JP4443104B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカカバーが発光するように構成された遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近時、停止ボタンを備えたスロットマシン、所謂、パチスロ機は、正面の表示窓内に複数の図柄を変動表示する回転リールを複数配列して構成した機械的変動表示装置、或いはリール上の図柄を画面に表示する電気的変動表示装置を有する。遊技者のスタート操作に応じて、制御手段が変動表示装置を駆動制御して各リールを回転させることにより、図柄を変動表示させ、一定時間後自動的に、あるいは遊技者の停止操作により、各リールの回転を順次停止させる。このとき、表示窓内に現れた各リールの図柄が特定の組合せ(入賞図柄)になった場合にメダル、またはコイン等の遊技媒体を払出すことで遊技者に利益を付与する。
【0003】
従来の機種では、遊技機のキャビネットに開閉可能な扉を有し、この扉の前面に表示パネル部を設けている。また、表示パネルの上部左右には、点発光の光源をレンズカバーで覆った表示装置を設けている。このような従来の遊技機では、表示装置の光源周囲に、光源からの光を拡散して反射するための階段形状を形成し、この階段形状によって拡散された光をレンズカバー前面の内側に照射している(例えば、特許文献1参照)。この構成により、遊技者に対してレンズカバー全面が均一に発光しているように印象づけることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平11‐156001号公報(図1等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の遊技機では、複数の光源がレンズカバーに対面しているために、例えば、音響および照明の効果が同一位置で得られるよう、上述した表示装置にスピーカを配設し、スピーカカバー部を発光させるような構成に対しては、そのまま適用することが難しいという問題があった。すなわち、光源をスピーカの周囲に配接することになるので、階段形状を光源周囲に形成しても、光源からの光の拡散が不十分でカバー全面を均一に発光させることが難しい。
【0006】
本発明は、スピーカ部に取り付けた光源により、恰もスピーカカバー全面が発光しているように見える遊技機を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の遊技機は、上記問題を解決するために、筐体前面に段差をもって形成された凹部の底面に一部露出して音を出力する音出力手段(例えば、スピーカ21L、21R)と、前記段差の周面に取り付けられて発光する複数の発光手段(例えば、LED2106a〜2106d)と、前記音出力手段の露出部を囲み、かつ前記複数の発光手段を覆うように設けられた音出力手段カバー(例えば、スピーカカバー210)と、を備え、前記周面は前記筐体前面および前記凹部の底面に対して垂直に形成され、前記凹部は略三角形に形成され、前記三角形は前記筐体前面の上端および側端と垂直な2辺と前記2辺の一端を結ぶ湾曲した斜辺とからなり、前記斜辺は前記筐体前面の側端側に形成されるとともに前記2辺のうち長辺(例えば、パネル表示部2aの上端に対して垂直な1辺)は前記側端と平行に形成され、前記複数の発光手段は前記周面(例えば、段差部2110d)において前記長辺側に前記筐体前面に対して平行に配列されたことを特徴としている。
【0008】
このような構成によれば、複数の発光手段が配された発光面は遊技機の正面(前面)に対して横向きとなるので、遊技者は、点発光の光源であるとの印象を受けず、音出力手段カバー全面が発光しているように感じることとなる。よって、高い照明効果が得られる。
また、このような構成によれば、複数の発光手段が配された発光面は遊技機の正面(前面)に対して横向きとなり、さらに遊技機の筐体凹部の段差部に配設されているので、前記複数の発光手段が音出力手段カバーに取り付けられている場合と比べ、遊技者は、音出力手段カバー全面が発光しているとの印象をより受け易い。よって、さらに高い照明効果が得られる。
【0009】
また、本発明の遊技機は、前記底面に凹凸を有する鏡面(例えば、底面部2110e)が形成されたことを特徴としている。
【0011】
また、本発明の遊技機は、前記音出力手段カバーの内側一面に、連続する凹凸(例えば、凹凸部2107)が形成されたことを特徴としている。
【0012】
このような構成によれば、凹凸形状が発光手段の発する光を乱反射して拡散させるので、遊技者は、音出力手段カバー全面が発光しているとの印象を受けることとなる。よって、高い照明効果が得られる。
【0013】
また、本発明の遊技機は、前記発光手段に、発光ダイオード(例えば、4個のLED2106a〜2106d)を有することを特徴としている。
【0014】
このような構成によれば、発光手段として発光ダイオード(以下、LEDともいう)を用いるので、例えば、ランプを用いた場合に比べ、光源が適度に小さいために点発光であると感じにくく、また省エネルギー効果も期待できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係る遊技機を「パチスロ機」に適用した実施の一形態を示している。ここでは、BETランプ9a、9b、9c、WINランプ17、払出表示部18、クレジット表示部19、ボーナス遊技情報表示部20を省略している。また、図2には、表示画面5a全面に液晶表示がなされ、液晶の奥側に配置されたリール3が透過表示されている状態を示す。
【0016】
まず、構成を説明する。図1、図2において、遊技機としてのパチスロ機1は、コイン、メダルまたはトークン等の他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技するものであるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
【0017】
パチスロ機1の全体を形成しているキャビネット2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成され、キャビネット2の上方の左右には、スピーカ21L、21Rが設けられ、その2台のスピーカ21L、21Rの間には、入賞図柄の組合せおよびメダルの配当枚数等を表示する配当表パネル23が設けられている。
【0018】
前記スピーカ21Rの構成は、図3〜図6に示すとおりである。なお、スピーカ21Lの構成もスピーカ21Rに準じるために、図示および説明を省略する。スピーカ21Rには、筐体側に埋め込まれたスピーカ本体2108(スピーカ21L、21Rに含まれる)と、スピーカ本体2108を覆う透明または半透明で樹脂製のスピーカカバー210とを有する(図3に示す)。このスピーカカバー210の外縁には、取付け用の突起部2101〜2105が形成され、スピーカカバー210の内側一面には、光を拡散させるための凹凸部2107が形成されている(図4に示す)。
【0019】
