JP4442453B2 - 電子制御液圧ブレーキシステム - Google Patents
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Description
この種の電子制御液圧ブレーキシステムにおいて、電子制御装置はイグニッションスイッチのオン操作に応じて起動されるのが普通であるが、イグニッションスイッチがオフの状態でブレーキ操作が行われることがある。この場合には、電子制御装置が作動しないため、マスタシリンダの液圧に基づいてホイールシリンダが作動させられることになる。しかも、ホイールシリンダの全部は作動させられず、一部のもののみが作動させられる場合が多い。
例えば、下記特許文献2には、ホイールシリンダの液圧が動力液圧源の液圧に基づいて制御される場合には、マスタシリンダとホイールシリンダとの連通がマスタシリンダ遮断弁により遮断される一方、マスタシリンダの一部として構成されたストロークシミュレータ部からリザーバへブレーキ液が流出することが常閉の電磁開閉弁により許容されるとともに、ブレーキ操作部材たるブレーキペダルに徐々に増大する操作反力が加えられるようにすることが記載されている。この電子制御液圧ブレーキシステムにおいて、ブレーキ操作に対応して電子制御装置が起動される場合には、ホイールシリンダの液圧制御開始に際して、マスタシリンダ遮断弁が遮断状態とされるとともに常閉の電磁開閉弁が開かれてストロークシミュレータ部が機能状態とされるため、ブレーキペダルの操作反力が急に小さくなり、踏込みストロークが急増して、運転者に違和感を抱かせる。
本発明は、以上の事情を背景として、ブレーキ操作に応じて電子制御装置が起動(ブレーキ操作対応起動と称する)される電子制御液圧ブレーキシステムであって、ブレーキ操作対応起動時に運転者に違和感を抱かせることが少ないものを得ることを課題としてなされたものである。
なお、複数のホイールシリンダのうち、上記のようにストロークシミュレータ装置の機能を果たさせられないものについては、電子制御装置が動力液圧源の液圧に基づく液圧制御が可能な状態になれば、直ちに液圧制御が開始されるようにすることができ、そのようにすれば、車両全体としての制動力の不足も良好に回避することができる。
しかも、本電子制御液圧ブレーキシステムにおいては、流出許容部が、ブレーキ操作部材の操作量が第一設定操作量に達するまでは電子制御装置が切換装置に前記少なくとも1つのホイールシリンダをマスタシリンダから遮断させることを禁止し、第一設定操作量を超えれば遮断させることを許容する遮断禁止部を含むものとされるため、ブレーキ操作部材の操作量が第一設定操作量に達した後は、電子制御液圧ブレーキシステム全体を通常の制御状態に移行させることができる。すなわち、マスタシリンダに連通させられてストロークシミュレータ装置の機能を果たしていたホイールシリンダが、マスタシリンダから遮断され、電子制御装置による液圧制御が可能な状態とし得るのである。
そのマスタシリンダに接続され、複数の車輪の回転をそれぞれ抑制するブレーキを作動させる複数のホイールシリンダと、
動力により液圧を発生させる動力液圧源と、
少なくともそれらマスタシリンダ,複数のホイールシリンダおよび動力液圧源の間に設けられ、少なくともそれらの連通状態を切り換える切換装置と、
その切換装置を、少なくとも、前記複数のホイールシリンダの少なくとも一部のものを前記マスタシリンダと連通させる第一状態と、その少なくとも一部のホイールシリンダを前記マスタシリンダから遮断し、前記動力液圧源の液圧に基づいてその少なくとも一部のホイールシリンダの液圧を前記ブレーキ操作部材の操作に応じた大きさに制御する第二状態とに制御する電子制御装置と、
前記ブレーキ操作部材が操作されたことを検出するブレーキスイッチがオン状態となることに基づいて、前記電子制御装置を起動させるブレーキ操作対応起動部と、
そのブレーキ操作対応起動部による電子制御装置起動の原因となった前記ブレーキ操作部材の操作に伴って前記マスタシリンダから前記少なくとも一部のホイールシリンダの少なくとも1つへのブレーキ液の流出を許容する状態に、前記切換装置を制御する流出許容部と
を含む電子制御液圧ブレーキシステム。
電子制御液圧ブレーキシステムにおいては、電子制御装置の故障時にはホイールシリンダがマスタシリンダの液圧によって作動可能とされることが多い。つまり、通常は、マスタシリンダと複数のホイールシリンダの少なくとも一部のものとが連通状態に保たれることが多いのである。この場合には、ブレーキ操作対応起動部により電子制御装置が起動された場合には、少なくともそのブレーキ操作の前期においては電子制御装置による切換装置の制御が禁止されるようにすれば、目的を達し得る。この場合には、流出許容部を制御禁止部と称することができる。
また、電子制御液圧ブレーキシステムには、イグニッションスイッチ等駆動源起動装置のオン操作に応じて電子制御装置を起動させる起動部が設けられるのが普通であり、その第一起動部あるいは主起動部との対比において、ブレーキ操作対応起動部を第二あるいは副起動部と称することも可能である。しかし、主起動部の存在は不可欠ではない。例えば、電子制御装置は、イグニッションスイッチの状態とは無関係にブレーキ操作対応起動部により起動され、一旦起動されてもブレーキ操作が行われることなく一定時間が経過した場合には自動的に作動を停止させられるようにすることも可能なのである。
