JP4441516B2 - 発電装置 - Google Patents

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    • Y02E10/70Wind energy
    • Y02E10/74Wind turbines with rotation axis perpendicular to the wind direction

Description

この発明は、発電装置に関する。
特開2004−211707号
特許文献1には、界磁用マグネットを設けた第一ロータと、発電用コイルを設けたロータとを、同一方向からの風を受けた場合に互いに逆方向に回転する風車にそれぞれ接続し、界磁用マグネットと発電用コイルとの相対回転速度を、風車回転速度に対して倍速化し、発電効率を高めるようにした風力発電装置が開示されている。また、効果としては次のようなことが謳われている。
・比較的重量の大きい界磁用マグネットと発電用コイルとが、それぞれ第一ロータ及び第二ロータの形で風車回転軸線周りに集中する結果、一種のフライホイール効果が生じ、風速が一定しない場合でも回転の安定化を図ることができる。
・特に、回転軸線を鉛直に設定することでジャイロ効果が生じやすく、強風時でも回転軸線の軸ぶれが生じにくく、安定した回転が可能となる。
・第一ロータ及び第二ロータが上下の風車とともに互いに逆方向に回転するので、風車回転軸への回転ねじれ負荷荷重をキャンセルでき、構造強度上も有利である。
特許文献1の風力発電装置で採用されている発電機はいわゆるラジアルギャップ型であり、第一ロータの外周面に取り付けられた界磁用マグネットに対し、第二ロータ側の発電用コイルがラジアル方向外側に対向する構造となっている。その結果、次のよう問題を生ずる。
(1)界磁用マグネットのラジアル方向外側に発電用コイルが位置するので、発電用コイルが設けられる第二ロータの回転半径が必然的に第一ロータの回転半径よりも大きくなる。そして、第二ロータでは有鉄心型の重いコイルの荷重が大半径位置に集中する結果、第一ロータよりも慣性モーメントが大幅に大きくなり、上下の風車の回転慣性力にアンバランスを生じやすく、低風速時の発電特性が安定しにくい問題がある。また、風車回転軸への回転ねじれ負荷荷重のキャンセル効果も十分達成できない。
(2)発電用コイルと界磁用マグネットとのアキシャル方向寸法が増大しやすく、また、発電用コイルが有芯型なので、発電装置全体の軽量化を図る上で不利である。また、荷重がアキシャル方向に分散しやすいので、フライホイール効果(あるいはジャイロ効果)が必ずしも十分でない(特に、回転半径の小さい第二ロータ側)。その結果、強風時等における回転軸ぶれも生じやすい。
(3)コイルとマグネットとの界磁反発力がラジアル方向に発生するので、回転軸ぶれやコギングを生じやすい。
(4)発電用コイルが有鉄心型なので、渦電流損失が大きく発電効率が悪化しやすい。また、発電機の発熱も生じやすい。
本発明の課題は、回転軸ぶれやコギングが生じにくく、風速回転時の発電特性を一層安定化させることができるとともに、回転軸へのねじれ負荷も軽減でき、さらに渦電流損失による発電効率の低下も生じにくい発電装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するために、本発明の発電装置の第一は、
発電駆動源となる流体の流れを受けて回転する第一回転入力部と、
第一回転入力部の回転軸線方向において該第一回転入力部とは異なる位置に配置されるとともに、同一方向から流体の流れを受けたとき、該第一回転入力部の回転軸線と同じ回転軸線周りを、該第一回転入力部とは逆方向に回転する第二回転入力部と、
界磁用マグネットが設けられた第一ロータと、該第一ロータと逆方向に第二回転入力部と一体回転するとともに界磁用マグネットにより励磁される発電用コイルが設けられた第二ロータとを有した発電機と、を備え、
発電機は、発電用コイルと界磁用マグネットとが回転軸線方向にエアギャップを形成する形で対向するよう、第二ロータにおいて、空芯扁平に構成された複数の発電用コイルが回転軸線周りに各々軸線方向回転軸線方向一致させる形で配列し、第一ロータにおいて、回転軸線周りに複数の界磁用マグネットが各々回転軸線方向に着磁された形で配列したアキシャルギャップ型発電機として構成される一方で、
第一回転入力部と第二回転入力部とが、各々回転軸線と直交する向きに流体を受ける翼を該回転軸線周りに複数配置してなるサポニウス型翼車であって、流体を同一方向に受けることにより互いに逆方向に回転する第一翼車及び第二翼車とされ、
第一翼車及び第二翼車はそれぞれ、
各翼の回転軸線周りに定められるとともに、第一翼車及び第二翼車とで互いに逆に定められた基準回転方向において、前方側に位置する翼面を前方翼面とし、同じく後方側に位置する翼面を後方翼面とし、また、各翼の回転軸線に近い側の端縁を翼内縁とし、同じく遠い側の端縁を翼外縁と定義したとき、
回転軸線の周りにおいて複数の翼は、翼内縁が該回転軸線から半径方向に一定距離だけ離れて位置するよう翼支持体により一体回転可能に支持され、
また、回転軸線と直交する断面において、各翼は、後方翼面が基準回転方向前方側に引っ込む凹湾曲面とされ、前方翼面が基準回転方向前方側に突出するとともに後方翼面よりも湾曲深さが大きい凸湾曲面とされ、さらに、前方翼面は、曲率が極大となる湾曲ノーズ部から翼内縁側及び翼外縁側に向けてそれぞれ曲率が減少するとともに、該湾曲ノーズ部から翼外縁に至る第一面の面長が同じく翼内縁に至る第二面の面長よりも大きい流線形状をなし、
前方翼面にて基準回転方向前方側から流体の相対流を受けた場合に、第一面と第二面とは、湾曲ノーズ部から翼外縁に向けて当該第一面に沿って生ずる流体の相対流の速度が、同じく翼内縁に向けて第二面に沿って生ずる相対流の速度よりも大きくなるよう、それぞれ高速流通過面及び低速流通過面として機能するとともに、それら高速流通過面と低速流通過面との相対流の流速差に基づく揚力トルクを、後方翼面側にて翼を基準回転方向に回転させる向きに生じさせるよう構成されることを特徴とする。
また、本発明の発電装置の第二は、
発電駆動源となる流体の流れを受けて回転する第一回転入力部と、
第一回転入力部の回転軸線方向において該第一回転入力部とは異なる位置に配置されるとともに、同一方向から流体の流れを受けたとき、該第一回転入力部の回転軸線と同じ回転軸線周りを、該第一回転入力部とは逆方向に回転する第二回転入力部と、
界磁用マグネットが設けられた第一ロータと、該第一ロータと逆方向に第二回転入力部と一体回転するとともに界磁用マグネットにより励磁される発電用コイルが設けられた第二ロータとを有した発電機と、を備え、
発電機は、発電用コイルと界磁用マグネットとが回転軸線方向にエアギャップを形成する形で対向するよう、第二ロータにおいて、空芯扁平に構成された複数の発電用コイルが回転軸線周りにて各々の軸線方向を回転軸線方向に一致させる形で配列し、第一ロータにおいて、回転軸線周りに複数の界磁用マグネットが各々回転軸線方向に着磁された形で配列したアキシャルギャップ型発電機として構成される一方で、
第一回転入力部と第二回転入力部とが、各々回転軸線と直交する向きに受風する翼を該回転軸線周りに複数配置してなるサポニウス型風車であって、同一方向に受風することにより互いに逆方向に回転する第一風車及び第二風車とされた風力発電装置として構成され、
第一風車及び第二風車はそれぞれ、
