以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る照明器具の外観の一例を示す斜視図である。図1に示す照明器具1は、照明器具本体2と、照明器具本体2に立設された、放電灯FL1,FL2を照明器具1に取り付けるためのコネクタ4a,4b,4c,4dとを備える。そして、照明器具本体2の内部には、放電灯点灯装置5が格納されている。
図2は、図1に示す放電灯点灯装置5の構成の一例を示す回路図である。図2に示す放電灯点灯装置5は、商用電源Vacの入力を受け付ける電源コネクタ101と、電源コネクタ101を介して供給された商用電源Vacから直流電圧Vdcを生成し、直流電源ラインLを介して放電灯点灯装置5の各部へ供給する電源部102と、直流電源ラインLとグラウンドとの間に介設されるトランジスタQ1及びトランジスタQ2のスイッチング素子による直列回路と、トランジスタQ1,Q2を交互にオン、オフさせることによりトランジスタQ1,Q2の接続点に高周波の矩形波電圧を生じさせてインバータとして機能させ、放電灯FL1,FL2へ発光用の電力を供給させる制御回路部103と、インバータ動作が開始され、すなわち放電灯FL1,FL2を発光させるための電力供給が開始された後に、直流電圧Eの出力を開始する直流電圧源115とを備えている。
また、トランジスタQ1,Q2の接続点は、直流成分カット用コンデンサC1と抵抗R5との並列回路と、共振用トランスT1とを介して放電灯FL1のフィラメントF1における一方の極(1)に接続されている。そして、放電灯FL1,FL2が直列に接続されることにより放電灯直列回路が構成され、この放電灯直列回路と共振用コンデンサC2とが並列に接続されている。さらに、トランスT1、コンデンサC2、及び放電灯FL1,FL2によって、共振負荷回路が構成されている。
制御回路部103は、コンパレータ104,105と、トランジスタQ1,Q2を所定の周期で交互にオン、オフさせるべく制御信号を出力するインバータ制御回路106と、インバータ制御回路106からの制御信号に応じてトランジスタQ1,Q2をオン、オフさせる駆動回路107とを備える。インバータ制御回路106は、例えばCPU(Central Processing Unit)や、タイマー回路を用いて構成されており、トランジスタQ1,Q2をオン、オフさせる周波数を制御してインバータとして動作させるための制御部で、コンパレータ104の出力信号VNLがハイレベル、かつコンパレータ105の出力信号VELがローレベルの場合に、トランジスタQ1,Q2を交互にオンオフさせることによりインバータ動作を開始させ、放電灯FL1,FL2へ電力を供給させる一方、信号VNLがローレベルであるか、または信号VELがハイレベルであるかのいずれかの場合に、トランジスタQ1,Q2をオフさせて放電灯FL1,FL2への電力供給を停止させる。また、制御回路部103は、電源投入から一定の時間、コンパレータ105の出力信号VELがハイレベルになった場合であっても、放電灯FL1,FL2への電力供給を停止させないマスク期間を有している。
放電灯FL1におけるフィラメントF1とは反対側のフィラメントF2と、放電灯FL2のフィラメントF3とは、接続部(7)で直列接続されて、放電灯FL1,FL2による放電灯直列回路が構成されており、この放電灯直列回路と共振用コンデンサC2とが並列に接続されている。すなわち、フィラメントF2,F3、接続部(7)、フィラメントF2の高電位側の極(3)、及びフィラメントF3の低電位側の極(4)が、「直列に接続されているフィラメント部」に相当する。
コンデンサC1と共振用トランスT1との接続点は、抵抗R1,R2を介してグラウンドに接続され、抵抗R2と並列に、コンデンサC7が接続されている。また、コンデンサC7と抵抗R1との接続点が、ダイオードD1を介してコンパレータ105の非反転入力端子に接続されている。そして、抵抗R1,R2、及びコンデンサC7から、負荷の直流成分を検出するDC検出回路114が、構成されている。
また、フィラメントF1における極(1)とは反対側の極(2)は、抵抗R11を介して直流電源ラインLと接続されている。極(2)は、抵抗R3と、抵抗R4とコンデンサC9の並列回路との直列回路を介してグラウンドに接続されており、抵抗R3と抵抗R4の接続点がダイオードD3を介してコンパレータ105の非反転入力端子に接続されている。そして、抵抗R3,R4、及びコンデンサC7から、負荷の直流成分を検出するDC検出回路116が構成されている。
また、直流電圧源115は、抵抗R8,R9,R10を介してグラウンドに接続され、抵抗R10と並列にコンデンサC8が接続され、抵抗R9,R10の接続点がダイオードD2を介してコンパレータ105の非反転入力端子に接続されている。抵抗R8には、抵抗R6とコンデンサC4の直列回路が並列に接続されている。そして、抵抗R8,R9及びコンデンサC4の接続点が、フィラメントF2における接続部(7)とは反対側の極(3)と接続されている。また、フィラメントF3における接続部(7)とは反対側の極(4)は、抵抗R7を介して抵抗R9,R10の接続点と接続されている。そして、抵抗R6,R7,R8,R9,R10,コンデンサC8、及びコンパレータ105によって、フィラメント不良検出回路108が構成されている。フィラメント不良検出回路108は、放電灯FL1,FL2が点灯後に極(3)、極(4)、及び接続部(7)のいずれかが断線や接触不良等の不良状態になった場合に、放電灯FL1,FL2を消灯させるための回路である。
