JP2008025518A - 風力発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
従来の風力発電装置には、風車の回転効率を上げるために、風車の略半周を覆う風防が取り付けられていた。風防は、風防を備えていない風力発電装置に比べて効率よく風車を回転させることを実現したが、その効果は十分ではなく、風防の形状をさらに検討する必要があった。
【解決手段】
そこで本件発明では、回転軸に対して垂直方向の風で回転をする風車と、風車の風受領域の過半を覆う風防と、風受領域の正面方向を風方向に応じて調整するための風向制御翼と、を有する風力発電装置において、風防を船頭形状とした風力発電装置を提供する。
【選択図】 図1
従来の風力発電装置には、風車の回転効率を上げるために、風車の略半周を覆う風防が取り付けられていた。風防は、風防を備えていない風力発電装置に比べて効率よく風車を回転させることを実現したが、その効果は十分ではなく、風防の形状をさらに検討する必要があった。
【解決手段】
そこで本件発明では、回転軸に対して垂直方向の風で回転をする風車と、風車の風受領域の過半を覆う風防と、風受領域の正面方向を風方向に応じて調整するための風向制御翼と、を有する風力発電装置において、風防を船頭形状とした風力発電装置を提供する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、風車が風車の回転軸に対して垂直方向の風で回転する風力発電装置に関する。
一般的に、風力発電装置の風車には、羽根の種類や風車が回転する軸の方向によって様々な種類がある。風車の種類としては風車の回転する軸方向によって、水平軸風車と垂直軸風車の2つに分類される。水平軸風車は、風車の回転軸に対して水平方向の風で回転し、垂直軸風車は、風車の回転軸に対して垂直方向の風で回転する。水平軸風車としては、例えば、風車の回転軸に対して水平方向の風で回転するプロペラ型の風車を持つ風力発電装置がある。一方垂直軸風車としては、風車の回転軸に対して垂直方向の風で回転するサボニウス型やクロスフロー型風車、パドル型、S型風車などの抗力型風車などがある。プロペラ型の風車は現在、風力発電装置において、もっとも多用されている形状である。プロペラ型風車は小型から大型まで多用され、高速回転を行える点が特徴である。一方、垂直軸風車は、風速計などに用いられているパドル型風車など、小型のものが一般的である。
図15に垂直軸風車であるS型風車に分類される風車の回転軸(1501)方向視した図を示した。風が矢印(1503)の方向から吹いた場合、回転羽根(1502)は矢印(1507)の方向へ回転する。このとき、矢印(1503)方向から吹く風を、回転軸の直径となる中心線(1508)を中心に左右に分けて考えると、図中左側へあたる風(1506)は、回転羽根を矢印(1507)方向へ回転させるが、図中右側へあたる風(1504)は、逆に回転羽根を矢印(1505)方向へ回転させ、風車の回転数およびトルクを減衰させてしまい、発電効率を悪化させてしまう。
そこで、特許文献1では、図16に示したように、風車の風受領域の半分を風防(1601)にて覆い風車(1602)の回転を減衰させる方向へあたる風を防ぎ、風車の回転数、トルク、発電効率を減衰させない方法が発明されている。
特開2003−193955
図17に特許文献1に記載されている発明の風車の回転軸方向視した図を示した。特許文献1に記載の発明では、(a)や(b)に示したように、風車の風受領域の半分を風防(1701a、1701b)によって覆い、風車の回転数を減衰させる風を防いでいる。しかし、(a)のように、風受領域の中心線(1703)付近にあたる風(1702a)は、風車を回転させる方向に風はあたらず、場合によっては回転数を減衰させる方向に働く可能性がある。