各翼の回転軸線周りに定められるとともに、第一風車及び第二風車とで互いに逆に定められた基準回転方向において、前方側に位置する翼面を前方翼面とし、同じく後方側に位置する翼面を後方翼面とし、また、各翼の回転軸線に近い側の端縁を翼内縁とし、同じく遠い側の端縁を翼外縁と定義したとき、
回転軸線の周りにおいて複数の翼は、翼内縁が該回転軸線から半径方向に一定距離だけ離れて位置するよう翼支持体により一体回転可能に支持され、
また、回転軸線と直交する断面において、各翼は、後方翼面が基準回転方向前方側に引っ込む凹湾曲面とされ、前方翼面が基準回転方向前方側に突出するとともに後方翼面よりも湾曲深さが大きい凸湾曲面とされ、さらに、前方翼面は、曲率が極大となる湾曲ノーズ部から翼内縁側及び翼外縁側に向けてそれぞれ曲率が減少するとともに、該湾曲ノーズ部から翼外縁に至る第一面の面長が同じく翼内縁に至る第二面の面長よりも大きい流線形状をなし、
前方翼面にて基準回転方向前方側から相対気流を受けた場合に、第一面と第二面とは、湾曲ノーズ部から翼外縁に向けて当該第一面に沿って生ずる相対気流の速度が、同じく翼内縁に向けて第二面に沿って生ずる相対気流の速度よりも大きくなるよう、それぞれ高速気流通過面及び低速気流通過面として機能するとともに、それら高速気流通過面と低速気流通過面との相対気流の流速差に基づく揚力トルクを、後方翼面側にて翼を基準回転方向に回転させる向きに生じさせるよう構成されることを特徴とする。
上記本発明の構成によると、発電機が上記のごとくアキシャルギャップ型発電機として構成されていることから、次のような効果を達成することができる。
(1)界磁用マグネットと発電用コイルとがアキシャル方向に対向するため、界磁用マグネットが設けられる第一ロータと発電用コイルが設けられる第二ロータとは、ほぼ同じ半径位置に界磁用マグネットと発電用コイルの各重量が集中し、回転軸線周りの慣性モーメントに差が生じにくい。その結果、上下の回転入力部(例えば風車)の回転慣性力にアンバランスを生じにくく、低速回転時の発電特性が安定しやすい。また、回転軸への回転ねじれ負荷荷重のキャンセル効果も大幅に高められ、構造強度的にも有利に作用する。
(2)発電用コイルと界磁用マグネットとをいずれも薄型に構成でき、かつ、発電用コイルが空芯型なので、発電装置全体の軽量化に大きく寄与する。また、発電用コイルと界磁用マグネットとの荷重がアキシャル方向に比較的集中するので、フライホイール効果が大幅に高められる。その結果、強風時等における回転軸ぶれも効果的に抑制できる。
(3)コイルとマグネットとの界磁反発力がアキシャル方向に発生するので、回転軸ぶれやコギングを生じにくい。
(4)発電用コイルが空芯型なので、渦電流損失が小さく発電効率も良好である。また、発電機の発熱も抑制される。
この場合、第二ロータと第二回転入力部とを結合する第二回転軸上に、複数の発電用コイルに各々つながるスリップリングを設け、第二回転軸上にて該スリップリング上を摺動するブラシを介し、発電用コイルからの発電出力を取り出すよう構成できる。これにより、第一ロータと第二ロータとが双方ともに回転する発電機構造において、その発電出力を問題なく取り出すことができる。
また、第一ロータは、第二ロータの発電用コイルとの対向面に界磁用マグネットが取り付けられる円板状のロータ本体を有し、第二回転軸と分離形成された第一回転軸が該ロータ本体に一体回転可能に結合されている構造とすることができる。円板状のロータ本体に界磁用マグネットを取り付けることで第一ロータの扁平化を図ることができ、フライホイール効果の更なる向上に寄与する。界磁用マグネットは厚さ方向に着磁された扁平永久磁石にて構成するとよい。特に、扁平型磁石でも強磁界を発生できる希土類磁石(例えば、希土類(Nd,Dy,Pr)−Fe−B系磁石、あるいは希土類(Sm)−Co系磁石など)を採用することが、小形で高出力の発電機を実現する上で有効である。なお、扁平磁石とは、主表面(着磁面)断面積の平方根をsとし、厚さ方向寸法をtとして、t/sが1未満(特に、0.5未満)の磁石のことをいう。
また、第一ロータは、第二ロータの発電用コイルに対し、アキシャル方向にてロータ本体と反対側から対向する形で円板状の補助ロータ本体を有し、該補助ロータ本体の発電用コイルとの対向面において、ロータ本体側の界磁用マグネットに対応する位置に、該界磁用マグネットとは逆極性の補助界磁用マグネットが取り付けられた構成とすることができる。この場合、ロータ本体と補助ロータ本体とが外周縁にて第二ロータを周方向に取り囲む周壁部により一体回転可能に連結されてなり、それらロータ本体、周壁部及び補助ロータ本体が軟磁性金属材料からなる界磁ヨークを構成するものとできる。上記のように構成すると、界磁用マグネットと補助界磁用マグネットとの間でアキシャル方向により強力で集中した磁界を発生でき、かつ、ロータ本体、補助ロータ本体及び周壁部が、軟磁性金属材料(例えばパーマロイなど)からなる界磁ヨークを構成することで、漏洩磁界が大幅に減じられ、発電効率を一層高めることができる。
この場合、より具体的には次のように構成できる。すなわち、ロータ本体の第二ロータに面しているのと反対側の主表面において回転軸線を取り囲む形で筒状の第一軸受スリーブが突出形成され、第二回転軸と分離形成された第一回転軸が第一軸受スリーブの先端を塞ぐ軸結合遮蔽部に一体回転可能に結合される。また、補助ロータ本体の第二ロータに面しているのと反対側の主表面において筒状の第二軸受スリーブが突出形成される。そして、第二回転軸が第二回転入力部側から第二軸受スリーブ及び第二ロータを貫通して先端部が第一軸受スリーブ内に入り込み、アキシャル方向における第二ロータの両側にて、それら第一軸受スリーブ及び第二軸受スリーブと第二回転軸との間に、第一ロータを第二ロータに対し、両者の相対回転摺動を許容した形で支持させる主軸受が配置される。この構造により、第一ロータは、前述の界磁ヨーク部分、第一軸受スリーブ及び第二軸受スリーブにより第二ロータ、ひいては発電機能部をなす界磁用マグネット及び発電用コイルを包み込む形状となり、回転摺動部分が主軸受により封止されるので、外部から水滴や異物等が発電機能部に侵入することを抑制できる。特に、界磁用マグネットが、酸化劣化しやすい希土類(Nd,Dy,Pr)−Fe−B系磁石にて構成されている場合は、有効な構造であるといえる。
上記構造においては、第一ロータを外側から覆う形で非回転の発電機ケースが設けるとさらによい。この場合、第二回転軸と第一回転軸とが該発電機ケースの内部から各々該発電機ケースの壁部に形成された対応する軸貫通穴にてアキシャル方向外向きに延出するとともに、第二回転軸及び第一回転軸と対応する各貫通穴との間に補助軸受を配置した構造とすることができる。このようにすると、第一ロータの外側がさらに発電機ケースで保護されるとともに、発電機ケースと第二回転軸及び第一回転軸との間が補助軸受で封止されるので、外部からの水滴や異物は補助軸受と主軸受との双方を突破しなければ発電機能部に侵入できず、保護効果が一層高められる。
この場合、発電機ケースの壁部外面からアキシャル方向に突出する筒状の補助軸受スリーブの内周面に軸貫通穴を形成し、該補助軸受スリーブ内に補助軸受が配置することができる。この場合、補助軸受スリーブの外周面と発電機ケースの壁部外面とを繋ぐ形で補強用及び放熱促進用の複数のフィンを放射状に設けることができる。このようにすると、回転軸に加わるラジアル方向荷重を、補助軸受を介して受け止める補助軸受スリーブの折損強度を高めることができるとともに、大出力発電中においても発電機の放熱を効率良く行なうことができる。
