JP4443279B2 - 有機板状粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機板状粒子の製造方法に関する。更に詳しくは、化粧品をはじめ、シャンプーやリンス、石鹸等の日用品、さらに塗料やインクの原料として好適に用いられる有機板状粒子の製造方法に関する。
板状粒子はその粒径や厚さを変えることにより様々な色や光沢を発現するため、化粧品をはじめ、シャンプーやリンス、石鹸などの日用品、さらに塗料やインクの原料としても使用される。また、球状粒子や不定形粒子に比べて滑り性が向上することから、化粧品などに配合すると皮膚などに塗布した場合の感触、即ち使用感が改善されるなどの利点がある。さらに、このような用途で使用される板状粒子においては、空隙率の高い、すなわち嵩密度の低い構造を形成している場合に、液体成分を粒子間に含浸させやすいため、より好ましく使用される。
一方、肌などへ塗布した場合、使用感が損なわれないためには、構造が容易に崩れ、板状粒子特有の滑り性を発現することが好まれる。このような条件を満たす板状粒子は、弱い癒着により凝集した嵩密度の低い粒子である。
また、嵩密度の低い粒子は、後工程においてさらに解砕する場合も、解砕に要する負担が軽減される。
有機板状粒子を製造する方法として、有機物をヘキサン等の溶剤に溶解し、冷却することで結晶を得る方法(いわゆる晶析)、有機物を有機溶剤に溶解した後、水などの貧溶媒を添加して結晶を析出させる方法(例えば、特許文献1参照)等が知られている。
しかしながら、溶媒を使用する方法では、溶媒除去のために乾燥工程が必要であり、その際に粒子同士が凝集・癒着し、滑り感が損なわれるため、解砕が不可避という欠点がある。また、この方法で得られる粒子は強い癒着により凝集した、空隙率が小さな嵩密度の高い粒子である。
一方、超臨界流体を利用した有機化合物の結晶化方法が知られている。
例えば、超臨界二酸化炭素を用いる方法として、有機化合物を有機溶剤に溶解し、二酸化炭素を貧溶媒として用いて有機化合物を析出させる、いわゆるGAS(Gas Anti−Solvent)法がある(非特許文献1)。
しかしながら、非特許文献1には2〜6mmから数10μmの大きさの柱状結晶が得られる例が記載されているものの、記載の方法を板状結晶構造をとりうる粒子に対して適用したところ、二酸化炭素の添加により有機溶剤中で発生した結晶をフィルターで濾過して得た粒子は互いに凝集しており、弱い癒着により凝集した空隙率の高い構造をもった嵩密度の低い板状粒子を得ることは困難であった。
特開平6−79168号公報 化学工学シンポジウムシリーズ、49巻,200ページ(1995)
本発明は、粒子同士の癒着があっても弱いものであり、空隙率が大きく、嵩密度が低く、従って、滑り性、感触等に優れた有機板状粒子を効率良く製造する方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、
〔1〕 (1)有機溶剤を溶媒とする板状結晶構造をとりうる有機化合物の溶液を耐圧容器内に充填する工程、
(2)耐圧容器内に二酸化炭素を注入し、該有機化合物を析出させる工程、ここで、有機溶剤と二酸化炭素とは最終的に均一相を形成する、
(3)工程(2)で形成した均一相を保持した条件下で耐圧容器内に二酸化炭素を注入し、耐圧容器内から有機溶剤と二酸化炭素との混合物を除去して該容器内を二酸化炭素に置換する工程、及び
(4)工程(3)で容器内を置換した二酸化炭素が均一相を保持する条件下に耐圧容器内から該二酸化炭素を除去し、有機板状粒子を回収する工程、
を含む、有機板状粒子の製造方法、並びに
〔2〕 前記〔1〕に記載の方法で製造される有機板状粒子、
に関する。
