JP4441701B2 - シャワーヘッド接続用継手およびシャワーヘッド付き水栓 - Google Patents

シャワーヘッド接続用継手およびシャワーヘッド付き水栓 Download PDF

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本発明は、水栓本体の下向き水導出口に、吐水管に代えて、シャワーヘッドを接続するための継手、および吐水口として前記シャワーヘッドを備えたシャワーヘッド付き水栓に関する。
なお、本発明において、「水栓」には混合水栓が含まれるものとし、また、「水導出口」には、湯導出口、混合湯水導出口が含まれるものとする。
近年、流し台や洗面台等の水栓として、シャワーヘッドをシャワーホースとともに引き出しうるシャワーが備えられた、いわゆるシャワー水栓が多く採用されている(例えば、下記特許文献1参照)。
図3は、従来のシャワー混合水栓(90)の一例を示すものであって、混合水栓本体(91)が流し台等の天板(B)の貫通孔周縁部に取り付けられている。混合水栓本体(91)の底壁に設けられた混合湯水導出口(図示略)に混合湯水導出管(92)の上端部が接続され、この混合湯水導出管(92)の下端部にシャワーホース(93)の基端部が接続されている。混合水栓本体(91)には、中空管状のシャワーヘッド保持部(911)が、前斜め上方に突出するように形成されている。そして、シャワーホース(93)の先端部が、シャワーヘッド保持部(911)を通して外方に露出させられ、該先端部にシャワーヘッド(3)が接続されている。
図3に示すシャワーヘッド(3)は、その上部に設けられたプッシュ式切替ボタン(34)の操作により、先端の吐水部(32)からの吐水形態をシャワー吐水とストレート吐水の間で任意に切り替えできるように構成されている。
また、この種のシャワーヘッドには、上記のような吐水形態切替機構の他、例えば浄水ユニットや塩素除去ユニット等を内蔵したものもあり、機能性に優れたものが多く見られる。
したがって、このような機能性に優れたシャワーヘッドを、通常の吐水管を備えた水栓において、吐水管に代えて使用できれば便利であるが、従来、そのようなものは存在しなかった。
特開平7−286345号公報
本発明の目的は、通常は吐水管が接続されている水栓本体の下向き水導出口に、吐水管に代えて、機能性に優れたシャワーヘッドを簡単に接続できるようにすることにある。
本発明によるシャワーヘッド接続用継手は、水栓本体の下向き水導出口にシャワーヘッドを接続するためのものであって、水導出口の雄ネジにねじ嵌めうる袋ナットが一端部に回転自在に取り付けられている略L形管状の継手本体と、シャワーヘッドの基端部の雄ネジにねじ嵌めうる雌ネジを有しかつ継手本体の他端部に挿入固定される略筒状のアダプタとを備えている。
上記のシャワーヘッド接続用継手によれば、継手本体の一端部の袋ナットを、吐水管が取り外された状態の水栓本体の下向き水導出口にねじ嵌めるとともに、シャワーヘッドの基端部にアダプタをねじ嵌めて、該アダプタを継手本体の他端部に挿入固定するだけで、シャワーヘッドを水栓本体の水導出口に簡単に接続することができる。
本発明によるシャワーヘッド接続用継手において、アダプタが、前記雌ネジが形成されている径大部と、径大部の後端に連なって形成されている径小部とを備え、継手本体の他端部内周面に、アダプタ外周面における径大部と径小部との間の環状段差を受ける第1環状段差と、径小部の後端面を受ける第2環状段差とが形成され、径小部の外周面に環状溝が形成されているとともに、継手本体の他端部における環状溝対応箇所にネジ孔があけられ、ネジ孔にねじ込まれた固定用ネジの先端が環状溝の底に当接させられることにより、アダプタが継手本体の他端部に固定される場合がある。
上記の場合、シャワーヘッドの基端部ががねじ嵌められたアダプタを、その外周面の環状段差および径小部の後端面がそれぞれ継手本体内周面の第1および第2環状段差に受けられるまで継手本体の他端部内に挿入した後、継手本体のネジ孔に固定用ネジをその先端がアダプタの環状溝の底に当接するまでねじ込むことにより、アダプタを継手本体の他端部に簡単かつ確実に固定することができる。