本発明の発電装置は、第一回転入力部と第二回転入力部とが、各々回転軸線と直交する向きに受風する風車翼を該回転軸線周りに複数配置してなるサポニウス型風車であって、同一方向に受風することにより互いに逆方向に回転する第一風車及び第二風車とされた風力発電装置として構成することができる。風力発電装置に適用することで、さらに具体的な以下の効果を達成できる。
(1)風車の回転慣性力にアンバランスを生じにくく、低風速時の発電特性が安定しやすい。また、風車回転軸への回転ねじれ負荷荷重のキャンセル効果も大幅に高められ、構造強度的にも有利に作用する。
(2)前述のフライホイール効果が大幅に高められる結果、強風時や風が舞う場合における回転軸ぶれも効果的に抑制できる。特に、第一風車及び第二風車と発電機とを、回転軸線が鉛直となるように支持する支持フレームを設けた構成とした場合、回転軸に対するジャイロ効果が著しく高められ、回転軸ぶれ抑制効果が非常に顕著である。
なお、第一回転入力部と第二回転入力部とは風車に限らず、例えば水車やタービンブレードとして構成することで、他の発電方式に適用することも可能である。
風力発電装置として構成する場合、第一風車及び第二風車はそれぞれ、以下のように構成することができる。まず、各風車翼の回転軸線周りに定められるとともに、第一風車及び第二風車とで互いに逆に定められた基準回転方向において、前方側に位置する翼面を前方翼面とし、同じく後方側に位置する翼面を後方翼面とし、また、各風車翼の回転軸線に近い側の端縁を翼内縁とし、同じく遠い側の端縁を翼外縁と定義する。回転軸線の周りにおいて複数の風車翼は、翼内縁が該回転軸線から半径方向に一定距離だけ離れて位置するよう翼支持体により一体回転可能に支持される。また、回転軸線と直交する断面において、各風車翼は、後方翼面が基準回転方向前方側に引っ込む凹湾曲面とされ、前方翼面が基準回転方向前方側に突出するとともに後方翼面よりも湾曲深さが大きい凸湾曲面とされ、さらに、前方翼面は、湾曲ノーズ部において曲率が極大となり、該湾曲ノーズ部から翼内縁側及び翼外縁側に向けてそれぞれ曲率が減少するとともに、該湾曲ノーズ部から翼外縁に至る第一面の面長が同じく翼内縁に至る第二面の面長よりも大きい流線形状をなす。前方翼面にて基準回転方向前方側から相対気流を受けた場合に、第一面と第二面とは、湾曲ノーズ部から翼外縁に向けて当該第一面に沿って生ずる相対気流の速度が、同じく翼内縁に向けて第二面に沿って生ずる相対気流の速度よりも大きくなるよう、それぞれ高速気流通過面及び低速気流通過面として機能するとともに、それら高速気流通過面と低速気流通過面との相対気流の流速差に基づく揚力トルクを、後方翼面側にて風車翼を基準回転方向に回転させる向きに生じさせるようにしたサポニウス型風車として構成する。
上記の構成によると、サポニウス型風車の風車翼を、前方翼面を上記高速気流通過面及び低速気流通過面が形成された特有形態の湾曲流線型状とすることで、前方翼面側から見て向かい風形態で風を受ける場合は、高速気流通過面と低速気流通過面との相対気流の流速差に基づく揚力トルクを、受風による直接的な回転トルクに重畳することができ、また、後方翼面を凹状湾曲面とすることで、追い風形態で風を受ける場合に効率よく風を受けることができる。その結果、風力の風車回転力への変換効率を大幅に高めることができ、低風速時の風車の始動性も劇的に向上する。
上記の効果を高めるには、高速気流通過面の受風断面積を低速気流通過面よりも大きくすることが有効である。このためには、高速気流通過面の平均曲率を低速気流通過面の平均曲率よりも大きく設定しておくとよい。また、回転軸線と直交する断面において、該回転軸線と翼内縁とを繋ぐ直線を第一直線として、回転軸線を通って前方翼面に外接する第二直線と第一直線とのなす第一角度が、回転軸線を通って翼外縁を通る第三直線と第一直線とのなす第二角度よりも小さく設定することも有効である。
この場合、上記流速差を揚力に効率的に寄与させるには、低速気流通過面を通過した気流が後方翼面側で渦流を形成しにくくさせることが重要であり、この観点から、回転軸線と直交する断面において、各風車翼は、後方翼面の平均曲率を前方翼面の平均曲率よりも小さく設定しておくと、つまり、後方翼面の湾曲深さを大きくしすぎないことが望ましい。また、渦流(あるいは乱流)抑制の観点から、風車翼は、翼内縁と翼外縁とが、各々湾曲形態の前方翼面と後方翼面との交線をなす稜線部として形成しておくとよい。
翼支持体は、回転軸線の周りに配列する各風車翼の翼内縁を含む円筒状の空間に対し、隣接する風車翼の間に気流出入り口を有する風洞部が形成されるように、風車翼を一体回転可能に支持するものとして構成するとよい。風洞部の形成により、受風方向に対して風車回転軸線の後方に位置する風車翼に風を当てることができ、風力の風車回転力への変換効率をさらに高めることができる。この効果をより顕著に達成するには、風車翼は回転軸線周りに3枚以上の等角度間隔で複数配置され、2枚の風車翼の間に形成される気流出入り口から風洞部を経て2枚の風車翼とは別の風車翼が後方翼面にて受風可能とする構造を採用するとよい。この場合、後方翼面が上記のような凹湾曲形態となっていることで、後方翼面に当たった風は回転軸線方向に巻き込まれるように方向変換され、風洞を通過した風が、上記別の風車翼に効果的に導かれる。例えば、上記別の風車翼回転軸線と直交する断面において、曲率一定の部分円筒面状に形成し、後方翼面を包含する仮想円筒面上に回転軸線を位置させると、該効果を高める上で有利である。
上記のような風洞部を有効形成するには、風洞部形成位置に余分な障害物が生じないよう、翼支持体は、各風車翼を回転軸線方向の端面にて支持するものとして形成することが望ましい。翼支持体は、具体的には、風洞部の軸線方向端部を形成するとともに風車の回転支持部を形成する本体プレートと、該本体プレートの外周縁から半径方向外向きに放射状に延びるとともに各々風車翼の端面に取り付けられる支持アームプレートとを備えるものとして構成できる。支持アームプレートは風車翼の端面に対し翼内縁に沿って取り付けることができる。
風車翼は、アルミニウム合金からなる板金中空体とすることで、受風面積の大きい風車翼を軽量かつ高強度に構成するができる。薄肉化による軽量化と強度向上効果を高める観点から、使用するアルミニウム合金は時効析出強化型アルミニウム合金(例えば、Al−Cu系合金(JIS:A2017(ジュラルミン))、Al−Cu−Mg系合金(JIS:A2024(超ジュラルミン))、Al−Zn−Mg−Cu系合金(JIS:A7075(超々ジュラルミン)))を採用することが望ましい。
また、風車翼は、空気(ガス比重:1、ガス密度:1.2935kg/Nm)よりもガス比重の小さい充填ガスを密封した板金中空体とすることもできる。充填ガスによる浮力により、風車翼の見かけ重量を一層小さくでき、軽量化にさらに寄与する。充填ガスとしてはヘリウムガス(ガス比重:0.1382、ガス密度:0.1786kg/m)、あるいは水素ガス(ガス比重:0.0695、ガス密度:0.0899kg/m)を採用することができる。また、「空気よりもガス比重の小さい充填ガスを密封した板金中空体からなる風車翼」は、本発明とは独立して実施可能な発明である。