本発明によれば、化粧品をはじめ、シャンプーやリンス、石鹸等の日用品、さらに塗料やインクの原料として好適に用いられる、滑り性、感触等に優れた有機板状粒子が得られる。
本明細書における板状結晶構造をとりうる有機化合物(以下、単に有機化合物という)とは、有機溶剤を用いた晶析により板状結晶を生成しうる有機化合物をいう。本発明に使用する有機化合物としては、有機溶剤に溶解し、二酸化炭素への溶解度が有機溶剤への溶解度よりも相対的に小さいものであれば、特に限定はないが、例えば、1−オクタデカノール等のアルコール類、ジステアリルエーテルなどのエーテル類、エチレングリコールジステアレート等のエステル類等の両親媒性の化合物が挙げられる。これらの化合物は単独で又は2種以上を混合して使用することができる。なお、当該化合物を原料として使用する際の、その形状としては、特に限定はなく、例えば、塊状、粒状、液状等であってもよい。
本発明で使用される有機溶剤としては、有機化合物を溶解しえ、任意の状態にある二酸化炭素と相溶性のあるものであれば、特に限定はない。有機溶剤としては、例えば、以下のものから選択される:
1)ケトン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど。
2)エステル類、例えば、酢酸エチルなど。
3)アルコール類、例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノールなど。
4)飽和脂肪族類、例えば、ヘキサン、ヘプタンなど。
5)環状化合物類、例えば、シクロヘキサンなど。
6)芳香族類、例えば、ベンゼン、トルエンなど。
以上の有機溶剤は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
工程(1)においては、有機溶剤を溶媒とする有機化合物の溶液を耐圧容器内に充填する。
有機化合物の溶液は、有機溶剤に有機化合物を公知の方法により溶解させることで得られる。該溶液中の有機化合物の含有量としては、特に限定されるものではないが、好ましくは0.001〜0.8重量部、より好ましくは0.01〜0.5重量部である。
得られた有機化合物の溶液の耐圧容器内への充填は、予め該溶液を調製し、それを該容器内に移送して行っても良いし、該容器内で該溶液を調製して行っても良い。該溶液の耐圧容器内への充填量は、二酸化炭素を所定量注入しうる空間が確保される限り、特に限定されるものではない。
本発明で使用される耐圧容器としては、密閉系とでき、使用する温度及び圧力に耐え得るものであれば限定されるものではない。例えば、ステンレス製等の公知の容器が使用される。また、内容物の撹拌のための撹拌機構を備えたものが好ましい。
所定量の前記溶液を耐圧容器内に充填し終えた時点で耐圧容器を密閉する。
工程(2)においては、耐圧容器内に二酸化炭素を注入し、有機化合物を析出させる。ここで、有機溶剤と二酸化炭素とは最終的に均一相を形成する。
有機溶剤と二酸化炭素とが均一相を形成するとは、有機溶剤と二酸化炭素とが均一に混和され、相状態として一相を形成することを言う。より良好な有機板状粒子を得る観点から、均一相は、亜臨界若しくは超臨界状態にある、有機溶剤と二酸化炭素との混合物により形成されるのが好ましい。ここで、亜臨界状態とは、温度が有機溶剤と二酸化炭素との混合物の臨界温度以上であるか、又は圧力が該混合物の臨界圧力以上である状態を言う。また、超臨界状態とは、温度と圧力が共に該混合物の臨界温度及び臨界圧力以上である状態を言う。
工程(2)において耐圧容器内に二酸化炭素を注入することで有機化合物の析出がおこるが、かかる析出は、有機化合物を溶解している有機溶剤が二酸化炭素と混ざりあうことにより良溶媒から貧溶媒に変化する際に、有機化合物が析出しておこるものと考えられる。耐圧容器内への二酸化炭素の注入は、該容器に二酸化炭素のガスボンベ等を接続して行なえばよい。
