗の原因になる。
なお、上記した各特許文献に記載の取付構造は、いずれも客車用の踏面ブレーキ装置に関するものであり、本発明の対象とする貨車用と違って制輪子頭がブレーキ梁の先端部にピンで揺動自在に結合されているため、車輪踏面に制輪子の摩擦材が片当たりしても制輪子が自然に揺動して車輪踏面に添うので、制輪子の片当たりを解消しようとする本発明とは解決しようとする課題が異なっている。
また、特許文献1に記載の取付構造では、制輪子頭と制輪子との間の円弧状取付面に板状の制振材を介在させている。このため、ブレーキの非作動時には制輪子頭と制輪子間の隙間は生じにくくなり、振動音等の発生は抑制される。しかし、ブレーキ作動時には制輪子頭を介して制輪子が車輪の踏面に対して強く押し付けられるので、中間に介在されている制振材は圧縮されて薄くなる。そうなると、制輪子頭の凹状部と制輪子の突起板状部とのは制振材が介在されていない状態に近くなるので、隙間が生じるおそれがある。したがって、この取付構造を本発明の対象とする貨車用踏面ブレーキ装置に適用しても交番応力の発生を防止することはほとんど期待できない。さらに、制輪子の台板の裏面には突起板状部だけでなく両端部に止め板があり、これらの止め板を制輪子頭の取付面の「コ」の字形溝に嵌め込んで制輪子の移動を防止しているが、制輪子と制輪子頭間の取付面に制振材を介在させた構造では、制輪子の台板に止め板を設けたとしても十分に機能しないから、ブレーキ作動時に制輪子頭と制動子間で相対移動が生じるおそれもある。
この本発明は上述の点に鑑みなされたもので、貨車用踏面ブレーキ装置の制輪子頭がブレーキ梁に一体に形成されている特殊な構造において、構造を複雑にすることなく、メンテナンスの容易性や制輪子キーを用いた制輪子の交換が簡単な取付構造を保持したうえで、ブレーキ作動時に制輪子の台板に対する交番応力の発生を防止できる制輪子取付構造を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明にかかる貨車用踏面ブレーキ装置の制輪子取付構造は、制輪子頭取付面の周方向中央部に設けられた凹状部に、制輪子台板(鋼板)の周方向中央部の裏面方向へ突出する略台形突起板状部を挿入し、制輪子キーを前記制輪子頭のコッタ穴と前記台板の突起板状部の上下に対向する開口とに一連に嵌め込んで前記制輪子頭に制輪子を固定する構造を備えた貨車用踏面ブレーキ装置において、前記制輪子頭の凹状部と前記制輪子台板の突起板状部との上下の(半径方向の)隙間の少なくとも一方に、前記制輪子キー挿通用の開口を中央部に設けた耐熱性ゴム板を前記制輪子キーに対して直交する方向に介設したことを特徴とするものである。
上記の構成を有する本発明の制輪子取付構造によれば、従来はブレーキ作動時に制輪子頭と制輪子との取付面の一部(例えば上部)に隙間があって、車輪の踏面に対し制輪子の摩擦材の一部(例えば上部側)が強く接触し、摩擦材の別の部分(例えば下部側)に隙間の生じる、いわゆる片当たり状態(図11参照)になっていたものが、図1に示すように制輪子頭と制輪子との取付面間に隙間がなくなり、車輪の踏面に対し制輪子の摩擦材が周方向にわたり全面的に接触し、摩擦材の片当たりが修正される。とくに本発明では凹状部内において弾性体としての耐熱性ゴム板を制輪子キーと直交する方向(制輪子頭の半径方向ともいえる)、いいかえればブレーキ作動時に制輪子頭を車輪の踏面に押し付ける方向に沿って介設している。この構成により、ブレーキの作動開始時もちろんのこと、制輪子頭に対し制輪子を取り付けた状態で制輪子頭の取付面に制輪子の裏面側取付面が当接しており、したがってブレーキ作動時に弾性体(耐熱性ゴム板)には押し付け力が作用しないため、弾性体(耐熱性ゴム板)が圧縮されることはない。上記のように制輪子頭に対する制輪子の半径方向の変位(移動)は規制されるが、制輪子の周方向への変位は規制されないため、ブレーキ作動時の車輪踏面に対する摩擦材の片当たりは正規の状態に修正され偏摩耗が矯正されるとともに、従来はブレーキ作動時に台板の表面が凹状に湾曲した円弧面と突起板状部との屈曲位置および突起板状部の頂部屈曲位置近傍にそれぞれ作用していた高い引っ張り応力が、大幅に低減(図12・図13参照)される。また、制輪子頭の取付面に制輪子の裏面側の取付面(取付部ともいう)が常に接触することにより、走行中の振動も低減され、制輪子取付部の台板、制輪子キーおよび制輪子頭などの接触部の摩耗が防止される。制輪子に作用する振動加速度は、弾性体(耐熱性ゴム板)非装着の従来は70〜120であったが、本発明の取付構造の採用により20程度まで低減される。