極(1)は、抵抗R12を介して極(3)に接続されている。また、極(4)は、抵抗R13,及び逆接続のツェナーダイオードZD1を介してグラウンドに接続され、ツェナーダイオードZD1と並列にダイオードD4と抵抗R14との直列回路が接続され、抵抗R14と並列にコンデンサC10が接続され、ダイオードD4とコンデンサC10との接続点がコンパレータ104の非反転入力端子に接続されている。そして、抵抗R11,R12,R13,R14,ダイオードD4,ツェナーダイオードZD1、コンデンサC10、及びコンパレータ104によって、無負荷検出回路109が構成されている。無負荷検出回路109は、電源投入時に、極(1),(2),(3),(4)の接続不良や、フィラメントF1,F2,F3の断線等を検出し、放電灯FL1,FL2を消灯させる(点灯させない)ための回路である。
また、直流電源ラインLは、抵抗R15,R16,R17を介してグラウンドに接続され、抵抗R15,R16の接続点が、放電灯FL2の、フィラメントF3とは反対側のフィラメントF4における極(5)と接続されている。そして、抵抗R17と並列にコンデンサC11が接続され、抵抗R17とコンデンサC11の接続点がトランジスタQ3のベースに接続され、トランジスタQ3のエミッタがグラウンドに接続され、トランジスタQ3のエミッタが抵抗R18を介して抵抗R13とダイオードD4のアノードとの接続点に接続されている。そして、抵抗R15,R16,R17,R18、C11、及びトランジスタQ3によって、無負荷検出回路113が構成されている。無負荷検出回路113は、極(5)、極(6)、及びフィラメントF4のいずれかが断線や接触不良等の不良状態になった場合に、放電灯FL1,FL2を消灯させるための回路である。
トランスT1は、二次巻線110,111,112を備えている。そして、二次巻線110の一方端は、コンデンサC3を介して極(1)と接続され、他方端は、極(2)と接続されている。二次巻線111の一方端は、コンデンサC4を介して極(3)と接続され、他方端は、極(4)と接続されている。二次巻線112の一方端は、フィラメントF4における極(5)と接続され、他方端は、コンデンサC5を介して極(5)とは反対側の極(6)と接続されている。
そして、極(1)、極(2)は例えばコネクタ4aによって、放電灯点灯装置5と放電灯FL1との間で接続され、極(3)は例えばコネクタ4bによって、放電灯点灯装置5と放電灯FL1との間で接続され、極(4)は例えばコネクタ4cによって、放電灯点灯装置5と放電灯FL2との間で接続され、極(5)、極(6)は例えばコネクタ4dによって、放電灯点灯装置5と放電灯FL2との間で接続され、接続部(7)は、コネクタ4b及びコネクタ4cによって、放電灯FL1と放電灯FL2との間で接続される。そして、コネクタ4a,4b,4c,4dは、ユーザが放電灯FL1,FL2を脱着可能にされている。
次に、このように構成された放電灯点灯装置5の点灯動作を説明する。図3、図4は、放電灯点灯装置5の動作を説明するための図である。まず、放電灯FL1,FL2におけるフィラメントの状態や、極(1)〜極(6)、接続部(7)等の接続が正常である場合の動作を説明する。まず、ユーザによって電源投入されると、電源コネクタ101によって商用電源Vacが受け付けられ、電源部102によって直流電源ラインLを介して直流電圧Vdcが、放電灯点灯装置5の各部に供給される。
インバータ制御回路106は、直流電圧Vdcが供給されると、トランスT1のインダクタンスとコンデンサC2の容量により決まる無負荷共振周波数foよりも高い周波数fphで、トランジスタQ1,Q2を交互にオンオフさせることにより、インバータの発振動作を開始させる。これにより、放電灯FL1,FL2の直列回路には、点灯開始しない程度の低電圧の共振電圧が印加される。この際、トランスT1の二次巻線110,111,112から、それぞれC3、C4、C5を介してフィラメントF1、フィラメントF2,F3、フィラメントF4を加熱するための先行予熱電流が流れる(先行予熱モード)。
そして、インバータ制御回路106により、予め設定された予熱時間が経過後、放電灯FL1,FL2を点灯させるべくインバータの動作周波数が周波数fphから周波数fstに変化し、放電灯FL1,FL2の直列回路に印加される共振電圧が上昇し、放電灯FL1,FL2が点灯する(始動モード)。
その後、インバータ制御回路106によるインバータのオン、オフ周波数は、さらに低周波数の周波数ftに変化して通常点灯状態に移行し、放電灯FL1,FL2が安定して発光させられる。以上のシーケンス動作によって、放電灯FL1,FL2が点灯される。
ところで、放電灯FL1,FL2のフィラメントが断線していたり、極(1)〜極(6)、接続部(7)等の接続が、外れていたり、接続不良である場合、仮に、そのまま放電灯FL1,FL2を点灯させようとすると、図4に示す無負共振特性に近づこうとするため、放電灯FL1,FL2への印加電圧が上昇し、放電灯点灯装置5内の各回路部における電圧ストレスが増大したり、不良部分にアークが発生したりするという不都合があった。
そこで、図2に示す放電灯点灯装置5は、フィラメント不良検出回路108、無負荷検出回路109、無負荷検出回路113、DC検出回路114、DC検出回路116を備えることにより、放電灯FL1,FL2のフィラメントの断線や、極(1)〜極(6)、接続部(7)等の接続不良を検出し、不良時には放電灯FL1,FL2を点灯させないようにすることで、電圧ストレスを低減するようにしている。