一方、筐体側で、スピーカ本体2108が一部露出している凹部2110の段差部2110dには、LED基板2106eが取り付けられ、このLED基板2106e上に白色のLED2106a〜2106dが配設されている(図5に示す)。ここでは、段差部2110dの面が、筐体の前面および凹部2110の底面に対して略垂直となっている。また、スピーカカバー210の外周は略三角形を成し、この三角形の縦の一辺が横の一辺よりも長いために、前記縦の一辺側にLED2106a〜2106dを配設することで、4個のLEDの間隔をより大きく設定し、LED光の拡散効果を高めている。なお、前記三角形の斜辺側にLED基板2106eを取り付けることも考えられるが、加工および取付け作業の難易度から、前記縦の一辺側に取り付けている。また、LED光がスピーカカバー210の前面に到達するまでの距離を従来よりも大きく設定し、点発光であると認識させないために、LED2106a〜2106dの向きがスピーカカバー210の前面を向かないように、すなわちLED光が直接、スピーカカバー210の前面に到達しないように配置している。ここで、LED2106a〜2106dからの光線の向きは1方向ではなく数十度の角度を有するが、本実施形態ではLED基板2106eに対して垂直方向をLED2106a〜2106dの向きとしている。また、凹部2110の外周には、取付け用の突起部2101〜2105を嵌合するための取付け穴2101a〜2105aが穿たれている。さらに、凹部2110を含む筐体の一部表面には、金属鍍金等によって鏡面が形成されており、LED2106a〜2106dからの光を凹部2110で反射させ、スピーカカバー210による発光の光量を補っている。
【0020】
このような構成により、LED2106a〜2106dの光は、スピーカカバー210内面の外周部、前部、スピーカ周囲部等に形成された凹凸部2107によって乱反射することで拡散され、遊技者に対して恰もスピーカカバー210の全面が発光しているように印象づけることとなる(図6に示す)。
【0021】
また、図1のパネル表示部2aの前面には、矩形15インチの表示画面5aを有する液晶表示装置5が設けられる。この表示画面5aの全面にわたって映像を表示できるようになっている。なお、BETランプ9a、9b、9c、WINランプ17、払出表示部18、クレジット表示部19、ボーナス遊技情報表示部20については、液晶表示画面5aの両外側に別途、主制御回路71(図9に示す)の制御で表示される。
【0022】
この液晶表示装置5の構成は、図7に示すとおりである。図7において、液晶表示装置5の前面には透明アクリル板501が設けられ、次いで、リールガラスベース502、ベゼル金属枠503、液晶502、液晶ホルダ505、拡散シート506、導光板507、リアホルダ508、帯電防止シート509が順に重ねて取り付けられている。ここで、導光板507は、アクリル板等の裏面に、光を均一反射するための特殊な加工(レーザ加工を含む)が施された板材であり、光源としての冷陰極管11a、11bの光を端面から入光し、前記裏面で反射して均一に面発光させるものである。また、導光板507およびリアホルダ508には、縦長矩形の表示窓(図2に示す4L、4C、4R)が設けられている。この表示窓4L、4C、4Rは、液晶表示装置5を透して目視される。表示ドライバ512は、液晶表示装置505の上部に配設され、冷陰極管511a、511bを発光させるものである。帯電防止シート509は、リール窓部(表示窓)に当たる部分に、塵、埃等が付着するのを防止するためのものである。蛍光管510は、表示窓用のバックライトとして用いられる。ここで、表示窓4L、4C、4Rは、蛍光管510からの光、この光がリール3の表面に反射した反射光、およびリール3に設けられたリールバックライト513の光を受けることとなる。これらの光により、液晶504が認識可能となる。なお、リールバックライト513は、リールごとにLEDが縦に3個ずつ配列されたものであり、リール裏面側からリールの図柄を照明するようになっている。
【0023】
また、表示窓4L、4C、4Rには、入賞ラインとして水平方向にトップライン8b、センターライン8cおよびボトムライン8d、斜め方向にクロスダウンライン8aおよびクロスアップライン8eが設けられている。これらの入賞ラインは、後述の1‐BETスイッチ11、2‐BETスイッチ12、最大BETスイッチ13を操作すること、あるいはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。どの入賞ラインが有効化されたかは、後述するBETランプ9a、9b、9cが点灯されることで認識される。
【0024】
キャビネット2の内部には、各々の外周面に複数種類の図柄を配置した図柄列が描かれた3個のリール(左リール3L、中リール3C、右リール3R)が回転自在に横一列に設けられ、図柄列表示手段に含まれる。各リールの図柄は表示窓4L、4C、4Rを通して観察できるようになっている。各リールは、定速回転(例えば80回転/分)で回転する。
【0025】
表示窓4L、4C、4Rの左側には、1‐BETランプ9a、2‐BETランプ9b、最大BETランプ9c、クレジット表示部19が設けられる。1‐BETランプ9a、2‐BETランプ9bおよび最大BETランプ9cは、一つのゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。
【0026】
ここで、本実施形態では、一つのゲームは、全てのリールが停止したときに終了する。1‐BETランプ9aは、BET数が"1"で1本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。2‐BETランプ9bは、BET数が"2"で3本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。最大BETランプ9cは、BET数が"3"で全て(5本)の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。クレジット表示部19は、7セグメントLEDから成り、貯留されているメダルの枚数を表示する。
【0027】
表示窓4L、4C、4Rの右側には、WINランプ17および払出表示部18が設けられている。WINランプ17は、BBまたはRBの入賞が成立した場合に点灯し、BBまたはRBに内部当選した場合に所定確率で点灯するする。払出表示部18は、7セグメントLEDから成り、入賞成立時のメダルの払出枚数を表示する。
【0028】
パネル表示部2aの表示画面5aの右側上部には、ボーナス遊技情報表示部20が設けられている。ボーナス遊技情報表示郡20は、7セグメントLEDから成り、後で説明するRBゲーム可能回数およびRBゲーム入賞可能回数等を表示する。
【0029】
表示画面5aの下方には水平面の台座部10が形成され、表示画面5aには、前述した各種ランプ、表示部の他にアニメーション等による各種の演出や、従来の技術で述べた「補助期間」において「ベルの小役」に内部当選したとき、その入賞成立を実現するために必要な「操作順序」が表示されるようになっている。
【0030】
台座部10の右端側にはメダル投入口22が設けられ、台座部10の左端側には、1‐BETスイッチ11、2‐BETスイッチ12、および最大BETスイッチ13が設けられる。1‐BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2‐BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。これらのBETスイッチを操作することで、前述の通り、所定の入賞ラインが有効化される。
【0031】
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。
【0032】