有機溶剤と二酸化炭素との相状態図は、例えば、ペン-ロビンソン(Peng-Robinson)の状態方程式によって求めることができる。耐圧容器内で有機溶剤と二酸化炭素とが均一相を形成する条件への調節は、かかる相状態図に基づき、二酸化炭素が注入される該容器内の温度・圧力を調節することにより行なうことができる。
工程(2)では、例えば、所定の温度に調節された耐圧容器内に二酸化炭素を注入し、二酸化炭素と有機溶剤とを混合接触させながら任意に所定の圧力まで昇圧する。耐圧容器内に二酸化炭素の注入を開始する時点では、耐圧容器内の有機溶剤は気液二相状態で存在しており、これに二酸化炭素を注入すると、初期は有機溶剤と二酸化炭素の2成分の気液二相状態をとる。さらに二酸化炭素を注入すると、気相体積が減少し、最終的に所定圧力においては、均一相を形成する。有機化合物の析出は、有機溶剤が二酸化炭素により貧溶媒化されることにより起こり、有機溶剤の貧溶媒化は二酸化炭素が注入された時点から進行することから、気液二相状態で析出が開始する場合と均一相で析出が開始する場合があり、また気液二相状態で析出が終了する場合と均一相で析出が終了する場合がある。
所定の圧力としては前記混合物が均一相を形成し得る圧力以上である。所定の温度において均一相を形成し得る圧力は、例えば、前記ペン-ロビンソンの状態方程式を用いて所定温度における相状態図(縦軸:圧力、横軸:二酸化炭素のモル分率)を描いた場合、昇圧後の二酸化炭素のモル分率において液相又は亜臨界若しくは超臨界相で均一相を形成し得る圧力、すなわち、沸点曲線以上の圧力又は臨界圧力以上の圧力である。また、槽内における二酸化炭素のモル分率が不明確な場合においても、臨界圧力以上では、すべての組成にわたって均一相が得られる。
二酸化炭素の注入速度としては、特に限定はなく、所望の有機板状粒子の形状、粒径に応じて適宜調整すればよい。微細な粒子を得たい場合には、注入を開始してから所望の設定圧力に達するまでの時間が、好ましくは1分間以上、より好ましくは5分間以上、また、好ましくは2時間以下、より好ましくは1時間以下となるような注入速度に調節するのが望ましい。
耐圧容器内が有機溶剤と二酸化炭素の均一相に達したか否かは、目視により判断できるが、該容器内の温度及び圧力を、例えば、備え付けの温度計・圧力計で確認し、前述のペン-ロビンソンの状態方程式によって状態を推算することによっても、判定することができる。
なお、本工程においては、均一な粒子の析出と析出粒子の凝集防止の観点より、二酸化炭素を耐圧容器内に注入する前に撹拌を開始し、二酸化炭素による昇圧が完了するまでは継続することが好ましい。また、撹拌回転数や撹拌翼形状等により撹拌強度を変化させることで、粒子の粒径や形状を変化させることができる。
工程(3)においては、工程(2)で形成した均一相を保持した条件下で耐圧容器内に二酸化炭素を注入し、耐圧容器内から有機溶剤と二酸化炭素との混合物を除去して該容器内を二酸化炭素に置換する。
均一相を保持した条件下で耐圧容器内に二酸化炭素を注入するとは、二相が発生しないように二酸化炭素を注入することを言う。例えば、均一相が液相であれば、液体の、又はかかる条件が維持され得る限り気体の二酸化炭素を耐圧容器内に注入すればよい。二酸化炭素の注入速度もかかる条件が維持され得るように適宜調節すればよい。
一方、耐圧容器からの有機溶剤と二酸化炭素との混合物の除去は、使用された耐圧容器の排出機構を利用して、例えば、排出バルブを開放することにより徐々に行うのが好ましい。