次に、フィラメント不良検出回路108、無負荷検出回路109、無負荷検出回路113、DC検出回路114、DC検出回路116の動作について説明する。まず、放電灯FL1,FL2におけるフィラメントの状態や、極(1)〜極(6)、接続部(7)等の接続が正常である場合の動作を説明する。
まず、ユーザによって電源投入されると、電源コネクタ101によって商用電源Vacが受け付けられ、電源部102によって直流電源ラインLを介して直流電圧Vdcが、放電灯点灯装置5の各部に供給される。
インバータ制御回路106は、直流電圧Vdcが供給されると、無負荷検出回路113において、直流電圧Vdcからの直流バイアス電圧がR15、R16を介して、抵抗R17、コンデンサC11、トランジスタQ3のベースへ印加される。また同時にR15、極(5)、フィラメントF4、極(6)の経路でフィラメントF4へバイアス電圧が印加される。しかしながら、フィラメント抵抗値は概ね数Ω〜数十Ωであり、抵抗R15,R16,R17は共振負荷回路に影響が無いような比較的大きな抵抗値(約数十kΩ〜数MΩ)で構成されている。したがって極(5),(6)間に発生する電圧が非常に小さいため、並列的に接続された抵抗R16や抵抗R17に印加される電圧は極めて低く、トランジスタQ3のベースへの電流供給はほとんど無い。よって、トランジスタQ3はオフする。
また、無負荷検出回路109において、直流電圧Vdcから抵抗R11、R12、R13、及びダイオードD4を介してコンデンサC10、抵抗R14が充電され、充電電圧VC10が、基準電圧VrefNを超える。そうすると、コンパレータ104の出力信号信号VNLはハイレベルとなる。この結果、インバータ制御回路106によって、トランジスタQ1,Q2がオン、オフされてインバータ動作を開始し、高周波の矩形波電圧が出力され、放電灯FL1,FL2へ電力が供給される。
放電灯FL1,FL2への電力供給が開始されると、放電灯FL1,FL2の両端には高周波電圧が発生し、ツェナーダイオードZD1において、高周波電圧が半波整流され、ツェナーダイオードZD1によってピーク部をクランプした電圧波形が発生する。この電圧波形が、ダイオードD4とコンデンサC10と抵抗R14によりフィルタリングされ、インバータが動作後においても充電電圧VC10の電圧が基準電圧VrefNを超えるレベルに維持される。
DC検出回路114においては、直流電圧Vdcから抵抗R11、フィラメントF1、トランスT1、及び抵抗R1を介してコンデンサC7が所定の電圧値まで充電され、コンパレータ105へ充電電圧VC8として出力される。この充電電圧VC8は、放電灯FL1,FL2への電力供給開始時の過渡電圧が抵抗分圧されることにより、基準電圧VrefEを超える場合がある。この場合、インバータ制御回路106には、マスク期間が設けられているため、DC検出回路114から出力された充電電圧VC8の電圧が基準電圧VrefEを越え、コンパレータ105から信号VELがハイレベルで出力された場合であっても、インバータ制御回路106によって放電灯FL1,FL2への電力供給が停止されることはない。また、この趣旨から、マスク期間は、電力供給開始時の過渡応答時間に応じて決定される。
次に、放電灯FL1,FL2へ電力が供給され、放電灯FL1,FL2が点灯すると、放電灯FL1,FL2のインピーダンスは低下する。放電灯FL1,FL2の定格により点灯時のインピーダンスは様々であるが、一般的には数百Ω〜数kΩである。DC検出回路114を構成する抵抗R1,R2は共振負荷回路に影響が無いように数十kΩ〜数百kΩで構成される。したがって、放電灯FL1,FL2が点灯すると、放電灯FL1,FL2に直流電圧が発生しない条件下において、ほとんど抵抗R2、及びコンデンサC7には電圧が発生しないので、電灯FL1,FL2の点灯状態が維持される。
DC検出回路116においては、直流電圧Vdcから抵抗R11,R3を介してコンデンサC9が、所定の電圧値まで充電される。この充電電位値はDC検出回路114の場合と同様、放電灯FL1,FL2への電力供給開始時の過渡電圧により基準電圧VrefEを超える場合がある。しかしながら、インバータ制御回路106には、マスク期間が設けられているため、DC検出回路114から出力された充電電圧VC8の電圧が基準電圧VrefEを越え、コンパレータ105から信号VELがハイレベルで出力された場合であっても、インバータ制御回路106によって放電灯FL1,FL2への電力供給が停止されることはない。
次に、放電灯FL1,FL2へ電力が供給され、放電灯FL1,FL2が点灯すると、放電灯FL1,FL2のインピーダンスは低下する。DC検出回路116においても、DC検出回路114と同様に、DC検出回路116を構成する抵抗R3,R4は、共振負荷回路に影響が無いように数十kΩ〜数百kΩで構成される。したがって、放電灯FL1,FL2が点灯すると放電灯FL1,FL2に直流電圧が印加されない条件下において、ほとんど抵抗R4、コンデンサC9には電圧が発生しないので、電灯FL1,FL2の点灯状態が維持される。
フィラメント不良検出回路108においては、直流電圧源115によって、抵抗R6、R7と抵抗R8、R9を介してコンデンサC8が、所定電圧値まで充電される。この場合、直流電圧源115は、インバータ動作の開始前には、ほとんど出力電圧を発生せず、インバータ動作の開始後に直流電圧Eを出力するので、インバータ動作の開始前にコンデンサC8が充電されることはない。また、電源投入後のマスク期間内においては、フィラメント不良検出回路108から出力された充電電圧VC8の電圧が基準電圧VrefEを越え、コンパレータ105から信号VELがハイレベルで出力された場合であっても、インバータ制御回路106によって放電灯FL1,FL2への電力供給が停止されることはない。
