JP4443238B2 - 幹足支持花瓶内筒容器及びその作業台 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、「立花支え筒」という名称で、花瓶に立花する際に生花を安定させるための器具に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示された立花支え筒は筒22とこれに挿通される棒23とからなり、図6(a)に示すように棒23を花瓶21の内周面に当接させることにより花瓶21内部上部に安定に設置するものである。水は従来通り花瓶21内部に貯水されている。このような構造においては、花瓶21内部に筒22を固定して収容することで花瓶21内部を四分割することができるため、花瓶21及び筒22内に生花を安定した状態で容易に生けることができる。また、筒22周面に複数の穴22aを設けることで筒22内部と花瓶21内部との水の流れを良くし花持ちをよくすることもできる。
特許文献2の墓の花立用花器24は図6(b)に示すように角柱状の花立32の上面中央部に供花33を生けるために形成された花立用穴31に挿入して使用されるものであり、上面が開口し底面板27中央部に花立筒部28が突設した花器本体25と天板29中央部に花挿入孔30が形成された蓋体26とから構成されている。なお、花器本体25上部を蓋体26で閉塞した場合には花立筒部28と花挿入孔30とが合致する構造となっており、墓の花立用花器24内に水を貯水して花器本体25上部を蓋体26で閉塞し花挿入孔30及び花立筒部28に供花33を挿通させて生けることにより使用する。このような構造の墓の花立用花器24においては花器本体25内には十分な量の水が貯水可能であるとともに蓋体26によって貯水表面が外気と遮断されているため、花器本体25内の水がなくなって供花33が短期間で枯れてしまうのを防ぐことができる。また、墓の花立用花器24は花立32に対して着脱可能に設けられているため容易に取外すことができ清掃作業も楽に行うことができる。
特許文献3に開示された仏花用生け花器34は花瓶36と、長さが最も長い金属パイプ製の直真用支柱体39とこれよりも長さの短い飾り用支柱体を一まとめに束ねて形成される基幹部35と、花瓶36内上部に装着され挟持により基幹部35を花瓶36内に立設させる弾性状の抑え管と、基幹部35に着脱自在に取り付けられる枝型受筒部37及び胴型受筒部38とから構成され、これらを組み立てると図6(c)に示すような形状となる。また、枝型受筒部37及び胴型受筒部38内部には吸水性の発泡合成樹脂製塊が収容してあり、これに生花や枝木を生けることができる構造となっている。したがって、仏花用生け花器34に花等を生ける場合にははじめに直真用支柱体39に直真となる花等を生けそれから直真用支柱体39周囲側面及び下方の枝型受筒部37及び胴型受筒部38に草花を生けていく。枝型受筒部37及び胴型受筒部38は着脱自在に設けられているため生ける際に枝型受筒部37及び胴型受筒部38の取り付け位置や取り付け方向及び角度を自由に変えることができるとともに、全体のバランスを考慮していくつかの枝型受筒部37及び胴型受筒部38を取り除くことが可能である。また、枝型受筒部37及び胴型受筒部38に花等を生けた後でも枝型受筒部37及び胴型受筒部38の装着位置を変えることは可能である。以上のことより、特許文献3の仏花用生け花器34では短時間で簡単に生け花の創作作業を行うことができる。
上記構成の幹足支持花瓶内筒容器においては、第1のスペーサによって花瓶内部上部に花瓶内筒容器本体を固定しさらに第2のスペーサによって花瓶内筒容器本体内部に受筒付幹足の幹足を支持する支持具を固定することにより、花瓶内部に受筒付幹足を安定した状態で立設固定させるという作用を有する。これは特許文献3のように花瓶内部に装飾がなされた基幹部を挟持して立設固定する構造よりも受筒付幹足等の装飾品の重量が花瓶に対して分散してかかるため安定性が高いと考えられる。また、水を花瓶内筒容器本体内部のみに貯水する構造とすることで貯水によって花瓶内部が汚れるのを防止するとともに、花瓶内筒容器本体は第1のスペーサによる固定のみで花瓶内部に固定される構造であるため、花瓶から花瓶内筒容器本体を取外すことにより空の花瓶と花瓶内筒容器本体とを分離可能とするという作用を有する。
上記構成の幹足支持花瓶内筒容器においては、花瓶内筒容器本体内部に剣山を設置することで受筒付幹足の受筒内だけでなく花瓶内筒容器本体内部にも生花を生けることを可能にするという作用を有する。また、受筒付幹足を剣山の孔に挿通させることにより、剣山が受筒付幹足の幹足の周面に固定されるという作用を有する。