そこで、本件発明では、以下の発明により、風を効率よく風車の回転に生かすことが可能な風車を持つ風力発電装置を提供する。すなわち、第一の発明としては、回転軸に対して垂直方向の風で回転する風車と、風車の風受領域の過半を覆う風防と、風受領域の正面方向を風方向に応じて調整するための風向制御翼と、を有する風力発電装置を提供する。第二の発明としては、風防は船頭形状である風力発電装置を提供する。第三の発明としては、風防は風受領域の左右いずれかの端部から風受領域中央を過ぎて配置される風力発電装置を提供する。第四の発明としては、風防は、風向方向から見て風受領域の後ろに位置する風逃領域の一部にまで延在する風力発電装置を提供する。第五の発明としては、風向制御翼は、風受領域正面視にて左右のいずれかに舵きり状態で配置されている風力発電装置を提供する。
本件発明により、従来の風力発電装置に比べ発電効率の高い垂直軸風車型風力発電装置を提供することが可能となる。
以下に本発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、本発明はこれらの実施形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
実施形態1は、主に請求項1、請求項2および請求項3について説明する。
実施形態2は、主に請求項4について説明する。
実施形態3は、主に請求項5について説明する。
<<実施形態1>>
<実施形態1 概要>
<<実施形態1>>
<実施形態1 概要>
本実施形態の風力発電装置は、回転軸に対して垂直方向の風で回転する、垂直軸風車であり、風車の風受領域の一部は、風車の回転の効率を上げるために、風防で覆われている。また、風下側には風車の方向を調整するための風向制御翼を有している。
また、風防は、風受領域に受ける風が、風車の回転を妨げる方向へ流れないように、その風上方向の先端が船頭形状となっている。図1に本実施形態の風力発電装置の概略図を示した。本実施形態の風力発電装置は、風車(0101)が回転することにより、風車の回転軸(0102)の延長線上に配置された発電装置(0103)によって、発電が行われる。風車の外周の一部は、風防(0104)によって覆われており、この風防によって図中矢印(0105)方向から吹く風を風車の風受領域に効率よくあてることで、風車の回転数が上がり、発電の効率をあげることが可能となる。また、風受領域が適切な方向から風を受けるために、風下側に風車の方向を調整するための風向制御翼(0106)が配置されている。
<実施形態1 構成>
<実施形態1 構成>
本実施形態の風力発電装置は、回転軸に対して垂直方向の風で回転する風車と、風車の風受領域の過半を覆う風防と、風受領域の正面方向を風方向に応じて調整するための風向制御翼と、を有し、前記風防は船頭形状である。
「風受領域」とは、風力発電装置が風を受けることを予定している領域をいい、風車が効率よく回転するために風を受ける領域である。具体的には、図2に示したように、本実施形態の風力発電装置において、風受領域は、風防(0201)の船頭形状(0202)の先端部を中心として風車(0203)円周方向の左右の領域(0204)をいう。この領域は、風が吹いた場合に、風車を回転させるために必要な風を受ける領域であり、この領域に風があたれば、風車が回転し発電が行われる。例えば風が特定の方向から吹くことが予定されている場合や、風が特定の方向から吹く割合が高いと考えられる場合などには、吹いてくる風に対して風受領域を真正面に配置する。逆に、風防の船頭形状の先端部から、風車回転軸(0205)を挟んだ、風受領域の裏側にあたる部分(0206)は、風逃領域という。風逃領域は、風力発電装置が風受領域で受けた風で風車を回転させた後、風車から風を排出する領域である。つまり本実施形態の風力発電装置は、風受領域に受けた風により風車を回転させ発電を行い、風車を回転させた風は、風逃領域から排出される。
本実施形態の風力発電装置は、図3に示したように、複数個の風車(0301)を積層して設置し、積層する風車の個数を増減させることで、発電電力量を大きくしたり小さくしたりすることが可能である。複数の風力発電装置の風車の回転軸(0302)は、フレキシブルジョイント(0303)によって連接し、複数の風車の回転数を揃えてもよいし、フレキシブルジョイントの代わりに、流体継手やトルクコンバータ等を設けて、複数の風車の回転数は個々の回転数を保持したまま、それぞれのトルクを発電装置(0305)に伝えてもよい。また、(a)では、複数の風車、それぞれに風防(0304)が設けられており、それぞれの風車に取り付けられた風防が別個に可動するように設置されているが、(b)の様に、複数の風車に対して、大型の風防を1つ設けてもよい。このように、風防を大型の物を用いることで、風車全体として可動する部品が少なくなり、メンテナンスやコストの面で有利となる。また、全高を低く抑えることも可能である。
