JP3522566B2 - 貨車における輪軸弾性支持装置 - Google Patents

貨車における輪軸弾性支持装置

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JP3522566B2
JP3522566B2 JP04585199A JP4585199A JP3522566B2 JP 3522566 B2 JP3522566 B2 JP 3522566B2 JP 04585199 A JP04585199 A JP 04585199A JP 4585199 A JP4585199 A JP 4585199A JP 3522566 B2 JP3522566 B2 JP 3522566B2
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保政 奥
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、貨車における輪
軸弾性支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鉄道車両の貨車においては、図
13、図14及び図15に示すように、車軸101の左
右の端部付近に左右の車輪102が取り付けられて、輪
軸103が構成されている。輪軸103(車軸101)
の両端部付近は軸受部材104に回転可能に支承されて
いる。軸受部材104の上側部分には鞍部材105の嵌
合凹部が嵌合され、該鞍部材105に対し台車枠106
の係合凹部106aが上側から外嵌されている。この係
合凹部106aには、軸受部材104の下側において、
台車全体を吊り上げるとき等の抜け止めのためにボルト
107が設けられている。
【0003】また、前記台車枠106の上には、左右方
向に延びるまくらはり108が設けられ、該まくらはり
108上に車体109が載るようになっている。前記ま
くらはり108の両端部は、上下方向及び左右方向の荷
重を緩衝するために、傾斜状態のダンパー110にて台
車枠106に連結されている。また、まくらはり108
の各端部は、アンカー部材111を介して台車枠106
の前側部分又は後側部分に連結されると共に、コイルス
プリング112を介して台車枠106に弾性的に支持さ
れている。まくらはり108の前後には、車輪102の
外周面に圧接されるブレーキ部材113を有する基礎ブ
レーキ装置114が配設されている。
【0004】前記軸受部材104は、例えば図16及び
図17に示すように、複列円錐ころ軸受として構成さ
れ、輪軸103の端部に設けられている。具体的には、
輪軸103の端部に1対の内輪アッセンブリ121が嵌
着され、それらの間に内輪間座122が設けられると共
に、外側に複列外輪123が設けられている。また、軸
端側には、オイルシール124及びスリンガ125を介
して前蓋126が座金127及び締め付けボルト128
にて締結されている。軸受部材104の反対側には、後
蓋129が設けられている。なお、130はゴムキャッ
プ、131はC型穴用止め輪である。
【0005】前記鞍部材105は、図18に示すよう
に、下部に、前記軸受部材104の複列外輪123の上
側部分が嵌合する嵌合凹部105aを有する。また、鞍
部材105は、上部にほぼ平坦な上面部105bを有
し、図13に示すように、上面部105bが台車枠10
6の係合凹部106aの上側内面に接触するようになっ
ている。さらに、鞍部材105の前後部には1対の突部
105cが設けられ、それらも台車枠106の係合凹部
106aの前後側内面に接触するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような貨車におい
ては、台車枠106の係合凹部106aが鞍部材105
に単に外嵌される構造となっているため、走行時の振動
などにより、台車枠106と鞍部材105との間に、上
下方向における荷重変動が生じやすい。そのような荷重
変動が生じると、軸受部材104に負担されている上下
荷重が小さくなる場合がある。よって、軸受部材104
の外輪123が回転して大きなクリープが発生し、外輪
123に摩耗あるいはクラックが発生する場合がある。
特に、高速走行になるほど荷重変動が大きくなるので、
高速走行性能の点に課題がある。
【0007】そこで、それらの課題を解決するために、
新たに、貨車における輪軸弾性支持装置を設計し直すこ
とも考えられるが、新たに設計し直すことは時間を要す
ると共にコストアップの原因となるので、できるだけ現
状の構造を利用して、緩衝効果を得たいという要求があ
る。
【0008】例えば、従来の客車の場合と同様に、台車
枠106と軸受部材104との間にも、スプリングや通
常のゴムからなる緩衝手段を施して、振動を吸収緩和す