なお、本電子制御液圧ブレーキシステムはストロークシミュレータ装置を備えないか、備えている場合は不機能状態に保たれるものとする。
(2)前記流出許容部が、前記ブレーキ操作部材の操作量が第一設定操作量に達するまでは前記電子制御装置が前記切換装置に前記少なくとも1つのホイールシリンダを前記マスタシリンダから遮断させることを禁止し、第一設定操作量を超えれば遮断させることを許容する遮断禁止部を含む(1)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
ブレーキ操作部材の操作ストロークを操作量と考えることも、操作力を操作量と考えることも可能である。いずれにしても、操作量が第一設定操作量に達するまで、少なくとも1つのホイールシリンダのマスタシリンダからの遮断が禁止されれば、マスタシリンダから複数のホイールシリンダの少なくとも1つへのブレーキ液の流出が許容され、ブレーキ操作部材の適切なストロークの操作が可能となる。
操作量として操作ストロークを採用すれば、ブレーキ操作対応起動部による電子制御装置の起動時におけるブレーキ操作部材の操作ストロークの確保を特に確実に行うことが可能となる。
ホイールシリンダのマスタシリンダからの遮断が許容されれば、マスタシリンダからのブレーキ液の流出が制限され、ブレーキ操作部材の操作ストロークが制限されるが、ブレーキ操作部材の操作量が第一設定操作量に達しており、その後、さらにブレーキ操作部材が操作されるにしても、その量は少ないことが多く、操作ストロークが制限されても運転者が違和感を抱くことは少ない。
ホイールシリンダのマスタシリンダからの遮断が許容された後、次項におけるように、ホイールシリンダの液圧が動力液圧源の液圧に基づいて高められるようにすることが望ましいが、不可欠ではない。電子制御装置がブレーキ操作部材の操作に応じて起動される場合、車両は停止していて、ブレーキ操作部材の操作により生じさせられる車両全体の制動力が小さくて済む場合が多く、マスタシリンダから遮断されたホイールシリンダの液圧がそれ以後増大しなくてもよいのが普通であるからである。
(3)前記流出許容部が、前記ブレーキ操作部材の操作量が第一設定操作量に達するまでは、前記電子制御装置が、前記切換装置を、前記少なくとも1つのホイールシリンダの液圧を前記動力液圧源の液圧に基づいて制御する状態とすることを禁止し、第一設定操作量を超えれば許容する液圧制御禁止部を含む(2)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
上記液圧制御禁止部により許容される上記少なくとも1つのホイールシリンダの液圧の制御は、前記第二状態における制御と同じ制御であってもよいが、異なった制御であってもよい。後者の場合には、例えば、少なくとも1つのホイールシリンダの液圧がブレーキ操作部材の操作量に対応する大きさとされる点では第二状態における制御と同じであるが、操作量とホイールシリンダの液圧との関係が異なる制御とすることができる。
上記少なくとも1つのホイールシリンダの液圧が動力液圧源の液圧に基づいて制御されるようにすれば、ストロークシミュレータとして機能するホイールシリンダの液圧を、その機能を終えた後さらに高めることが可能となり、必要に応じて、マスタシリンダの液圧より高くすることも可能となって、車両全体としての制動力を大きくすることが可能となる。
(4)前記液圧制御禁止部により前記少なくとも1つのホイールシリンダの液圧の制御が許容された後、前記ブレーキ操作部材の操作量が第二設定操作量まで減少させられた際、前記電子制御装置が、前記切換装置に、前記少なくとも1つのホイールシリンダを前記マスタシリンダから遮断させること、および、その少なくとも1つのホイールシリンダの液圧を前記動力液圧源の液圧に基づいて制御させることを再び禁止する再禁止部と、
その再禁止部による再禁止の前に前記少なくとも1つのホールシリンダの実際の液圧を前記マスタシリンダの実際の液圧に漸近させる漸近制御部と
を含む(3)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
流出許容部が液圧制御禁止部を含む場合に、ブレーキ解除操作時に運転者が違和感を抱く場合がある。その理由は以下のように推測される。ブレーキ解除操作が迅速に行われる場合には、それに伴ってマスタシリンダ圧は迅速に低下するが、ホイールシリンダ圧には制御遅れに起因する低下遅れが生じ、ホイールシリンダとマスタシリンダとが連通させられる際に、両者の間に液圧差が存在し、この液圧差の影響がブレーキ操作部材に伝達されて運転者に違和感を抱かせると推測されるのである。それに対し、漸近制御部を設ければ、再禁止部による再禁止の前に、すなわち、マスタシリンダとホイールシリンダとが連通させられる前に、ホイールシリンダの実際の液圧がマスタシリンダの実際の液圧に漸近させられるため、再禁止時に運転者に違和感を抱かせることを防止し、あるいは違和感を軽減することができる。
漸近制御部は、ブレーキ操作部材の操作量が第二設定操作量まで減少させられる間は常にホイールシリンダの実際の液圧をマスタシリンダの実際の液圧に漸近させる態様とすることも、第二設定操作量の近傍においてのみ漸近させる態様とすることもできる。