そのようにして二酸化炭素を耐圧容器内に注入することにより、有機溶剤と二酸化炭素との混合物は、均一相を形成した状態を維持しながら耐圧容器内から除去され、耐圧容器内は二酸化炭素に置換される。
工程(4)においては、工程(3)で耐圧容器内を置換した二酸化炭素が均一相を保持する条件下に耐圧容器内から二酸化炭素を除去し、有機板状粒子を回収する。ここで、均一相を保持するとは、耐圧容器内が二酸化炭素で置換された際の二酸化炭素の相状態を一相のままで保持することをいう。このようにすることで、析出粒子の凝集を抑制でき、その結果、嵩密度が低い所望の有機板状粒子を得ることができる。
例えば、二酸化炭素が気体、又は超臨界若しくは亜臨界の状態にある場合を例にとると、耐圧容器内の有機溶剤が完全に除去され、該容器内が二酸化炭素に置き換わった時点で、二酸化炭素の注入を停止し、耐圧容器内の圧力が臨界圧力以上では臨界温度以上、臨界圧力以下では二酸化炭素の沸点温度以上を保った状態で耐圧容器内の圧力を一段階又は二段階以上で徐々に低下させる。大気圧になった時点で耐圧容器を開放し、該容器内より有機板状粒子を回収する。なお、回収した有機板状粒子は、さらに解砕して使用することが可能である。
以上により所望の有機板状粒子が得られる。なお、「板状粒子」とは、その厚さに対する短径の比(短径/厚さ)が2以上のものをいう。当該比としては、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、さらに好ましくは10以上である。上限としては、通常、1000程度である。
有機板状粒子の短径は特に限定されないが、好ましくは0.005μm〜2mm、より好ましくは0.005〜400μm、さらに好ましくは0.005〜80μm、特に好ましくは0.005〜40μmである。一方、長径は特に限定しないが、好ましくは0.01μm〜3mm、より好ましくは0.01μm〜500μm、さらに好ましくは0.01μm〜100μm、特に好ましくは0.01μm〜50μmである。
また、有機板状粒子の嵩密度は特に限定されないが、好ましくは0.1g/mL以下である(下限は通常0.001g/mL程度である)。嵩密度は、例えば、体積既知の容器に粒子を充填し、重量を測定する方法で測定することができる。このような嵩密度を有する粒子の空隙率は充分に大きいと言える。
本発明の製造方法により得られた有機板状粒子は、例えば、化粧品をはじめ、シャンプーやリンス、石鹸等の日用品、さらに塗料やインクの原料として好適に用いることができる。
以下の実施例1と2において使用した装置の一例を図1に示す。該装置は、二酸化炭素ボンベ1、フィルター2、二酸化炭素冷却ユニット3、二酸化炭素供給ポンプ4、逆止弁5、恒温水槽6、ヒーター7、攪拌翼8、耐圧容器9、ヒーター10、トラップ11、フィルター12、ガス流量計13、モーターM、バルブV−1、圧力調整弁V−2、バルブV−3、バルブV−4、排気弁V−5、圧力計P−1、圧力計P−2、並びに圧力計P−3を備えてなる。該装置の各構成単位は、図1に示されるような位置関係で配設されており、それぞれの配管を介して連結されている。
実施例1
エチレングリコールジステアレート(ペグノールEDS:東邦化学工業社製)7.5gをトルエン(密度0.87g/mL)150mLに溶解させた溶液を調製した。この溶液を耐圧容器9(800mL)に充填し密封した。この耐圧容器9を40℃の恒温水槽6に浸漬し、撹拌を開始した後30分間放置した。
その後耐圧容器9の底部より二酸化炭素供給ポンプ4を用いて二酸化炭素を注入し、耐圧容器9内の圧力を15MPaまで30分間で昇圧した。目視により確認したところ、耐圧容器9内のトルエンは二酸化炭素により膨張し、両物質は均一相を形成した。15MPaに到達後も二酸化炭素の注入は継続したまま、圧力調整弁V−2を用いて耐圧容器9内の圧力が15MPaを維持するよう調整した。トルエンと二酸化炭素の混合物の状態を実測で目視により確認したところ、混合物は均一相であった。