また、図3では、複数の風車に対して、1つの発電装置が設けられていたが、図4の様に、個々の風車(0401)ごとに発電装置(0402)を設けてもよい。図4の(a)では、風車ごとに発電装置が発電装置設置用の枠(0403)に設置され、風防(0404)も風車ごとに設置されている。これに対し、(b)では、風車ごとに発電装置が設けられているが、風防は複数の風車に対して、大型の物が一つだけ設けられている。
図3や図4の様に風車を積層して設置する場合、それぞれの風車間に図5(a)の様に仕切板を設けてもよい。仕切板は、個々の風車の回転によって生じる風が、他の風車の回転の妨げになるのを防ぐために設けられる。また、それと同時に、風車を積層した風力発電装置の強度を上げることも可能である。(a)の風力発電装置において、(1)や(3)の風車はその風車の上面または下面に風車が設置されていないため、風車の回転によって生じた風は、風逃領域の他、(1)の場合は上面、(3)の場合は下面に逃げることが可能である。しかし、(2)では、上下に風車が設置されているため、風は風逃領域にしか逃げることができない。このため、(2)の風車の回転を妨げないために、(b)から(f)のような、仕切板の一部や全面に風を逃がすための穴を設けてもよい。例えば、(b)の場合、回転によって生じる風が、滞留しやすいと思われる風防先端部に穴を設けたり、(c)の場合は、先端部だけ仕切板を設けなかったり、(d)のように網状にしてもよい。また、(e)のように、前面を網状としたり、(f)のように、全面に穴を設けてもよい。これらの仕切板の形状や設置については、互いの風車へ影響しないよう、考慮して形状の変更や設置を行うことが望ましい。
図6に本実施形態の風力発電装置を、風車(0601)の回転軸(0602)方向視した図である。風車は、回転軸を中心に放射状に羽根(0603)が配置され、図中上方の風上側(0604)から風が風車へ導入される。風は、矢印(0605)のように風車を回転させ、風車の風下方向から排出される。風車の形状は図6に示したようなS字型風車の変形、改良型であってもよいし、パドル型風車、ダリウス型風車、ジャイロミル型風車、サボニウス型風車、クロスフロー型風車などの垂直軸型風車などであってもよい。
「風防」は、風車の風受領域の過半を覆っている。図7に本実施形態の風防(0701)の形状概略の一例を示した。風防は、風車(0702)へあたる風を風車の回転を妨げない方向または部分に誘導する。また、風車の回転軸(0703)上方および下方の面は、風防に覆われている必要は無いが、(d)に示したような風防(0704)に覆われていてもよい。(a)の場合、風防は風車の風受領域の過半を風車外周上に配置している。また(b)の場合、風車の風下側では、風防は風車外周上に配置されているが、風受領域では、船頭型となっている。また風防の船頭型の先端は、風受領域中央になるように配置されている。(c)の場合は、風防は(b)と同様に風受領域の先端部が船頭形状となっているが、先端から風車外周上までは、(b)とは異なり風車外周円の直径から所定の角度をもった位置に風防が配置されている。尚、風防の配置位置は、(e)のように左右が逆の位置に配置されていてもよい。
風防は、風向によって風車の回転軸と同じ軸を中心に回転するが、風車とは固定されておらず、風防は風防単独で回転できる構造となっている。つまり、風防は、風車の回転とは関係なく、風向に応じて回転する。
また風防は、ポリエチレンやPET、塩化ビニルなどの樹脂製やアルミニウム鋼板などの金属製や、紙や布などであってもよい。また、回転の効率を上げるためには、より軽い素材であることが望ましい。