ここにおいて「マスタシリンダの実際の液圧」には、ブレーキ操作部材の操作量が第一設定操作量に達して少なくとも1つのホイールシリンダがマスタシリンダから遮断された際のマスタシリンダ圧と、現時点でのマスタシリンダ圧とが含まれる。
(5)前記切換装置が、
前記マスタシリンダと前記複数のホイールシリンダの少なくとも一部のものとの間に設けられ、その少なくとも一部のホイールシリンダとマスタシリンダとの連通を遮断する1つ以上のマスタシリンダ遮断弁と、
その1つ以上のマスタシリンダ遮断弁の少なくとも1つが開かれた状態では前記マスタシリンダから前記複数のホイールシリンダ以外へのブレーキ液の流出を阻止する不機能状態となり、前記1つ以上のマスタシリンダ遮断弁が閉じられた状態では許容するとともに、前記ブレーキ操作部材に、そのブレーキ操作部材の操作ストロークの増大に伴って増大する反力を作用させる機能状態となるストロークシミュレータ装置と
を含み、かつ、前記流出許容部が、前記ストロークシミュレータ装置が前記マスタシリンダからのブレーキ液の流出を阻止する状態で、前記1つ以上のマスタシリンダ遮断弁の少なくとも1つが遮断状態となることを禁止する遮断禁止部を含む(1)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
ストロークシミュレータ装置は、マスタシリンダの加圧室から排出されるブレーキ液を収容しつつマスタシリンダの液圧を増加させるストロークシミュレータと、そのストロークシミュレータとマスタシリンダとの間に設けられて両者の連通,遮断を制御するシミュレータ制御弁とを含むものとされることが多いが、不可欠ではない。例えば、マスタシリンダの一部として構成されたストロークシミュレータ部と、それのシミュレータ室とリザーバとの連通,遮断を制御するシミュレータ制御弁とを含むものとしてもよいのである。ストロークシミュレータ部は、例えば前記特許文献2に記載されているように、マスタシリンダのハウジング内に加圧室とシミュレータピストンにより仕切られたシミュレータ室を形成したものとすることができる。シミュレータ室のブレーキ液の流出が許容されれば、シミュレータピストンが移動可能であり、加圧室自体からはブレーキ液が流出しなくても、加圧ピストンが作動可能であってブレーキ操作部材に操作ストロークを発生させることができるのである。この場合には、シミュレータ室からのブレーキ液の流出もマスタシリンダからの流出とみなすこととする。
いずれにしても、ストロークシミュレータ装置は、マスタシリンダと複数のホイールシリンダの少なくとも1つとの連通がマスタシリンダ遮断弁により遮断されない状態では不機能状態とされる一方、マスタシリンダ遮断弁が遮断状態とされ、ホイールシリンダの液圧が動力液圧源の液圧に基づいて制御される状態では機能状態とされる。
この形式のシステムにおいては、流出許容部を、ストロークシミュレータ装置の不機能状態で、マスタシリンダ遮断弁が閉じることを禁止する遮断禁止部を含むものとすれば、マスタシリンダから複数のホイールシリンダの少なくとも1つへの流出を許容することができる。
(6)前記切換装置が、前記複数のホイールシリンダの各々とリザーバおよび前記動力液圧源との間にそれぞれ設けられ、少なくとも、動力液圧源から各ホイールシリンダへのブレーキ液の流入を許容する状態と、各ホイールシリンダからリザーバへのブレーキ液の流出を許容する状態とに切り換え可能な複数の液圧制御弁装置を含み、前記流出許容部が、前記遮断禁止部が前記1つ以上のマスタシリンダ遮断弁の少なくとも1つが閉じることを禁止する状態で前記液圧制御弁装置による前記少なくとも1つのホイールシリンダの液圧の制御を禁止する液圧制御禁止部を含む(5)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
前記複数のホイールシリンダの各々に対する液圧制御弁装置は、例えば、1つの方向切換弁により構成したり、2つの開閉弁の組み合わせで構成したりすることができる。いずれにしても、マスタシリンダ遮断弁が遮断禁止部により遮断を禁止され、マスタシリンダから上記少なくとも1つのホイールシリンダへのブレーキ液の流出が許容された状態では、液圧制御弁装置も液圧制御禁止部により作動を禁止され、動力液圧源のブレーキ液が同じホイールシリンダへ流入しないようにされることが望ましい。
なお、液圧制御弁装置は、上記2つの状態の他に、例えばホイールシリンダへのブレーキ液の流入もホイールシリンダからのブレーキ液の流出も許容しない状態とすることができるものであることが望ましい。
(7)前記流出許容部が、前記マスタシリンダから、前記複数の車輪のうち、左車輪の回転を抑制するブレーキを作動させるホイールシリンダと、右車輪の回転を抑制するブレーキを作動させるホイールシリンダとのいずれか一方へのブレーキ液の流出を許容するものである(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
他方のホイールシリンダについては、ブレーキ操作部材の操作開始当初から電子制御装置により液圧が制御されるようにすることができ、左右の車輪について、マスタシリンダからのホイールシリンダへのブレーキ液の流出を許容する場合に比較して、大きい制動力を得ることができる。