C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、表示窓4L、4C、4R内での図柄の変動表示を開始(ゲームを開始)するためのスタートレバー6(開始操作手段に含まれる)が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
【0033】
台座部10の前面部中央で、表示画面5aの下方位置には、3個のリール3L、3C、3Rの回転をそれぞれ停止させるための停止操作手段に含まれる操作ボタンとして、3個の停止ボタン(左停止ボタン7L、中停止ボタン7C、右停止ボタン7R)が設けられている。
【0034】
ここで、本実施形態では、全てのリールが回転しているときに行われる第1停止ボタンの押下による停止操作を「第1停止操作」、次に行われる第2停止ボタンの押下による停止操作を「第2停止操作」、「第2停止操作」の後に行われる第3停止ボタンの押下による停止操作を「第3停止操作」という。
【0035】
本実施形態のパチスロ機1には、3つの停止ボタン7L、7C、7Rが設けられているので、これらの操作順序は"6種類"ある。そこで、これらの操作順序を次のように区別する。左停止ボタン7Lを「左」、中停止ボタン7Cを「中」、右停止ボタン7Rを「右」と略記する。
【0036】
そして、操作順序を示すとき、各停止ボタン7L、7C、7Rの略を、停止操作された順番で左から並べることとする。例えば、「第1停止操作」として左停止ボタン7L、「第2停止操作」として中停止ボタン7C、「第3停止操作」として右停止ボタン7Rが操作されたとき、操作順序を「左中右」と示す。なお、本実施形態の操作順序には、「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」および「右中左」の"6種類"がある。
【0037】
図8は、各リール3L、3C、3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には"00〜20"のコードナンバーが付され、データテーブルとして後で説明するROM32(図10に示す)に記憶されている。
【0038】
各リール3L、3C、3R上には、"青7(図柄91)"、"赤7(図柄92)、"BAR(図柄93)"、"ベル(図柄94)"、"プラム(図柄95)"、"Replay(図柄96)"および"チェリー(図柄97)"の図柄で構成される図柄列が表わされている。各リール3L、3C、3Rは、図柄列が図4の矢印方向に移動するように回転駆動される。
【0039】
図9は各遊技状態における入賞図柄組合せに対応する役および払出枚数を示す。
【0040】
ここで、遊技状態とは、一般に、BBまたはRBに内部当選しているか否か、あるいはBBまたはRBが作動しているか否かによって区別するものである。なお、内部当選する可能性のある役の種類は、所謂、確率抽選テーブルによって定まるものであるが、一般に、確率抽選テーブルは、遊技状態毎に設けられている。
【0041】
すなわち、同一の遊技状態のゲームでは、内部当選する可能性のある役の種類が同一となる。ただし、「BB遊技状態」は、「BB中一般遊技状態」および「RB遊技状態」を含むものであり、内部当選する可能性のある役の種類が異なる状態を含む。
【0042】
図9に示すように、一般遊技状態において、有効ラインに沿って"青7‐青7‐青7"、または"赤7‐赤7‐赤7"が並んだときは、BBの入賞が成立して15枚のメダルが払出されると共に、次のゲームの遊技状態が「BB遊技状態」となる。
【0043】
「RB遊技状態」は、「一般遊技状態」において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが"BAR−BAR−BAR"であるとき、または「BB中一般遊技状態」において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが"Replay‐Replay‐Replay"であるとき(所謂「JAC IN」)に発生する。このとき、15枚のメダルが払出される。
【0044】
「RB遊技状態」は、メダルを1枚賭けることにより所定の図柄組合せ"Replay‐Replay‐Replay"が揃い、15枚のメダルを獲得できる役物に当たりやすい遊技状態である。
【0045】
1回の「RB遊技状態」において可能な最大のゲーム数(これを「RBゲーム可能回数」という)は、12回である。また、このRB遊技状態において、入賞できる回数(これを「RBゲーム入賞可能回数」という)は、8回までである。すなわち、この「RB遊技状態」は、ゲーム数が12回に達するか、または入賞回数が8回に達した場合に終了する。
【0046】
なお、BB遊技状態は、所定のゲームで第3停止操作が行われたとき、終了する。例えば、3回目のRB遊技状態の最後のゲームにおいて第3停止操作が行われたとき、BB遊技状態が終了する。
【0047】
一般遊技状態において、有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが"Replay‐Replay‐Replay"であるときは、再遊技の入賞が成立する。再遊技の入賞が成立すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者は、メダルを消費することなく遊技を行うことができる。
【0048】
また、一般遊技状態またはBB中一般遊技状態において、有効ラインに沿って図柄組合せ"ベル‐ベル‐ベル"が並ぶことにより、「ベルの小役」の入賞が成立する。「ベルの小役」に内部当選したとき、入賞が成立するか否かは、後述のテーブル番号と、遊技者の停止ボタン7L、7C、7Rの操作順序により決定される。
【0049】
具体的には、"6種類"の操作順序のうち、テーブル番号に対応した一の操作順序で停止操作を行った場合にのみ、"ベル‐ベル‐ベル"が有効ラインに沿って並び、ベルの小役の入賞が成立する。その他の"5種類'の操作順序のいずれかで停止操作を行った場合には、ベルの小役の入賞が不成立となる。
【0050】
また、一般遊技状態およびBB中一般遊技状態では、「プラムの小役」、「BARの小役」、および「チェリーの小役」の入賞成立を実現することが可能であるが、その払出枚数は図示の通りである。
【0051】
また、一般遊技状態では、「ベルの小役」に内部当選したとき、その入賞成立が実現することとなる「操作順序」が報知される期間(以下「補助期間」または「AT」という)が設けられる。この期間において「ベルの小役」に内部当選したとき、遊技者は、確実に入賞成立を実現することができる。
【0052】
補助期間の抽選条件は二つある。第1の抽選条件は、「プラムの小役」に内部当選し且つ一般遊技状態であるときである。第2の抽選条件は、補助期間または後述する潜伏期間に内部抽選で「はずれ」になったときである。いずれかの抽選条件を満たすことにより、後述する補助期間抽選処理(AT抽選処理)が行われる。
【0053】
補助期間は、連続する複数のゲーム(以下「セット」という)により構成される。一つのセットのゲーム数及びセットを何回発生させるかの抽選は、前記補助期間抽選処理により行われる。ここで、セットが発生し得る回数を「セット数」という。補助期間または潜伏期間に前記補助期間抽選処理が行われて当選した場合には、前記「セット数」は累積されることとなる。
【0054】