るように支持するように構成することが考えられるが、
そのような緩衝手段を配置するにはかなりのスペースが
必要となり、台車枠の変更を伴う大幅な構造の変更が必
要になる。そのため、台車枠、軸受部材、輪軸などを改
造することなく、緩衝効果を高めたいという要求に反す
る。
【0009】また、前述したように、輪軸103が剛支
持されていると、台車枠106が前後方向や左右方向に
動きにくいことから、曲線軌道を通過する際に、車輪1
02が軌道に沿いにくく、走行速度を速めることができ
ず、曲線走行性能の点においても課題がある。
【0010】さらに、前記軸受部材104、鞍部材10
5及び台車枠106は、いずれも、導電性を有する金属
材料からなり、貨車は連結器を介して機関車と連結され
ているので、機関車側からの電流が流れてくると、その
電流が軸受部材104を経て軌道側に接地されることと
なり、軸受部材104の電食が発生するという課題があ
る。
【0011】この発明は、台車枠、軸受部材、輪軸など
の変更を伴うことなく、高速走行性能、曲線通過性能を
確保し、軸受部材の電食を回避した貨車における輪軸弾
性支持装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、輪軸
の端部付近に軸受部材が設けられ、該軸受部材に鞍部材
を介して台車枠が係合される貨車における輪軸弾性支持
装置であって、前記鞍部材と台車枠との間に、絶縁性を
有する弾性部材が設けられ、前記弾性部材は、前記鞍部
材の上側に配置され上下方向の荷重を受ける第1の部材
と、前記鞍部材の前後側に配置され前後方向及び左右方
向の荷重を受ける第2の部材とを有することを特徴とす
る。ここで、弾性部材とは、弾性材単独で構成されるも
のに限らず、他の要素と組み合わされ、それらが組み合
わされた状態で弾性効果を発揮するものも含まれる。
【0013】請求項1の発明によれば、鞍部材と台車枠
との間に、絶縁性を有する弾性部材が設けられ、少ない
限られたスペース内において、台車枠、軸受部材、輪軸
などの変更を伴うことなく、緩衝効果と共に、高速走行
性能、曲線通過性能が確保される。また、弾性部材が有
する絶縁性により電食防止にも効果がある。そして、鞍
部材の上側に配置され上下方向の荷重が受けられる第1
の部材によって、上下方向の振動が緩和され、前記鞍部
材の前後側に配置され前後方向及び左右方向の荷重が受
けられる第2の部材によって、前後方向及び左右方向の
振動が緩和される。
【0014】請求項2は、請求項1の貨車における輪軸
弾性支持装置において、前記弾性部材が、ウレタンゴム
部分を有する。
【0015】請求項2の発明によれば、弾性部材とし
て、ウレタンゴムを用いられ、肉厚が薄くても、客車車
両に用いられている通常のゴムに比べて、耐久性に優
れ、絶縁性にも優れる。よって、台車枠、軸受部材、輪
軸などの変更を伴うことなく、少ない限られたスペース
でもって、十分な緩衝効果を得て、高速走行性能、曲線
通過性能の確保、電食防止を図る上で有利である。
【0016】
【0017】
【0018】請求項3の発明は、請求項1又は2の貨車
における輪軸弾性支持装置において、前記第2の部材
が、上下方向に延びる係合溝部を有し、該係合溝部に、
前記台車枠に形成された係合突部がスライド可能に係合
しており、前記第2の部材が、前記係合溝部の内側面に
前記係合突部に接触する低摩擦係数の絶縁部材を有す
る。
【0019】請求項3の発明によれば、第2の部材の摩
擦係数が高くても、台車枠の係合突部に接触するのは、
低摩擦係数の絶縁部材であり、相対変位による摩耗は抑
制される。即ち、第2の部材が係合突部に直接接触して
いると、摩擦係数が高いと、走行時の振動により摩耗し
てしまうので、低摩擦係数の絶縁部材が滑り板としても
機能するようにしている。また、低摩擦係数の絶縁部材
であるから、電食防止の効果を損なうこともない。
【0020】請求項4の発明は、請求項3の貨車におけ
る輪軸弾性支持装置において、前記第1の部材が、平板
状で、上下面の中央部に凹部が形成されており、前記第
2の部材が、上下方向に平行に延びる複数の溝部が形成
されている。
【0021】請求項4の発明によれば、第1の部材に凹
部が設けられ、第2の部材に上下方向に平行に延びる溝
部が形成されることで、弾性部材を構成する第1及び第
2の部材が変形しやすくされ、振動の緩衝効果が高めら
れている。
【0022】請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれ
かの貨車における輪軸弾性支持装置において、前記台車
枠が、接地線を介して、前記輪軸に電気的に接続されて
いる。
【0023】請求項5の発明によれば、車体からの接地
電流は、台車枠から輪軸に流れ、軸受部材に流れること