次に、放電灯FL1,FL2へ電力が供給され、放電灯FL1,FL2が点灯すると、放電灯FL1,FL2のインピーダンスは低下する。フィラメント不良検出回路108を構成する抵抗R6,R7,R8,R9,R10は、共振負荷回路に影響が無いように数十kΩ〜数百kΩで構成される。したがって、放電灯FL1,FL2が点灯すると抵抗R7、R9、R10の分圧比が著しく低下し、コンデンサC8には電圧がほとんど発生しないので、電灯FL1,FL2の点灯状態が維持される。
次に、電源投入時にフィラメントF1が断線もしくは極(1)や極(2)が接続不良の場合の動作を説明する。
この場合、無負荷検出回路109においては、電源部102から直流電圧VdcをコンデンサC10へ供給する直流バイアス経路が遮断されるため、コンデンサC10は充電されず、従って充電電圧VC10はVrefN以下となる。そうすると、コンパレータ104から信号VNLがローレベルで出力され、インバータ制御回路106によるトランジスタQ1,Q2のオン、オフ動作が開始されず、放電灯FL1,FL2が点灯されない。
次に、電源投入時にフィラメントF4が断線もしくは極(5)や極(6)が接続不良の場合の動作を説明する。
この場合、無負荷検出回路113において、抵抗R16,R17と並列に接続された極(5)、フィラメントF4、及び極(6)における抵抗値が増大するため、電源部102から出力された直流電圧Vdcによって、抵抗R15,R16を介してトランジスタQ3へベース電流が十分に供給されQ3がオンする。そうすると、抵抗R18は、トランジスタQ3及び抵抗R18の直列回路と並列に接続されている抵抗R14の分圧比を著しく低下させる抵抗値に設定されているため、コンデンサC10の充電電圧VC10が基準電圧VrefN以下となる。そうすると、コンパレータ104から信号VNLがローレベルで出力され、インバータ制御回路106によるトランジスタQ1,Q2のオン、オフ動作が開始されず、放電灯FL1,FL2が点灯されない。
次に、電源投入時にフィラメントF2,F3が断線もしくは極(3)、極(4)、及び接続部(7)が接続不良の場合の動作を説明する。
この場合、無負荷検出回路109において、電源部102から直流電圧VdcをコンデンサC10へ供給する直流バイアス経路が遮断されるため、コンデンサC10は充電されず、従って充電電圧VC10はVrefN以下となる。そうすると、コンパレータ104から信号VNLがローレベルで出力され、インバータ制御回路106によるトランジスタQ1,Q2のオン、オフ動作が開始されず、放電灯FL1,FL2が点灯されない。
この場合、仮に、フィラメント不良検出回路108において、直流電圧源115ではなく電源部102からの直流電圧Vdcによって、抵抗R6、R7と抵抗R8、R9を介してコンデンサC8が所定電圧値まで充電される構成となっていた場合には、無負荷検出回路109において、電源部102から、抵抗R8、R9、R7、R13、ダイオードD4を経由する経路や、抵抗R6から二次巻線111、抵抗R13、ダイオードD4を経由する経路によってコンデンサC10が充電され、充電電圧VC10がVrefNを超え、コンパレータ104から信号VNLがハイレベルで出力され、インバータ制御回路106によるトランジスタQ1,Q2のオン、オフ動作が開始され、放電灯FL1,FL2の点灯動作が開始される結果、図4に示す無負共振特性に近づこうとするため、放電灯FL1,FL2への印加電圧が上昇し、放電灯点灯装置5内の各回路部における電圧ストレスが増大することが考えられる。
しかし、フィラメント不良検出回路108においては、インバータ動作の開始前には、ほとんど出力電圧を発生しない直流電圧源115からの直流電圧Eによって、抵抗R6、R7と抵抗R8、R9を介してコンデンサC8が所定電圧値まで充電される構成となっている。従って、直流電圧源115から上記抵抗R8、R9、R7、R13、ダイオードD4を経由する経路や、抵抗R6から二次巻線111、抵抗R13、ダイオードD4を経由する経路からコンデンサC10が充電されることがなく、放電灯FL1,FL2が点灯されない。
以上のように、電源投入時において、直列に接続されているフィラメントF2,F3、極(3)、極(4)、及び接続部(7)の不良を含め、放電灯FL1,FL2における接続箇所の不良やフィラメント断線を、すべての箇所において検知し、放電灯FL1,FL2の点灯を開始させないようにすることができる。
次に、通常点灯時(マスク期間経過後)において、極(1)が接続不良となった場合の動作を説明する。
この場合、共振負荷回路を流れるランプ電流は、トランスT1からコンデンサC3、二次巻線110、極(2)、フィラメントF1、放電灯FL1、フィラメントF2、接続部(7)、フィラメントF3、放電灯FL2、フィラメントF4、及び極(6)を経由してグラウンドに至る経路で流れる。この場合、無負荷検出回路109におけるR12と、コンデンサC2との接続部分には高周波電圧が継続して発生しているため、コンデンサC10は通常点灯時の電位を保持する。従って、充電電圧VC10が基準電圧VrefNを超え、コンパレータ104の出力信号信号VNLはハイレベルとなるので、極(1)の接続不良は、無負荷検出回路109によっては検出されない。