また、補助期間を発生(顕在化)させるか否かは、後述する補助期間発動処理(AT発動処理)で決定される。上述の抽選条件が成立し、さらにAT抽選に当選した後、補助期間が発生する可能性のある期間(具体的には、一般遊技状態において後述のセット回数カウンタの値が“1”以上で、補助期間でない期間)を、以下「潜伏期間」という。なお、「補助期間」及び「潜伏期間」以外の期間を「通常期間」という。
【0055】
図10は、パチスロ機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71(内部抽選手段に含まれる)と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて、スピーカLED2106、液晶表示装置5およびスピーカ21L、21Rを制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
【0056】
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32およびRAM33を含む。
【0057】
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34および分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36およびサンプリング回路37とが接続されている。
【0058】
なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、すなわちCPU31の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36およびサンプリング回路37は省略可能であり、あるいは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
【0059】
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判別に用いられる「確率抽選テーブル」、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための「停止制御テーブル」、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が記憶されている。
【0060】
このコマンドには、「待機画面コマンド」、「スタートコマンド」等がある。なお、副制御回路72が主制御回路71ヘコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。
【0061】
図10の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各種ランプ(1‐BETランプ9a、2‐BETランプ9b、最大BETランプ9c、WINランプ17)と、各種表示部(払出表示部18、クレジット表示部19、ボーナス遊技情報表示部20)と、メダルを収納しホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出す遊技価値付与手段としてのホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L、3C、3Rを回転駆動するステッピングモータ49L、49C、49Rとがある。
【0062】
さらに、ステッピングモータ49L、49C、49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路45、および各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路48がI/0ポート38を介してCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令等の制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
【0063】
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1‐BETスイッチ11、2‐BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、ゲーム補助スイッチ99、投入メダルセンサ22S、リール停止信号回路46、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51がある。これらも、I/0ポート38を介してCPU31に接続されている。
【0064】
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出する。投入メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。リール停止信号回路46は、各停止ボタン7L、7C、7Rの操作に応じて停止信号を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L、3C、3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
【0065】
図10の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数およびROM32内に記憶されている「確率抽選テーブル」に基づいて、CPU31は内部当選役を決定する。したがって、CPU31は、乱数抽選によって遊技の入賞態様、すなわち、内部当選役を決定する入賞態様決定手段を構成している。
【0066】
リール3L、3C、3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L、49C、49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L、3C、3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が"0"にクリアされる。これにより、RAM33内には、各リール3L、3C、3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が記憶される。
【0067】
上記のようなリール3L、3C、3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブルがROM32内に記憶されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L、3C、3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
【0068】
さらに、ROM32内には、「入賞図柄組合せテーブル」が記憶されている。この入賞図柄組合せテーブルでは、入賞となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表わす入賞判別コードとが対応づけられている。上記の入賞図柄組合せテーブルは、左リール3L、中リール3Cおよび右リール3Rの停止制御時、および全リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
【0069】
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理)により内部当選した場合には、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L、7C、7Rを操作したタイミングでリール停止信号回路46から送られる操作信号、および選択された「停止制御テーブル」に基づいて、リール3L、3C、3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。CPU31は、リール3L、3C、3Rの停止制御を行う停止制御手段として機能する。