また、弾性体がゴム板であるので、制輪子頭の凹状部と制輪子の台板突起板状部との隙間に簡単に挿入でき、しかも、挿入されたゴム板はこの中央部の開口に挿通される制輪子キーによって制輪子の突起板状部および制輪子頭の凹状部(壁)間に固定されるので、定位置に保持され抜け落ちることがない。また、ゴム板が耐熱性であるので、ブレーキ作動時に発生する摩擦熱に対しても強い。
請求項2に記載のように、前記耐熱性ゴム板に、ウレタンゴム、シリコンゴムまたはフッ素ゴムからなるゴム板を用いることができる。
請求項3に記載のように、前記耐熱性ゴム板を、幅方向の一方から他方にかけて漸次厚みを薄くしたゴム板にすることができる。
請求項3記載の制輪子取付構造は、制輪子頭の凹状部と制輪子の突起板状部との隙間が入り口側から奥方向にかけて徐々に狭くなっている構造に対応したもので、そのような場合にゴム板の挿入を容易にするとともに、隙間内にゴム板がぴったりと挿入されて制輪子の台板に作用する応力を有効に低減できる。
請求項4に記載のように、前記耐熱性ゴム板を、中間層または表層部に織物(コード層)からなる芯材を設けたサンドイッチ構造にすることができる。
請求項4記載の制輪子取付構造によれば、ゴム板の中間層または表層部に芯材が設けられているので、圧縮力がゴム板に作用してもゴム板の平面方向の歪みを抑制することで対抗でき、耐久性に富み寿命が長い。
請求項5に記載のように、前記耐熱性ゴム板を、前記隙間を構成する制輪子頭の凹状部側または制輪子台板の突起板状部側の壁面にあらかじめ接着しておくことができる。
請求項5記載の制輪子取付構造によれば、制輪子頭に制輪子を取り付けて制輪子キーにより固定でき、ゴム板を挿入する手間が省ける。
本発明にかかる貨車用踏面ブレーキ装置の制輪子取付構造は、上記の構成からなるので下記のような優れた効果がある。すなわち、制輪子頭に制輪子を正面からスムーズに挿入できるように制輪子頭側の中央凹状部と制輪子側の中央突起板状部との間にクリアランスが設けられているため、従来はブレーキ作動時に制輪子頭と制輪子との周方向に沿った取付面の一部に隙間が生じ、車輪の踏面に対し制輪子の摩擦材が片当たり状態になっていたが、本発明によれば、制輪子頭側の中央凹状部と制輪子側の中央突起板状部との間に弾性体を介設したことでクリアランスがなくなったので、ブレーキ作動時および非作動時に制輪子頭と制輪子との周方向の取付面間に隙間が生じず、車輪の踏面に対し制輪子の摩擦材が周方向にわたり全面的に接触し、摩擦材の片当たりが防止される。これにより、従来はブレーキ作動時に制輪子側台板に作用していた高い交番応力が大幅に低減され、また走行中の振動も低減され、制輪子取付部の台板、制輪子キーおよび制輪子頭などの接触部の摩耗が防止される。しかも、従来の取付構造に比べて構造が複雑にならず、メンテナンスの
容易性や制輪子キーを用いた簡単な固定構造などは、変更されずに維持される。
以下、本発明にかかる貨車用踏面ブレーキ装置の制輪子取付構造について実施の形態を図面に基づいて説明する。
図7〜図9は貨車用の踏面ブレーキ装置を示すもので、この踏面ブレーキ装置10は本例では、図8に示すように台車枠51の側梁52の内側に、ブレーキ梁20をほぼ車軸中心方向に案内するブレーキ梁受け52a・52bが設けられ、手前側の側梁52と向こう側の側梁(図示せず)とのブレーキ梁受け52aおよび52b間を跨ぐようにブレーキ梁20が配設されている。ブレーキ梁20には、図9に示すように車幅方向の中央部に縦テコ55・56を図7のように側面視で「ハ」の字状に配置し、図7に示すピン55a・56aで上下方向の中間位置よりやや下方寄りでブレーキ梁20に対し軸支して、縦テコ55・56がピン55a・56aを中心に揺動できるように構成している。