一方、DC検出回路114においては、この場合、コンデンサC3と放電灯FL1,FL2との直列回路構成部分に対して並列に、DC検出回路114と無負荷検出回路109とが構成される形(R11は除く)となる。この合成インピーダンスをZ1とすると、コンデンサC1とコンデンサC3にはコンデンサC1の直流成分電圧を抵抗R5とインピーダンスZ1で分圧した電圧がそれぞれに分担される。この結果、コンデンサC3と放電灯FL1,FL2の直列構成部分には直流成分電圧が発生するため、DC検出回路114にも直流成分電圧が発生する。従って、コンデンサC7の充電電圧VC8は、基準電圧VrefEを超え、コンパレータ105及びインバータ制御回路106によって、インバータ動作が発振停止され、放電灯FL1,FL2への電力供給がなくなり、放電灯FL1,FL2が消灯される。
次に、通常点灯時(マスク期間後)に極(2)が接続不良となった場合の動作を説明する。
極(2)が接続不良となった場合の共振負荷回路を流れるランプ電流経路は、正常時におけるランプ電流経路(トランスT1、極(1)、放電灯FL1、FL2)と変わらないものの、正常時においてDC検出回路116における抵抗R3,R4と並列に接続されていた放電灯FL1、FL2が極(2)によって分離され、また、抵抗R11,R3の接続点から二次巻線110を介して放電灯FL1、FL2に至る電流経路はコンデンサC3により直流的に分離されているため、抵抗R11,R3,R4の分圧比が放電灯FL1、FL2のインピーダンスに影響されなくなる。従って、抵抗R11,R3,R4の分圧比で決まる電圧によってコンデンサC9が充電され、コンデンサC9の充電電圧VC8は、基準電圧VrefEを超えるため、コンパレータ105及びインバータ制御回路106によって、インバータ動作が発振停止され、放電灯FL1,FL2への電力供給がなくなり、放電灯FL1,FL2が消灯される。
次に、通常点灯時(マスク期間後)にフィラメントF1が断線した場合は、上述した極(1)の接続不良モードもしくは極(2)の接続不良モードの場合と同様の検出機能が働き、インバータ制御回路106によって、インバータ動作が発振停止され、放電灯FL1,FL2への電力供給がなくなり、放電灯FL1,FL2が消灯される。
次に、通常点灯中(マスク期間後)にフィラメントF4が断線したや極(5)や極(6)が接続不良の場合は、上述の電源投入時にフィラメントF4が断線もしくは極(5)や極(6)が接続不良の場合と同様に、無負荷検出回路113によって上記断線や接続不良が検知され、インバータ動作が発振停止されて放電灯FL1,FL2が消灯される。
次に、通常点灯時(マスク期間後)に極(3)もしくは極(7)が接続不良の場合の動作を説明する。極(3)が接続不良の場合は、放電灯FL1,FL2を流れるランプ電流の経路は変化せず接続部(7)を流れる。そうすると、フィラメント不良検出回路108において、直流電圧源115から抵抗R6、二次巻線111、抵抗R7を経由して、抵抗R10とコンデンサC8との並列回路に至る電流経路では、抵抗R7,R10の直列構成に対して放電灯FL2が並列に存在するためコンデンサC8の充電電圧はほとんど発生しない。一方、直流電圧源115から抵抗R8,R9を経由して、抵抗R10とコンデンサC8との並列回路に至る電流経路では、抵抗R9,R10の直列構成に対して放電灯が並列接続されない(コンデンサC4により、抵抗R9,R10の直列回路が放電灯と分離されている)。従って、コンデンサC8は、直流電圧Eを抵抗R8,R9,R10で分圧した直流電圧で充電され、コンデンサC8の充電電圧VC8は、基準電圧VrefEを超えるため、コンパレータ105及びインバータ制御回路106によって、インバータ動作が発振停止され、放電灯FL1,FL2への電力供給がなくなり、放電灯FL1,FL2が消灯される。
一方、極(7)が接続不良の場合は、放電灯FL1から極(7)を経由して放電灯FL2に至るランプ電流の経路が断たれるため、ランプ電流の経路は変化し、放電灯FL1、極(3)、コンデンサC4、二次巻線111、及び極(4)を経由して放電灯FL2に至る電流経路となる。この場合、フィラメント不良検出回路108における抵抗R9,R10の直列構成部分には放電灯が並列接続されず、低インピーダンス要素の接続がないため、コンデンサC8は、直流電圧Eを抵抗R8,R9,R10で分圧した直流電圧で充電され、コンデンサC8の充電電圧VC8は、基準電圧VrefEを超えるため、コンパレータ105及びインバータ制御回路106によって、インバータ動作が発振停止され、放電灯FL1,FL2への電力供給がなくなり、放電灯FL1,FL2が消灯される。
次に、通常点灯時(マスク期間後)に極(4)が接続不良の場合の動作を説明する。極(4)が接続不良の場合は放電灯FL1,FL2におけるランプ電流の経路は変化せず接続部(7)を流れる。この場合、フィラメント不良検出回路108において、抵抗R9,R10の直列構成に対して放電灯FL2が並列に存在するため、コンデンサC8の充電電圧はほとんど発生しない。一方、抵抗R7,R10の直列構成に対しては放電灯が並列接続されず、低インピーダンス要素の接続が無い(コンデンサC4により、抵抗R7,R10の直列回路が放電灯と分離されている)ため、コンデンサC8は、直流電圧Eを抵抗R6,R7,R10で分圧した直流電圧で充電され、コンデンサC8の充電電圧VC8は、基準電圧VrefEを超えるため、コンパレータ105及びインバータ制御回路106によって、インバータ動作が発振停止され、放電灯FL1,FL2への電力供給がなくなり、放電灯FL1,FL2が消灯される。