図8には、図7で示した(a)から(c)の風防形状における、風速とそのときの風車の回転数の関係を示す実験結果である。この風速と風車の回転数の測定には、風車の直径が略50cmの小型風力発電装置を用いて測定を行った。風車の回転は、発電装置へ伝えられ、発電が行われる。そのため、風車の回転数と発電装置にて発電される電力量は、風車の回転数が大きいほど発電される電力量が大きくなる。(a)および(b)に比べて(c)の形状では、風速が小さい値であっても、風車の回転数は非常に大きいことがわかる。つまり、風防を(c)の形状とすることで、同じ風速であった場合に、風車の回転数をより大きくすることが可能であり、また発電効率もより高くなる。
「風向制御翼」は、風に対する風防の方向を調整する。具体的には、風防の風受領域が風に対して正面となるように、風防の方向を調整する。本実施形態の風力発電装置は、自然風の力による発電を想定しているため、風向きは季節や時間などに応じて絶えず変化している。そのため、風向きに対応して風防の方向を調整するための風向制御翼が必要となる。図9に図7および図8の(c)の形状を例にして風向きと風向制御翼(0907)の関係を示した。まず、風向制御翼を有していない風力発電装置(a)の場合、矢印(0901)の方向から吹いていた風が、時間とともに矢印(0902)の方向からの風に変化しても、風防(0905)の方向は変化せず、風車(0906)の回転効率が著しく低下、もしくは風車の回転が停止してしまう。(b)のように、風向制御翼(0907)を設けた場合、風向きが矢印(0903)から矢印(0904)のように変化しても、風向制御翼に風があたることで、風防(0908)が回転し、風受領域が風防の正面となるように自動的に調整され、風車(0909)は風向が変化する前と同様に回転する。
図10に本実施形態の風力発電装置を風車回転軸と垂直な方向から見た図を示した。(a)、(b)、(c)はそれぞれ風向制御翼の形状を変化させた風力発電装置である。風向制御翼の形状は、図に示したような四角形の他、三角形、平行四辺形、台形などの多角形や、円形などであってもよい。またその大きさは、(a)のように高さを風防と揃えた高さとしてもよいし、(b)のように大きくして、風に対する応答性を向上させてもよい。なお、図示していないが、風向制御翼を風下方向へ延長してもよい。また、(c)のように、風向制御翼を風車の位置に比べて上方に設置してもよい。
図10の(d)、(e)のように、風力発電装置を積層して設置する場合には、互いの風力発電装置の風防の動きを妨げないような大きさや位置に風向制御翼を設置する必要がある。例えば、図10の(a)や(c)のような風向制御翼の形状、設置位置であった場合には、風力発電装置を積層して設置した場合には、それぞれ(d)や(e)のように設置することが可能であるが、(b)の風向制御翼の形状、設置位置であった場合には、風向制御翼が互いに干渉し合い、風防の回転を妨げてしまう。このように、風力発電装置を積層して設置する場合には、風向制御翼が風防の回転を妨げるなど、個々の風力発電装置を干渉しない形状、設置位置とする必要がある。尚、図3(b)や図4(b)のように、積層し風力発電装置の個々の風車に対して、大型の風防を1つ設けた場合には、上記の限りではない。
<実施形態1 効果>
<実施形態1 効果>
本実施形態の風力発電装置は、風防を取り付けることにより、従来の風力発電装置に比べ、弱風であっても効率よく発電用風車を回転させ発電を行うことが可能である。また、風防の先端部を船頭形状とすることで、より一層発電用風車を回転させ発電を行うことが可能となる。
<<実施形態2>>
<実施形態2 概要>
<<実施形態2>>
<実施形態2 概要>
本実施形態の風力発電装置は、風向方向からみて風受領域の後ろに位置する風逃領域の一部にまで延在する風防を有している。風防は、風車の風受領域を覆うことで風車にあたる風の向きなどを調整するだけではなく、風逃領域にまで延在し、風車から流出する風の向きなどを調整する。
<実施形態2 構成>
<実施形態2 構成>