また、本発明によるシャワーヘッド接続用継手において、継手本体の他端部に、シャワーヘッドの基端部がねじ込まれたアダプタをシャワーヘッドの吐水部が下向きとなるように継手本体の他端部内に挿入したときに、シャワーヘッドの基端部近傍に形成されている位置決め用突起が嵌まり込む、位置決め用切欠きが形成されている場合がある。
上記の場合、シャワーヘッドの基端部がねじ込まれたアダプタを継手本体の他端部に挿入する際に、シャワーヘッドの位置決め用突起を継手本体の他端部の位置決め用切欠きに嵌め込むだけで、シャワーヘッドをその吐水部が下向きとなるように位置決めすることができる。
さらに、本発明にはシャワーヘッド付き水栓が含まれる。このシャワーヘッド付き水栓は、水栓本体の下向き水導出口に、本発明による前記シャワーヘッド接続用継手を介して、シャワーヘッドが接続されているものである。
上記のシャワーヘッド付き水栓によれば、通常は吐水管が接続される水栓本体の下向き水導出口に、吐水管に代えて、機能性に優れたシャワーヘッドが接続されているので、既存の水栓本体をそのまま利用して、それ程コストをかけることなく簡単に、水栓としての機能を向上させることができる。
図1および図2には、本発明の実施形態が示されている。この実施形態は、混合水栓本体(2)の混合湯水導出口(21)に、シャワーヘッド接続用継手(4)を介して、シャワーヘッド(3)を接続してなる、シャワーヘッド(3)付き混合水栓(1)を示したものである。
図1に示す混合水栓(1)は2ハンドル式のものであって、混合水栓本体(2)の両端部に湯側ハンドル(22A)および水側ハンドル(22B)が設けられ、また、混合水栓本体(2)の長さ中央部に混合湯水導出口(21)が下向きに形成されている。
図2に詳しく示すように、混合湯水導出口(21)は、下方に短く突出した略筒状のものであって、その先端部に雄ネジ(211)が形成されている。なお、混合湯水導出口(21)には、本来、クランク形吐水管(図示略)の一端部が接続されるようになっている。
シャワーヘッド(3)は、図1に示すように、把持部(3A)と、把持部(3A)の先端部に連なって形成された頭部(3B)とを備えている。詳しい図示は省略したが、シャワーヘッド頭部(3B)の下面、即ち、吐水部(32)には、その中心部にストレート吐水用の大きな通水孔が形成されているとともに、その周辺部にシャワー吐水用の多数の小さな通水孔が形成されている。そして、吐水部(32)からの吐水形態をストレート吐水とシャワー吐水との間で任意に切り替えるためのプッシュ式切替ボタン(34)が、頭部(3B)の上端部分に設けられている。
図2に詳しく示すように、シャワーヘッド(3)の基端部には、雄ネジ(31)が形成されている。また、雄ネジ(31)と把持部(3A)の後端部との間には、把持部(3A)の外径よりもやや小さい外径を有する径小部(3C)が形成されている。径小部(3C)の外周面の下部には、位置決め用突起(33)が形成されている。
シャワーヘッド接続用継手(4)は、混合湯水導出口(21)の雄ネジ(211)にねじ嵌めうる袋ナット(41)が一端部に回転自在に取り付けられている略L形管状の継手本体(4A)と、シャワーヘッド(3)の基端部の雄ネジ(31)にねじ嵌めうる雌ネジ(42)を有しかつ継手本体(4A)の他端部に挿入固定される略筒状のアダプタ(4B)とを備えている。
継手本体(4A)は、垂直管部(401)と、垂直管部(401)の下端に後端が接続された傾斜管部(402)とで構成されている。垂直管部(401)および傾斜管部(402)は、それぞれ銅合金管等の金属管により形成されている。傾斜管部(402)は、前端が開口しかつ後端が閉鎖されたものであって、その周壁後端部の上部に孔(402a)があけられ、該孔(402a)に垂直管部(401)の下端が挿入されて、溶接等により接合されている。垂直管部(401)および傾斜管部(402)の中心軸線どうしがなす角度は、シャワーヘッド(3)の把持部(3A)および吐水部(32)の中心軸線どうしがなす角度とほぼ一致しており、これによりシャワーヘッド(3)の吐水部(32)をほぼ真下に向けることができるようになっている。