次に、通常点灯時(マスク期間後)にフィラメントF2やフィラメントF3が断線した場合は、上述した極(3)もしくは極(7)の接続不良モードもしくは極(4)の接続不良モードの場合と同様に、フィラメント不良検出回路108が動作し、インバータ動作が発振停止されて放電灯FL1,FL2が消灯される。
以上のように、図2に示す放電灯点灯装置5及びこれを用いた照明器具1は、例えば電源投入時や負荷再装着時において、直列に接続されているフィラメントF2,F3、極(3)、極(4)、及び接続部(7)の不良を含め、放電灯FL1,FL2における極(1)〜(6)、接続部(7)の接続箇所の不良やフィラメントF1〜F4の断線を、すべての箇所において検知し、電源投入時においては放電灯FL1,FL2の点灯を開始させないようにすると共に、負荷再装着時等においては放電灯FL1,FL2への電力供給を停止させることができる。さらに、通常点灯時においても、放電灯FL1,FL2へ接続される端子、配線等の接続不良や、フィラメント断線等の不良を検出することができるため、アーク発生モードに至ることなくこれらの不良を検出し、放電灯FL1,FL2を消灯させることができる。
これにより、端子等の接続箇所の不良やフィラメント断線不良時に、放電灯FL1,FL2を点灯させようとしてトランジスタQ1,Q2等、回路の各部への電圧ストレスを増大させてしまうことが低減される。また、ユーザが放電灯FL1,FL2の取り付け途中で、極(1),(2)が接続され、まだ極(3)、極(4)、及び接続部(7)の接続を完了していない状態においては、放電灯FL1,FL2の点灯が開始されないため、ユーザに不安感を与えることが低減される。
また、図11に示す背景技術に係る放電灯点灯装置と比較して、図2に示す本発明に係る放電灯点灯装置5では、ほとんど追加部品を必要としないので、コストの上昇を抑制しつつ図11に示す放電灯点灯装置の課題を解決することができる。
また、電源投入時に過渡的に放電灯FL1,FL2に印加される電圧が上昇し、フィラメント不良検出回路108及び検出回路114,116のうちいずれかの検出回路から出力された充電電圧VC8が、基準電圧VrefEを超える場合が考えられるが、制御回路部103はマスク期間を有しているので、このような電源投入時の過渡的な電圧上昇によって、放電灯FL1,FL2を点灯させなくすることを低減することができる。
なお、放電灯が2灯直列の場合を例に説明したが、3灯以上の放電灯が直列接続されても良い。この場合、放電灯同士が直列接続されている接続部分に、それぞれフィラメント不良検出回路108及び無負荷検出回路109と同様の回路を備えればよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施の形態による放電灯点灯装置について説明する。図5は、本発明の第2の実施の形態による放電灯点灯装置の構成の一例を示す回路図である。
図5に示す放電灯点灯装置5aと図1に示す放電灯点灯装置5とでは、下記の点で異なる。すなわち、図5に示す放電灯点灯装置5aでは、放電灯点灯装置5における抵抗R5の代わりに抵抗R5とダイオードD5との直列回路が、コンデンサC1と並列接続されている。また、トランジスタQ2のドレイン、抵抗R5、及びコンデンサC1の接続点が、フィラメント不良検出回路108における抵抗R6,R8と接続されている。そして、トランジスタQ2、抵抗R5、ダイオードD5及びコンデンサC1によって直流電圧源115aが構成されている。すなわち、トランジスタQ2のドレイン、抵抗R5、及びコンデンサC1との接続点に生じた電圧が、直流電圧Eとして用いられる。
その他の構成は図1に示す放電灯点灯装置5と同様であるのでその説明を省略し、以下本実施の形態の動作について説明する。
まず、放電灯点灯装置5aにおける放電灯FL1,FL2を点灯させる動作や、接続不良等の不良を検出して放電灯を点灯させない、あるいは消灯させる動作は、図2に示す放電灯点灯装置5と同様であるので、その説明を省略する。
次に、直流電圧源115aの動作について説明する。まず、インバータ制御回路106によって、トランジスタQ1,Q2によるインバータ動作が開始される前の状態では、トランジスタQ1,Q2は、いずれもオフであり、等価的にはいずれも微小な容量成分を保持し、トランジスタQ2側の両端電圧はほとんど0Vとなっている。そして、直流電圧VdcのほとんどはトランジスタQ1に印加される。従って、トランジスタQ1,Q2によるインバータ動作が開始される前、すなわち放電灯FL1,FL2を発光させるための電力供給が開始される前の状態では、直流電圧源115aの出力する直流電圧Eは、ほぼ0Vとなる。
図6は、トランジスタQ1,Q2によるインバータ動作が開始される前における放電灯点灯装置5aの直流等価回路を示す図である。図6において、各検出回路毎の合成インピーダンスを、ブロックで示している。トランスT1は理想的には直流抵抗は0Ω、コンデンサC2は理想的には直流抵抗は無限大のため省略している。また各放電灯FL1,FL2への配線は正常に接続されていることを前提としている。この場合トランジスタQ2には、並列的にDC検出回路114のインピーダンスが接続され、さらに抵抗R5とダイオードD5を介してフィラメント不良検出回路108、無負荷検出回路109、無負荷検出回路113、及びDC検出回路116の並列回路が接続されている。