均一相が形成された10分後に攪拌を停止し10分間静置した後、耐圧容器9上部の排気弁V−5を徐々に開放し、二酸化炭素とトルエンの混合物の排出を開始した。この間も二酸化炭素の注入を継続し、耐圧容器9内の圧力を15MPaに保持した。
総排気量が1mに達した時点で二酸化炭素の注入を停止し、排気のみ継続した。耐圧容器9内の圧力が大気圧になった後、耐圧容器9を開放し、弱い癒着により凝集した有機板状粒子を回収した。
該粒子の嵩密度は0.023g/mLであった。得られた粒子のカラーレーザー顕微鏡(キーエンス社製)写真を図2に示す。粒子の長径は50μm、短径は24μm、厚さは1.3μmであり、厚さに対する短径の比は18.5であった。
また、専門パネラー1名が得られた有機板状粒子を皮膚上で延ばし感触を調べた結果、延びがよく、滑らかであった。
実施例2
エチレングリコールジステアレート(ペグノールEDS:東邦化学工業)7.5gをシクロヘキサン(密度0.78g/mL)150mLに溶解させた溶液を調製した。この溶液を耐圧容器9(800mL)に充填し密封した。以下、実施例1と同じ操作を行い、弱い癒着により凝集した有機板状粒子を回収した。
該粒子の嵩密度は0.035g/mLであった。得られた粒子のカラーレーザー顕微鏡写真を図3に示す。粒子の長径は32μm、短径は22μm、厚さは1.8μmであり、厚みに対する短径の比は12.2であった。
また、実施例1と同様に有機板状粒子の感触を調べた結果、延びがよく、滑らかであった。
実施例3
エチレングリコールジステアレート(ペグノールEDS:東邦化学工業)7.5gをトルエン150mLに溶解させた溶液を調製した。この溶液を耐圧容器9(800mL)に充填し密封した。この耐圧容器を20℃の恒温水槽6に浸漬し、30分間攪拌を行った。
その後、耐圧容器9の底部より二酸化炭素供給ポンプ4を用いて二酸化炭素を注入し、耐圧容器9内の圧力を6MPaまで昇圧した。目視により確認したところ、耐圧容器9内のトルエンは二酸化炭素により膨潤し、両物質は均一相を形成した。6MPaに到達後も二酸化炭素の注入は継続したまま、圧力調整弁V−2を用いて高圧容器内の圧力が6MPaを維持するよう調整した。トルエンと二酸化炭素の混合物の状態を実測で目視により確認したところ、混合物は均一相であった。
攪拌を停止し10分間静置した後、耐圧容器9上部の排気弁V−5を徐々に開放し、二酸化炭素とトルエンの混合物の排出を開始した。この間も二酸化炭素の注入を継続し、耐圧容器9内圧力を6MPaに保持した。
総排気量が1m3に達した時点で、二酸化炭素の注入と排気を停止し、40℃まで昇温した。40℃に到達した後、40℃を維持しながら排気を行った。耐圧容器9内の圧力が大気圧になった後、耐圧容器9を開放し、有機板状粒子を回収した。
該粒子の嵩密度は0.026g/mLであった。得られた粒子のカラーレーザー顕微鏡(キーエンス社製)写真を図4に示す。粒子の長径は40μm、短径は30μm、厚さは2.8μmであり、厚さに対する短径の比は10.7であった。
また、専門パネラー1名が得られた有機板状粒子を皮膚上で延ばし感触を調べた結果、延びがよく、滑らかであった。
比較例1
エチレングリコールジステアレート(ペグノールEDS:東邦化学工業)2.5gとトルエン50mLをスクリュー瓶(内容積50mL)中で混合し、40℃でエチレングリコールジステアレートを溶解した。この溶液を室温(20℃)まで冷却したところ、エチレングリコールジステアレートの粒子が析出した分散液が得られた。冷却に要した時間は約5時間であった。その後、分散液を細孔径1μmの濾紙を用いて真空濾過して濾過ケークを得た。この濾過ケークを50℃で真空乾燥したところ、強い癒着により凝集した、嵩密度の高い乾燥物が得られた。