【0070】
ここで、「停止制御テーブル」は、遊技者によって停止ボタン7L、7C、7Rが押されたときに参照され、リールの停止位置の決定に用いられる。
【0071】
具体的には、停止ボタン7L、7C、7Rの押し操作がされた時に、その操作された停止ボタンに対応するリールにおいてセンターライン8cに位置していた図柄(具体的には、図柄の中心がセンターライン8cの上方に位置し、その中心がセンターライン8cの位置に最も近い図柄)が検出され、その図柄のコードナンバー(「操作位置」という)を「停止制御テーブル」と照合して、センターライン8cの位置に停止させる図柄のコードナンバー(「停止位置」という)が決定される。
【0072】
ここで、図11〜図13を参照し、ベルの小役に内部当選したときに使用される停止制御テーブルについて説明する。
【0073】
「停止制御テーブル」には、各リール3L、3C、3Rの「停止操作位置」と「停止制御位置」とが示されている。「停止操作位置」は、各リール3L、3C、3Rに対応して設けられた停止ボタン7L、7C、7Rが操作されたとき、センターライン8cに位置していた図柄(具体的には、図柄の中心がセンターライン8cの上方に位置し、その中心がセンターライン8cの位置に最も近い図柄)のコードナンバーを表わす。「停止制御位置」とは、停止操作が行われたリールが停止したとき、センターライン8cの位置に停止表示される図柄のコードナンバーを表わす。ここで、本実施形態では、いわゆる「滑りコマ数」を最大“4コマ”としている。例えば、右のリール3Rの回転中において、コードナンバー“12”の“チェリー(図8の図柄97)”がセンターライン8cの位置に到達したとき、停止ボタン7Rが操作された場合、コードナンバー“8”の“青7(図8の図柄91)”をセンターライン8cの位置に停止表示するように右のリール3Rを停止制御することができる。
【0074】
図11は、当り用停止制御テーブルを示す。このテーブルは、「ベルの小役」に内部当選した後、“ベル‐ベル‐ベル”が有効ラインに沿って並び、ベルの小役の入賞が成立するようにリールを停止制御する際に使用される。
【0075】
図11において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー“03”、“08”、“11”、“15”又は“19”のいずれかである。図8に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“ベル(図柄94)”である。
【0076】
図11において、中央のリール3Cの「停止制御位置」は、コードナンバー“03”、“07”、“11”、“15”又は“19”のいずれかである。図8に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“ベル(図柄94)”である。
【0077】
図11において、右のリール3Rの「停止制御位置」は、コードナンバー“01”、“05”、“10”、“14”又は“18”のいずれかである。図8に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“ベル(図柄94)”である。
【0078】
以上のように、図11に示す当り用停止制御テーブルが各リール3L、3C、3Rの停止制御に使用された場合には、センターライン8cの位置、すなわち表示窓4L、4C、4R内の中央の位置に“ベル”が停止表示され、入賞が成立することとなる。
【0079】
図12は、順押し(左中右)・中押し(中左右)はずれ用停止制御テーブルを示す。このテーブルは、「ベルの小役」に内部当選した後、“ベル‐ベル‐ベル”が有効ラインに沿って並ばないように(ベルの小役の入賞が不成立となるように)リールを停止制御する際に使用され、ここで、左のリール3L及び中央のリール3Cの停止操作位置に対する停止制御位置は、図11に示すものと同じである。
【0080】
図12において、右のリール3Rの「停止制御位置」は、コードナンバー“02”、“06”、“11”、“15”及び“19”のいずれかである。図8に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“Replay(図柄96)”である。
【0081】
以上のように、図12に示す順押し・中押しはずれ用停止制御テーブルが各リール3L、3C、3Rの停止制御に使用された場合には、表示窓4L、4C内の中央の位置に“ベル”が停止表示され、表示窓4R内の中央の位置に“Replay”が停止表示されるので、ベルの小役の入賞が不成立となる。
【0082】
図13は、逆押し(右中左)はずれ用停止制御テーブルを示す。このテーブルは、「ベルの小役」に内部当選した後、“ベル‐ベル‐ベル”が有効ラインに沿って並ばないように(ベルの小役の入賞が不成立となるように)リールを停止制御する際に使用される。ここで、中央のリール3C及び右のリール3Rの停止操作位置に対する停止制御位置は、図11に示すものと同じである。
【0083】
図13において、左のリール3Lの「停止制御位置」は、コードナンバー“04”、“09”、“12”、“17”又は“20”のいずれかである。図8に示す図柄列において、これらに対応する図柄は、“Replay(図柄96)”である。
【0084】
以上のように、図13に示す逆押しはずれ用停止制御テーブルが各リール3L、3C、3Rの停止制御に使用された場合には、左の表示窓4L内の中央の位置に“Replay”が停止表示され、表示窓4C、4R内の中央の位置に“ベル”が停止表示されるので、ベルの小役の入賞が不成立となる。
【0085】
なお、前述した「滑りコマ数」は、停止ボタンが操作された後、リールが停止するまでの間に移動した図柄の数を示し、停止制御テーブルにおける操作位置(停止ボタンが操作されたときセンターラインに位置していた図柄のコードナンバー)と停止位置(実際にリールが停止したときにセンターラインに停止させる図柄のコードナンバー)との差の絶対値で表される。
【0086】
この「滑りコマ数」は、「引き込み数」と称されることもある。ここで、本実施形態では、「滑りコマ数」を最大"4コマ"としている。例えば、右リール3Rの回転中において、コードナンバー"12"の"チェリー(図8の図柄97)"がセンターライン8cの位置に到達したとき、右停止ボタン7Rが操作された場合、コードナンバー"08"の"青7"(図8の図柄91)"をセンターライン8cの位置に停止表示するように右のリール3Rを停止制御することができる。
【0087】
一方、内部当選した役の入賞成立を示す停止態様となれば、CPU31は、払出し指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出しを行う。
【0088】
その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払い出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達したときに、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、「メダルの払出し処理」を終了する。