(8)前記流出許容部が、前記マスタシリンダから、前記複数の車輪のうち、前輪の回転を抑制するブレーキを作動させるホイールシリンダへのブレーキ液の流出を許容するものである(1)項ないし(7)項のいずれかに記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
本項が(7)項に従属する態様では、左前輪の回転を抑制するブレーキを作動させるホイールシリンダと、右前輪の回転を抑制するブレーキを作動させるホイールシリンダとのいずれか一方についてマスタシリンダからのブレーキ液の流出が許容される。
(7)項および(8)項の各特徴は、(9)項ないし(20)項のいずれかに記載の電子制御液圧ブレーキシステムにも採用することが可能である。
(9)ブレーキ操作部材の操作に応じて液圧を発生させるマスタシリンダと、
そのマスタシリンダに接続され、複数の車輪の回転をそれぞれ抑制するブレーキを作動させる複数のホイールシリンダと、
動力により液圧を発生させる動力液圧源と、
ブレーキ液を貯蔵するリザーバと、
前記マスタシリンダと前記複数のホイールシリンダの少なくとも一部のものとの間に設けられ、その少なくとも一部のホイールシリンダとマスタシリンダとを連通させる連通状態と、遮断する遮断状態とに切り換え可能な1つ以上のマスタシリンダ遮断弁と、
その1つ以上のマスタシリンダ遮断弁の少なくとも1つの連通状態では前記マスタシリンダから前記複数のホイールシリンダ以外へのブレーキ液の流出を阻止する不機能状態となり、前記1つ以上のマスタシリンダ遮断弁のすべてが閉じられた状態では前記流出を許容するとともに、前記ブレーキ操作部材に、そのブレーキ操作部材の操作ストロークの増大に伴って増大する反力を作用させる機能状態となるストロークシミュレータ装置と、
前記複数のホイールシリンダの各々と、前記動力液圧源および前記リザーバとの間にそれぞれ設けられ、少なくとも、動力液圧源から各ホイールシリンダへのブレーキ液の流入を許容する状態と、各ホイールシリンダからリザーバへのブレーキ液の流出を許容する状態とにそれぞれ切り換え可能な複数の液圧制御弁装置と、
前記1つ以上のマスタシリンダ遮断弁,前記ストロークシミュレータ装置および前記複数の液圧制御弁装置に接続され、少なくとも、前記1つ以上のマスタシリンダ遮断弁の少なくとも1つを前記連通状態とするとともに前記ストロークシミュレータ装置を前記不機能状態とする第一状態と、前記1つ以上のマスタシリンダ遮断弁のすべてを前記遮断状態とするとともに前記ストロークシミュレータ装置を前記機能状態とし、かつ、前記複数の液圧制御弁装置を制御して前記複数のホイールシリンダの液圧を前記ブレーキ操作部材の操作量に応じた大きさに制御する第二状態とをとり得る電子制御装置と、
前記ブレーキ操作部材が操作されたことを検出するブレーキスイッチがオン状態となることに基づいて、前記電子制御装置を起動させるブレーキ操作対応起動部と、
そのブレーキ操作対応起動部による電子制御装置起動の原因となった前記ブレーキ操作部材の操作の間は、前記ストロークシミュレータ装置を前記不機能状態に保つ不機能状態保持部と、
前記ブレーキ操作対応起動部による電子制御装置起動の原因となった前記ブレーキ操作部材の操作の少なくとも前期に、前記1つ以上のマスタシリンダ遮断弁の少なくとも1つの前記遮断状態への切換えと、前記複数の液圧制御弁装置のうちその1つ以上のマスタシリンダ遮断弁に対応するものの制御とを禁止することにより、前記マスタシリンダから前記少なくとも一部のホイールシリンダの少なくとも1つへのブレーキ液の流出を許容する流出許容部と
を含む電子制御液圧ブレーキシステム。
流出許容部と不機能状態保持部とは電子制御装置に設けられてもよく、少なくとも一方が電子制御装置とは別個に設けられてもよい。例えば、電子制御装置と切換装置とを接続する接続線の途中に設けられ、前者から後者への駆動電流の供給を制御する回路が後者の一例である。
(10)前記流出許容部が、前記ブレーキ操作部材の操作量が第一設定操作量に達するまでは前記1つ以上のマスタシリンダ遮断弁の前記遮断状態への切換えと、前記複数の液圧制御弁装置のうちその1つ以上のマスタシリンダ遮断弁に対応するものの制御とを禁止する液圧制御禁止部を含む(9)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
ブレーキ操作部材の操作ストロークを操作量と考えることも、操作力を操作量と考えることも可能である。いずれにしても、操作量が設定操作量に達するまで、1つ以上のマスタシリンダ遮断弁の遮断状態への切換えとその1つ以上のマスタシリンダ遮断弁に対応する液圧制御弁装置の制御とが禁止されれば、マスタシリンダから複数のホイールシリンダの少なくとも1つへのブレーキ液の流出が許容され、ブレーキ操作部材の適切なストロークの操作が可能となる。
マスタシリンダと接続されたホイールシリンダが複数ある場合には、それらの少なくとも1つのものに対応するマスタシリンダ遮断弁の遮断状態への切換えと液圧制御装置の制御とが禁止されれば、その少なくとも1つのホイールシリンダにストロークシミュレータ装置の機能を果たさせることができ、ブレーキ操作部材を操作可能にできる。