図6に示すように、発電装置10は、支持フレーム12、第一風車20、第二風車30、及び、発電機40を備えた風力発電装置として構成されている。図8の分解斜視図に示すごとく、第一風車20は、基準軸線上の第一位置(上側)に回転軸線Mを一致させる形で配置され、どの方向から風を受けても一定の第一方向に回転する。一方、第二風車30は、基準軸線上の第一位置とは異なる第二位置(下側)に配置されるとともに、同一方向から風を受けたとき、どの方向から風を受けても第一風車20とは逆方向に回転するように構成されている。
図1は、発電機40の内部を拡大して示すもので、界磁用マグネット101が設けられた第一ロータ41と、該第一ロータ41と逆方向に第二回転入力部30と一体回転するとともに界磁用マグネット101により励磁される発電用コイル102が設けられた第二ロータ42とを備える。そして、発電用コイル102と界磁用マグネット101とが回転軸線M方向にエアギャップを形成する形で対向するよう、第二ロータ42において、空芯扁平に構成された複数の発電用コイル102が回転軸線M周りに各々軸線方向が回転軸線M方向と一致する形で配列し、第一ロータ41において、回転軸線M周りに複数の界磁用マグネット101が各々回転軸線M方向に着磁された形で配列したアキシャルギャップ型発電機40として構成されている。
第二ロータ42と第二回転入力部30とを結合する第二回転軸52上には、複数の発電用コイル102に各々つながるスリップリング136が設けられており、第二回転軸52上にて該スリップリング136上を摺動するブラシ135を介し、発電用コイル102からの発電出力を取り出すよう構成されている。
第一ロータ41は、第二ロータ42の発電用コイル102との対向面に界磁用マグネット101が取り付けられる円板状のロータ本体103を有し、第二回転軸52と分離形成された第一回転軸50が該ロータ本体103に接着により一体回転可能に結合されている。界磁用マグネット101は厚さ方向に着磁された扁平永久磁石、具体的には、希土類(Nd,Dy,Pr)−Fe−B系磁石にて構成されており、図2に示すように、回転周方向に隣接するもの同士の着磁極性が交互に反転してなる。また、図3に示すように、第二ロータ42は第二回転軸52が一体回転可能に固着されたコイル支持枠106を有し、該コイル支持枠106の周方向に複数形成されたコイル装着窓130に、前述の空芯扁平の発電用コイル102が、コイル軸線方向(キャビティ開口方向)が、アキシャル方向を向くように、かつ隣接するコイルの巻線方向が互いに逆となるように組み付けられている。
図1に戻り、第一ロータ41は、第二ロータ42の発電用コイル102に対し、アキシャル方向にてロータ本体103と反対側から対向する形で円板状の補助ロータ本体104を有する。該補助ロータ本体104の発電用コイル102との対向面において、ロータ本体103側の界磁用マグネット101に対応する位置に、該界磁用マグネット101とは逆方向に着磁された複数の補助界磁用マグネット105が取り付けられている(取り付け形態は、図2に示す界磁用マグネット102と同じであるが、界磁用マグネット102の発電用コイル102に面する着磁面がN(S)であれば、対応する補助界磁用マグネット105の着磁面はS(N)となる。
ロータ本体103と補助ロータ本体104とは、外周縁にて第二ロータ42を周方向に取り囲む周壁部106により一体回転可能に連結されている。そして、それらロータ本体103、周壁部106及び補助ロータ本体104が軟磁性金属材料(本実施形態では、パーマロイ)からなる界磁ヨークを構成する。ロータ本体103の第二ロータ42に面しているのと反対側の主表面において回転軸線Mを取り囲む形で筒状の第一軸受スリーブ107が突出形成され、第二回転軸52と分離形成された第一回転軸50が第一軸受スリーブ107の先端を塞ぐ軸結合遮蔽部108に一体回転可能に結合される。また、補助ロータ本体104の第二ロータ42に面しているのと反対側の主表面において筒状の第二軸受スリーブ109が突出形成される。そして、第二回転軸52が第二回転入力部30側から第二軸受スリーブ109及び第二ロータ42を貫通して先端部が第一軸受スリーブ107内に入り込んでいる。アキシャル方向における第二ロータ42の両側にて、それら第一軸受スリーブ107及び第二軸受スリーブ109と第二回転軸52との間に、第一ロータ41を第二ロータ42に対し、両者の相対回転摺動を許容した形で支持させる主軸受110が配置される。第一ロータ41は、前述の界磁ヨーク部分、第一軸受スリーブ107及び第二軸受スリーブ109により第二ロータ42、ひいては発電機能部をなす界磁用マグネット101及び発電用コイル102を包み込む形状となっており、回転摺動部分が主軸受110により封止されるので、外部から水滴や異物等が発電機能部に侵入することが抑制されている。
また、第一ロータ41を外側から覆う形で非回転の発電機ケース120が設けられている。第二回転軸52と第一回転軸50とが該発電機ケース120の内部から各々該発電機ケース120の壁部に形成された対応する軸貫通穴にてアキシャル方向外向きに延出するとともに、第二回転軸52及び第一回転軸50と対応する各貫通穴との間に補助軸受124が配置されている。なお、本実施形態では、発電機ケース120の壁部外面からアキシャル方向に突出する筒状の補助軸受スリーブ122の内周面に軸貫通穴が形成され、該補助軸受スリーブ122内に補助軸受124が配置されている。
また、図4及び図5に示すように、補助軸受スリーブ122の外周面と発電機ケース120の壁部外面とを繋ぐ形で、補強用及び放熱促進用の複数のフィン125が放射状に設けられている。フィン125の組は、発電機ケース120の上面側と下面側との双方に設けられている。
次に、図6に示すように、発電装置10は、第一風車20及び第二風車30が、各々回転軸線Mと直交する向きに受風する風車翼22を該回転軸線M周りに複数配置してなるサポニウス型風車して構成されている。また、発電装置10は、第一風車20及び第二風車30と発電機40とは、回転軸線Mが鉛直となるように支持する支持フレーム12を有する。支持フレーム12は、台14上に鉛直方向に立設された3本の柱121、及び、各々の柱121の間を連結する複数の梁122を備えている。3本の柱121は、鉛直方向からみて実質正三角形の頂点位置に配置されており、梁122は、柱121の上端部を含む3カ所の高さ位置で各々の柱121を連結している。各高さ位置の3本の梁122により、正三角形状の枠体が構成されている。
第一風車20は、3枚の風車翼22及び2枚の翼支持体24を備えている。第二風車30は、第一風車20を仮想鉛直面に関して鏡像反転した立体形状を有している点を除き、第一風車20とほぼ同様に構成されているので、共通する構成要素には、第一風車20の対応する構成要素と一位以下の数字ないし文字を共通させ、十位の数字を「2」から「3」に変えた符号を付与している。そして、この点を除き、同種の部材であって取り付け位置の異なる部材には原則として同一の符号を付与するが、同種の複数部材を互いに区別する場合は、説明の便宜上、必要に応じて、その符号の末尾にアルファベット(A,B,C)を付与した符号を用いる。