【0089】
図14は、副制御回路72の構成を示す。副制御回路72は、主制御回路71からの制御指令(コマンド)に基づいて液晶表示装置5の表示制御、スピーカ21L、21Rからの音の出力制御、スピーカLED2106(LED2106a〜2106dを含む)の点灯制御を行う。この副制御回路72は、主制御回路71を構成する回路基板とは別の回路基板上に構成され、マイクロコンピュータ(以下「サブマイクロコンピュータ」という)73を主たる構成要素とし、液晶表示装置5の表示制御手段としての画像制御回路81、スピーカ21L、21Rにより出音される音を制御する音源IC78、増幅器としてのパワーアンプ79、スピーカLED2106の点灯制御手段としてのドライバ2109で構成されている。
【0090】
サブマイクロコンピュータ73は、主制御回路71から送信された制御指令に従って制御動作を行うサブCPU74と、記憶手段としてのプログラムROM75と、ワークRAM76とを含む。なお、サブマイクロコンピュータ73に対する主制御回路71からの信号は、INポート77を介して入力し、画像制御回路81に対する信号はOUTポート80を介して出力する。
【0091】
副制御回路72は、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器およびサンプリング回路を備えていないが、サブCPU74の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。この乱数サンプリングにより、補助期間の発生等が決定される。
【0092】
サブCPU74は、「ATセット回数カウンタ」、「ATゲーム数カウンタ」を備える。ATセット回数カウンタは、セット数を記憶する。ATゲーム数カウンタは、一の補助期間におけるゲーム数に関する情報を記憶する。
【0093】
プログラムROM75は、サブCPU74で実行する制御プログラムを記憶する。ワークRAM76は、上記制御プログラムをサブCPU74で実行するときの一時記憶手段として構成される。
【0094】
画像制御回路81は、画像制御CPU82、画像制御ワークRAM83、画像制御プログラムROM84、画像ROM86、ビデオRAM87および画像制御IC88で構成される。画像制御CPU82は、サブマイクロコンピュータ73で設定されたパラメータに基づき、画像制御プログラムROM84内に記憶された画像制御プログラムに従って液晶表示装置5での表示内容を決定する。なお、サブCPU74からの信号は、INポート85を介して入力される。
【0095】
画像制御プログラムROM84は、液晶表示装置5での表示に関する画像制御プログラムや各種選択テーブルを記憶する。画像制御ワークRAM83は、上記画像制御プログラムを画像制御CPU82で実行するときの一時記憶手段として構成される。画像制御IC88は、画像制御CPU82で決定された表示内容に応じた画像を形成し、液晶表示装置5に出力する。画像ROM86は、画像を形成するためのドットデータを記憶する。ビデオRAM87は、画像制御IC88で画像を形成するときの一時記憶手段として構成される。
【0096】
一方、サブCPU74はCPU31からの指令信号に基づいて液晶表示装置5に画像を表示するようになっている。
【0097】
具体的には、サブCPU74は、スタートレバー6、停止ボタン7L、7C、7Rの操作によりリール停止信号回路46から停止信号が入力される度に、画像制御CPU82に信号を送信して液晶表示装置5の表示画面5aに画像を表示するようになっている。
【0098】
本実施形態では、CPU31、液晶表示装置5、サブCPU74および画像制御CPU82が表示手段を構成している。
【0099】
このように本発明の第1の実施形態に係るパチスロ機1(遊技機に含まれる)は、所定のタイミングで、乱数を用いて遊技の内部抽選を行う主制御回路71(内部抽選手段に含まれる)と、パチスロ機1の筐体前面に一部露出して、前方に音を出力するスピーカ21L、21R(音出力手段に含まれる)と、スピーカ21L、21Rの露出部と離間され、パチスロ機1の筐体に取り付けられて発光するLED基板2106およびLED2106a〜2106d(発光手段に含まれる)と、スピーカ21L、21Rの露出部を囲み、かつLED基板2106およびLED2106a〜2106dを覆うように設けられたスピーカカバー210(音出力手段カバーに含まれる)とを備え、LED2106a〜2106d(発光手段の光源に含まれる)の向きが、パチスロ機1の筐体前面と略平行となるように構成しているので、LED2106a〜2106dの向きは遊技機の正面(前面)に対して横向きとなり、LED光はスピーカカバー210内で反射されて間接的に遊技者に届くこととなる。したがって、遊技者には恰もスピーカカバー210全面が発光しているように見えることとなり、高い照明効果が得られる。なお、LEDはランプ等と比較して小さいことから、点発光であると感じさせずに済み、また省エネルギー効果も期待できる。
【0100】
なお、上述した第1の実施形態ではスピーカカバー210の内側一面(裏面)に凹凸部2107を形成した場合について説明したが、本発明はこのほかに、スピーカカバー210の内側一面に連続した段差(階段形状を含む)を形成しても同様の効果が得られるものである。あるいは、スピーカカバー210内に拡散シート(所謂、プリズムシートを含む)を設けても同様の効果が得られるものである。
【0101】
また、上述した第1の実施形態ではスピーカカバー210の内側一面(裏面)に凹凸部2107を形成した場合について説明したが、本発明はこれに加えて、スピーカカバー210の外側(表側)にレンズ面を形成してもよい。この場合は、凹凸部2107で乱反射された光をさらに拡散させるという効果が得られる。
【0102】
また、上述した第1の実施形態ではLED基板2106eに対して垂直な方向を、LED2106a〜2106dの向きとした場合について説明したが、本発明はこのほかに、LED基板2106eに対して非垂直な方向をLED2106a〜2106dの向きとしても同様の効果が得られるものである。
【0103】
さらに、上述した第1の実施形態ではスピーカ本体2108が埋め込まれている凹部2110の段差部2110dの一部に、LED基板2106eを取り付けた場合について説明したが、本発明はこのほかに、段差部2110dの全周面にLED基板2106eを取り付けるか、あるいは段差部2110dに、LED基板2106eおよびLED2106a〜2106dの厚さよりも深く、LED基板2106eの幅よりも広い帯状の溝を形成し、この溝内にLED基板2106eを取り付けても同様の効果が得られるものである。
【0104】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係るパチスロ機は、スピーカカバー210sを除き、第1の実施形態と概ね同様であるために、図1、図2、図5を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
【0105】
図15は、本発明の第2の実施形態におけるスピーカカバー(裏面)を示す。ここでは、スピーカ21Rについて説明する。なお、スピーカ21Lの構成もスピーカ21Rに準じるために、図示および説明を省略する。
【0106】