一方、トランジスタQ1に対しては、抵抗R11はダイオードD5により直流的に切り離され、インピーダンスは接続されていない。従って、トランジスタQ1とQ2との容量分担比はトランジスタQ1に、ほとんど全て配分される。よって、トランジスタQ2のドレイン端子はほぼ0Vとなる。
また、通常動作時においてコンデンサC1には、図5に示す矢印117の方向で電圧が印加される。また、抵抗R5は、数十kΩ〜数百kΩとされている。このためダイオードD5には通常動作中ほとんど電流が流れないうえ、逆バイアスも印加されない、また過渡的な共振電圧も印加されないため、ダイオードD5はリカバリー特性の高速なダイオードを必要としない。また、フィラメント不良検出回路108は、不良を検出するために大きな電流を必要としないので、ダイオードD5の電流容量を低減することができ、従って、安価なダイオードをダイオードD5として用いることができる。
これにより、直流電圧源115aは、図2に示す直流電圧源115と同様に機能するので、図5に示す放電灯点灯装置5aおよびこれを用いた照明器具は、図2に示す放電灯点灯装置5と同様の効果を奏することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施の形態による放電灯点灯装置について説明する。図7は、本発明の第3の実施の形態による放電灯点灯装置の構成の一例を示す回路図である。
図7に示す放電灯点灯装置5bと図5に示す放電灯点灯装置5aとでは、下記の点で異なる。すなわち、図7に示す放電灯点灯装置5bでは、トランジスタQ2と並列に、直流成分カット用コンデンサC6、予熱用トランスT2、及びトランジスタQ4の直列回路からなる予熱カット回路118が接続されている。また、トランスT1は、二次巻線110,111,112を備えず、トランスT2が二次巻線110,111,112を備えている。そして、インバータ制御回路106aは、トランジスタQ1,Q2に加えて、トランジスタQ4のオン、オフを制御する。駆動回路107aは、インバータ制御回路106aからの制御信号に応じて、トランジスタQ1,Q2,Q4をオン、オフさせる。
その他の構成は図5に示す放電灯点灯装置5aと同様であるのでその説明を省略し、以下本実施の形態の動作について説明する。
まず、放電灯点灯装置5bにおける放電灯FL1,FL2を点灯させる動作や、接続不良等の不良を検出して放電灯を点灯させない、あるいは消灯させる動作は、図5に示す放電灯点灯装置5aと同様であるので、その説明を省略する。
図7に示す放電灯点灯装置5bは、フィラメントF1,F2,F3,F4の予熱動作が異なる。まず、インバータ制御回路106aによって、電源投入後から先行予熱の開始までの期間、及び先行予熱モードの期間、トランジスタQ4をオンさせる。これにより、予熱カット回路118に電流が流れ、トランスT2の二次巻線110,111,112から、それぞれC3、C4、C5を介してフィラメントF1、フィラメントF2,F3、フィラメントF4を加熱するための先行予熱電流が流れ、フィラメントF1,F2,F3,F4が先行予熱される。
そして、始動モード時、及び通常点灯状態においては、インバータ制御回路106aによって、トランジスタQ4はオフされ、予熱カット回路118に電流が流れなくなり、フィラメントF1,F2,F3,F4の常時予熱電流がカットされる。これにより、放電灯点灯装置5bにおける電力損失を低減できる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4の実施の形態による放電灯点灯装置について説明する。図8は、本発明の第4の実施の形態による放電灯点灯装置の構成の一例を示す回路図である。
図8に示す放電灯点灯装置5cと図7に示す放電灯点灯装置5bとでは、下記の点で異なる。すなわち、図8に示す放電灯点灯装置5cでは、トランジスタQ2のドレインと、抵抗R5と、コンデンサC1との接続点の代わりに、コンデンサC6とトランスT2との接続点が、フィラメント不良検出回路108における抵抗R6,R8と接続されている。そして、トランジスタQ2及び予熱カット回路118が、直流電圧源115bとして機能し、コンデンサC6とトランスT2との接続点に生じた電圧が、直流電圧Eとして用いられる。また、放電灯点灯装置5cは、ダイオードD5を備えない。
その他の構成は図7に示す放電灯点灯装置5bと同様であるのでその説明を省略し、以下本実施の形態の動作について説明する。
まず、放電灯点灯装置5cにおける放電灯FL1,FL2を点灯させる動作や、接続不良等の不良を検出して放電灯を点灯させない、あるいは消灯させる動作、及びフィラメントの予熱動作は、図7に示す放電灯点灯装置5bと同様であるので、その説明を省略する。
次に、直流電圧源115bの動作について説明する。まず、電源投入時は、インバータ制御回路106aによってトランジスタQ4がオンされるので、直流電圧Eは、トランジスタQ4及びトランスT2を介してグラウンド電位にされ、ほぼ0Vとなる。また通常動作時は、インバータ制御回路106aによってトランジスタQ4がオフされるので、直流電圧Eとして、ほぼトランジスタQ2の両端電圧が印加される(直流電圧Vdcをピークとするパルス状電圧)。従って、直流電圧源115bは、インバータ制御回路106aによってトランジスタQ1,Q2のインバータ動作が開始され、放電灯FL1,FL2を点灯させるための電力供給が開始された後に直流電圧Eの出力を開始する。