得られた粒子の嵩密度は0.18g/mLであった。また、実施例1と同様に粒子の感触を調べた結果、延びが悪く、ざらつきがあった。
比較例2
エチレングリコールジステアレート(ペグノールEDS:東邦化学工業)2.5gとシクロヘキサン50mLをスクリュー瓶(内容積50mL)中で混合し、40℃でエチレングリコールジステアレートを溶解した。この溶液を攪拌しながら室温(17℃)まで冷却したところ、エチレングリコールジステアレートの粒子が析出した分散液が得られた。冷却に要した時間は5時間であった。その後、分散液を濾紙を用いて真空濾過して濾過ケークを得た。この濾過ケークを50℃の恒温槽内で一夜乾燥したところ、強い癒着により凝集した、嵩密度の高い乾燥物が得られた。
得られた粒子の嵩密度は0.12g/mLであった。また、実施例1と同様に粒子の感触を調べた結果、延びが悪く、ざらつきがあった。
比較例3
二酸化炭素注入停止後の二酸化炭素の排出を20℃で行ったこと以外は実施例1と同様にして粒子を得た。この場合、二酸化炭素は液相を形成していた。得られた粒子は凝集し、その嵩密度は大きかった(0.24g/mL)。また、実施例1と同様に粒子の感触を調べた結果、延びが悪く、ざらつきがあった。
比較例4
溶液を耐圧容器9に充填後、該耐圧容器9を20℃の恒温水槽6に浸漬し、耐圧容器9内の圧力を6MPaに維持するように調整し、また、二酸化炭素とトルエンの混合気体の排出を恒温水槽6の温度を20℃にして開始し、さらに二酸化炭素注入停止後の二酸化炭素の排出を20℃で行ったこと以外は実施例1と同様にして粒子を得た。得られた粒子は凝集し、その嵩密度は大きかった(0.18g/mL)。また、実施例1と同様に粒子の感触を調べた結果、延びが悪く、ざらつきがあった。
本発明によれば、例えば、化粧品、香粧品、塗料、インク等に好適に使用しうる高品質の複合化粒子を提供することができる。
本発明において使用され得る装置の一例を示す概略説明図である。 実施例1で得られた有機板状粒子のカラーレーザー顕微鏡写真(400倍)である。 実施例2で得られた有機板状粒子のカラーレーザー顕微鏡写真(400倍)である。 実施例3で得られた有機板状粒子のカラーレーザー顕微鏡写真(400倍)である。
符号の説明
1 二酸化炭素ボンベ
2 フィルター
3 二酸化炭素冷却ユニット
4 二酸化炭素供給ポンプ
5 逆止弁
6 恒温水槽
7 ヒーター
8 攪拌翼
9 耐圧容器
10 ヒーター
11 トラップ
12 フィルター
13 ガス流量計
M モーター
V−1 バルブ
V−2 圧力調整弁
V−3 バルブ
V−4 バルブ
V−5 排気弁
P−1 圧力計
P−2 圧力計
P−3 圧力計

Claims (1)

  1. (1)有機溶剤を溶媒とする板状結晶構造をとりうる有機化合物の溶液を耐圧容器内に充填する工程、
    (2)耐圧容器内に二酸化炭素を注入し、該有機化合物を析出させる工程、ここで、有機溶剤と二酸化炭素とは最終的に均一相を形成する、
    (3)工程(2)で形成した均一相を保持した条件下で耐圧容器内に二酸化炭素を注入し、耐圧容器内から有機溶剤と二酸化炭素との混合物を除去して該容器内を二酸化炭素に置換する工程、及び
    (4)工程(3)で容器内を置換した二酸化炭素が均一相を保持する条件下に耐圧容器内から該二酸化炭素を除去し、有機板状粒子を回収する工程、
    を含む、有機板状粒子の製造方法。
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