複数のホイールシリンダのうち一部のものはマスタシリンダと接続され、他のものはマスタシリンダと接続されないようにすることが可能であり、その場合には、少なくとも上記他のものの液圧は、ブレーキ操作部材の操作量が第一設定操作量に達しない状態でも液圧制御弁装置により制御されるようにすることができ、また、それが望ましい。
(11)前記電子制御装置が、前記ブレーキ操作部材の操作量が前記第一設定操作量を超えた場合に、前記少なくとも1つのホイールシリンダの液圧を少なくとも前記ブレーキ操作部材の操作量に対応する大きさに制御する操作量対応制御部を含む(10)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
操作量対応制御部は、少なくとも1つのマスタシリンダ遮断弁を遮断状態に切り換えるとともに液圧制御装置を制御して、上記少なくとも1つのホイールシリンダの液圧をブレーキ操作部材の操作量に対応する大きさに制御する。
上記少なくとも1つのホイールシリンダについては、操作量が第一設定操作量に達した後も液圧制御装置による液圧制御が行われないようにすることも可能であるが、本項のシステムにおいては、操作量対応制御部により液圧制御が行われる。動力液圧源の液圧に基づく液圧制御が行われなくても、前記少なくとも1つのホイールシリンダはマスタシリンダの液圧により作動させられるが、動力液圧源の液圧に基づく液圧制御が行われれば、一層大きな液圧をホイールシリンダに作用させることが可能となる。
(12)前記電子制御装置が、
前記操作量対応制御部により前記少なくとも1つのホイールシリンダの液圧が制御され、前記ブレーキ操作部材の操作量が第二設定操作量まで減少させられた際、当該電子制御液圧ブレーキシステムを、前記1つ以上のマスタシリンダ遮断弁の前記遮断状態への切換えとそのマスタシリンダ遮断弁に対応する前記液圧制御弁装置の制御とが禁止された禁止状態に復帰させる禁止状態復帰部と、
その禁止状態復帰部による禁止状態への復帰の前に前記少なくとも1つのホールシリンダの実際の液圧を前記マスタシリンダの液圧に漸近させる漸近制御部と
を含む(11)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
電子制御液圧ブレーキシステムが禁止状態復帰部により禁止状態に復帰させられると、上記1つ以上のマスタシリンダ遮断弁が連通状態となる。その際、そのマスタシリンダ遮断弁のマスタシリンダ側とホイールシリンダ側とに液圧差が存在すると、その液圧差解消時の液圧変化の影響がブレーキ操作部材に伝達されて、運転者に違和感を抱かせることがあるが、漸近制御部を設ければ、上記1つ以上のマスタシリンダ遮断弁が連通状態にされる前に、液圧差が減少させられ、上記違和感がなくなり、あるいは小さくなる効果が得られる。
(13)前記第一設定操作量が前記第二設定操作量であって、かつ、
前記漸近制御部が、前記ブレーキ操作部材の操作量が前記第一設定操作量に達した際の前記マスタシリンダの液圧である遮断時マスタシリンダ圧を記憶する遮断時マスタシリンダ圧記憶部を含み、前記操作量が一旦前記第一設定操作量を超えた後、その第一設定操作量まで減少させられる間に、前記少なくとも1つのホイールシリンダの実際の液圧を前記遮断時マスタシリンダ圧に漸近させるものである(12)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
「一旦前記第一設定操作量を超えた後、その第一設定操作量まで減少させられる間に」とは、「操作量が減少させられ始めてから第一設定操作量になるまでの間ずっと」でもよく、「その期間の少なくとも一時期に」でもよい。次項は後者の一例である。
操作量が第一設定操作量まで減少させられたとき、本項の漸近制御部による制御によりホイールシリンダ圧が遮断時マスタシリンダ圧になっていれば、マスタシリンダ遮断弁が連通状態になる際のホイールシリンダとマスタシリンダとの液圧差が殆どないこととなり、連通時におけるブレーキ操作部材に対する悪影響や、異音の発生等が良好に回避される。
本項および(14)項の各特徴は、(1)項ないし(8)項にそれぞれ記載の電子制御液圧ブレーキシステムにも適用することができる。
(14)前記漸近制御部が、前記操作量が一旦前記第二設定操作量より大きい第三設定操作量を超えた後、第三設定操作量まで減少させられてから前記第二設定操作量まで減少させられる間に、前記少なくとも1つのホイールシリンダの実際の液圧を前記遮断時マスタシリンダ圧に漸近させるものである(13)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
(15)前記漸近制御部が、前記操作量が一旦前記第一および第二設定操作量より大きい第三設定操作量を超えた後、第三設定操作量まで減少させられてから前記第二設定操作量まで減少させられる間に、前記少なくとも1つのホイールシリンダの実際の液圧を前記マスタシリンダの実際の液圧に漸近させるものである(12)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