ブレーキ梁20の両側には制輪子頭21がそれぞれ一体に形成(図5参照)され、各制輪子頭21に制輪子11が取り付けられる。
縦テコ55は台車枠51の上部に配設された枕梁53から図7の左側車輪41の方向に延設されたテコ受け54・54aに上端が揺動自在に支持され、同車輪41と枕梁53との間に配置されて上下方向に延びた縦テコ55と、図の右側車輪42に向けて台車枠51の手前側側梁52と向こう側側梁(図示せず)とに設けられたブレーキ梁受け52b間を跨ぐブレーキ梁20の中央で、ピン56aにより揺動自在に支持された縦テコ56の上端と駆動シリンダ(図示せず)とがピン56を介してそれぞれ揺動自在に結合されている。
さらに、右側車輪42と台車枠51との間に配置されて上下方向に延びた縦テコ56と、左右の縦テコ55・56の下端間を連結する押し棒57とにより構成されるリンク機構を備えている。
そして、駆動シリンダ(図示せず)により右側の縦テコ56の上端を右方向に押圧すると、縦テコ56側のブレーキ梁20が移動して右側制輪子頭21に取り付けられた合成制輪子11が右側車輪42の踏面に押し付けられてブレーキがかかり、その反力により押し棒57を介して左側縦テコ55が上端を中心に左側車輪41方向に揺動し、この縦テコ55側のブレーキ梁20を介して左側制輪子頭21に取り付けられた合成制輪子11が左側車輪41の踏面に押し付けられてブレーキがかかる。
合成制輪子11は、図4に示すように裏面側取付面が凸状に湾曲する円弧状台板12と、この表面に重ね合わされ周方向長さをやや短くした補強板16とを備え、台板12の表面側に合成樹脂製摩擦材17を一体に形成している。台板12および補強板16は鋼板からなり、台板12の周方向中央部に裏面側へ突出する略台形の突起板状部13を板材を連続して屈曲成形することによって設けている。突起板状部13の上下に対向する板材13a・13cに、後述する制輪子キー31を挿通可能な長方形の開口13d・13eをそれぞれ設け、台板12裏面の取付面の上下両端部に略コの字形の止め板14・15を突設している。摩擦材17の周方向中央には、半径方向にスリット17aを入れている。
一方、上記のような構成からなる合成制輪子11を取り付ける制輪子頭21は、正面より見て図5に示すように合成制輪子11の台板12の裏面側取付面が当接支持される合計4つの取付片22〜25を、周方向中心線を対称に上下に2つずつ備え、各取付片22〜25の取付面22a〜25aは凹状の円弧面に形成されている。中心寄りの上下の取付片23・24により、合成制輪子11の突起板状部13を挿入するための凹状部26が形成
される。上下両端部の取付片22・25は中心寄りの2つの取付片23・24に比べて周方向に長く、取付面22a・25aには合成制輪子11の止め板14・15が係止される略コの字形溝22c・25cを備えている。また、4つの取付片22〜25にはコッタ穴22b〜25bがそれぞれ周方向に貫通して設けられている。
さらに、合成制輪子11を制輪子頭21に取り付けて固定するための制輪子キー(コッタ)31は、図6に示すように側方より見て弓状に湾曲する一定の幅に成形された鍛鋼品からなり、基端に直角に屈折させて係止片32を設け、制輪子キー31の基端側から先端にかけて厚みが漸次薄くなるように形成している。
合成制輪子11は、上記したとおり制輪子頭21に対し図7に示すように側面手前(前方)から奥(後方)へ貨車の車幅方向に取り付けられる。つまり、制輪子頭21の凹状部26に沿って合成制輪子11の突起板状部13を側面から挿入し、合成制輪子11の上下の止め板14・15を制輪子頭21の上下両端部における取付片22・25の略コの字形溝22c・25cに嵌め込み、この状態でコッタとしての制輪子キー31を制輪子頭21のコッタ穴22b〜25bおよび合成制輪子11の突起板状部13の2つの開口13d・13eに一連に挿入することにより取り付けられる。しかし、このような取付状態において従来の取付構造61では、図10に示すように凹状部26内において突起板状部13との間に比較的大きな隙間が生じている。