以下、風車構造の要部を第一風車20側で代表させて説明する。まず、図9(平面図)に示すように、各風車翼22の回転軸線M周りに、第一風車20及び第二風車30とで互いに逆に基準回転方向X(風力を受けたときの、各風車20,30の実際の回転方向となる)を定める。この基準回転方向Xにおいて、前方側に位置する翼面を前方翼面26とし、同じく後方側に位置する翼面を後方翼面28とし、また、各風車翼22の回転軸線Mに近い側の端縁を翼内縁ELとし、同じく遠い側の端縁を翼外縁EHと定義する。回転軸線Mの周りにおいて複数の風車翼22は、翼内縁ELが該回転軸線Mから半径方向に一定距離だけ離れて位置するよう翼支持体24により一体回転可能に支持される。また、回転軸線Mと直交する断面において、各風車翼22は、後方翼面28が基準回転方向X前方側に引っ込む凹湾曲面とされ、前方翼面26が基準回転方向X前方側に突出するとともに後方翼面28よりも湾曲深さが大きい凸湾曲面とされる。
前方翼面26は、湾曲ノーズ部263において曲率が極大となり、該湾曲ノーズ部263から翼内縁EL側及び翼外縁EH側に向けてそれぞれ曲率が減少するとともに、該湾曲ノーズ部263から翼外縁EHに至る第一面の面長が同じく翼内縁ELに至る第二面の面長よりも大きい流線形状をなす。前方翼面26にて基準回転方向X前方側から相対気流を受けた場合に、第一面と第二面とは、湾曲ノーズ部263から翼外縁EHに向けて当該第一面に沿って生ずる相対気流の速度が、同じく翼内縁ELに向けて第二面に沿って生ずる相対気流の速度よりも大きくなるよう、それぞれ高速気流通過面261及び低速気流通過面262として機能する。
図10に示すように、それら高速気流通過面261と低速気流通過面262との相対気流の流速差に基づく揚力トルクが、後方翼面28側にて風車翼22を基準回転方向Xに回転させる向きに生じる。つまり、回転に伴う相対風の向きをAK、自然風をASとすると、風車翼22には揚力Fが作用して、回転軸線Mの周りを基準回転方向Xに回転する。なお、風車翼22は、鉛直方向からみた断面は、どの水平断面位置でも同様の形状とされている。前方翼面26及び後方翼面28はいずれも湾曲形状に加工されたアルミニウム合金板(ここではジュラルミン板)からなる翼プレートにより形成され、中空形状となっている。風車翼22の上端面及び下端面は、図3に示すように、蓋プレート27で構成され、空間Rを閉鎖している。蓋プレートの継ぎ目は、例えばリベット止めにより縫合されている。
なお、風車翼22は、空気(ガス比重:1、ガス密度:1.2935kg/Nm)よりもガス比重の小さい充填ガスを密封した板金中空体とすることもできる。この場合も、風車翼22は、前方翼面26、後方翼面28及び上端面及び下端面をなす蓋プレート27をアルミニウム合金板で構成することができ、その内部に、ヘリウムガスないし水素ガスを充填する。この場合の蓋プレートの継ぎ目(シーム部)は、内部にガスを充填後、全周溶接に縫合し、密封構造とする。
高速気流通過面261の平均曲率は低速気流通過面262の平均曲率よりも大きく設定され、高速気流通過面261の受風断面積は低速気流通過面262よりも大きくなっている。また、回転軸線Mと直交する断面において、該回転軸線Mと翼内縁ELとを繋ぐ直線を第一直線C1として、回転軸線Mを通って前方翼面26に外接する第二直線C2と第一直線C1とのなす第一角度θ1が、回転軸線Mを通って翼外縁EHを通る第三直線C3と第一直線C1とのなす第二角度θ2よりも小さく設定されている。このような取り付け角度にすることにより、後述する第一風洞20Fへ入った気流を、風下側に配置された風車翼22の後方翼面28に効率よく当てることができ、風車翼22を効率よく回転させることができる。
高速気流通過面261は、回転軸線Mから遠い側に配置されており、湾曲ノーズ部263から進行方向の後ろ側に向かって連続形成されている。図10に示すように、高速気流通過面261の長さは、低速気流通過面262よりも進行方向後側に延びている。高速気流通過面261の進行方向後端部EHは、風車翼22のなかで最も回転軸線Mから遠い位置に配置され、低速気流通過面262の翼内縁ELよりも進行方向の後側に配置されている。
また、回転軸線Mと直交する断面において、各風車翼22は、後方翼面28の平均曲率を前方翼面26の平均曲率よりも小さく設定され、低速気流通過面262を通過した気流が後方翼面28側で渦流を形成しにくくしてある。また、風車翼22は、翼内縁ELと翼外縁EHとが、各々湾曲形態の前方翼面26と後方翼面28との交線をなす稜線部として形成されている。
図9に示すように、翼支持体24は、回転軸線Mの周りに配列する各風車翼22の翼内縁ELを含む円筒状の空間に対し、隣接する風車翼22の間に気流出入り口を有する風洞部20Fが形成されるように、風車翼22を一体回転可能に支持するものとして構成されている。風車翼22は回転軸線M周りに3枚以上(ここでは、3枚:4枚でもよい)の等角度間隔で複数配置され、2枚の風車翼22の間に形成される気流出入り口から風洞部20Fを経て2枚の風車翼22とは別の風車翼22が後方翼面28にて受風可能となっている。後方翼面28が上記のような凹湾曲形態となっていることで、後方翼面28に当たった風は回転軸線M方向に巻き込まれるように方向変換され、風洞を通過した風が、上記別の風車翼22に効果的に導かれる。本実施形態では、後方翼面28は、回転軸線Mと直交する断面において、曲率一定の部分円筒面状に形成し、後方翼面28を包含する仮想円筒面上に回転軸線Mが位置している。
翼支持体24は、各風車翼22を回転軸線M方向の端面にて支持するものとして形成されている。具体的には、図11に示すように、風洞部20Fの軸線方向端部を形成するとともに風車の回転支持部を形成する本体プレート241と、該本体プレート241の外周縁から半径方向外向きに放射状に延びるとともに各々風車翼22の端面に取り付けられる支持アームプレート242とを備える。支持アームプレート242は風車翼22の端面に対し翼内縁ELに沿って取り付けられている。支持アームプレート242の前端縁部には、弧状に沿って取付孔243が複数(本実施形態では4個)形成されている。この前端縁部と風車翼22の蓋プレー卜27の後端縁が重ねられ、取付孔243からビス(不図示)を差し込んで蓋プレート27に固定することにより、風車翼22が支持アームプレート242に取り付けられている。3枚の風車翼22A、22B、22Cは、同様にして他の支持アームプレート242に取り付けられ、風車翼22の上面及び下面に翼支持体24A、24Bが各々配置される。
次に、図8にも示すように、翼支持体24A、24Bの間の、風車翼22に囲まれた中間部分には、回転軸が配置されない空洞部である第一風洞20Fが構成されている。翼支持体24Aの中央部上側には、図7に示すように、回転軸線Mに沿って配置された補助第一回転軸51が固定され、翼支持体24Bの中央部下側には、回転軸線Mに沿って配置された第一回転軸50が固定されている。
支持アームプレート242の前端縁部には、弧状に沿って取付孔243が複数(本実施形態では4個)形成されている。この前端縁部と風車翼22の蓋プレー卜27後端縁が重ねられ、取付孔243からビス(不図示)を差し込んで蓋プレート27に固定することにより、風車翼22が支持アームプレート242に取り付けられている。3枚の風車翼22A、22B、22Cは、同様にして他の支持アームプレート242に取り付けられ、風車翼22の上面及び下面に翼支持体24A、24Bが各々配置される。
図8に示すように、翼支持体24A,24Bの間の、風車翼22に囲まれた中間部分には、回転軸が配置されず、空洞部である第一風洞20Fが構成されている。翼支持体24Aの中央部上側には、図7に示すように、回転軸線Mに沿って配置された補助第一回転軸51が固定され、翼支持体24Bの中央部下側には、回転軸線Mに沿って配置された第一回転軸50が固定されている。