上記構成の幹足支持花瓶内筒容器においては、請求項1又は請求項2に記載の作用に加えて花瓶の開口部の大きさに応じて第1のスペーサの長さが可変するという作用を有する。
上記構成の幹足支持花瓶内筒容器においては、花瓶内筒容器本体に設けられる突部とその突部に載置される支持板によって、請求項1乃至請求項3に記載の支持具と同等の機能を有し受筒付幹足の幹足を支持固定するという作用を有する。よって、これにより請求項1乃至請求項3に記載の支持具を設ける必要がなくなるという作用を有する。
上記構成の作業台においては、固定部により作業台上に請求項1乃至請求項4のいずれか1に記載の幹足支持花瓶内筒容器を固定することが可能であるため生け花の創作作業を作業台上で任意の段階まで行うことを可能とするとともに、把持部を設けることで任意の段階まで生けられた作品をそのままの状態で運搬可能とするという作用を有する。また、縁部を設けることにより創作作業時の溢水を防ぐという作用を有する。
はじめに幹足支持花瓶内筒容器の実施例について説明し、その後作業台の実施例について説明する。
実施例1の幹足支持花瓶内筒容器は受筒付幹足5を花瓶内に固定するための道具であり、広く開口した上下二段に径の異なる円筒状の容器であって上部円筒の外周面に支持棒2a〜2dを略均等に配設した花瓶内筒容器本体1aと、上部及び下部周面に略均等に配置された支持棒4a〜4d,4e〜4hを有しこれにより花瓶内筒容器本体1a内部に支持固定される幹足支持具4と、幹足支持具4の上部に載置されるリング状剣山3とから構成されている。なお、幹足支持具4の中心部は受筒付幹足5が挿入できるように空洞になっており、リング状剣山3の中心部にも受筒付幹足5を挿入可能な孔3aが設けられている。
受筒付幹足5は華道具の一種で内部に剣山10a,10bが収容されカップ状の受筒7a〜7cを締結具8a〜8c及びボルト9a〜9cで金属製の幹足6に固着したものであり、実施例1の幹足支持花瓶内筒容器はこのような受筒付幹足5を図1に示すように受筒付幹足5の幹足先端部6aを幹足支持花瓶内筒容器の幹足支持具4中心部の空洞及びリング状剣山3の孔3aに挿嵌させることにより安定な状態で支持固定するものである。
従来、市販品の受筒付幹足5を用いて図2に示すような大きな花瓶12に花を生ける場合には花瓶12の中に砂利や藁を充填させてそこへ受筒付幹足5を挿設し、さらに、花瓶12いっぱいに水を入れることにより花瓶12内に受筒付幹足5を立設させて花瓶12内部や受筒付幹足5の受筒7a〜7cに生花を生けていた。しかしながら、このような生け方では受筒付幹足5が不安定な状態にあるため生花の本数が多い場合には受筒付幹足5が倒れてしまうという可能性もある。また、体積の花瓶12に大量の水を入れる従来の生け方では花瓶12、受筒付幹足5、生花11及び水の総重量が非常に重くなるため、作品の持ち運びや水換え作業において大変な労力を要していたとともに清掃面においても大きな花瓶12を洗うのには手間がかかり長時間を要していた。
前述したとおり、幹足支持花瓶内筒容器は図2に示すように広い開口部12aを有した体積の大きな花瓶12内部に受筒付幹足5を支持固定するために使用するものであり、花瓶12開口部12a内壁で受筒付幹足5の支持棒2a〜2dを掛止することにより花瓶12内に受筒付幹足5を立設させることができる。受筒付幹足5及び花瓶内筒容器本体1aを均等に周配置された支持棒2a〜2dで支えることによっては受筒付幹足5及び花瓶内筒容器本体1a等の重量が分散して花瓶12に加わるため、受筒付幹足5を安定した状態で花瓶12内に設置することができる。そのため、受筒付幹足5が倒れて出来上がった作品が損壊することはない。
なお、図1及び図2ではリング状剣山3を幹足支持具4上部に載置した構造であったが、リング状剣山3及び孔3aの直径を図1及び図2に示すものよりも大きく設けて花瓶内筒容器本体1a上部側の円筒容器の平面、すなわち、支持棒2a,2bが設けられている開口部の底面に載置する構造としてもよい。このような構造にすることによっては、丈の短い生花を花瓶12開口部12a付近に生けることができる。
実施例2の幹足支持花瓶内筒容器は図1及び図2に示す実施例1の幹足支持具4に代えて花瓶内筒容器本体1bの内周面に突部14a,14bを設け、これに剣山3を載置し、さらに花瓶内筒容器本体1bの底面に窪み13を形成したものである。このような構造においては実施例1と同様に突部14a,14bと剣山3及び窪み13により受筒付幹足5の幹足6を花瓶内筒容器本体1b内に安定に支持固定することが可能であるとともに、図1及び図2に示す実施例1のように幹足支持具4を設ける必要がないため部品数を削減しコストを低下させることができるという効果がある。