垂直管部(401)の上端部の外径は、残りの部分の外径よりもやや小さくなっている。袋ナット(41)は、その底壁の中心部に垂直管部(401)の上端部を挿通しうる貫通孔(411)を有している。この袋ナット(41)を垂直管部(401)の上端部に嵌めてから、垂直管部(401)の上端部における袋ナット(41)の底壁よりも上方箇所に、抜け止め用リング(6)を嵌め止めることにより、袋ナット(41)が垂直管部(401)の上端部、即ち、継手本体(4A)の一端部に回転自在に取り付けられている。垂直管部(401)の上端部外周面と混合水栓本体(2)の混合湯水導出口(21)内周面との間には、Uパッキン等のシール部材(71)が介在される。
アダプタ(4B)は、前側の径大部(43)と、径大部(43)の後端に連なって形成された後側の径小部(44)とを備えており、径大部(43)に前記雌ネジ(42)が形成されている。このアダプタ(4B)は、例えば銅合金等の金属により形成されている。アダプタ(4B)の径小部(44)外周面と、継手本体(4A)の他端部内周面との間には、Oリング等のシール部材(72)が介在される。また、アダプタ(4B)の内周面における径大部(43)と径小部(44)との間の環状段差と、径大部(43)の雌ネジ(42)にねじ込まれるシャワーヘッド(3)の基端面との間に、シール部材(73)が介在されるようになっている。
一方、図2に示すように、継手本体(4A)の他端部内周面に、アダプタ(4B)外周面における径大部(43)と径小部(44)との間の環状段差(45)を受ける第1環状段差(46)と、径小部(44)の後端面(441)を受ける第2環状段差(47)とが形成されている。
アダプタ(4B)の径小部(44)の外周面には環状溝(442)が形成されている。一方、継手本体(4A)の他端部における環状溝対応箇所に、ネジ孔(48)があけられている。そして、ネジ孔(48)にねじ込まれた固定用ネジ(5)の先端が環状溝(442)の底に当接させられることにより、アダプタ(4B)が継手本体(4A)の他端部に固定されるようになっている。
継手本体(4A)の他端部、より具体的には、継手本体(4A)の傾斜管部(402)の周壁前端部の下部に、位置決め用切欠き(49)が形成されている。この切欠き(49)には、シャワーヘッド(3)の基端部がねじ込まれたアダプタ(4B)をシャワーヘッド(3)先端の吐水部(32)が下向きとなるように継手本体(4A)の他端部内に挿入したときに、シャワーヘッド(3)の基端部近傍に形成されている位置決め用突起(33)が嵌まり込むようになっている。
次に、上記継手(4)によって混合水栓本体(2)の混合湯水導出口(21)にシャワーヘッド(3)を接続する手順の一例を説明する。
まず、混合水栓本体(2)の混合湯水導出口(21)から吐水管を取り外しておいてから、混合湯水導出口(21)に継手本体(4A)の一端部の袋ナット(41)をねじ嵌める。一方、アダプタ(4B)をシャワーヘッド(3)の基端部にねじ嵌める。
そして、シャワーヘッド(3)の基端部がねじ嵌められたアダプタ(4B)を、その外周面の環状段差(45)および径小部(44)の後端面(441)がそれぞれ継手本体(4A)内周面の第1環状段差(46)および第2環状段差(47)に受けられるまで継手本体(4A)の他端部内に挿入する。この際、シャワーヘッド(3)の位置決め用突起(33)を継手本体(4A)の他端部の位置決め用切欠き(49)に嵌め込むようにする。これによって、シャワーヘッド(3)をその吐水部(32)が下向きとなるように位置決めすることができる。
その後、継手本体(4A)のネジ孔(48)に固定用ネジ(5)をその先端がアダプタ(4B)の環状溝(442)の底に当接するまでねじ込むことにより、アダプタ(4B)が継手本体(4A)の他端部に固定される。