はない。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、本実施の形態においては、
台車枠106及び軸受部材104、輪軸103などは従
来の構造のものと変わりがなく、鞍部材の形状及び、弾
性部材を設ける点が異なっているので、それらについて
詳細について説明し、従来の構造と共通の部分について
は説明を省略する。
【0025】図1〜図3は、それぞれ、貨車における輪
軸弾性支持装置について、弾性部材が装着された鞍部材
と、台車枠及び軸受部材との関係を示す正面図、側面
図、及び平面図である。
【0026】輪軸103の両端部に設けられた軸受部材
104の上側に、鞍部材1を介して、台車枠106が載
置されている。前記鞍部材1の外側面と台車枠106の
係合凹部106aの内側面とは、直接に接触せず、それ
らの間には間隙2が形成されるようになっている。ま
た、前記鞍部材1は、下側に嵌合凹部1aを有する断面
略コ字形状で、該嵌合凹部1aが、前記軸受部材104
の上側部分に嵌合するようになっている。
【0027】前記鞍部材1の外側面と台車枠106の係
合凹部106aの内側面との間には、絶縁性を有する弾
性部材3が設けられ、前記間隙2を弾性的に維持するよ
うになっている。
【0028】前記鞍部材1は、具体的には、図4〜図7
に示すように、前記台車枠106の係合凹部106aの
各内側面に対向する上面部1b及び前後面部1c,1d
を有し、各面部1b〜1dに、凹部1e〜1gが形成さ
れている。
【0029】前記鞍部材1の上面部1bの凹部1eに
は、上下方向の荷重を受ける水平断面略正方形状の第1
の部材4が設けられている。前記第1の部材4は、水平
断面において、上面部1bの凹部1eより若干小さく形
成され、また、鉛直断面において、上面部1bより厚さ
の半分程度が上方に突出するように設けられている。な
お、前記凹部1eには、第1の部材4が弾性変形したと
きの逃げ部1hが連通されている。
【0030】また、前記鞍部材1の前後面部1c,1d
の凹部1f,1gには、前後方向及び左右方向の荷重を
受ける第2の部材5,5が設けられている。前記第2の
部材5は、凹部1f,1g内に嵌合された状態で、台車
枠106の係合凹部106aの内側面に対向する面が、
鞍部材1の前後面部1c,1dとほぼ面一となってい
る。前記凹部1f,1g内においては、左右方向の中央
部のみにおいて、上方又は下方に突出する突部1m,1
nが形成され、該突部1m,1nによって、第2の部材
5の上下方向の動きを、それの構成要素である絶縁部材
6,7及び鉄板8(図10〜図12参照)と緩衝するこ
となく規制するようになっている。なお、第2の部材5
が鞍部材1の凹部1f,1gに嵌合された状態では、第
2の部材5の左右方向の自由な動きは規制され、前記突
部1m、1nの両側の空間1p、1q(図7参照)が、
第2の部材5が弾性変形したときの逃げ部として機能す
るように構成されている。
【0031】前記第1の部材4と、2つの第2の部材
5,5とによって、前記弾性部材3が構成されている。
【0032】前記第1の部材4は、図8及び図9に示す
ように、平板状で、全体がウレタンゴムからなり、上下
面の中央部に断面略正方形状の凹部4a,4aが形成さ
れ、変形しやすくなるように構成されている。また、第
1の部材4は、外周部の四隅が面取り部4bとされ、各
凹部4aは、周縁部が傾斜面4cとされ、その周縁部の
四隅が湾曲部4cとされている。なお、第1の部材4に
は、前記台車枠106の係合凹部106aの内側上面部
から下方に突出し前記凹部4aより大きい当接部106
cが接触するようになっている。
【0033】また、前記第2の部材5は、図9〜図12
に示すように、ウレタンゴムからなる弾性本体部6と、
低摩擦係数の絶縁部材7,8と、鉄板9とを備える。弾
性本体部6は、前記鞍部材1と接触する前面又は後面に
おいて、中央部分に上下方向に平行に延びる複数の溝部
6aが形成されている。前記弾性本体部6は、前記鞍部
材1と接触する前面又は後面とは反対側の後面又は前面
において、上下方向に延びる係合溝部6bを有する水平
断面コの字形状に形成されており、該係合溝部6bに、
前記台車枠106の係合凹部106a内に形成された係
合突部106bがスライド可能に係合している。
【0034】それに加えて、第2の部材5の外側隅部は
湾曲部6cとされ、係合溝部6bの内側隅部には、断面
略円形状の溝部6dが形成されている。
【0035】また、係合溝部6bの内側面には、前記係
合突部106bの外側面に接触する低摩擦係数の絶縁部
材7,8,8がほぼ面一になるように設けられている。
この低摩擦係数の絶縁部材7,8としては、繊維複合プ
ラスチックなどが用いられる。また、前記第2の部材5