本実施形態の風力発電装置は、風逃領域の一部まで延在する風防を有している。風向方向から見て、風受領域側の風防は実施形態1に示したように、風車にあたる風の角度などを調整し、効率よく風車が回転し、発電が行われるように調整する物であった。本実施形態の風防は、風逃領域の一部にまで風防を延在することで、風車の回転に寄与した風が、風車から流出する方向などを調整することで、風車の回転効率を上げる。図11に本実施形態の風力発電装置の風車回転軸方向視した概念図を示した。(a)に示したように、風防を風受領域のみに配置すると、風車を回転させる風は、矢印(1103)のように流れる。風車内を流れた風は、風車の風逃領域側方向へ排出される。しかし、風は風車を回転させる風以外に、風車の外側を流れる風(1101、1102)がある。風車を回転させた風が矢印(1103)の方向へ排出されると、外側を流れる風(1107)と衝突し、風車を回転させた風が、効率よく排出されず、風車の回転効率を落とす可能性がある。つまり、風防を(a)のように、風逃領域に延在させずに配置すると、矢印(1107)に示した風防の外側を抜ける風が、風防の風向き方向の後方、つまり風逃領域に回り込み、風車の回転とは逆方向に風が吹くことになり風車を回転を妨げ、風車の回転数が落ちてしまう。また、(b)のように風防が風逃領域の半分以上を覆った場合、風車を回転させた風は矢印(1104)、風防に覆われた風車内から排出されなくなる。これにより、風車の回転が妨げられ、風車の回転数が落ち、発電効率が減少する。(c)や(d)のように、風防を風逃領域に延在させ、風逃領域の半分以下を覆うように構成すると、矢印(1105、1106)のように、風車を回転させた風がスムーズに排出され、風車の回転効率も上がる。
<実施形態2 効果>
<実施形態2 効果>
本実施形態の風力発電装置のように、風防を風向方向から見て風受領域の後ろに位置する風逃領域の一部にまで延在させることにより、風車を回転させた風を風逃領域からスムーズに排出させることができ、風車の回転効率を上げることが可能となる。また、風車の回転効率が上がることで、発電効率も上がる。
<<実施形態3>>
<実施形態3 概要>
<<実施形態3>>
<実施形態3 概要>
本実施形態は、風向制御翼が、風受領域を正面視した場合に、左右いずれかに舵きり状態で配置されている。風向制御翼は、風向に対する風力発電装置の方向を決める。本実施形態の風力発電装置は、風力発電装置の風受領域の先端部が船頭形状となっており、この船頭形状の先端部と風向の相対位置により風車の回転効率、すなわち発電効率が決定される。この船頭形状の先端部と風向との相対位置は、風向制御翼によって決定される。
<実施形態3 構成>
<実施形態3 構成>
本実施形態の風力発電装置は、風向制御翼が風受領域正面視にて左右いずれかに舵きり状態で配置されている。
図12に本実施形態の風向制御翼を説明するための概念図を示した。図12は、風力発電装置を風車回転軸線方向視した図である。(a)における風受領域正面視の方向は、矢印(1201、1202、1203)の方向である。(a)には風向制御翼(1204)を風受領域正面視した場合、左右いずれにも角度を持たないで配置された場合を示している。それに対し、(b)は、風向制御翼(1205)が風受領域正面視した場合に右側へ舵きり状態で配置されている例であり、(c)は(b)とは逆に、風向制御翼(1206)が風受領域正面視した場合に左側へ舵きり状態で配置されている例である。
本実施形態の風力発電装置は、風防(1207、1208、1209)が船頭形状となっている。このため、本実施形態の風力発電装置の風車を効率よく回転させるためには、(c)の様に風向制御翼を風受領域正面視した場合に左側へ舵きり状態で配置するのが理想的である。風向制御翼を風受領域正面視した場合に左側へ舵きり状態で配置することで、風車へ導入される風の量を多くすることが可能となり、少量の風でも風車が回転し、効率よく発電することが可能である。