スピーカ21Rには、筐体側に埋め込まれたスピーカ本体2108(図5に示す)と、スピーカ本体2108を覆う透明または半透明で樹脂製のスピーカカバー210s(図15に示す)とを有する。このスピーカカバー210sの外縁には、取付け用の突起部2101〜2105が形成されている。また、スピーカ本体2108の露出部と対向するカバー前面には、スピーカ本体2108の振動板の振動により生じた音波を通すための複数の孔2109が穿たれている。さらに、スピーカカバー210sの内側一面には、前記複数の孔2109を除き、光を拡散させるための凹凸部(図4の2107に相当する)が形成されている。
【0107】
一方、筐体側で、スピーカ本体2108が一部露出している凹部2110の段差部2110dには、第1の実施形態に準じてLED基板2106eが取り付けられ、このLED基板2106e上に白色のLED2106a〜2106dが配設されている(図5に示す)。ここでは、段差部2110dの面が、筐体の前面および凹部2110の底面に対して略垂直となっている。また、スピーカカバー210の外周は略三角形を成し、この三角形の縦の一辺が横の一辺よりも長いために、前記縦の一辺側にLED2106a〜2106dを配設することで、4個のLEDの間隔をより大きく設定し、LED光の拡散効果を高めている。なお、前記三角形の斜辺側にLED基板2106eを取り付けることも考えられるが、加工および取付け作業の難易度から、前記縦の一辺側に取り付けている。また、LED光がスピーカカバー210の前面に到達するまでの距離を従来よりも大きく設定し、点発光であると認識させないために、LED2106a〜2106dの向きがスピーカカバー210の前面を向かないように、すなわちLED光が直接、スピーカカバー210の前面に到達しないように配置している。ここで、LED2106a〜2106dからの光線の向きは1方向ではなく数十度の角度を有するが、本実施形態ではLED基板2106eに対して垂直方向をLED2106a〜2106dの向きとしている。また、凹部2110の外周には、取付け用の突起部2101〜2105を嵌合するための取付け穴2101a〜2105aが穿たれている。さらに、凹部2110を含む筐体の一部表面には、金属鍍金等によって鏡面が形成されており、LED2106a〜2106dからの光を凹部2110で反射させ、スピーカカバー210sからの光量を補っている。
【0108】
このような構成により、LED2106a〜2106dの光は、スピーカカバー210s内面の外周部、前部等に形成された凹凸部2107によって乱反射し、スピーカカバー210sを透過することで拡散され、遊技者に対して恰もスピーカカバー210sの全面が発光しているように印象づけることとなる。特に、カバー前面で、スピーカ本体2108の露出部に対向する部分にも凹凸部2107が形成されているために、LED光を拡散する効果がさらに高まることとなる。
【0109】
なお、上述した第2の実施形態ではスピーカカバー210sの内側一面(裏面)に凹凸部2107を形成した場合について説明したが、本発明はこのほかに、スピーカカバー210sの内側一面に連続した段差(階段形状を含む)を形成しても同様の効果が得られるものである。あるいは、スピーカカバー210s内に拡散シート(所謂、プリズムシートを含む)を設けても同様の効果が得られるものである。
【0110】
また、上述した第2の実施形態ではスピーカカバー210sの内側一面(裏面)に凹凸部2107を形成した場合について説明したが、本発明はこれに加えて、スピーカカバー210sの外側(表側)にレンズ面を形成してもよい。この場合は、凹凸部2107で乱反射された光をさらに拡散させるという効果が得られる。
【0111】
また、上述した第2の実施形態ではLED基板2106eに対して垂直な方向を、LED2106a〜2106dの向きとした場合について説明したが、本発明はこのほかに、LED基板2106eに対して非垂直な方向をLED2106a〜2106dの向きとしても同様の効果が得られるものである。
【0112】
さらに、上述した第2の実施形態ではスピーカ本体2108が埋め込まれている凹部2110の段差部2110dの一部に、LED基板2106eを取り付けた場合について説明したが、本発明はこのほかに、段差部2110dの全周面にLED基板2106eを取り付けるか、あるいは段差部2110dに、LED基板2106eおよびLED2106a〜2106dの厚さよりも深く、LED基板2106eの幅よりも広い帯状の溝を形成し、この溝内にLED基板2106eを取り付けても同様の効果が得られるものである。
【0113】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係るパチスロ機は、筐体側で、スピーカ本体2108が一部露出している凹部の底面部2110eを除き、第1の実施形態と概ね同様であるために、図1〜図4、図6を用いると共に同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
【0114】
図16は、本発明の第3の実施形態における筐体片側のスピーカ付近を示す。ここでは、スピーカ21Rについて説明する。なお、スピーカ21Lの構成もスピーカ21Rに準じるために、図示および説明を省略する。
【0115】
スピーカ21Rには、第1の実施形態に準じて筐体側に埋め込まれたスピーカ本体2108と、スピーカ本体2108を覆う透明または半透明で樹脂製のスピーカカバー210(図4に示す)とを有する。このスピーカカバー210の外縁には、取付け用の突起部2101〜2105が形成されている。さらに、スピーカカバー210の内側一面には、光を拡散させるための凹凸部2107(図6に示す)が形成されている。
【0116】
一方、筐体側で、スピーカ本体2108が一部露出している凹部(図5の2110に相当する)の段差部2110dには、第1の実施形態に準じてLED基板2106eが取り付けられ、このLED基板2106e上に白色のLED2106a〜2106dが配設されている。ここでは、段差部2110dの面が、筐体の前面および凹部の底面部2110eに対して略垂直となっている。また、スピーカカバー210の外周は略三角形を成し、この三角形の縦の一辺が横の一辺よりも長いために、前記縦の一辺側にLED2106a〜2106dを配設することで、4個のLEDの間隔をより大きく設定し、LED光の拡散効果を高めている。なお、前記三角形の斜辺側にLED基板2106eを取り付けることも考えられるが、加工および取付け作業の難易度から、前記縦の一辺側に取り付けている。また、LED光がスピーカカバー210の前面に到達するまでの距離を従来よりも大きく設定し、点発光であると認識させないために、LED2106a〜2106dの向きがスピーカカバー210の前面を向かないように、すなわちLED光が直接、スピーカカバー210の前面に到達しないように配置している。ここで、LED2106a〜2106dからの光線の向きは1方向ではなく数十度の角度を有するが、本実施形態ではLED基板2106eに対して垂直方向をLED2106a〜2106dの向きとしている。また、前記凹部の外周には、取付け用の突起部2101〜2105を嵌合するための取付け穴2101a〜2105aが穿たれている。さらに、前記凹部を含む筐体の一部表面には、金属鍍金等によって鏡面が形成されており、LED2106a〜2106dからの光を前記凹部で反射させ、スピーカカバー210sからの光量を補っている。ここでは、前記凹部の底面2110eに、凹凸部(四角錘形状を連続させたもの)が形成されている。
【0117】