また、突部14a,14b上には支持板として剣山3を載置したが、剣山3に限定するものではなく、強度を有する支持板であればよい。身の丈の短い花を生けて幹足6の露出を防止することが可能であるため、剣山3を支持板として載置することが望ましい。突部14a,14bは内周面に2箇所設けたが、その数は限定するものではなく、さらに内周面全体に亘って中央に孔を備える円板状に設けてもよい。
なお、図1乃至図3においては花瓶内筒容器本体1a,1bの支持棒2a〜2dが固定された構造としたが、これらを花瓶内筒容器本体1a,1b容器面からの長さを可変とする構造としてもよい。このような構造においては、花瓶12開口部12aの口径に合わせて花瓶内筒容器本体1a,1bの容器面から突出する支持棒2a〜2dの長さを変えることができ、どのような形状あるいは大きさの花瓶12に対しても花瓶12内部に花瓶内筒容器本体1a,1bをしっかりと固定することができる。具体的に支持棒2a〜2dの長さを変える構造としては、内部に収納される多段スライド型の支持棒などが考えられる。
図4に示す実施例3の幹足支持花瓶内筒容器では図1と図2に示す実施例1及び図3に示す実施例2の花瓶内筒容器本体1a,1bの支持棒2a〜2dに代えて花瓶内筒容器本体1c,1dの開口部1eを円錐状に形成し、花瓶内筒容器本体1c,1dの開口部1e外周面を花瓶15の開口部15a内周面に当接させた構造となっている。これによっては花瓶内筒容器本体1c,1dの開口部1e外周面が実施例1及び実施例2の幹足支持花瓶内筒容器の支持棒2a〜2dと同様の役割を担っており、花瓶内筒容器本体1a,1b及びこれの内部に収容される受筒付幹足5の幹足6等の総重量を支えている。したがって、実施例3についても実施例1及び実施例2と同様の効果を有する。
図5は本発明の実施例4に係る作業台の使用方法を示す概念図である。
また、花瓶内筒用作業台16には持ち運びができるように把持具20a,20bが取り付けてあるため、図5に示すような状態から花を生けて所望の作業段階まで創作作業を行った後、生け花の設置場所にこれを移動させてその場所の環境催事などに適切な最後の仕上げを行うようにすれば効率よく作業を行うことができる。さらには、作業台17周縁に他の部分よりも座高に形成される縁部17aを設けることにより生け花や運搬の作業中あるいは水換え作業中に作業台17上にこぼれた水が周囲にこぼれ落ちるのを防止することができるため、周囲を汚さず作業を行うことができる。
また、図5では作業台17を円形状に形成しているが、この形状に限らず四角形状としてもよい。
Claims (5)
- 生花を生ける受筒付幹足を花瓶内部に固定するための幹足支持花瓶内筒容器であって、上部に第1の開口部を有し周囲に少なくとも1の第1のスペーサを備えて前記花瓶内部に固定される花瓶内筒容器本体と、上部に第2の開口部を有し少なくとも1の第2のスペーサを備えて前記花瓶内筒本体内部に固定収容され前記受筒付幹足を支持する支持具とを有することを特徴とする幹足支持花瓶内筒容器。
- 前記受筒付幹足が挿通可能な孔を備えて前記花瓶内筒容器本体内に収容される剣山を有することを特徴とする請求項1記載の幹足支持花瓶内筒容器。
- 前記第1のスペーサ長は前記幹足支持花瓶内筒容器内で調節可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の幹足支持花瓶内筒容器。
- 生花を生ける受筒付幹足を花瓶内部に固定するための幹足支持花瓶内筒容器であって、上部に開口部を有し周囲に少なくとも1のスペーサを備え前記花瓶内部に固定され内部に突部が設けられる花瓶内筒容器本体と、前記受筒付幹足が挿通可能な孔を備えて前記花瓶内筒容器本体内の突部に載置される支持板とを有することを特徴とする幹足支持花瓶内筒容器。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の幹足支持花瓶内筒容器を載置固定する作業台であって、前記幹足支持花瓶内筒容器を支持固定する固定部と、運搬可能とする把持部と、溢水を防止する縁部が周設されてなることを特徴とする作業台。
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