第二風車30は、図8に示すように、3枚の風車翼32A,32B,32C及び2枚の翼支持体34A,34Bを備えている。翼支持体34A,34Bは、第一風車20の翼支持体24A,24Bと同一形状とされている。風車翼32A,32B、32Cは、第一風車20の風車翼22A,22B,22Cとほぼ同様の形状とされており、前方翼面36、後方翼面38をなす翼プレートと蓋プレート37とを備えている。本実施形態では、風車翼32は鉛直方向の長さのみ風車翼22と異なっており、風車翼32の鉛直方向の長さは、風車翼22の同方向の長さよりも長く構成されている。風車翼32の翼支持体34への取り付けも第一風車20と同様にされており、翼支持体34A,34Bの間の風車翼32に囲まれた空間が第二風洞30Fとされている。
図7に示すように、翼支持体34Aの中央部上側には、回転軸線Mに沿って配置された第二回転軸52が固定され、翼支持体34Bの中央部下側には、回転軸線Mに沿って配置された補助第二回転軸53が固定されている。第二風車30は、第一風車20とは逆方向に回転するように、前述のごとく、回転軸線を含む平面に対し第一風車20を鏡像反転(ただし、高さ方向寸法は除く)したものに相当するよう、構成されている。
図8に示すように、第一風車20、発電機40及び第二風車30は、上側からこの順で支持フレーム12内に配置されている。図6に示すように、支持フレーム12の上端部に配置された梁122の中心部には、軸支持部16が設けられている。軸支持部16は、各柱121の上端部からから水平方向内側に向かって延びる3本の梁13と連結されて支持されている。軸支持部16の下側には、軸受511が設けられている(図2参照)。軸受511は、補助第一回転軸51の上端部を軸支持する。最下部に配置された梁122と同じ高さに配置され、各柱121から内側に向かって水平方向に延びる梁17の上には、台18が固定されている。台18上には、軸受531が設けられている。軸受531は、補助第二回転軸53の下端部を軸支持する。
次に、本実施形態の発電装置10の作用について説明する。
図12〜図14は、矢印WIND方向の風に対して、第一風車20の各風車翼22が回転して異なる位置に配置されたときの気流を示す図である。矢印Aは、気流を示す。
まず、図12左は、風上方向から風洞部20Fを見たとき、回転軸線Mと平行で風向WINDと直交する投影面K上での風洞部20Fの視認幅(回転軸線Mと直交する向きに見た寸法)が最大となるよう風車回転位相を定めたときの(以下、第一位相という)、トルク発生関係を示す図である。風車翼22Aでは、後方翼面28Aが前方翼面26の高速気流通過面26Aにほぼ遮られる形になるので、翼外縁から後方翼面28A側に回り込む気流を除けば、大半の気流が後方翼面28A側に当たり(A)、基準回転方向への成分を含んだ矢印AA方向の力が作用する。
一方、上記翼外縁から後方翼面28A側に回り込んだ気流は、第一風洞20Fを通過して風車翼22Bの後方翼面28Bに当たる。風車翼22Bでは、風車翼22Aに当たった後に流れてきた気流Aと、風車翼22Aと風車翼22Cとの間から流入して第一風洞20Fを通過してきた気流Aとが当たる。前者の気流Aは、後方翼面28Bに当たり、後者の気流Aは後方翼面28Bと前方翼面26Bの低速気流通過面262に当たる。この両者の回転トルクへの寄与は互いに逆であるが、図12左の位置関係では、後方翼面28Bの方が低速気流通過面262よりも受風断面積が大きいので、結果的に風車翼22Bには基準回転方向への成分を含んだ矢印ABの力が作用することになる。
また、風車翼22Cでは、気流Aが前方翼面26C側に当たり、回転方向に対して向かい風となる。この向かい風により、前方翼面26Cに直接作用する力は、基準回転方向への風車の回転を妨げるように働くが、他方、風車翼22Cの低速気流通過面262側と高速気流通過面261側とに分かれて後方へ流れた気流は、前述のごとく、低速気流通過面262側に流れる気流と高速気流通過面261側に流れる気流との速度差により後方翼面28C側に揚力を生じさせ、この揚力によるトルクが基準回転方向に発生するので、前方翼面26Cに作用する向かい風による反力トルクを少なくとも部分的に相殺する。本実施形態で採用する翼断面形状は図10の形状であり、湾曲ノーズの頂点法線方向に気流を受けたときの揚力トルクが向かい風による反力トルクに打ち勝つように設計されているので、風車翼22Cでも小さいながら進行方向の成分を含んだ矢印AC方向の力が作用する。その結果、図12右に示すように、前述の矢印BA(右のAAに対応)、BB(右のABに対応)、BC(右のACに対応)方向の力が全て基準回転方向Xへのトルク発生に寄与する結果、風車翼22は矢印X方向に回転する。
なお、風洞部20Fの寸法は、上記第一位相において、上記投影面K上での風洞部20Fの視認幅Wが、風洞部20Fの風下側に位置する風車翼22Bの投影幅Uの30%以上100%未満となっていることが望ましい。30%以上では風下側に位置する風車翼22Bの風洞部20Fを介した受風効率が悪化し、100%を超えると、風洞部20Fから風車翼22Bに当たらずに通過してしまう気流が増加し、受風効率が同様に悪化する。
続いて、図13左は、風上方向から風洞部20Fを見たとき、風洞部20Fの風下側に風車翼22Bが視認されず、かつ、回転軸線Mと平行で風向WINDと直交する投影面K上での風洞部20Fの視認幅Wが最大となるよう風車回転位相を定めたときの(以下、第二位相という)、トルク発生関係を示す図である。風車翼22Aは主として後方翼面28Aで受ける風力により、比較的大きな基準回転方向Xへ後からCAが加わる。また、風車翼22Cは、図12左における風車翼22Cと原理的には同様に揚力の寄与を受け、矢印CC方向の力が作用する。風車翼22Bについては、風上側の風車翼22Cに遮られる位置関係にあるため、風洞部20Fを通過してきた気流は、そのまま直進すれば風車翼22Bに当たらず通過してしまうことになる。しかし、基準回転方向Xの前方側に位置する風車翼22Aの、向心方向に凹状湾曲する後方翼面28Aに沿って流れる気流により、風洞部20Fを通過する気流も風車翼22Cの後方翼面28側に曲げられ、風車翼22Bでも小さいながら基準回転方向Xの成分を含んだ矢印CB方向の力が作用する。その結果、図13右に示すように、矢印DA(右のCAに対応)、DB(右のCBに対応)、DC(右のCCに対応)方向の力が全て基準回転方向Xへのトルク発生に寄与する結果、風車翼22は矢印X方向に回転する。
最後に、図14左は、風上方向から風洞部20Fを見たとき、風洞部20Fの風上側に視認される風車翼22Cの、回転軸線Mと平行で風向WINDと直交する投影面K上での視認幅が最大となるよう風車回転位相を定めたときの(以下、第三位相という)、トルク発生関係を示す図である。風車翼22Aには、気流Aが後方翼面28Aに当たり、風向きとほぼ一致する矢印EA方向の力が作用する。風車翼22Bでは、気流Aが前方翼面26B側に当たり、進行方向に対して向かい風となっている。この向かい風により、風車翼22Cには揚力が働き、基準回転方向前方側へ矢印EB方向の力が作用する。風車翼22Cでは、気流Aが前方翼面26Cに当たり、基準回転方向前方側へ向かって流れる。その結果、図14右に示すように、矢印FA(右のEAに対応)、FB(右のEBに対応)、FC(右のECに対応)方向の力が全て基準回転方向Xへのトルク発生に寄与する結果、風車翼22は矢印X方向に回転する。