そこで、本発明では、図1に示すように、凹状部26と突起板状部13との上下の隙間のうち下方(または上方でもよい)あるいは図2に示すように上下両方に、弾性体2を介設している。
この弾性体2は、図3(a)に示すように凹状部26と突起板状部13の隙間に対応した、一定の厚みを備えた長方形状のゴム板で、この中央部に長方形状の開口3を設けたものである。また、凹状部26と突起板状部13の隙間が入り口側から奥方向にかけて徐々に狭くなっている場合には、図3(b)に示すゴム板4のように厚みを幅方向の一方から他方にかけて漸次薄くなるように形成するとよい。さらに、ゴム板の耐久性を高めるために、図3(c)に示すように中間層を芯材としての例えば織物状のコード層5bとし、このコード層5bを挟んで両側をゴム層5a・5cとしたサンドイッチ構造のゴム板5にすることもできる。また、コード層をゴム板の片面あるいは両面とも表面(表層部)に配置することも可能である。ゴムの材質については、ブレーキ装置1が摩擦材と車輪踏面との摩擦熱の影響を受けて高温になるので、熱に強いウレタンゴムを用いたり、あるいは耐熱性のより優れたシリコンゴムやフッ素ゴムを用いたりすることができる。
このように構成される本実施例1の制輪子取付構造1では、図1のように図3(a)のゴム板2が凹状部26と突起板状部13との下方の隙間にだけ介設されている。ここで、本実施例1の取付構造1による効果を確認するため、ブレーキ作動時に合成制輪子11の台板12に作用する応力(ここでは引っ張り応力)がどのように低減されるかをFEM解析で求めた。結果は、図12・図13に示すとおり従来の取付構造61で発生する応力値(図14・図15参照)に比べて大幅に低減されている。
すなわち、図11(a)のブレーキ作動開始状態からブレーキ作動状態を図11(b)に示す従来の取付構造61では、図11(b)の矢印の位置に矢印方向にブレーキ押し付け力の反力が作用するために、図14・図15に示すように制輪子11の台板12において、裏面側の突起板状部13の上部側屈曲部Aと突起板状部13と円弧状取付面との間の下部側屈曲部B、表面側の突起板状部13の上部側屈曲部C、突起板状部13の下側開口13eの両側部Dに高い応力が発生していた。これに対し、図1に示す実施例1の取付構造1では、図12・図13に示すように合成制輪子11の台板12において、対応する箇
所A〜Dに発生する応力が大幅に低減された。
また、実施例1の取付構造1はブレーキ作動時だけでなくブレーキ非作動時でも、制輪子頭21と合成制輪子11の取付面が常に接触した状態に保持され、しかも制輪子頭21の凹状部26と合成制輪子11の突起板状部13の隙間にはゴム板2が介設されているので、合成制輪子11の台板12や制輪子キー31および制輪子頭21などの接触箇所の摩耗が防止される。さらに、走行中に合成制輪子11に作用する振動加速度を振動試験機で再現して調べたところ、従来の取付構造61では70〜120であったものが、20程度まで低減されていることが確認された。
なお、上記の実施例1についての作用効果は、上記実施例2の取付構造1’についても同様あるいはそれ以上に発揮されるものである。
以上に本発明の制輪子取付構造について2つの実施例を挙げて説明したが、例えば下記のように実施することもできる。
ゴム板2・4・5を挿入する代わりに、合成制輪子の突起板状部の外壁面あるいは制輪子頭の凹状部の内壁面にあらかじめ接着しておくことにより、作業性を向上することができる。この場合、ゴム板2・4・5の一面に例えば両面テープを接着し、使用時に合成制輪子11の突起板状部13の外壁面あるいは制輪子頭21の凹状部26内の壁面にゴム板を接着するようにしてもよい。