本項の漸近制御部は、操作量が一旦第一および第二設定操作量より大きい第三設定操作量を超えた後減少させられる場合は、第三設定操作量まで減少させられてから第二設定操作量まで減少させられる間に、上記少なくとも1つのホールシリンダの実際の液圧をマスタシリンダの実際の液圧に漸近させる。操作量が第三設定操作量を超えないで減少させられる場合は漸近制御部が作動しないようにすることも、作動するようにすることも可能である。
第一設定操作量と第二設定操作量とは同じ大きさとすることも、互いに異なる大きさとすることも可能である。
(16)前記漸近制御部が、前記ブレーキ操作部材の操作量が前記第三設定操作量まで減少させられた際の前記少なくとも1つのホイールシリンダの実際の液圧とマスタシリンダの実際の液圧との差が大きいほど、前記操作量対応制御部の制御ゲインを大きい値に変更する制御ゲイン変更部を含む(15)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
液圧制御装置の制御ゲイン自体を大きくすれば前記ホイールシリンダ圧の制御遅れに起因する問題は解消できるが、ホイールシリンダ圧の制御精度が低下する場合があるという別の問題が生じる。それに対し、制御ゲイン変更部は、ブレーキ操作部材の操作量が第三設定操作量まで減少させられた際の上記少なくとも1つのホイールシリンダの実際の液圧マスタシリンダの実際の液圧との差が大きいほど、操作量対応制御部の制御ゲインを大きい値に変更するものであるため、ブレーキ解除操作速度が大きく、ホイールシリンダ圧の制御遅れが大きいほど制御ゲインが大きくされることとなり、ホイールシリンダ圧の制御精度の低下を良好に回避しつつブレーキ解除操作時の違和感を軽減あるいは消滅させることができる。
(17)前記漸近制御部が、前記操作量が前記第三設定操作量から前記第二設定操作量まで減少させられるにつれて、前記操作量対応制御部により決定される目標液圧を前記マスタシリンダの実際の液圧に漸近するように修正する目標液圧修正部を含む(15)項または(16)項に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
電子制御装置は、通常は上記少なくとも1つのホイールシリンダの液圧を操作量対応制御部により決定される目標液圧に制御し、第三設定操作量から第二設定操作量までの間では目標液圧修正部により修正された目標液圧に制御する。
(18)前記操作量対応制御部が、前記少なくとも1つのホイールシリンダの液圧を前記ブレーキ操作部材の操作量としての操作ストロークと予め定められている制御規則とに基づいて制御する操作ストローク対応制御部を含む(11)項ないし(17)項のいずれかに記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
操作ストロークは、ブレーキ操作部材の操作ストローク自体が検出されてもよく、ブレーキ操作部材の操作力をマスタシリンダに入力する入力ロッドのストローク等、ブレーキ操作部材の操作ストロークに比例する量の検出により取得されてもよい。上記予め定められた規則としては、上記少なくとも1つのホイールシリンダの液圧が、制御開始時におけるマスタシリンダ圧から、操作ストロークに対して予め定められている勾配で増大させられるものが好適であるが、それに限定されるものではない。
なお、操作量対応制御部による上記少なくとも1つのホイールシリンダの液圧の制御時にはそのホイールシリンダに対応するマスタシリンダ遮断弁が遮断状態にされ、ストロークシミュレータ装置が不機能状態にされるため、マスタシリンダにおける加圧ピストンのストロークは構成部材の弾性変形に基づくものとなり、ブレーキ操作部材の操作ストロークも小さく制限される。この問題を軽減するために、上記ストロークシミュレータ装置とは別に、ブレーキ操作部材とマスタシリンダの加圧ピストンとの間に、機械的なストロークシミュレータを設けることも可能である。
(19)前記操作量対応制御部が、前記少なくとも1つのホイールシリンダの液圧を前記ブレーキ操作部材の操作量としての操作力と予め定められている制御規則とに基づいて制御する操作力対応制御部を含む(11)項ないし(18)項のいずれかに記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
本項が(18)項に従属する場合には、操作ストローク対応制御部と操作力対応制御部との両方が設けられることになる。例えば、状況に応じて、いずれか一方が選択的に作動させられ、あるいは一方が他方に対するフェイルセーフ部とされる場合に有効な態様である。
操作力は、ブレーキ操作部材に加えられる操作力自体が検出されてもよく、マスタシリンダの液圧等、操作力に比例する量の検出により取得されてもよい。
操作量対応制御部による上記少なくとも1つのホイールシリンダの液圧の制御時には、前述のように、ブレーキ操作部材の操作ストロークが比較的小さく制限される。前述の機械的ストロークシミュレータを設ければ制御開始許容後の操作ストロークをある程度大きくすることも可能であるが限度がある。したがって、操作ストローク対応制御部においては、操作ストロークの微小な変化に対応して上記少なくとも1つのホイールシリンダ圧の制御を行うことが必要となり、制御精度を高くすることが比較的困難なのであるが、操作力対応制御部を採用すれば、容易に上記少なくとも1つのホイールシリンダ圧の制御精度を高めることができる。