このように、風向に対する第一風車20の上記主要な回転位相のそれぞれについて、各風車翼に生ずる回転トルクの合成トルクはいずれも基準回転方向Xの方向に生じることがわかる。その結果、第一風車20は、回転軸線周りのどの向きから風を受けても常に基準回転方向Xに回転することになる。第二風車30については、図16に示すごとく基準回転方向が逆になる(Y)点を除き、上記の事情は全く同じである。
その結果、図1において発電機40の第一ロータ41と第二ロータ42とが風速に対応して互いに逆方向に回転し、片方が固定となる場合と比較して倍のロータ間相対回転速度が得られ、発電効率が向上する。また、上記のごとく発電機40において、界磁用マグネット101と発電用コイル102とがアキシャル方向に対向するため、界磁用マグネット101が設けられる第一ロータ41と発電用コイル102が設けられる第二ロータ42とは、ほぼ同じ半径位置に界磁用マグネット101と発電用コイル102の各重量が集中し、回転軸線M周りの慣性モーメントに差が生じにくくなる。その結果、上下の風車の回転慣性力にアンバランスを生じにくく、低速回転時の発電特性が安定しやすい。また、回転軸への回転ねじれ負荷荷重のキャンセル効果も大幅に高められ、構造強度的にも有利に作用する。さらに、発電用コイル102と界磁用マグネット101とをいずれも薄型に構成でき、かつ、発電用コイル102が空芯型なので、発電装置10全体の軽量化に大きく寄与する。発電用コイル102と界磁用マグネット101との荷重はアキシャル方向に比較的集中するので、フライホイール効果が大幅に高められる。その結果、強風時等における回転軸ぶれも効果的に抑制できる。コイルとマグネットとの界磁反発力がアキシャル方向に発生するので、回転軸ぶれやコギングを生じにくい。さらに、発電用コイル102が空芯型なので、渦電流損失が小さく発電効率も良好である。また、発電機40の発熱も抑制される。
次に、図15は、風車翼22が矢印WIND方向の風に対して、最も回転方向と逆方向の力を受けると考えられる位置に配置された場合の、風車翼22の重心Gと回転軸線Mとの関係を示す図である。図15左に示すように、高速気流通過面261の後端部から低速気流通過面262の最も離れた位置への仮想直線Lを考えた場合、この仮想直線Lが矢印WIND方向と直行する位置に配置されたときの風車翼22の位置(最も気流Aの直接当たる面積が広いと考えられる位置)では、矢印WIND方向からみて、重心Gが回転軸線Mに近い位置に配置されている。したがって、重心Gが回転軸線Mから遠い位置に配置された場合と比較して、矢印WIND方向の同じ力の風が風車翼22に当たった場合でも、進行方向逆方向への力の成分を小さくすることができる。
また、図15右に示すように、高速気流通過面261へ、これとほぼ直交する方向に気流が当たるときの風車翼22の位置(気流Aによる抗力が大きいと考えられる位置)では、矢印WIND方向からみて、重心Gが回転軸線Mとほぼ重なる位置に配置される。したがって、矢印WIND方向への力(矢印Dで示す)が風車翼22に作用した場合でも、進行方向逆方向への力の成分を小さくすることができる。
本発明の発電装置の要部をなす発電機の一例を示す縦断面図。 図1の第一ロータにおける界磁用マグネットの配置例を示す図。 図2の第二ロータにおける発電用コイルの配置例を示す図。 図1の発電機の正面図。 同じく平面図。 本発明の発電装置を風力発電装置として構成した例を示す斜視図。 図6の正面図。 図6の要部の分解斜視図。 第一風車の横断面図。 風車翼の作用説明図。 翼支持体の取り付け態様の一例を示す平面図。 風車の第一作用説明図。 風車の第二作用説明図。 風車の第三作用説明図。 風車の第四作用説明図。 第二風車の基準回転方向の説明図。
符号の説明
10 風力発電装置(発電装置)
20 第一風車(第一回転入力部)
30 第二風車(第二回転入力部)
20F,30F 風洞部
22 風車翼
261 高速気流通過面
262 低速気流通過面
263 湾曲ノーズ部
26 前方翼面(第一風車)
28 後方翼面(第一風車)
32 風車翼(第二風車)
36 前方翼面(第二風車)
38 後方翼面(第二風車)
40 発電機
41 第一ロータ
42 第二ロータ
101 界磁用マグネット
102 発電用コイル

Claims (11)

  1. 発電駆動源となる流体の流れを受けて回転する第一回転入力部と、
    前記第一回転入力部の回転軸線方向において該第一回転入力部とは異なる位置に配置されるとともに、同一方向から前記流体の流れを受けたとき、該第一回転入力部の回転軸線と同じ回転軸線周りを、該第一回転入力部とは逆方向に回転する第二回転入力部と、
    界磁用マグネットが設けられた第一ロータと、該第一ロータと逆方向に前記第二回転入力部と一体回転するとともに前記界磁用マグネットにより励磁される発電用コイルが設けられた第二ロータとを有した発電機と、を備え、
    前記発電機は、前記発電用コイルと前記界磁用マグネットとが前記回転軸線方向にエアギャップを形成する形で対向するよう、前記第二ロータにおいて、空芯扁平に構成された複数の前記発電用コイルが前記回転軸線周りに各々軸線方向前記回転軸線方向一致させる形で配列し、前記第一ロータにおいて、前記回転軸線周りに複数の前記界磁用マグネットが各々前記回転軸線方向に着磁された形で配列したアキシャルギャップ型発電機として構成される一方で、
    前記第一回転入力部と前記第二回転入力部とが、各々回転軸線と直交する向きに前記流体を受ける翼を該回転軸線周りに複数配置してなるサポニウス型翼車であって、前記流体を同一方向に受けることにより互いに逆方向に回転する第一翼車及び第二翼車とされ、
    前記第一翼車及び第二翼車はそれぞれ、
    各前記翼の前記回転軸線周りに定められるとともに、前記第一翼車及び第二翼車とで互いに逆に定められた基準回転方向において、前方側に位置する翼面を前方翼面とし、同じく後方側に位置する翼面を後方翼面とし、また、各翼の前記回転軸線に近い側の端縁を翼内縁とし、同じく遠い側の端縁を翼外縁と定義したとき、
    前記回転軸線の周りにおいて複数の前記翼は、前記翼内縁が該回転軸線から半径方向に一定距離だけ離れて位置するよう翼支持体により一体回転可能に支持され、
    また、前記回転軸線と直交する断面において、各前記翼は、前記後方翼面が前記基準回転方向前方側に引っ込む凹湾曲面とされ、前記前方翼面が前記基準回転方向前方側に突出するとともに前記後方翼面よりも湾曲深さが大きい凸湾曲面とされ、さらに、前記前方翼面は、曲率が極大となる湾曲ノーズ部から前記翼内縁側及び前記翼外縁側に向けてそれぞれ曲率が減少するとともに、該湾曲ノーズ部から前記翼外縁に至る第一面の面長が同じく翼内縁に至る第二面の面長よりも大きい流線形状をなし、
    前記前方翼面にて前記基準回転方向前方側から前記流体の相対流を受けた場合に、前記第一面と前記第二面とは、前記湾曲ノーズ部から前記翼外縁に向けて当該第一面に沿って生ずる前記流体の相対流の速度が、同じく前記翼内縁に向けて前記第二面に沿って生ずる前記相対流の速度よりも大きくなるよう、それぞれ高速流通過面及び低速流通過面として機能するとともに、それら高速流通過面と低速流通過面との前記相対流の流速差に基づく揚力トルクを、前記後方翼面側にて前記翼を前記基準回転方向に回転させる向きに生じさせるよう構成されることを特徴とする発電装置。
  2. 発電駆動源となる流体の流れを受けて回転する第一回転入力部と、