以上のような簡単な作業によって、図1に示すような、混合水栓本体(2)の混合湯水導出口(21)に継手(4)を介してシャワーヘッド(3)が接続されたシャワーヘッド(3)付き混合水栓(1)が得られる。
このシャワーヘッド(3)付き混合水栓(1)によれば、本来の吐水管に代えてシャワーヘッド(3)を吐水口として使用することができる。特に、シャワーヘッド(3)のプッシュ式切替ボタン(34)の操作によって、吐水形態をストレート吐水とシャワー吐水の間で任意に切り換えることができる点で便利である。
なお、上記の実施形態はあくまでも例示にすぎず、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない範囲内で適宜に変更を加えた上で本発明を実施することも勿論可能である。
本発明の実施形態を示すものであって、シャワーヘッド付き混合水栓の正面図である。 図1のシャワーヘッド付き混合水栓に用いられているシャワーヘッド接続用継手を示す垂直断面図である。 従来技術を示すものであって、シャワー混合水栓の垂直断面図である。
符号の説明
(1):混合水栓(水栓)
(2):混合水栓本体(水栓本体)
(21):混合湯水導出口(水導出口)
(211):雄ネジ
(3):シャワーヘッド
(31):雄ネジ
(32):吐水部
(33)位置決め用突起
(4):シャワーヘッド接続用継手
(4A):継手本体
(4B):アダプタ
(41):袋ナット
(42):雌ネジ
(43):径大部
(44):径小部
(442):環状溝
(45):環状段差
(46):第1環状段差
(47):第2環状段差
(48):ネジ孔
(49):位置決め用切欠き
(5):固定用ネジ

Claims (4)

  1. 水栓本体(2)の下向き水導出口(21)にシャワーヘッド(3)を接続するための継手(4)であって、
    水導出口(21)の雄ネジ(211)にねじ嵌めうる袋ナット(41)が一端部に回転自在に取り付けられている略L形管状の継手本体(4A)と、
    シャワーヘッド(3)の基端部の雄ネジ(31)にねじ嵌めうる雌ネジ(42)を有しかつ継手本体(4A)の他端部に挿入固定される略筒状のアダプタ(4B)とを備えていることを特徴とする、シャワーヘッド接続用継手。
  2. アダプタ(4B)が、前記雌ネジ(42)が形成されている径大部(43)と、径大部(43)の後端に連なって形成されている径小部(44)とを備え、
    継手本体(4A)の他端部内周面に、アダプタ(4B)の外周面における径大部(43)と径小部(44)との間の環状段差(45)を受ける第1環状段差(46)と、径小部(44)の後端面(441)を受ける第2環状段差(47)とが形成され、
    径小部(44)の外周面に環状溝(442)が形成されているとともに、継手本体(4A)の他端部における環状溝対応箇所にネジ孔(48)があけられ、ネジ孔(48)にねじ込まれた固定用ネジ(5)の先端が環状溝(442)の底に当接させられることにより、アダプタ(4B)が継手本体(4A)の他端部に固定されることを特徴とする、請求項1記載のシャワーヘッド接続用継手。
  3. 継手本体(4A)の他端部に、シャワーヘッド(3)の基端部がねじ込まれたアダプタ(4B)をシャワーヘッド(3)先端の吐水部(32)が下向きとなるように継手本体(4A)の他端部内に挿入したときに、シャワーヘッド(3)の基端部近傍に形成されている位置決め用突起(33)が嵌まり込む、位置決め用切欠き(49)が形成されていることを特徴とする、請求項1または2記載のシャワーヘッド接続用継手。
  4. 水栓本体(2)の下向き水導出口(21)に、請求項1〜3のいずれか1つに記載のシャワーヘッド接続用継手(4)を介して、シャワーヘッド(3)が接続されていることを特徴とする、シャワーヘッド付き水栓。
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