(20)前記電子制御装置を、予め定められた条件が満たされた場合に自動で停止させる自動停止部を含む(1)項ないし(19)項のいずれかに記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
自動停止部は、イグニッションスイッチがオフの状態で予め定められた条件が満たされた場合に電子制御装置を自動停止させるものとすることも、イグニッションスイッチのオン,オフの状態いかんを問わず、予め定められた条件が満たされた場合に電子制御装置を自動停止させるものとすることもできる。また、上記「予め定められた条件」は、近い将来に液圧ブレーキを作用状態とすることが必要になる可能性が低いことを示す条件、あるいは、少なくとも大きな制動力を発生させることが必要になる可能性が低いことを示す条件であり、例えば、(a)イグニッションスイッチがオフにされてから設定時間以上経過したこと、(b)ブレーキ作用操作が行われない状態が設定時間以上継続したこと、(c)ブレーキの不作用状態が設定時間以上継続したこと(液圧ブレーキが自動で作用状態とされることがあるシステムにおいて(b)との間に違いが生じる)、(d)電子制御液圧ブレーキシステムが搭載された車両の停止状態が設定時間以上継続したこと、(e)パーキングブレーキが作用状態にあること、(f)トランスミッションのシフトレバーがニュートラルポジションあるいはパーキングポジションにあること等の少なくとも1つ、あるいはそれらの2つ以上の組合わせとすることができる。
ブレーキアクチュエータ22は、前記ホイールシリンダ14,16および左後輪46および右後輪48の回転をそれぞれ抑制するブレーキを作動させるホイールシリンダ18,20の各液圧を制御する。以後、必要に応じてホイールシリンダ18,20をリヤシリンダ18,20と称する。ブレーキアクチュエータ22は、図1に示すように、2つのマスタシリンダ遮断弁56,58,動力液圧源60,4つの液圧制御弁装置62,2つのマスタシリンダ圧センサ64および4つのホイールシリンダ圧センサ66を備えている。これらブレーキアクチュエータ22の構成要素は図示を省略するボックス状の本体部材に互いに一体的に組み付けられている。
まず、図3に示すラピッドスタート判定ルーチンを説明する。ブレーキペダル10の踏込みにより、あるいはイグニッションスイッチ182がオン操作されることにより、電源回路180から電流が供給されて電子制御装置28が起動されれば、ラピッドスタート判定ルーチンが実行され、ステップ1(以後、S1と略記する)においてフラグFがセットされているか否かが判定される。フラグFは、ラピッドスタートが行われたか否かの判定が行われたことを記憶し、例えば、初期設定においてリセットされており、S1の判定結果はNOになってS2が実行され、フラグFがセットされる。次いでS3が実行され、イグニッションスイッチ182がオン状態に切り換えられているか否かが判定される。イグニッションスイッチ182がオフであれば、S3の判定結果はNOになってS4が実行され、ラピッドスタートにより電子制御装置28が起動されたことが記憶される。例えば、RAM164に設けられたラピッドスタート実行フラグがセットされるのである。それに対し、S3が実行されるとき、イグニッションスイッチ182がオン状態に切り換えられていれば、S3の判定結果はYESになり、S4がスキップされてルーチンの実行が終了する。そのため、ラピッドスタート実行フラグはセットされず、リセットされたままである。
本実施例の電子制御液圧ブレーキシステムにおいては、ラピッドスタート時にブレーキペダル10の踏込みが解除されるとき、フロントシリンダ14,16の実際の液圧が遮断時マスタシリンダ圧PM0に漸近させられる制御が行われる。その他の構成は、上記実施例と同じであり、同じ作用を成す構成要素には同一の符号を付して対応関係を示し、説明を省略する。
電子制御装置28がラピッドスタートにより起動され、ブレーキペダル10の踏込ストロークが設定踏込ストロークST0以上になるとともに、ペダルストローク前回値も設定踏込ストロークST0以上になれば、S51以下のステップが実行される。
Pref=α・Pref0+(1−α)・PM0
α=(PM−PM0)/(PM1−PM0)
Pref0は、本実施例では、作用操作時と同様に設定される目標液圧であり、PMは実際のマスタシリンダ圧である。したがって、マスタシリンダ圧PMが設定マスタシリンダ圧PM1より小さくなれば、係数αは、0より大きく、1より小さい値になり、目標液圧Prefは、作用操作時と同様に設定される目標液圧Pref0と、遮断時マスタシリンダ圧PM0との両方に基づいて設定されることとなる。
Claims (4)
- ブレーキ操作部材の操作に応じて液圧を発生させるマスタシリンダと、
そのマスタシリンダに接続され、複数の車輪の回転をそれぞれ抑制するブレーキを作動させる複数のホイールシリンダと、
動力により液圧を発生させる動力液圧源と、
少なくともそれらマスタシリンダ,複数のホイールシリンダおよび動力液圧源の間に設けられ、少なくともそれらの連通状態を切り換える切換装置と、