    前記第一回転入力部の回転軸線方向において該第一回転入力部とは異なる位置に配置されるとともに、同一方向から前記流体の流れを受けたとき、該第一回転入力部の回転軸線と同じ回転軸線周りを、該第一回転入力部とは逆方向に回転する第二回転入力部と、
    界磁用マグネットが設けられた第一ロータと、該第一ロータと逆方向に前記第二回転入力部と一体回転するとともに前記界磁用マグネットにより励磁される発電用コイルが設けられた第二ロータとを有した発電機と、を備え、
    前記発電機は、前記発電用コイルと前記界磁用マグネットとが前記回転軸線方向にエアギャップを形成する形で対向するよう、前記第二ロータにおいて、空芯扁平に構成された複数の前記発電用コイルが前記回転軸線周りに各々軸線方向前記回転軸線方向一致させる形で配列し、前記第一ロータにおいて、前記回転軸線周りに複数の前記界磁用マグネットが各々前記回転軸線方向に着磁された形で配列したアキシャルギャップ型発電機として構成される一方で、
    前記第一回転入力部と前記第二回転入力部とが、各々回転軸線と直交する向きに受風する翼を該回転軸線周りに複数配置してなるサポニウス型風車であって、同一方向に受風することにより互いに逆方向に回転する第一風車及び第二風車とされた風力発電装置として構成され、
    前記第一風車及び第二風車はそれぞれ、
    各前記翼の前記回転軸線周りに定められるとともに、前記第一風車及び第二風車とで互いに逆に定められた基準回転方向において、前方側に位置する翼面を前方翼面とし、同じく後方側に位置する翼面を後方翼面とし、また、各翼の前記回転軸線に近い側の端縁を翼内縁とし、同じく遠い側の端縁を翼外縁と定義したとき、
    前記回転軸線の周りにおいて複数の前記翼は、前記翼内縁が該回転軸線から半径方向に一定距離だけ離れて位置するよう翼支持体により一体回転可能に支持され、
    また、前記回転軸線と直交する断面において、各前記翼は、前記後方翼面が前記基準回転方向前方側に引っ込む凹湾曲面とされ、前記前方翼面が前記基準回転方向前方側に突出するとともに前記後方翼面よりも湾曲深さが大きい凸湾曲面とされ、さらに、前記前方翼面は、曲率が極大となる湾曲ノーズ部から前記翼内縁側及び前記翼外縁側に向けてそれぞれ曲率が減少するとともに、該湾曲ノーズ部から前記翼外縁に至る第一面の面長が同じく翼内縁に至る第二面の面長よりも大きい流線形状をなし、
    前記前方翼面にて前記基準回転方向前方側から相対気流を受けた場合に、前記第一面と前記第二面とは、前記湾曲ノーズ部から前記翼外縁に向けて当該第一面に沿って生ずる相対気流の速度が、同じく前記翼内縁に向けて前記第二面に沿って生ずる相対気流の速度よりも大きくなるよう、それぞれ高速気流通過面及び低速気流通過面として機能するとともに、それら高速気流通過面と低速気流通過面との前記相対気流の流速差に基づく揚力トルクを、前記後方翼面側にて前記翼を前記基準回転方向に回転させる向きに生じさせるよう構成されることを特徴とする発電装置。
  3. 前記翼は、前記翼内縁と前記翼外縁とが、各々湾曲形態の前記前方翼面と前記後方翼面との交線をなす稜線部として形成されている請求項1又は請求項2に記載の発電装置。
  4. 前記翼支持体は、前記回転軸線の周りに配列する各前記翼の前記翼内縁を含む円筒状の空間に対し、隣接する前記翼の間に前記流体の出入り口を有する風洞部が形成されるように、前記翼を一体回転可能に支持するものとして構成される一方、前記翼は前記回転軸線周りに3枚以上の等角度間隔で複数配置され、2枚の前記翼の間に形成される前記出入り口から前記風洞部を経て前記2枚の翼とは別の前記翼が前記後方翼面にて前記流体を受けることが可能とされている請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の発電装置。
  5. 前記第二ロータと前記第二回転入力部とを結合する第二回転軸上に、複数の前記発電用コイルに各々つながるスリップリングが設けられ、前記第二回転軸上にて該スリップリング上を摺動するブラシを介し、前記発電用コイルからの発電出力を取り出すようにした請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発電装置。
  6. 前記第一ロータは、前記第二ロータの前記発電用コイルとの対向面に前記界磁用マグネットが取り付けられる円板状のロータ本体を有し、前記第二回転軸と分離形成された第一回転軸が該ロータ本体に一体回転可能に結合されている請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の発電装置。
  7. 前記第一ロータは、前記第二ロータの前記発電用コイルに対し、アキシャル方向にて前記ロータ本体と反対側から対向する形で円板状の補助ロータ本体が設けられ、該補助ロータ本体の前記発電用コイルとの対向面において、前記ロータ本体側の界磁用マグネットに対応する位置に、該界磁用マグネットとは逆極性の補助界磁用マグネットが取り付けられ、前記ロータ本体と前記補助ロータ本体とが外周縁にて前記第二ロータを周方向に取り囲む周壁部により一体回転可能に連結されてなり、それらロータ本体、周壁部及び補助ロータ本体が軟磁性金属材料からなる界磁ヨークを構成してなる請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の発電装置。
  8. 前記ロータ本体の前記第二ロータに面しているのと反対側の主表面において前記回転軸線を取り囲む形で筒状の第一軸受スリーブが突出形成され、前記第二回転軸と分離形成された第一回転軸が前記第一軸受スリーブの先端を塞ぐ軸結合遮蔽部に一体回転可能に結合されるとともに、
    前記補助ロータ本体の前記第二ロータに面しているのと反対側の主表面において筒状の第二軸受スリーブが突出形成され、
    前記第二回転軸が前記第二回転入力部側から前記第二軸受スリーブ及び前記第二ロータを貫通して先端部が前記第一軸受スリーブ内に入り込み、アキシャル方向における前記第二ロータの両側にて、それら第一軸受スリーブ及び第二軸受スリーブと前記第二回転軸との間に、前記第一ロータを前記第二ロータに対し、両者の相対回転摺動を許容した形で支持させる主軸受が配置されている請求項7記載の発電装置。
  9. 前記第一ロータを外側から覆う形で非回転の発電機ケースが設けられ、前記第二回転軸と前記第一回転軸とが該発電機ケースの内部から各々該発電機ケースの壁部に形成された対応する軸貫通穴にてアキシャル方向外向きに延出するとともに、前記第二回転軸及び前記第一回転軸と対応する各貫通穴との間に補助軸受が配置されている請求項8記載の発電装置。
  10. 前記発電機ケースの壁部外面から前記アキシャル方向に突出する筒状の補助軸受スリーブの内周面が前記軸貫通穴とされ、該補助軸受スリーブ内に前記補助軸受が配置されるとともに、該補助軸受スリーブの外周面と前記発電機ケースの壁部外面とを繋ぐ形で補強用及び放熱促進用の複数のフィンが放射状に設けられている請求項9記載の発電装置。
  11. 前記第一回転入力部及び前記第二回転入力部と前記発電機とを、前記回転軸線が鉛直となるように支持する支持フレームを有する請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の発電装置。
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