の左右外面には、鉄板9がほぼ面一になるように設けら
れている。
【0036】第2の部材5の弾性本体部6は、左右側部
の上下には、中央部よりも上下方向の高さが低くなるよ
うに切り欠き部6eが形成され、その左右側部において
は、絶縁部材7,8及び鉄板9が上下部において若干突
出している。
【0037】前記台車枠106には、図1に示すよう
に、端子台10が設けられ、該端子台10が接地線11
を介して、前記輪軸103に設けられた別の端子台12
に電気的に接続されている。よって、接地電流は、台車
枠106から、接地線11、輪軸103を経て軌道レー
ル側に流れることになり、軸受部材104に流れるのが
回避される。なお、接地線11、端子台12などは、1
つの車両に1つ設ければよい。
【0038】上記構成によれば、鞍部材1と台車枠10
6の係合凹部106aとの間に、絶縁性を有する弾性部
材3(第1及び第2の部材4,5)が設けられているの
で、走行時における振動による台車枠106への衝撃荷
重は、弾性部材3によって吸収緩和され、乗り心地の改
善、各部品の耐久性の向上が期待できる。
【0039】このように弾性支持することにより、だ行
動限界速度の向上、横圧の低減、輪重抜けの低減が可能
となり、高速走行安定性の向上、曲線通過時の安定性の
向上などが図れる。
【0040】また、弾性部材3は絶縁性を有するので、
台車枠106から鞍部材1を経て軸受部材104に至る
という電流の流れが遮断される。よって、電食防止にも
効果がある。
【0041】特に、弾性部材3(第1及び第2の部材
4,5)の弾性材として、ウレタンゴムを用いているの
で、肉厚が薄くても、客車車両に用いられている通常の
ゴムに比べて耐久性に優れ、また、絶縁性も有する。よ
って、台車枠などの大幅な改造を行うことなく、従来の
構造における限られた少ないスペースに弾性部材を配設
することで、十分な緩衝効果を得て、電食防止を図るこ
とができる。即ち、鞍部材1の形状を改良することで、
前記台車枠106と鞍部材1との間に、緩衝効果及び電
食防止効果が得られる弾性部材3を設けることが可能と
なる。
【0042】また、弾性部材3を、鞍部材1の上側に配
置され上下方向の荷重を受ける第1の部材4と、前記鞍
部材1の前後側に配置され前後方向及び左右方向の荷重
を受ける第2の部材5とに分割して構成しているので、
単一の弾性部材とするよりも、製造しやすく、鞍部材1
と台車枠106との間に装着しやすくなっている。
【0043】それに加えて、前記第1の部材4について
は、上下面の中央部分に凹部4aが形成され、前記第2
の部材5については、弾性本体部6に上下方向において
平行に延びる溝部6aが形成されているので、作用する
荷重に対して変形しやすくなっており、走行時などにお
ける振動の緩衝効果が高められている。
【0044】さらに、前記第2の部材5の内側面には、
前記鞍部材1に接触する低摩擦係数の絶縁部材7,8を
設けているので、弾性本体部6を構成するウレタンゴム
の摩擦係数が高くても、鞍部材1に接触するのは、ウレ
タンゴムではなく、摩擦係数が低い絶縁部材7,8であ
り、相対変位による摩耗は抑制される。即ち、第2の部
材5の弾性本体部6が直接接触していると、摩擦係数が
高いことから、摩耗してしまうので、低摩擦係数の絶縁
部材7,8(例えば繊維複合合成樹脂)が滑り板として
機能させるようにしている。
【0045】
【発明の効果】本発明は、以上に説明したような形態で
実施され、以下に述べるような効果を奏する。
【0046】請求項1の発明は、鞍部材と台車枠との間
に、絶縁性を有する弾性部材を設けているので、少ない
スペースでもって、十分な緩衝効果を得ることができ、
また、弾性部材の絶縁性により電食防止にも効果があ
る。よって、走行時の振動による台車枠への衝撃荷重
は、弾性部材によって吸収緩和され、乗り心地の改善、
各部品の耐久性の向上が期待される。弾性部材を、所定
の形状を有する第1及び第2の部材に分割しているの
で、弾性部材を、鞍部材と台車枠との間に無理なく設け
ることができ、第1の部材によって上下方向の振動を、
第2の部材によって前後方向及び左右方向の振動を緩和
することができる。
【0047】請求項2の発明は、弾性部材の構成要素と
して、ウレタンゴムを用いているので、肉厚が薄くて
も、客車車両に用いられている通常のゴムに比べて、耐
久性に優れ、絶縁性も有する。よって、少ない限られた
スペースであっても、十分な緩衝効果を得て、電食防止
を図る上できわめて有利となる。
【0048】
【0049】請求項3の発明は、第2の部材の係合溝部
の内側面に低摩擦係数の絶縁部材を設けているので、弾
性部材の摩擦係数が高くても、台車枠の係合突部に接触
するのは、低摩擦係数の絶縁部材となり、電食の防止を