その切換装置を、少なくとも、前記複数のホイールシリンダの少なくとも一部のものを前記マスタシリンダと連通させる第一状態と、その少なくとも一部のホイールシリンダを前記マスタシリンダから遮断し、前記動力液圧源の液圧に基づいてその少なくとも一部のホイールシリンダの液圧を前記ブレーキ操作部材の操作に応じた大きさに制御する第二状態とに制御する電子制御装置と、
前記ブレーキ操作部材が操作されたことを検出するブレーキスイッチがオン状態となることに基づいて、前記電子制御装置を起動させるブレーキ操作対応起動部と、
そのブレーキ操作対応起動部による電子制御装置起動の原因となった前記ブレーキ操作部材の操作に伴って前記マスタシリンダから前記少なくとも一部のホイールシリンダの少なくとも1つへのブレーキ液の流出を許容する状態に、前記切換装置を制御する流出許容部と
を含み、かつ、前記流出許容部が、前記ブレーキ操作部材の操作量が第一設定操作量に達するまでは前記電子制御装置が前記切換装置に前記少なくとも1つのホイールシリンダを前記マスタシリンダから遮断させることを禁止し、第一設定操作量を超えれば遮断させることを許容する遮断禁止部を含むことを特徴とする電子制御液圧ブレーキシステム。 - 前記流出許容部が、前記ブレーキ操作部材の操作量が第一設定操作量に達するまでは、前記電子制御装置が、前記切換装置を、前記少なくとも1つのホイールシリンダの液圧を前記動力液圧源の液圧に基づいて制御する状態とすることを禁止し、第一設定操作量を超えれば許容する液圧制御禁止部を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。
- 前記液圧制御禁止部により前記少なくとも1つのホイールシリンダの液圧の制御が許容された後、前記ブレーキ操作部材の操作量が第二設定操作量まで減少させられた際、前記電子制御装置が、前記切換装置に、前記少なくとも1つのホイールシリンダを前記マスタシリンダから遮断させること、および、その少なくとも1つのホイールシリンダの液圧を前記動力液圧源の液圧に基づいて制御させることを再び禁止する再禁止部と、
その再禁止部による再禁止の前に前記少なくとも1つのホールシリンダの実際の液圧を前記マスタシリンダの実際の液圧に漸近させる漸近制御部と
を含むことを特徴とする請求項2に記載の電子制御液圧ブレーキシステム。 - ブレーキ操作部材の操作に応じて液圧を発生させるマスタシリンダと、
そのマスタシリンダに接続され、複数の車輪の回転をそれぞれ抑制するブレーキを作動させる複数のホイールシリンダと、
動力により液圧を発生させる動力液圧源と、
ブレーキ液を貯蔵するリザーバと、
前記マスタシリンダと前記複数のホイールシリンダの少なくとも一部のものとの間に設けられ、その少なくとも一部のホイールシリンダとマスタシリンダとを連通させる連通状態と、遮断する遮断状態とに切り換え可能な1つ以上のマスタシリンダ遮断弁と、
その1つ以上のマスタシリンダ遮断弁の少なくとも1つの連通状態では前記マスタシリンダから前記複数のホイールシリンダ以外へのブレーキ液の流出を阻止する不機能状態となり、前記1つ以上のマスタシリンダ遮断弁のすべてが閉じられた状態では前記流出を許容するとともに、前記ブレーキ操作部材に、そのブレーキ操作部材の操作ストロークの増大に伴って増大する反力を作用させる機能状態となるストロークシミュレータ装置と、
前記複数のホイールシリンダの各々と、前記動力液圧源および前記リザーバとの間にそれぞれ設けられ、少なくとも、動力液圧源から各ホイールシリンダへのブレーキ液の流入を許容する状態と、各ホイールシリンダからリザーバへのブレーキ液の流出を許容する状態とにそれぞれ切り換え可能な複数の液圧制御弁装置と、
前記1つ以上のマスタシリンダ遮断弁,前記ストロークシミュレータ装置および前記複数の液圧制御弁装置に接続され、少なくとも、前記1つ以上のマスタシリンダ遮断弁の少なくとも1つを前記連通状態とするとともに前記ストロークシミュレータ装置を前記不機能状態とする第一状態と、前記1つ以上のマスタシリンダ遮断弁のすべてを前記遮断状態とするとともに前記ストロークシミュレータ装置を前記機能状態とし、かつ、前記複数の液圧制御弁装置を制御して前記複数のホイールシリンダの液圧を前記ブレーキ操作部材の操作量に応じた大きさに制御する第二状態とをとり得る電子制御装置と、
前記ブレーキ操作部材が操作されたことを検出するブレーキスイッチがオン状態となることに基づいて、前記電子制御装置を起動させるブレーキ操作対応起動部と、
そのブレーキ操作対応起動部による電子制御装置起動の原因となった前記ブレーキ操作部材の操作の間は、前記ストロークシミュレータ装置を前記不機能状態に保つ不機能状態保持部と、
前記ブレーキ操作対応起動部による電子制御装置起動の原因となった前記ブレーキ操作部材の操作量が第一設定操作量に達するまでは前記1つ以上のマスタシリンダ遮断弁の前記遮断状態への切換えと、前記複数の液圧制御弁装置のうちその1つ以上のマスタシリンダ遮断弁に対応するものの制御とを禁止することにより、前記マスタシリンダから前記複数のホイールシリンダのうちの前記1つ以上のマスタシリンダ遮断弁に対応するものへのブレーキ液の流出を許容する流出許容部と
を含むことを特徴とする電子制御液圧ブレーキシステム。
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