図9にて説明したように、風向制御翼は、風向きが変化した場合、風向きに対して平行となるように、風力発電装置を回転させる。(a)では、図9と同様であるため、風力発電装置にあたる風は矢印(1210)の方向からとなるが、風向制御翼が風受領域正面視にて左右いずれかに舵きり状態で配置されているため、(b)では、矢印(1211)、(c)では矢印(1212)の方向から風があたることとなる。風向制御翼の舵きり角度は、その風力発電装置が設置される場所や、発電装置の性能に応じて変化させる。基本的には、風向制御翼の角度は、風車が効率よく回転する角度に調整する。しかし、風力発電装置が配置される場所が、強風地帯である場合など、風車の回転が発電装置の性能を超える可能性がある場合には、風向制御翼の角度を調整し、風車の回転が発電装置の性能を上回らないような方向に風があたるように調整する。また、風向制御翼は、その舵きり角度を自動的に変化させてもよい。例えば、風が弱い季節や時間によっては、風車が効率よく回転するような方向へ角度をつけたり、風力計を備えて、風力に応じて逐次風向制御翼の舵きり角度を変化させてもよい。
<実施形態3 効果>
<実施形態3 効果>
本実施形態の風力発電装置は、風向制御翼を風受領域正面視にて左右いずれかに舵きり状態で配置することで、風力発電装置の風車の回転効率を変化させることが可能である。これにより、風車の回転をもっとも効率のよい状態にすることも可能であり、また、設置場所の風力や発電装置の能力などを考慮して、風向制御翼の舵きり角度を変化させることが可能である。
<<具体例>>
<<具体例>>
図13に本件発明の具体例を示した。(a)は風車の回転軸方向視した図である。本件発明の風力発電装置は、風車(1301)の外枠及び風防(1302)の外枠が、アルミニウム製となっている。また風車の羽根(1303)及び風防はアルミニウム鋼板製となっている。風向制御翼(1304)は、高さ略1000mm、幅略1250mm、厚さ略1.5mmの樹脂製であり、風受領域正面視にて右方向へ略5度の角度で舵きり状態で配置されている。風車は直径が略2680mmであり、羽根の幅は略700mm、高さは略600mmである。風車の外側を覆う外枠(1305)は直径略3000mmの略円形形状で、風防の船頭形状(1306)が風受領域正面方向へ略819mm突出している。風力発電装置は、アルミニウム製の取り付け台(1307)に設置されており、風力発電装置全体の高さは略3400mmである。
<<応用例>>
<<応用例>>
本件発明の風力発電装置は、風力の他、水流によって発電する水力発電装置として利用することも可能である。このとき、風車は水車として、水の流れにより回転し、発電が行われる。また、風力、水力の場合ともに、本件発明の風力発電装置は、回転軸を垂直方向にして設置するほかに、水平方向にして設置することも可能である。
また、本件発明の風力発電装置は、図14の(a)に示したように、一つの風車(1401)と風防(1402)、発電装置(1403)からなるユニット(1404、1406)として利用することも可能である。このようなユニットを構成することで、(b)に示したように、縦や横に並べて設置することも可能である。ユニットにして構成する場合には、(a)に示したコネクタ(1405)を備え隣り合うユニット間の電流の導線を確保している。このようなユニットとして利用すると、例えば、ビルの屋上やビルの間の隙間などに、簡単に設置することが可能となる。
0101 風車
0102 回転軸
0103 発電装置
0104 風防
0105 風向
0106 風向制御翼
0102 回転軸
0103 発電装置
0104 風防
0105 風向
0106 風向制御翼
Claims (5)
- 回転軸に対して垂直方向の風で回転をする風車と、
風車の風受領域の過半を覆う風防と、
風受領域の正面方向を風方向に応じて調整するための風向制御翼と、
を有する風力発電装置。 - 前記風防は船頭形状である請求項1に記載の風力発電装置。
- 前記風防は風受領域の左右いずれかの端部から風受領域中央を過ぎて配置される請求項1又は2に記載の風力発電装置。
- 前記風防は、風向方向から見て風受領域の後ろに位置する風逃領域の一部にまで延在する請求項1から3のいずれか一に記載の風力発電装置。
- 前記風向制御翼は、風受領域正面視にて左右のいずれかに舵きり状態で配置されている請求項1から4のいずれか一に記載の風力発電装置。
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