本発明の実施例1にかかる貨車用踏面ブレーキ装置の制輪子取付構造を示す断面図である。 本発明の実施例2にかかる貨車用踏面ブレーキ装置の制輪子取付構造を示す断面図である。 本発明の制輪子取付構造に用いる弾性体の実施例を示すもので、図3(a)は実施例1のゴム板を示す斜視図、図3(b)は実施例2のゴム板を示す斜視図、図3(c)は実施例3のゴム板を示す斜視図である。 本発明の制輪子取付構造における合成制輪子を示すもので、図4(a)は正面図、図4(b)は図4(a)のb−b線断面図、図4(c)は図4(b)のc−c線断面図である。 図5(a)は本発明の制輪子取付構造における制輪子頭を示す側面図、図5(b)は制輪子頭がブレーキ梁の端部に係止された状態を示す正面図である。 図6(a)は本発明の制輪子取付構造における制輪子キーを示す正面図、図6(b)は同側面図である。 本発明の踏面ブレーキ装置を備えた貨車用台車を示す側面図である。 本発明の踏面ブレーキ装置を備えた貨車用台車を示す平面図で、右側のほぼ半分を省略して表している。 本発明の踏面ブレーキ装置を備えた貨車用台車を示す正面図で、右側のほぼ半分を省略して表している。 従来の一般的な貨車用踏面ブレーキ装置の制輪子取付構造を示す断面図である。 図11(a)は図10の従来の制輪子取付構造によるブレーキ作動開始状態を示す断面図、図11(b)はブレーキ作動時の状態を示す断面図である。 本発明の実施例1にかかる制輪子取付構造1において合成制輪子11の台板12(の取付部)に発生する応力をFEM解析で求めた結果を示す台板裏面側の応力解析図である。 本発明の実施例1にかかる制輪子取付構造1において合成制輪子11の台板12(の取付部)に発生する応力をFEM解析で求めた結果を示す台板表面側の応力解析図である。 従来例にかかる制輪子取付構造61において合成制輪子11の台板12(の取付部)に発生する応力をFEM解析で求めた結果を示す台板裏面側の応力解析図である。 従来例にかかる制輪子取付構造61において合成制輪子11の台板12(の取付部)に発生する応力をFEM解析で求めた結果を示す台板表面側の応力解析図である。
符号の説明
1・1’制輪子取付構造
2・4.5 ゴム板(弾性体)
3 ゴム板の開口
10 踏面ブレーキ装置
11 合成制輪子
12 円弧状台板
13 突起板状部
13d・13e開口
14・15 止め板
16 補強板
17 合成樹脂製摩擦材
20 ブレーキ梁
21 制輪子頭
22〜25 取付片
22a〜25a 取付面
22b〜25bコッタ穴
22c・25c略コの字形溝
31 制輪子キー(コッタ)

Claims (5)

  1. 制輪子頭取付面の周方向中央部に設けられた凹状部に、制輪子台板の周方向中央部の裏面方向へ突出する略台形突起板状部を挿入し、制輪子キーを前記制輪子頭のコッタ穴と前記台板の突起板状部の上下に対向する開口とに一連に嵌め込んで前記制輪子頭に制輪子を固定する構造を備えた貨車用踏面ブレーキ装置において、
    前記制輪子頭の凹状部と前記制輪子台板の突起板状部との上下の隙間の少なくとも一方に、前記制輪子キー挿通用の開口を中央部に設けた耐熱性ゴム板を前記制輪子キーに対して直交する方向に介設したことを特徴とする貨車用踏面ブレーキ装置の制輪子取付構造。
  2. 前記耐熱性ゴム板が、ウレタンゴム、シリコンゴムまたはフッ素ゴムからなるゴム板である請求項1記載の貨車用踏面ブレーキ装置の制輪子取付構造。
  3. 前記耐熱性ゴム板が、幅方向の一方から他方にかけて漸次厚みを薄くしたゴム板である請求項2記載の貨車用踏面ブレーキ装置の制輪子取付構造。
  4. 前記耐熱性ゴム板が、中間層または表層部に織物からなる芯材を設けたサンドイッチ構造からなる請求項2または3記載の貨車用踏面ブレーキ装置の制輪子取付構造。
  5. 前記耐熱性ゴム板が、前記隙間を構成する制輪子頭の凹状部側または制輪子台板の突起板状部側の壁面にあらかじめ接着されている請求項2〜4のいずれか記載の貨車用踏面ブレーキ装置の制輪子取付構造。
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