これにより、直流電圧源115bは、図7に示す直流電圧源115aと同様に機能するので、図8に示す放電灯点灯装置5cおよびこれを用いた照明器具は、図7に示す放電灯点灯装置5と同様の効果を奏することができる。また、図7に示す放電灯点灯装置5と比較して、ダイオードD5を削除することができ、回路を簡素化、低コスト化することができる。なお、直流電圧源115bは、トランスT2とトランジスタQ4との接続点に生じた電圧を直流電圧Eとして供給する構成としても、同様の効果が得られる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5の実施の形態による放電灯点灯装置について説明する。図9は、本発明の第5の実施の形態による放電灯点灯装置の構成の一例を示す回路図である。
図9に示す放電灯点灯装置5dと図1に示す放電灯点灯装置5とでは、下記の点で異なる。すなわち、図9に示す放電灯点灯装置5dでは、トランスT1は、二次巻線110,111,112に加えて直流電圧E供給用の二次巻線119を備える。そして、二次巻線119の一端が、グラウンドに接続され、他端が、整流用ダイオードD6と抵抗R19とを介してフィラメント不良検出回路108における抵抗R6,R8と接続されている。そして、二次巻線119、ダイオードD6、及び抵抗R19によって直流電圧源115cが構成されている。すなわち、二次巻線119の出力電圧が、トランジスタQ2のドレイン、と抵抗R5とコンデンサC1との接続点に生じた電圧が、ダイオードD6、及び抵抗R19を介して直流電圧Eとして用いられる。
その他の構成は図1に示す放電灯点灯装置5と同様であるのでその説明を省略し、以下本実施の形態の動作について説明する。
まず、放電灯点灯装置5dにおける放電灯FL1,FL2を点灯させる動作や、接続不良等の不良を検出して放電灯を点灯させない、あるいは消灯させる動作は、図2に示す放電灯点灯装置5と同様であるので、その説明を省略する。
次に、直流電圧源115cの動作について説明する。まず、インバータ制御回路106aによってトランジスタQ1,Q2のインバータ動作が開始され、放電灯FL1,FL2を点灯させるための電力供給が開始される前は、トランスT1に電流が流れないので二次巻線119には電圧が発生しない。そして、インバータ動作が開始後に直流電圧Eが出力される。これにより、直流電圧源115cは、図2に示す直流電圧源115と同様に機能するので、図9に示す放電灯点灯装置5d及びこれを用いた照明器具は、図2に示す放電灯点灯装置5と同様の効果を奏することができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6の実施の形態による放電灯点灯装置について説明する。図10は、本発明の第6の実施の形態による放電灯点灯装置の構成の一例を示す回路図である。
図10に示す放電灯点灯装置5eと図5に示す放電灯点灯装置5aとでは、下記の点で異なる。すなわち、図10に示す放電灯点灯装置5eは、図5に示す放電灯点灯装置5aにおいて、フィラメント不良検出回路108の抵抗R7,R10の部分と、無負荷検出回路109の抵抗R13を一部共通化した例である。図10に示す放電灯点灯装置5eでは、トランスT1は、二次巻線110,111,112に加えて二次巻線120を備える。
そして、二次巻線120の一端が、グラウンドに接続され、他端が、ダイオードD7と抵抗R20とを介して無負荷検出回路109aにおけるダイオードD4のカソードと抵抗R4との接続点に、接続されている。また、無負荷検出回路109aは、ツェナーダイオードZD1の代わりにコンデンサC12を備え、抵抗R13とコンデンサC12との接続点は、ダイオードD8を介してコンパレータ105に接続されている。
その他の構成は図5に示す放電灯点灯装置5aと同様であるのでその説明を省略し、以下本実施の形態の動作について説明する。
まず、放電灯点灯装置5eにおける放電灯FL1,FL2を点灯させる動作や、接続不良等の不良を検出して放電灯を点灯させない、あるいは消灯させる動作は、図5に示す放電灯点灯装置5aと同様であるので、その説明を省略する。
放電灯点灯装置5eにおいて、無負荷検出回路109の抵抗R13とコンデンサC12との直列回路は、放電灯FL2と並列に接続されているので、放電灯FL1,FL2が点灯後は、コンデンサC12に印加される電圧にはDC成分がなく、コンデンサC12の充電電圧はほぼ0Vとなる。一方、インバータ制御回路106によってトランジスタQ1,Q2のインバータ動作が開始され、トランスT1に電流が流れると、二次巻線120から出力された電圧がダイオードD7で整流され、コンデンサC10が充電される。これにより、コンパレータ104に印加される充電電圧VC10が基準電圧VrefNを超えるレベルに維持され、インバータ動作が継続される。
次に、接点(4)が接続不良の場合は、直流電圧源115aから、抵抗R6、二次巻線111、抵抗R13、ダイオードD4、及び抵抗R14を介してグラウンドに至る経路に電流が流れることにより、直流電圧Eが抵抗R6,R13,R14によって分圧される。そして、その分圧電圧によってコンデンサC12が充電され、その充電電圧VC8がVrefEを超える結果、コンパレータ105の出力信号VELがハイレベルでインバータ制御回路106へ出力される。そして、インバータ制御回路106によって、インバータ動作が停止され、放電灯FL1,FL2への電力供給が停止され、放電灯FL1,FL2が消灯される。
これにより、図10に示す放電灯点灯装置5e及びこれを用いた照明器具は、図2に示す放電灯点灯装置5と同様の効果を奏することができる。