確保して、相対変位による摩耗を抑制することができ
る。
【0050】請求項4の発明は、第1の部材に凹部を設
け、第2の部材に上下方向に平行に延びる溝部を形成し
ているので、弾性部材を構成する第1及び第2の部材を
変形しやすくし、振動の緩衝効果を高めることができ
る。
【0051】請求項5の発明は、車体からの接地電流
を、台車枠から接地線を介して輪軸に流すようにしてい
るので、接地電流が軸受部材に流れることはなく、軸受
部材を電食から確実に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る貨車における輪軸弾性支持装置に
ついて、弾性部材が装着された鞍部材と、台車枠及び軸
受部材との関係を示す正面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】同側面図である。
【図4】本発明に係る鞍部材を示し、右半分は正面図、
左半分は断面図である。
【図5】図5のV-V線における断面図である。
【図6】本発明に係る鞍部材の平面図である。
【図7】同右側面図である。
【図8】本発明に係る第1の部材(弾性部材)の平面図
である。
【図9】同正面図である。
【図10】本発明に係る第2の部材(弾性部材)の平面
図である。
【図11】同右側面図である。
【図12】同左側面図である。
【図13】従来の貨車(2軸台車)の輪軸弾性支持装置
の概略構成を示す正面図である。
【図14】まくらはりの一部を切除して示す同平面図で
ある。
【図15】右半分を断面にして示す同側面図である。
【図16】従来の軸受部材の正面図である。
【図17】同断面図である。
【図18】従来の鞍部材を示し、右半分は正面図、左半
分は断面図である。
【符号の説明】
1 鞍部材 1a 嵌合凹部 1b 上面部 1c 前面部 1d 後面部 1e 凹部 1f 凹部 1g 凹部 2 間隙 3 弾性部材 4 第1の部材 4a 凹部 5 第2の部材 6 弾性本体部 6a 溝部 6b 係合溝部 7 絶縁部材 8 絶縁部材 10 接地線 103 輪軸 104 軸受部材 106 台車枠 106a 係合凹部 106b 係合突部 106c 当接部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−143759(JP,A) 特開 平2−127162(JP,A) 特開 平2−197458(JP,A) 特開 昭57−51571(JP,A) 特開 昭56−21961(JP,A) 実開 昭61−71569(JP,U) 実開 平4−26165(JP,U) 実開 昭54−45008(JP,U) 実開 昭58−33820(JP,U) 実開 平6−69052(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B61F 5/30 B61F 5/28 B61F 5/32

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 輪軸の端部付近に軸受部材が設けられ、
    該軸受部材に鞍部材を介して台車枠が係合される貨車に
    おける輪軸弾性支持装置であって、 前記鞍部材と台車枠との間に、絶縁性を有する弾性部材
    が設けられ、前記弾性部材は、前記鞍部材の上側に配置され上下方向
    の荷重を受ける第1の部材と、前記鞍部材の前後側に配
    置され前後方向及び左右方向の荷重を受ける第2の部材
    とを有する ことを特徴とする貨車における輪軸弾性支持
    装置。
  2. 【請求項2】 前記弾性部材は、ウレタンゴム部分を有
    する請求項1記載の貨車における輪軸弾性支持装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の部材は、上下方向に延びる係
    合溝部を有し、該係合溝部に、前記台車枠に形成された
    係合突部がスライド可能に係合しており、 前記第2の部材は、前記係合溝部の内側面に前記係合突
    部に接触する低摩擦係数の絶縁部材を有する 請求項1又
    は2記載の貨車における輪軸弾性支持装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の部材は、平板状で、上下面の
    中央部に凹部が形成されており、 前記第2の部材は、上下方向に平行に延びる複数の溝部
    が形成されている請求項3 記載の貨車における輪軸弾性
    支持装置。
  5. 【請求項5】 前記台車枠は、接地線を介して、前記輪
    軸に電気的に接続されている請求項1〜4のいずれかに
    記載の貨車における輪軸弾性支持装置。
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