このような構成により、LED2106a〜2106dの光は、スピーカカバー210内面の外周部、前部、スピーカ周囲部等に形成された凹凸部2107(図6に示す)と、筐体前面の凹部の底面2110eに形成された凹凸部(図16に示す)とによって乱反射し、スピーカカバー210を透過することで拡散され、遊技者に対して恰もスピーカカバー210の全面が発光しているように印象づけることとなる。特に、筐体前面の凹部の底面2110eにも凹凸部が形成されているために、LED光を拡散する効果がさらに高まることとなる。
【0118】
なお、上述した第3の実施形態では筐体前面の凹部の底面2110eに四角錘を連続して形成した場合について説明したが、本発明はこのほかに、円錐、三角錐、半球、段差形状などを用いても同様の効果が得られるものである。さらに、異なる形状を混在させ、あるいは不規則な形状を用いても同様の効果が得られるものである。
【0119】
なお、上述した第3の実施形態ではスピーカカバー210の内側一面(裏面)に凹凸部2107を形成した場合について説明したが、本発明はこのほかに、スピーカカバー210の内側一面に連続した段差(階段形状を含む)を形成しても同様の効果が得られるものである。あるいは、スピーカカバー210内に拡散シート(所謂、プリズムシートを含む)を設けても同様の効果が得られるものである。
【0120】
また、上述した第3の実施形態ではスピーカカバー210の内側一面(裏面)に凹凸部2107を形成した場合について説明したが、本発明はこれに加えて、スピーカカバー210の外側(表側)にレンズ面を形成してもよい。この場合は、凹凸部2107で乱反射された光をさらに拡散させるという効果が得られる。
【0121】
また、上述した第3の実施形態ではLED基板2106eに対して垂直な方向を、LED2106a〜2106dの向きとした場合について説明したが、本発明はこのほかに、LED基板2106eに対して非垂直な方向をLED2106a〜2106dの向きとしても同様の効果が得られるものである。
【0122】
また、上述した第3の実施形態ではスピーカ本体2108が埋め込まれている凹部の段差部2110dの一部に、LED基板2106eを取り付けた場合について説明したが、本発明はこのほかに、段差部2110dの全周面にLED基板2106eを取り付けるか、あるいは段差部2110dに、LED基板2106eおよびLED2106a〜2106dの厚さよりも深く、LED基板2106eの幅よりも広い帯状の溝を形成し、この溝内にLED基板2106eを取り付けても同様の効果が得られるものである。
【0123】
なお、上述した第1〜第3の実施形態同士を組み合わせても同様の効果が得られるものである。さらに、上述した第1〜第3の実施形態では本発明をパチスロ機に適用した場合について説明したが、本発明はこのほかに、スロット機以外のパチンコなどに適用しても同様の効果が得られるものである。
【0124】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、遊技機の正面に対し、複数の発光手段(例えば、LED2106a〜2106d)の配置(LED基板の発光面の向き)前向きから横向きに変え、光源からの光が間接的に遊技者に届くようにしたので、音出力手段カバー(スピーカカバーを含む)の全面が発光しているという印象を与えることができる。
【0125】
また、本発明によれば、複数の発光手段(光源)は、遊技機の筐体凹部の段差部に配設されているので、前記段差部に配列された光源が点で発光しているという印象を与えることを回避できる。
【0126】
また、本発明によれば、音出力手段カバーの内側一面に形成された凹凸形状が、発光手段の発する光を乱反射して拡散させるので、音出力手段カバーの全面が発光しているという印象を与えることができる。
【0127】
また、本発明によれば、発光手段としてLEDを用いるので、光源の向きと大きさとから、点で発光しているという印象を与えることを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遊技機の第1の実施形態を示す図であり、遊技機としてのパチスロ機の外観を示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態におけるリールが表示されたパチスロ機の外観を示す斜視図である。
【図3】第1の実施形態におけるスピーカの概観を示す斜視図である。
【図4】第1の実施形態におけるスピーカカバーの裏面(内側)を示す斜視図である。
【図5】第1の実施形態におけるスピーカの筐体側部分を示す図である。
【図6】第1の実施形態におけるLED光の拡散を説明する図である。
【図7】第1の実施形態における液晶表示装置の構成を示す図である。
【図8】第1の実施形態におけるリールの外周面に描かれた図柄列を示す図である。
【図9】第1の実施形態における入賞図柄組合せに対応する役および払出枚数を示す図である。
【図10】第1の実施形態における主制御回路の構成を示すブロック図である。
【図11】第1の実施形態における小役内部当選時に使用される当り用停止制御テーブルを示す図である。
【図12】第1の実施形態における小役内部当選時に使用される順押し・中押しはずれ用停止制御テーブルを示す図である。
【図13】第1の実施形態における小役内部当選時に使用される逆押しはずれ用停止制御テーブルを示す図である。
【図14】第1の実施形態における副制御回路の構成を示すブロック図である。
【図15】第2の実施形態におけるスピーカカバーの裏面(内側)を示す斜視図である。
【図16】第3の実施形態におけるスピーカの筐体側部分を示す図である。
【符号の説明】
1 パチスロ機
2 キャビネット
2a パネル表示部
21L、21R スピーカ
71 主制御回路
72 副制御回路
78 音源IC
79 パワーアンプ
210、210s スピーカカバー
2101〜2105 突起部
2101a〜2105a 取付け穴
2106 スピーカLED
2106a〜2106d LED(スピーカLED)
2106e LED基板
2107 凹凸部
2108 スピーカ本体
2109 孔
2110 凹部
2110d 段差部
2110e 底面部

Claims (4)

  1. 筐体前面に段差をもって形成された凹部の底面に一部露出して音を出力する音出力手段と、前記段差の周面に取り付けられて発光する複数の発光手段と、前記音出力手段の露出部を囲み、かつ前記複数の発光手段を覆うように設けられた音出力手段カバーと、を備え、
    前記周面は前記筐体前面および前記凹部の底面に対して垂直に形成され、前記凹部は略三角形に形成され、前記三角形は前記筐体前面の上端および側端と垂直な2辺と前記2辺の一端を結ぶ湾曲した斜辺とからなり、前記斜辺は前記筐体前面の側端側に形成されるとともに前記2辺のうち長辺は前記側端と平行に形成され、前記複数の発光手段は前記周面において前記長辺側に前記筐体前面に対して平行に配列されたことを特徴とする遊技機。
  2. 前記底面に凹凸を有する鏡面が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記音出力手段カバーの内側一面に、連続する凹凸が形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
  4. 前記発光手段に、発光ダイオードを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技機。
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